説明

タグ用ラベル

【課題】 タグ用ラベルをバスケットの手提げ部分等に簡単に取り付けることができると共に、すでに手提げ部分等に取り付けられたタグ用ラベルが、他のバスケットの手提げ部分等に付け替えられるのを確実に防止できるようにする。
【解決手段】 片面に粘着剤層11が設けられた帯状のラベル10を、片面に剥離層21が形成された帯状の剥離シート20における剥離層の上に剥離可能に貼付させ、このラベルの一端部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させるタグ用ラベル1において、剥離シートにラベルを剥離させる方向と反対方向に突出した剥離抑止用切込み22を設けると共に、剥離シートの剥離層から剥離されるラベルの部分に切断用切込み12を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バスケットの手提げ部分等に巻き掛けるようにして取り付けるタグ用ラベルに係り、特に、片面に粘着剤層が設けられた帯状のラベルを、片面に剥離層が形成された帯状の剥離シートにおける剥離層の上に剥離可能に貼付させ、このラベルの一部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させるようにしたタグ用ラベルにおいて、このタグ用ラベルをバスケットの手提げ部分等に巻き掛けるようにして簡単に取り付けることができると共に、すでにバスケットの手提げ部分等に取り付けられたタグ用ラベルが、他のバスケットの手提げ部分等に付け替えられるのを確実に防止できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飛行機等の交通手段を用いてトランクやバッグ等の荷物を輸送する場合、トランクの取手部分やバッグの手提げ部分等にタグを巻き掛けるようにして取り付けることが行われている。
【0003】
また、近年においては、スーパーマーケット等での買い物の際に、ビニール袋を使用せずに、個人用のバスケットを持参し、レジでこの個人用のバスケットの中に購入商品を詰め替えることが行われるようになっている。また、個人用のバスケットに顧客が商品を詰め、レジで精算した後、このバスケットをそのまま持ち帰るようにすることも計画されている。
【0004】
そして、このように購入商品を個人用のバスケットに詰めるようにした場合において、すでに精算が終了しているかを明確にするため、購入商品を詰めた個人用のバスケットの手提げ部分等に精算済みを示すタグを取り付けることも検討されている。
【0005】
ここで、従来においては、特許文献1に示されるように、一端部に貼着剤を付与したタグを手荷物の取手部分等に巻き掛け、このタグの一端部に設けられた貼着剤をタグの他方の端部に貼付させて、タグを手荷物の取手部分等に取り付けるようにしたものが用いられている。
【0006】
しかし、このようにタグの一端部に設けられた貼着剤をタグの他方の端部に貼付させるようにしただけでは、上記の貼着剤によって貼付されたタグの他方の端部を剥離させることができ、このタグを他の手荷物等に付け替えたり、また精算が終了していない他のバスケットの手提げ部分等に精算済みを示すタグを付け替えたりされるおそれがあった。
【0007】
また、従来においては、特許文献2に示されるように、タグの基材に熱融着性の基材を用い、或いはタグの基材の裏面に熱融着性物質を付与し、このタグを手荷物の取手部分等に巻き掛けた後、この基材における熱融着部を接合させて加熱融着させるようにしたものも提案されている。
【0008】
しかし、このようにタグを手荷物の取手部分等に巻き掛けた後、この基材における熱融着部を接合させて加熱融着させるためには、加熱融着させるための加熱装置などが必要になり、タグを取り付ける作業が非常に面倒になると共に、コストも高くつくという問題があった。
【特許文献1】実開昭60−110869号公報
【特許文献2】特開平7−56513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、バスケットの手提げ部分等に巻き掛けるようにしてタグを取り付ける場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
