説明

タイムレコーダ

【課題】多種多様な日付を印字したタイムカードを必要としないタイムレコーダを提供する。
【解決手段】タイムレコーダ10の本体11の上面にはカード挿入口12が設けられ、本体11の前部の上部には時刻などを表示するLED表示部14が設けられ、本体11の前面の中間部には日付の印字を行うための実行ボタンK3とが設けられている。実行ボタンK3が押され、日付を未だ記入していない未記入タイムカードがカード挿入口12に挿入されて、片面側に日付を記入後に、他面側への差し替えを促す表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は出勤・退勤時刻等を記録するタイムレコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイムレコーダでタイムカードに日付を記入する場合、タイムカードの日付・曜日欄は空白であり、出勤時に従業員がタイムカードをタイムレコーダに挿入したときに、出勤した当日の日付や時刻等を印字するようになっている。
【0003】
会社には複数枚のタイムカードが備えられており、これらのタイムカードには、それぞれ個々の従業員を識別できるように所定個数の丸い穴が一定領域に開口されており、タイムレコーダにはタイムカードの識別用の穴が挿入される位置にタイムカードを間に挟んで発光素子と受光素子が設置されている。タイムレコーダにタイムカードが挿入されると、発光素子から光を当てタイムカードの穴を通して受光素子が受光した位置のパターンにより個々の従業員を識別するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−49715号公報(個人情報を印字できるタイムレコーダで印字の濃淡を判別)
【特許文献2】実開平06−65964号公報(破損したタイムカードの個人属性データを再現して発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、職場等によっては昼夜交代制を採用している場合や、各人の休日が異なる場合があるほか、当月の休日の場合には該当日付欄に「休日」等の判子を捺印しているので、タイムカードの日付の欄が各個人によって違ってしまう場合があり、集計時にどの段が何日であるのか一別して判読し難いという問題がある。
【0006】
また、初めから日付を印刷したタイムカードもあるが、会社によって締め日が異なると、多くの種類のタイムカードが必要となる。
【0007】
例えば、締め日の設定を5日、10日、15日、20日、25日、月末等のように、5日おきの印刷済みカードを揃えることが出来るが、それでも3種類のカードが必要となる。従って、それ以外の締め日に対応するには30種類以上のカードが必要となり、多品種のものを用意しなければならないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、多種多様な日付を印字したタイムカードを必要としないタイムレコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、日付表示を行うための実行ボタンを有し、該実行ボタンが押されると共に、未記入タイムカードが装填されるときに、前記未記入タイムカードに所定の月の日付が記入され、
前記未記入タイムカードの片面側に日付を記入した後、前記未記入タイムカードの他面側に残りの日付を記入するタイムレコーダにおいて、
前記片面側に日付を記入後に、他面側への差し替えを促す表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、タイムカードの差し替え表示が行われることにより、タイムカードの差し替え忘れなどによる他面側への日付の記入忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態にかかるタイムレコーダの斜視図。
【図2】図1のタイムレコーダのブロック図。
【図3】図1のタイムレコーダの未記入タイムカードに対する日付印字処理の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明に係るタイムレコーダの実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0013】
図1はタイムレコーダ10を示す。タイムレコーダ10の本体11の上面にはタイムカード(図示せず)を挿入するカード挿入口12が設けられている。本体11の前面の上部には時刻などを表示するLED表示部14が設けられている。本体11の前面の中間部には、勤務体系を選択する選択キースイッチK1と、出勤キースイッチK2と、日付の印字(日付表示)を行うための実行ボタンK3とが設けられている。実行ボタンK3が押され、日付を未だ記入していない未記入タイムカードがカード挿入口12に挿入されると、未記入タイムカードに所定の月の日付を記入されるようになっている。月の日付の記入はタイムカードの片面側に行われるが、タイムカードの両面に印字しても良い。
【0014】
タイムレコーダ1の本体11内には、カード挿入口12に挿入されたタイムカードを検知するカード挿入検知センサ15(図2参照)と、後述するカード送りモータ26によるタイムカードの送り量を検知するカード位置検出センサ16と、タイムカードのIDコードを読み取るカードIDコード読取部17と、エラー時に警告音を発するブザー18等とが設けられている。
【0015】
カードIDコード読取部17は、パンチ穴付タイムカードの引き込み時に、カード位置検出センサ16によるカード位置情報と、パンチ穴の通過光によって検出するビット情報とから複数ビットによって構成されるカードIDコードを取得するものである。
【0016】
図2はタイムレコーダ10の制御系の構成を示したブロック図である。図2において、20はCPU(制御手段)、21は時計IC、22はROM、23はRAMである。CPU20は、時計IC21から時刻情報を読み込んで表示駆動回路24を駆動してLED表示部14に時刻や曜日や日付等を表示する。
【0017】
また、選択キースイッチK1の操作によって勤務体系を選択すると、その勤務体系を示す数字と、この数字に対応した勤務時間帯がLED表示部14に表示される。
【0018】
CPU20は、モータ駆動回路25を制御してカード送りモータ26を正逆両方向へ回転駆動することによりタイムカードの引込や排出を行う。また、印字ヘッド駆動回路27を制御して印字ヘッド28によりタイムカードへ印字する。
【0019】
