ソール及びサンダル
【目的】 本発明の目的は、小石等の異物を容易に排出することができるソール及びサンダルを提供することにある。
【構成】 ソール100は、ソール本体110と、ソール本体110の収容凹部111に嵌合する足当て部120とを備えている。ソール本体110は、前側部110a及び後側部120aを有している。足当て部120は前方部120aと、後方部120bと、前方部120a及び後方部120bの間の中間部120cとを有している。足当て部120には小石Sが挿入可能な挿入孔121が設けられている。ソール本体110の収容凹部111には、挿入孔121に連通する中央排出溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a及び後側排出溝112bが設けられている。収容凹部111の外周縁部には、排出口116が設けられている。
【構成】 ソール100は、ソール本体110と、ソール本体110の収容凹部111に嵌合する足当て部120とを備えている。ソール本体110は、前側部110a及び後側部120aを有している。足当て部120は前方部120aと、後方部120bと、前方部120a及び後方部120bの間の中間部120cとを有している。足当て部120には小石Sが挿入可能な挿入孔121が設けられている。ソール本体110の収容凹部111には、挿入孔121に連通する中央排出溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a及び後側排出溝112bが設けられている。収容凹部111の外周縁部には、排出口116が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソール及びこれを備えたサンダルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のサンダル用のソールとしては、脚の蒸れ等を防止するために通気孔が設けられたものがある。前記通気孔は、前記ソールのインソールに設けられた複数の縦孔と、前記ソールを幅方向に貫通し且つ前記縦孔に連通する横孔とを有している(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−116504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記サンダルは、ソールの足当て面が外部に露出していることから、ソールの足当て面と足との間に小石等が入り込むことがある。ソールの足当て面と足の間に小石等が入り込むと、気持ちが悪い。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、小石、砂や水等の異物を容易に排出することができるソール及びサンダルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のソールは、ソール本体と、このソール本体上に設けられており且つ足が載置可能なインソールとを備えている。前記インソールは、足のつま先部分が当接可能な前方部と、足の踵部分が当接可能な後方部と、前記前方部及び後方部の間の中間部とを有している。前記ソール本体は、前記インソールの後方部に対応する後側部と、前側部とを有している。前記インソールの後方部には異物が挿入可能な後側挿入孔が設けられている。前記ソール本体の後側部には、前記後側挿入孔に連通する後側排出路が設けられている。前記後側排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出している
【0007】
このようなソールによる場合、前記後側排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出しているので、前記ソール本体を、その前側部を上方に向けて傾斜させだけで、前記後側挿入孔から入り込んだ異物を前記後側排出路から容易に排出することができる。また、前記後側挿入孔及び後側排出路を通じて排水することもできる。しかも、前記後側挿入孔及び後側排出路を通じて空気を流通させることもできるので、足の蒸れを抑制することが可能になる。
【0008】
前記インソールの前方部に異物が挿入可能な前側挿入孔を設けることが可能である。この場合、前記ソール本体の前側部には、前記前側挿入孔に連通する中央通行路と、この中央通行路の両側に位置し且つ該中央通行路に連通する前側排出路とが設けられている。前記前側排出路は、前記中央通行路から斜め前方に延び且つ前記前側部の両外側面から外部に露出している。このため、前記ソール本体を足の回転中心を中心として幅方向に回転するだけで、前記前側挿入孔から入り込んだ異物を前記前側排出路から容易に排出することができる。しかも、前記前側挿入孔及び前側排出路を通じて排水することもできる。その上、前記前側挿入孔及び前側排出路を通じて空気を流通させることもできるので、足の蒸れを抑制することが可能になる。
【0009】
前記ソール本体の上面に前記インソールを収容する収容凹部を設けることが可能である。前記中央通行路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた溝とすることができる。前記前側排出路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた前側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の前側部を貫通する前側排出口を有し、前記後側排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に設けられた後側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する後側排出口を有する構成とすることができる。
【0010】
この場合、前記インソールが前記ソール本体の収容凹部に嵌合する構成であるため、前記インソールを前記ソール本体から容易に着脱することができる。よって、前記前側挿入孔及び後側挿入孔から多量の異物が前記前側排出路及び後側排出路内に入り込んだ場合には、前記インソールを取り外すことにより、前記異物を前記前側排出路及び後側排出路から容易に排出することができる。
【0011】
前記ソール本体の後側部に、前記後側挿入孔に連通し且つ前記後側排出路に対して直交配置される直交排出路を更に設けることができる。前記直交排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出している。このため、前記ソール本体を足の回転中心を中心として幅方向に回転するだけで、前記前側挿入孔から入り込んだ異物を前記直交排出路から容易に排出することができる。
【0012】
前記直交排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に前記後側排出溝に直交するように設けられた直交排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する直交排出口を有する構成とすることができる。
【0013】
