説明

タイヤホイールアセンブリを組み立て及び/又は膨張させるための装置、方法、部品、及びシステム

膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成するための未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を処理するための装置(10,10’)を開示する。装置(10,10’)は、一対のロボットアーム(12)を構成する第1ロボットアーム(12a)及び第2ロボットアーム(12b)と、第1ロボットアーム(12a)に取り付けられた組立エンドエフェクタ(10a)と、第2ロボットアーム(12b)に取り付けられた膨張エンドエフェクタ(10b)とを少なくとも有し、組立エンドエフェクタ(10a)は未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を介して膨張エンドエフェクタ(10b)と間接的に接続可能とされている。1又は複数の方法も開示する。1又は複数の部品(40,40’、40’’)も開示する。1又は複数のシステムも開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤホイールアセンブリ、及びタイヤホイールアセンブリを処理するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤホイールアセンブリは複数の工程によって処理されることが知られている。通常、このような工程を行う従来の方法は、多大な資本投資及び人間による管理を必要とする。本発明は、タイヤホイールアセンブリの処理に用いられる装置を示すことにより、従来技術の欠点を克服する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】発明の実施形態に係る、未膨張タイヤホイールアセンブリを組み立てるための組立エンドエフェクタと、組み立てられた未膨張タイヤホイールアセンブリを膨張させるための膨張エンドエフェクタと、を有する装置の斜視図。
【図2A】発明の実施形態に係る図1の装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールと係合する前の状態を示す。
【図2B】発明の実施形態に係る図2Aの装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールの近傍位置/と直接的に係合した位置へ移動された状態を示す。
【図2C】発明の実施形態に係る図2Aの装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールの近傍位置/と直接的に係合した位置へ移動された状態を示す。
【図3A】発明の実施形態に係る図2Cに示す装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールをタイヤに係合させる前の状態を示す。
【図3B】発明の実施形態に係る図3Aに示す装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールがタイヤに部分的に係合している状態を示す。
【図3C】発明の実施形態に係る図3Bに示す装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールがタイヤに更に部分的に係合している状態を示す。
【図3D】発明の実施形態に係る図3Cに示す装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールがタイヤに更に部分的に係合している状態を示す。
【図3E】発明の実施形態に係る図3Dに示す装置の組立エンドエフェクタを示す部分側面図であって、ホイールが完全にタイヤと係合して未膨張タイヤホイールアセンブリを形成している状態を示す。
【図4A】発明の実施形態に係る図1の装置の線4Aに沿った部分側面図である。
【図4B】発明の実施形態に係る図4Aの装置の組立及び膨張エンドエフェクタを示す部分側面断面図である。
【図4C】発明の実施形態に係る図4Bの組立エンドエフェクタに着脱可能に取り付けられた未膨張タイヤホイールアセンブリを介して延出する膨張エンドエフェクタの支持部材の第1姿勢を示す。
【図4D】発明の実施形態に係る図4Cの組立エンドエフェクタに着脱可能に取り付けられた未膨張タイヤホイールアセンブリと係合するように、第2姿勢へ動かされた膨張エンドエフェクタの支持部材を示す。
【図4E】発明の実施形態に係る図4Dの組立エンドエフェクタが未膨張タイヤホイールアセンブリから選択的に分離して、支持部材が未膨張タイヤホイールアセンブリを膨張エンドエフェクタに着脱可能に取り付けて、膨張エンドエフェクタが未膨張タイヤホイールアセンブリを組立エンドエフェクタから離れるように移動させるのを許容するのを示す図。
【図5】発明の実施形態に係る膨張エンドエフェクタの支持部材の分解図。
【図6A】発明の実施形態に係る図5の支持部材が組み立てられて第1姿勢とされた図。
【図6B】発明の実施形態に係る図5の支持部材が組み立てられて第2姿勢とされた図。
【図7】発明の実施形態に係る図6Bの支持部材の7−7線断面図。
【図8A】発明の実施形態に係る図6Bの支持部材の一部を示す断面図。
【図8B】発明の実施形態に係る図8Aの支持部材の一部を示す他の断面図。
【図9A】発明の実施形態に係る未膨張タイヤホイールアセンブリの膨張を許容するように制御された装置の膨張エンドエフェクタの姿勢を示す。
【図9B】発明の実施形態に係る図9Aの未膨張タイヤホイールアセンブリの膨張を許容するように更に制御された装置の膨張エンドエフェクタの姿勢を示す。
【図9C】発明の実施形態に係る図9Bの未膨張タイヤホイールアセンブリを膨張させる膨張手順の前に更に制御された装置の膨張エンドエフェクタの姿勢を示す。
【図9D】発明の実施形態に係る図9Cの未膨張タイヤホイールアセンブリを膨張させる膨張手順中に更に制御された装置の膨張エンドエフェクタの姿勢を示す。
【図9E】発明の実施形態に係る図9Cの未膨張タイヤホイールアセンブリを膨張させる膨張手順中に更に制御された装置の膨張エンドエフェクタの姿勢を示す。
【図9F】発明の実施形態に係る図9Eの未膨張タイヤホイールアセンブリを膨張させる膨張手順終了後に更に制御された装置の膨張エンドエフェクタの姿勢を示す。
【図10A】発明の実施形態に係るコンベヤ近傍に膨張済タイヤホイールアセンブリを配置させている装置の膨張エンドエフェクタを示す。
【図10B】膨張エンドエフェクタが膨張済タイヤホイールアセンブリから選択的に分離するのを許容するために図4D〜4E、6B、10Aに示す拡張した第2姿勢から図4B〜4C、6Aに示す後退した第1姿勢へ戻るように制御された膨張エンドエフェクタの支持部材を示す。
【図11A】発明の実施形態に係る後退した第1姿勢の組立エンドエフェクタ又は膨張エンドエフェクタの一方の支持部材を示す。
【図11B】発明の実施形態に係る後退した第1姿勢においてホイールに挿通された図11Aの支持部材を示す。
【図11C】発明の実施形態に係る支持部材のホイールへの係合を許容するために後退した第1姿勢から拡張した第2姿勢へ移動された図11Bの支持部材を示す。
【図11D】発明の実施形態に係る支持部材のホイールへの係合を許容するために後退した第1姿勢から拡張した第2姿勢へ移動された図11Bの支持部材を示す。
【図12A】発明の実施形態に係る未膨張タイヤホイールアセンブリのホイールに取り付けられた支持部材とロボットアームの端を示す。
【図12B】発明の実施形態に係る未膨張タイヤホイールアセンブリを移動させるために図12Aの支持部材に取り付けられたロボットアームの端を示す。
【図12C】発明の実施形態に係る未膨張タイヤホイールアセンブリを第2ロボットアームへ渡すために支持部材を用いる図12Bのロボットアームを示す。
【図12D】発明の実施形態に係る未膨張タイヤホイールアセンブリを第2ロボットアームへ渡すために支持部材を用いる図12Bのロボットアームを示す。
【図12E】発明の実施形態に係る未膨張タイヤホイールアセンブリを第2ロボットアームへ渡すために支持部材を用いる図12Bのロボットアームを示す。
【図12F】膨張装置に接続されたロボットアームの膨張エンドエフェクタに対して着脱可能に未膨張タイヤホイールアセンブリを取り付けるために支持部材を用いる図12C〜12Eの第2ロボットアームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
発明の実施形態に係るタイヤホイールアセンブリを組み立て及び/又は膨張させるための装置、方法、部品、及びシステムの一例を図に示す。上述に基づき、ここで用いられる用語は単に便宜のためであり、発明の説明に用いられる表現は、当業者によって最も広い意味に解釈されるべきものであると、広く理解されるべきである。
【0005】
10は発明の実施形態に係るタイヤホイールアセンブリを処理するための装置である。実施形態では、装置10は少なくとも、ホイールWとタイヤTとを結合させて未膨張タイヤホイールアセンブリTWを提供するための組立エンドエフェクタ10aと、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させて膨張済タイヤホイールアセンブリTWを提供するための膨張エンドエフェクタ10bとを備える(例えば図9Fも参照)。
【0006】
実施形態では、組立エンドエフェクタ10a及び膨張エンドエフェクタ10bは、一対のロボットアーム12を構成するロボットアーム12a,12bにそれぞれ接続されている。実施形態では、一対のロボットアーム12は、一対のロボットアーム12のロボットアーム12a,12bの各々が所望の如何なる空間的動作をも行えるように、所望の如何なる設計又は部品を有することができる。例えば、一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bは、車軸関節、ヒンジ、及びテレスコープセクション等を備えても良い。更に、実施形態においては、一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bによって提供される空間的動作は、1又は複数のモータ、油圧シリンダ、又はソレノイドアクチュエータ等を含むがこれらに限定されない如何なるタイプのアクチュエータ(図示せず)により提供されてもよい。
【0007】
実施形態においては、組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bは、コントローラ14に接続されても良い。実施形態において、コントローラ14は、組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bのうち、1つ又は複数における動作を制御できる。当然のことながら、組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び一対のロボットアーム12の上記動作は自動であってもよい。実施形態において、組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bの自動動作は、所定の方法により(例えば、コントローラ14に記憶されたプログラムによって)行われてもよい。しかしながら、実施形態では、当然のことながら、組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bにおける動作は、組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び一対のロボットアーム12の各ロボットアーム12a,12bのうち1又は複数を動作させる例えば操縦桿(図示せず)をオペレータが操作することによって手動で行われてもよい。
【0008】
