説明

ゾーンライティングユニットおよびゾーンライティングシステム

【課題】セキュリティ対象の監視範囲に侵入した監視対象の撮像画像を一個の監視センタ装置にデータ収集することができるゾーンライティングシステムを提供する。
【解決手段】LED照明で照明している所定の監視範囲に侵入した監視対象が超音波センサで検出され、この検出された監視対象がウェブカメラで撮像されてデータ送信部からデータ送信される。データ受信部でデータ受信された監視対象の撮像画像はデータ記録部に記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ対象の所定範囲の監視に利用されるゾーンライティングユニットおよびゾーンライティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各種施設でセキュリティが問題とされている。そこで、セキュリティシステムとして、監視カメラなどが利用されている。現在、上述のようなセキュリティシステムとして各種の提案がある(特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04−291700号公報
【特許文献2】特開平11−283133号公報
【特許文献3】特開2007−220012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のセキュリティシステムでは、セキュリティ対象の監視範囲に侵入した監視対象の撮像画像を一個の監視センタ装置にデータ収集するようなことが困難である。
【0005】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、セキュリティ対象の監視範囲に侵入した監視対象の撮像画像を一個の監視センタ装置にデータ収集するようなことができるゾーンライティングユニットおよびゾーンライティングシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゾーンライティングユニットは、所定形状の本体フレームと、本体フレームに搭載されていて所定の監視範囲を照明するLED(LIGHT EMITTING DIODE)照明と、本体フレームに搭載されていて監視範囲に侵入した監視対象を検出する超音波センサと、本体フレームに搭載されていて検出された監視対象を撮像するウェブカメラと、本体フレームに搭載されていて監視対象の撮像画像をデータ送信するデータ送信部と、を有する。
【0007】
従って、本発明のゾーンライティングユニットでは、LED照明で照明している所定の監視範囲に侵入した監視対象が超音波センサで検出され、この検出された監視対象がウェブカメラで撮像されてデータ送信部からデータ送信される。
【0008】
本発明のゾーンライティングシステムは、複数の監視範囲に個々に設置されている複数の本発明のゾーンライティングユニットと、複数のゾーンライティングユニットと通信ネットワークで接続されている監視センタ装置と、を有し、監視センタ装置は、監視対象の撮像画像をデータ受信するデータ受信部と、データ受信された撮像画像を対応する監視範囲ごとに記録するデータ記録部と、を有する。
【0009】
本発明のゾーンライティングシステムでは、LED照明で照明している所定の監視範囲に侵入した監視対象が超音波センサで検出され、この検出された監視対象がウェブカメラで撮像されてデータ送信部からデータ送信される。データ受信部でデータ受信された監視対象の撮像画像はデータ記録部に記録される。
【0010】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0011】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のゾーンライティングシステムでは、LED照明で照明している所定の監視範囲に侵入した監視対象が超音波センサで検出され、この検出された監視対象がウェブカメラで撮像されてデータ送信部からデータ送信される。データ受信部でデータ受信された監視対象の撮像画像はデータ記録部に記録される。このため、例えば、セキュリティ対象の監視範囲に侵入した監視対象の撮像画像を一個の監視センタ装置にデータ収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態のゾーンライティングシステムの論理構造を示す模式図である。
【図2】ゾーンライティングユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】ゾーンライティングユニットの外観を示す六面図である。
【図4】ゾーンライティングユニットの回路構造を示すブロック図である。
【図5】一変形例のゾーンライティングユニットの外観を示す斜視図である。
【図6】ゾーンライティングユニットの外観を示す五面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。ゾーンライティングシステム1000は、図1に示すように、複数の監視範囲に個々に設置されている複数のゾーンライティングユニット100と、複数のゾーンライティングユニット100と通信ネットワーク201で接続されている監視センタ装置200と、を有する。
【0015】
この監視センタ装置200は、実装されているコンピュータプログラムに対応して動作することにより、監視対象の撮像画像をデータ受信するデータ受信部と、データ受信された撮像画像を対応する監視範囲ごとに記録するデータ記録部と、を論理的に有する(図示せず)。
【0016】
また、ゾーンライティングユニット100は、図2および図3に示すように、所定の監視範囲を照明するLED照明110と、監視範囲に侵入した監視対象を検出する超音波センサ120と、検出された監視対象を撮像するウェブカメラ130と、図4に示すように、監視対象の撮像画像をデータ送信するデータ送信部140と、を有する。
【0017】
より詳細には、本実施の形態のゾーンライティングユニット100は、扁平な小判型の本体フレーム101の前面中央に一個のウェブカメラ130が搭載されており、その周囲に四個の長方形のLED照明110が配置されている。これら四個のLED照明110の各々の側方には八個の超音波センサ120が二個ずつ配置されている。
【0018】
また、本実施の形態のゾーンライティングユニット100では、図4に示すように、超音波センサ120およびウェブカメラ130は、受信回路121、アンプ122、フィルタ123、判定回路124、に順番に接続されており、四個のゾーンライティングユニット100の判定回路124が一個のデータ送信部140であるコントロール基板のCPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)141に接続されている。このCPU141は接点142を介して通信ネットワーク201に接続されている。
【0019】
