説明

タッチスクリーンを経てのデータ入力を容易にするための方法、装置及びコンピュータプログラム製品

【課題】タッチスクリーンを経てのデータ入力を容易にするための方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】ユーザが自分の指をタッチスクリーンに置くと、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置の近くでタッチスクリーンに表示される他のアイテムに対する位置にカーソルが表示される。カーソルは、今や、おそらくユーザの指で遮られるので、カーソルを含めて、タッチスクリーンに表示されるアイテムをシフト又はスクロールし、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置からカーソルをオフセットさせる。同時に、タッチスクリーンに表示されるアイテムを拡大し、データ入力を更に容易にする。この点において、ユーザは、自分の指をシフト又は傾斜して、希望のカーソル配置を得るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に、電子装置のタッチスクリーンに係り、より詳細には、タッチスクリーンを経ての電子装置へのデータの入力を容易にするための技術に係る。
【背景技術】
【0002】
技術の改良につれて、セルラー電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ページャー、等の電子装置は、益々小型化されると思われる。このサイズ減少に伴い、ほぼ必然的に、これら装置のディスプレイスクリーンのサイズも減少される。同時に、技術の別の進歩で、これらディスプレイスクリーンがそれに対応する電子装置のための入力装置として使用されている。多くの電子装置のディスプレイスクリーンは、タッチ感知入力装置又はタッチスクリーンである。しかしながら、ディスプレイは、時代と共に小さくなりつつあると思われるので、ディスプレイスクリーンをタッチ感知入力装置として使用することが若干困難になっている。これは、個人が自分の指を使用して、タッチスクリーンに表示された選択可能なアイテムを選択するように意図された場合に、特に言えることである。ユーザが、タッチスクリーンに表示された小さなアイテム上に自分の指を置いたときに、指は、おそらく、アイテムを完全に遮ると共に、表示された隣接アイテムの幾つかにオーバーラップする。その結果、どのアイテムをユーザが選択したかユーザが確かめることが不可能でないまでも困難である。
【0003】
比較的小さなタッチ感知入力装置又はタッチスクリーンへのデータ入力を容易にするために多数の解決策が提案されている。しかしながら、これら解決策の各々は、少なくとも1つの欠点がある。1つの解決策は、アイテムを選択するカーソル又は他の手段が選択可能なアイテムに対してある接近距離内にあるときにタッチスクリーン上の選択可能なアイテムを動的に拡大することである。この解決策によれば、カーソルが選択可能なアイテムに対してある接近距離内に入ると、選択可能なアイテムの拡大バージョンを表示するウインドウが、選択可能なアイテムの真上にオープンする。カーソルが選択可能なアイテムのより近くへ移動するにつれて、カーソルが拡大ウインドウに達するまで選択可能なアイテムのウインドウサイズ及び倍率が増加する。この解決策の欠点は、選択可能なアイテムが単一の行及び列にあるのではなくタッチスクリーン全体にわたって分散されている場合に実施が困難なことである。特に、ユーザが選択したいアイテムが、他の選択可能なアイテムにより取り囲まれている場合には、カーソルがその意図されたアイテムの近くへ移動するときに、それを取り巻くアイテムの1つがおそらく拡大され、これにより、意図されたアイテムを見て選択することを、不可能でないまでも、潜在的に困難なものにする。
【0004】
第1の解決策に対する前記欠点を解決する別の解決策は、ユーザがあるボタンを操作したときだけ選択可能なアイテムの拡大バージョンを表示するウインドウをオープンすることである。しかしながら、この解決策は、付加的なステップを必要とし、更に、データを入力するために両手操作で電子装置を操作することになり、理想的ではない。提案された第3の解決策は、ウインドウの下に何があるかの拡大ビューを含めてウインドウを表示し続けることである。この解決策では、ウインドウは、その縁が充分に画成されず、ウインドウの縁において倍率が滑らかに減少する。しかしながら、この解決策では、拡大ウインドウがカーソルと共に移動し、拡大ウインドウが不安定に、せかせか及びふらふら見えるようにし得る。それ故、この解決策は、タッチスクリーンへのデータ入力を容易にするものではない。
【0005】
以上に加えて、上述した各解決策は、選択可能なアイテムの拡大バージョンを表示するウインドウが選択可能なアイテムの真上に現れるという点で、更に別の欠点がある。例えば、個人が自分の指を使用し、最も一般的には、(例えば、個人が電子装置を片手で操作する場合に)自分の親指を使用して、タッチスクリーン上のアイテムを選択する場合に、倍率、ひいては、ウインドウは、選択されるアイテムが個人の指の下から見えるようにするために相当に大きくなければならない。ディスプレイスクリーンの前記制限サイズが与えられると、大倍率のウインドウをもつことは、望ましくなく、実際上、ある環境では、不可能である。更に、個人の指の下を見ることができるように拡大ウインドウが充分大きくても、選択可能なアイテムの少なくとも一部分は、依然として、常に遮られることがある。
【0006】
比較的小さなタッチ感知入力装置又はタッチ感知スクリーンへのデータ入力を容易にする解決策であって、前記欠点に対処する更に別の提案された解決策は、拡大又は非拡大のウインドウを、選択可能なアイテムの上、下、左、又は右へオフセットすることである。拡大の場合には、この解決策及び前記解決策は、グラフィックユーザインターフェイスの部分を拡大するのに、一般的に、セルラー電話のような電子装置で常に利用できないベクトルグラフィックを必要とし、従って、これらの解決策は、ある場合には、潜在的に考えられないものである。
【0007】
更に、オリジナルビューのコンテンツがウインドウにおいて拡大される場合には、震えを含む指移動の振幅も拡大されることがある。例えば、ウインドウのコンテンツが、そのサイズを2倍(即ち、倍率2x)にするように拡大される場合には、指移動がウインドウのコンテンツを2倍の速度で移動させる。これは、ウインドウ内のビューがせかせかして見えるようにし、制御を困難なものにする。この問題は、たとえビューの拡大が2:1であっても、動きの「利得」(即ち、ウインドウコンテンツの移動/指の移動)を1:1の比として保持することにより解消できる。不都合なことに、これは、ユーザがキャラクタのストリングを選択する(即ち、「ペイント」する)必要があるときに新たな問題を引き起こすことがある。特に、この状況においては、指がストリングの端に到達するときまでに、ウインドウ及びポインタは、ストリングに沿って途中にしかない。換言すれば、指及びポインタは、もはや同じアイテムを指していない。