図2A〜図3Eを参照して、発明の実施形態に係る、ホイールWをタイヤTへ結合させて未膨張タイヤホイールアセンブリTWを形成するための装置10の組立エンドエフェクタ10aを利用する方法について説明する。組立エンドエフェクタ10aの利用方法の説明に当たり、当然のことながら、組立エンドエフェクタ10aは後に(未膨張タイヤホイールアセンブリTWを介して)膨張エンドエフェクタ10bと間接的に接続/間接的に結合可能であり(例えば図4D参照)、従って、実施形態では、組立エンドエフェクタ10aは、膨張エンドエフェクタ10bと直接的に係合することなく未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張エンドエフェクタ10bへ「手渡す」と言える。よって、当然のことながら、例えばホイールWをタイヤTに結合させる方法の間、組立エンドエフェクタ10aは膨張エンドエフェクタ10bから独立して動作する。従って、当然のことながら、発明の一側面では、例えば図2A〜図3Eに示される組立手順において組立エンドエフェクタ10aが適切に機能又は動作することを要する装置10にとって、膨張エンドエフェクタ10bは重要又は不可欠な特徴ではない。
【0009】
図2Aを参照して、Wは発明の実施形態に係るホイールである。実施形態では、ホイールWは、第1側WS1、第2側WS2、及び第1側WS1と第2側WS2との間を延びる周縁部Wを有する。実施形態では、第1側WS1は第1フランジWF1を有し、第2側WS2は第2フランジWF2を有する。実施形態では、周縁部Wと第1フランジWF1が第1ビードシートWB1を構成し、周縁部Wと第2フランジWF2が第2ビードシートWB2を構成する。WDCは実施形態における周縁部Wのドロップセンター部である。
【0010】
実施形態において、ホイールWの第2側WS2は、支持面例えばコンベヤ202等に隣接配置されて示されている。図1及び図2Aの各々に見られるように、実施形態においては、装置10及びコンベヤ202は、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを組み立て及び膨張させるためのシステム200の部品と言える。
【0011】
実施形態において、図2Aでは、組立エンドエフェクタ10aはホイールWに近接しているが未だ係合していない空間位置に配置されている。実施形態では、組立エンドエフェクタ10aは、例えば第1ロボットアーム12aの先端18に接続されたベース部16を有する。
【0012】
実施形態において、組立エンドエフェクタ10aは、ベース部16に接続されたブラケット20を更に有する。実施形態において、ブラケット20は、第1スライド部材24aと第2スライド部材24bとを有する一対のスライド部材24に接続された1又は複数のフランジ22に結合されてもよい。実施形態では、第1及び第2スライド部材24a,24bは、1又は複数のフランジ22上にスライド可能に支持されている。
【0013】
実施形態では、組立エンドエフェクタ10aは、第1ホイール係合部材26aと第2ホイール係合部材26bとを有する一対のホイール係合部材26を更に有する。実施形態では、第1ホイール係合部材26aは第1スライド部材24aに取り付けられ、第2ホイール係合部材26bは第2スライド部材24bに取り付けられている。
【0014】
実施形態では、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bは、アーム部28とフィンガー部30とを有する。実施形態では、アーム部28はスライド部材24a,24bから軸方向に離れる方向へ延び、実施形態では、フィンガー部30は径方向内方へ向かってアーム部28から離れる方向へ延びている。実施形態では、上述した相対的な軸方向及び径方向の説明は、組立エンドエフェクタ10aの軸心と同軸のホイールWの軸心を通る軸A―Aを基準としている。
【0015】
未膨張タイヤホイールアセンブリTWを形成するためにホイールWをタイヤTへ結合するための組立作業を開始するため、組立エンドエフェクタ10aはまず、図2Aに示す矢印D1方向に従って、ホイールWに近接するが未だ係合はしない空間位置に配置される。矢印D1方向に従って移動すると、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30は、ホイールWの周縁部Wの外面Wに対して離隔して対向する関係に配置される。
【0016】
実施形態では、上述した離隔して対向する関係を実現するために、一対のスライド部材24は当初「拡張位置」に配置され、一対のスライド部材24の各スライド部材24a,24bは1又は複数のフランジ22の終端32a,32bの少なくとも近傍位置にスライド可能に配置される。当然のことながら、一対のスライド部材24を「拡張位置」とすることで、矢印D1方向に従う組立エンドエフェクタ10aの移動をホイールWが邪魔しないように、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bを配置できる。実施形態では、矢印D1方向に従う組立エンドエフェクタ10aの移動は、およそ、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30がホイールWの周縁部Wの外面Wに対して離隔して対向する関係となるだけでなく、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30がホイールWの第1ビードシートWB1に対して実質的に同一平面関係Pとなったときに停止する。
【0017】
一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30がホイールWに対して上述したように配置されると、組立エンドエフェクタ10aを作動して、1又は複数のフランジ22の終端32a,32bの少なくとも近傍にある一対のスライド部材24の各スライド部材24a,24bを「拡張位置」から「収縮位置」へ矢印D2方向に従って移動させることができる(例えば図2B及び図2C参照)。実施形態において、矢印D2方向に従って移動することで、一対のスライド部材24の各スライド部材24a,24bは、径方向内側方向であって1又は複数のフランジ22の終端32a,32bから離れて組立エンドエフェクタ10aの軸心へ向かう方向へ移動する。
【0018】
図2Bを参照して、実施形態では、矢印D2方向に従って移動すると、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30は、ホイールWの第1ビードシートWB1に当接して係合する。一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30がホイールWの第1ビードシートWB1に当接して係合すると、矢印D2方向に従った一対のスライド部材24の各スライド部材24a,24bの移動は停止する。
【0019】
他の実施形態において、一対のスライド部材24の各スライド部材24a,24bが矢印D2方向に従って移動することにより、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30を、ホイールWの第1フランジWF1と第1ビードシートWB1の1又は複数に対して実質的に近接するが離隔して対向する関係となるように配置させてもよい。実施形態では、各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30がホイールWの第1フランジWF1と第1ビードシートWB1の1又は複数に対して実質的に近接するが離隔して対向する関係は、フィンガー部30がホイールWの第1フランジWF1及び第1ビードシートWB1の1又は複数を傷つけ或いは表面特性を劣化させるのを防止する。
【0020】
実施形態では、当然のことながら、フィンガー部30がホイールWに対して実質的に近接するが非接触とすることにより、フィンガー部30はホイールWに対して当初は接触しないが、フィンガー部30はその後にホイールWと接触する。例えば、実施形態においては、組立エンドエフェクタ10aが図2Cの矢印D3方向に従ってコンベヤ202から軸方向に離れる方向に移動すると、フィンガー30もホイールWに対して相対的に軸方向に移動し、これによりフィンガー30は、(例えば第1ビードシートWB1に径方向に接触することなく)例えばホイールWの第1フランジWF1に軸方向に接触し、ホイールWを軸方向に持ち上げてコンベヤ202から軸方向に離隔させる。
【0021】
図2Cを参照して、上述したように一対のスライド部材24が1又は複数のフランジ22の終端32a,32bに少なくとも近接する「拡張位置」から「収縮位置」へ移動すると、ロボットアーム12aは矢印D3方向に従って軸方向に移動してホイールWをコンベア202から離れる方向へ軸方向に移動させることができる。ホイールWをタイヤTへ取り付けるためにロボットアーム12aがホイールWをコンベヤ202から取付ステーション204(例えば図3A参照)へ移動させる際、当然のことながら、一対のスライド部材24は「収縮位置」から1又は複数のフランジ22に対して相対的に移動しない。更に、図1及び図3Aに見られるように、装置10、コンベヤ20、及び取付ステーション204は、当然のことながら、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを組み立て及び膨張させるためのシステム200の部品であると言える。
【0022】
図3Aを参照して、発明の実施形態に係るロボットアーム12a及び組立エンドエフェクタ10aを用いてタイヤTをホイールWに取り付ける方法について説明する。実施形態では、ホイールWは組立エンドエフェクタ10aを介してロボットアーム12aに取り外し可能に固定されている。実施形態では、タイヤTの第2側壁TS2は、一部が取付ステーション204の表面206によって支持され、一部がタイヤ係合部208によって支持されている。実施形態では、タイヤTの第2側壁TS2は当初、タイヤ係合部208上で表面206に対して角度θで傾き、ホイールWの第2側WS2は当初、表面206と実質平行に配置される。
【0023】
実施形態において、まずロボットアーム12aを図3Aの矢印D4方向に従って移動させて、タイヤTをホイールWに結合させる。上述したように、ロボットアーム12aが矢印D4方向に従って移動するのと同時に、ロボットアーム12aの構造の部分34a,34bは矢印P1,P2方向に従ってロボットアーム12aのジョイント36を中心に旋回する。更に、上述したように、タイヤTをホイールWに取り付けるため、ロボットアーム12aは矢印D4及びD5方向(例えば図3C参照)に従って「降下及びスイープ(sweep)」運動にて移動する。実施形態では、「降下運動」により、ロボットアーム12aはホイールWをタイヤTの中央開口内へ移動させ、「スイープ運動」により、タイヤTはホイールWの周縁部Wに軽く引っかかるようにホイールWに結合される。
【0024】
まず図3Aを参照して、実施形態では、ロボットアーム12aが矢印D4方向に従って取付ステーション204側へ移動するのに従い、ロボットアーム12aの構造の部分34aは矢印P1方向に従ってジョイント36を中心に時計回りに旋回し、ロボットアーム12aの部分34bは矢印P2方向に従ってジョイント36を中心に時計回りに旋回し、これによりホイールWの第2側WS2がタイヤTの第1側壁TS1の近傍に位置づけられる。実施形態では、図3Bに見られるように、矢印D4方向に従って更に移動すると、ホイールWのドロップセンター部WDCの部分は、タイヤTの第1ビードTB1の部分の近傍へ移動し、ホイールWの第2ビードシートWB2の部分は、実質的にタイヤTの第1及び第2ビードTB1,TB2の間に配置される。
【0025】
