説明

タグラベル作成装置

【課題】無線タグ回路素子の損傷を回避しつつ、カラー識別子つきの無線タグラベルを効率的に作成する。
【解決手段】タグラベル作成装置1は、無線タグ回路素子Toを備えたタグテープ3Aを搬送するプラテンローラ26と、搬送されるタグテープ3Aの領域S1に対しカラー印刷Qを行うように、固定的に設けられたインクジェットヘッド50と、搬送されるタグテープ3Aの領域S2に対し印刷可能に設けられたサーマルヘッド31と、上記無線タグ回路素子Toとの間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナ70とを有し、インクジェットヘッド50及びサーマルヘッド31により印刷を行って、無線タグラベルTを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグアンテナとを備えている。そして、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、様々な分野において既に実用化が進んでいる。
【0003】
従来、このような無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置が既に提唱されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術のタグラベル作成装置では、無線タグ回路素子(RF−ID素子)を備えたラベルをテープ(ラベル紙)に貼り付けたものをロール状(記録媒体)とする。そして、このロールから上記テープを繰り出して搬送しつつラベルの表面にサーマルヘッド(記録ヘッド)により印字を行った後、上記搬送状態において装置側のアンテナ(通信アンテナ)から無線タグ回路素子へ情報を送信して所定の情報書き込みを行う。これにより、印字済の無線タグラベルを連続的に生成するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−82432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の無線タグ技術の進展に伴い、印字済無線タグラベルも広く普及し利用に供されるようになりつつある。このような動向の中、既に書類管理等の用途において広く用いられているカラー識別子(=いわゆるカラーコード等)を印刷した、カラー識別子つきの印字済無線タグラベルを作成したいというニーズがある。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術は上記カラー識別子の印刷については配慮されておらず、カラー識別子付きの無線タグラベルを効率よく作成することは困難であった。また、そのようなカラー識別子付き印字済無線タグラベルを作成するために、上記サーマルヘッドのほかにインクジェットヘッドを用いることが考えられる。この場合、テープのうち、サーマルヘッドによる印字を行う領域とインクジェットヘッドによるカラー識別子の印刷を行う領域とが存在することとなるが、サーマルヘッドによる印字を行う領域に無線タグ回路素子が配置されると、加熱により損傷が発生する可能性がある。このため、それらサーマルヘッド及びインクジェットヘッドの配置位置と、テープにおける無線タグ回路素子との配置位置との間に、上記加熱損傷を回避するための配慮が別途必要となる。
【0007】
本発明の目的は、無線タグ回路素子の損傷を防止しつつ、カラー識別子つきの印字済無線タグラベルを効率的に作成できるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子を、幅方向一方側領域に備えたタグテープを搬送するための搬送手段と、前記搬送手段で搬送される前記タグテープの前記幅方向一方側領域に対しカラー印刷を行うように、動作時に移動しないように固定的に設けられたインクジェットヘッドと、前記搬送手段で搬送される前記タグテープのうち、前記幅方向一方側領域以外の幅方向他方側領域に対し、印刷可能に設けられたサーマルヘッドと、前記無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナとを有し、上記インクジェットヘッド及び前記サーマルヘッドによる印刷を行って、無線タグラベルを作成することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、搬送手段でタグラベル媒体が搬送されると、その搬送されるタグラベル媒体の幅方向一方側領域に対してインクジェットヘッドでカラー印刷が行われるとともに、搬送されるタグラベル媒体の幅方向他方側領域に対してサーマルヘッドで印刷が行われる。また、装置側アンテナを介し無線タグ回路素子に対する情報送受信が行われる。そして、上記のような印刷と情報送受信とが完了したタグラベル媒体を用いて、無線タグラベルが作成される。このとき、インクジェットで、既に書類管理等の用途において広く用いられているカラー識別子(=いわゆるカラーコード等)を印刷するようにすれば、カラー識別子つきの無線タグラベルを作成することができる。
【0010】
特に、本願第1発明では、インクジェットでタグラベル媒体の幅方向一部領域に限定してカラー識別子を印刷する一方、タグラベル媒体の幅方向他の領域に対するカラー識別子以外の印刷(例えば、文字、バーコード等)については、サーマルヘッドで印刷を行う。このようにインクジェットによるカラー印刷領域を限定することにより、印刷時にインクジェットヘッドを搬送方向と交差する方向(例えば直交方向)に走査する必要がなくなってインクジェットを固定的に設けることができ、印刷時間の短縮を図ることができる。また、インクジェットヘッドとサーマルヘッドとでテープ幅方向に印刷を分担して行うことにより、テープ幅方向に長大なインクジェットヘッドを設けすべての印刷を行う場合に比べ、コストダウンを図ることができる。以上の結果、コスト増大を抑制しつつ、短い時間で効率的にカラー識別子つきの無線タグラベルを作成することができる。
【0011】
さらに、本願第1発明においては、無線タグ回路素子が、インクジェットヘッドでカラー印刷が行われるタグテープの幅方向一方側端部に配置される。これにより、サーマルヘッドの印刷時に発生する熱により、無線タグ回路素子の耐久性が低下するのを防止することができる。また上述のように書類管理時に背表紙に設けられるカラーコードの近傍に無線タグ回路素子が位置することとなるため、書類収納時に、無線タグ回路素子への通信を良好に行える効果もある。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記サーマルヘッドは、前記タグテープの前記幅方向一方側領域に一部重なるように印刷するように設けられていることを特徴とする。
【0013】
これにより、インクジェットヘッドと、サーマルヘッドとで、印刷可能な前記タグテープの幅方向領域が互いに一部重なることとなり、タグテープの幅方向において印刷空白領域が生じるのを防止することができる。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記インクジェットヘッドは、前記無線タグラベルの使用時に当該無線タグラベルを折り曲げるための折り曲げ予定線を含む前記幅方向一方領域部に対し、前記カラー印刷を行い、前記サーマルヘッドは、少なくとも、前記折り曲げ予定線を含まない前記幅方向他の領域に対し印刷を行い、前記装置側アンテナは、平面視で見て前記折り曲げ予定線を含まないように、前記折り曲げ予定線より前記タグテープの幅方向一方側又は幅方向他方側に配置された前記無線タグ回路素子に対し、前記情報送受信を行うことを特徴とする。
【0015】