前記挿入孔がハニカム状となっていることが好ましい。この場合、前記インソールの所定の強度を維持しつつ、該インソールに前記挿入孔を設けることができる。また、前記挿入孔をハニカム状とすることにより、該挿入孔を四角形の孔とした場合よりもインソールの強度を高くすることができ、且つ該挿入孔を円形の孔とした場合よりもインソールの足に対する接触面積を小さくすることができる。
【0014】
前側挿入孔は、前記インソールの前記前方部に加えて、前記中間部にも設けられていることが好ましい。この場合、前記前方部及び中間部の前側挿入孔から異物が排出可能となるので、異物の排出機能が向上する。
【0015】
本発明のサンダルは、上記ソールと、このソールに取り付けられた鼻緒又はストラップとを備えている。前記ストラップは前記ソール本体の収容凹部の両縁部に懸架されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係るサンダルの概略図であって、(a)が平面図、(b)が底面図である。
【図2】前記サンダルの概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図である。
【図3】前記サンダルの概略図であって、(a)が右側面図、(b)が左側面図である。
【図4】前記サンダルの概略的斜視図である。
【図5】前記サンダルの概略的分解斜視図である。
【図6】(a)が前記サンダルのソールの概略的A−A断面図、(b)が前記サンダルのソールの概略的B−B断面図である。
【図7】(a)が前記サンダルのインソールの足が設置された状態を示す概略的平面図、(b)が前記サンダルのソールの足が設置された状態を示す概略的平面図である。
【図8】本発明の実施例2に係るサンダルの概略図であって、(a)が平面図、(b)が底面図である。
【図9】前記サンダルの概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図である。
【図10】前記サンダルの概略図であって、(a)が右側面図、(b)が左側面図である。
【図11】前記サンダルの概略的斜視図である。
【図12】前記サンダルの概略的分解斜視図である。
【図13】前記サンダルのソールの概略的C−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例1に係るサンダルについて図1乃至図7を参照しつつ説明する。図1乃至図3に示すサンダルは、ソール100と、鼻緒200とを備えている。以下、各部の動作について説明する。
【0018】
ソール100は、図1乃至図5に示すように、ソール本体110と、このソール本体110上に設けられたインソール120とを有している。インソール120は、足10が載置されるゴムや合成樹脂等で構成されたフレキシブルな板体である。インソール120は、図1及び図7(a)に示すように、足10のつま先部分が当接可能な前方部120aと、足10の踵部分が当接可能な後方部120bと、前方部120a及び後方部120bの間の中間部120cとを有している。インソール120には、厚み方向に貫通するハニカム状の複数の挿入孔121が設けられている。挿入孔121の外径は、小石S(異物)が挿入可能な大きさになっている。本実施の形態では、挿入孔121の外径は約3〜5mmとなっている。なお、挿入孔121のうち、前方部120a及び中間部120cに設けられた挿入孔121が特許請求の範囲における前側挿入孔に相当し、後方部120bに設けられた挿入孔121が特許請求の範囲における後側挿入孔に相当する。
【0019】
ソール本体110は、ゴムや合成樹脂等により構成されている。このソール本体110は、図1及び図7(b)に示すように、前側部110a及び後側部110bを有している。後側部110bは、インソール120の後方部120bに対応する部分である。前側部110aは、ソール本体110の後側部110bよりも前側の部分である。また、ソール本体110の上面には、図5乃至図7(b)に示すように、インソール120の外形に対応した形状の収容凹部111が設けられている。この収容凹部111にインソール120が着脱自在に嵌合するようになっている。なお、足10の回転中心Xとは、図7に示すように、足10を、足首11を支点として図示左右両側に回転させる際の中心のことである。
【0020】
収容凹部111の前側部110aの底面上には、中央通行溝112a(すなわち、中央通行路)、複数の前側排出溝113a及び複数の先端排出溝114aが設けられている。一方、収容凹部111の後側部110bの底面には、後側排出溝112b及び直交排出溝113bが設けられている。
【0021】
中央通行溝112aは、収容凹部111の前側部110aの底面の略中央部に位置しており且つソール100の長さ方向に沿って延びている。前側排出溝113aは、収容凹部111の前側部110aの底面の中央通行溝112aの両側に位置しており且つ該中央通行溝112aから斜め前方に延びている。前側排出溝113aは中央通行溝112aに連通している。先端排出溝114aは、収容凹部111の前側部110aの底面の先端部分に位置しており且つ前記長さ方向に沿って延びている。前側排出溝113a及び先端排出溝114aの幅寸法は、小石Sが流通可能な寸法となっている。中央通行溝112aの幅寸法は前側排出溝113a及び先端排出溝114aの幅寸法よりも大きくなっている。本実施の形態では、中央通行溝112aの幅寸法が約5〜10mm、前側排出溝113a及び先端排出溝114aの幅寸法が約5〜10mmとなっている。後側排出溝112bはソール100の長さ方向に沿って延びている。後側排出溝112bは、中央通行溝112a及び該後側排出溝112b近傍の前側排出溝113aと連通している。直交排出溝113bは、後側排出溝112bに対して直交するように配置され且つソール100の幅方向に沿って延びている。後側排出溝112b及び直交排出溝113bの幅寸法は前側排出溝113aの幅寸法と略同じ大きさになっている。また、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び直交排出溝113bは、収容凹部111に嵌合したインソール120の挿入孔121に各々連通している。
【0022】
また、収容凹部111の前側部110aの底面には前側嵌合孔115aが、収容凹部111の後側部110bの底面には一対の後側嵌合孔114bが設けられている。前側嵌合孔115a及び後側嵌合孔114bは、ソール本体110の収容凹部111の底面から該ソール本体110の裏面にかけて貫通する円形の孔である。
【0023】
また、ソール本体110の収容凹部111の外周縁部の外周面には、該外周縁部を厚み方向に貫通する複数の排出口116が間隔を空けて設けられている。排出口116のうち前記外周縁部の前側部110aに設けられた排出口116が前側排出溝113aに連通し、前記外周縁部の後側部110bの後端部に設けられた排出口116が後側排出溝112b及び直交排出溝113bに連通している。なお、前側排出溝113aに連通する排出口116(前側排出口)が該前側排出溝113aと共に前側排出路を構成し、後側排出溝112bの後端に連通する排出口116(後側排出口)が、後側排出溝112bと共に後側排出路を構成し、直交排出溝113bに連通する排出口116(直交排出口)が、直交排出溝113bと共に直交排出路を構成している。