図3Cを参照して、矢印D4方向に従ってロボットアーム12aが更に移動すると、タイヤTの第2ビードTB2の一部がホイールWのドロップセンター部WDCと第2ビードシートWB2の何れか1又は複数に実質的に隣接して配置されると共に、ホイールWの第2側WS2の一部がタイヤTの第1側壁TS1の一部に隣接して配置され、ホイールWの一部がタイヤTの一部を実質的に「押し潰し」、これによりタイヤTの第1ビードTB1の一部とタイヤTの第2ビードTB2の一部が互いに実質的に隣接又は近接する。更に、図3Cに見られるように、矢印D4方向に従うロボットアーム12aの移動によって、タイヤTの第1ビードTB1の一部はホイールWのドロップセンター部WDCから更に遠ざかり、ホイールWの第1ビードシートWB1のそれと近接する。
【0026】
実施形態では、矢印D4方向に従うロボットアーム12aの移動が完了すると、上述した「降下及びスイープ」運動の「降下」運動が完了すると言える。そして、図3Cに見られるように、矢印D5方向に従ってロボットアーム12aを移動させると、「降下及びスイープ」運動の「スイープ」運動が開始する。
【0027】
図3C〜図3Dに示す様に、タイヤ係合部208は、タイヤTの第1及び第2ビードTB1,TB2が最終的にホイールWの第1及び第2ビードシートWB1,WB2の少なくとも近傍に配置されるように、タイヤT上で係合してこれを操作する。実施形態では、図3Cに見られるように、タイヤ係合部208はタイヤTの第2ビードTB2と係合して、タイヤTの第2ビードTB2をホイールWの第2ビードシートWB2上に押し上げる。そして、図3Dに見られるように、矢印D5方向に従う「スイープ運動」が継続しながら、タイヤ係合部208はタイヤTの第2ビードTB2をホイールWの第2ビードシートWB2上に更に押し上げ、ホイールWの第1ビードシートWB1及び第2ビードシートWB2の間に位置しないタイヤTの第1ビードTB1の残部の位置及び空間を変化させ、タイヤTの第1ビードTB1はホイールWの第1ビードシートWB1の近傍となる位置及び空間に移動される。
【0028】
図3Eを参照して、矢印D5方向に従う「スイープ運動」は、タイヤTがタイヤ係合部208と接触しなくなるまで継続する。実施形態では、タイヤTがタイヤ係合部208と接触しなくなると、タイヤTは、タイヤTがホイールWの周縁部Wの周りに緩く配置されるようにホイールWに結合して未膨張タイヤホイールアセンブリTWを形成することができる。ロボットアーム12aは次に矢印D6方向に従って移動し、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させるための装置10の膨張エンドエフェクタ10bの方向へ移動させる。
【0029】
図4Aを参照して、第1ロボットアーム12aは、(組立エンドエフェクタ10aに取り付けられている)未膨張タイヤホイールアセンブリTWを矢印D6方向に従って移動させて、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを装置10の膨張エンドエフェクタ10bの近傍に配置する。実施形態では、第2ロボットアーム12bが膨張エンドエフェクタ10bを矢印D7方向に従って移動させて、膨張エンドエフェクタ10bを組立エンドエフェクタ10aの方向へ移動させても良い。実施形態では、当然のことながら、後に未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させるために、矢印D6,D7の方向に従って組立エンドエフェクタ10aと膨張エンドエフェクタ10bの両方を移動させる必要はなく、組立エンドエフェクタ10aと膨張エンドエフェクタ10bのうち一方を他方に向かって移動させればよい。
【0030】
図4Bを参照して、発明の実施形態に係る組立エンドエフェクタ10a、膨張エンドエフェクタ10b、及び未膨張タイヤホイールアセンブリTWの部分断面図を示す。実施形態では、膨張エンドエフェクタ10bは膨張部38を有する。実施形態では、膨張部38は、ホイールWを膨張エンドエフェクタ10bに選択的に係合させて支持するための先端面42を有する支持部材40(例えば図4E参照)を有する。更に、実施形態では、膨張部38は押込部44と作動棒46とを有する。
【0031】
実施形態では、作動棒46は押込部44の内腔の内側に移動可能に配置されている。実施形態では、支持部材40は押込部44と作動棒46の何れか1又は複数に取り付けられている。実施形態では、支持部材40は押込部44の外面(例えば図5の外面52参照)に取り付けられている。実施形態では、支持部材40は、押込部44に形成された1又は複数のスロット(例えば、図5のスロット74a,74b参照)を介して延出する作動ピン(例えば図5のピン58e参照)によって作動棒46に取り付けられている。
【0032】
実施形態では、図4Bに見られるように、押込部44の軸方向の位置は矢印D8方向に従って変化する。実施形態では、図4Cに見られるように、作動棒46が矢印D10方向に従って移動するのに対応して、支持部材40の径方向の位置は矢印D9方向に従って変化する。実施形態では、支持部材40が矢印D9方向に従って移動すると、支持部材40はホイールWに当接/係合して未膨張タイヤホイールアセンブリTWに係合する。
【0033】
図4Dに見られるように、未膨張タイヤホイールアセンブリTWと係合できるように支持部材40が径方向に拡張すると、組立エンドエフェクタ10aの一対のスライド部材24は、矢印D2方向とは反対の矢印D2’方向に従って「収縮位置」から「拡張位置」へ戻り、組立エンドエフェクタ10aから未膨張タイヤホイールアセンブリTWを選択的に離隔させる。そして、図4Eに見られるように、装置10の組立エンドエフェクタ10aは矢印D6’方向に従って移動し、組立エンドエフェクタ10aは膨張エンドエフェクタ10bから遠ざかり、組立エンドエフェクタ10aは、装置10の膨張エンドエフェクタ10bによって支持されている未膨張タイヤホイールアセンブリTWから離れる。
【0034】
図4Dを参照して、実施形態では、当然のことながら、組立エンドエフェクタ10aの一対のスライド部材24が矢印D2’方向に従って移動すると、組立エンドエフェクタ10aは未膨張タイヤホイールアセンブリTWから分離されると言え、膨張エンドエフェクタ10bは装置10の組立エンドエフェクタ10aの補助又は支持なしに未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させることができる。よって、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させるために膨張エンドエフェクタ10bを利用する方法を説明するにあたり(例えば図9A〜図9F参照)、当然のことながら、例えば未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させる方法において、膨張エンドエフェクタ10bは組立エンドエフェクタ10aから独立して動作する。従って、当然のことながら、発明の一側面においては、組立エンドエフェクタ10aは、例えば図9A〜図9Fに示される膨張手順において膨張エンドエフェクタ10bが適切に機能又は作動することを要する装置10にとって、重要又は不可欠な特徴ではない。
【0035】
図4Bに戻り、発明の実施形態に係る支持部材40の姿勢変化について更に詳細に説明する。実施形態では、支持部材40は当初、径方向に後退した「折畳姿勢」とされ、これにより押込部44は支持部材40を、孔径Wを有するホイールWの軸方向中心経路Wを介して矢印D8方向に従って軸方向に押し込むことができる。
【0036】
図4Cを参照して、押込部44によって支持部材40が、ホイールWの第2側WS2の内面WS2―Iを通りすぎて距離Yの位置まで軸方向に押し込まれると、矢印D8方向に従う押込部44の押込動作は停止する。矢印D8方向に従う押込部44の動作が停止すると、作動棒46が矢印D10方向に従って移動することで、支持部材40の姿勢は図4Cに示す径方向に後退した「折畳姿勢」から径方向に拡張した「拡張姿勢」(例えば図4D参照)へ矢印D9方向に従って変化する。
【0037】
図4Dを参照して、実施形態では、支持部材40が径方向に拡張した「拡張姿勢」になると、支持部材40の幅Xは、ホイールWの軸方向中心経路Wの孔径Wよりも広くなる。支持部材40が径方向に拡張した「拡張姿勢」になると、組立エンドエフェクタ10aの一対のスライド部材24は「収縮位置」から「拡張位置」へ戻り、一対のホイール係合部材26の各ホイール係合部材26a,26bのフィンガー部30とホイールWとの接触又は係合が解かれる。
【0038】
図4Eを参照して、組立エンドエフェクタ10aの一対のスライド部材24の各々が「収縮位置」から「拡張位置」へ移動すると、矢印D6方向とは反対の矢印D6’方向に従って組立エンドエフェクタ10aが移動し、組立エンドエフェクタ10aは、支持部材40を介して装置10の膨張エンドエフェクタ10bにより支持されている未膨張タイヤホイールアセンブリTWからが離れる。実施形態では、支持部材40が矢印D9方向に従って移動すると、支持部材40の先端面42はホイールWの第2側WS2の内面WS2―Iに対して実質的に近接対向関係となるように或いは実質的に隣接するように引き寄せられる。
【0039】
図5を参照して、発明の実施形態に係る押込部44及び作動棒46に対する支持部材40の分解図を示す。実施形態では、支持部材40は、第1ヒンジアセンブリ48aと第2ヒンジアセンブリ48bとを有する一対のヒンジアセンブリ48を有する。実施形態では、支持部材40は更に、搬送部品とも称されるスリーブ部材50を有する。
【0040】
実施形態では、支持部材40が組み立てられると(例えば図6A,図6B参照)、一対のヒンジアセンブリ48の第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの各々は、押込部44の外面52に対して対向関係となるように配置され、スリーブ部材50は押込部44の外面52の周囲にスライド可能に配置される。実施形態では、第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48b及びスリーブ部材50のうち1又は複数が、押込部44の外面52に接触してもよく、或いは押込部44の外面52の近傍非接触位置に配置されてもよい。
【0041】
引き続き図5を参照して、第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの各々は、一対のヒンジアーム54と一対のヒンジアーム軸受ブラケット56とを有する。実施形態では、一対のヒンジアーム54は第1ヒンジアーム54aと第2ヒンジアーム54bとを有する。実施形態では、一対のヒンジアームブラケット56は第1ヒンジアームブラケット56aと第2ヒンジアームブラケット56bとを有する。
【0042】
実施形態において、第1ピン58aは、第1ヒンジアーム54aの第1端54a’と第1ヒンジアームブラケット56aの第1端56a’に少なくとも部分的に挿通されて、これらと回転可能に連結している。実施形態では、第2ピン58bは、第2ヒンジアーム54bの第1端54b’と第2ヒンジアームブラケット56bの第1端56b’に少なくとも部分的に挿通されて、これらと回転可能に連結している。実施形態では、第3ピン58cは、第1ヒンジアーム54aの第2端54a’’と第2ヒンジアーム54bの第2端54b’’に少なくとも部分的に挿通されて、これらと回転可能に連結している。実施形態では、第4ピン58dは、第1ヒンジアームブラケット56aの第2端56a’’と第2ヒンジアームブラケット56bの第2端56b’’に少なくとも部分的に挿通されて、これらと回転可能に連結している。
【0043】
実施形態では、スリーブ部材50は外面60を有する。実施形態では、外面60には第1ピン経路62aと第2ピン経路62bとが形成されている。実施形態では、第1ピン経路62aと第2ピン経路62bとは径方向に対向している。
【0044】
