説明

タイヤ洗浄装置

【課題】装置の縮小化を図るとともに、タイヤの大きさに応じた適切なタイヤの洗浄を行うことができるタイヤ洗浄装置を提供する。
【解決手段】タイヤ洗浄装置は、幅方向においてダンプカーやミキサー車などを含む工事用車両の横幅より長い長さを有し、地面の一方方向に延在するように敷設される基部2と、基部2の幅方向における両端部の上方を覆うように立設され、相互に対向する一対の噴射部3aおよび噴射部3bと、を含む。この基部2には、タイヤが溝部に載置されることによりタイヤの径を認識するための機構が設けられている。また、認識したタイヤの径に基づいて、噴射口3aおよび3bにおいてタイヤの径の対応するよう略円形状を形成するように配置された噴射口から水を噴射することにより、タイヤの径に応じた適切な水の噴射を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤを洗浄するタイヤ洗浄装置に関し、特に、工事現場に出入りする車両全般に対応するタイヤ洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場において、資材などを運搬するダンプカーなどといった工事用車両は、作業現場の性質上、タイヤに多量の泥土が付着する。タイヤに泥土が付着した状態で工事用車両が工事現場から出て行くと、一般の道路を汚してしまうだけでなく、車両自体の見栄えも悪く、さらには走行燃費を悪化させるという問題があった。
【0003】
上記のような問題に対処するための装置が、たとえば、下記の特許文献に開示されている。この非特許文献のダンプカー用泥落装置は、工事現場の出入り口近傍に設置され、所定の位置にダンプカーを停車させ、ダンプカーのタイヤの位置や大きさに対応させて水を噴射することで、タイヤに付着した泥土を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3099713号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来では、上記のようなダンプカー用泥落装置によって工事用車両のタイヤは洗浄されていた。
【0006】
一方で、工事現場には、ダンプカーなどの工事用車両のみならず、普通自動車や軽トラックなど、工事用車両以外の車両も出入りする。
【0007】
しかしながら、特許文献が開示するダンプカー用泥落装置は、普通自動車や軽トラックのタイヤの洗浄について考慮されていないため、たとえば、普通自動車がタイヤの洗浄を行うと、工事用車両のタイヤの位置や大きさに対応した水が噴射されて、普通自動車におけるタイヤの大きさに対して適切な洗浄が行えないどころか、無関係な位置に水が噴射され、水の無駄遣いを引き起こしていた。また、装置自体の規模も大きく、取り扱いが容易ではなかった。
【0008】
この発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、装置の縮小化を図るとともに、タイヤの大きさに応じた適切なタイヤの洗浄を行うことができるタイヤ洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明におけるタイヤ洗浄装置は、地面に敷設され、車両のタイヤが載置されることでタイヤの径を認識する基部と、基部を挟んだ両端部に各々設けられ、相互に対向する向きに液体を噴射する一対の噴射部と、噴射部からの液体における噴射範囲を制御する電磁バルブと、を含み、基部が認識するタイヤの径に基づいて、一対の噴射部からの液体の噴射範囲を制御する。
【0010】
好ましくは、基部は、一対の噴射部の間において直線的に延在し、所定の幅を有する溝部と、溝部の側壁に設けられ、溝部と平行をなす方向に回転の軸を有する軸部材と、溝部の略中央部において軸部材と平行をなす方向に延在し、軸部材と連結され、軸部材を回動の軸として回動する回転バーと、を含み、回転バーの回動する量に伴って回転する軸部材の回転量に基づいて前記タイヤの径を認識する。
【0011】
さらに好ましくは、一対の噴射部は、タイヤの径に対応した略円形状の噴射口の群を複数有する。
【0012】
さらに好ましくは、略扇形状を有し、軸部材に対して直交固設され、軸部材の回転とともに回動するプレートと、プレートにおける弧の近傍に設けられ、プレートの回動を検知するセンサと、をさらに含み、タイヤの径は、プレートの回動を検知するセンサにより認識される。
【0013】
さらに好ましくは、プレートは、回動する方向の前方側から順に半径が短くなるように多段的に形成されており、センサは、プレートが回動することによりプレートの半径が短くなる部分の端部の各々を検知する位置に固定して設けられる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、車両のタイヤが載置されることでタイヤの径を認識して、認識したタイヤの径に基づいて一対の噴射部から噴射される液体の噴射範囲が制御されるため、タイヤの大きさに応じた適切なタイヤの洗浄を行うことができるタイヤ洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】タイヤ洗浄装置が動作している状態の一例を示す図である。
【図2】タイヤ洗浄装置を示す全体斜視図である。
【図3】タイヤ洗浄装置における平面図である。