【0008】
加えて、オフセットウインドウを使用すると、コンテンツが拡大されるかどうかに関わらず、更に別の欠点を招く。特に、上述したように、タッチスクリーンのサイズがかなり小さい。その結果、オリジナル表示上に改良を与えるに足るほど大きくアイテムを表示する付加的なウインドウをスクリーン上に表示するに充分な余裕がない。加えて、オリジナルタッチスクリーン表示のコンテンツは、ユーザの指で遮られるだけでなく、オフセットウインドウによっても遮られる。データ入力を更に容易にするためにオフセットウインドウのサイズを増加するにつれて、オリジナルタッチスクリーン表示が益々遮られることになる。
【0009】
提案されている更に別の解決策は、ユーザが自分の指を置く位置の真上に、ユーザが狙いをつけるために使用できる十字線のセットを設けることである。この解決策にも多数の欠点が存在する。特に、1つの欠点は、タッチスクリーン上のあるアイテムを選択するために自分の指をどこに置くべきかユーザがある程度推定することを強制することである。というのは、ユーザは、そのアイテムの位置においてスクリーンにもはや単純にタッチできないからである。更に、タッチスクリーンの縁の1つ付近の位置でアイテムを選択したりカーソルを置いたりすることが非常に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、比較的小さなタッチ感知入力装置又はタッチスクリーンへのデータ入力を容易にする技術であって、少なくとも上述した欠点を克服する技術が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般的に、本発明の実施形態は、とりわけ、タッチ感知入力装置又はタッチスクリーンを経て電子装置へのデータ入力を容易にするための方法であって、ユーザがタッチスクリーンにタッチしたときに、タッチスクリーンに表示されたアイテムを自動的にシフト又はスクロールして、ユーザがタッチスクリーン上にカーソルを置いた厳密な位置をユーザが容易に見られるようにする方法を提供することにより、改良を提供する。特に、一実施形態によれば、ユーザは、タッチスクリーン上の物理的位置においてタッチスクリーンにタッチする。この入力又は接触を検出すると、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置の近くでタッチスクリーンに表示されるアイテム(例えば、アイコン、テキスト、等)に対する位置においてタッチスクリーンにカーソルが表示される。換言すれば、ユーザが自分の指を使用してタッチスクリーンにタッチする場合には、カーソルがユーザの指の真下に表示される。タッチスクリーンに表示されるカーソル及び種々のアイテムは、今や、おそらく、ユーザの指で遮られるので、一実施形態によれば、カーソルを含めて、タッチスクリーンに表示されるアイテムは、自動的にシフト又はスクロールされ、カーソルは、今や、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置からオフセットされる。例えば、一実施形態では、タッチスクリーンに表示される全てのアイテムが上方にシフト又はスクロールされる。或いは又、例えば、ユーザがスクリーンの上縁付近でタッチスクリーンにタッチする場合には、表示されるアイテムが下方及び/又は左又は右にシフトされる。同時に、一実施形態では、タッチスクリーンに表示されるアイテムは、データ入力を更に容易にするために拡大されてもよい。
【0012】
1つの態様によれば、タッチ感知入力装置を経てのデータ入力を容易にするための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、(1)タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出し、(2)その物理的位置の近くでタッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示し、そして(3)更なるユーザ対話を伴わずに、タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、カーソルの相対的位置を、検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせることを含む。
【0013】
一実施形態において、この方法は、更に、タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテム間の距離を決定することも含む。この実施形態において、タッチ感知入力装置に表示されたアイテムは、その距離が所定のスレッシュホールド(例えば、平均的な指先の巾の規定部分)より小さいときだけ並進移動される。
【0014】
別の実施形態において、この方法は、更に、タッチ感知入力装置の垂直方向のどちらの半分(例えば、上又は下)、水平方向のどちらの半分(例えば、左又は右)、或いはどちらの象限(例えば、左上、右上、左下、又は右下)に物理的位置が入るか決定することも含む。これらの実施形態では、タッチ感知入力装置に表示されたアイテムを並進移動することは、物理的位置が入る半分又は象限に基づいて、アイテムを上方、下方、左、右、又はその組合せでシフトすることを含む。
【0015】
別の態様によれば、タッチ感知入力装置を経てのデータ入力を容易にするための装置が提供される。一実施形態において、この装置は、(1)タッチ感知入力装置上の物理的位置においてユーザからの触覚入力を検出し、(2)その物理的位置の近くでタッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示し、そして(3)更なるユーザ対話を伴わずに、タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、カーソルの相対的位置を、検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせる、というように構成されたプロセッサを備えている。
【0016】
