説明

タイヤ内圧管理システム

【課題】タイヤの内圧低下による異常を早期に発見して、タイヤやリムに受ける損傷を最小限に抑制し、タイヤやリムの寿命を延ばすことが可能なタイヤ内圧管理システムを提供する。
【解決手段】本発明は、車両に装着されたタイヤの内圧を少なくとも測定する検知装置110と、検知装置110により出力されるタイヤの内圧値を少なくとも含むタイヤ情報を管理するタイヤ情報管理センター300とを備え、タイヤ情報管理センター300が、検知装置110により測定されたタイヤ情報を受信する通信部310と、通信部310で受信したタイヤ情報を記憶するデータ記憶部330と、内圧値が許容範囲内である場合に、データ記憶部330に記憶されるタイヤ情報である過去情報と、通信部310により受信された現在のタイヤ情報である現在情報とを比較して、内圧値が正常であるか否かを判定するCPU340とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ内圧管理システムに関し、特に、車両に装着されたタイヤの内圧を少なくとも測定する検知装置と、該検知装置により出力されるタイヤの内圧値を少なくとも含むタイヤ情報を管理する管理装置とを備えるタイヤ内圧管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高価なトラックなどの大型車両を複数扱う利用者(例えば、複数のトラックを使用して運送業を行う運送業者)は、タイヤの内圧や、タイヤの内部の空気温度であるタイヤ内部温度、タイヤ自体の温度であるタイヤ温度などのタイヤの状態の低下による燃費の消費をできるだけ軽減することを考慮して、車両ごとにタイヤの状態を頻繁に点検をしている。
【0003】
つまり、近年では、遠距離からタイヤの状態を把握しやすくするために、大型車両に装着されるタイヤに、タイヤの状態を測定する検知装置が取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特に、タイヤの内圧は、検知装置により測定された内圧値そのものや、検知装置により測定された内圧値がタイヤ内部温度やタイヤ温度で補正されることにより求められる内圧測定値、該内圧値と該内圧測定値との変化の度合い、などによって管理されている。
【特許文献1】特開2000−204872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、検知装置が測定した時点での内圧値をもとにタイヤの内圧が管理されているため、測定された後の数日間、エア洩れによりタイヤやリムの不具合が発生したことに気づきずらいという問題があった。
【0006】
つまり、従来の技術では、エア洩れによりタイヤやリムの不具合が発生した時点で検知装置により測定した際に、該検知装置が測定した内圧値が許容範囲内であると、数日間、タイヤやリムに不具合が発生ことに気づかないことがあり、タイヤやリムの損傷を悪化させてしまうことがあった。
【0007】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タイヤの内圧低下による異常を早期に発見して、タイヤやリムに受ける損傷を最小限に抑制し、タイヤやリムの寿命を延ばすことが可能なタイヤ内圧管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、第1の特徴に係る発明は、車両に装着されたタイヤの内圧を少なくとも測定する検知装置と、検知装置により出力されるタイヤの内圧値を少なくとも含むタイヤ情報を管理する管理装置とを備え、管理装置が、検知装置により測定されたタイヤ情報を受信する通信部と、通信部で受信したタイヤ情報を記憶する記憶部と、内圧値が許容範囲内である場合に、記憶部に記憶されるタイヤ情報である過去情報と、通信部により受信された現在のタイヤ情報である現在情報とを比較して、内圧値が正常であるか否かを判定する処理部とを備えることを要旨とする。
【0009】
かかる特徴によれば、過去情報と現在情報とを比較することによって、内圧値が許容範囲内に、内圧値が正常であるか否かを高精度に評価することができるため、タイヤの内圧低下による異常を早期に発見することができる。この結果、タイヤやリムに受ける損傷を最小限に抑制し、タイヤやリムの寿命を延ばすことが可能となる。
【0010】
その他の特徴に係る発明は、タイヤ情報が、タイヤ内部の温度であるタイヤ内部温度、又は、タイヤ自体の温度であるタイヤ温度からなる温度値を含むことを要旨とする。
【0011】
その他の特徴に係る発明は、過去情報が、過去の内圧値と、少なくとも温度値を用いて、過去の内圧値が補正された過去のタイヤ使用時内圧値とを含むことを要旨とする。
【0012】
その他の特徴に係る発明は、過去情報が、過去のタイヤ使用時内圧値と、タイヤ使用時における適正な内圧値である過去のタイヤ設定目標内圧値とが比較された過去適正結果をさらに含むことを要旨とする。
【0013】
その他の特徴に係る発明は、現在情報が、現在の内圧値と、少なくとも温度値を用いて、現在の内圧値が補正された現在のタイヤ使用時内圧値とを含むことを要旨とする。
【0014】
その他の特徴に係る発明は、現在情報が、現在のタイヤ使用時内圧値と、タイヤ使用時における適正な内圧値である現在のタイヤ設定目標内圧値とが比較された現在適正結果をさらに含むことを要旨とする。