【図4】図3のIV−IVにおける矢視図である。
【図5】図2のV−Vにおける矢視図である。
【図6】図3のVI−VIにおける矢視図であり、噴射部の内部における配管構造を示す模式図である。
【図7】図3のVII−VIIにおける矢視図であり、プレート部を示す模式図である。
【図8】プレート部の回動による状態を示す図である。
【図9】制御部、光電センサ、電磁バルブにおける電気的な接続を示す模式図である。
【図10】タイヤ洗浄装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るタイヤ洗浄装置が動作している状態の一例を示す図であり、図2は、タイヤ洗浄装置の全体斜視図である。なお、以下の説明においては、車両が工事現場から出ていく方向を車両の進行方向とし、たとえば、図2において矢印で示される方向を進行方向の前方とする。タイヤ洗浄装置1は、所定の位置に停車した車両の両側から水が噴射され、車両のタイヤに付着した泥土を洗い流す。図1においては、普通自動車のタイヤを洗浄している状態を示されており、詳細は後述するが、車両の停車位置の両側に設けられた噴射部3aおよび噴射部3bの有する複数の噴射口100から普通自動車のタイヤの径(大きさ)に適切な噴射範囲で水が噴射されているのがわかる。
【0017】
タイヤ洗浄装置1は、図2に示されるように、進行方向の幅方向においてダンプカーやミキサー車などを含む工事用車両の横幅より長い長さを有し、地面の一方方向に延在するように敷設される基部2と、いずれも筐体であって、基部2の幅方向における両端部の上方を覆うように立設され、相互に対向する一対の噴射部3aおよび噴射部3bと、を含む。このタイヤ洗浄装置1は、工事現場などの出入り口近傍に設けられ、基部2が車両の進行方向に対して略直交するように設けられる。また、この実施形態において、噴射部3aには、図示のない水供給装置から水が供給されるための導管4が挿入されており、噴射部3aは水供給装置から適宜水の供給を受ける。また、水供給装置から噴射部3aに水が供給されるとともに噴射部3bにも供給されるよう構成されている。たとえば、噴射部3aの外部において導管4を分岐させ、後述の第1補助台22aまたは第2補助台22b内などに分岐させた導管を這わせるようにして噴射部3bに水を供給するようにしてもよい。
【0018】
まず、基部2について説明する。基部2は、図2および図3が示すように、車両が基部2の上方を通過する際の進入を容易にさせるために、基部2の後方から進行方向の略中央部にかけて上りの傾斜を形成するスロープ21aおよびスロープ21bを有する。また、基部2は、車両が基部2の上方を通過した後の出行を容易にさせるために、基部2より略中央部から進行方向の前方にかけて下りの傾斜を形成するスロープ21cおよびスロープ21dを有する。なお、スロープ21a〜21dにおける地面との傾斜は、13°〜18°であるのが好ましい。また、スロープ21a〜21dの斜面には、車両のタイヤが滑らないよう摩擦部材を設けたり、斜面を粗く加工して凹凸形状を形成するのが好ましい。また、スロープ21a〜21dは、幅方向において、車両が基部2の上方を通過する際に、右側のタイヤがスロープ21aおよびスロープ21cの上方を通過し、左側のタイヤがスロープ21bおよびスロープ21dの上方を通過する位置に設けられる。なお、スロープ21aとスロープ21bとが一体的に構成され、基台2の幅方向に延在する1つのスロープとなるよう構成されてもよい。また、スロープ21cとスロープ21dとについても同様、一体的なスロープとなるよう構成されてもよい。
【0019】
また、基部2は、図3および図4が示すように、基部2のスロープ21aおよびスロープ21bとスロープ21cおよびスロープ21dとの間が所定の距離だけ離間するように構成されており、進行方向における中央部(図4中の一点鎖線)より後方側には第1補助台22a、進行方向における中央部より前方側には第2補助台22bが設けられている。第1補助台22aおよび第2補助台22bは、スロープ21a〜21dの高さと略同一の長さ(たとえば、一辺が約75mm)で形成される略正方形の断面を有する中空状の四角柱であり、基台2の両端部に設けられた噴射部3aの下方の位置から噴射部3bの下方の位置まで延在する。すなわち、スロープ21a、スロープ21b、および第1補助台22aと、スロープ21c、スロープ21d、および第2補助台22bと、は、基台2の進行方向における中央部(図4中の一点鎖線)を軸にして、前後方向に対称的に構成されている。また、このことにより、基部2には、第1補助台22aと第2補助台22bとにより、所定の幅を有する溝部27が形成される。なお、第1補助台22aと第2補助台22bとの間隔(溝部27の幅)は、たとえば、200〜250mm程度が好ましい。
【0020】
溝部27は所定の幅を有するため、載置されるタイヤの径に応じて溝部27とタイヤとの嵌り方は異なる。溝部27に載置されるタイヤの径が小さければ小さいほど溝部27に深く嵌り、タイヤの径が大きければ大きいほど溝部27に浅くしか嵌らない。すなわち、タイヤの径が小さい場合、タイヤが深く溝部27に嵌るため、溝部27の略中央部において、タイヤと地面との距離が近い位置になるようにタイヤは溝部27に嵌る。一方、タイヤの径が大きい場合、タイヤが浅くしか溝部27に嵌らないため、溝部27の略中央部において、タイヤと地面との距離が遠い位置になるようにタイヤは溝部27に嵌る。
