説明

タイムレコーダ

【課題】タイムカードの使用が最初の場合には、タイムカードの表裏に関係なく、タイムカードの挿入された向きを前半記録部又は後半記録部として利用可能にできるタイムレコーダを提供すること。
【解決手段】表面及び裏面に前半記録部及び後半記録部をそれぞれ設けたタイムカードの表面及び裏面を検出して検出信号を出力する表裏検出手段(第3のセンサ13)と、前記タイムカードに印字するプリンタ9と、前記検出信号を受けて前記タイムカードの挿入向きの状態を判断し前記プリンタ9を制御する制御手段17を備えている。前記制御手段17は、タイムカードが最初に挿入された場合であって、現在の日付が前半又は後半のいずれであっても、前記タイムカードの前記プリンタで印字される最初の印字面を挿入された日付の属する記録期間の記録面としてメモリ18に記憶して、前記最初の印字面に前記記録期間の日付を割り当てて前記プリンタ9により印字記録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面及び裏面に前半記録部及び後半記録部をそれぞれ設けたタイムカードに出勤・退出等の時間を記録するタイムレコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のタイムカードとしては、表面に月の前半(例えば月の1日から15日まで)の出勤・退出等の時間を記録する前半記録部を設け、裏面に月の後半(例えば月の16日から末日まで)の出勤・退出等の時間を記録する後半記録部を設けたものが一般的に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなタイムカードを利用するタイムレコーダには、タイムカードの表裏を検出して表面検出信号と裏面検出信号のいずれかをする表裏判別手段が設けられているものがある。
【0004】
しかも、このタイムレコーダでは、タイムカードがカード挿入口に挿入されたとき、月の前半に後半記録部を手前にしてタイムカードをカード挿入口に挿入したり、又、月の後半に前半記録部を手前にしてタイムカードをカード挿入口に挿入したりすると、表裏判別手段により検出された検出信号に基づいてエラーが生じて、警告音等により挿入する向きが異なることが報知されるようになっているのが普通である。
【特許文献1】特開平8−190646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、事業所によっては、月の21日から翌月の5日までを前半として記録し、翌月の6日から20日までを後半としてタイムカードに記録するような管理を行うようにしているところもある。
【0006】
このような事業所において従業員は、月の1日から翌月の16日までを前半と考えていると共に17日から31日までを後半と考えているので、月の1日から翌月の16日までがタイムカードの表面の前半記録部に記録され、17日から31日までをタイムカードの裏面の後半記録部に記録されると勘違いすることもある。
【0007】
このような勘違いが生じた場合には、タイムカードがカード挿入口に挿入されたとき、タイムカードの使用が最初であっても、表裏判別手段により検出された検出信号に基づいてエラーが生じて、警告音等により挿入する向きが異なることが報知されるという問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、タイムカードの使用が最初の場合には、タイムカードの表裏に関係なく、タイムカードの挿入された向きを前半記録部又は後半記録部として利用可能にできるタイムレコーダを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、この発明のタイムレコーダは、カード挿入口を有するレコーダ本体と、表面及び裏面に前半記録部及び後半記録部をそれぞれ設けたタイムカードが前記カード挿入口に挿入されたときに前記タイムカードの表面及び裏面を検出して検出信号を出力する表裏検出手段と、前記タイムカードに印字する印字手段と、前記検出信号を受けて前記タイムカードの挿入状態を判断し前記印字手段を制御する制御手段を備えるタイムレコーダにおいて、前記制御手段は、前記カード挿入口に挿入されるタイムカードが最初に挿入された場合であって、現在の日付が前半又は後半のいずれの記録期間であっても、前記タイムカードの前記印字手段で印字される最初の印字面を挿入された日付の属する記録期間の記録面としてメモリに記憶して、前記最初の印字面に前記記録期間の日付を割り当てて前記印字手段により印字記録させるタイムレコーダとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この構成によれば、タイムカードの使用が最初の場合には、タイムカードの表裏に関係なく、タイムカードの挿入された向きを前半記録部又は後半記録部として利用可能にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1において、1はタイムレコーダ、2はタイムレコーダ1により出勤・退出等の日付及び時間が記録されるタイムカードである。
<タイムカード2>
このタイムカード2の下端部のコーナ部の一方には、タイムレコーダ1に挿入されたときの向きを検出するための切欠2aが設けられている。また、タイムカード2の一面(通常は前半記録面)Sfには、図6に示したように「日付」,「出」,「退」等の記録欄(通常は前半記録部)2bと、確認印の欄2cが設けられている。また、タイムカード2の他面(通常は後半記録面)Sbには、図7に示したように「日付」,「出」,「退」等の記録欄(通常は後半記録部)2dと、「注意」の記入欄2eと、「就業日数」,「休日出勤」,「欠勤」等その他の集計記録欄2fが設けられている。