すなわち、この発明において、片面に粘着剤層が設けられた帯状のラベルを、片面に剥離層が形成された帯状の剥離シートにおける剥離層の上に剥離可能に貼付させ、このラベルの一部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させるようにしたタグ用ラベルを用い、このタグ用ラベルをバスケットの手提げ部分等に巻き掛けるようにして簡単に取り付けることができると共に、すでにバスケットの手提げ部分等に取り付けられたタグ用ラベルが、他のバスケットの手提げ部分等に付け替えられたりするのを確実に防止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明においては、上記のような課題を解決するため、片面に粘着剤層が設けられた帯状のラベルを、片面に剥離層が形成された帯状の剥離シートにおける剥離層の上に剥離可能に貼付させ、このラベルの一端部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させるタグ用ラベルにおいて、上記の剥離シートにラベルを剥離させる方向と反対方向に突出した剥離抑止用切込みを設けると共に、この剥離シートの剥離層から剥離されるラベルの部分に切断用切込みを設けた。
【0012】
ここで、上記のタグ用ラベルにおいて、上記の剥離シートにラベルを剥離させる方向と反対方向に突出した剥離抑止用切込みを設けるにあたっては、この剥離抑止用切込みを剥離シートの幅方向中央部に設けると共に、この剥離抑止用切込みの両側における剥離シートの部分にミシン目等の折り目線を設けるようにすることが好ましい。
【0013】
また、上記のタグ用ラベルにおいて、剥離シートの剥離層から剥離されるラベルの部分に設ける切断用切込みは特に限定されないが、例えば、波形状の切込みを、ラベルを剥離させる方向と交差する方向に設けるようにすることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明においては、片面に粘着剤層が設けられた帯状のラベルを、片面に剥離層が形成された帯状の剥離シートにおける剥離層の上に剥離可能に貼付させ、このラベルの一端部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させるタグ用ラベルにおいて、剥離シートにラベルを剥離させる方向と反対方向に突出した剥離抑止用切込みを設けたため、この剥離抑止用切込みによりラベルの剥離が抑止されて、ラベルの一端部だけを剥離シートの剥離層から適切に剥離させることができ、ラベルの一端部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させる作業が簡単に行えるようになる。
【0015】
また、この発明においては、この剥離シートの剥離層から剥離されるラベルの部分に切断用切込みを設けたため、上記のようにラベルの一端部を剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させた後、このように剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させたラベルの一端部を剥離させる際には、ラベルがこの切断用切込みにおいて切断されるようになる。
【0016】
このため、この発明のタグ用ラベルにおいては、このタグ用ラベルをバスケットの手提げ部分等に巻き掛けるようにして取り付けることが簡単に行えるようになると共に、このようにタグ用ラベルをバスケットの手提げ部分等に巻き掛けるようにして取り付けた後、このタグ用ラベルをバスケットの手提げ部分等から取り外す場合には、上記のようにラベルが切断用切込みにおいて切断され、このタグ用ラベルを他のバスケットの手提げ部分等に付け替えたりすることができなくなる。
【0017】
また、この発明のタグ用ラベルにおいて、剥離シートにラベルを剥離させる方向と反対方向に突出した剥離抑止用切込みを設けるにあたり、上記のように剥離抑止用切込みを剥離シートの幅方向中央部に設けると共に、この剥離抑止用切込みの両側における剥離シートの部分にミシン目等の折り目線を設けると、この剥離抑止用切込みの両側における折り目線の部分において剥離シートを折り曲げて、ラベルの一端部を剥離シートにおける剥離抑止用切込みの部分まで剥離させることが簡単に行えるようになる。なお、この折り目線は、上記のミシン目に限られず、剥離シートの厚み方向にハーフカットされた切れ目等であってもよく、容易に剥離シートを折り曲げることができるものであればどのようなものであってもよい。
【0018】
また、この発明のタグ用ラベルにおいて、剥離シートの剥離層から剥離させるラベルの部分に設ける切断用切込みとして、ラベルを剥離させる方向と交差する方向に波形状の切込みを設けると、上記のようにラベルの一部を剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させた後、このように剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させたラベルの部分を、ラベルの先端側及び反対側の何れの方向から剥離させるようにしても、ラベルがこの波形状の切込みの部分において切断されるようになり、タグ用ラベルが他のバスケットの手提げ部分等に付け替えられるのを確実に防止できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、この発明の実施形態に係るタグ用ラベルを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るタグ用ラベルは、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