【0021】
この基部2には、溝部27とタイヤとの嵌り方の違いに基づいて、タイヤの径を認識するための機構の一部が設けられている。基部2は、図3および図4が示すように、タイヤの径を認識するための機構の一部として、いずれも第1補助台22aの前方側に突設され、一方がスロープ21aの左側前方近傍(基部2の幅方向における中央部近傍)で、他方が噴射部3aの下方近傍に設けられる一対の回転支持部23aおよび回転軸支持部23bと、回転支持部23aおよび回転支持部23bに支持され、回転支持部23aから回転支持部23bよりさらに右側まで延在し、第1補助台22aと平行をなす回転軸(軸部材)26と、回転支持部23aおよび回転支持部23bの間に設けられ、回転軸26から略前方方向に突設される一対のアーム部24aおよびアーム部24bと、アーム部24aおよびアーム部24bの先端同士を連結して延在し、溝部27の略中央(図4中の一点鎖線)であって第1補助台22aおよび第2補助台22bと略同一の高さに位置するように設けられ、回転軸26と平行をなす回転バー25と、を含む。なお、回転軸26は、回転支持部23bよりもさらに右側において、噴射部3a内部に設けられる後述のプレート部28と固設される。
【0022】
回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、および回転バー25は、一体的に構成されており、回転支持部23aおよび回転支持部23bに支持されながら、回転軸26を軸として回転可能に構成されている。また、回転バー25が、上記で説明したような位置(図4参照)で維持されるように、回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、および回転バー25全体の回動が制御されている。すなわち、回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、回転バー25は、図4が示すように、静止状態を維持している。
【0023】
これは、回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、および回転バー25とプレート部28とにおいて、タイヤが溝部27に載置されていない状態では、回転軸26に固設された後述のプレート部28にかかる重力によって回転モーメントが図4における時計方向に生じ、その回転モーメントによりプレート部28が地面に当接する。このことにより、発生した回転モーメントは、地面からの反作用力により相殺されて、図4で示されるように、回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、および回転バー25は静止状態を維持している。
【0024】
また、一方で、溝部27にタイヤが載置されることで、プレート部28による回転モーメントより大きい力が回転バー25にかかることにより、回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、回転バー25と、回転軸26に固設されるプレート部28とは、一体的に回転軸26を軸にして図4中における反時計方向に回動する。
【0025】
従って、上記のように構成することにより、溝部27にタイヤが載置されると、タイヤの径に応じて、溝部27の中央部に設けられた回転バー25が下方に押し下げられ、その押し下げに伴って回転バー25が回動し、その回動した分だけ回転軸26が回転する。なお、この回動に伴って回動するプレート部28についての詳細は後述する。
【0026】
次に、噴射部について説明する。以下の説明において、噴射部3aおよび噴射部3bは基本構造が同一のため、以下では噴射部3aに注目して説明し、相違する点については後述する。
【0027】
噴射部3aは、図5が示すように、車両を停車させる側に複数の噴射口100を有する。具体的には、噴射部3aには、噴射口s1〜s3および噴射口t1〜t5の8個の噴射口が略円形状を形成するよう配置されている。また、噴射口s1〜s3および噴射口u1〜u5の8個の噴射口、噴射口s1〜s3および噴射口v1〜v7の10個の噴射口、噴射口s1〜s3および噴射口w1〜w9の12個の噴射口についても同様、噴射部3aには各々半径の異なる略円形状を形成するように配置されている。なお、以下、噴射口s1〜s3および噴射口t1〜t5による円を円C1、噴射口s1〜s3と噴射口u1〜u5とによる円を円C2、噴射口s1〜s3と噴射口v1〜v7とによる円を円C3、噴射口s1〜s3と噴射口w1〜w9とによる円を円C4という。
【0028】
円C1〜C4の中心は、いずれも溝部27の中央部(図4における一点鎖線)から上方に延ばした線上に位置している。また、各円C1〜C4を形成する噴射口は、いずれの円周上においても略等間隔に配置されている。円C1〜C4は、溝部27に載置された際のタイヤの径に応じて形成されている。すなわち、各円ごとに配置される噴射口は、溝部27上に載置された各径のタイヤの側面に位置するように配置されており、このことにより、各タイヤの径に対応させて水を噴射することができる。なお、これに限られるものではないが、たとえば、円C1については半径が約230mm、円C2については半径が約275mm、円C3については半径が350mm、円C4については半径が450mmであるのが好ましい。また、各円の中心の高さは、円C1については最下点(第1補助台22aおよび第2補助台22bの上面)から約243mm、円C2については最下点約308mm、円C3については最下点から約402mm、円C4については最下点から約480mmであるのが好ましい。