更に別の態様によれば、タッチ感知入力装置を経てのデータ入力を容易にするためのコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分が記憶された少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。一実施形態のコンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、(1)タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出するための第1の実行可能な部分と、(2)その物理的位置の近くでタッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示するための第2の実行可能な部分と、(3)更なるユーザ対話を伴わずに、タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、カーソルの相対的位置を、検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせるための第3の実行可能な部分と、を備えている。
【0017】
別の態様によれば、タッチ感知入力装置を経てのデータ入力を容易にするための装置が提供される。一実施形態において、この装置は、(1)タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出するための手段と、(2)その物理的位置の近くでタッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示するための手段と、更なるユーザ対話を伴わずに、タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、カーソルの相対的位置を、検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせるための手段と、を備えている。
【0018】
本発明を一般的に上述したが、必ずしも正しいスケールで描かれていない添付図面を参照して、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態により動作することのできる移動ステーションのブロック回路図である。
【図2】本発明の一実施形態により、タッチ感知入力装置を経ての電子装置へのデータ入力を容易にするために行われるオペレーションを示すフローチャートである。
【図3A】本発明の一実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答してタッチスクリーンを上方にスクロールすることによりデータ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【図3B】本発明の一実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答してタッチスクリーンを上方にスクロールすることによりデータ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【図3C】本発明の一実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答してタッチスクリーンを上方にスクロールすることによりデータ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【図4A】本発明の別の実施形態により、タッチスクリーン上のカーソルの配置を位置付けし直す技術を示す電子装置タッチスクリーンの付加的なスクリーンショットである。
【図4B】本発明の別の実施形態により、タッチスクリーン上のカーソルの配置を位置付けし直す技術を示す電子装置タッチスクリーンの付加的なスクリーンショットである。
【図4C】本発明の別の実施形態により、タッチスクリーン上のカーソルの配置を位置付けし直す技術を示す電子装置タッチスクリーンの付加的なスクリーンショットである。
【図5A】本発明の一実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答してタッチスクリーンを左へスクロールすることによりデータ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【図5B】本発明の一実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答してタッチスクリーンを左へスクロールすることによりデータ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【図6A】本発明の更に別の実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答して、タッチスクリーンを上方にスクロールすると共に、タッチスクリーンに表示されたアイテムを拡大することにより、データ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【図6B】本発明の更に別の実施形態により、ユーザによる検出された触覚入力に応答して、タッチスクリーンを上方にスクロールすると共に、タッチスクリーンに表示されたアイテムを拡大することにより、データ入力を容易にするための技術を示す電子装置タッチスクリーンのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態は、発明の全実施形態ではなく幾つかの実施形態が示された添付図面を参照して以下に詳細に説明する。実際に、本発明の実施形態は、多くの異なる形態で実施することができ、ここに示す実施形態に限定されると解釈されてはならず、むしろ、これらの実施形態は、この開示が、適用される法的要件を満足するように、準備されたものである。全体を通じて同じ要素は、同じ番号で示す。
【0021】
概略
一般的に、本発明の実施形態は、タッチ感知入力装置を経ての電子装置へのデータ入力を容易にするための方法、装置及びコンピュータプログラム製品を提供する。上述したように、一実施形態によれば、ユーザが自分の指をタッチスクリーンに置いたとき、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置の近くで且つタッチスクリーン上に表示される他のアイテムに対する位置においてタッチスクリーンにカーソルが表示される。タッチスクリーン上に表示されるアイテムが互いに接近している場合には、カーソル、及びカーソルが上又は中に置かれるアイテム(1つ又は複数)が、おそらく、ユーザの指で遮られる。その結果、一実施形態では、カーソルを含めて、タッチスクリーンに表示されるアイテムは、次いで、1つ以上の方向にシフト又はスクロールされ、カーソルは、タッチスクリーン上に表示される他のアイテムに対するその位置を維持しながら、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置から今やオフセットされる。
