説明

タイムレコーダシステム

【課題】タイムレコーダに記憶された出勤・退勤に関する設定事項を印字するタイムレコーダシステムを提供する。
【解決手段】タイムレコーダ10は、この設定事項印字カードのパンチ穴を検出して、検出した識別コードが設定事項印字カードであると判断したら、設定事項印字プログラムを起動させて、タイムレコーダ10がROM22に記憶している所定のデータを印字させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイムレコーダとタイムカードからなるタイムレコーダシステムに関し、更に詳しくは、タイムレコーダに設定された設定内容を容易に確認可能なタイムレコーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からタイムレコーダには、タイムレコーダの使用に際して設定すべ項目を設定する必要があるが、設定終了後に当該設定事項が有効とされているか、或いは、遅刻マークや、集計時間等々の設定内容が管理規定にあっているかどうかを確認する必要がある。この設定内容の確認のために、新しいタイムカードを取り出して試し印字を行うことが行われている。
【0003】
尚、設定行為自身を簡易化するために、設定用のカードを用いてタイムレコーダに記憶させるべき事項を設定するものもある。
【特許文献1】特開平6−12543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タイムレコーダに新しいタイムカードを挿入して試し印字を行うと、タイムカードを損失する。特に、タイムカードには従業員識別用のIDコード(光透過孔)が形成されているので、1枚のタイムカードを試しに使用してしまうと、そのIDコードに関するデータの修正をしなければならずかえって手間がかかるという問題がある。また、設定モードに戻って設定用の数値を確認する場合には、理解しにくい等の問題がある。
【0005】
また、設定操作を簡易化するために、設定用カードを用いてタイムレコーダに記憶させるべき所定事項を設定する場合、設定事項を記入した設定カードをタイムレコーダに挿入して、所定事項を設定するが、タイムレコーダへの設定内容に誤りがないか、タイムレコーダに実際に如何なる内容のデータが記憶されているのか、を知ることが出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願の請求項1のタイムレコーダシステムは、タイムレコーダと複数のカードとを含むタイムレコーダシステムにおいて、他のカードと識別する識別手段により前記タイムレコーダが有する所定のデータを印字させる設定事項印字カードを含むことを特徴とする。
【0007】
本願の請求項2のタイムレコーダシステムは、請求項1のタイムレコーダシステムにおいて、前記設定事項印字カードは、前記タイムレコーダに設定された出勤・退勤の管理事項を印字する機能を有することを特徴とする。
【0008】
本願の請求項3のタイムレコーダシステムは、請求項2のタイムレコーダシステムにおいて、前記複数のカードは、それぞれ所定のコードを有し、締め日を月末に変更するカード、現在時刻を所定時間増減するカード、打刻データを削除するカードの少なくとも何れかを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1のタイムレコーダシステムによれば、設定事項印字カードをタイムレコーダに挿入すると、タイムレコーダが設定されている所定のデータが印字され、設定内容を容易に確認できる。
【0010】
本発明の請求項2のタイムレコーダシステムによれば、設定事項印字カードをタイムレコーダに挿入すると、出勤時刻や退勤時刻に関する管理事項(例えば、早出、遅刻、早退、残業、休日等を決める基準時刻や早番、遅番等の勤務時間帯の設定や個人毎の早番、遅番等の予定)のデータを簡単に印字できる。
【0011】
本発明の請求項3のタイムレコーダシステムによれば、各種カードを用いてタイムレコーダの管理事項等を設定でき、設定事項印字カードでその設定内容を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態にかかるタイムレコーダシステムを図面に基づいて説明する。図1に示すように、タイムレコーダ10の本体11の上面にはタイムカード100(図3参照)を挿入するカード挿入口12が設けられている。本体11の前面の上部には時刻などを表示するLED表示部14が設けられている。本体11の前面の中間部には、3交代制の早番、遅番、夜勤等の勤務時間帯を選択する選択キースイッチK1と、出勤キースイッチK2と、日付の印字(日付表示)を行うための実行ボタンK3等が設けられている。
【0013】
タイムレコーダ10の本体11内には、カード挿入口12に挿入されたタイムカード100を検知するカード挿入検知センサ15(図2参照)と、後述するカード送りモータ26によるタイムカード100の送り量を検知するカード位置検出センサ16と、タイムカード100のIDコードを読み取るカードIDコード読取部17と、エラー時に警告音を発するブザー18等とが設けられている。
【0014】
カードIDコード読取部17は、パンチ穴101(光透過孔)の開口されたタイムカード100の引き込み時に、カード位置検出センサ16によるカード位置情報と、パンチ穴101の通過光によって検出するビット情報とから複数ビットによって構成されるカードIDコード(所定の識別コード)を取得するものである。
【0015】
図2はタイムレコーダ10の制御系の構成を示したブロック図である。図2において、20はCPU(制御手段)、21は時計IC、22はROM、23はRAMである。CPU20は、時計IC21から時刻情報を読み込んで表示駆動回路24を駆動してLED表示部14に時刻や曜日や日付等を表示する。