【0015】
その他の特徴に係る発明は、処理部が、記憶部に記憶される一定期間の過去情報から算出される過去適正結果と、通信部により受信された現在情報から算出される現在適正結果とを比較することを要旨とする。
【0016】
その他の特徴に係る発明は、処理部が、内圧値に異常が発生したと判断した場合に、通信部を介してタイヤ情報の送信元である車両に対して、タイヤ又はリムの異常情報を送信することを要旨とする。
【0017】
その他の特徴に係る発明は、記憶部が、少なくとも2日間分のタイヤ情報の履歴を蓄積することを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タイヤの内圧低下による異常を早期に発見して、タイヤやリムに受ける損傷を最小限に抑制し、タイヤやリムの寿命を延ばすことが可能なタイヤ内圧管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明に係るタイヤ内圧管理システムの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
(タイヤ内圧管理システムの構成)
まず、本実施の形態におけるタイヤ内圧管理システムの概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態におけるタイヤ内圧管理システムの概略構成を示す図である。
【0021】
図1に示すように、タイヤ内圧管理システム1は、複数の車両100(トラックなどの大型車両)と、ショベルカー200と、タイヤ情報管理センター300(管理装置)と、整備工場400とによって大略構成されている。
【0022】
車両100は、採鉱現場A,B,…における鉱物資源を該当する目的地まで運搬する。ショベルカー200は、鉱物資源を車両100に積載する。
【0023】
タイヤ情報管理センター300は、複数の車両100のそれぞれに装着された検知装置110により出力される内圧値を少なくとも含むタイヤ情報を無線により受信する。
【0024】
このタイヤ情報管理センター300は、後述で詳細に説明するように、複数の車両100のそれぞれに装着された検知装置110により出力される内圧値を少なくとも含むタイヤ情報を車両100毎に管理している。
【0025】
例えば、タイヤ情報管理センター300は、タイヤ情報の送信元の車両100のタイヤ又はリムに異常が発生した場合に、異常が発生したことを知らせる異常情報や、整備工場400においてタイヤの点検を行うように指示するため情報などの各種情報(図1に示す情報1)を該車両100対して送信したり、車両100が現在位置から目的地まで向うための複数の走行経路(図1に示す走行経路1,走行経路2)のうちの最もタイヤに負担が掛からない走行経路(図1に示す情報2)を知らせる情報などを送信したりする。
【0026】
整備工場400は、車両100又はその車両100に装着されたタイヤの点検などを行う工場である。この整備工場400は、車両100又はタイヤの点検日時等を管理する整備工場内管理センター410を備えている。
【0027】
次に、本実施の形態におけるタイヤ内圧管理システム1の内部構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態におけるタイヤ内圧管理システム1の内部構成を示す図である。
【0028】
図2に示すように、車両100は、タイヤ又はタイヤが組み付けられているリムRに固定される検知装置110と、車両100に固定される通信装置120とを備えている。
【0029】
検知装置110は、タイヤの内圧や、タイヤの内部の空気温度であるタイヤ内部温度、タイヤ自体の温度であるタイヤ温度などのタイヤの状態を測定する。この検知装置110は、通信装置120から受信した信号を電力として用いることにより、測定したタイヤの状態をタイヤ情報として通信装置120に送信する。
【0030】
通信装置120は、検知装置110から送信されて受信したタイヤ情報をタイヤ情報管理センター300に送信する。また、通信装置120は、タイヤ情報管理センター300又は整備工場管理センター410からの各種情報を受信する。なお、通信装置120は、タイヤ情報等の各種情報を記憶・蓄積する記憶部を備えていても勿論よい。
【0031】
ここで、タイヤ情報には、タイヤの内圧の値である内圧値や、タイヤ内部温度又はタイヤ温度からなる温度値のみならず、車両100を個々に識別するための固有の情報である車両識別情報(例えば、車両ID、シリアル番号)、タイヤを個々に識別するための固有の情報であるタイヤ識別情報(例えば、名称・サイズや製造年月日、タイヤID、シリアル番号、ロッド番号)、タイヤが装着されている位置の情報であるタイヤ位置情報(例えば、右前輪、左前輪)などが含まれる。
【0032】
タイヤ情報管理センター300は、通信部310と、表示部320と、データ記憶部330(記憶部)と、CPU340(処理部)とを備えている。
【0033】
通信部310は、タイヤ情報管理センター300と整備工場400との間、タイヤ情報管理センター300と車両100との間で通信接続を実行し、タイヤ情報等の各種情報を送受信する。
【0034】