【0012】
更に、タイムカード2の両側下部には、タイムレコーダ1内で読み取られる複数のパンチ穴2gが形成されている。この複数のパンチ穴2gは、その配列位置によってカード特有の識別コードを表すことができるようになっている。
<タイムレコーダ1>
このタイムレコーダ1は、上面に開口するカード挿入口3aが設けられたレコーダ本体3を有する。このレコーダ本体3は後ケース4及び前ケース5を備え、このケース4,5の上部間にカード挿入口3aが形成されている。この前ケース5の上部には、例えば液晶表示器等の表示手段5aが表示部として設けられている。この表示手段5aには、現在の日付や時刻等その他の表示ができるようになっている。
【0013】
また、図2に示したようにレコーダ本体3内にはフレーム6が配設されている。このフレーム6は、後側ケース4内に配設された後支持板7と、この後支持板7の前側に配設された部品支持板8を有する。この部品支持板8は、ビス9等の固定手段により後支持板7に取り付けられている。この部品支持板8は、後支持板7の上部に沿って上方に延びる上板部8aと、上板部8aより前側に位置する下板部8bを有する。この下板部8bの下端にはセンサ取付穴8cが形成されている。
【0014】
更に、レコーダ本体3内には、プリンタ(印字手段)9,第1のセンサ(下端検出手段)10,一対の送りローラ11,11a,図2,図3の第2のセンサ(下端検出手段)12,図3の第3のセンサ(表裏検出手段)13が配設されている。
【0015】
プリンタ(印字手段)9は、図2に示したようにカード挿入口3aの下方に位置していると共に、上板部8aの前側に配設されている。この上板部8aとプリンタ9との間にはカード通路14が形成されている。
【0016】
第1のセンサ10は、プリンタ9と一対の送りローラ11aとの間に配設されている。この第1のセンサ10は、カード挿入口3aから挿入されたタイムカード2の下端部がカード通路14を介して送りローラ11,11a間の手前まで降下させられたのを検出するのに用いられる。
【0017】
一対の送りローラ11,11aは、図3に示した駆動モータ15により回転駆動されるようになっている。この駆動モータ15には、正転又は逆転ができるDCモータやパルスモータを用いられる。そして、送りローラ11,11aは、駆動モータ15の正転又は逆転により回転駆動されて、タイムカード2を挟持して下方又は上方に送ることができるようになっている。
【0018】
第2のセンサ12は、図2に示したようにセンサ取付穴8cに取り付けられていて、送りローラ11,11aにより下方に送られる(降下させられる)タイムカード2の下端を検出するのに用いられる。
【0019】
第3のセンサ13は、第2のセンサ12がタイムカード2の下端を検出したときに、タイムカード2の表裏判断のために、タイムカード2の下端部のコーナに設けた切欠部2aのあるか否かを検出して、その検出信号を出力するようになっている。
【0020】
また、送りローラ11aは、図3に示したロータリーエンコーダ(検出手段)16により回転数及び回転方向が検出されるようになっている。このロータリーエンコーダ16には、周知の構成のものが採用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0021】
そして、第1,第2,第3のセンサ10,12,13からの検出信号は、図4に示したように演算制御回路(制御手段)17に入力されるようになっている。また、演算制御回路17は、表示手段5aに現在の日付や時刻等その他の表示をさせるようになっていると共に、プリンタ9や駆動モータ15を駆動制御するようになっている。更に、演算制御回路17には、記録手段であるメモリ(記憶手段)18が接続されている。
[作用]
次に、このような構成のタイムレコーダ1の作用を説明する。
【0022】
事業所によっては、月の21日から翌月の5日までを前半としてタイムカード2に記録し、翌月の6日から20日までを後半としてタイムカード2に記録するような管理を行うようにしているところもある。
【0023】
このような事業所において、通常、前半の印字はタイムカード2の一面Sfの「日付」欄に対して実行され、後半の印字はタイムカード2の他面Sbの「日付」欄に対して実行されるように、タイムレコーダ1が設定されていた。
【0024】
しかし、本実施例では、演算制御回路17は、図1,図2のカード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が図5のステップS1において最初であるときに、ステップS2においてタイムカード2の正面側を現在の日付の記録面としてメモリ18に記憶する。しかも、演算制御回路17は、ステップS3においてメモリ18に記憶させた記録面に日を割り当てて、ステップS4において「日付」に続いてプリンタ9により「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等をプリンタ9により印字する。そして、演算制御回路17は、次の印字処理からメモリ18に記憶された内容に基づいてタイムカード2にプリンタ9により記録を実行させるようになっている。以下、このステップS1〜4をより詳細に説明する。
(i)最初の印字面が一面Sfで且つタイムカードの挿入日が前半の場合
ステップS1
即ち、ステップS1においては、タイムカード2がカード挿入口3aから挿入されて、このタイムカード2の下端がカード通路14を介して降下させられると、第1のセンサ10がタイムカード2の下端を検出してカード検出信号を出力し、このカード検出信号を演算制御回路17に入力される。