【0016】
また、選択キースイッチK1の操作によって早番、遅番、夜勤等の中から当日の自分の勤務時間帯を選択すると、その勤務時間帯を示す数字或いはマーク或いは文字と、これらの数字、マーク、文字に対応した勤務時間帯がLED表示部14に表示される。
【0017】
CPU20は、モータ駆動回路25を制御してカード送りモータ26を正逆両方向へ回転駆動することによりタイムカード100の引込や排出を行う。また、印字ヘッド駆動回路27を制御して印字ヘッド28によりタイムカード100へ印字する。
【0018】
29はUSBインタフェース、30はメモリカードリーダ/ライタであり、ケーブル接続したコンピュータまたはメモリカードスロットへ挿入したメモリカードにRAM内のデータを転送したり、RAMにデータの書き込みをしたりすることができる。
【0019】
ROM22(EEPROM)には、タイムレコーダ制御プログラムと、個人別の月間スケジュールの勤務時間帯を示す予定シフトや、各シフト番号に対応したLST(日付変更時刻)が書換可能に記憶されている。ROM22のタイムレコーダ制御プログラムは、カード駆動および時刻印字と時間集計を行う機能に加えて、ROM22に書き込まれた個人別の月間スケジュールの勤務時間帯に応じて日付変更時刻を切り換える機能を有するとともに、その勤務時間帯である勤務体系を示す数字をタイムカード100に印字する機能を備えている。
【0020】
RAM23には、タイムレコーダ制御プログラムの制御に用いられるデータや、タイムカード100への印字動作や日付の変更その他の日によって変わるデータが一時的に記憶される。
【0021】
このタイムレコーダシステムはタイムレコーダ10と複数のタイムカード100からなり、それぞれのタイムカード100は、他のカードと識別するために、パンチ穴により形成されるそれぞれ固有の識別コード(識別手段)を有する。この複数のタイムカード100の中には、設定事項印字カードが含まれている。タイムレコーダ10のカード検出機構は発光素子と受光素子の間にタイムカード100が挿入されたときに、タイムカード100のパンチ穴に光を通す。複数個設置された受光素子は受光したパターンをCPU20に送信し、CPU20は、設定事項印字カードであるか、通常の従業者タイムカードであるかを判別する。CPU20は、受光素子が検出したパンチ穴のパターンが、設定事項印字カードの受光パターンであると判断したら、設定事項印字プログラムを起動させて、タイムレコーダ10がROM22に記憶している所定のデータをタイムカード100に印字させる。なお、CPU20は、設定事項印字カードではない通常の従業員のパンチ穴を検出したら、出勤・退勤の時刻を印字する。
【0022】
この設定事項印字プログラムが起動すると、設定事項印字カードには、タイムレコーダ10のROM22に設定された出勤・退勤の管理事項が印字される。
【0023】
すなわち、始業開始時刻データ、作業終了時刻データ、早番・遅番・夜勤等の勤務時間帯の開始時刻データ、休日予定データ、日付変更時刻データ等々が印字される。
【0024】
更に、上述の複数のカードは、それぞれ所定のコードを有し、締め日を月末に変更するカード、現在時刻を所定時間増減するカード、打刻データを削除するカードの少なくとも何れかが含まれる。
【0025】
尚、上述の設定事項印字カードや、締め日を月末に変更するカード、現在時刻を所定時間増減するカード、打刻データを削除するカードは、タイムカードで構成しても良いが、タイムカードとは別の設定印字専用のカードであっても良い。
【0026】
この実施の形態のタイムレコーダシステムによれば、設定事項印字カードをタイムレコーダ10に挿入すると、タイムレコーダ10が設定されている所定のデータを印字するので、設定内容を容易に確認できる。特に、設定事項印字カードをタイムレコーダに挿入すると、出勤時刻や退勤時刻に関する管理事項(例えば、早出、遅刻、早退、残業、休日等を決める基準時刻や早番、遅番等の勤務時間帯の設定や個人毎の早番、遅番等の予定)のデータを簡単に印字できる。また、各種カードを用いてタイムレコーダ10の管理事項等を設定でき、設定事項印字カードでその設定内容を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態にかかるタイムレコーダの斜視図。
【図2】図1のタイムレコーダのブロック図。
【図3】図1のタイムレコーダの設定事項印字カードとなるタイムカード100の図。
【符号の説明】
【0028】
10 タイムレコーダ
20 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムレコーダと複数のカードとを含むタイムレコーダシステムにおいて、他のカードと識別する識別手段により前記タイムレコーダが有する所定のデータを印字させる設定事項印字カードを含むことを特徴とするタイムレコーダシステム。
【請求項2】
請求項1のタイムレコーダシステムにおいて、前記設定事項印字カードは、前記タイムレコーダに設定された出勤・退勤の管理事項を印字する機能を有することを特徴とするタイムレコーダシステム。
【請求項3】
請求項2のタイムレコーダシステムにおいて、前記複数のカードは、それぞれ所定のコードを有し、締め日を月末に変更するカード、現在時刻を所定時間増減するカード、打刻データを削除するカードの少なくとも何れかを含むことを特徴とするタイムレコーダシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−285339(P2006−285339A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100758(P2005−100758)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】