例えば、通信部310は、複数の車両100とタイヤ情報管理センター300との間で通信接続を実行し、検知装置110により出力されたタイヤ情報を無線により受信する。また、通信部310は、CPU340が内圧値に異常が発生したと判断した場合に、タイヤ情報の送信元である車両100(通信装置120)に対して、タイヤ又はリムの異常情報を送信する。
【0035】
表示部320は、CPU340による適正結果や、データ記憶部330により記憶された情報を表示する。データ記憶部330は、通信部310により受信されたタイヤ情報などを記憶・蓄積する。このデータ記憶部330は、少なくとも2日間分のタイヤ情報の履歴を蓄積している。
【0036】
CPU340は、(1)現在の内圧値が許容範囲内であるか否かを判定する「通常評価方法」と、(2)現在の内圧値が過去の内圧値と比較して正常であるか否かを判定する「比較評価方法」とを行う。
【0037】
(1)通常評価方法
まず、通信部310で受信した現在のタイヤ情報のうちの現在の内圧値が許容範囲内であるか否かを判定する通常評価方法について、説明する。なお、通常評価方法において、現在の内圧値は、単に内圧値(IP)と示す。
【0038】
CPU340は、タイヤ情報に含まれる現在の内圧値をそのまま用いて、タイヤ使用時における適正な内圧値である「タイヤ設定目標内圧値(IP2)」と比較することで、内圧値(IP)、すなわち、内圧値(IP)が適正であるか否かを評価してもよい。
【0039】
また、CPU340は、下記(1)及び下記(2)に示すように、タイヤ情報に含まれる内圧値を換算することで、内圧値(IP)、すなわち、現在の内圧値(IP)が適正であるか否かを評価してもよい。
【0040】
(A) タイヤを冷却するための液体がタイヤ内部に封入されている場合
CPU340は、通信部310により受信されたタイヤ情報に含まれる「内圧値(IP)」、「温度値(TI)」及び「鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)」に基づいて、以下の式1により、該内圧値(IP)をタイヤ使用時における内圧値である「タイヤ使用時内圧値(IP1)」に換算(補正)する。
【0041】
また、CPU340は、以下の式1乃至式3により、タイヤ使用時における適正な内圧値である「タイヤ設定目標内圧値(IP2)」と、タイヤ使用時内圧値(IP1)との比較において、内圧値IPが適正であるか否か判断し、適正結果(現在適正結果)を算出する。すなわち、CPU340は、温度値(TI)や鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)に対する内圧値(IP)が適正であるか否かを判断する。
【0042】
例えば、CPU340は、タイヤ使用時内圧値(IP1)とタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分が許容範囲内であれば、内圧値IPが適正であると判断する。なお、鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)は、タイヤに備えられた検知装置110、又はタイヤ情報管理センター300に備えられたセンサ(図示せず)等により測定されるものとする。
【数1】

【0043】
但し、IPAは、TRA等が推奨するタイヤの推奨内圧値である。
【0044】
上記のように、タイヤを冷却するための液体がタイヤ内部に充填されている場合には、該液体が気化することによりタイヤの内圧値が変化し易くなる。このため、上述したように、CPU340は、内圧値(IP)、温度値(TI)及び鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)を用いて、通信部310により受信したタイヤ情報に含まれる内圧値(IP)をタイヤ使用時内圧値(IP1)に変換する。そして、CPU340は、上記式1乃至式3を用いて、タイヤ使用時内圧値(IP1)とタイヤ設定目標内圧値(IP2)とを比較することで、内圧値(IP)、すなわち、現在の内圧値(IP)が適正であるか否か(現在適正結果)を高精度に評価することができる。
【0045】
(B) タイヤを冷却するための液体がタイヤ内部に封入されていない場合
CPU340は、通信部310により受信されたタイヤ情報に含まれる「内圧値(IP)」、「温度値(TI)」及び「鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)」に基づいて、以下の式4により、該内圧値(IP)を「タイヤ使用時内圧値(IP1)」に換算(補正)する。
【0046】
また、CPU340は、以下の式4乃至式6により、タイヤ使用時内圧値(IP1)とタイヤ設定目標内圧値(IP2)との比較において、内圧値IPが適正であるか否か判断し、適正結果(現在適正結果)を算出する。すなわち、CPU340は、温度値(TI)や鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)に対する内圧値(IP)が適正であるか否かを判断する。
【0047】
例えば、CPU340は、タイヤ使用時内圧値(IP1)とタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分が許容範囲内であれば、内圧値IPが適正であると判断する。
【数2】

【0048】
なお、検知装置が備えられている場所などにより測定値は真の値とずれることがあるため、タイヤ情報に含まれる温度値TIなどは、入力操作により補正されてもよいし、特定の式により補正されてもよい。