【0025】
これにより演算制御回路17は、駆動モータ15を正転させて一対の送りローラ11,11aを回転駆動し、降下させられるタイムカード2の下端部を一対の送りローラ11,11aにより挟持して下方に送る。
【0026】
この送り動作によりタイムカード2が更に降下させられると、第2のセンサ12がタイムカード2の下端を検出してカード検出信号を出力し、このカード検出信号を演算制御回路17に入力される。これにより、演算制御回路17は、タイムカード2の下端が最下端まで降下させられたと判断して、駆動モータ15の回転を停止させ、一対の送りローラ11,11aによるタイムカード2の下方への送り動作を停止させる。
【0027】
この際、演算制御回路17は、第3のセンサ13からの検出信号に基づいてタイムカード2の下端部のコーナ部に設けた切欠2aがあるか否かを判断する。そして、演算制御回路17は、第3のセンサ13が切欠2aを検出していれば、タイムカード2の一面(通常は前半記録面)Sfが正面を向いていて、一面Sfがプリンタ9による印字面であると判断する。また、演算制御回路17は、第3のセンサ13が切欠2aを検出していなければ、タイムカード2の他面(通常は後半記録面)Sbが正面を向いていて、他面Sbがプリンタ9による印字面であると判断する。
ステップS2
そして、演算制御回路17は、図1,図2のカード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が図5のステップS1において最初である場合であって、一面Sfが正面を向いていてプリンタ9による印字面であると判断した場合、ステップS2においてタイムカード2の一面Sf(正面側)を現在の日付の記録面としてメモリ18に記憶する。
ステップS3
そして、演算制御回路17は、ステップS3においてメモリ18に記憶させた記録面に日を割り当てるために、上述したようにタイムカード2の下端が最下端まで降下させられて駆動モータ15の回転を停止させた後、駆動モータ15を逆転させて、一対の送りローラ11,11aによりタイムカード2を上方に送り移動させる。
【0028】
この際、演算制御回路17は、ロータリーエンコーダ16からの信号を受けて、送りローラ11,11aによるタイムカード2の上方への送り移動量を求めながら、タイムレコーダ1の現在の日付をタイムカード2の「日付」欄の所定値に印字可能な位置(日を割り当てる位置)まで、タイムカード2を送りローラ11,11aにより上方に送り移動させて、駆動モータ15を停止させる。
ステップS4
そして、ステップS4において演算制御回路17は、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)をタイムカード2の一面Sfに「日付」欄に割り当てて印字記録する。そして、演算制御回路17は、この「日付」に続いて「出」,「退」等の欄に出勤時間,退社時間等を印字記録させる。
【0029】
また、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であって、タイムレコーダ1の現在の日付が前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)のとき、メモリ18に記憶された「一面Sfが前半記録面」という内容に基づいて、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)をタイムカード2の一面Sfに印字記録する。
【0030】
この後、演算制御回路17は、「日付」に続いてプリンタ9により「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録した後、駆動モータ15を駆動制御して、一対の送りローラ11,11aによりタイムカード2を更に上方に送り移動させることにより、タイムカード2を取出可能とさせる。
【0031】
そして、演算制御回路17は、カード挿入口3aにタイムカード2が挿入されたときに、「一面Sf(記録面)が前半(月の21日から翌月の5日までのいずれか)の記録面である、又は他面Sb(記録面)が後半(翌月の6日から20日までのいずれか)の記録面である」という記憶内容がメモリ18にある場合には、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であると判断する。
【0032】
しかも、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であると判断した場合であって、タイムレコーダ1の現在の日付が前半である場合、タイムカード2の一面Sfが正面を向いていて印字可能であることを第3のセンサ13が検出しているときに、駆動モータ15を駆動制御して送りローラ11,11aを回転駆動させることにより、一面Sf(記録面)にタイムレコーダ1の現在の日をプリンタ9により印字可能な位置までタイムカード2を移動させ、プリンタ9によりタイムカード2の一面Sfに「日付」及び「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録させる。
【0033】