【0022】
例えば、一実施形態では、タッチスクリーンに表示される全てのアイテムが上方にシフト又はスクロールされる。或いは又、例えば、ユーザがタッチスクリーンの右上角の付近でタッチスクリーンにタッチする場合には、表示されるアイテムが下方及び/又は左へシフトされる。一実施形態では、タッチスクリーンに表示されるアイテムは、データ入力を更に容易にするために拡大することもできる。この点において、ユーザは、カーソルが自分の意図した位置に置かれていないと分かると、一実施形態によれば、ユーザは、タッチスクリーンに表示される他のアイテムに対してカーソルを位置付けし直すために、自分の指を若干シフトさせる(例えば、指を左、右、上又は下へ傾斜させる)ことができる。
【0023】
電子装置
本発明の実施形態から利益が得られる一形式の電子装置を示す図1について説明する。図示されたように、電子装置は、移動ステーション10、特に、セルラー電話である。しかしながら、図示して以下に述べる移動ステーションは、本発明から利益が得られる電子装置の一形式を単に例示するもので、それ故、本発明の範囲をそれに限定するものではない。移動ステーション10の多数の実施形態を図示して、以下に例示するが、他の形式の移動ステーション、例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ページャー、ラップトップコンピュータ、並びに移動のワイヤレス装置及び固定のワイヤライン装置の両方を含む他の形式の電子システムも、本発明の実施形態を容易に利用できる。
【0024】
移動ステーションは、適当にプログラムされたプロセッサのような、特にここに図示して説明するものを含めて、本発明の実施形態による1つ以上の機能を遂行するための種々の手段を備えている。しかしながら、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、1つ以上の同様の機能を遂行するための別の手段を1つ以上のエンティティが含んでもよいことを理解されたい。より詳細には、例えば、図2に示すように、アンテナ302に加えて、移動ステーション10は、送信器304と、受信器306と、各々送信器304及び受信器306へ信号を供給し且つそこから信号を受信する処理装置308のような手段、例えば、プロセッサ、コントローラ、等を備えている。これらの信号は、適用可能なセルラーシステムのエアインターフェイス規格に基づくシグナリング情報と、ユーザスピーチ及び/又はユーザ発生データとを含む。この点に関して、移動ステーションは、1つ以上のエアインターフェイス規格、通信プロトコル、変調形式、及びアクセス形式で動作することができる。より詳細には、移動ステーションは、多数の、第2世代(2G)、2.5G及び/又は第3世代(3G)通信プロトコル等のいずれかに基づいて動作することができる。更に、例えば、移動ステーションは、ブルーツース、IEEE802.11 WLAN(又はWi−Fi(登録商標))、IEEE802.16 WiMAX、ウルトラワイドバンド(UWB)、等を含めて、多数の異なるワイヤレスネットワーキング技術のいずれかに基づいて動作することができる。
【0025】
プロセッサ、コントローラ、又は他のコンピューティング装置のような処理装置308は、移動ステーションのビデオ、オーディオ、及びロジック機能を具現化するのに必要な回路を含み、且つここに述べる機能を具現化するためのアプリケーションプログラムを実行することができることを理解されたい。例えば、処理装置は、デジタル信号プロセッサ装置、マイクロプロセッサ装置、並びに種々のアナログ/デジタルコンバータ、デジタル/アナログコンバータ、及び他のサポート回路を含む種々の手段で構成することができる。移動装置の制御及び信号処理機能は、これらの装置間でその各能力に基づいて割り当てられる。従って、処理装置308は、変調及び送信の前にメッセージ及びデータをコンボリューション的にエンコードしインターリーブする機能も含む。処理装置は、更に、内部ボイスコーダ(VC)308Aを含むことができると共に、内部データモデム(DM)308Bを含んでもよい。更に、処理装置308は、メモリに記憶される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを動作する機能も含む。例えば、コントローラは、従来のウェブブラウザのような接続プログラムを動作することができる。この接続プログラムは、移動ステーションが、例えば、HTTP及び/又はワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)に基づいて、ウェブコンテンツを送信及び受信できるようにする。
【0026】
又、移動ステーションは、例えば、従来のイヤホン又はスピーカ310、リンガー312、マイクロホン314、ディスプレイ316を含むユーザインターフェイスのような手段も備え、それらは全てコントローラ308へ結合される。移動装置がデータを受け取れるようにするユーザ入力インターフェイスは、移動装置がデータを受け取れるようにする多数の装置、例えば、キーパッド318、マイクロホン314、タッチ感知ディスプレイ又はタッチスクリーン326、又は他の入力装置のいずれを含んでもよい。キーパッドを含む実施形態では、キーパッドは、従来の数字(0−9)及び関連キー(#、*)、並びに移動ステーションを動作するのに使用される他のキーを含むことができ、又、アルファニューメリックキーの全セット、又はアルファニューメリックキーの全セットを与えるようにアクチベートできるキーのセットを含んでもよい。図示されていないが、移動ステーションは、これを動作するに必要な種々の回路に通電すると共に、任意であるが、機械的振動を検出可能な出力として与えるための振動バッテリパックのようなバッテリを備えてもよい。
【0027】