カラーコードは書類管理に広く用いられ、特に、縦向きに収納される書類の背表紙の手前側を包み込んで覆うように設けられる場合が多い。この場合、カラーコードは、背表紙を包み込むような山折り形状のラベルに設けられるのが通常である。本願第3発明では、このような事情に対応して、幅方向一方側領域のカラー印刷領域に含まれる折り曲げ予定線で山折り形状にすることで、上述した背表紙側を覆うような配置でラベルを貼り付けることができる。また、カラーコードが背表紙側に露出した態様で書類を収納でき、容易に管理を行うことができる。また、折り曲げ予定線よりタグテープの幅方向一方側か他方側に無線タグ回路素子を配置することにより、折り曲げ予定線での無線タグラベルの折り曲げ時に誤って無線タグ回路素子が破損させるのを防止することができる。
【0016】
第4発明は、上記第3発明において、前記インクジェットヘッドは、前記幅方向一方側端部に対し、前記折り曲げ予定線を含むようにカラー識別子の印刷を行うことを特徴とする。
【0017】
幅方向一方側端部の折り曲げ予定線で山折り形状とすることで、折り曲げ予定線を含むように印刷されたカラーコードを背表紙側に露出させて書類を収納することができる。
【0018】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記搬送手段による前記タグテープの搬送方向に沿って、前記サーマルヘッドを、前記インクジェットヘッドよりも上流側に配置し、前記搬送手段による前記タグテープの搬送方向に沿って、前記装置側アンテナを、前記サーマルヘッドよりも上流側に配置した
ことを特徴とする。
【0019】
サーマルヘッドによる印刷をインクジェット印刷よりも先に行うことにより、インクジェットヘッドにより印刷されたインクに余分な熱や圧力を加えることがない。これにより、見栄えがよく美観性に優れたカラー印刷を行うことができる。 また、装置側アンテナをサーマルヘッドより上流側に配置することにより、装置側アンテナを介した情報送受信結果に対応した印刷を行うことが可能となる。例えば通信不良の場合には、印刷を行わない、若しくは、不良である旨を識別可能な印刷を行う、等の対応が可能である。
【0020】
第6発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記装置側アンテナを介した情報送受信内容に対応した態様の前記カラー識別子を印刷するように、前記インクジェットヘッドを制御する印刷制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
通常、無線タグ回路素子に書き込み可能な情報の方がカラーコードに付加される情報よりも多い。本願第6発明においては、このことに対応し、印刷制御手段が情報送受信内容に対応した態様でカラー識別子を印刷する。これにより、無線タグ回路素子に書き込む情報の一部をカラーコードに用いる等によって、無線タグ回路素子側とカラーコード側との情報を互いに関連づけることができる。この結果、書類の棚卸し管理等、管理上の利便性がさらに向上する。
【0022】
第7発明は、上記第1乃至第6発明において、前記インクジェットヘッドにより印刷される前記カラー識別子の態様に対応した情報を、前記装置側アンテナを介し前記無線タグ回路素子に書き込む書き込み制御手段を有することを特徴とする。
【0023】
通常、無線タグ回路素子に書き込み可能な情報の方がカラーコードに付加される情報よりも多い。本願第7発明においては、このことに対応し、まず印刷されるカラー識別子を決めておき、書き込み制御手段がそのカラー識別子に対応した情報を無線タグ回路素子に書き込むようにする。これにより、カラーコードに対応した情報を含む書き込み情報を、無線タグ回路素子に書き込むようにすることで、無線タグ回路素子側とカラーコード側との情報を互いに関連づけることができる。この結果、書類の棚卸し管理等、管理上の利便性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、無線タグ回路素子の損傷を防止しつつ、カラー識別子つきの印字済無線タグラベルを効率的に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置の外観を示す前側上方からの斜視図である。
【0026】
この図1において、タグラベル作成装置1は、樹脂性のフロントパネル6を備えた筐体2と、樹脂製の上カバー5とを有している。
【0027】
筐体2の左右の両側壁には、上方に押し上げることによって筐体2への上カバー5の係止を解除し、上カバー5を開放可能な状態にする解除つまみ27が設けられている。また筐体2の左右一方の側壁(この例では右側の側壁)の前方寄りの上面位置には、タグラベル装置1の電源ボタン7Aと、タグテープ3A(後述の図2を参照)の先端を導出するフィードボタン7Bと、カッターユニット8(後述の図3を参照)によるタグテープ3Aの切断を行わせるカットボタン7Cと、図示しないLEDランプ等とが配置されている。
【0028】
フロントパネル6の後方寄りの位置には、導出口6Aが設けられている。導出口6Aは、筐体2の内部空間に収容されたタグテープ3Aを、筐体2外へと導出するものである。
【0029】
上カバー5には、筐体2の内部空間に収容したタグテープ3Aを確認できる透明樹脂製の透明窓5Aが形成されている。
【0030】
図2は、図1に示したタグラベル作成装置1の上記上カバー5を開いた状態を示す右側上方からの斜視図である。
【0031】
この図2において、筐体2の内部空間のうち、前後方向の略後半部に凹状のテープホルダ収納部4(ロール設置部)が設けられ、テープホルダ3が収納配置されている。
【0032】
テープホルダ3は、位置決め保持部12とガイド部材20とを備えており、所定幅の上記タグテープ3A(タグラベル媒体)が回転可能にロール状に巻回されている(=タグテープロール)。すなわち、タグテープ3Aの軸方向両側に上記ガイド部材20と上記位置決め保持部材12とが設けられている。また、テープホルダ収納部4の上側及び左右両側を覆うように、前述の上カバー5が本体筺体2の後側上端縁部に開閉自在に取り付けられている。
【0033】
テープホルダ収納部4のテープ搬送方向に対して略垂直方向の一方の側端縁部にホルダ支持部材15が設けられ、このホルダ支持部材15には、上方に開口する第1位置決め溝部16が形成されている。そして、上下方向に縦長の取付部材13が上記第1位置決め溝部16内に密着することで上記ホルダ支持部材15に嵌め込まれる。
【0034】
テープホルダ収納部4の底面部には、平面視横長四角形の位置決め凹部4A(後述の図3も参照)が所定深さで設けられている。また位置決め凹部4Aのホルダ支持部材15の内側基端部には、テープ判別部60(後述の図4を参照)に対向する位置に判別凹部4B(図4参照)が形成されている。判別凹部4Bは、プッシュ式のマイクロスイッチ等からなる複数個のテープ判別センサP1〜P6(図4参照)を備えており、テープ判別部60を介してタグテープ3Aの種別を検出可能となっている。
【0035】