【0024】
略Y字状の鼻緒200は、連結端部210と、一対の開放端部220とを有している。連結端部210は、インソール120の前方部120aを厚み方向に貫通している。この連結端部210の先端には、円柱状の前側嵌合部211が設けられている。また、開放端部220は、インソール120の後方部120bを厚み方向に貫通している。この開放端部220の先端には、円柱状の後側嵌合部221が各々設けられている。前側嵌合部211、後側嵌合部221がソール100のソール本体110の前側嵌合孔115a、後側嵌合孔114bに各々着脱自在に嵌合している。
【0025】
以下、上述した構成のサンダルの小石排出機能について詳しく説明する。小石Sがインソール120上に落ちると、小石Sがインソール120の挿入孔121に挿入され、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内に入り込む。
【0026】
その後、足10のつま先を上方に傾け、本サンダルを同様に傾斜させると、後側排出溝112b内の小石Sが、該後側排出溝112bを通じて排出口116からソール100外に排出される。このとき、後述するように中央通行溝112a及び後側排出溝112b近傍の前側排出溝113a内に入り込んだ小石Sも後側排出溝112bを通じて排出口116からソール100外に排出される。
【0027】
また、足10を、回転中心Xを中心に図4に示す矢印方向に回転させ、本サンダルも同様に回転させると、中央通行溝112a及び/又は前側排出溝113a内の小石Sが、該前側排出溝113aを通じて排出口116からソール100外に排出される。これと共に、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sが、直交排出溝113b及び両外側の後側排出溝112bを通じて排出口116からソール100外に排出される。
【0028】
また、インソール120の挿入孔121から小石Sが中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bに大量に入り込んだ場合、若しくは、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sが上述の如く足10を動かしてもうまく排出できない場合には、鼻緒200をソール本体110に対して相対的に上方に引っ張る。すると、鼻緒200の前側嵌合部211、後側嵌合部221とソール本体110の前側嵌合孔115a、後側嵌合孔114bとの嵌合が外れる。これと共に、インソール120とソール本体110の収容凹部111との嵌合も外れる。これにより、鼻緒200及びインソール120がソール本体110から取り外され、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び直交排出溝113bが外部に露出する。このため、ソール本体110の収容凹部111を下方に向けるだけで、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sを排出することができる。また、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bに嵌まっている小石Sを手や棒を用いて直接取り除くこともできる。また、インソール120の挿入孔121に嵌合した小石Sを手や棒を用いて直接取り除くこともできる。
【0029】
このようなサンダルによる場合、上述の如く足10を傾斜させたり回転させたりするだけで、インソール120の挿入孔121から挿入された小石S及びこれと略同じ又は小さいサイズの異物(例えば、砂や水等)をソール本体110の前側排出溝113a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bを通じて排出口116から外部に排出することができる。しかも、インソール120をソール本体110の収容凹部111から取り外すことができるので、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sを一度に取り除くことができる。また、インソール120がソール本体110の収容凹部111から取り外し、インソール120の挿入孔121に嵌まった小石Sや中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bに嵌まった小石Sを手や棒を用いて直接取り除くことができる。従って、本サンダルは、小石S等の異物の排出を容易に行うことができる。
【0030】
また、インソール120の挿入孔121から入り込んだ水をソール本体110の前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bを通じて排出口116から排出することもできる。その上、インソール120の挿入孔121、ソール本体110の前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b、並びにソール本体110の排出口116を通じて空気を流通させることもできるので、足10の蒸れを抑制することも可能になる。
【実施例2】
【0031】
以下、本発明の実施例2に係るサンダルについて図8乃至図13を参照しつつ説明する。図8乃至図13に示すサンダルは、鼻緒200に代えて、ストラップ300を備えている以外、実施例1のサンダルと略同じである。従って、相違する部分についてのみ詳しく説明し、重複する説明については省略する。
【0032】
ストラップ300は、ソール本体110の収容凹部111の外周縁部の幅方向の両端部(すなわち、両縁部)に懸架された下向き略U字状の帯状体である。このストラップ300は、ソール本体110と同じ素材でソール本体110の前記両端部に一体的に成形されている。このため、ソール本体110には前側嵌合孔115a及び後側嵌合孔114bが設けられておらず、インソール120には鼻緒200の連結端部210及び開放端部220が貫通するスリットが形成されていない。
【0033】
このようなサンダルによる場合であっても、実施例1のサンダルと同様の効果を得ることができる。
【0034】
なお、上述したサンダル及びソール100は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0035】
上記実施の形態では、インソール120は、ソール本体110の収容凹部111に着脱自在に嵌合しているとしたが、ソール本体上に設けられている限り任意に設計変形することが可能である。例えば、ソール本体の上面上にインソールを接着するようにしても構わないし、ソール本体の上面にインソールを一体的に設けることも可能である。また、上記実施の形態では、インソール120の全面に挿入孔121が設けられているとしたが、これに限定されるものではない。また、挿入孔121はハニカム状であるとしたが、これに限定されるものではなく、四角や円形の孔等をすることも可能である。