【0029】
また、円C1〜C4の下方部分に配置される噴射口s1〜s3は、上記でも説明したように、いずれの円C1〜C4においても共有されている。これは、円C1〜C4の下方部分における噴射口については、略同一の位置に配置されることになるため、タイヤの径ごとに設ける必要性がないからである(図5参照)。
【0030】
噴射部3aの内部には、図6が示す配管構造と、図7が示すプレート部28、とが設けられている。噴射部3aの配管構造は、図6(図3のVI−VIにおける矢視図)が示すように、水供給装置からの導管4を連結させる連結部40と、連結部40から噴射部3a内部に水を送水する主管40aと、主管40aから送水される水を異なる5つの経路に水を供給するために分岐された支管41〜45と、含む。また、支管42〜45には、後述する制御部60からの信号により通水または止水を制御する電磁バルブ52〜55(図6中において、各々は「V1」,「V2」,「V3」,「V4」で示されている)が設けられている。支管41は前述した噴射口s1〜s3に水を供給し、支管42は噴射口t1〜t5に水を供給し、支管43は噴射口u1〜u5に水を供給し、支管44は噴射口v1〜v7に水を供給し、支管45は噴射口w1〜w9に水を供給する。すなわち、支管41は電磁バルブを有さないため、導管4から水が供給されると通水され、それとともに、支管42〜45については制御部60からの信号により各電磁バルブ52〜55のいずれかが作動し、通水を許可されたいずれかの電磁バルブのみ開放されて、開放された支管には通水されることとなる。このことより、噴射部3aは上記で説明した噴射口で形成される円C1〜C4のいずれかから水が噴射されることとなる。
【0031】
また、噴射部3aの内部に設けられるプレート部28は、タイヤの径を認識する機構の一部であり、図7(図3のVII−VIIにおける矢視図)に示されるように、略扇形状を有する板状の特殊なプレート28aと、プレート28aの下部に設けられ、基部2の中央部から延在する前述の回転軸26に固設され、プレート28aを支持するプレート台28bと、プレート台28bの下方であって、回転軸26側の逆側(後方側)に設けられる保護部材28cと、を含む。なお、図7はプレート部28が地面に当接している状態を示す。すなわち、前述したように、プレート部28にかかる回転モーメントが相殺されて静止状態となり、溝部27の中央部に回転バー25が位置する状態である。
【0032】
プレート28aの形状は、回転軸26からの半径が、回転する方向の前方側から順次短くなるよう多段的に形成されている(ここでは、4段階である)。すなわち、プレート28aは、4種類の半径によって形成される4つの弧と、半径が短くなる部分の4つの端部と、を含む。なお、それぞれの半径を距離の長い方から半径R1〜R4とする。具体的に、プレート28aには、回転軸26が図7中における時計方向に回転することに基づいて、プレート28aの回転する前方側から半径R1による弧l1、半径R2による弧l2、半径R3による弧l3、半径R4による弧l4が形成されており、それとともに、順次半径が短くなる部分の端部L1〜L4が形成されている。プレート台28bは、溝部27上にタイヤが載置されることで溝部27の中央部に位置する回転バー25がタイヤの径に応じて下方に押し下げられ、これにより回転軸26が回転することで、図8(A)〜(D)に示されるように、プレート28aを支持しながら回動する。すなわち、図8(A)〜(D)は、回転バー25上にタイヤが載置されることに伴って回動するプレート部28の状態を回動した量別に示している。なお、以下、図7の状態を基準の「第0(ゼロ)状態」、図8(A)の状態を「第1状態」、図8(B)の状態を「第2状態」、図8(C)の状態を「第3状態」、図8(D)の状態を「第4状態」というように定める。また、保護部材28cは、プレート部28と地面との接触の衝撃を保護するものである。なお、保護部材28cは弾性部材であるのが好ましい。また、図8(A)〜(D)における一点鎖線は、各々径の異なるタイヤA〜タイヤDを示す。
【0033】
プレート28aの弧の近傍には、図7や図8(A)〜(D)に示されるように、第1センサ部31aと第2センサ部31bが設けられており、各々は回転軸26方向に直列的に2つずつ光電センサを有している。図7を参照して、第1センサ部31aは、弧l1の在る位置に配置され、第2センサ部31bは、弧l3の在る位置に配置される。この状態(第0状態)において、第1センサ部31aと端部L1との距離は、第2センサ部31bとL3との距離よりより短くなるように、第1センサ部31aおよび第2センサ部31bは配置される。
【0034】