実施形態では、第1ヒンジアセンブリ48aに対応する第3ピン58cは第1ピン経路62aにも挿通されて、第1ヒンジアセンブリ48aの第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの第2端54a’’,54b’’がスリーブ部材50に連結される。実施形態では、同様に、第2ヒンジアセンブリ48bに対応する第3ピン58cは第2ピン経路62bにも挿通されて、第2ヒンジアセンブリ48bの第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの第2端54a’’,54b’’がスリーブ部材50に連結される。
【0045】
実施形態では、押込部44の外面52には第1ピン経路64aと第2ピン経路64bとが形成されている。実施形態では、第1ピン経路64aと第2ピン経路64bとは径方向に対向している。
【0046】
実施形態では、第1ヒンジアセンブリ48aに対応する第4ピン58dは第1ピン経路64aに挿通されて、第1ヒンジアセンブリ48aの第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの第2端56a’’,56b’’が押込部44に連結される。実施形態では、同様に、第2ヒンジアセンブリ48bに対応する第4ピン58dは第2ピン経路64bに挿通されて、第2ヒンジアセンブリ48bの第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの第2端56a’’,56b’’が押込部44に連結される。
【0047】
実施形態では、作動棒46の先端66には経路68が形成されている。実施形態では、経路68は作動棒46の先端66を貫通して延びている。実施形態では、作動ピンとも称される作動ピン58eは、経路68を通って延びる。実施形態では、作動ピン58eは経路68を通って、作動棒46の外面70を超えて径方向に延びる。
【0048】
実施形態では、押込部44の先端72には第1スロット74aと第2スロット74bが形成されている。実施形態では、第1スロット74aと第2スロット74bとは径方向において対向している。実施形態では、第1スロット74a、第2スロット74b、及び経路68は一列に配列され、作動ピン58eが第1スロット74aと第2スロット74bの各々を通って作動棒46の外面70を超えて径方向に延びるようにされている。実施形態では、作動ピン58eは、第1及び第2スロット74a、74bの各々を通って押込部44の外面52を超えて径方向に延びる。
【0049】
実施形態では、スリーブ部材50の下端76には、任意の第1スロット78aと任意の第2スロット78bが形成されても良い。実施形態では、任意の第1スロット78aと任意の第2スロット78bとは径方向に対向する。実施形態では、任意のスロット78a、78bは、第1スロット74a、第2スロット74b、及び経路68と同列上に配列され、作動ピン58eをスリーブ部材50の任意の第1及び第2スロット78a、78bの各々に少なくとも部分的に挿通できるようにしている。当然のことながら、作動ピン58eを任意の第1及び第2スロット78a,78bに挿通させることで、スリーブ部材50が押込部44の外面52に対して自由回転するのを防止する。
【0050】
図6A〜図6Bを参照して、実施形態では、当然のことながら、スリーブ部材50の下端76に形成された任意の第1及び第2スロット78a,78bはスリーブ部材50の設計に含まれなくてもよい。よって、実施形態では、第5作動ピン58eはスリーブ部材50の下端76の軸方向端面80に対する近傍/対向位置に配置されてもよい。更に、実施形態では、例えば、もし第1及び第2スロット78a、78bがスリーブ部材50の設計に含まれる場合には、第1及び第2スロット78a、78bはスリーブ部材50の下端76の軸方向端面80の一部を構成してもよい。
【0051】
実施形態では、当然のことながら、支持部材40が押込部44と作動棒46の何れか1又は複数と結合されると、スリーブ部材50はまず押込部44の先端72の軸方向端面82から距離Z(例えば図6B参照)だけ離れた位置に配置される。そして、作動ピン58eは、押込部44のスロット74a、74bと作動棒46の経路68の各々に挿通され、作動ピン58eはスロット78a,78b内及び/或いはスリーブ部材50の軸方向端面80の近傍に配置される。作動ピン58eをこのように配置した後に、残りのピン58a〜58dを上述したように配置すると、押込部44の外面52に対する支持部材40の組立が完了する。
【0052】
更に、実施形態では、当然のことながら、押込部44に形成された第1及び第2スロット74a,74bは、押込部44の軸方向端面82から距離Zだけ延びる。更に、上述したように、押込部44に対する作動棒46の軸方向移動は距離Zに制限され、対応する作動ピン58eの軸方向移動も距離Zに制限される。更に、当然のことながら、作動棒46の軸方向移動を距離Zに制限することで、作動ピン58eが押込部44の軸方向端面82を超えて軸方向に移動するのを防止し、押込部44の外面52に対するスリーブ部材50の同軸配置が維持され、これによってスリーブ部材50の押込部44に対する同軸結合が解除されるのを防止する。
【0053】
図6A及び図6Bを参照して、発明の実施形態に係る支持部材40における、径方向に後退した「折畳姿勢」(例えば図6A参照)と径方向に拡張した「拡張姿勢」(例えば図6B参照)の何れか一方からの姿勢変化について説明する。まず図6Aを参照して、矢印D10方向に従って作動棒46が押込部44に対して相対的に移動すると、作動ピン58eは押込部44の軸方向端面82から離れる方向へ、スロット74a,74b内で軸方向に移動する。
【0054】
作動ピン58eが矢印D10方向に従い押込部44の軸方向端面82から離れる方向に移動すると、作動ピン58eはスリーブ部材50の下端76の軸方向端面80と係合し、スリーブ部材50も矢印D10方向に従って付勢され、これによりスリーブ部材50が作動棒46及び作動ピン58eと共に軸方向に移動することが許容される。
【0055】
スリーブ部材50が矢印D10方向に従って移動すると、作動棒46において発生した矢印D10方向に従った牽引力は、作動ピン58e及びスリーブ部材50によって印加された牽引力によって、一対のヒンジアーム54と一対のヒンジアームブラケット56に伝達され、これにより一対のヒンジアセンブリ48の第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの各々の第1及び第2ヒンジアーム54a,54bと第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bが、ピン58c,58dを中心に矢印D9方向に従い旋回し、支持部材40の姿勢を径方向に後退した「折畳姿勢」から図6Bに示す径方向に拡張した「拡張姿勢」へ変化させる。
【0056】
図6B及び図7を参照して、作動棒46が距離Z(スロット74a,74bの長さにより規制される)に従い作動ピン58eを上端位置まで移動させた状態を示す。作動棒46が距離Zに従って作動ピン58eを上端位置まで移動させると、矢印D9方向に従う第1及び第2ヒンジアーム54a,54b及び第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの移動が停止する。図6Bを参照して、実施形態では、第1及び第2ヒンジアーム54a,54bと第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの長さは、矢印D9方向に従う第1及び第2ヒンジアーム54a,54bと第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの移動が停止すると、第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの各々の上面84a,84bが互いに実質的に同一平面関係となって支持部材40の先端面42を形成するように設計されている。図4Dで説明したように、支持部材40(第1及び第2ヒンジアーム54a,54bと第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56b)が矢印D9方向に従って移動すると、支持部材40の先端面42は、ホイールWの第2側WS2の内面WS2―Iに隣接するように引き寄せられる。
【0057】
図6Bを参照して、支持部材を径方向に拡張した「拡張姿勢」から径方向に後退した「折畳姿勢」へ戻したい場合には、作動棒46を矢印D10方向とは逆の矢印D10’方向に従って移動させる。図10A〜図10Bに見られるように、矢印D10’方向に従う移動によって、膨張エンドエフェクタ10bがホイールWとの結合から選択的に解除されるのを許容し、膨張エンドエフェクタ10bから膨張済タイヤホイールアセンブリTWを選択的に分離できる。
【0058】
図8A及び図8Bを参照して、発明の実施形態に係る一対のヒンジアセンブリ48の第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの部分断面図を示す。図8A及び図8Bの一対のヒンジアセンブリ48の第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの部分断面図について説明する前に、図5に戻る。実施形態では、図5に見られるように、第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの各々は厚みT1を有する。実施形態では、第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの各々の少なくとも選択された1の領域において厚みT1が薄くされることによって、第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの各々は、ベアリング面92を有する凹ポケット88を備える。
【0059】
実施形態では、図8A,図8Bに見られるように、ベアリング面92は第1平坦部92a’と、弓状部92a’’と、第2平坦部92a’’’とを有する。実施形態では、弓状部92a’’の軸方向中心は、第2ピン58bを収容する第2ヒンジアームブラケット56bに形成されたピン経路を基準としている。
【0060】
図5に戻り、上述したのと略同様に、スリーブ部材50は厚みT2を有し、これはスリーブ部材50の上端86に近接する選択された少なくとも2箇所において薄くされており、ベアリング面94を有する2つの凹ポケット90が形成されている。実施形態では、2つの凹ポケット90は径方向に対向するようにスリーブ部材50の外面60に形成されている。
【0061】
実施形態では、スリーブ部材50の各凹ポケット90はそれぞれピン経路62a,62bを有する。実施形態では、図8A,図8Bに見られるように、ベアリング面94は弓状部94a’を有する。実施形態では、弓状部94a’の軸方向中心は第3ピン58cを収容するスリーブ部材50のピン経路62a,62bを基準としている。
【0062】
引き続き図5を参照して、第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの各々は第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの各々の厚みT3を形成する側面96を有する。実施形態では、第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの各々の厚みT3は、第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bとスリーブ部材50の厚みT1,T2よりも薄い。更に、実施形態では、第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの各々の厚みは、凹ポケット88,90のベアリング面92,94により形成される幅/厚みと略同一である。
【0063】