【0036】
上記実施の形態では、ソール本体110には、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び直交排出溝113bが設けられているとしたが、少なくとも後側排出溝112bが設けられていれば良い。排出口116も後側排出溝112bに連通するものが少なくともあれば良い。また、上記実施の形態では、ソール本体110の上面には収容凹部111が設けられているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前述のようにインソールが上面に接着される場合には収容凹部111を省略することができる。この場合、インソールの上面に中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bを設け、該前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bをソール本体の外周面から露出させるようにすれば良い。すなわち、各排出路は、少なくとも排出溝を有していれば良い。
【0037】
また、上記実施の形態では、鼻緒200は前側嵌合部211、後側嵌合部221がソール本体110の前側嵌合孔115a、後側嵌合孔114bに着脱自在に嵌合するとしたが、これに限定されるものではない。ストラップ300は、ソール本体110に一体成形されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ストラップ300の両端部をソール本体110の収容凹部111の両縁部に縫い付ける等して取り付けるようにしても良い。また、2以上のストラップをソール本体110の収容凹部111の両縁部に懸架させるようにしても良い。
【0038】
また、ソール100は、サンダルのソールとして用いられるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ソール100を靴のソールとしても用いることが可能である。この場合であっても、上記サンダルと同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、ソール100、鼻緒200及びストラップ300の各部を構成する素材、形状、寸法及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
100・・・・ソール
110・・・ソール本体
110a・前側部
110b・後側部
111・・収容凹部
112a・中央通行溝
113a・前側排出溝
114a・先端排出溝
112b・後側排出溝
113b・直交排出溝
116・・排出口
120・・・インソール
120a・前方部
120b・後方部
120c・中間部
121・・挿入孔
200・・・・鼻緒
210・・・連結端部
220・・・開放端部
10・・・・・足
X・・・・・・回転中心
S・・・・・・小石
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソール及びこれを備えたサンダルに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のサンダル用のソールとしては、脚の蒸れ等を防止するために通気孔が設けられたものがある。前記通気孔は、前記ソールのインソールに設けられた複数の縦孔と、前記ソールを幅方向に貫通し且つ前記縦孔に連通する横孔とを有している(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55−116504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記サンダルは、ソールの足当て面が外部に露出していることから、ソールの足当て面と足との間に小石等が入り込むことがある。ソールの足当て面と足の間に小石等が入り込むと、気持ちが悪い。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、小石、砂や水等の異物を容易に排出することができるソール及びサンダルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のソールは、ソール本体と、このソール本体上に設けられており且つ足が載置可能なインソールとを備えている。前記インソールは、足のつま先部分が当接可能な前方部と、足の踵部分が当接可能な後方部と、前記前方部及び後方部の間の中間部とを有している。前記ソール本体は、前記インソールの後方部に対応する後側部と、前側部とを有している。前記インソールの後方部には異物が挿入可能な後側挿入孔が設けられている。前記ソール本体の後側部には、前記後側挿入孔に連通する後側排出路が設けられている。前記後側排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出している
【0007】
このようなソールによる場合、前記後側排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出しているので、前記ソール本体を、その前側部を上方に向けて傾斜させだけで、前記後側挿入孔から入り込んだ異物を前記後側排出路から容易に排出することができる。また、前記後側挿入孔及び後側排出路を通じて排水することもできる。しかも、前記後側挿入孔及び後側排出路を通じて空気を流通させることもできるので、足の蒸れを抑制することが可能になる。
【0008】
前記インソールの前方部に異物が挿入可能な前側挿入孔を設けることが可能である。この場合、前記ソール本体の前側部には、前記前側挿入孔に連通する中央通行路と、この中央通行路の両側に位置し且つ該中央通行路に連通する前側排出路とが設けられている。前記前側排出路は、前記中央通行路から斜め前方に延び且つ前記前側部の両外側面から外部に露出している。このため、前記ソール本体を足の回転中心を中心として幅方向に回転するだけで、前記前側挿入孔から入り込んだ異物を前記前側排出路から容易に排出することができる。しかも、前記前側挿入孔及び前側排出路を通じて排水することもできる。その上、前記前側挿入孔及び前側排出路を通じて空気を流通させることもできるので、足の蒸れを抑制することが可能になる。
【0009】
前記ソール本体の上面に前記インソールを収容する収容凹部を設けることが可能である。前記中央通行路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた溝とすることができる。前記前側排出路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた前側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の前側部を貫通する前側排出口を有し、前記後側排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に設けられた後側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する後側排出口を有する構成とすることができる。