また、第1センサ部31aに設けられる光電センサX1は、回転軸26からの距離として半径R1と半径R2との間に位置し、第1センサ部31aに設けられる光電センサX2は、回転軸26からの距離として半径R2と半径R3との間に位置する。さらに、第2センサ部31bに設けられる光電センサX3は、回転軸26からの距離として半径R3と半径R4との間に位置し、第2センサ部31bに設けられる光電センサX4は、半径R4より回転軸26側に位置する。さらに、光電センサX1から端部L1までの距離より、光電センサX2から端部L2までの距離の方が長くなるように、プレート28aの端部L1および端部L2が設けられている。また、光電センサX2から端部L2までの距離より、光電センサX3から端部L3までの距離の方が長くなるように、プレート28aの端部L2および端部L3が設けられている。光電センサX3から端部L3までの距離より、光電センサX4から端部L4までの距離の方が長くなるように、プレート28aの端部L3および端部L4が設けられている。
【0035】
こうすることにより、こちらも詳細は後述するが、プレート28aが回動したときに、光電センサX1、光電センサX2、光電センサX3、光電センサX4の順に光電センサX1〜X4を作動させて検知させ、各々の検知のタイミングをずらすことで、段階別にプレート28aの状態を検知することができる。
【0036】
すなわち、ここにおけるプレート28aの回動量の検知は、プレート28aが回動することにより、各光電センサX1〜X4に対応する各端部L1〜L4が移動して、移動した各端部を光電センサが順次検知することにより行っている。
【0037】
また、ここで用いられる光電センサX1〜X4は、いずれも光学式のセンサである。これらの光電センサX1〜X4は、プレート28aの回動により対応する端部が通過することで、プレート28aの回動の状態を検知する。この実施形態において、光電センサにはフォトインタラプタを用いる。図8(A)〜(D)において示される光電センサX1〜X4はフォトインタラプタにおける発光部であり、図示しないが図7や図8(A)〜(D)の裏側には各発光部に対応する受光部がそれぞれ設けられている。光電センサX1〜X4は、各々における発光部および受光部の間にプレート28aがあるか否かを検知することにより、プレート28aの回動量を検知し、結果としてプレート28の回動量を検知する。なお、光電センサX1〜X4はプレート28aがあることを検知すると「OFF」、光電センサX1〜X4はプレート28aがなくなったことを検知すると「ON」を示す。
【0038】
図7を参照して、各光電センサX1〜X4は、プレート28aが各々の間に存在することを検知するため、光電センサX1〜X4は全てOFFとなり、プレート部28が第0状態であることを認識する。図8(A)を参照して、タイヤが回転バー25を押し下げることに基づく回転軸26の回転によりプレート部28全体が回動し、光電センサX2〜X4はプレート28aが各々の間に存在することを検知するため、光電センサX2〜X4はOFFとなり、第1状態であることを認識する。図8(B)を参照して、タイヤが回転バー25を押し下げることに基づく回転軸26の回転によりプレート部28全体が回動し、光電センサX3およびX4はプレート28aが各々の間に存在することを検知するため、光電センサX3およびX4はOFFとなり、第2状態あることを認識する。図8(C)を参照して、タイヤが回転バー25を押し下げることに基づく回転軸26の回転によりプレート部28全体が回動し、光電センサX4はプレート28aが間に存在することを検知するため、光電センサX4はOFFとなり、第3状態であることを認識する。図8(D)を参照して、タイヤが回転バー25を押し下げることに基づく回転軸26の回転によりプレート部28全体が回動し、光電センサX1〜X4はプレート28aがいずれも間に存在していないことを検知するため、光電センサX1〜X4はONとなり、第4状態であることを認識する。なお、光電センサX1〜X4のON−OFFの信号は、後述する制御部60に自動で送信される。
【0039】
以上より、プレート28aの特殊な形状とその特殊な形状に基づく光電センサX1〜X4の配置とにより、タイヤの径に応じて回転バー25が押し下げられ、連動して回転する回転軸26に伴ってプレート部28全体が回動し、光電センサX1〜X4の各々において対応する端部L1〜L4の通過が検知される。このことにより、プレート28aが光電センサX1〜X4の近接に存在しているか(ここでは、発光部と受光部との間にプレート28aが存在するか)否かを検知して、光電センサX1〜X4の各々におけるON−OFFでプレート部28がどれだけ回動したかという状態を認識することができる。これは、回転軸26とともに回動するプレート部28が回動し始めてから1番目に光電センサX1が端部L1の通過を検知し、2番目に光電センサX2が端部L2の通過を検知し、3番目に光電センサX3が端部L3の通過を検知し、4番目に光電センサX4が端部L4の通過を順次検知できるように、プレート28aを形成し、かつ、そのプレートに基づいて光電センサX1〜X4を配置したからである。このことにより、タイヤ洗浄装置1は、タイヤの径に応じた回転バー25の回動から、タイヤの径を認識することができる。
【0040】
なお、回転軸26、アーム部24aおよびアーム部24b、回転バー25、およびプレート部28は、タイヤの径を認識するための機構に含まれる。
【0041】