図8Aを参照して、実施形態では、上述したように支持部材40が押込部44に対して組み立てられると、第2ヒンジアーム54bの第1端54b’は、第2ヒンジアームブラケット56bの第1端56b’に形成された凹ポケット88の内側に配置される。同様に(図8Aは部分図であるため全体は示されていないが)、第1ヒンジアーム54aの第1端54a’は、第1ヒンジアームブラケット56aの第1端56a’に形成された凹ポケット88の内側に配置される。第2ヒンジアーム54bの第1端54b’が第2ヒンジアームブラケット56bの第1端56b’に形成された凹ポケット88の内側に配置されると、第2ピン58bは第2ヒンジアーム54bと第2ヒンジアームブラケット56bの各々に挿通され、同様に(図8Aは部分図であるため全体は示されていないが)、第1ヒンジアーム54aの第1端54a’が第1ヒンジアームブラケット56aの第1端56a’に形成された凹ポケット88の内側に配置されると、第1ピン58aは第1ヒンジアーム54aと第1ヒンジアームブラケット56aの各々に挿通される。
【0064】
更に、実施形態では、上述したように支持部材40が押込部44に対して組み立てられると、(図8Aは部分図であるため全体は示されていないが)、第1ヒンジアーム54aの第2端54a’’はスリーブ部材50の上端86に形成された凹ポケット90の内側に配置される。第1ヒンジアーム54aの第2端54a’’がスリーブ部材50の上端86に形成された凹ポケット90の内側に配置されると、第2ヒンジアーム54bの第2端54b’’は、スリーブ部材50の上端86に形成された凹ポケット90の内側に配置された第1ヒンジアーム54aの第2端54a’’の上に/隣に/に隣接して配置される。そして第3ピン58cが第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの各々とスリーブ部材50に挿通される。
【0065】
引き続き図8Aを参照して、支持部材40が径方向に拡張した「拡張姿勢」になると、第2ヒンジアーム54bの第1端54b’の側面96の一部は第2ヒンジアームブラケット56bのベアリング面92の第1平坦部92a’と弓状部92a’’の近傍に配置され、同様に、(図8Aは部分図であるため全体は示されていないが、)第1ヒンジアーム54aの第1端54a’の側面96の一部は第1ヒンジアームブラケット56aのベアリング面92の第1平坦部92a’と弓状部92a’’の近傍に配置される。逆に、支持部材40が径方向に後退した「折畳姿勢」になると、第2ヒンジアーム54bの第1端54b’の側面96の一部は第2ヒンジアームブラケット56bのベアリング面92の弓状部92a’’と第2平坦部92a’’’の近傍に配置され、同様に、(図8Aは部分図であるため全体は示されていないが、)第1ヒンジアーム54aの第1端54a’の側面96の一部は第1ヒンジアームブラケット56aのベアリング面92の弓状部92a’’と第2平坦部92a’’’の近傍に配置される。更に、支持部材40が、径方向に拡張した「拡張姿勢」と径方向に後退した「折畳姿勢」の何れかであるときには、第1アーム54aの第2端54a’’の側面96の一部はスリーブ部材50の上端86に形成されたベアリング面94の弓状部94a’の近傍に配置される。
【0066】
実施形態では、スリーブ部材50と第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの各々のベアリング面92,94は、第1及び第2ヒンジアーム54a,54bの側面96の一部がスリーブ部材50と第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bにもたれるのを機能的に支持又は許容する。上述したように側面96の一部がスリーブ部材50と第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bにもたれるのを許容することにより、当然のことながら、ピン58a,58b,58cに加わるせん断力を大幅に減少又は無くすことができる。
【0067】
図8Aを参照して、実施形態では、支持部材40が径方向に拡張した「拡張姿勢」にされると、側面96の一部とスリーブ部材50及び第1及び第2ヒンジアームブラケット56a,56bの各々の間には比較的小さな隙間又は距離Z1が形成される。しかしながら、図8Bを参照して、押込部44を矢印D8’方向に従って移動させ、支持部材40の先端面42がホイールWの第2側WS2の内面WS2―Iに隣接するように引き寄せると、少なくともスリーブ部材50の上端86に形成されたベアリング面94の弓状部94a’の一部は、第1アーム54aの第2端54a’’の側面96の一部に隣接するように引き寄せられ、少なくとも第2アーム56bの第1端56’の側面96の一部は、第2ヒンジアームブラケット56bのベアリング面92の第1平坦部92a’と弓状部92a’’の何れか1又は複数に隣接するように引き寄せられ、同様に(図8Aは部分図であるため全体は示されていないが)、少なくとも第1アーム56aの第1端56a’の側面96の一部は、第1ヒンジアームブラケット56aのベアリング面92の第1平坦部92a’と弓状部92a’’の1又は複数に隣接するように引き寄せられる。図8Bに見られるように、上述したように押込部44が矢印D8’に従って移動すると、比較的小さな隙間又は距離Z1は減縮し、実質的に無くなる。
【0068】
図9A〜図9Fを参照して、発明の実施形態にかかる未膨張タイヤホイールアセンブリTWを膨張させるために膨張エンドエフェクタ10bを用いる方法について説明する。実施形態では、図9A〜図9Cに見られるように、押込部44を矢印D8’方向に従って移動させると、支持部材40の先端面42はホイールWの第2側WS2の内面WS2―Iに隣接する。更に、実施形態では、矢印D8’方向に従う押込部44の移動によって支持部材40の先端面42が移動すると、対応する支持部材40の軸方向の移動によって、ホイールWの第2側WS2の外面WS2―Oが軸方向に引き寄せられ、押込部44の外面52から径方向に離れる方向に突出するホイール係合部98の軸方向下面98’に隣接する。
【0069】
引き続き図9Aを参照して、支持部材40が矢印D8’方向に従って移動すると、ホイール係合部98の軸方向上面98’’は搬送体101の下面101’から距離Z2だけ離れる。実施形態では搬送体は内腔を有する。実施形態では、押込部44及び作動棒46は搬送体101の内腔の内側に移動可能に配置される。
【0070】
図9A及び図9Bを参照して、矢印D8方向と反対の矢印D8’方向に従って押込部44が移動すると、未膨張タイヤホイールアセンブリTWは膨張部38の係合アセンブリ100に向かって引き寄せられる。実施形態では、係合アセンブリ100は、実質的に環状のリング状シール部102に接続された軸方向に突出する環状枠体104から延出する軸方向に突出する環状枠体106を有する。
【0071】
実施形態では、押込部44が矢印D8’方向に従って移動すると、ホイールWの第2側WS2の外面WS2―Oは、係合アセンブリ100の実質的に環状のリング状シール部102の方向へ移動し、タイヤTの側壁Tは、係合アセンブリ100の軸方向に突出する環状枠体104の方向へ移動する。更に、実施形態では、押込部44が矢印D8’方向に従って移動すると、押込部44は搬送体101の内腔の中へ引き上げられ、ホイール係合部98の軸方向上面98’’が搬送体101の下面101’に近づくに従い、距離Z2が小さくなる。
【0072】
図9Bを参照して、押込部44が矢印D8’方向に従って更に移動すると、実施形態では、係合アセンブリ100の軸方向に突出する環状枠体104はタイヤTの側壁Tに係合し、実質環状のリング状シール部102はホイールWの第2フランジWF2の周囲に配置されてこれと係合する。図9Bに見られるように、実質環状のリング状シール部102の内径はホイールWの第2フランジWF2の直径と実質同一であるが、これよりも僅かに小さいので、実質環状のリング状シール部102は実質上平坦な中立姿勢(例えば図9A参照)から離れて上向きに「はじかれる」ようにして、実質環状のリング状シール部102は実質上平坦な中立姿勢から移動する。実質環状のリング状シール部102の「はじかれた」姿勢は、押込部44が矢印D8’方向に従って更に移動し、実質環状のリング状シール部102がホイールWの第2ビードシートWB2の近傍に位置するように実質環状のリング状シール部102が中立姿勢(例えば図9C参照)へ戻ることを許容されるまで維持される。
【0073】
図9Dを参照して、実施形態では、矢印D8’方向に従う押込部44の移動は、実質環状のリング状シール部102がホイールWの第2ビードシートWB2近傍の中立位置に戻るのとほぼ同時に停止する。実施形態において、実質環状のリング状シール部102がホイールWの第2ビードシートWB2の近傍で「中立位置」に位置すると、未膨張タイヤホイールアセンブリTWの流体空洞FCには、軸方向に突出する環状枠体106と実質環状のリング状シール部102の何れか1又は複数を挿通して延びる流体管110を介して流体Fが流体源108から供給される。
【0074】
図9Dに見られるように、流体Fが流体空洞FC内に流れ込むと、タイヤTの側壁Tには矢印D11方向に従う力が加わり、これによりタイヤTの側壁Tは係合アセンブリ100の軸方向に突出する環状枠体104を未膨張タイヤホイールアセンブリTWから離れる方向へ押す。タイヤTの側壁Tが係合アセンブリ100の軸方向に突出する環状枠体104を未膨張タイヤホイールアセンブリTWから離れる方向へ押すと、実質環状のリング状シール部102は、ホイールWの第2フランジWF2に実施的に隣接し、ホイールWの第2ビードシートWB2の近傍に配置され、係合アセンブリ100は流体空洞FCを外部から遮断して未膨張タイヤホイールアセンブリTWの膨張を許容する。
【0075】
実施形態では、当然のことながら、タイヤTの側壁Tによる力が軸方向に突出する環状枠体104に加わると、押込部44は矢印D8方向に従って僅かに移動し、実質環状のリング状シール部102は、ホイールWの第2フランジWF2に隣接する位置であってホイールWの第2ビードシートWB2の近傍位置へ配置される。更に、実施形態では、押込部44が矢印D8方向に従って移動すると、押込部44は搬送体101の内腔から僅かに出てきて、ホイール係合部98の軸方向上面98’’は搬送体101の下面101’から僅かに離れ、距離Z2が僅かに大きくなる。
【0076】
実施形態では、当然のことながら、流体Fが流体源108から流体空洞FCへ自動的に排出されるように、流体空洞FCに供給される流体Fは加圧又は圧縮されていてもよい。更に、実施形態では、当然のことながら、例えばポンプ(図示せず)を用いることで、流体源108を膨張エンドエフェクタ10bの設計から外すこともできる。実施形態では、ポンプは流体F(例えば外部空気)を外部から流体管110を介して流体空洞FCへ供給するものであってもよい。
【0077】
図9Eを参照して、流体空洞FCが流体Fで満たされるのに従い、タイヤTの側壁Tは矢印D11方向に従って係合アセンブリ100の軸方向に突出する環状枠体104に力を加え続ける。更に、図9Eに見られるように、押込部44が矢印D8方向に従って僅かな距離だけ移動を続けると、実質環状のリング状シール部102はホイールWの第2フランジWF2に隣接する密封された実質平坦中立位置(例えば図9D参照)からホイールWの第2フランジWF2に部分的に係合する位置へ移動し、実質環状のリング状シール部102は下方に「はじかれ」てホイールWの第2フランジWF2に隣接する実質平坦中立位置から離れる。図9Eに見られるように、この実質環状のリング状シール部102の位置変化において、実質環状のリング状シール部102は、流体空洞FCが流体Fによって満たされて実質環状のリング状シール部102がホイールWの第2フランジWF2から離れ、タイヤTの第2ビードTB2がホイールWの第2ビードシートWB2に隣接する位置に自動的に配置される(例えば図9F参照)まで、ホイールWの第2フランジWF2に隣接する位置に維持される。更に、実施形態では、当然のことながら、流体Fが流体空洞FCを満たすと、タイヤTの第1ビードTB1はホイールWの第1ビードシートWB1に隣接する。
【0078】
