説明

タイマを有する保護回路

【課題】頻繁な電圧グリッチによって保護処理が一時停止されない保護回路を提供する。
【解決手段】保護回路は、検出ブロック、タイマ、および保護イネーブルブロックを含む。検出ブロックは、監視信号を基準信号と比較し、監視信号と基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合に警告信号を発生するために用いられる。検出ブロックに結合されたタイマは、警告信号に応答して第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号を発生するために用いられる。タイマに結合された保護イネーブルブロックは、保護機能を実行するために、イネーブル信号に応答して、第2の所定の持続時間によって決まる第1の持続時間の間、トリガ信号を発生するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイマを有する保護回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、たとえばリチウムイオン電池などの電池は、ノートブックコンピュータ、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、および電動工具などの多様な電池駆動型デバイスに電源を供給するために、広く用いられている。通常、電池を充電するために充電回路が用いられる。充電プロセスの間において、過電圧、不足電圧、過電流、および過温度状態など、電池の好ましくない状態は、電池の寿命を短くし得る。
【0003】
電池を保護するために、保護装置を使用することができる。図1は、従来の保護装置100を示す。保護装置100は、検出ブロック120および保護イネーブルブロック180を含む。
【0004】
セル電圧、セル電流、およびセル温度などの電池内の各セルの状態は、監視することができる。監視信号101は、検出ブロック120に送られる。検出ブロック120は、電池内の好ましくない状態を検出するために監視信号101をチェックする。好ましくない状態が検出されたときは、検出ブロック120は保護イネーブルブロック180に警告信号152を送る。保護イネーブルブロック180は、ヒューズを溶断させるためにトリガ信号158を発生することができ、それにより電池を充電回路から切り離すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の保護装置100では、ヒューズのロバスト性が劣化し得る。たとえば、検出ブロック120により、電圧グリッチによって引き起こされ得る好ましくない状態が検出されることがある。ヒューズを溶断させるために、トリガ信号158が発生される。ヒューズが完全に溶断される前に好ましくない状態が正常な状態に戻されることがあり、それにより保護処理が突然、一時停止され得る。その結果、保護処理の頻繁な開始と一時停止により、ヒューズのロバスト性が劣化する。それによりヒューズを、頻繁に交換する必要が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、保護回路が、検出ブロック、タイマ、および保護イネーブルブロックを含む。検出ブロックは、監視信号を基準信号と比較し、監視信号と基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合に警告信号を発生するために用いられる。検出ブロックに結合されたタイマは、警告信号に応答して第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号を発生するために用いられる。タイマに結合された保護イネーブルブロックは、保護機能を実行するために、イネーブル信号に応答して、第2の所定の持続時間によって決まる第1の持続時間の間、トリガ信号を発生するために用いられる。
【0007】
本発明の実施形態の特徴および利点は、以下の詳細な説明が進むにしたがい、および同じ番号は同じ部品を示す図面を参照することにより、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来技術における保護装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による保護回路を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による保護回路を示す詳細ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による保護回路の波形を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による電池システムを示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による保護回路によって実行される動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明を実施形態に関連して説明するが、それらは本発明をそれらの実施形態に限定するものではないことが理解される。これに反して本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲内に含むことができる、代替形態、変更形態、および等価物を包含するものである。