また、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であると判断した場合であって、タイムレコーダ1の現在の日付が後半である場合、タイムカード2の他面Sbが正面を向いていて印字可能であることを第3のセンサ13が検出しているときに、駆動モータ15を駆動制御して送りローラ11,11aを回転駆動させることにより、一面Sf(記録面)にタイムレコーダ1の現在の日をプリンタ9により印字可能な位置までタイムカード2を移動させ、プリンタ9によりタイムカード2の一面Sfに「日付」及び「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録させる。
【0034】
尚、最初の印字面が他面Sbで且つ後半の場合、最初の印字面が一面Sfで且つ後半の場合、最初の印字面が他面Sbで且つ前半の場合等においても、2回目以降の印字はメモリ18に記録された記録内容に基づいて実行される。この場合も、第1〜第3のセンサ10,12,13によるタイムカード2の下端の検出や記録面(一面Sf,他面Sb)の検出、プリンタ9や駆動モータ15の駆動制御等は、基本的には上述した説明と同じであるので、以下の説明では最初の記録面のメモリ18への記録と印字についてのみ説明する。
(ii)最初の印字面が他面Sbで且つタイムカードの挿入日が後半の場合
また、演算制御回路17は、図1のカード挿入口3aにタイムカード2が最初に挿入されたときに、図7のタイムカード2の他面(印字面)Sbが正面である場合であって、タイムカード1の現在の日付が後半の日付(翌月の6日から20日まで)である場合、他面Sbを後半記録面としてメモリ18に記憶させる。
【0035】
そして、演算制御回路17は、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により後半の日付(翌月の6日から20日までのいずれか)をタイムカード2の他面Sbに印字記録する。
【0036】
また、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であって、タイムレコーダ1の現在の日付が後半の日付(翌月の6日から20日までのいずれか)のとき、メモリ18に記憶された「他面Sbが後半記録面」という内容に基づいて、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により後半の日付(翌月の6日から20日までのいずれか)をタイムカード2の他面Sbに印字記録する。この後、演算制御回路17は、「日付」に続いてプリンタ9により「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録した後、駆動モータ15を駆動制御して、一対の送りローラ11,11aによりタイムカード2を更に上方に送り移動させることにより、タイムカード2を取出可能とさせる。
【0037】
更に、演算制御回路17は、タイムレコーダ1の現在の日付が翌月の前半となったときには、新たなタイムカードを使用する。
(iii)最初の印字面が一面Sfで且つタイムカードの挿入日が後半の場合
また、演算制御回路17は、図1のカード挿入口3aにタイムカード2が最初に挿入されたときに、図8のタイムカード2の一面(印字面)Sfが正面である場合であって、タイムカード1の現在の日付が後半の日付(翌月の6日から20日まで)である場合、一面Sfを後半記録面としてメモリ18に記憶させる。
【0038】
そして、演算制御回路17は、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により後半の日付(翌月の6日から20日まで)をタイムカード2の一面Sfに印字記録する。
【0039】
また、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であって、タイムレコーダ1の現在の日付が後半の日付(翌月の6日から20日までのいずれか)のとき、メモリ18に記憶された「一面Sbが後半記録面」という内容に基づいて、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により後半の日付(翌月の6日から20日まで)をタイムカード2の一面面Sfに印字記録する。この後、演算制御回路17は、「日付」に続いてプリンタ9により「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録した後、駆動モータ15を駆動制御して、一対の送りローラ11,11aによりタイムカード2を更に上方に送り移動させることにより、タイムカード2を取出可能とさせる。
【0040】
更に、演算制御回路17は、タイムレコーダ1の現在の日付が前半となったときには、新たなタイムカードを使用する。
(iv)最初の印字面が他面Sbで且つタイムカードの挿入日が前半の場合
また、演算制御回路17は、タイムカード2が図1のカード挿入口3aに最初に挿入されたときに、図9のタイムカード2の他面(印字面)Sbが正面である場合であって、タイムカード1の現在の日付が前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)である場合、他面Sbを前半記録面としてメモリ18に記憶させる。この場合、タイムカード1の一面Sfは、図8に示したように後半の日付(翌月の6日から20日まで)」の記録面となる。
【0041】
そして、演算制御回路17は、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)をタイムカード2の他面Sbに印字記録する。
【0042】