図9Fを参照して、タイヤTの第2ビードTB2がホイールWの第2ビードシートWB2に隣接すると、押込部44は矢印D8方向に従って僅かな距離を移動し続け、膨張済タイヤホイールアセンブリTWは膨張部38の係合アセンブリ100から更に遠ざかる。膨張エンドエフェクタ10bが膨張済タイヤホイールアセンブリTWに対する処理(膨張)を完了すると、第2ロボットアーム12bは矢印D7方向と反対の矢印D7’方向に従って、収容コンベヤ210(例えば図10A参照)の方向へ移動する。更に、当然のことながら、図1及び図10Aに見られるように、装置10、コンベヤ202、取付ステーション204、及びコンベヤ210はシステム200の部品と言える。
【0079】
図10Aを参照して、第2ロボットアーム12bが膨張済タイヤホイールアセンブリTWをコンベヤ210に近接させると、作動棒46は矢印D10方向と反対の矢印10D’方向に従って移動し、支持部材40を矢印D9方向と反対の矢印D9’方向に従って移動させる。当然のことながら、矢印D9’方向に従う支持部材40の移動によって、支持部材40の先端面42はホイールWの第2側WS2の内面WS2―Iから離れる方向に引き寄せられ、支持部材40は径方向に拡張した「拡張姿勢」から径方向に後退した「折畳姿勢」へ戻される。
【0080】
図10Bを参照して、支持部材40が径方向に後退した「折畳姿勢」になると、押込部44は矢印D8方向と反対の矢印D8’方向に従って移動され、支持部材40及び押込部44を膨張済タイヤホイールアセンブリTWから離れる方向へ軸方向に移動させる。実施形態では、押込部44が矢印D8’方向に従って移動して押込部44が膨張済タイヤホイールアセンブリTWから離れると、押込部44はホイールWの軸方向中心経路Wの中から引き出される。
【0081】
上述したように押込部44が膨張済タイヤホイールアセンブリTWから離れると、膨張済タイヤホイールアセンブリTWは膨張エンドエフェクタ10b/装置10から分離されると言える。コンベヤ210は更なる処理(例えば釣り合わせ等)のために矢印S方向に従って膨張済タイヤホイールアセンブリTWを左右に動かす。更に、第2ロボットアーム12bは矢印D7方向に従って膨張エンドエフェクタ10bを移動させて、膨張エンドエフェクタ10bを図4Aで示す姿勢に戻し、後に組立エンドエフェクタ10aによって組み立てられる他の未膨張タイヤホイールアセンブリTWに対向できるようにする。
【0082】
図11A〜図11Dを参照して、発明の実施形態に係る他の支持部材40’を示す。実施形態では、支持部材40’は支持部材40と実質同様である。しかし、当然のことながら、上述した支持部材40とは異なり、支持部材40’は膨張エンドエフェクタ10bの部品に限定されない。例えば、実施形態では、支持部材40’は組立エンドエフェクタ10a又は膨張エンドエフェクタ10b等の何れかの部品であってよい。よって、図11A〜図11Dは、組立エンドエフェクタ10aと膨張エンドエフェクタ10bの何れかを示すものに限定されず、図11A〜図11DはホイールWのみを示して、支持部材40’の姿勢がどのように制御されてホイールWと係合するのかを示すものである。
【0083】
実施形態では、支持部材40’は支持部材40と実質同様であるが、支持部材40’は、ベアリング面92,94を有する凹ポケット88,90を有するスリーブ/搬送部材50及びヒンジアームブラケット56a,56bの構成を有しない点で異なっている。むしろ、支持部材40’は搬送部材50’、一対の第1ヒンジアーム54’、及び一対の第2ヒンジアーム54’’を有するように構成されている。
【0084】
構造的には、実施形態では、支持部材40’は第1ヒンジアセンブリ48aと第2ヒンジアセンブリ48bとを有する一対のヒンジアセンブリ48を有する。支持部材40’の図は側面図であるため、当然のことながら、側面図は第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの何れか一方のみを示し、第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの他方は押込部44の反対側に直径方向に対向する位置関係で設けられている。
【0085】
実施形態では、第1及び第2ヒンジアセンブリ48a,48bの各々は、一対の第1ヒンジアーム54’と、一対の第2ヒンジアーム54’’と、搬送部材50’とに連結されたピン58’によって構成されている。実施形態では、ピン58’は一対の第1ヒンジアーム54’を搬送部材50’の第1先端50a’に連結させる。実施形態では、ピン58’は一対の第1ヒンジアーム54’を一対の第2ヒンジアーム54’’に連結させる。実施形態では、ピン58’は一対の第2ヒンジアーム54’’を搬送部材50’の第2先端50b’に連結させる。実施形態では、支持部材40’はベアリング面92,94を有する凹ポケット88,90を構成する構造を有しないため、支持部材40’の姿勢がホイールWに対して相対的に制御される際に第1及び第2ヒンジアーム54’,54’’の各対の姿勢が変化するときにピン58’付近に加わるせん断力に支持部材40’が耐えられるように、ピン58’は充分に高い剛性を有する材料から構成される。
【0086】
実施形態では、搬送部材50’は更に幹部51’を有しても良い。実施形態では、幹部51’は搬送部材50’の第2先端50b’に固定されている。実施形態では、搬送部材50’の第1先端50a’は幹部51’に対して相対的にスライド可能に配置されている。
【0087】
実施形態では、当然のことながら、搬送部材50’の第1先端50a’を幹部51’に対して相対的に軸方向に移動させて第1及び第2ヒンジアーム54’,54’’の各対の姿勢を制御するために、作動棒46は搬送部材50’の第1先端50a’に連結されている。まず図11Aを参照して、作動棒46を軸方向へ移動させて搬送部材50’の第1先端50a’を軸方向に移動させる前に、押込部44が矢印D8方向に従って移動され、支持部材40’の少なくとも一部がホイールWの軸方向中心経路Wに挿通される。
【0088】
図11Bを参照して、実施形態では、次に作動棒46が矢印D10’方向に従って移動され、これに対応して支持部材40’の第1先端50a’が移動し、第1及び第2ヒンジアーム54’,54’’の各対が矢印9方向に従って移動する。図11Cを参照して、作動棒46が矢印D10’方向に従って移動すると、搬送部材50’の第1先端50a’は幹部51’に対して相対的に矢印D10’方向に従って軸方向に押し込まれ、これによって第1及び第2ヒンジアーム54’,54’’の各対が径方向に後退した「折畳姿勢」(例えば図11A,図11B参照)から、径方向に拡張した「拡張姿勢」(例えば図11C,図11D参照)へ矢印D9方向に従って移動する。実施形態では、図11Cに見られるように、押込部44がスロット74a’,74b’を有するように構成し、ピン58’が一対の第1ヒンジアーム54’と搬送部材50’の第1先端50a’とを貫通してスロット74a’,74bの内部へ延び、ピン58’がスロット74a’,74b’の内側にスライド可能に配置されるようにしてもよい。
【0089】
実施形態では、矢印D9方向に従う第1及び第2ヒンジアーム54’,54’’の各対の移動は、矢印D10’方向に従う作動棒46の移動に対応し、一対のヒンジアーム54及び一対のヒンジアームブラケット56の矢印D9方向に従う移動は、矢印D10’方向と反対の矢印D10方向に従う作動棒46の移動に対応する。よって、当然のことながら、ホイールWとの係合において機能的に類似する支持部材40,40’の機能的特徴について説明したが、当然のことながら、径方向に後退した「折畳姿勢」から径方向に拡張した「拡張姿勢」への支持部材40,40’の姿勢は、ホイールWに対して相対的な矢印D10,D10’の何れかの方向に従った作動棒46の動き(つまり、作動棒46がホイールWに対して近づく方向或いは離れる方向に移動して、支持部材40,40’をホイールWに係合させる)の何れかに応じて、限定されない態様で実現される。
【0090】
更に、図11Dに見られるように、当然のことながら、支持部材40’がホイールWと係合すると、ホイールWを矢印D3又は矢印D7’の何れかの方向へ移動させることができる。よって、実施形態では、当然のことながら、支持部材40’は第1ロボットアーム12a又は第2ロボットアーム12bの何れかと連携できる。よって、例えば、もし支持部材40’が第1ロボットアーム12aと連携している場合には、当然のことながら、支持部材40’は、例えばブラケット20、1又は複数のフランジ22、一対のスライド部材24、及び一対のホイール係合部材26と連携する構造に取って代わり、支持部材40’を有するロボットアーム12aは矢印D3方向に従ってホイールWを移動させることができる。或いは、もし、例えば支持部材40’が第2ロボットアーム12bと連携している場合には、当然のことながら、支持部材40’は例えば支持部材40と連携する構造に取って代わり、ロボットアーム12bは矢印D7’方向に従ってホイールWを移動させることができる。
【0091】
図12A〜図12Fを参照して、発明の実施形態に係る他の支持部材40’’を装置10’と共に示す。実施形態では、支持部材40’’はホイールWに固定されたバトンBを有する。実施形態では、バトンBはホイールWの軸方向中心経路Wを通って延びている。当然のことながら、バトンBは装置10’の組立エンドエフェクタ10a又は膨張エンドエフェクタ10bと共に用いられる必要はない。よって、図12A〜図12Fでは、組立エンドエフェクタ10aに連携する第1ロボットアームと共に用いられるバトンBは図示されてないが、図12Fに示す様にバトンBを膨張エンドエフェクタ10bと共に用いる形態に限定されることはない。従って、装置10について上述したのとほぼ同様に、当然のことながら、バトンBを、装置10’の組立エンドエフェクタ10aに連携するロボットアームに結合し、その後に装置10’の組立エンドエフェクタ10aを間接的に(例えば未膨張タイヤホイールアセンブリTWを介して)装置10’の膨張エンドエフェクタ10bに接続させるようにしても良い。よって、実施形態では、組立エンドエフェクタ10aは装置10’の膨張エンドエフェクタ10bに直接的に係合することなく、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを装置10’の膨張エンドエフェクタ10bに「引き渡す」と言える。
【0092】
まず図12Aを参照して、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを組み立てて膨張させるために装置10’と共に用いられるバトンBを示す。実施形態では、装置10’は組立エンドエフェクタ(図示せず)、複数のロボットアーム12(全て同様の連結先端12’を有する)、及び膨張エンドエフェクタ10b(例えば図12F参照)を有する。実施形態では、複数のロボットアーム12の各ロボットアームの連結先端12’は、ホイールWに固定されて示されるバトンBと係合可能である。
【0093】
実施形態では、バトンBは第1先端B’と第2先端B’’とを有するように図示されている。実施形態では、バトンBの第1及び第2先端B’,B’’の各々は、複数のロボットアーム12の各々の連結先端12’に対して選択的に接続可能とされている。実施形態では、第1先端B’はホイールWのハブWから軸方向へ離れる方向に延び、ホイールWの第1側WS1の近傍位置に配置されている。実施形態では、第2先端B’’は、ホイールWのハブWから軸方向へ離れる方向に延び、ホイールWの第2側WS2の近傍位置に配置されている。
【0094】