タイヤ洗浄装置1においては、図9が示すように、各光電センサX1〜X4のON−OFF状態によって認識したタイヤの径のデータが制御部60に送られ、そのデータに基づいて、制御部60は前述した電磁バルブ52〜55のいずれかを開放する旨の信号を送信し、その信号に応じて電磁バルブ52〜55のいずれかが作動して開放され、通水された支管に対応する噴射口から水が噴射される。具体的に、たとえば、光電センサX1〜X4が全てONの場合(図8(D)の第4状態の場合)、一番小さい径のタイヤDであることを認識し、その旨のデータが制御部60に送信され、制御部60から水供給装置に水を噴射部3aに供給する旨の信号が送られるとともに、電磁バルブ52のみを開放(すなわち、通水)する旨の信号が噴射部3aの電磁バルブ52に送られる。すると、電磁バルブ52のみが開放され、支管42が通水可能な状態になる。これにより、水供給装置から導管4を介して、電磁バルブを有さない支管41と電磁バルブ52のみが開放された支管42とが通水される。このことにより、図5に示された円C1を形成する噴射口s1〜s3と噴射口t1〜t5とから水が噴射される。
【0042】
なお、その他のタイヤの径を認識した場合も同様、認識したタイヤの径に応じて、制御部60はいずれの電磁バルブ52〜55を開放するかという信号を該当する電磁バルブに送信し、その信号に基づいて対応する電磁バルブは支管を通水させるため、タイヤの径に適切な噴射口から水を噴射させることができる。
【0043】
また、上記では、噴射部3aに注目して説明したが、噴射口、配管構造(電磁バルブを含む)の構成については、噴射部3bも同様であり、制御部60からの信号に応じて噴射する動作も同様である。すなわち、噴射部3bは、制御部60からいずれかの電磁バルブを開放する旨の信号を受信して、それに応じて、タイヤの径に対応した噴射口から、一対をなす噴射部3aとともに水を噴射する。一方で、タイヤの径を認識する機構(プレート部28)については、タイヤ洗浄装置1として1つあれば足りるため、噴射部3bはプレート部28を有さないという点のみが相違する。
【0044】
次に、タイヤ洗浄装置1全体の動作についての例を説明する。図10は、タイヤ洗浄装置1の動作を示すフローチャートである。図10を参照して、まず、車両のタイヤが基部2の溝部27上に載置されることにより、回転バー25がタイヤの径に応じて溝部27の下方側に押し下げられ、回転バー25の回動に伴って回転軸26に固設されたプレート部28が回動して、光電センサX1〜X4がプレート28aの回動の量(状態)を検知する。これに基づいて、タイヤの径が認識される(ステップS11。以下「ステップ」省略する)。次に、光電センサX1〜X4のON−OFFの状態により認識されたタイヤの径のデータが制御部60に自動で送信され(S12)、送信されたタイヤの径のデータが制御部60で受信される(S13)。制御部60は、タイヤの径のデータに基づいて、噴射部3aおよび噴射部3bにおいて開放すべき電磁バルブに開放する旨の信号を送信する(S14)。開放する旨の信号を受信した噴射部3aおよび噴射部3bにおける電磁バルブが信号に基づいて開放され、電磁バルブが開放された支管と共通で水を噴射する噴射口s1〜s3に水を供給する支管41とに水供給装置から水が供給され、タイヤの径に対応した噴射口から水が噴射される(S15)。なお、S15においては、制御部60から水供給装置に水を噴射部3aおよび噴射部3bに供給する旨の信号も送信されているため、導管4を介して噴射部3aおよび噴射部3bにおけるタイヤの径に対応した噴射口から水が噴射され、車両のタイヤは洗浄される。
【0045】
上記タイヤ洗浄装置1の動作の具体例を以下に説明する。まずは、ダンプカーなどのいわゆる超大型車の場合について説明する。ダンプカーが、基部2の溝部27上にタイヤを載置する。この場合、回転バー25はそれほど回動しないため、回転軸26を介して回動するプレート部28の回動量は少ない(たとえば、図8(A)の状態になる)。これにより、光電センサX1のみがONとなり、第1状態であることが認識される。これら光電センサX1〜X4により、第1状態(タイヤの径)を認識したら、第1状態である旨が制御部60に通知され、制御部60は支管45のみが通水されるよう電磁バルブ55のみを開放する旨の信号を送信する。その信号の送信とともに、水供給装置に導管4を介して噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給する旨の信号が送信される。水を供給する旨の信号を受けた水供給装置は、噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給することにより、支管41および支管45のみが通水され、結果として、噴射口s1〜s3および噴射口w1〜w9から水が噴射される。
【0046】
次に、トラックなどのいわゆる大型車の場合について説明する。トラックが、基部2の溝部27上にタイヤを載置する。この場合、回転バー25は多少回動するため、回転軸26を介して回動するプレート部28の回動量も超大型車よりも大きく回動する(たとえば、図8(B)の状態になる)。これにより、光電センサX1および光電センサX2がONとなり、第2状態であることが認識される。これら光電センサX1〜X4により、第2状態を認識したら、第2状態である旨が制御部60に通知され、制御部60は支管44のみが通水されるよう電磁バルブ54のみを開放する旨の信号を送信する。その信号の送信とともに、水供給装置に導管4を介して噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給する旨の信号が送信される。水を供給する旨の信号を受けた水供給装置は、噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給することにより、支管41および支管44のみが通水され、結果として、噴射口s1〜s3および噴射口v1〜v7から水が噴射される。