また、位置決め凹部4Aのテープ搬送方向前方部には、上記ガイド部材20の先端部が載置される載置部21が設けられている。載置部21の搬送方向後側には、タグテープ3Aの複数の幅寸法に対応して断面略L字状の7個の第2位置決め溝部22Gが形成されている。位置決め部材12の取付部材13がホルダ支持部材15の第1位置決め溝部16に嵌め込まれ、ガイド部材20の先端部下端が各第2位置決め溝部22Gのいずれかに嵌め込まれる。そして、ガイド部材20の下端部を位置決め凹部4A内に入りこませ接触させることによって、タグテープ3Aをロール状に巻回したテープホルダ3が、テープホルダ収納部4に位置決めされた状態に着脱自在に取り付けられるようになっている。このように、ロール化したタグテープ3Aをテープホルダ3を介して着脱自在とすることにより、消耗品であるタグテープ3A媒体の交換を容易に行える。また、ガイド部材のテープ搬送方向前方部にテープ挿入口18が備えられており、テープ挿入口18にタグテープ3Aを入れ導出口6Aから出すことにより、タグテープ3Aを保持する。テープ挿入口18のホルダ支持部材側には、テープ先頭検出センサ23が備えられており、テープ先頭検出センサ23によってタグテープ3Aに備えられたテープ先頭位置マークTMを検出することで、ラベルの先頭位置(印字開始位置)を認識することが可能になる。
【0036】
このとき、上カバー5は、筺体2の後側上端縁部に枢着された開閉自在な上カバー本体5Bと、この上カバー本体5Bの左右にネジ止め等によって固着された略円形状の左右側カバー部材5C,5Dとから構成されている。左右のカバー部材5C,5Dの内側面には、周方向の同一位置にその直径に渡って板状の補強リブ62が立設されている。そして、上カバー5を閉じた際に右のカバー部材5Dの補強リブ62がテープホルダ3の取付部材13の上端面に接触し、テープホルダ3を位置決め状態に保持するようになっている。この補強リブ62の取付部材13の上端面に接触する位置には、所定幅の薄い平板状のホルダ押さえ部65(図4参照)が延出されている。
【0037】
一方、上記筐体2の内部空間のうち、上カバー本体5Bの前端部下側には、タグテープ3Aを駆動するプラテンローラ26が回転自在に軸支され、そのプラテンローラ26のローラ軸26A(搬送手段)の両端部にカラー部材25が回転可能に装着されている。またローラ軸26Aの一方の軸端には、プラテンローラ26を駆動するギア26Bが固定されている。これにより、上カバー5を閉じることによって、カラー部材25が載置部21の前方のテープ挿入口18の略両側に位置した係止爪28に付勢力に抗して係合し、上カバー5が閉じ状態に係止される。これとともに、プラテンローラ26がライン型のサーマルヘッド31(印字ヘッド。図3参照)にタグテープ3Aを介して接触し、印刷可能な状態になる。また、プラテンローラ26のギア26Bが装置本体側の図示しないギア列に歯合し、ステッピングモータ等で構成されるプラテンローラ用モータ208(図9参照)によりプラテンローラ26を回転駆動して、タグテープ3Aの搬送が可能になる。なお、上記テープ挿入口18のホルダ支持部材15側の側端縁部には、下方を切り欠くことによって下面を案内面とした、平面視略L字状の案内リブ部(図示せず)が立設されている。
【0038】
図3は、図1及び図2のタグラベル作成装置の全体構造を示す側断面図であり、図4は、図3中IV−IV断面による断面図である。
【0039】
これら図3及び図4において、上述したように、上記タグテープ3Aは、巻芯3Bにロール状に巻回されている。位置決め保持部材12とガイド部材20との間には、上記巻芯3Bの内周側にて軸方向に配置されるように略筒状形状のホルダ軸部材40が設けられており、主としてこれら位置決め保持部材12、ガイド部材20、及びホルダ軸部材40によってテープホルダ3が構成されている。また、テープホルダ収納部4の下側には、外部のパーソナルコンピュータ等からの指令により各機構部を駆動制御する制御回路部が形成された、制御基板36が設けられている。
【0040】
上記タグテープ3Aには、IC回路部150及びアンテナ151(タグアンテナ)を備えた無線タグ回路素子Toが、この例では幅方向一方側(図2中右手前側)においてテープ長手方向に沿って配列されている。タグテープ3Aは、図3中の部分拡大図に示されるように、この例では3層構造となっており、図3中右下側へ向かって、剥離紙3a(剥離材層)、粘着層3b(貼り付け用粘着剤層)、自己発色性を有する長尺状の感熱紙(いわゆる、サーマルペーパー)3cの順序で積層されている。
【0041】
感熱紙3cの裏側(図3中左上側)には、情報を記憶するIC回路部150がこの例では一体的に設けられている。感熱紙3cの裏側の表面には上記IC回路部150に接続され情報の送受信を行うアンテナ151が形成されている。これらIC回路部150及びアンテナ151によって無線タグ回路素子Toが構成されている。感熱紙3cの裏側(図3中左上側)にはまた、上記粘着層3bによって上記剥離紙3aが感熱紙3cに接着されている。この剥離紙3aは、最終的に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層3bにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、剥離紙3aの粘着層3bの反対面は、上記テープ先頭検出センサ23によって印字の開始位置を知るための上記テープ先頭位置マークTMが所定の位置に印刷されている。
【0042】
上記筐体2の内部空間のうち、タグテープ3Aの搬送経路の上方(詳細には上記テープ挿入口18のテープ搬送方向上流側)に、装置側アンテナ70が設けられている。この装置側アンテナ70は、タグテープ3Aに備えられた無線タグ回路素子Toのアンテナ151を介し、IC回路部150へのアクセス(情報読み取り又は書き込み)を行う。
【0043】
また、上記筐体2の内部空間のうち、タグテープ3Aの搬送経路の下方(詳細には上記挿入口18の下側)に、タグテープ3Aに対しカラー印刷を行うためのライン型のインクジェットヘッド50と、タグテープ3Aに対し単色印刷を行うための上記サーマルヘッド31とが、それぞれ固定的に設けられている。これらは、テープ搬送方向の上流側からサーマルヘッド31、インクジェットヘッド50の順に配置されている。
【0044】
なお、上記サーマルヘッド31は、バネ部材24により上方に付勢された支持部材32の一端に固定されている。
【0045】
印刷実行時においては、タグテープ3Aの一方側(図2中左奥側)の側端縁部をガイド部材20の内側面に接触させつつ、タグテープ3Aの他方側(図2中右手前側)の側端縁部を図示しない上記案内リブ部に接触させながらテープ挿入口18内に挿入させる。挿入口18から挿入されたタグテープ3Aは、上記サーマルヘッド31によってプラテンローラ26に向かって押圧されるように付勢される。
【0046】
さらに、上記筐体2の内部空間のうち、上記インクジェットヘッド50のテープ搬送方向下流側には、上記カッターユニット8が設けられている。カッターユニット8は、タグテープ3Aの長手方向と略直交する切断方向(図3中上方向)に移動可能に配置された正面視V字形の可動刃47と、この可動刃47に対向配置された固定刃46とを備えている。なお、フレーム33の下方には、電源回路部が形成された電源基板37が設けられている。
【0047】
図5に、装置側アンテナ70、サーマルヘッド31、及びインクジェットヘッド50と、タグテープ3Aとの位置関係を示す。図5(a)は、タグテープ3Aの感熱紙3c側から見た下面図であり、図5(b)は、図5(a)中V−V断面による断面図である。
【0048】
図5(a)及び図5(b)に示すように、上記タグテープ3Aは、前述の3層構造となっており、表面側(図5(b)の上側)から反対側(図5(b)の下側;貼り付け対象への貼り付け側)に向かって、順に、感熱紙3c、粘着層3b、及び剥離紙3aを積層し構成されている。
【0049】
サーマルヘッド31及びインクジェットヘッド50は、タグテープ3Aの感熱紙3cの側(図3中ではタグテープ3Aの下方)に設置されている。装置側アンテナ70は、タグテープ3Aの剥離紙3aの側(図3中ではタグテープ3Aの上方)に設置されている。そして前述したように、矢印Aで示すテープ搬送方向に沿って上流側から装置側アンテナ70、サーマルヘッド31、インクジェットヘッド50の順に配置されている。