【0010】
この場合、前記インソールが前記ソール本体の収容凹部に嵌合する構成であるため、前記インソールを前記ソール本体から容易に着脱することができる。よって、前記前側挿入孔及び後側挿入孔から多量の異物が前記前側排出路及び後側排出路内に入り込んだ場合には、前記インソールを取り外すことにより、前記異物を前記前側排出路及び後側排出路から容易に排出することができる。
【0011】
前記ソール本体の後側部に、前記後側挿入孔に連通し且つ前記後側排出路に対して直交配置される直交排出路を更に設けることができる。前記直交排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出している。このため、前記ソール本体を足の回転中心を中心として幅方向に回転するだけで、前記前側挿入孔から入り込んだ異物を前記直交排出路から容易に排出することができる。
【0012】
前記直交排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に前記後側排出溝に直交するように設けられた直交排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する直交排出口を有する構成とすることができる。
【0013】
前記挿入孔がハニカム状となっていることが好ましい。この場合、前記インソールの所定の強度を維持しつつ、該インソールに前記挿入孔を設けることができる。また、前記挿入孔をハニカム状とすることにより、該挿入孔を四角形の孔とした場合よりもインソールの強度を高くすることができ、且つ該挿入孔を円形の孔とした場合よりもインソールの足に対する接触面積を小さくすることができる。
【0014】
前側挿入孔は、前記インソールの前記前方部に加えて、前記中間部にも設けられていることが好ましい。この場合、前記前方部及び中間部の前側挿入孔から異物が排出可能となるので、異物の排出機能が向上する。
【0015】
本発明のサンダルは、上記ソールと、このソールに取り付けられた鼻緒又はストラップとを備えている。前記ストラップは前記ソール本体の収容凹部の両縁部に懸架されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係るサンダルの概略図であって、(a)が平面図、(b)が底面図である。
【図2】前記サンダルの概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図である。
【図3】前記サンダルの概略図であって、(a)が右側面図、(b)が左側面図である。
【図4】前記サンダルの概略的斜視図である。
【図5】前記サンダルの概略的分解斜視図である。
【図6】(a)が前記サンダルのソールの概略的A−A断面図、(b)が前記サンダルのソールの概略的B−B断面図である。
【図7】(a)が前記サンダルのインソールの足が設置された状態を示す概略的平面図、(b)が前記サンダルのソールの足が設置された状態を示す概略的平面図である。
【図8】本発明の実施例2に係るサンダルの概略図であって、(a)が平面図、(b)が底面図である。
【図9】前記サンダルの概略図であって、(a)が正面図、(b)が背面図である。
【図10】前記サンダルの概略図であって、(a)が右側面図、(b)が左側面図である。
【図11】前記サンダルの概略的斜視図である。
【図12】前記サンダルの概略的分解斜視図である。
【図13】前記サンダルのソールの概略的C−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例1に係るサンダルについて図1乃至図7を参照しつつ説明する。図1乃至図3に示すサンダルは、ソール100と、鼻緒200とを備えている。以下、各部の動作について説明する。
【0018】
ソール100は、図1乃至図5に示すように、ソール本体110と、このソール本体110上に設けられたインソール120とを有している。インソール120は、足10が載置されるゴムや合成樹脂等で構成されたフレキシブルな板体である。インソール120は、図1及び図7(a)に示すように、足10のつま先部分が当接可能な前方部120aと、足10の踵部分が当接可能な後方部120bと、前方部120a及び後方部120bの間の中間部120cとを有している。インソール120には、厚み方向に貫通するハニカム状の複数の挿入孔121が設けられている。挿入孔121の外径は、小石S(異物)が挿入可能な大きさになっている。本実施の形態では、挿入孔121の外径は約3〜5mmとなっている。なお、挿入孔121のうち、前方部120a及び中間部120cに設けられた挿入孔121が特許請求の範囲における前側挿入孔に相当し、後方部120bに設けられた挿入孔121が特許請求の範囲における後側挿入孔に相当する。
【0019】
ソール本体110は、ゴムや合成樹脂等により構成されている。このソール本体110は、図1及び図7(b)に示すように、前側部110a及び後側部110bを有している。後側部110bは、インソール120の後方部120bに対応する部分である。前側部110aは、ソール本体110の後側部110bよりも前側の部分である。また、ソール本体110の上面には、図5乃至図7(b)に示すように、インソール120の外形に対応した形状の収容凹部111が設けられている。この収容凹部111にインソール120が着脱自在に嵌合するようになっている。なお、足10の回転中心Xとは、図7に示すように、足10を、足首11を支点として図示左右両側に回転させる際の中心のことである。
【0020】
収容凹部111の前側部110aの底面上には、中央通行溝112a(すなわち、中央通行路)、複数の前側排出溝113a及び複数の先端排出溝114aが設けられている。一方、収容凹部111の後側部110bの底面には、後側排出溝112b及び直交排出溝113bが設けられている。
【0021】
中央通行溝112aは、収容凹部111の前側部110aの底面の略中央部に位置しており且つソール100の長さ方向に沿って延びている。前側排出溝113aは、収容凹部111の前側部110aの底面の中央通行溝112aの両側に位置しており且つ該中央通行溝112aから斜め前方に延びている。前側排出溝113aは中央通行溝112aに連通している。先端排出溝114aは、収容凹部111の前側部110aの底面の先端部分に位置しており且つ前記長さ方向に沿って延びている。前側排出溝113a及び先端排出溝114aの幅寸法は、小石Sが流通可能な寸法となっている。中央通行溝112aの幅寸法は前側排出溝113a及び先端排出溝114aの幅寸法よりも大きくなっている。本実施の形態では、中央通行溝112aの幅寸法が約5〜10mm、前側排出溝113a及び先端排出溝114aの幅寸法が約5〜10mmとなっている。後側排出溝112bはソール100の長さ方向に沿って延びている。後側排出溝112bは、中央通行溝112a及び該後側排出溝112b近傍の前側排出溝113aと連通している。直交排出溝113bは、後側排出溝112bに対して直交するように配置され且つソール100の幅方向に沿って延びている。後側排出溝112b及び直交排出溝113bの幅寸法は前側排出溝113aの幅寸法と略同じ大きさになっている。また、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び直交排出溝113bは、収容凹部111に嵌合したインソール120の挿入孔121に各々連通している。