【0010】
さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を得るために、数多くの特定の詳細が記載される。しかし、本発明は、これらの特定の詳細がなくても実施できることが当業者には理解される。他の場合において、良く知られた方法、手順、構成要素、および回路は、本発明の態様が不必要に不明瞭にならないように、詳細には述べていない。
【0011】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作の手順、論理ブロック、処理、およびその他の記号表示によって示される。これらの記述および表示は、データ処理技術分野の当業者によって、彼等の業務の実質を最も効率的に他の当業者に伝えるために用いられる手段である。本出願では、手順、論理ブロック、処理などは、所望の結果をもたらす、ステップまたは命令の首尾一貫したシーケンスであると理解される。これらのステップは、物理量の物理的な操作を必要とするものである。必然ではないが、通常これらの量は、コンピュータシステム内で、記憶、転送、組み合わせ、比較、および他の操作をすることができる電気的または磁気的信号の形をとる。
【0012】
しかしこれらのすべて、および同様な用語は適当な物理量に関連付けられるべきものであり、単にこれらの量に付された便宜上のラベルに過ぎないことを念頭に置くべきである。以下の考察から明らかなように別段の指定がない限り、本出願を通して、「比較する」「発生する」「測定する」「リセットする」などの用語を用いた考察は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理量(電気量)として表されるデータを操作して、コンピュータシステムメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報記憶、伝送、または表示デバイス内の同様に物理量として表される他のデータに変換する、コンピュータシステムまたは同様な電子計算デバイスの動作および処理を指すことを理解されたい。
【0013】
本明細書で説明される実施形態は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの、何らかの形のコンピュータ可使用媒体上にあるコンピュータ実行可能命令との一般的な関連において考察することができる。一般にプログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造体などを含む。さまざまな実施形態において、プログラムモジュールの機能は、望むように組み合わせるまたは分散させることができる。
【0014】
例として、非限定的に、コンピュータ可使用媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実施された、揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、非限定的に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、または他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶デバイス、または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために用いることができる他の任意の媒体を含む。
【0015】
通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波または他の移動機構などの変調されたデータ信号にて実施することができ、任意の情報供給媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、信号内に情報を符号化するように設定または変化される、その1つまたは複数の特徴を有する信号を意味する。例として、非限定的に、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、および音響、無線周波数(RF)、赤外線、および他の無線媒体などの無線媒体を含む。上記のうちの任意の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0016】