又、移動ステーションは、典型的に移動加入者に関連した情報エレメントを記憶する、例えば、加入者アイデンティティモジュール(SIM)320、取り外し可能なユーザアイデンティティモジュール(R−UIM)(図示せず)等を含むメモリのような手段を含むこともできる。SIMに加えて、移動装置は、他のメモリを含むことができる。この点に関して、移動ステーションは、埋め込むことができ及び/又は取り外し可能でもよい揮発性メモリ322及び他の不揮発性メモリ324を備えることができる。例えば、他の不揮発性メモリは、埋め込み型又は取り外し可能なマルチメディアメモリカード(MMC)、セキュアなデジタル(SD)メモリカード、メモリスティック、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、等でよい。メモリは、移動ステーションの機能を具現化するために移動ステーションにより使用される情報及びデータの任意の数の断片又は任意の量を記憶することもできる。例えば、メモリは、移動装置を独特に識別することのできる識別子、例えば、国際移動装置識別(IMEI)コード、国際移動加入者識別(IMSI)コード、移動装置サービス総合デジタル網(MSISDN)コード、等を記憶することができる。又、メモリは、コンテンツを記憶することもできる。メモリは、例えば、アプリケーション及び他のコンピュータプログラムのためのコンピュータプログラムコードを記憶することもできる。例えば、以下に詳細に述べるように、一実施形態では、メモリは、(例えば、ユーザがタッチスクリーン326に自分の指を置いたとき)移動ステーション10のタッチスクリーン326の物理的位置においてユーザからの触覚入力を検出し、その物理的位置に近いタッチスクリーン326上の相対的位置にカーソルを表示し、そしてユーザの対話を伴わずに、タッチスクリーン326に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、カーソルの相対的位置を、検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせるようにするためのコンピュータプログラムコードを記憶することができる。
【0028】
本発明の実施形態の方法、装置及びコンピュータプログラム製品は、主として、移動通信アプリケーションに関連して説明する。しかしながら、本発明の実施形態の方法、装置及びコンピュータプログラム製品は、移動通信産業及びそれ以外の種々の他のアプリケーションに関連して利用できることも理解されたい。例えば、本発明の実施形態の方法、装置及びコンピュータプログラム製品は、ワイヤライン及び/又はワイヤレスネットワーク(例えば、インターネット)アプリケーションに関連して利用することができる。
【0029】
タッチスクリーンを経てのデータ入力を容易にする方法
タッチ感知入力装置又はタッチスクリーンを経ての電子装置へのデータ入力を容易にするために本発明の実施形態により実行されるオペレーションを示した図2について説明する。図示されたように、このプロセスは、電子装置、より典型的には、電子装置のプロセッサで実行されるソフトウェアが電子装置のタッチスクリーンにおいて触覚入力を検出したとき、例えば、ユーザが自分の指をタッチスクリーンに置いたときに開始し(ブロック201)、そして触覚入力の物理的位置を決定する(ブロック202)。電子装置は、当業者に知られた多数の技術を経て、触覚入力を検出し、その位置を決定する。例えば、タッチスクリーンは、スペーサにより離間状態に保持された2枚の層を備え、それらの間に電流が流れる。ユーザがタッチスクリーンにタッチすると、2枚の層が接触し、接触点において電流の変化を生じさせる。電子装置は、電流の変化に注目し(ブロック201を遂行するために)、及び接触点の座標に注目する(ブロック202を遂行するために)。或いは又、タッチスクリーンが、抵抗性システムではなく容量性システムを使用して、接触入力を検出する場合には、タッチスクリーンは、電荷を蓄積する層を含む。ユーザがタッチスクリーンにタッチすると、その層からの幾つかの電荷がユーザへ転送され、容量性層の電荷を減少させる。電荷の減少を測定する回路をタッチスクリーンの各角に配置し、各角で測定された電荷の相対的な差に基づいて触覚入力の厳密な位置を計算することができる。本発明の実施形態は、他の形式のタッチスクリーン、例えば、抵抗性、容量性、赤外線、歪計、表面波、光学像形成、分散信号技術、音響パルス確認、或いは他の技術のいずれかによりタッチ確認を行い、次いで、タッチの位置を表す信号を発生するように構成されたタッチスクリーンを使用することができる。
【0030】
一実施形態では、触覚入力の物理的位置の決定は、入力の正確な位置(例えば、位置の座標)を決定するだけでなく、タッチスクリーンのどちらの半分及び/又はどちらの象限に物理的位置が入るか決定することも含む。より詳細には、タッチスクリーンは、上半分及び下半分を含む垂直方向の半分、左半分及び右半分を含む水平方向の半分、及び/又は左上、右上、左下及び右下象限を含む象限へと分割することができ、そして触覚入力の物理的位置は、これらの半分及び/又は象限の1つに入る。一実施形態では、ユーザが2つの半分又は象限の間でタッチスクリーンに直接タッチする場合にデフォールト位置が保持されてもよい。例えば、タッチスクリーンが垂直方向の半分(即ち、上半分及び下半分)に分割される場合に、2つの半分の間で直接検出された入力を、下半分内で生じたものとして処理することができる。同様に、タッチスクリーンが水平方向の半分(即ち、左及び右)に分割される場合には、デフォールトは、2つの半分の間で直接検出された入力を、右半分内で生じたものとして処理することができる。
【0031】
図2に戻ると、触覚入力が検出されそしてその物理的位置が決定されると、電子装置、及びより典型的には、電子装置のプロセッサで実行されるソフトウェアは、ブロック203において、ブロック202で決定された物理的位置の近くでタッチスクリーンに表示される1つ以上のアイテムに対する位置(即ち、「相対的位置」)においてタッチスクリーンにカーソルを表示する。換言すれば、ユーザがスクリーンにタッチしたスポットにおいてタッチスクリーンにカーソルが表示される。例えば、タッチスクリーンがテキストドキュメント又はメッセージを表示する場合には、ユーザがスクリーンにタッチしたスポットにおいてテキストドキュメント又はメッセージに表示される文字に対してカーソルが表示される。
【0032】
タッチスクリーンに表示される各アイテム間の距離は、ブロック204において、電子装置、及びより典型的には、電子装置のプロセッサで実行されるソフトウェアにより計算されるか、さもなければ、決定される。この距離は、電子装置、及びより典型的には、電子装置のプロセッサで実行されるソフトウェアにより、所定のスレッシュホールドと比較され、このスレッシュホールドは、タッチスクリーンに表示されたドキュメント又は他のアイテム(1つ又は複数)内で厳密にどこにカーソルを置くよう試みるかユーザに容易に分かるように、タッチスクリーンのコンテンツをシフトする必要があるか、さもなければ、それが望ましいか決定するのに使用される(ブロック205)。より詳細には、アイテムが充分に離間されている(例えば、間隔が、平均的な人の指の巾の1/2のような所定の割合、又は2cmのような規定量よりも大きい)場合には、表示されたアイテムに対してカーソルをどこに置くかユーザにとって明らかである。これに対して、アイテムが充分に離間されていない(例えば、間隔が、平均的な人の指の巾の1/2未満、又は2cm未満である)場合には、多数のアイテム(例えば、ワード及び/又はワードの文字)がユーザの指で遮られ、これらのアイテムに対してユーザがどこにカーソルを置くか知ることが困難である。従って、ブロック205では、電子装置、及びより典型的には、電子装置のプロセッサで実行されるソフトウェアは、ブロック204で計算された距離が所定のスレッシュホールド(例えば、平均的な人の指の巾の1/2又は2cm)未満であるかどうか決定する。もしそうでなければ、プロセスは、ブロック201へ戻り、その後の触覚入力又はタッチスクリーン上でのユーザの指の配置がタッチスクリーンにより検出される。