【0049】
上記のように、タイヤを冷却するための液体がタイヤ内部に封入されていない時の内圧値は、該液体の気化の関係により液体が封入されている時の内圧値とは異なってくる。このため、上述したように、CPU340は、内圧値(IP)、温度値(TI)及び鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)を用いて、通信部310により受信したタイヤ情報に含まれる内圧値(IP)をタイヤ使用時内圧値(IP1)に変換する。そして、CPU340は、上記式4乃至式6を用いて、タイヤ使用時内圧値(IP1)とタイヤ設定目標内圧値(IP2)とを比較することで、内圧値(IP))、すなわち、現在の内圧値(IP)が適正であるか否か(現在の適正結果)を高精度に評価することができる。
【0050】
(2)比較評価方法
次に、現在の内圧値が過去の内圧値と比較して正常であるか否かを判定する比較評価方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態におけるタイヤ情報を示す構成図であり、図4は、本実施の形態における比較評価方法の一例を示すグラフである。
【0051】
CPU340は、上述した通常評価方法(1)にて現在の内圧値(IP)が許容範囲内である場合に、データ記憶部330に記憶される過去のタイヤ情報である過去情報と、通信部310により受信された現在のタイヤ情報である現在情報とを比較して、現在の内圧値(IP)が正常であるか(変化したか)否かを評価する。
【0052】
このタイヤ情報には、図3に示すように、過去に測定されてデータ記憶部330に記憶されているタイヤ情報である過去情報と、通信部310により受信された現在のタイヤ情報である現在情報とが含まれている。すなわち、現在情報よりも前のタイヤ情報は、全て過去情報となる。
【0053】
そして、過去情報には、過去の内圧値(IP)と、過去のタイヤ使用時内圧値(IP1)と、過去適正結果とが含まれている。
【0054】
過去の内圧値(IP)とは、データ記憶部330に記憶される内圧値(IP)そのものである。過去のタイヤ使用時内圧値(IP1)とは、過去の内圧値(IP)、過去の温度値(TI)及び過去の鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)を用いて、過去の内圧値(IP)が補正されたものである。過去適正結果とは、過去のタイヤ使用時内圧値(IP1)と過去のタイヤ設定目標内圧値(IP2)とが比較されて評価された結果である。なお、これら過去情報に含まれる各種情報は、上述した通常評価方法(1)と同様の方法により測定される。
【0055】
一方、現在情報には、現在の内圧値(IP)と、現在のタイヤ使用時内圧値(IP1)と、現在適正結果とが含まれている。
【0056】
現在の内圧値(IP)とは、通信部310により受信された現在の内圧値(IP)そのものである。現在のタイヤ使用時内圧値(IP1)とは、現在の内圧値(IP)、現在の温度値(TI)及び現在の鉱山の1ヶ月の平均温度(TA)を用いて、現在の内圧値(IP)が補正されたものである。現在適正結果とは、現在のタイヤ使用時内圧値(IP1)と現在のタイヤ設定目標内圧値(IP2)とが比較されて評価された結果である。なお、現在情報に含まれる各種情報は、上述した通常評価方法(1)と同様の方法により測定される。
【0057】
具体的には、CPU340は、データ記憶部330に記憶される一定期間(例えば、1ヶ月)の過去情報における過去適正結果と、通信部310により受信された現在のタイヤ情報における現在適正結果とを比較する。
【0058】
例えば、図4(a)に示すように、現在のタイヤ使用時内圧値(IP1)と現在のタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分Aが、過去のタイヤ使用時内圧値(IP1)と過去のタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分Bよりも小さいと、現在の内圧値(IP)が適正であると判断する。
【0059】
一方、図4(b)に示すように、現在のタイヤ使用時内圧値(IP1)と現在のタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分Aが、過去のタイヤ使用時内圧値(IP1)と過去のタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分Bよりも大きいと、現在の内圧値(IP)が適正でないと判断する。
【0060】
ここで、CPU340は、過去適正結果と現在適正結果との比較や、現在のタイヤ使用時内圧値(IP1)と現在のタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分Aと、過去のタイヤ使用時内圧値(IP1)と過去のタイヤ設定目標内圧値(IP2)との差分Bとの比較のみならず、他の過去情報と他の現在情報とを比較(例えば、過去の内圧値(IP)と現在の内圧値(IP)とのみを比較)して、現在の内圧値(IP)が正常であるか(変化したか)否かを測定することもできる。
【0061】