本発明による実施形態は、保護回路を提供する。監視信号と基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えたときは、保護処理を開始するためにタイマによって第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号が発生される。有利には、一実施形態では、第2の所定の持続時間の間に遮断器、たとえば電池と充電回路の間に結合されたヒューズは、完全にターンオフすることができ、それにより保護処理は一時停止されないようになる。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による保護回路200を示す。図2の実施形態では、保護回路200は、検出ブロック220、タイマ260、および保護イネーブルブロック280を含む。監視信号201は、保護対象の状態を示すことができる。たとえば、電池電圧、セル電圧、セル電流、およびセル温度などの電池の状態を示す監視信号201を、検出ブロック220に入力することができる。保護イネーブルブロック280によって出力されるトリガ信号258は、保護機能を始動させるために用いることができ、たとえば電池を充電回路から切り離すために用いることができる。
【0018】
検出ブロック220は、たとえば電池内で、好ましくない状態が生じたことを検出するために、監視信号201を基準信号と比較することができる。好ましくない状態とは、非限定的に、過電圧、不足電圧、過電流、過温度状態を含むことができる。監視信号201と基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合は、検出ブロック220は、好ましくない状態が生じたと判定することができ、タイマ260に警告信号252を発生することができる。
【0019】
検出ブロック220に結合されたタイマ260は、警告信号252に応答して第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号256を発生することができる。さらにイネーブル信号256は、保護イネーブルブロック280に供給される。タイマ260に結合された保護イネーブルブロック280は、保護機能を実行するために、イネーブル信号256に応答して、第2の所定の持続時間によって決まる持続時間の間、トリガ信号258を発生することができる。保護イネーブルブロック280によってトリガ信号258が発生された場合は、たとえば電池を充電回路から切り離すことができる。
【0020】
有利には、タイマ260は、所定の持続時間の間、イネーブル信号256を発生することができる。その結果として、電池と充電回路の間に結合されたヒューズが完全に溶断されるのを可能にするように十分長い所定の持続時間の間、トリガ信号258を発生することができる。言い換えれば、検出ブロック220によって好ましくない状態が検出されたとき、保護機能を実行するための信号の持続時間は、ヒューズを溶断させるのに十分長くすることができる。その結果として、一実施形態では、保護処理は頻繁な電圧グリッチによって一時停止されないようになる。
【0021】
一実施形態では保護回路200はさらに、タイマ260に結合された、タイマ260をリセットするためのリセットブロック270を含む。一実施形態ではリセットブロック270は、第2の所定の持続時間が終了した後に、タイマ260をリセットする。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による保護回路300の詳細ブロック図を示す。図2と同じようにラベルが付けられた要素は、同様な機能を有する。図3の実施形態では、保護回路300は、検出ブロック220、タイマ260、および保護イネーブルブロック280を含む。電池の状態、たとえば電池電圧、セル電圧、セル温度、電池電流を示す監視信号201を、保護回路300に入力することができる。保護回路300によって出力される出力電圧VOUTは、ヒューズを溶断させるために供給することができる。
【0023】
図3の実施形態では、検出ブロック220は、第1の比較器322、測定ブロック324、および確認ブロック326を含む。第1の比較器322は、監視信号201を基準信号と比較する。一実施形態では、監視信号201と基準信号の差が閾値を超えた場合は、第1の比較器322によって論理「1」の信号354が発生される。そうでない場合は、信号354は論理「0」となる。信号354は、測定ブロック324に出力される。一実施形態では、第1の比較器322は、ヒステリシスコンパレータである。
【0024】
測定ブロック324は、監視信号201と基準信号の差が閾値を超えたときの持続時間Tを測定するために用いることができる。測定ブロック324は、電流源384、第1のスイッチ334、第2のスイッチ364、コンデンサ374、およびインバータゲート394を含むことができる。第1のスイッチ334およびコンデンサ374は、電流源384を接地に結合する。第2のスイッチ364は、コンデンサ374と並列に結合される。第1の比較器322によって出力される信号354は、インバータゲート394に入力される。それにしたがって、信号357が発生される。一実施形態では、第1のスイッチ334は信号354によって制御され、第2のスイッチ364は信号357によって制御される。
【0025】
一実施形態では、監視信号201と基準信号の差が閾値を超えた場合、論理「1」の信号354が発生される。一実施形態ではそれにより、第1のスイッチ334はターンオンされ、第2のスイッチ364はターンオフされる。コンデンサ374は、電流源384によって充電することができる。したがって、コンデンサ374の両端の電圧降下であるノード359の電圧は増加されて、確認ブロック326に供給することができる。