【0033】
他方、タッチスクリーンに表示された種々のアイテム間の計算された距離の少なくとも1つがスレッシュホールド未満であって、ユーザがタッチスクリーンにタッチするときに多数のアイテムがユーザの指で遮られることを指示する場合には、プロセスがブロック206へ続き、電子装置、及び特に、電子装置において動作するプロセッサで実行されるソフトウェアが、タッチスクリーンに表示されたアイテム(例えば、アイコン、ドキュメントのワード、等)をシフトして、カーソルが、タッチスクリーンに表示される他のアイテムに対するオリジナル位置では見えるが、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置からオフセットされるようにする。このように、カーソルは、ユーザの指がタッチスクリーン上にまだ置かれている間に見ることができる。
【0034】
ここに示す実施形態では、タッチスクリーン上に表示されたアイテムをシフトすることは、検出された触覚入力の物理的位置が入る半分及び/又は象限(ブロック202で決定された)に基づいて、スクリーンを上方、下方、左、右、又はその組合せでスクロールすることを含む。例えば、ユーザの入力がタッチスクリーンの下半分で検出された場合には、タッチスクリーン全体を「上方にスクロール」し、即ちタッチスクリーン上に表示された全アイテムを上方に変位させる。或いは又、タッチスクリーンの左上角で入力が検出されて、アイテムを上方に表示してもカーソルが表示されない場合には、表示されるアイテムを下方及び/又は右へシフトすることができる。一実施形態では、測定されている2つの半分及び/又は象限の中央で触覚入力が直接検出されるときに何をすべきか定義するために、デフォールト設定を確立することができる。例えば、上述したように、デフォールトは、垂直方向の半分と半分との間にユーザの指を直接配置したときに、それを下半分に配置したと解釈し、それ故、タッチスクリーンのコンテンツを上方にシフトすることができる。更に別の実施形態では、デフォールトは、ユーザが自分の指をタッチスクリーンの上部先縁に置かない限りタッチスクリーンを常に上方にスクロール又はシフトし、この場合、タッチスクリーンのコンテンツは、下方及び/又は左又は右にスクロール又はシフトされる。当業者であれば、タッチスクリーンのコンテンツをどの方向にシフトすべきか決定する多数の方法を、本発明の実施形態の精神及び範囲から逸脱せずに使用できることが明らかであろう。
【0035】
例えば、図3A−3Cは、電子装置のタッチスクリーンのスクリーンショットであり、本発明の一実施形態によりテキストドキュメントにカーソルが配置されたところを示す。より詳細には、図3Aは、この実施形態においてユーザが訂正したいミススペルのあるワード“aspetcs”を含むテキストドキュメントを表示しているタッチスクリーンを示す。このようにするために、ユーザは、図3Bに示すように、ミススペルのあるワードが表示された位置の上でタッチスクリーンに自分の指を置く。図示されたように、ユーザは、このようにするとき、ワード“aspetcs”又はそれを取り巻く多数のワードをもはや見ることができず、それ故、そのワード内の正しい場所(例えば、“e”と“t”との間)であることは言うまでもなく、そのワード上にカーソルを置いたかどうかも分からない。正しい位置にユーザがカーソルを置くのを容易にするために、図3Cに示す一実施形態によれば、全テキストドキュメントが自動的に(即ち、ユーザとの更なる対話なしに)上方にスクロール又はシフトされ、カーソルは、もはやユーザの指で遮られない。これで、ユーザは、ワード“aspetcs”の“c”と“s”との間にカーソルを置いたことが分かる。
【0036】
この点において、例えば、ユーザがワード“aspetcs”の“c”と“t”との間にカーソルを置くことを好むために、このカーソルの配置で不満である場合には、一実施形態により、ユーザは、図4A−4Cに示すように、カーソルを位置付けし直すことができる。図3Cと同じである図4Aは、ユーザが自分の指の下からカーソルの配置を見ることができるように、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置の若干上にオフセットされて、タッチスクリーン上に表示されたアイテム(即ち、テキストドキュメントのワード及び文字)に対する位置においてカーソルの配置を再び示している。図4Bに示すように、次いで、カーソルを希望の位置へ移動するために、ユーザは、自分の指を上方、下方、右、又はこの例では左へ単にシフト又は傾斜させ、カーソルをその方向に移動させることができる。カーソルが希望の位置に配置されると、ユーザは、次いで、図4Cに示すように、タッチスクリーンから自分の指を持ち上げ、カーソルは、タッチスクリーンに表示されたアイテムに対してその位置に留まるが、表示された全てのアイテム(例えば、カーソルを含むテキストドキュメント)は、タッチスクリーン上のオリジナル位置へ戻ることができる(例えば、下方へスクロールバック)。
【0037】
デフォールト設定は、上述したように、カーソルを表示するためにタッチスクリーンのコンテンツを上方にスクロールすることができるが、ある場合には、タッチスクリーンに対するユーザの指の配置のために、これを行えないか或いはこれが理想的ではないことがある。特に、タッチスクリーンは、垂直方向の半分(即ち、上及び下)、水平方向の半分(即ち、左及び右)、及び/又は象限(即ち、左上、右上、左下、及び右下)へと分割され、そしてユーザが自分の指を置く半分及び/又は象限に基づいて、タッチスクリーンが適宜にスクロール又はシフトする。これを示すために、図5A及び5Bは、タッチスクリーンの右上角に表示されたワード(即ち、“Commerce”)内にユーザがカーソルを置きたい場合を例示している。この場合には、タッチスクリーンのコンテンツを上方にシフトすることはできない。その結果、図5Bに示すように、タッチスクリーンのコンテンツは、むしろ、左へシフト又はスクロールされ、カーソルと、タッチスクリーンに表示された他のワード及び文字に対するその位置を、今や、ユーザの指の左側に見えるようにする。タッチスクリーンの左上、左下、又は右下に表示されたアイテムにユーザがカーソルを置きたい場合にも同様のシナリオが示される。