なお、データ記憶部330に記憶される一定期間の過去情報は、少なくとも2日間分あれば、CPU340は、過去情報と現在情報とを比較して、現在の内圧値(IP)が正常であるか否かを測定することができる。
【0062】
このように、CPU340は、上述した通常評価方法(1)に加えて、比較評価方法(2)を行うことによって、通常評価方法(1)により現在の内圧値(IP)が許容範囲内である場合であっても、さらに、過去情報と現在情報とを比較して、現在の内圧値(IP)が正常であるか否かを高精度に評価することができるため、タイヤの内圧低下による異常を早期に発見することが可能となる。
【0063】
(タイヤ内圧管理システムの動作)
次に、本実施の形態に係るタイヤ内圧管理システム1の動作について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態に係るタイヤ内圧管理システムの動作を示す図であり、図6は、本実施の形態に係るタイヤ情報の内容を示す図である。
【0064】
図5に示すように、S101において、車両100に装着される検知装置110は、タイヤの内圧やタイヤ内部温度、タイヤ温度などのタイヤの状態を測定する。そして、検知装置110は、測定したタイヤの状態を、図6に示すようなタイヤ情報として通信装置120に送信する。
【0065】
S103において、車両に装着される通信装置120は、検知装置110から送信されて受信したタイヤ情報(図6参照)をタイヤ情報管理センター300に送信する。このとき、通信装置120は、タイヤ情報等の各種情報を記憶部に記憶・蓄積してもよい。
【0066】
S105において、タイヤ情報管理センター300に設けられるCPU340は、通常評価方法(1)によって、通信部310を介して受信したタイヤ情報における現在の内圧値が許容範囲内であるか否かを評価する。
【0067】
S107において、タイヤ情報管理センター300に設けられるデータ記憶部330は、S105で評価された結果(現在適正結果)を記憶・蓄積する。このとき、タイヤ情報管理センター300に設けられる表示部320は、S105で評価された結果等のタイヤ情報を表示することができる。なお、表示部320は、データ記憶部330に記憶される過去情報等を表示することも勿論可能である。
【0068】
S109において、タイヤ情報管理センター300に設けられるCPU340は、S105の評価によって、現在の内圧値が許容範囲内である場合(異常なし)には、S111の処理に移り、現在の内圧値が許容範囲内でない場合(異常有り;図6に示す斜線部を参照)には、S117の処理に移る。
【0069】
S111において、タイヤ情報管理センター300に設けられるCPU340は、比較評価方法(2)によって、通信部310を介して受信したタイヤ情報における現在の内圧が正常であるか否かを評価する。
【0070】
S113において、タイヤ情報管理センター300に設けられるデータ記憶部330は、S111で評価された結果(現在適正結果)を記憶・蓄積する。このとき、タイヤ情報管理センター300に設けられる表示部320は、S111で評価された結果等のタイヤ情報を表示することができる。なお、表示部320は、データ記憶部330に記憶される過去情報等を表示することも勿論可能である。
【0071】
S115において、タイヤ情報管理センター300に設けられるCPU340は、S111の評価によって、現在の内圧値が過去情報と比較して正常である場合(異常なし)には、本処理を終了し、現在の内圧値が過去情報と比較して正常でない場合(異常有り;図6に示す斜線部を参照)には、S117の処理に移る。
【0072】
S117において、タイヤ情報管理センター300に設けられるCPU340は、通信部310を介してタイヤ情報の送信元の車両100に対して、タイヤ又はリムの異常情報を送信する。この車両100は、受信した異常情報などの評価結果を音により出力したり、画像により表示させたりすることによって、タイヤ又はリムの異常を確認することができる。
【0073】
なお、タイヤ内圧管理システム1では、データ記憶部330は、S107をS105の後、及び、S113をS111の後に現在の適正結果を記憶するものして説明したが、必ずしもこの順番で行う必要はなく、例えば、S107とS113とをまとめて行ってもよい。この場合、データ記憶部330は、S117においてCPU340が車両100に対して異常情報を送信した後に、該異動情報等を含めて全ての各種情報を記憶してもよい。
【0074】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係るタイヤ内圧管理システム1によれば、通常評価方法(1)に加えて、比較評価方法(2)を行うことによって、通常評価方法(1)により現在の内圧値(IP)が許容範囲内であっても、さらに、過去情報と現在情報とを比較して、現在の内圧値(IP)が正常であるか否かを高精度に評価することができるため、タイヤの内圧低下による異常を早期に発見することができる。この結果、タイヤやリムに受ける損傷を最小限に抑制し、タイヤやリムの寿命を延ばすことが可能となる。
【0075】
現在の内圧値は、タイヤの内圧が増加又は減少しなくても、温度値(タイヤ内部温度やタイヤ温度等)により変化する。また、タイヤの性能(例えば、摩耗や燃費)は、内圧が一定に保たれた状態で使用されると最大限発揮することができる。
【0076】