【0026】
測定ブロック324に結合された確認ブロック326は、(監視信号201と基準信号の差が閾値を超えたときの)持続時間Tを上述の第1の所定の持続時間と比較し、かつ持続時間Tが第1の所定の持続時間より大きい場合に警告信号252を発生するように動作可能である。確認ブロック326は、比較器336および基準電圧366を含むことができる。測定ブロック324によって出力される電圧は、比較器336の非反転入力端子に供給することができる。基準電圧366は、比較器336の反転入力端子に供給することができる。比較器336は、測定ブロック324によって出力される電圧と基準電圧366を比較して、好ましくない状態が生じたかどうかを判定する。たとえば、測定ブロック324によって出力される電圧が、基準電圧366より高い場合は、これは(監視信号201と基準信号の差が閾値を超えたときの)持続時間Tが、第1の所定の持続時間より大きいことを示し、確認ブロック326は、好ましくない状態が生じたと判定することができ、警告信号252をタイマ260に発生することができる。
【0027】
タイマ260は警告信号252を受け取った後に、イネーブル信号256を発生して保護イネーブルブロック280に出力することができる。上述のように、イネーブル信号256は第2の所定の持続時間を有することができる。第2の所定の持続時間は、タイマ260によってカウントすることができる。
【0028】
図3の実施形態では、保護イネーブルブロック280は、抵抗器382およびスイッチ386(たとえば、FET)を含む。抵抗器382およびスイッチ386は、電源VCCを接地に結合する。スイッチ386は、イネーブル信号256によって制御することができる。それにしたがって、ノード358に出力電圧VOUTが発生される。一実施形態では出力電圧VOUTは、保護機能を実行するために、たとえばヒューズを溶断させるために、用いることができる。イネーブル信号256の持続時間は、ヒューズを完全に溶断できるように十分に長くすることができる。
【0029】
一実施形態では、保護回路300はさらに、タイマ260に結合された、タイマ260をリセットするためのリセットブロック270を含む。一実施形態では、リセットブロック270は、第2の所定の持続時間が終了した後にタイマ260をリセットする。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態による保護回路の波形を示す。図4について、図3と組み合わせて説明する。図4に示される4つの波形は、それぞれ監視信号201、ノード359の電圧、警告信号252、およびイネーブル信号256を示す。一実施形態では、第1の比較器322はヒステリシスコンパレータとすることができ、電圧Vhysはヒステリシス電圧である。
【0031】
第1の比較器322は、監視信号201を基準電圧VREF1と比較する。監視信号201と基準電圧VREF1の差が閾値を超えると、第1の比較器322は論理「1」の信号354を測定ブロック324に発生する。それにより、スイッチ334はターンオンされ、スイッチ364はターンオフされる。コンデンサ374は電流源384によって充電され、それにしたがってノード359の電圧は増加する。比較器336は、ノード359の電圧を基準電圧VREF2と比較する。ノード359の電圧が基準電圧VREF2より高いときは、これは(監視信号201と基準電圧VREF1の差が閾値を超えたときの)持続時間Tが第1の所定の持続時間T1より大きいことを示し、確認ブロック326は、好ましくない状態が生じたと確認し、論理「1」の警告信号252が発生される。タイマが警告信号252を受け取った後に、第2の所定の持続時間T2の間、イネーブル信号256が発生される。イネーブル信号256は、第2の所定の持続時間T2が終了した後に、リセットブロックによってリセットすることができる。したがって、ヒューズを溶断させるために、第2の所定の持続時間T2によって決まる持続時間の間、ノード358に出力電圧VOUTが発生される。
【0032】
図5は、本発明の一実施形態による電池システム500を示す。図5の実施形態では、電池システム500は、電池520、保護回路200、および充電回路560を含む。図5内の保護回路200は、図2に示される保護回路200と同様である。
【0033】
充電回路560が電池520を充電する間に、電池520の状態を示す監視信号501を保護回路200に供給することができる。保護回路200は、上述のように電池520内で好ましくない状態が生じたかどうかを判定するために、監視信号501を基準信号と比較することができる。好ましくない状態が生じた場合は、保護回路200は、電池520を充電回路560から切り離すためにトリガ信号558を発生することができる。一実施形態ではトリガ信号558は、所定の持続時間の間、持続し、電池520を充電回路560から完全に切り離すために用いることができる。
【0034】
保護回路200は電池システムに関して説明されるが、本発明はそのように限定されない。たとえば、保護回路200はまた、電池および負荷に結合することができる。電池内で好ましくない状態、たとえば不足電圧状態が生じたときは、保護回路200は電池を負荷から切り離すために用いることができる。