【0047】
次に、普通自動車などのいわゆる中型車の場合について説明する。普通自動車が、基部2の溝部27上にタイヤを載置する。この場合、回転バー25は割と大きく回動する。従って、回転軸26を介して回動するプレート部28の回動量も大型車よりも回動する(たとえば、図8(C)の状態になる)。これにより、光電センサX1〜X3がONとなり、第3状態であることが認識される。これら光電センサX1〜X4により、第3状態を認識したら、第3状態である旨が制御部60に通知され、制御部60は支管43のみが通水されるよう電磁バルブ53のみを開放する旨の信号を送信する。その信号の送信とともに、水供給装置に導管4を介して噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給する旨の信号が送信される。水を供給する旨の信号を受けた水供給装置は、噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給することにより、支管41および支管43のみが通水され、結果として、噴射口s1〜s3および噴射口u5〜u5から水が噴射される。なお、この場合は、図1で示すような状態でタイヤ洗浄装置1は動作している。
【0048】
次に、軽自動車などのいわゆる小型車の場合について説明する。軽自動車が、基部2の溝部27上にタイヤを載置する。この場合、回転バー25はかなり大きく回動する(たとえば、図8(D)の状態になる)。従って、回転軸26を介して回動するプレート部28の回動量も中型車よりも回動する。これにより、光電センサX1〜X4のすべてがONとなり、第4状態であることが認識される。これら光電センサX1〜X4により、第4状態を認識したら、第4状態である旨が制御部60に通知され、制御部60は支管42のみが通水されるよう電磁バルブ52のみを開放する旨の信号を送信する。その信号の送信とともに、水供給装置に導管4を介して噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給する旨の信号が送信される。水を供給する旨の信号を受けた水供給装置は、噴射部3aおよび噴射部3bに水を供給することにより、支管41および支管42のみが通水され、結果として、噴射口s1〜s3および噴射口t5〜t5から水が噴射される。
【0049】
上記によれば、タイヤが基部2の溝部27に載置されると、タイヤは溝部27に径に応じた深さに嵌り、タイヤが溝部27に嵌った深さ分だけ回転バー25が押し下げられ、回転軸26が回転する。また、回転した回転軸26に固設されたプレート部28の状態を複数の光電センサX1〜X4で検知することにより回転バー25の回動量を検知し、タイヤの径を認識する。そして、認識したタイヤの径のデータに基づいて、タイヤの径に対応させて設けられた噴射部3aおよび噴射部3bの噴射口のみから水が噴射させる。これにより、タイヤの径(大きさ)に応じた適切なタイヤの洗浄を行うことができる。また、タイヤの径を認識する機構についても、基部や噴射部内に含むように構成したため、構成も小さくてすむ。
【0050】
なお、この実施形態において、4段階のタイヤの径に対応させる場合について説明したが、これに限ることなく、2〜3段階でも、5段階以上であってもよい。こうすることにより、所望の段階で、タイヤの径に対応したタイヤ洗浄装置を提供することができる。
【0051】
たとえば、タイヤの径を2段階で認識する場合は、半径が2段階となるようプレートの形状を前方から順に短くなるように弧の部分を2段階で形成し、半径の短くなる部分の端部を検知する光電センサを2つ設ける。光電センサの配置は、上記の実施形態に倣い、回転軸方向において1つ目の光電センサを長い半径と短い半径との間に、2つ目の光電センサを短い半径より回転軸26側に配置する。また、1つ目のセンサと1つ目のセンサが検知する端部(半径が短くなる部分の端部)との距離より、2つ目のセンサと2つ目のセンサが検知する端部(半径が短くなる部分の端部)との距離の方が長くなるように配置する。噴射部に設けられる噴射口も、タイヤの径に対応させた2つの円形を形成するように配置させ、それに対応させて、電磁バルブを有さない共有で水を供給する支管とともに、電磁バルブを有する支管を2つ設ける。こうすることにより、2段階のタイヤの径に応じたタイヤの洗浄を行うことができる。
【0052】