機能的には、当然のことながら、バトンBは、例えばリレー競技で使われる「陸上競技のバトン」とほぼ同様の手法で複数のロボットアーム12によって使われる。陸上競技のバトンは、1の走者から他の走者へ受け渡されるものである。しかしながら、発明の本実施形態では、バトンBは、ホイールWがバトンBに取り付けられている間中、複数のロボットアーム12の1のロボットアームから他のロボットアームへ「渡され」、これにより複数のロボットアーム12は、複数のロボットアーム12の各ロボットアームの連結先端12’がホイールWに直接的に接することなく、ホイールWを1の処理ステーションから他のステーションへ搬送する。しかしながら、図12Aに見られるように、ホイールWはタイヤTと連結されて未膨張タイヤホイールアセンブリTWを形成するように示されている。よって、当然のことながら、バトンBは、ホイールWがタイヤTに取り付けられて未膨張タイヤホイールアセンブリTWを形成するときには、ホイールWだけでなくタイヤTも搬送する。
【0095】
図12Aを参照して、未膨張タイヤホイールアセンブリTWはスタンド又はコンベヤ等の上に配置され、バトンBの第1端B’はスタンド又はコンベヤ等から離れる方向へ突出し、バトンBの第2端B’’はスタンド又はコンベヤ等の方向へ突出すると共にこれらと対向して示されている。更に、実施形態では、第1ロボットアーム12の連結先端12’はバトンBの第1端B’の近傍に配置されている。図12Bを参照して、第1ロボットアーム12の連結先端12’はバトンBの第1端B’に対して選択的に連結されて第1ロボットアーム12がバトンBに連結され、これによって未膨張タイヤホイールアセンブリTWをその後にスタンド又はコンベヤ等から離れて第2ロボットアーム12(例えば図12C参照)の方向へ搬送することができる。
【0096】
図12Cを参照して、第1ロボットアーム12は未膨張タイヤホイールアセンブリTWを移動させて、バトンBの第2端B’’を第2ロボットアーム12の連結先端12’近傍位置に配置させる。図12Dを参照して、第2ロボットアーム12の連結先端12’はバトンBの第2端B’’に対して選択的に連結される。図12Eを参照して、第2ロボットアーム12の連結先端12’がバトンBの第2端B’’に連結すると、第1ロボットアーム12の連結先端12’はバトンBの第1端B’から選択的に分離される。第1ロボットアーム12の連結先端12’がバトンBの第1端B’から選択的に分離されると、第2ロボットアーム12は未膨張タイヤホイールアセンブリTWを第3ロボットアーム12(例えば図12F参照)へ搬送できる。
【0097】
図12Fを参照して、第3ロボットアーム12は膨張装置38’に連結されて示されている。実施形態では、第3ロボットアーム12の連結先端12’は、係合アセンブリ100’の実質環状のリング状シール部102’を有する膨張部38’の軸方向中心に配置されている。実施形態では、係合アセンブリ100’は上述した係合アセンブリ100と実質的に同様に機能して、未膨張タイヤホイールアセンブリTWの膨張を許容する。
【0098】
実施形態では、第2ロボットアーム12は、第3ロボットアーム12の連結先端12’がバトンBの第1端B’と選択的に連結できるように、未膨張タイヤホイールアセンブリTWを第3ロボットアーム12へ搬送してもよい。実施形態では、第3ロボットアーム12の連結先端12’がバトンBの第1端B’と選択的に連結すると、第2ロボットアーム12の連結先端12’はバトンBの第2端B’’から選択的に分離されてもよい。第2ロボットアーム12の連結先端12’がバトンBの第2端B’’から分離されると、第3ロボットアーム12の連結先端12’の軸方向位置は、膨張部38’による未膨張タイヤホイールアセンブリTWの膨張前/中/後に操作される。
【0099】
未膨張タイヤホイールアセンブリTWが膨張すると、第3ロボットアーム12は膨張済タイヤホイールアセンブリTWを例えばスタンド又はコンベヤ等(図示せず)へ搬送し、第3ロボットアーム12の連結先端12’はバトンBの第1端B’から分離される。第3ロボットアーム12の連結先端12’がバトンBの第1端B’から分離されると、バトンBはホイールWから分離され、膨張済タイヤホイールアセンブリTWのバトンBへの取付が解除される。
【0100】
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、発明の範囲を変更することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。発明の範囲は上述した説明ではなく、添付の請求の範囲又はこれに相当するものに基づいて定義づけられるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成するための未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を処理する装置(10,10’)であって、
一対のロボットアーム(12)を構成する第1ロボットアーム(12a)及び第2ロボットアーム(12b)と、
前記第1ロボットアーム(12a)に取り付けられた組立エンドエフェクタ(10a)と、
前記第2ロボットアーム(12b)に取り付けられた膨張エンドエフェクタ(10b)と、を少なくとも備え、
前記組立エンドエフェクタ(10a)は前記未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を介して前記膨張エンドエフェクタ(10b)に対して間接的に接続可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記組立エンドエフェクタ(10a)はホイール(W)と係合する手段を提供し、
前記第1ロボットアーム(12a)に取り付けられた前記組立エンドエフェクタ(10a)は、前記ホイール(W)をタイヤ(T)の開口を通って移動させて、前記ホイール(W)を前記タイヤ(T)に取り付けて未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成する手段を提供し、
前記第2ロボットアーム(12b)に取り付けられた前記膨張エンドエフェクタ(10b)は、前記ホイール(W)と係合して、前記組立エンドエフェクタ(10a)が前記ホイール(W)から選択的に分離するのを許容する手段を提供し、
前記膨張エンドエフェクタ(10b)は、前記組立エンドエフェクタ(10a)が前記ホイール(W)から選択的に分離した後に前記未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を膨張させて前記膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成する手段を提供することを特徴とする請求項1に記載の装置(10,10’)。
【請求項3】
前記組立エンドエフェクタ(10a)は、拡張位置から収縮位置へ選択的に移動可能(D2)な少なくとも1のホイール係合部材(26)を有することで、前記少なくとも1のホイール係合部材(26)を前記ホイール(W)のビードシート(WB1)に対して少なくとも実質近傍又は隣接させて、前記少なくとも1のホイール係合部材(26)を、前記ホイール(W)と係合可能な姿勢に配置させるための手段を提供することを特徴とする請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1のホイール係合部材(26)は、ベース部(16)と、ブラケット(20)と、1又は複数のフランジ(22)と、少なくとも1のスライド部材(24)とを有する前記組立エンドエフェクタ(10a)の1又は複数の部材に接続され、前記少なくとも1のホイール係合部材(26)は前記少なくとも1のスライド部材(24)に接続され、前記少なくとも1のスライド部材(24)は前記1又は複数のフランジ(22)に接続され、前記1又は複数のフランジ(22)は前記ブラケット(20)に接続され、前記ブラケット(20)は前記ベース部(16)に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記膨張エンドエフェクタ(10b)は先端面(42)を有する支持部材(40,40’)を有し、
前記支持部材(40,40’)は、径方向に後退した折畳姿勢から径方向に拡張した拡張姿勢へ移動可能(D9)であって、前記支持部材(40,40’)の前記先端面(42)を前記ホイール(W)の内面(WS2―I)に選択的に係合させるための手段を提供することを特徴とする請求項2に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記支持部材(40,40’)は、押込部(44)及び作動棒(46)に接続され、前記作動棒(46)は前記押込部(44)の内腔の内側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記支持部材(40,40’)の前記径方向に後退した折畳姿勢から前記径方向に拡張した拡張姿勢への移動(D9)は、前記作動棒(46)の軸方向への移動(D10)に応答することを特徴とする請求項6に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記支持部材(40)は、
第1ヒンジアセンブリ(48a)と第2ヒンジアセンブリ(48b)と有する一対のヒンジアセンブリ(48)と、
前記一対のヒンジアセンブリに連結された搬送部材(50,50’)と、を有することを特徴とする請求項7に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)の各々は、
第1ヒンジアーム(54a)と第2ヒンジアーム(54b)とを有する一対のヒンジアーム(54)と、
前記一対のヒンジアーム(54)に接続された一対のヒンジアームブラケット(56)と、を有し、
前記一対のヒンジアームブラケット(56)は第1ヒンジアームブラケット(56a)と第2ヒンジアームブラケット(56b)とを有することを特徴とする請求項8に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記第1ヒンジアセンブリ(48a)及び前記第2ヒンジアセンブリ(48b)は、1又は複数のピン(58a〜58d)により前記押込部(44)の外面(52)に取り付けられ、前記スリーブ部材(50)は前記押込部(44)に形成された1又は複数のスロット(74a,74b)を介して延出する作動ピン(58e)によって前記作動棒(46)に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記作動ピン(58e)による前記スリーブ部材(50)と前記作動棒(46)との連結は、
前記作動棒(46)から前記作動ピン(58e)に加えられた軸方向の力を前記スリーブ部材(50)へ伝達することで、前記スリーブ部材(50)を軸方向に前記作動棒(46)と連携して移動させ、前記軸方向の力を前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に伝達させ、前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)によって前記支持部材(40)を前記径方向に拡張した拡張姿勢にさせるための手段を提供することを特徴とする請求項10に記載の装置(10)。
【請求項12】
前記支持部材(40’)の前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)の各々は、
一対の第1ヒンジアーム(54’)と、
前記一対の第1ヒンジアーム(54’)に接続された一対の第2ヒンジアーム(54’’)と、
第1端(50a’)及び第2端(50b)を有し、前記第1端(50a’)は前記一対の第1ヒンジアーム(54’)に接続され、前記第2端(50b’)は前記一対の第2ヒンジアーム(54’’)に接続された搬送部材(50)と、
前記一対の第1ヒンジアーム(54’)と前記一対の第2ヒンジアーム(54’’)とを接続すると共に前記搬送部材(50’)と前記第1及び第2ヒンジアーム(54’,54’’)の各対とを接続し、これらを貫通して延びるピン(58’)と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の装置(10)。
【請求項13】