【0035】
図6は、本発明の一実施形態による保護回路によって実行される動作のフローチャート600を示す。図6について、図3と組み合わせて説明する。
【0036】
ステップ602では、監視信号201は、基準信号と比較される。たとえば、検出ブロック220内の第1の比較器322は、監視信号201を基準信号と比較して、監視信号201と基準電圧の差が閾値を超えたかどうかを判定する。差が閾値を超えた場合は、論理「1」の信号354が発生され、測定ブロック324に出力される。そうでない場合は、信号354は論理「0」となる。
【0037】
ステップ604では、監視信号201と基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合は、警告信号252が発生される。より具体的には、差が閾値を超えた場合は論理「1」の信号354が、測定ブロック324に供給される。次いで、スイッチ334はターンオンすることができ、スイッチ364はターンオフすることができる。それにより、コンデンサ374は、電流源384によって充電することができる。それにしたがって、コンデンサ374の両端の電圧降下を増加することができる。コンデンサ374の両端の電圧降下は、監視信号201と基準電圧の差が閾値を超えたときの持続時間を示すことができる。比較器336は、コンデンサ374の両端の電圧降下を基準電圧366と比較する。コンデンサ374の両端の電圧降下が基準電圧366を超えたときは、確認ブロック326は、好ましくない状態が生じたと判定することができ、警告信号252を発生することができる。
【0038】
ステップ606では、タイマ260により、警告信号252に応答してイネーブル信号256が発生される。上述のように、イネーブル信号256は、第2の所定の持続時間の間、持続する。
【0039】
ステップ608では、保護機能を実行するために、保護イネーブルブロック280により、イネーブル信号256に応答してトリガ信号、たとえば出力電圧VOUTが発生される。トリガ信号の持続時間は、第2の所定の持続時間によって決まる。トリガ信号の持続時間の間に、ヒューズは完全に溶断させることができる。
【0040】
上記の説明および図面は本明細書の実施形態を表すが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の原理の趣旨と範囲から逸脱せずに、それにさまざまな追加、変更、および置換を行い得ることが理解される。当業者には、本発明は、本発明の実施において用いられ、本発明の原理から逸脱せずに特定の環境および動作要件に特に適合された、形状、構造、配置、大きさ、材料、要素、および構成部品その他の、多くの変更形態と共に用い得ることが理解される。したがってここで開示された実施形態は、すべての点において例示的なものであり、限定するものではなく、本発明の範囲は上記の説明に限定されないものと見なされるべきである。
【符号の説明】
【0041】
200 保護回路
201 監視信号
220 検出ブロック
252 警告信号
256 イネーブル信号
258 トリガ信号
260 タイマ
270 リセットブロック
280 保護イネーブルブロック
300 保護回路
322 第1の比較器
324 測定ブロック
326 確認ブロック
334 第1のスイッチ
336 比較器
354、357 信号
358、359 ノード
364 第2のスイッチ
366 基準電圧
374 コンデンサ
382 抵抗器
384 電流源
386 スイッチ
394 インバータゲート
500 電池システム
501 監視信号
520 電池
558 トリガ信号
560 充電回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視信号を基準信号と比較し、前記監視信号と前記基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合に警告信号を発生するための検出ブロックと、
前記検出ブロックに結合された、前記警告信号に応答して第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号を発生するためのタイマと、
前記タイマに結合された、保護機能を実行するために前記イネーブル信号に応答して、前記第2の所定の持続時間によって決まる第1の持続時間の間、トリガ信号を発生するための保護イネーブルブロックと
を備える保護回路。
【請求項2】
前記トリガ信号が、ヒューズを溶断させるように動作可能である、請求項1に記載の保護回路。
【請求項3】
前記タイマに結合され、前記タイマをリセットするためのリセットブロックをさらに備える、請求項1に記載の保護回路。
【請求項4】
前記監視信号は電池の状態を示し、前記トリガ信号は前記電池を保護するように動作可能である、請求項1に記載の保護回路。
【請求項5】
前記検出ブロックは、望ましくない状態を検出するために、前記監視信号を前記基準信号と比較する、請求項1に記載の保護回路。
【請求項6】
前記望ましくない状態は、過電圧状態を含む、請求項5に記載の保護回路。
【請求項7】