また、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であって、タイムレコーダ1の現在の日付が前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)のとき、メモリ18に記憶された「他面Sbが前半記録面」という内容に基づいて、タイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により前半の日付(月の21日から翌月の5日までのいずれか)をタイムカード2の他面Sbに印字記録する。この後、演算制御回路17は、「日付」に続いてプリンタ9により「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録した後、駆動モータ15を駆動制御して、一対の送りローラ11,11aによりタイムカード2を更に上方に送り移動させることにより、タイムカード2を取出可能とさせる。
【0043】
更に、演算制御回路17は、カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が2回目以降であって、タイムレコーダ1の現在の日付が後半となったときに、図8に示したようにタイムレコーダ1の現在の日付に対応してプリンタ9により後半の日付(翌月の6日から20日までのいずれか)をタイムカード2の一面Sfに印字記録する。この場合も演算制御回路17は、「日付」に続いてプリンタ9により「出」,「退」等の欄に日付,出勤時間,退社時間等を印字記録した後、駆動モータ15を駆動制御して、一対の送りローラ11,11aによりタイムカード2を更に上方に送り移動させることにより、タイムカード2を取出可能とさせる。
【0044】
以上説明したように、この発明の実施の形態のタイムレコーダは、カード挿入口3aを有するレコーダ本体3と、表面及び裏面に前半記録部及び後半記録部をそれぞれ設けたタイムカード2が前記カード挿入口3aに挿入されたときに前記タイムカード2の表面及び裏面を検出して検出信号を出力する表裏検出手段(第3のセンサ13)と、前記タイムカード2に印字する印字手段(プリンタ9)と、前記検出信号を受けて前記タイムカード2の挿入向きの状態を判断し前記印字手段(プリンタ9)を制御する制御手段(演算制御回路17)を備えている。しかも、前記制御手段(演算制御回路17)は、前記カード挿入口3aに挿入されるタイムカード2が最初に挿入された場合であって、現在の日付が前半又は後半のいずれの記録期間であっても、前記タイムカードの前記印字手段で印字される最初の印字面を挿入された日付の属する記録期間の記録面としてメモリ18に記憶して、前記最初の印字面に前記記録期間の日付を割り当てて前記印字手段(プリンタ9)により印字記録させるようになっている。
【0045】
この構成によれば、タイムカード2の使用が最初の場合には、タイムカード2の表裏に関係なく、タイムカード2の挿入された向きを前半記録部又は後半記録部として利用可能にできる。
【0046】
従って、月の21日から翌月の5日までを前半として記録し、翌月の6日から20日までを後半としてタイムカードに記録するような管理を行うように、タイムレコーダ1の印字を設定していても、タイムカード2の使用が最初の場合には、表裏判別手段により検出された検出信号に基づいてエラーが生じるようなことない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施の形態にかかるタイムレコーダとタイムカードとの関係を示す斜視図である。
【図2】図1のタイムレコーダとタイムカードとの関係を示す部分断面図である。
【図3】図2を矢印A方向から見た概略説明図である。
【図4】図1のタイムレコーダの制御回路図である。
【図5】図4の演算制御回路による制御を示すフローチャートである。
【図6】図1のタイムカードの一面(表面)への印字例を示す説明図である。
【図7】図1のタイムカードの他面(裏面)への印字例を示す説明図である。
【図8】図1のタイムカードの他面(裏面)への他の印字例を示す説明図である。
【図9】図1のタイムカードの一面(表面)への他の印字例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1…タイムレコーダ
2…タイムカード
3…レコーダ本体
3a…カード挿入口
9…プリンタ(印字手段)
13…第3のセンサ(表裏検出手段)
16…メモリ
17…演算制御回路(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード挿入口を有するレコーダ本体と、表面及び裏面に前半記録部及び後半記録部をそれぞれ設けたタイムカードが前記カード挿入口に挿入されたときに前記タイムカードの表面及び裏面を検出して検出信号を出力する表裏検出手段と、前記タイムカードに印字する印字手段と、前記検出信号を受けて前記タイムカードの挿入状態を判断し前記印字手段を制御する制御手段を備えるタイムレコーダにおいて、
前記制御手段は、前記カード挿入口に挿入されるタイムカードが最初に挿入された場合であって、現在の日付が前半又は後半のいずれの記録期間であっても、前記タイムカードの前記印字手段で印字される最初の印字面を挿入された日付の属する記録期間の記録面としてメモリに記憶して、前記最初の印字面に前記記録期間の日付を割り当てて前記印字手段により印字記録させることを特徴とするタイムレコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−285311(P2006−285311A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100471(P2005−100471)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】