前記搬送部材(50)は幹部(51’)を有し、前記第2端(50b’)は前記幹部(51’)に固定され、前記第1端(50a’)は前記幹部(51’)に対して相対的にスライド可能であることを特徴とする請求項12に記載の装置(10)。
【請求項14】
前記第1端(50a’)は、前記作動棒(46)に接続され、前記作動棒(46)からの軸方向の力を前記搬送部材(50’)の前記第1端(50a’)へ伝達し、前記搬送部材(50a’)の前記第1端(50a’)を前記幹部(51’)に対して相対的に前記作動棒(46)と連携して軸方向に移動させ、前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に前記軸方向の力を加え、前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に前記支持部材(40)の前記径方向に拡張した拡張姿勢を形成させる手段を提供することを特徴とする請求項13に記載の装置(10)。
【請求項15】
膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成するためのホイール(W)とタイヤ(T)とを有する未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を処理するための装置(10)の部品であって、前記装置(10)は、一対のロボットアーム(12)を構成する第1ロボットアーム(12a)及び第2ロボットアーム(12b)と、前記第1ロボットアーム(12a)に取り付けられた組立エンドエフェクタ(10a)と、前記第2ロボットアーム(12b)に取り付けられた膨張エンドエフェクタ(10b)と、を少なくとも備え、前記組立エンドエフェクタ(10a)は前記未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を介して前記膨張エンドエフェクタ(10b)に間接的に接続可能であり、
前記部品は、前記組立エンドエフェクタ(10a)と前記膨張エンドエフェクタ(10b)の少なくとも何れか一方に選択的に取り付けられた支持部材(40,40’)を備え、前記支持部材(40,40’)は先端面(42)を有し、
前記支持部材(40,40’)は、径方向に後退した折畳姿勢から径方向に拡張した拡張姿勢へ移動可能(D9)であり、これにより前記支持部材(40,40’)の前記先端面(42)を前記ホイール(W)の内面(WS2―I)に選択的に係合させる手段を提供することを特徴とする部品。
【請求項16】
前記支持部材(40,40’)は押込部(44)及び作動棒(46)に接続され、前記作動棒(46)は前記押込部(44)の内腔の内側に配置されていることを特徴とする請求項15に記載の装置(10)の部品。
【請求項17】
前記支持部材(40,40’)の前記径方向に後退した折畳姿勢から前記径方向に拡張した拡張姿勢への移動(D9)は、前記作動棒(46)の軸方向への移動(D10)に対応することを特徴とする請求項16に記載の装置(10)の部品。
【請求項18】
前記支持部材(40)は、
第1ヒンジアセンブリ(48a)と第2ヒンジアセンブリ(48b)とを有する一対のヒンジアセンブリ(48)と、
前記一対のヒンジアセンブリに連結された搬送部材(50,50’)と、を有することを特徴とする請求項17に記載の装置(10)の部品。
【請求項19】
第1ヒンジアセンブリ(48a)と第2ヒンジアセンブリ(48b)の各々は、
第1ヒンジアーム(54a)と第2ヒンジアーム(54b)とを有する一対のヒンジアーム(54)と、
前記一対のヒンジアーム(54)に接続された一対のヒンジアームブラケット(56)と、を有し、
前記一対のヒンジアームブラケット(56)は第1ヒンジアームブラケット(56a)と第2ヒンジアームブラケット(56b)とを有することを特徴とする請求項18に記載の装置(10)の部品。
【請求項20】
前記第1ヒンジアセンブリ(48a)及び前記第2ヒンジアセンブリ(48b)は、1又は複数のピン(58a〜58d)により前記押込部(44)の外面(52)に取り付けられ、前記スリーブ部材(50)は前記押込部(44)に形成された1又は複数のスロット(74a,74b)を通って延びる作動ピン(58e)によって前記作動棒(46)に取り付けられることを特徴とする請求項19に記載の装置(10)の部品。
【請求項21】
前記作動ピン(58e)による前記スリーブ部材(50)と前記作動棒(46)との連結は、前記作動棒(46)から前記作動ピン(58e)に加えられた軸方向の力を前記スリーブ部材(50)へ伝達し、前記スリーブ部材(50)を前記作動棒(46)と連携して軸方向に移動させ、前記軸方向の力を前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に伝達させて、前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に前記支持部材(40)を前記径方向に拡張した拡張姿勢にさせる手段を提供することを特徴とする請求項20に記載の装置(10)の部品。
【請求項22】
前記支持部材(40’)の前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)の各々は、
一対の第1ヒンジアーム(54’)と、
前記一対の第1ヒンジアーム(54’)に接続された一対の第2ヒンジアーム(54’’)と、
第1端(50a’)及び第2端(50b)を有し、前記第1端(50a’)は前記一対の第1ヒンジアーム(54’)に接続され、前記第2端(50b’)は前記一対の第2ヒンジアーム(54’’)に接続された搬送部材(50)と、
前記一対の第1ヒンジアーム(54’)と前記一対の第2ヒンジアーム(54’’)とを接続すると共に、前記搬送部材(50a)と前記第1及び第2ヒンジアーム(54’,54’’)の各対とを接続し、これらを貫通して延びるピン(58’)と、を有することを特徴とする請求項18に記載の装置(10)の部品。
【請求項23】
前記搬送部材(50)は幹部(51’)を有し、前記第2端(50b’)は前記幹部(51’)に固定され、前記第1端(50a’)は前記幹部(51’)に対して相対的にスライド可能であることを特徴とする請求項22に記載の装置(10)の部品。
【請求項24】
前記第1端(50a’)は、前記作動棒(46)に接続され、前記作動棒(46)からの軸方向の力を前記搬送部材(50’)の前記第1端(50a’)へ伝達し、前記搬送部材(50a’)の前記第1端(50a’)を前記幹部(51’)に対して相対的に前記作動棒(46)と連携して軸方向に移動させ、前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に前記軸方向の力を加え、前記第1ヒンジアセンブリ(48a)と前記第2ヒンジアセンブリ(48b)に前記支持部材(40)の前記径方向に拡張した拡張姿勢を形成させる手段を提供することを特徴とする請求項23に記載の装置(10)の部品。
【請求項25】
膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成するためのホイール(W)とタイヤ(T)とを有する未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)の処理に用いられる部品であって、
前記ホイール(W)に固定されたバトン(B)を形成する支持部材(40’’)を備え、前記バトン(B)は前記ホイール(W)によって形成された経路(W)を通って延び、前記バトン(B)は第1端(B’)と第2端(B’’)と有し、前記第1端(B’)は前記ホイール(W)のハブ(W)から軸方向に離れる方向に延出し、前記第1端(B’)は前記ホイール(W)の第1側(WS1)近傍に位置し、前記第2端(B’’)は前記ホイール(W)の前記ハブ(W)から軸方向に離れる方向に延出し、前記第2端(B’’)は前記ホイール(W)の第2側(WS2)近傍に位置することを特徴とする部品。
【請求項26】
前記バトン(B)はシステムと共に用いられ、
前記システムは、少なくとも第1ロボットアーム(12)と第2ロボットアーム(12)とを有し、
前記第1及び第2ロボットアーム(12,12)の各々は、接続端面(12’)を有し、前記第1ロボットアーム(12)の前記接続端面(12’)は、前記バトン(B)の前記第1端(B’)と前記第2端(B’’)の一方と接続可能であり、前記第2ロボットアーム(12)の前記接続端面(12’)は、前記バトン(B)の前記第1端(B’)と前記第2端(B’’)の他方と接続可能であることを特徴とする請求項25に記載の装置(10’)の部品。
【請求項27】
前記バトン(B)は、膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成するための前記ホイール(W)と前記タイヤ(T)とを有する前記未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)の処理において前記ホイール(W)と(T)の1又は複数を移動させるために、前記第1ロボットアーム(12)と前記第2ロボットアーム(12)の1又は複数が前記ホイール(W)と間接的に係合するのを許容する手段を提供することを特徴とする請求項26に記載の装置(10’)の部品。
【請求項28】
膨張済タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成するためのホイール(W)とタイヤ(T)とを有する未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を処理するための装置(10)の部品であって、前記装置(10)はロボットアーム(12a)と前記ロボットアーム(12a)に取り付けられた組立エンドエフェクタ(10a)とを少なくとも備え、
前記部品は前記組立エンドエフェクタ(10a)に接続されたアセンブリを備え、
前記組立エンドエフェクタ(10a)に接続された前記アセンブリは、前記ホイール(W)と係合する手段を提供し、
前記第1ロボットアーム(12a)に取り付けられた前記組立エンドエフェクタ(10a)は、前記ホイール(W)を前記タイヤ(T)の開口を通って移動させて、前記ホイール(W)を前記タイヤ(T)に取り付けて、前記未膨張タイヤホイールアセンブリ(TW)を形成する手段を提供し、
前記アセンブリは、拡張位置から収縮位置へ選択的に移動可能(D2)な少なくとも1のホイール係合部材(26)を有し、前記少なくとも1のホイール係合部材(26)を前記ホイール(W)と係合可能にさせるために前記少なくとも1のホイール係合部材(26)を前記ホイール(W)のビードシート(WB1)に少なくとも実質近傍位置に又は隣接させて配置させる手段を提供することを特徴とする部品。
【請求項29】
前記アセンブリは更に、ベース部(16)と、ブラケット(20)と、1又は複数のフランジ(22)と、少なくとも1のスライド部材(24)とを備え、前記少なくとも1のホイール係合部材(26)は前記少なくとも1のスライド部材(24)に接続され、前記少なくとも1のスライド部材(24)は前記1又は複数のフランジ(22)に接続され、前記1又は複数のフランジ(22)は前記ブラケット(20)に接続され、前記ブラケット(20)は前記ベース部(16)に接続されていることを特徴とする請求項28に記載の装置(10)の部品。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【公表番号】特表2013−513517(P2013−513517A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543219(P2012−543219)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/059356
【国際公開番号】WO2011/071963
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(507241012)アンドロイド インダストリーズ エルエルシー (10)