前記望ましくない状態は、不足電圧状態を含む、請求項5に記載の保護回路。
【請求項8】
前記望ましくない状態は、過電流状態を含む、請求項5に記載の保護回路。
【請求項9】
前記望ましくない状態は、過温度状態を含む、請求項5に記載の保護回路。
【請求項10】
前記検出ブロックは、
前記監視信号と前記基準信号の差が前記閾値を超えたかどうかを判定するために、前記監視信号を前記基準信号と比較するための比較器と、
前記比較器に結合された、前記監視信号と前記基準信号の差が前記閾値を超えたときの第2の持続時間を測定するための測定ブロックと、
前記測定ブロックに結合され、前記第2の持続時間を前記第1の所定の持続時間と比較し、前記第2の持続時間が前記第1の所定の持続時間より大きい場合に、前記警告信号を発生するための確認ブロックと
を備える、請求項1に記載の保護回路。
【請求項11】
前記測定ブロックは、
コンデンサと、
前記コンデンサに直列に結合された第1のスイッチと、
前記コンデンサに並列に結合された第2のスイッチと
を備える、請求項10に記載の検出ブロック。
【請求項12】
前記保護イネーブルブロックは、
抵抗器と、
前記抵抗器を接地に結合するためのスイッチであって、前記イネーブル信号によって制御されるスイッチと、
を備える、請求項1に記載の保護回路。
【請求項13】
電池と、
前記電池に結合された、前記電池を充電するための充電回路と、
前記電池および前記充電回路に結合された保護回路と
を備える電池システムであって、前記保護回路は、
前記電池に結合された、前記電池の状態を示す監視信号を基準信号と比較し、前記監視信号と前記基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合に警告信号を発生するための検出ブロックと、
前記検出ブロックに結合された、前記警告信号に応答して第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号を発生するためのタイマと、
前記タイマに結合された、前記電池を前記充電回路から切り離すために、前記イネーブル信号に応答して、前記第2の所定の持続時間によって決まる第1の持続時間の間、トリガ信号を発生するための保護イネーブルブロックと
を備える電池システム。
【請求項14】
前記トリガ信号が、ヒューズを溶断させるように動作可能である、請求項13に記載の電池システム。
【請求項15】
前記保護回路は、前記タイマに結合され、前記タイマをリセットするためのリセットブロックをさらに備える、請求項13に記載の電池システム。
【請求項16】
前記検出ブロックは、前記電池の望ましくない状態を検出するために、前記監視信号を前記基準信号と比較する、請求項13に記載の電池システム。
【請求項17】
前記望ましくない状態は、過電圧状態を含む、請求項16に記載の電池システム。
【請求項18】
前記望ましくない状態は、不足電圧状態を含む、請求項16に記載の電池システム。
【請求項19】
前記望ましくない状態は、過電流状態を含む、請求項16に記載の電池システム。
【請求項20】
前記望ましくない状態は、過温度状態を含む、請求項16に記載の電池システム。
【請求項21】
前記検出ブロックは、
前記監視信号と前記基準信号の差が前記閾値を超えたかどうかを判定するために、前記監視信号を前記基準信号と比較するための比較器と、
前記比較器に結合された、前記監視信号と前記基準信号の差が前記閾値を超えたときの第2の持続時間を測定するための測定ブロックと、
前記測定ブロックに結合され、前記第2の持続時間を前記第1の所定の持続時間と比較し、前記第2の持続時間が前記第1の所定の持続時間より大きい場合に、前記警告信号を発生するための確認ブロックと
を備える、請求項13に記載の電池システム。
【請求項22】
監視信号を基準信号と比較するステップと、
前記監視信号と前記基準信号の差が第1の所定の持続時間の間、閾値を超えた場合に警告信号を発生するステップと、
前記警告信号に応答して第2の所定の持続時間の間、イネーブル信号を発生するステップと、
保護機能を実行するために前記イネーブル信号に応答して、前記第2の所定の持続時間によって決まる第1の持続時間の間、トリガ信号を発生するステップと
を含む保護方法。
【請求項23】
前記トリガ信号によってヒューズを溶断させるステップをさらに含む、請求項22に記載の保護方法。
【請求項24】
前記警告信号を発生する前記ステップは、
前記監視信号と前記基準信号の差が前記閾値を超えたときの第2の持続時間を測定するステップと、
前記第2の持続時間を前記第1の所定の持続時間と比較するステップと
を含む、請求項22に記載の保護方法。
【請求項25】
前記監視信号が、電池の状態を示す、請求項22に記載の保護方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−166804(P2010−166804A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1300(P2010−1300)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】