例えば、車両100(左前輪)に装着されたタイヤの現在の温度値20度を用い、タイヤ設定目標内圧値が100psiである際に、通常評価方法(1)のみを行った場合と、通常評価方法(1)に加えて比較評価方法(2)を行った場合とを比較した。
【0077】
通常評価方法(1)のみを行った場合、図7(a)に示すように、3週間後に現在の内圧値が下がっているが、該現在の内圧値が許容範囲内であるため、タイヤ設定目標内圧値までタイヤの内圧を戻してタイヤを使用した。その後も、現在の内圧値が許容範囲内であるため、2.5週、2.0週、1.5週の3度、タイヤ設定目標内圧値までタイヤの内圧を戻してタイヤを使用し続けた。
【0078】
しかし、その1週間後に、現在の内圧値が下がり、現在の内圧値が低下する期間が短くなっていたため、タイヤを点検したら、タイヤ表面から内面にかけて当初は微少なカット傷であったと思われる傷が修理できない程度まで進行していた。このため、タイヤは、トレッド部が完全に摩耗するまでに約50mm残っており、完全に摩耗するまで使用できなくなっていた。
【0079】
一方、通常評価方法(1)に加えて比較評価方法(2)を行った場合、図7(b)に示すように、現在の内圧値が許容範囲内であったが、比較評価方法(2)により現在の内圧値(IP)が正常でないと評価されたため、タイヤを点検したら、微少なカット傷があった。このカット傷を修理した後、タイヤの内圧(現在の内圧値)は下がることなく、該タイヤは、トレッド部が完全に摩耗するまで使用することができた。
【0080】
なお、このような実験を数回行った結果、同一の検知装置110で内圧値(IP)が測定された場合の誤差は、最大±1psi程度であり、タイヤやリムRの異常によるタイヤの内圧低下は、少なくても1psiであることが分かった。
【0081】
このように、通常評価方法(1)に加えて、比較評価方法(2)を行うことによって、通常評価方法(1)により現在の内圧値(IP)が許容範囲内である場合であっても、さらに、過去情報と現在情報とを比較して、現在の内圧値(IP)が正常であるか否かを評価することで、タイヤの内圧低下による異常を早期に発見することができる。
【0082】
つまり、車両100の運転手が、タイヤの点検を促す情報を見ることにより、現在運転している車両100を採鉱現場から整備工場400に移動させた場合には、タイヤ内圧管理システム1は、故障の発生の可能性の高いタイヤを装着した車両100(以下、発生可能性高タイヤ装着車両)を従来よりも減らす一方で、故障の発生の可能性の低いタイヤを装着した車両100(以下、発生可能性低タイヤ装着車両)を従来よりも増やすことができ、全体としての運搬効率を高めることができる。
【0083】
また、上記発生可能性高タイヤ装着車両が整備工場400に移動することにより、採鉱現場において該発生可能性高タイヤ装着車両が減る分、上記発生可能性低タイヤ装着車両の積載の待ち時間が短くなるため、該発生可能性低タイヤ装着車両は、所定時間内における砕石の運搬効率を高めることができる。
【0084】
また、車両100の運転手が異常情報を見ることにより、現在の速度を減少させることができるため、その車両100は、車両100の速度が減少した分、タイヤに大きな負担を掛けないようにすることができ、積載された砕石を目的地まで適切に運搬することができる。
【0085】
(変更例)
車両100は、車両100の現在位置及び目的地を所定時間毎にタイヤ情報管理センター300に送信する位置特定部(図示せず)を備えてもよい。この位置特定部は、GPSなどが挙げられる。
【0086】
タイヤ情報管理センター300は、通常評価方法(1)及び比較評価方法(2)によって、現在の内圧値が正常でない判定した場合には、タイヤ情報の送信元の車両100が現在位置から目的地へ向うための複数の走行経路の中から、タイヤに大きな負担が掛かり難い走行経路(例えば、目的地までの距離が短い走行経路、目的地までの路面状態が良い走行経路、タイヤの温度上昇を抑止する走行経路)を選択したり、又はタイヤの内圧調整を実施させるための情報を選択し、タイヤ情報の送信元の車両100に対して選択後の走行経路や、タイヤの内圧調整を実施させるための情報を異常情報と一緒に送信してもよい。
【0087】
例えば、タイヤ情報管理センター300は、通常評価方法(1)によって評価された現在評価結果(現在の内圧値)が許容範囲から外れるにつれて、車両100の現在位置と目的地との間の距離が短くなる走行経路を予め複数記憶している。このタイヤ情報管理センター300は、現在の内圧値が許容範囲内でない場合には、複数の走行経路の中から、現在の内圧値が許容範囲から外れている度合に応じた走行経路を選択し、タイヤ情報の送信元の車両100に対してその走行経路を含む情報を送信する。
【0088】
この結果、車両100がより短い走行経路などを移動することにより、タイヤの温度上昇が抑止され、タイヤに大きな負担が掛かり難いため、その車両100は積載された砕石を目的地まで適切に運搬することができる。
【0089】
なお、許容範囲は、タイヤ又はリムRが故障する可能性の高い特定許容値を含んでもよい。タイヤ情報管理センター300は、現在の内圧値が特定許容値に達した場合には、タイヤ情報の送信元の車両100が現在位置から目的地へ向うための複数の走行経路の中から、タイヤに大きな負担が掛かり難い走行経路を選択し、タイヤ情報の送信元の車両100に対して、選択した走行経路を示す走行経路情報を送信してもよい。なお、特定許容値は、実験又はシミュレーションなどにより決定される値である。