【0038】
図6A及び6Bに示された別の実施形態では、タッチスクリーンに表示されたアイテムに対するカーソルの相対的な位置が、ユーザがタッチスクリーンにタッチした物理的位置からオフセットされるように、タッチスクリーンに表示されたアイテムをシフトするのに加えて、タッチスクリーンのコンテンツを拡大して、データ入力を更に容易にする。
【0039】
以上の説明に基づき、本発明の実施形態は、タッチ感知入力装置を経ての電子装置へのデータ入力を容易にするための技術であって、タッチスクリーンに表示されるアイテムに対するカーソルの配置が、その配置中に、ユーザの指により遮られないように、タッチスクリーンのコンテンツをシフト又はスクロールする技術を提供する。
【0040】
結論
上述したように、又、当業者に明らかなように、本発明の実施形態は、方法及び装置として構成することができる。従って、本発明の実施形態は、全部ハードウェア、全部ソフトウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せを含む種々の手段で構成される。更に、本発明の実施形態は、コンピュータ読み取り可能なプログラムインストラクション(例えば、コンピュータソフトウェア)が埋め込まれたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体におけるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。ハードディスク、CD−ROM、光学記憶装置、又は磁気記憶装置を含む適当なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を利用することができる。
【0041】
方法、装置(即ち、システム)及びコンピュータプログラム製品のブロック図及びフローチャートを参照して本発明の実施形態を以上に述べた。ブロック図及びフローチャートの各ブロック、並びにブロック図及びフローチャートにおけるブロックの組合せは、各々、コンピュータプログラムインストラクションを含む種々の手段によって実施できることを理解されたい。これらコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、マシンを形成し、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置において実行されるインストラクションは、フローチャートのブロック(1つ又は複数)において指定される機能を具現化するための手段を生成する。
【0042】
又、これらコンピュータプログラムインストラクションは、特定の仕方で機能するようにコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置を導くことのできるコンピュータ読み取り可能なメモリに記憶することもでき、コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されたインストラクションは、フローチャートのブロック(1つ又は複数)で指定された機能を具現化するためのコンピュータ読み取り可能なインストラクションを含む製造物品を形成する。又、コンピュータプログラムインストラクションは、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にもロードされ、一連のオペレーションステップをそのコンピュータ又は他のプログラム可能な装置において遂行させて、コンピュータ実施プロセスを形成し、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実行されるインストラクションが、フローチャートのブロックで指定された機能を具現化するためのステップを与えるようにする。
【0043】
従って、ブロック図及びフローチャートのブロックは、指定の機能を遂行するための手段の組合せ、指定の機能を遂行するためのステップの組合せ、及び指定の機能を遂行するためのプログラムインストラクション手段をサポートする。又、ブロック図及びフローチャートの各ブロック、並びにブロック図及びフローチャートにおけるブロックの組合せは、指定の機能又はステップ、或いは特殊目的ハードウェア及びコンピュータインストラクションの組合せを遂行する特殊目的ハードウェアベースのコンピュータシステムにより実施できることも理解されよう。
【0044】
前記説明及び添付図面に提示された教示の利益を得る本発明の実施形態に係る当業者であれば、ここに述べた本発明の多数の変更及び他の実施形態が明らかであろう。例えば、種々の実施形態は、ユーザの指を使用してアイテムを選択することについて説明したが、スタイラス、鉛筆、等の他の選択装置も同様に使用することができる。それ故、本発明の実施形態は、ここに開示した特定の実施形態に限定されず、又、それら変更及び他の実施形態が、特許請求の範囲内に包含されることを理解されたい。ここでは、特定の用語を使用したが、それらは、一般的な説明的な意味で使用されたに過ぎず、それに限定するものではない。
【符号の説明】
【0045】
10:移動ステーション
302:アンテナ
304:送信器
306:受信器
308:処理装置
310:スピーカ
312:リンガー
314:マイクロホン
316:ディスプレイ
318:キーパッド
320:加入者アイデンティティモジュール(SIM)
322:揮発性メモリ
324:不揮発性メモリ
326:タッチスクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出するステップと、
前記物理的位置の近くで前記タッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示するステップと、