【0050】
タグテープ3Aは、幅方向一方側から幅方向他方側に向かって、領域S1、領域S12、領域S2の順に概念的に区分される。なお、領域S1と領域S12とが各請求項記載の幅方向一方側領域を構成し、領域S2が各請求項記載の幅方向他方側領域を構成する。そして、上記インクジェットヘッド50は、タグテープ3Aの感熱紙3cのうち、領域S1及び領域S12にカラー印刷を行うことができる。そのため、図5(a)及び図5(b)に示すように、インクジェットヘッド50は、タグテープ3Aの上記幅方向一方側端部に対向するように配置されている。なお、領域S1内には、図5(a)に示すように、上記無線タグ回路素子Toがテープ長手方向に沿って配列されている。
【0051】
上記サーマルヘッド31は、タグテープ3Aの感熱紙3cのうち、上記領域S2及び領域S12に単色印刷を行うことができる。この結果、領域S12には、インクジェットヘッド50によるカラー印刷と、サーマルヘッド31による単色印刷との両方が可能である。このような印刷を可能とするために、図5(a)に示すように、サーマルヘッド31のテープ幅方向の配置位置とインクジェットヘッド50のテープ幅方向配置位置とが、一部重なっている。これにより、タグテープ3Aの幅方向において印刷空白領域が生じるのを確実に防止することができる。領域S2には、サーマルヘッド31による単色印刷のみが可能となっている。
【0052】
一方、タグテープ3Aには、後述のように無線タグラベルTとして貼り付けるために折り曲げて使用する際の折り曲げ予定線L1,L2がテープ長手方向に沿って設定されている。これら折り曲げ予定線L1,L2は、実際に感熱紙3cに印刷するようにしてもよいし、概念的に設定するのみで印刷は行わなくてもよい。この例では、タグテープ3Aのうち、平面視で無線タグ回路素子Toとテープ厚み方向に重ならない位置に(この例では図5(a)中上側と下側に示されるテープ幅方向両側それぞれに)折り曲げ予定線L1,L2が設定されている。なお、いずれか一方の折り曲げ予定線のみでもよい。これら折り曲げ予定線L1,L2は、いずれも上記領域S1において設定されており、領域S2には折り曲げ予定線は設定されていない。
【0053】
なお、図5(a)に示すように、タグテープ3Aには、タグテープ3Aを所定長さで1枚1枚切り離して無線タグラベルTとするための切断位置CLが、長手方向に配置された各無線タグ回路素子Toどうしの間に設定されている。
【0054】
上記構成のタグラベル作成装置1では、上カバー5を閉じ、その後、ステッピングモータ等で構成されるプラテン用モータ208(後述の図9参照)によりプラテンローラ26が回転駆動される。これにより、テープホルダ3から引き出したタグテープ3Aの一方の側端縁部をガイド部材20の内側面に接触させつつ、このタグテープ3Aの他方の側端縁部を挿入口18の側縁部に設けられた案内リブに接触させながら搬送し、タグテープ3Aを挿入口18からフロントパネル6内に導く。
【0055】
タグテープ3Aは、上記テープ先頭位置マークTMが上記テープ先頭検出センサ23の正面を通過した後、サーマルヘッド31及びインクジェットヘッド50を順に通過する。その際、駆動制御されたサーマルヘッド31により、感熱紙3cの上記領域S2(又は領域S12)に所定の単色印刷Rが行われ、さらに駆動制御されたインクジェットヘッド50により感熱紙3cの上記領域S1(又は領域S12)に所定のカラー印刷Qが行われる。また、挿入口18のテープ搬送方向上流側手前の位置にある装置側アンテナ70近傍にタグテープ3Aに備えられた無線タグ回路素子Toが移動した時点で、上記装置側アンテナ70により上記無線タグ回路素子Toへアクセス(情報読み取り又は書き込み)が行われる。その後、印刷済みのタグテープ3Aが導出口6Aからフロントパネル6上に導出されて、カッターユニット8から所定長延出される。この時点で、カッターボタン7Cを操作することによって、タグテープ3Aがカッターユニット8により切断され、これによって無線タグ回路素子Toを備えカラー印刷Q及び単色印刷Rを備えた無線タグラベルT(後述の図7参照)が生成される。
【0056】
無線タグ回路素子Toは、図6に示すように、上述したようにタグラベル作成装置1の装置側アンテナ70と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ(この例ではダイポールアンテナ)151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0057】
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0058】
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記タグラベル作成装置1の装置側アンテナ70からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0059】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0060】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0061】
図7(a)〜(c)に、上記タグテープ3Aから上述のようにして作成された無線タグラベルTの一例を示す。図7(a)は無線タグラベルの平面図、図7(b)は図7(a)中VIIb−VIIb断面による断面図、図7(c)は図7(a)中VIIc−VIIc断面による断面図である。
【0062】
これら図7(a)〜(c)において、無線タグラベルTは、前述のように3層構造となっており、表面側(図7(b)及び図7(c)中上側)よりその反対側(図7(b)及び図7(c)中下側)へ向かって、感熱紙3c、粘着層3b、剥離紙3aの順で積層し構成されている。そして前述のように感熱紙3cの裏側に、IC回路部150及びアンテナ151からなる無線タグ回路素子Toが備えられている(なお、無線タグ回路素子Toは図7(b)及び図7(c)中で上下逆向きに配置される構成でもよい)。
【0063】
また、無線タグラベルTの感熱紙3cの表面には、インクジェットヘッド50によるカラー印刷Q(領域S1内)と、サーマルヘッド31による単色印刷R(領域S2内)が施されている。
【0064】
上記カラー印刷Qとしては、この例では、書類管理等に用いられる複数色(この例では4色)のカラーコードQ1,Q2,Q3,Q4(カラー識別子)を印刷している。カラーコードQ1,Q2,Q3,Q4の表す内容は、操作者によって適宜定められる。例えば、カラーコードQ1は、この無線タグラベルTの貼り付け対象である書類を作成した事業所の名称や種別を表す書類作成事業所コードである。また、カラーコードQ2は、書類を作成した年を表す書類作成年コードであり、カラーコードQ3は書類を作成した月を表す書類作成月コードであり、カラーコードQ4は書類作成者の氏名や社員番号等を表す書類作成担当者コードである。
【0065】
上記単色印刷Rとしては、単色でテキスト文字やバーコードを印刷する。この例では、黒色を用いて上記書類作成事業所を示す文字「ABCDEFG」、上記書類作成年を示す文字「HIJKLMN」、上記書類作成月を示す文字「OPQRSTU」、上記種類作成担当者を示す文字「VWXYZ」を印刷(印字)した例を示している。
【0066】