この実施形態に係るタグ用ラベル1においては、図1〜図3に示すように、片面に粘着剤層11が設けられた帯状のラベル10を、片面に剥離層21が形成された帯状の剥離シート20における剥離層20の上に剥離可能に貼付させるようにしている。
【0021】
そして、このタグ用ラベル1においては、図1に示すように、剥離シート20における剥離層20から剥離させるラベル10の一端側の部分に、切断用切込み12として、ラベル10を剥離させる方向と交差する方向に連続した波形状になった複数の切込みを設けている。
【0022】
また、このタグ用ラベル1においては、図2に示すように、ラベル10が剥離される剥離シート20の端部側の部分において、この剥離シート20の幅方向中央部にラベル10を剥離させる方向と反対方向に溝形状に突出した剥離抑止用切込み22を設けると共に、この剥離抑止用切込み22の両側にミシン目23からなる折り目線を設けている。
【0023】
そして、このタグ用ラベル1をバスケット等の手提げ部分2に巻き掛けるようにして取り付けるにあたっては、図4に示すように、このタグ用ラベル1を手提げ部分2に通し、上記の剥離シート20における剥離抑止用切込み22の両側に設けられたミシン目23に沿って剥離シート20を折り曲げるようにすると共、上記のように切断用切込み12が設けられたラベル10の一端部を剥離シート20の剥離層20から剥離させるようにする。
【0024】
ここで、このようにラベル10の一端部を剥離シート20の剥離層20から剥離させるようにすると、剥離シート20の幅方向中央部に設けられた剥離抑止用切込み22の部分にラベル10が貼付された状態で残り、ラベル10の剥離がこの剥離抑止用切込み22によって抑制され、剥離シート20における切断用切込み12及びミシン目23の位置までラベル10を適切に剥離させることができるようになる。
【0025】
そして、このようにラベル10の一端部を剥離シート20の剥離層20から剥離させたタグ用ラベル1を、図5に示すように、手提げ部分2に巻き掛けるようにして、剥離されたラベル10の部分における粘着剤層11を剥離層21が形成されていない剥離シート20の面に貼付させて、このタグ用ラベル1を手提げ部分2に巻き掛けて取り付けるようにする。なお、この実施形態においては、図5に示すように、ラベル10の他端側に対向する剥離シート20の部分に貼付させるようにしている。
【0026】
このようにしてタグ用ラベル1を手提げ部分2に巻き掛けて取り付けた後、このタグ用ラベル1を手提げ部分2から取り外すにあたり、剥離層21が形成されていない剥離シート21の面に貼付されたラベル10の一端部を剥離させるようにした場合、貼付されたラベル10の先端側及び反対側の何れの方向から剥離させるようにしても、貼付されたラベル10が上記の波形状になった切断用切込み12の部分において切断されるようになり、このタグ用ラベル1を他のバスケット等の手提げ部分2に付け替えたりすることができなくなる。
【0027】
なお、この実施形態に係るタグ用ラベル1においては、ラベル10の一端側の部分に切断用切込み12を設けるにあたり、ラベル10を剥離させる方向と交差する方向に連続した波形状になった複数の切込みを設けるようにしたが、切断用切込み12はこのようなものに限定されず、例えば、図6に示すように、ラベル10を剥離させる方向と交差する方向に連続したジクザク状になった複数の切込みを設けるようにする等、様々な状態になった切断用切込み12を設けることができる。
【0028】
また、上記のようにラベル10の一端側の部分に連続した波形状やジクザク状になった複数の切断用切込み12を設けた場合、上記のラベル10の厚みが薄くて、このような切断用切込み12が設けられた部分におけるラベル10の強度が弱くなると、上記のようにラベル10の一端部を剥離シート20の剥離層20から剥離させる際に、この切断用切込み12によってラベル10が切断されるおそれがある。
【0029】
このため、波形状になった切断用切込み12として、図7に示すように、波形状になった切込みにおける山と谷の一部の切込みをなくして断続的な波形状等になった切込みを設けるようにすることも可能である。なお、このように波形状になった切込みにおける山と谷の一部の切込みをなくして断続的な波形状になった切断用切込み12を設けるにあたり、山と谷のいずれか一方における切込みだけをなくした場合、上記のように剥離層21が形成されていない剥離シート21の面に貼付させたラベル10の一端部を剥離させる際に、ラベル10を特定の方向から剥離させた時に、貼付されたラベル10が切断されなくなるおそれがあるため、図7に示すように、山の一部の切込みがない断続的な波形状の切断用切込み12aと、谷の一部の切込みがない断続的な波形状の切断用切込み12bとを組み合わせて設けるようにすることが好ましい。