【0022】
また、収容凹部111の前側部110aの底面には前側嵌合孔115aが、収容凹部111の後側部110bの底面には一対の後側嵌合孔114bが設けられている。前側嵌合孔115a及び後側嵌合孔114bは、ソール本体110の収容凹部111の底面から該ソール本体110の裏面にかけて貫通する円形の孔である。
【0023】
また、ソール本体110の収容凹部111の外周縁部の外周面には、該外周縁部を厚み方向に貫通する複数の排出口116が間隔を空けて設けられている。排出口116のうち前記外周縁部の前側部110aに設けられた排出口116が前側排出溝113aに連通し、前記外周縁部の後側部110bの後端部に設けられた排出口116が後側排出溝112b及び直交排出溝113bに連通している。なお、前側排出溝113aに連通する排出口116(前側排出口)が該前側排出溝113aと共に前側排出路を構成し、後側排出溝112bの後端に連通する排出口116(後側排出口)が、後側排出溝112bと共に後側排出路を構成し、直交排出溝113bに連通する排出口116(直交排出口)が、直交排出溝113bと共に直交排出路を構成している。
【0024】
略Y字状の鼻緒200は、連結端部210と、一対の開放端部220とを有している。連結端部210は、インソール120の前方部120aを厚み方向に貫通している。この連結端部210の先端には、円柱状の前側嵌合部211が設けられている。また、開放端部220は、インソール120の後方部120bを厚み方向に貫通している。この開放端部220の先端には、円柱状の後側嵌合部221が各々設けられている。前側嵌合部211、後側嵌合部221がソール100のソール本体110の前側嵌合孔115a、後側嵌合孔114bに各々着脱自在に嵌合している。
【0025】
以下、上述した構成のサンダルの小石排出機能について詳しく説明する。小石Sがインソール120上に落ちると、小石Sがインソール120の挿入孔121に挿入され、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内に入り込む。
【0026】
その後、足10のつま先を上方に傾け、本サンダルを同様に傾斜させると、後側排出溝112b内の小石Sが、該後側排出溝112bを通じて排出口116からソール100外に排出される。このとき、後述するように中央通行溝112a及び後側排出溝112b近傍の前側排出溝113a内に入り込んだ小石Sも後側排出溝112bを通じて排出口116からソール100外に排出される。
【0027】
また、足10を、回転中心Xを中心に図4に示す矢印方向に回転させ、本サンダルも同様に回転させると、中央通行溝112a及び/又は前側排出溝113a内の小石Sが、該前側排出溝113aを通じて排出口116からソール100外に排出される。これと共に、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sが、直交排出溝113b及び両外側の後側排出溝112bを通じて排出口116からソール100外に排出される。
【0028】
また、インソール120の挿入孔121から小石Sが中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bに大量に入り込んだ場合、若しくは、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sが上述の如く足10を動かしてもうまく排出できない場合には、鼻緒200をソール本体110に対して相対的に上方に引っ張る。すると、鼻緒200の前側嵌合部211、後側嵌合部221とソール本体110の前側嵌合孔115a、後側嵌合孔114bとの嵌合が外れる。これと共に、インソール120とソール本体110の収容凹部111との嵌合も外れる。これにより、鼻緒200及びインソール120がソール本体110から取り外され、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び直交排出溝113bが外部に露出する。このため、ソール本体110の収容凹部111を下方に向けるだけで、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sを排出することができる。また、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bに嵌まっている小石Sを手や棒を用いて直接取り除くこともできる。また、インソール120の挿入孔121に嵌合した小石Sを手や棒を用いて直接取り除くこともできる。
【0029】
このようなサンダルによる場合、上述の如く足10を傾斜させたり回転させたりするだけで、インソール120の挿入孔121から挿入された小石S及びこれと略同じ又は小さいサイズの異物(例えば、砂や水等)をソール本体110の前側排出溝113a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bを通じて排出口116から外部に排出することができる。しかも、インソール120をソール本体110の収容凹部111から取り外すことができるので、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b内の小石Sを一度に取り除くことができる。また、インソール120がソール本体110の収容凹部111から取り外し、インソール120の挿入孔121に嵌まった小石Sや中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bに嵌まった小石Sを手や棒を用いて直接取り除くことができる。従って、本サンダルは、小石S等の異物の排出を容易に行うことができる。
【0030】
また、インソール120の挿入孔121から入り込んだ水をソール本体110の前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bを通じて排出口116から排出することもできる。その上、インソール120の挿入孔121、ソール本体110の前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113b、並びにソール本体110の排出口116を通じて空気を流通させることもできるので、足10の蒸れを抑制することも可能になる。
【実施例2】
【0031】
以下、本発明の実施例2に係るサンダルについて図8乃至図13を参照しつつ説明する。図8乃至図13に示すサンダルは、鼻緒200に代えて、ストラップ300を備えている以外、実施例1のサンダルと略同じである。従って、相違する部分についてのみ詳しく説明し、重複する説明については省略する。
【0032】