図8に、上記無線タグラベルTを書類ファイルに使用した例を示す。図8に示すように、無線タグラベルTは、剥離紙3aを剥がして露出された粘着層3b(上記図7(b)及び(c)参照)により、書類81を綴じたファイル80の表面に貼り付けられている。このとき、無線タグラベルTは、前述の各折り曲げ予定線L1,L2に沿って山折りされている。この山折りにより、カラー印刷Qを行った領域S1に無線タグ回路素子Toを含む(ファイル80の背表紙に対応した略平面状の)山折り形状部S1aが形成され、この山折り形状部S1aをファイル80の背表紙に対応させて貼り付けている。このようにして、カラー印刷Q(カラーコードQ1〜Q4)をファイル80の背表紙側に露出した態様で書類81を収納することで、書類81を容易に管理することができる。
【0067】
図9は、タグラベル作成装置1の制御系を示す概念図である。
【0068】
図9において、前述したように、巻芯3Bに巻回された上記タグテープ3Aは、複数の無線タグ回路素子Toが配列されている。前述のようにして、タグテープ3Aに備えられた上記テープ先頭位置マークTMが上記テープ先頭検出センサ23によって検出された後、タグテープ3Aに対するサーマルヘッド31による単色印刷Rとインクジェットヘッド50によるカラー印刷Qとが行われ、これらの印刷中に、上記装置側アンテナ70とタグテープ3Aに備えられる上記無線タグ回路素子Toと略対向する位置となった時点でタグテープ3Aの搬送を停止し上記装置側アンテナ70と上記無線タグ回路素子Toとの間の無線通信により信号の送受が行われ、通信完了後に残りの印刷が続けられる。このようにして行われる印刷が済んだタグテープ3Aは、カッターユニット8のカッターボタン7Cが操作されることでカッターユニット8にて切断され、無線タグラベルTが生成される。
【0069】
また、図9において、このとき、タグラベル作成装置1には、上記装置側アンテナ70を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(無線タグ情報)へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路201と、無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を高周波回路201を介して入力し所定の処理を行って情報を読み出すとともに、高周波回路201を介して無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする信号処理回路202と、上記サーマルヘッド31への通電及び上記インクジェットヘッド50への通電を制御する印刷駆動回路205と、上記プラテンローラ26を駆動するプラテンローラ用モータ208を制御するプラテンローラ駆動回路と209と、上記高周波回路201、信号処理回路202、印刷駆動回路205、プラテンローラ駆動回路209、上記テープ先頭検出センサ23等を介し、タグラベル作成装置1全体の動作を制御するための制御回路210と、この制御回路210からの制御信号により点灯するLED34とが設けられている。
【0070】
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。また、この制御回路210は、電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0071】
図10は、上記高周波回路201の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0072】
図10において、高周波回路201は、装置側アンテナ70を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(タグIDを含む無線タグ情報)へアクセスするためのものである。すなわち、高周波回路201は、装置側アンテナ70を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、装置側アンテナ70により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0073】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(この例では読み取り及び書き込み)ための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部212は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子215Aと、制御回路210の制御により水晶振動子215Aの出力を分周/逓倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)215B及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記信号処理回路202から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路202からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例では制御回路210からの「TX_PWR」信号によって増幅率が決定される増幅)して所望の質問波を生成する可変送信アンプ217とを備えている。
【0074】
そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介し装置側アンテナ70に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0075】
受信部213は、装置側アンテナ70で受信されて送受分離器214を介して入力された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路218と、そのI相受信乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ219と、このI相バンドパスフィルタ219の出力を増幅するI相受信アンプ221と、このI相受信アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ220と、上記装置側アンテナ70で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器227により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路222と、そのQ相受信乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ223と、このQ相バンドパスフィルタ223の出力を増幅するQ相受信アンプ225と、このQ相受信アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ224とを備えている。そして、上記I相リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路202に入力されて処理される。
【0076】
また、I相受信アンプ221及びQ相受信アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路202に入力されるようになっている。このようにして、タグラベル作成装置1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
【0077】
図11は、以上のようにして行われる無線タグラベルTの作成の際、タグラベル作成装置1の制御回路210によって実行される制御手順を示すフローチャートである。
【0078】