【0090】
ここで、本変更例に係るタイヤ情報管理センター300が車両100に対して走行経路情報を送信する一例について説明する。
【0091】
車両100が現在位置から目的地へ向かうための複数の走行経路には、走行経路1と、走行経路1よりもタイヤに大きな負荷が掛り難い走行経路2とが含まれていることを前提とする(図1参照)。また、許容範囲の最大値は85℃であり、特定許容値は80℃であることを前提とする。
【0092】
もし、タイヤ情報管理センター300は、車両100が走行経路1経由で移動しているときに、車両100から受信した現在の内圧値が許容範囲の最大値85℃に到達した場合には、タイヤ情報の送信元の車両100のタイヤの負担を軽減するために、走行経路1よりもタイヤに大きな負担が掛り難い走行経路2を示す走行経路情報を送信することがある。
【0093】
この場合には、車両100の運転手は、受信された走行経路情報を参照することにより、現在の走行経路1を走行経路2に変更し、タイヤの負担をさらに軽減するために現在の走行速度(ここでは60km/h)よりも遅い走行速度(ここでは30km/h)で運転することができ、タイヤの故障を未然に防ぐことができる。
【0094】
しかしながら、走行経路2では、上記車両100に続く後続車も、車両100の走行速度(ここでは30km/h)に合わせなければならない。このため、走行経路2において車両100及び後続車は、積荷を目的地まで迅速に運搬することができず、全体としての運搬効率を低下させる場合があった。
【0095】
ところが、本変更例では、タイヤ情報管理センター300は、許容範囲の最大値85℃に現在の内圧値が到達した段階で上記走行経路情報を車両100に送信するのではなく、許容範囲の最大値85℃よりも低い特定許容値80℃に現在の内圧値が到達した段階で上記走行経路情報を車両100に送信している。これにより、タイヤ情報管理センター300は、車両100に対してより迅速に走行経路情報を送信することができる。
【0096】
このため、走行経路1を移動している車両100の運転手は、タイヤの現在の内圧値が許容範囲の最大値85℃に到達する前に、走行経路1よりもタイヤに大きな負担が掛り難い走行経路2に変更して、タイヤの負担を早期に軽減することができるため、走行経路2において極端に走行速度を下げなくても目的地まで運転することができ、後続車の走行速度を大きく下げさせないようにすることができる。これにより、走行経路2において車両100及び後続車は、全体としての運搬効率を低下させないようにすることができる。
【0097】
なお、タイヤ情報管理センター300は、現在の内圧値が許容範囲内でない場合には、現在の内圧値の時間的変化に基づいてタイヤの点検予測時期を算出し、タイヤ情報の送信元の車両100を点検する整備工場400に対して点検予測時期を送信してもよい。
【0098】
これにより、整備工場400の従業員は、車両100に装着されたタイヤの点検時期を予め把握することができるため、故障の発生の可能性の高いタイヤを装着した車両100を受け入れる前に、そのタイヤ点検を行うための準備(例えば、タイヤ点検の調整、必要なタイヤの発注)をすることができる。
【0099】
また、整備工場400に対して点検予測時期が送信されているときには、その整備工場400では、点検予測時期に該当する車両100の入庫が予測されているため、該車両100の入庫によりタイヤ点検サイクルを大きく変更させなければならないという事態が低減される。
【0100】
なお、タイヤ情報管理センター300は、タイヤ情報に含まれている「現在の温度値」が許容範囲内でない場合および、タイヤ情報に含まれている現在の内圧値が現在の温度値等により補正された「現在のタイヤ使用時内圧値」が許容範囲内でない場合には、現在の内圧値に異常が発生したと評価し、タイヤ情報の送信元の車両100に対して異常情報を送信してもよい。
【0101】
ここで、タイヤの圧力と温度とは相互に密接に関係しており、タイヤの圧力が通常よりも低い場合には、タイヤが大きく撓み、タイヤの温度が上昇する。これにより、「現在の温度値」が許容範囲内でないということは、現在の内圧値も許容範囲内でないという可能性が高い。このため、タイヤ情報管理センター300は、「現在の温度値」が許容範囲内でないことに連動して現在の内圧値に異常が発生したと評価し、タイヤ情報の送信元の車両100に対して異常情報を送信することにより、該車両100のバースト等の故障を未然に防ぐことができる。
【0102】
なお、タイヤ情報管理センター300は、現在の内圧値が許容範囲内でない場合には、その旨を、タイヤ情報の送信元の車両100を点検する整備工場400に対して送信してもよい。整備工場400では、整備工場内管理センター410が上記その旨を受信した場合には、タイヤ情報の送信元の車両100(例えば、図8に示すID−E1)の点検日時を、他の車両の点検日時に対して優先して設定し直してもよい(例えば、図9に示すID−E1)。
【0103】