ストラップ300は、ソール本体110の収容凹部111の外周縁部の幅方向の両端部(すなわち、両縁部)に懸架された下向き略U字状の帯状体である。このストラップ300は、ソール本体110と同じ素材でソール本体110の前記両端部に一体的に成形されている。このため、ソール本体110には前側嵌合孔115a及び後側嵌合孔114bが設けられておらず、インソール120には鼻緒200の連結端部210及び開放端部220が貫通するスリットが形成されていない。
【0033】
このようなサンダルによる場合であっても、実施例1のサンダルと同様の効果を得ることができる。
【0034】
なお、上述したサンダル及びソール100は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0035】
上記実施の形態では、インソール120は、ソール本体110の収容凹部111に着脱自在に嵌合しているとしたが、ソール本体上に設けられている限り任意に設計変形することが可能である。例えば、ソール本体の上面上にインソールを接着するようにしても構わないし、ソール本体の上面にインソールを一体的に設けることも可能である。また、上記実施の形態では、インソール120の全面に挿入孔121が設けられているとしたが、これに限定されるものではない。また、挿入孔121はハニカム状であるとしたが、これに限定されるものではなく、四角や円形の孔等をすることも可能である。
【0036】
上記実施の形態では、ソール本体110には、中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び直交排出溝113bが設けられているとしたが、少なくとも後側排出溝112bが設けられていれば良い。排出口116も後側排出溝112bに連通するものが少なくともあれば良い。また、上記実施の形態では、ソール本体110の上面には収容凹部111が設けられているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前述のようにインソールが上面に接着される場合には収容凹部111を省略することができる。この場合、インソールの上面に中央通行溝112a、前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bを設け、該前側排出溝113a、先端排出溝114a、後側排出溝112b及び/又は直交排出溝113bをソール本体の外周面から露出させるようにすれば良い。すなわち、各排出路は、少なくとも排出溝を有していれば良い。
【0037】
また、上記実施の形態では、鼻緒200は前側嵌合部211、後側嵌合部221がソール本体110の前側嵌合孔115a、後側嵌合孔114bに着脱自在に嵌合するとしたが、これに限定されるものではない。ストラップ300は、ソール本体110に一体成形されているとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ストラップ300の両端部をソール本体110の収容凹部111の両縁部に縫い付ける等して取り付けるようにしても良い。また、2以上のストラップをソール本体110の収容凹部111の両縁部に懸架させるようにしても良い。
【0038】
また、ソール100は、サンダルのソールとして用いられるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ソール100を靴のソールとしても用いることが可能である。この場合であっても、上記サンダルと同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、ソール100、鼻緒200及びストラップ300の各部を構成する素材、形状、寸法及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
100・・・・ソール
110・・・ソール本体
110a・前側部
110b・後側部
111・・収容凹部
112a・中央通行溝
113a・前側排出溝
114a・先端排出溝
112b・後側排出溝
113b・直交排出溝
116・・排出口
120・・・インソール
120a・前方部
120b・後方部
120c・中間部
121・・挿入孔
200・・・・鼻緒
210・・・連結端部
220・・・開放端部
10・・・・・足
X・・・・・・回転中心
S・・・・・・小石
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソール本体と、
このソール本体上に設けられており且つ足が載置可能なインソールとを備えており、
前記インソールは、足のつま先部分が当接可能な前方部と、足の踵部分が当接可能な後方部と、前記前方部及び後方部の間の中間部とを有しており、
前記ソール本体は、前記インソールの後方部に対応する後側部と、前側部とを有しており、
前記インソールの後方部には異物が挿入可能な後側挿入孔が設けられており、
前記ソール本体の後側部には、前記後側挿入孔に連通する後側排出路が設けられており、
前記後側排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出していることを特徴とするソール。
【請求項2】
請求項1記載のソールにおいて、
前記インソールの先方部には異物が挿入可能な前側挿入孔が設けられており、
前記ソール本体の前側部には、前記前側挿入孔に連通する中央通行路と、この中央通行路の両側に位置し且つ該中央通行路に連通する前側排出路とが設けられており、
前記前側排出路は、前記中央通行路から斜め前方に延び且つ前記前側部の両外側面から外部に露出していることを特徴とするソール。
【請求項3】
請求項2記載のソールにおいて、
前記ソール本体の上面には前記インソールを収容する収容凹部が設けられており、
前記中央通行路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた溝であり、
前記前側排出路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた前側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の前側部を貫通する前側排出口を有し、
前記後側排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に設けられた後側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する後側排出口を有しており、
前記インソールが前記収容凹部に対して着脱自在になっていることを特徴とするソール。
【請求項4】
請求項2記載のソールにおいて、
前記ソール本体の後側部には、前記後側挿入孔に連通し且つ前記後側排出路に対して直交配置される直交排出路が更に設けられており、
前記直交排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出していることを特徴とするソール。
【請求項5】
請求項4記載のソールにおいて、
前記ソール本体の上面には前記インソールを収容する収容凹部が設けられており、
前記中央通行路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた溝であり、