図11において、タグラベル作成装置1に対するラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される(「START」位置)。なお、このラベル作成操作は、タグラベル作成装置1に接続されたパーソナルコンピュータ又は汎用コンピュータ等の、図示しない操作手段によって行われてもよい。あるいはタグラベル作成装置1に設けられた操作ボタン等によって行われてもよい。
【0079】
まずステップS105において、上記操作手段の入力操作に基づく、サーマルヘッド31により無線タグラベルTへ印刷すべき単色印刷Rの単色印刷情報と、インクジェットヘッド50により無線タグラベルTへ印刷すべきカラー印刷Q(カラーコードQ1〜Q4)のカラー印刷情報とが、通信回線及び通信回路211Bを介して読み込まれる。
【0080】
その後、ステップS110において、上記同様、上記操作手段等の入力操作に基づく、無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ書き込みたい、書き込み情報が読み込まれる。
【0081】
そして、ステップS115に移り、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力しプラテンローラ用モータ208でプラテンローラ26を駆動し、タグテープ3Aの搬送を開始する。そして、ステップS116にて、上記テープ先頭検出センサ23がテープ先頭位置マークTMを検出したか否かを判断する。この判断が否定される場合はS116を繰り返し行われ、肯定される場合は、次のステップS120へ移行する。
【0082】
ステップS120において、印刷駆動回路205を介してサーマルヘッド31及びインクジェットヘッド50に制御信号を出力する。そして、サーマルヘッド31で、感熱紙3cの領域S2に、上記ステップS105で読み込んだ単色印刷情報に対応する文字、記号、バーコード等の単色印刷Rを印刷開始させる。また、インクジェットヘッド50で、感熱紙3cの領域S1に、上記ステップS105で読み込んだカラー印刷情報に対応するカラーコードQ1〜Q4を印刷開始させる。
【0083】
そして、ステップS125において、上記テープ搬送と印刷が行われている間に、上記無線タグ回路素子Toが、装置側アンテナ70に略対向する位置(言い換えれば装置側アンテナ70の略直上)到達する所定量だけタグテープ3Aが搬送されたかどうかを判定する。この判定は、ある基準位置からの搬送距離を所定の公知の方法(ステッピングモータであるプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路と209の出力するパルス数をカウントする等)で検出する。ステップS125の判定が満たされたら、ステップS130に移る。
【0084】
ステップS130では、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力し、ステップS115で開始したプラテンローラ用モータ208によるプラテンローラ26の駆動を停止させ、タグテープ3Aの搬送を停止する。
【0085】
その後、ステップS135において、無線タグ回路素子Toへ通信時に無線タグ回路素子Toからの応答がない場合において通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数Nを1に初期設定する。
【0086】
そして、ステップS140に移り、所望のデータを無線タグ回路素子Toのメモリ部155に書き込む「Write」コマンドを信号処理回路202に出力する。これに基づき信号処理回路202及び高周波回路201により「Write」信号(=例えばタグIDを含む無線タグ情報)が生成されて高周波回路201を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部155に情報が書き込まれる。
【0087】
その後、ステップS145において、データを読み出す「Read」コマンドを信号処理回路202に出力する。これに基づき信号処理回路202及び高周波回路201により「Read」信号が生成されて高周波回路201を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0088】
その後、ステップS150において、上記「Read」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ(応答)信号を装置側アンテナ70を介して受信(識別)し、高周波回路201及び信号処理回路202を介し取り込む。
【0089】
次に、ステップS155において、上記ステップS140〜ステップS150のアクセス処理で受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部155内に記憶された情報を確認する。すなわち、前述の送信した所定の情報がメモリ部155に正常に記憶されたか否か、つまり書き込みが成功したか否かを判定する。この判定は、例えば上記ステップS140で送信した「Write」信号に含まれる情報と、上記ステップS150で受信したリプライ信号に含まれる情報とが一致するかどうかで行う(公知のCRC符号を用いる手法等でもよい)。無線タグ回路素子Toのメモリ部155内に情報が正常に書き込まれている場合には判定が満たされ、ステップS160へ移る。
【0090】
ステップS160では、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力し、プラテンローラ用モータ208の駆動を開始して、プラテンローラ26の回転を再開する。これにより、タグテープ3Aの搬送が再開する。
【0091】
その後、ステップS165において、この時点で感熱紙3cの領域S1へのカラー印刷Q及び領域S2への単色印刷Rがすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS170へ移る。
【0092】
ステップS170では、タグテープ3Aの切断位置CL(図5(a)参照)がカッターユニット8の対向位置に到達したか否かを判定する。この判定も、前述のステップS125と同様の手法で行う。
【0093】
そして、ステップS175に移り、ステップS170の判定が満たされたことを受けて、上記ステップS130と同様にしてプラテンローラ50によるタグテープ3Aの搬送を停止し、次のステップS180に移る。
【0094】
ステップS180では、上記LED34に点灯制御信号を出力して点灯させ、カッターボタン7Cを操作することでタグテープ3Aを切断可能な状態であることを表示し、このフローを終了する。
【0095】
一方、前述のステップS155において、無線タグ回路素子Toのメモリ部155内へ情報が正常に書き込まれていない場合は、判定が満たされず、ステップS185に移る。
【0096】
ステップS185では、上記変数N=5かどうかが判定され、N≦4の場合は判定が満たされず、ステップS195に移ってNに1を加え、ステップS140に戻って同様の手順を繰り返す。このようにして書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。N=5の場合はステップS190に移り、エラー表示信号を入出力インターフェースを介して上記パーソナルコンピュータ又は端末等の表示手段に出力して、対応するエラー表示を行わせる。
【0097】
以上説明したように、本実施形態のタグラベル作成装置1においては、搬送されるタグテープ3Aの感熱紙3cにインクジェットヘッド50でカラー印刷Qを行い、またサーマルヘッド31で単色印刷Rを行う。また、装置側アンテナ70を介しタグテープ3Aに備えられた無線タグ回路素子Toに対し情報送受信が行われる。そして、上記カラー・単色印刷と情報送受信とが完了したタグテープ3Aを用いて、無線タグラベルTが作成される。