また、整備工場内管理センター410は、タイヤの点検日時、タイヤの残溝深さなどのメンテナンス情報を、タイヤに備えられている記憶部(ICチップなど)に記憶させてもよい。この場合には、整備工場内管理センター410は、車両100がタイヤ情報及びメンテナンス情報をタイヤ情報管理センター300に送信し、タイヤ情報管理センター300は、メンテナンス情報及びタイヤ情報を車両毎に管理することも可能である。これにより、複数の車両100を管理する運送業者は、複数の車両100のメンテナンス状況を瞬時に把握することができ、タイヤの故障を未然に防ぐことができる。
【0104】
[その他の実施の形態]
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
【0105】
具体的には、車両100に設けられる検知装置110と通信装置120とは、無線により送受信を行うものとして説明したが、必ずしも無線である必要はなく、有線により送受信を行うものであっても勿論よい。
【0106】
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本実施の形態におけるタイヤ内圧管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本実施の形態におけるタイヤ内圧管理システム1の内部構成を示す図である。
【図3】本実施の形態におけるタイヤ情報を示す構成図である。
【図4】本実施の形態における比較評価方法の一例を示すグラフである。
【図5】本実施の形態に係るタイヤ内圧管理システムの動作を示す図である。
【図6】本実施の形態に係るタイヤ情報の内容を示す図である。
【図7】本実施の形態における通常評価方法・比較評価方法の一例を示すグラフである。
【図8】変更例に係る車両ごとのタイヤ点検日時を示す図である(その1)。
【図9】変更例に係る車両ごとのタイヤ点検日時を示す図である(その2)。
【符号の説明】
【0108】
1…タイヤ内圧管理システム
100…車両
110…検知装置
120…通信装置
200…ショベルカー
300…タイヤ情報管理センター(管理装置)
310…通信部
320…表示部
330…データ記憶部
340…CPU(処理部)
400…整備工場
410…整備工場内管理センター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装着されたタイヤの内圧を少なくとも測定する検知装置と、
前記検知装置により出力される前記タイヤの内圧値を少なくとも含む前記タイヤ情報を管理する管理装置とを備え、
前記管理装置は、
前記検知装置により測定された前記タイヤ情報を受信する通信部と、
前記通信部で受信した前記タイヤ情報を記憶する記憶部と、
前記内圧値が許容範囲内である場合に、前記記憶部に記憶される前記タイヤ情報である過去情報と、前記通信部により受信された現在のタイヤ情報である現在情報とを比較して、前記内圧値が正常であるか否かを判定する処理部と
を備えることを特徴とするタイヤ内圧管理システム。
【請求項2】
前記タイヤ情報は、前記タイヤ内部の温度であるタイヤ内部温度、又は、前記タイヤ自体の温度であるタイヤ温度からなる温度値を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項3】
前記過去情報は、
過去の内圧値と、
少なくとも前記温度値を用いて、前記過去の内圧値が補正された過去のタイヤ使用時内圧値とを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項4】
前記過去情報は、
前記過去のタイヤ使用時内圧値と、タイヤ使用時における適正な内圧値である過去のタイヤ設定目標内圧値とが比較された過去適正結果をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項5】
前記現在情報は、
現在の内圧値と、
少なくとも前記温度値を用いて、前記現在の内圧値が補正された現在のタイヤ使用時内圧値とを含むことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項6】
前記現在情報は、
前記現在のタイヤ使用時内圧値と、タイヤ使用時における適正な内圧値である現在のタイヤ設定目標内圧値とが比較された現在適正結果をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項7】
前記処理部は、前記記憶部に記憶される一定期間の前記過去情報から算出される前記過去適正結果と、前記通信部により受信された現在情報から算出される前記現在適正結果とを比較することを特徴とする請求項4又は請求項6に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項8】
前記処理部が前記内圧値に異常が発生したと判断した場合に、前記通信部は、前記タイヤ情報の送信元である前記車両に対して、前記タイヤ又はリムの異常情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ内圧管理システム。
【請求項9】
前記記憶部は、少なくとも2日間分の前記タイヤ情報の履歴を蓄積することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ内圧管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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