前記前側排出路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた前側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の前側部を貫通する前側排出口を有し、
前記後側排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に設けられた後側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する後側排出口を有しており、
前記直交排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に前記後側排出溝に直交するように設けられた直交排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する直交排出口を有しており、
前記インソールが前記収容凹部に対して着脱自在になっていることを特徴とするソール。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一つに記載のソールにおいて、
前記挿入孔がハニカム状となっていることを特徴とするソール。
【請求項7】
請求項1乃至7の何れか一つに記載のソールにおいて、
前側挿入孔は、前記インソールの前記前方部に加えて、前記中間部にも設けられていることを特徴とするソール。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一つに記載のソールと、
このソールに取り付けられた鼻緒又はストラップとを備えていることを特徴とするサンダル。
【請求項9】
請求項8に記載のサンダルにおいて、
前記ストラップは、前記ソール本体の収容凹部の両縁部に懸架されていることを特徴とするサンダル。
【請求項1】
ソール本体と、
このソール本体上に設けられており且つ足が載置可能なインソールとを備えており、
前記インソールは、足のつま先部分が当接可能な前方部と、足の踵部分が当接可能な後方部と、前記前方部及び後方部の間の中間部とを有しており、
前記ソール本体は、前記インソールの後方部に対応する後側部と、前側部とを有しており、
前記インソールの後方部には異物が挿入可能な後側挿入孔が設けられており、
前記ソール本体の後側部には、前記後側挿入孔に連通する後側排出路が設けられており、
前記後側排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出していることを特徴とするソール。
【請求項2】
請求項1記載のソールにおいて、
前記インソールの先方部には異物が挿入可能な前側挿入孔が設けられており、
前記ソール本体の前側部には、前記前側挿入孔に連通する中央通行路と、この中央通行路の両側に位置し且つ該中央通行路に連通する前側排出路とが設けられており、
前記前側排出路は、前記中央通行路から斜め前方に延び且つ前記前側部の両外側面から外部に露出していることを特徴とするソール。
【請求項3】
請求項2記載のソールにおいて、
前記ソール本体の上面には前記インソールを収容する収容凹部が設けられており、
前記中央通行路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた溝であり、
前記前側排出路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた前側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の前側部を貫通する前側排出口を有し、
前記後側排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に設けられた後側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する後側排出口を有しており、
前記インソールが前記収容凹部に対して着脱自在になっていることを特徴とするソール。
【請求項4】
請求項2記載のソールにおいて、
前記ソール本体の後側部には、前記後側挿入孔に連通し且つ前記後側排出路に対して直交配置される直交排出路が更に設けられており、
前記直交排出路が、前記ソール本体の長さ方向に延び且つ前記後側部の後面から外部に露出していることを特徴とするソール。
【請求項5】
請求項4記載のソールにおいて、
前記ソール本体の上面には前記インソールを収容する収容凹部が設けられており、
前記中央通行路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた溝であり、
前記前側排出路は、前記収容凹部の前側部の底面上に設けられた前側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の前側部を貫通する前側排出口を有し、
前記後側排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に設けられた後側排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する後側排出口を有しており、
前記直交排出路は、前記収容凹部の後側部の底面上に前記後側排出溝に直交するように設けられた直交排出溝と、前記ソール本体の収容凹部の外周縁部の後側部を貫通する直交排出口を有しており、
前記インソールが前記収容凹部に対して着脱自在になっていることを特徴とするソール。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一つに記載のソールにおいて、
前記挿入孔がハニカム状となっていることを特徴とするソール。
【請求項7】
請求項1乃至7の何れか一つに記載のソールにおいて、
前側挿入孔は、前記インソールの前記前方部に加えて、前記中間部にも設けられていることを特徴とするソール。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一つに記載のソールと、
このソールに取り付けられた鼻緒又はストラップとを備えていることを特徴とするサンダル。
【請求項9】
請求項8に記載のサンダルにおいて、
前記ストラップは、前記ソール本体の収容凹部の両縁部に懸架されていることを特徴とするサンダル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−120750(P2011−120750A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281144(P2009−281144)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(503320751)株式会社トアセイコー (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(503320751)株式会社トアセイコー (1)
【Fターム(参考)】
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