【0098】
このとき、カラー印刷QとしてカラーコードQ1〜Q4を印刷し、カラーコードつきの無線タグラベルTを作成することができる。その際、インクジェットヘッド50でタグテープ3Aの上記領域S1に限定しカラーコードQ1〜Q4を印刷する一方、領域S2に対し、サーマルヘッド31で単色印刷Rを行う。インクジェットヘッド50による印刷領域を限定していることにより、印刷時にインクジェットヘッド50をタグテープ3Aの搬送方向と交差する方向(例えば直交方向)に走査する必要がなくなる。この結果、インクジェットヘッド50を固定的に設けることができ、印刷時間の短縮を図ることができる。また、インクジェットヘッド50とサーマルヘッド31とでテープ幅方向に印刷を分担して行うことにより、テープ幅方向に長大なインクジェットヘッドを設けてすべての印刷を行う場合に比べ、コストダウンを図ることができる。以上の結果、コスト増大を抑制しつつ、短い時間で効率的にカラーコードQ1〜Q4つきの無線タグラベルTを作成することができる。特に、貼り付け機能を備えたラベル形式とすることで、対象物との対応関係を確実に維持することができ、また対象物の曲面形状部分や立設部分に対しても粘着できる効果もある。
【0099】
また、カラーコードは、一般に書類管理に広く用いられ、特に、縦向きに収納される書類の背表紙の手前側を包み込んで覆うように設けられる場合が多い。この場合、カラーコードは、背表紙を包み込むような山折り形状のラベルとして設けられるのが通常である。そこで、本実施形態では特に、上記インクジェットヘッド50で、使用時に無線タグラベルTを折り曲げるための折り曲げ予定線L1,L2を含む領域S1に対しカラー印刷を行う。これにより、折り曲げ予定線L1,L2で山折り形状にして、上述の背表紙側を覆うような配置で無線タグラベルTを貼り付けることができ、さらにそのときカラーコードQ1〜Q4が背表紙側に露出した態様でファイル80(すなわち書類81)を収納できる。したがって、容易にファイル管理を行うことができる。
【0100】
また、本実施形態では特に、サーマルヘッド31が、タグテープ3Aの搬送方向に沿って、インクジェットヘッド50よりも上流側に配置されている。これにより、サーマルヘッド50による単色印刷Rがインクジェットヘッド50によるカラー印刷Qよりも先に行われる。この結果、インクジェットヘッド50により印刷されたカラー印刷Qのインクに余分な熱や圧力を加えることがない。これにより、見栄えがよく美観性に優れたカラー印刷Qを行うことができる。
【0101】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toが、インクジェットヘッド50でカラー印刷Qが行われるタグテープの領域S1に配置されている。これにより、サーマルヘッド31が単色印刷Rを行うときに発生する熱により、無線タグ回路素子Toの耐久性が低下するのを防止することができる。また上述のようにファイル80の管理時に背表紙に設けられるカラーコードQ1〜Q4の近傍に無線タグ回路素子Toが位置する(=ファイル80の内部に埋もれることなく背表紙側に露出する)こととなるため、ファイル80を収納したときに、無線タグ回路素子Toへの通信を良好に行える効果もある。
【0102】
また、本実施形態では特に、無線タグ回路素子Toに対し折り曲げ予定線L1,L2がタグテープ3Aの幅方向両側に配置されている(無線タグ回路素子Toの位置を折り曲げ予定線が通らない)。これにより、折り曲げ予定線L1,L2での無線タグラベルTの折り曲げ時に、誤って無線タグ回路素子Toを破損させるのを防止することができる。
【0103】
なお、上記実施形態において、装置側アンテナ70は、前述したように、タグテープ3Aの搬送方向に沿ってサーマルヘッド31よりも上流側に配置されている。これにより、装置側アンテナ70を介した情報送受信結果に対応した印刷態様とすることも可能である。すなわち、例えば通信不良の場合には、印刷を行わない、若しくは、不良である旨を識別可能な印刷を行う(『NG』と印字する等)等の対応も可能である。この印字は、サーマルヘッド31の単色印刷で行えば足りる。
【0104】
なお、上記実施形態において、図11に示すステップS120で、装置側アンテナ70を介した情報送受信内容に対応した態様(色、デザイン)でカラーコードQ1〜Q4を印刷するように、インクジェットヘッド50を制御するようにしてもよい(=印刷制御手段)。この場合、ステップS105におけるカラー印刷情報が、その後にステップS110で入力される書き込み情報に対応した態様に予め設定されていれば足りる。あるいはステップS105を省略して、ステップS110においてIC回路部150への書き込み情報を読み込み、その後、その読み込んだ書き込み情報に応じた態様(色、デザイン)のカラーコードQ1〜Q4となるようにカラー印刷情報を設定してもよい。この場合、以下のような効果がある。
【0105】
すなわち、通常、無線タグ回路素子Toに書き込み可能な情報の方がカラーコードQ1〜Q4に付加される情報よりも多い。このことに対応し、書き込み情報等の情報送受信内容に対応した態様でカラーコードQ1〜Q4を印刷するように制御すれば、無線タグ回路素子Toに書き込む情報の一部をカラーコードに用いる等によって、無線タグ回路素子To側とカラーコード側との情報を互いに関連づけることができる。この結果、書類の棚卸し管理等、管理上の利便性をさらに向上させることができる。
【0106】
逆に、図11に示すステップS140で、インクジェットヘッド50により印刷されるカラーコードQ1〜Q4の態様に対応した情報を、装置側アンテナ70を介し無線タグ回路素子Toに書き込むように制御してもよい(書き込み制御手段)。この場合、ステップS110で入力される書き込み情報が、ステップS105で入力されるカラー印刷情報に対応した内容に予め設定されていれば足りる。あるいはステップS110において、ステップS105で読み込んだカラー印刷情報に応じた内容の書き込み情報となるように設定してもよい。この場合、まず印刷されるカラーコードQ1〜Q4が決められ、そのカラーコードQ1〜Q4に対応した情報が無線タグ回路素子Toへの書き込み情報に設定される。この場合、以下のような効果がある。
【0107】
すなわち、カラーコードQ1〜Q4に対応した情報を、無線タグ回路素子Toに書き込むようにすることで、無線タグ回路素子To側とカラーコード側との情報を互いに関連づけることができる。この結果、書類の棚卸し管理等、管理上の利便性をさらに向上させることができる。
【0108】
なお、上記実施形態においては、タグテープ3Aが、熱により発色し印字形成可能な感熱材料からなる感熱紙3cを備えていた(単色印刷Rをサーマルヘッドからの感熱転写により行った)が、本発明はこれに限られない。すなわち、感熱紙3cに代え、インクリボンからの熱転写により印字形成可能な被転写材料により構成された転写層(レセプタ層)を備えたタグテープ3Aを用いる(単色印刷Rをインクリボンを介したサーマルヘッドの熱転写で行う)ようにしてもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
【0109】
また、以上において、無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)及び印刷の終了したタグテープ3Aをカッターユニット8で切断して無線タグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がローラから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッターユニット8で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印刷がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0110】