29はUSBインタフェース、30はメモリカードリーダ/ライタであり、ケーブル接続したコンピュータまたはメモリカードスロットへ挿入したメモリカードにRAM内のデータを転送したり、RAMにデータの書き込みをしたりすることができる。
【0020】
ROM22(EEPROM)には、タイムレコーダ制御プログラムと、個人別の月間スケジュールの勤務時間帯を示す予定シフトや、各シフト番号に対応したLST(日付変更時刻)が書換可能に記憶されている。ROM22のタイムレコーダ制御プログラムは、カード駆動および時刻印字と時間集計を行う機能に加えて、ROM22に書き込まれた個人別の月間スケジュールの勤務時間帯に応じて日付変更時刻を切り換える機能を有するとともに、その勤務時間帯である勤務体系を示す数字をタイムカードに印字する機能を備えている。
【0021】
RAM23には、タイムレコーダ制御プログラムの制御に用いられるデータや、タイムカードへの印字動作や日付の変更その他の日によって変わるデータが一時的に記憶される。
[動 作]
次に、上記のように構成されるタイムレコーダ10における未記入タイムカードに対する日付印字処理の動作を図3に示すフロー図に基づいて説明する。
【0022】
先ず、日付記入用の実行ボタンK3を押して(ステップ1)、タイムカードの挿入を検知すると(ステップ2)、タイムカードが日付を未記入であるか否かを判断し(ステップ3)、日付未記入であれば「日付の未記入のタイムカードに差し替えて下さい」という旨表示して(ステップ4)、ステップ2に戻り、所定時間内にタイムカードを検出したかどうかを判断する。所定時間内にタイムカードを検知しなければ終了する。日付未記入のタイムカードであることを検知したら、ステップ5に進んで、タイムカードの表面に現在時刻の印字と同時に今月の前半の全ての日付・曜日を印字する(ステップ5)。
【0023】
タイムカードの片面に今月の前半の全ての日付・曜日の印字が終了したら、印字終了かどうかを判断した後に(ステップ6)、他の片面印字があれば、「タイムカードを裏面にして差し替えて下さい」等を表示し(ステップ7)て「差し替え」を待つ(ステップ8)。所定時間内にタイムカードの「差し替え」が完了したら、現在タイムカードの片面(裏面)に、今月の残りの全ての日付・曜日を裏面に印字する(ステップ9)。ステップ8において、「差し替え」が所定時間内に行われなかったら、終了して普段の出勤・退勤の時刻印字モードに戻る。
【0024】
上記の動作において、タイムカードがタイムレコーダ10のカード挿入口12に挿入されると、タイムカードがカード送りモータ26により引き込まれて、そのタイムカードの識別用の穴に光を通して、タイムカードのIDコードが読み取られる。
【0025】
読み取ったIDコードからこのIDコードに対応した月間スケジュールを求め、この月間スケジュールからタイムカードを挿入した日の予定を検索して表示、印字する。
【0026】
以上説明したように、この実施の形態のタイムレコーダ10によれば、実行ボタンK3を押して、未記入のタイムカードを挿入すると、予めタイムカードに月の全部の日付表示が記入される。
【0027】
このタイムカードへの日付及び曜日の記入において、締め日の翌日から新しい月の出勤・退勤として記入が開始されると、管理者側も従業者側も月の初めでは予定等を予め目視でき、月の終わりでは勤務状態等を一目で確認できることとなり、便利である。
【0028】
しかも、会社毎に様々な締め日が定められていても、新しい締め日にかかる月の初日に未記入タイムカードを入れて日付記入の実行ボタンK3を押すと、その月の全部の日付が予め記入され、一覧する場合にどの段がどの日かを容易に判別でき、管理が楽になる。
【0029】
また、未記入タイムカードを入れて更に実行ボタンK3を押さないと、日付記入が出来ないので、記入済みのタイムカードを入れたり、月の途中で誤ってタイムカードを入れて実行ボタンK3を押しても、日付記入が行われないので、間違いが起こらない。
【0030】
更に、個人識別用の光透過穴を開けたタイムカードに従業者の名前を予め印字し、タイムレコーダ10のマイクロコンピュータにその光透過穴(IDデータ)に応じた従業員の名前やコード等を記憶させておくと、従業員は渡された未記入タイムカードをタイムレコーダ10に挿入して出勤・退勤の記入をするだけで、タイムレコーダ10側で当該従業員に関する出勤・退勤の記録を行うことが可能となり、タイムレコーダ10と他のコンピュータとを回線で接続するだけで従業員の出勤・退勤の管理が可能となる。
【0031】
次に、タイムレコーダ10において、日付が未記入のタイムカードの片面に日付を記入した後、タイムレコーダ10からタイムカードを取り出し、記入面を変えて再度タイムレコーダ10に挿入すると、タイムレコーダ100の他面側に後半の日付を記入でき、タイムカードの表裏両面に予め日付を記入できる。このため、月の中間で日付を記入し直すという必要がない。
【0032】
更に、日付の他に、例えば曜日や早番・遅番の予め決められたスケジュールや休日等の届出可能な事項等を記入できるので、会社側では従業員等の出勤予定管理も容易に行え、従業員側では出勤予定等をタイムカードで目視確認できる。
【符号の説明】
【0033】
10 タイムレコーダ
20 CPU
K3 日付印字処理実行ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日付表示を行うための実行ボタンを有し、該実行ボタンが押されると共に、未記入タイムカードが装填されるときに、前記未記入タイムカードに所定の月の日付が記入され、
前記未記入タイムカードの片面側に日付を記入した後、前記未記入タイムカードの他面側に残りの日付を記入するタイムレコーダにおいて、
前記片面側に日付を記入後に、他面側への差し替えを促す表示を行うことを特徴とするタイムレコーダ。
【請求項2】
請求項1のタイムレコーダにおいて、
前記日付表示の他に各日付における、予め決められたスケジュールと届出可能な事項を記入することを特徴とするタイムレコーダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−38335(P2012−38335A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224436(P2011−224436)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【分割の表示】特願2005−100757(P2005−100757)の分割
【原出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】