また、データ送信部140であるコントロール基板には、AC(ALTERNATING CURRENT)100Vの電源電圧が供給されており、これがAC/DC(DIRECT CURRENT)コンバータ143に入力されている。このAC/DCコンバータ143は、12Vの電圧を出力し、その一部がDC/DCコンバータ144で5Vの電圧に変換されている。
【0020】
また、ゾーンライティングユニット100には、監視範囲に警告音声を出力するスピーカユニット150も搭載されており、このスピーカユニット150に送信回路151が接続されている。
【0021】
さらに、監視センタ装置200は、前述のように実装されているコンピュータプログラムに対応して動作することにより、記録された撮像画像に対応して特定のゾーンライティングユニット100のLED照明110の点灯状態を変更する点灯制御部と、記録された撮像画像に対応して特定のゾーンライティングユニット100のスピーカユニットに警告音声を出力させる警告出力部とを、さらに有する(図示せず)。
【0022】
上述のような構成において、本実施の形態のゾーンライティングシステム1000では、図1に示すように、複数の所定の監視範囲ごとに複数のゾーンライティングユニット100が個々に設置される。
【0023】
これら複数のゾーンライティングユニット100は、常時は所定の監視範囲をLED照明110で照明する。その照度は監視範囲を照明する必要最低限に設定されている。このような状態で監視範囲に人物などの監視対象が侵入すると、これをゾーンライティングユニット100の超音波センサ120が検出する。
【0024】
すると、その検出された監視対象がウェブカメラ130で撮像され、その撮像画像が通信ネットワーク201から監視センタ装置200に送信される。この監視センタ装置200では、例えば、所定のアルゴリズムにより侵入した監視対象を不審な人物と判断し、対応するゾーンライティングユニット100のLED照明110の照度を増強させるとともにスピーカユニット150から警告音声を出力させる。
【0025】
従って、本実施の形態のゾーンライティングシステム1000では、上述のように監視範囲に不審な人物などが侵入した場合、高輝度に照明されるとともに警告音声が出力されることになり、その人物を監視範囲から退散させることができる。
【0026】
しかも、セキュリティ対象の監視範囲に侵入した監視対象の撮像画像が一個の監視センタ装置200にデータ収集されるので、不審な人物などの撮像画像を一個の監視センタ装置200にデータ収集することができる。
【0027】
特に、ゾーンライティングユニット100が監視範囲に侵入した監視対象を検出すると、スピーカユニット150から監視範囲に警告音声が出力されるとともに、LED照明110の点灯状態が高輝度に変更されるので、監視対象を良好に威嚇して監視範囲から退散させることができる。
【0028】
また、上述のようにゾーンライティングユニット100が監視範囲に侵入した監視対象を検出すると、LED照明110の点灯状態が高輝度に変更されるので、監視対象をウェブカメラ130で良好に撮像することができる。
【0029】
さらに、LED照明110は発熱が微少なので、ウェブカメラ130や超音波センサ120などを一体に集約してゾーンライティングユニット100の全体を小型に形成することができる。
【0030】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではゾーンライティングユニット100は、扁平な小判型の本体フレーム101の前面中央に一個のウェブカメラ130が搭載されており、その周囲に四個の長方形のLED照明110と八個の超音波センサ120とが配置されている構造を例示した。
【0031】
しかし、このようなゾーンライティングユニット300として、図5および図6に示すように、円錐台状の反射鏡301の手前に円形のLED照明310が配置されており、反射鏡301の前面開口の中央にウェブカメラ320が配置されているとともに側方に超音波センサ330が配置されている構造なども実施可能である。
【符号の説明】
【0032】
100 ゾーンライティングユニット
101 本体フレーム
110 LED照明
120 超音波センサ
121 受信回路
122 アンプ
123 フィルタ
124 判定回路
130 ウェブカメラ
140 データ送信部
141 CPU
142 接点
143 コンバータ
144 コンバータ
150 スピーカユニット
151 送信回路
200 監視センタ装置
201 通信ネットワーク
300 ゾーンライティングユニット
301 反射鏡
310 LED照明
320 ウェブカメラ
330 超音波センサ
1000 ゾーンライティングシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の本体フレームと、
前記本体フレームに搭載されていて所定の監視範囲を照明するLED(LIGHT EMITTING DIODE)照明と、
前記本体フレームに搭載されていて前記監視範囲に侵入した監視対象を検出する超音波センサと、
前記本体フレームに搭載されていて検出された前記監視対象を撮像するウェブカメラと、
前記本体フレームに搭載されていて前記監視対象の撮像画像をデータ送信するデータ送信部と、
を有するゾーンライティングユニット。
【請求項2】
前記監視範囲に警告音声を出力するスピーカユニットを、さらに有する請求項1に記載のゾーンライティングユニット。
【請求項3】
複数の監視範囲に個々に設置されている複数の請求項1または2に記載のゾーンライティングユニットと、
複数の前記ゾーンライティングユニットと通信ネットワークで接続されている監視センタ装置と、を有し、
前記監視センタ装置は、
前記監視対象の前記撮像画像をデータ受信するデータ受信部と、
データ受信された撮像画像を対応する監視範囲ごとに記録するデータ記録部と、
を有するゾーンライティングシステム。
【請求項4】
記録された前記撮像画像に対応して特定の前記ゾーンライティングユニットの前記LED照明の点灯状態を変更する点灯制御部を、さらに有する請求項3に記載のゾーンライティングシステム。
【請求項5】
複数の監視範囲に複数の請求項2に記載のゾーンライティングユニットが個々に設置されており、
前記監視センタ装置は、記録された前記撮像画像に対応して特定の前記ゾーンライティングユニットの前記スピーカユニットに前記警告音声を出力させる警告出力部を、さらに有する請求項3または4に記載のゾーンライティングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−168834(P2012−168834A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30464(P2011−30464)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】