また、以上において、カッターユニット8の動作をカッターボタン7Cを操作することで行っていたが、制御部210からの制御命令に基づいてカッターユニット8を動作させても良い。
【0111】
また、以上においては、タグテープ3Aに備えられた被印字層(上記感熱紙3cや転写層)に印刷を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)であったが、これに限られない。すなわち、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープとは別個の被印字テープに上記カラー印刷Q及び単色印刷Rを行い、それら基材テープと印刷後の被印字テープとを貼り合わせるいわゆるラミネート方式に本発明を適用してもよい。
【0112】
さらに、以上は、タグテープ3Aがテープホルダ3でロール状とされ、テープホルダ収納部4に配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印刷及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0113】
さらには上記タグテープロールを直接タグラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらには上記テープホルダ3を用いたロール構造のようなタグラベル作成装置1側へ着脱可能な構造にも限られず、タグラベル作成装置1側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてタグテープロールを設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0114】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0115】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置の外観を示す前側上方からの斜視図である。
【図2】図1のタグラベル作成装置の上カバーを開いた状態を示す右側上方からの斜視図である。
【図3】図1のタグラベル作成装置の上カバーを開いた状態を一部破断して示す左側上方からの斜視図である。
【図4】図3中IV−IV断面による断面図である。
【図5】装置側アンテナ、サーマルヘッド及びインクジェットヘッドとタグテープとの位置関係を示す説明図であり、図5(a)はタグテープの感熱紙側から見た下面図、図5(b)は図5(a)中V−V断面による断面図である。
【図6】タグテープに備えられる無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図7】無線タグラベルの構成例の一例を示す図であり、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)中VIIb−VIIb断面による断面図、図7(c)は中VIIc−VIIc断面による断面図である。
【図8】図7の無線タグラベルを書類のファイルに使用した例を示す斜視図である。
【図9】タグラベル作成装置の制御系を示す概念図である。
【図10】高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図11】制御回路によって実行される制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
1 タグラベル作成装置
3A タグテープ(タグラベル媒体)
3c 感熱紙
4 テープホルダ収納部(ロール設置部)
8 カッターユニット
26A 駆動軸(搬送手段)
31 サーマルヘッド
50 インクジェットヘッド
70 装置側アンテナ
150 タグアンテナ
151 IC回路部
201 高周波回路
210 制御回路
L1,L2 折り曲げ予定線
S1 領域
S2 領域
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグアンテナとを備えた無線タグ回路素子を、幅方向一方側領域に備えたタグテープを搬送するための搬送手段と、
前記搬送手段で搬送される前記タグテープの前記幅方向一方側領域に対しカラー印刷を行うように、動作時に移動しないように固定的に設けられたインクジェットヘッドと、
前記搬送手段で搬送される前記タグテープのうち、前記幅方向一方側領域以外の幅方向他方側領域に対し、印刷可能に設けられたサーマルヘッドと、
前記無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う装置側アンテナとを有し、
上記インクジェットヘッド及び前記サーマルヘッドによる印刷を行って、無線タグラベルを作成する
ことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
前記サーマルヘッドは、
前記タグテープの前記幅方向一方側領域に一部重なるように印刷するように設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のタグラベル作成装置。
【請求項3】
前記インクジェットヘッドは、
前記無線タグラベルの使用時に当該無線タグラベルを折り曲げるための折り曲げ予定線を含む前記幅方向一方側領域に対し、前記カラー印刷を行い、
前記サーマルヘッドは、
少なくとも、前記折り曲げ予定線を含まない前記幅方向他の領域に対し印刷を行い、
前記装置側アンテナは、
平面視で見て前記折り曲げ予定線を含まないように、前記折り曲げ予定線より前記タグテープの幅方向一方側又は幅方向他方側に配置された前記無線タグ回路素子に対し、前記情報送受信を行う
ことを特徴とする請求項2記載のタグラベル作成装置。
【請求項4】
前記インクジェットヘッドは、
前記幅方向一方側端部に対し、前記折り曲げ予定線を含むようにカラー識別子の印刷を行う
ことを特徴とする請求項3記載のタグラベル作成装置。
【請求項5】
前記搬送手段による前記タグテープの搬送方向に沿って、前記サーマルヘッドを、前記インクジェットヘッドよりも上流側に配置し、
前記搬送手段による前記タグテープの搬送方向に沿って、前記装置側アンテナを、前記サーマルヘッドよりも上流側に配置した
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置。
【請求項6】
前記装置側アンテナを介した情報送受信内容に対応した態様の前記カラー識別子を印刷するように、前記インクジェットヘッドを制御する印刷制御手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のタグラベル作成装置。
【請求項7】
前記インクジェットヘッドにより印刷される前記カラー識別子の態様に対応した情報を、前記装置側アンテナを介し前記無線タグ回路素子に書き込む書き込み制御手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のタグラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−237670(P2009−237670A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79843(P2008−79843)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】