【0030】
また、この実施形態に係るタグ用ラベル1においては、ラベル10が剥離される剥離シート20の端部側の部分において、この剥離シート20に剥離抑止用切込み22を設けるにあたり、剥離シート20の幅方向中央部にラベル10を剥離させる方向と反対方向に溝形状に突出した剥離抑止用切込み22を設けるようにしたが、この剥離抑止用切込み22を剥離シート20の幅方向片側に設けるようにしたり、またラベル10を剥離させる方向と反対方向に突出させる剥離抑止用切込み22の形状を変更させるようにしたりすることも可能である。
【0031】
そして、このようにラベル10を剥離させる方向と反対方向に突出させる剥離抑止用切込み22の形状を変更させるにあたっては、例えば、図8に示すように、上記の剥離抑止用切込み22の幅がラベル10の剥離方向と反対方向に向かって広がるように形成したり、図9に示すように、上記の剥離抑止用切込み22の幅がラベル10の剥離方向に向かって広がるように形成したりすることができ、また突出させる部分の形状を半円状等に変更させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係るタグ用ラベルの概略平面図である。
【図2】上記の実施形態に係るタグ用ラベルの概略底面図である。
【図3】上記の実施形態に係るタグ用ラベルにおいて、ラベルを剥離シートにおける剥離層の上に剥離可能に貼付させた状態を示した部分拡大断面図である。
【図4】上記の実施形態に係るタグ用ラベルをバスケット等の手提げ部分に巻き掛けるようにして取り付けるにあたり、タグ用ラベルを手提げ部分に通して、ラベルの一端部を剥離シートの剥離層から剥離させた状態を示した概略説明図である。
【図5】上記の実施形態に係るタグ用ラベルをバスケット等の手提げ部分に巻き掛けるようにして取り付けた状態を示した概略説明図である。
【図6】上記の実施形態に係るタグ用ラベルにおいて、ラベルの一端側の部分に設ける切断用切込みの状態を変更させた第1の変更例の部分平面図である。
【図7】上記の実施形態に係るタグ用ラベルにおいて、ラベルの一端側の部分に設ける切断用切込みの状態を変更させた第2の変更例の部分平面図である。
【図8】上記の実施形態に係るタグ用ラベルにおいて、ラベルが剥離される剥離シートの端部側の部分に設ける剥離抑止用切込みの状態を変更させた第3の変更例の部分底面図である。
【図9】上記の実施形態に係るタグ用ラベルにおいて、ラベルが剥離される剥離シートの端部側の部分に設ける剥離抑止用切込みの状態を変更させた第4の変更例の部分底面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 タグ用ラベル
2 手提げ部分
10 ラベル
11 粘着剤層
12,12a,12b 切断用切込み
20 剥離シート
21 剥離層
22 剥離抑止用切込み
23 ミシン目(折り目線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に粘着剤層が設けられた帯状のラベルを、片面に剥離層が形成された帯状の剥離シートにおける剥離層の上に剥離可能に貼付させ、このラベルの一端部を剥離シートの剥離層から剥離させて剥離層が形成されていない剥離シートの面に貼付させるタグ用ラベルにおいて、上記の剥離シートにラベルを剥離させる方向と反対方向に突出した剥離抑止用切込みを設けると共に、この剥離シートの剥離層から剥離されるラベルの部分に切断用切込みを設けたことを特徴とするタグ用ラベル。
【請求項2】
請求項1に記載のタグ用ラベルにおいて、上記の剥離抑止用切込みを剥離シートの幅方向中央部に設けると共に、この剥離抑止用切込みの両側における剥離シートの部分に折り目線を設けたことを特徴とするタグ用ラベル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のタグ用ラベルにおいて、剥離シートの剥離層から剥離されるラベルの部分に設ける切断用切込みとして、ラベルを剥離させる方向と交差する方向に波形状の切込みを設けたことを特徴とするタグ用ラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−122544(P2010−122544A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297445(P2008−297445)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)