一方、タイヤの径を5段階で認識する場合は、半径が5段階となるようプレートの形状を前方から順に短くなるように弧の部分を5段階で形成し、半径の短くなる部分の端部および検知する光電センサを各々5つずつ設ける。5つの光電センサの配置は、上記の実施形態に倣い、回転軸方向において1つ目の光電センサを1番長い半径と2番目に長い半径との間に配置する。以下、2〜5つ目のセンサも同様、順次プレートの半径が短くなる部分の端部を検知できるように、順々に短くなる半径同士の間に順次配置する。また、1つ目のセンサと1つ目のセンサが検知する端部(半径が1段分短くなる部分の端部)との距離より、2つ目のセンサと2つ目のセンサが検知する次の端部との距離の方が長くなるように順次配置する。以下同様、光電センサと端部との距離が順次長くなるように配置する。噴射部に設けられる噴射口も、タイヤの径に対応させた5つの円形を形成するように配置させ、それに対応させて、電磁バルブを有さない共有で水を供給する支管とともに、電磁バルブを有する支管を5つ設ける。こうすることにより、5段階のタイヤの径に応じたタイヤの洗浄を行うことができる。このようにして、6段階以上であってもタイヤの径に応じてタイヤを洗浄することができる。
【0053】
なお、この実施形態において、噴射部は基部の両端部を覆うように立設する場合について説明したが、これに限ることなく、たとえば、噴射部の下方にキャスタなどを設けて可動式にしてもよい。
【0054】
なお、この実施形態において、プレートの状態を検知するセンサに光学式のセンサを用いて説明したが、これに限ることなく、プレートを金属製にして、磁気式のセンサを用いるようにしてもよい。
【0055】
また、制御部60の設けられる位置については特に定めていないが、たとえば、噴射部に内蔵するようにしてもよい。
【0056】
また、噴射部から噴射される液体が水の場合について説明したが、これに限ることなく、洗浄液でもよいし、あるいは水と洗浄液との混合液でもよい。
【0057】
また、噴射部と水供給装置とは別個で構成する場合について説明したが、これに限ることなく、一体的な構成としてもよい。
【0058】
また、タイヤ洗浄装置は工事現場の出入り口近傍に設ける場合について説明したが、これに限ることなく、載置式で移動可能な構成にして、たとえば、ガソリンスタンドなどに設けるようにしてもよい。
【0059】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 タイヤ洗浄装置、2 基部、3a,3b 噴射部、4 導管、21a〜21d スロープ、22a 第1補助台、22b 第2補助台、23a,23b 回転支持部、24a,24b アーム部、25 回転バー、26 回転軸、27 溝部、28 プレート部、28a プレート、28b プレート台、28c 保護部材、31a 第1センサ部、31b 第2センサ部、40 連結部、40a 主管、41〜45 支管、52〜55 電磁センサ、60 制御部、l1〜l4 弧、L1〜L4 端部、R1〜R4 半径、s1〜s3,t1〜t5,u1〜u5,v1〜v7,w1〜w9,100 噴射口、V1〜V4 電磁バルブ、X1〜X4 光電センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に敷設され、車両のタイヤが載置されることでタイヤの径を認識する基部と、
前記基部を挟んだ両端部に各々設けられ、相互に対向する向きに液体を噴射する一対の噴射部と、
前記噴射部からの液体における噴射範囲を制御する電磁バルブと、を含み、
前記基部が認識する前記タイヤの径に基づいて、前記一対の噴射部からの液体の前記噴射範囲を制御することを特徴とするタイヤ洗浄装置。
【請求項2】
前記基部は、
前記一対の噴射部の間において直線的に延在し、所定の幅を有する溝部と、
前記溝部の側壁に設けられ、前記溝部と平行をなす方向に回転の軸を有する軸部材と、
前記溝部の略中央部において前記軸部材と平行をなす方向に延在し、前記軸部材と連結され、前記軸部材を回動の軸として回動する回転バーと、を含み、
前記回転バーの回動する量に伴って回転する前記軸部材の回転量に基づいて前記タイヤの径を認識する請求項1に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項3】
前記一対の噴射部は、前記タイヤの径に対応した略円形状の噴射口の群を複数有する請求項1または2に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項4】
略扇形状を有し、前記軸部材に対して直交固設され、前記軸部材の回転とともに回動するプレートと、
前記プレートにおける弧の近傍に設けられ、前記プレートの回動を検知するセンサと、をさらに含み、
前記タイヤの径は、前記プレートの回動を検知する前記センサにより認識される請求項2または3に記載のタイヤ洗浄装置。
【請求項5】
前記プレートは、回動する方向の前方側から順に半径が短くなるように多段的に形成されており、
前記センサは、前記プレートが回動することにより前記プレートの半径が短くなる部分の端部の各々を検知する位置に固定して設けられる請求項4に記載のタイヤ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−51536(P2012−51536A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197764(P2010−197764)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(303003535)福田工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】