更なるユーザ対話を伴わずに、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、前記カーソルの相対的位置を、前記検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせるステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテム間の距離を決定するステップを更に備え、前記アイテムは、少なくとも1つの距離が所定スレッシュホールド未満である場合だけ並進移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定スレッシュホールドは、平均的な指先の巾の規定部分を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記タッチ感知入力装置の垂直方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するステップを更に備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記ステップは、前記決定された垂直方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方にシフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記タッチ感知入力装置の水平方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するステップを更に備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記ステップは、前記決定された水平方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを左又は右へシフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記タッチ感知入力装置のどちらの象限に前記物理的位置が入るか決定するステップを更に備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記ステップは、前記決定された象限に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方及び左又は右にシフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを拡大するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記ステップは、前記触覚入力の物理的位置が前記タッチ感知入力装置の上縁に近い場合には、下方又は片側の少なくとも1つに1つ以上のアイテムをシフトし、さもなければ、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記ステップは、1つ以上のアイテムを上方にシフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記タッチ感知入力装置に複数のアイテムが表示され、そして表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記ステップは、複数のアイテム全部を、上方、下方、左又は右の少なくとも1つにシフトすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出し、
前記物理的位置の近くで前記タッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示し、
更なるユーザ対話を伴わずに、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、前記カーソルの相対的位置を、前記検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせる、
というように構成されたプロセッサを備えた装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、更に、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテム間の距離を決定するように構成され、前記1つ以上のアイテムは、少なくとも1つの距離が所定スレッシュホールド未満である場合だけ並進移動される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記所定スレッシュホールドは、平均的な指先の巾の規定部分を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、更に、前記タッチ感知入力装置の垂直方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するように構成され、表示された1つ以上のアイテムを並進移動することは、前記決定された垂直方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方にシフトすることを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、更に、前記タッチ感知入力装置の水平方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するように構成され、表示された1つ以上のアイテムを並進移動することは、前記決定された水平方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを左又は右へシフトすることを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、更に、前記タッチ感知入力装置のどちらの象限に前記物理的位置が入るか決定するように構成され、表示された1つ以上のアイテムを並進移動することは、前記決定された象限に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方及び左又は右にシフトすることを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、更に、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを拡大するように構成された、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
表示された1つ以上のアイテムを並進移動するために、前記プロセッサは、更に、前記触覚入力の物理的位置が前記タッチ感知入力装置の上縁に近い場合には、下方又は片側の少なくとも1つに1つ以上のアイテムをシフトするように構成され、さもなければ、表示された1つ以上のアイテムを並進移動するために、前記プロセッサは、更に、1つ以上のアイテムを上方にシフトするように構成された、請求項10に記載の装置。
【請求項18】
前記タッチ感知入力装置に複数のアイテムが表示され、そして表示された1つ以上のアイテムを並進移動するために、前記プロセッサは、更に、複数のアイテム全部を、上方、下方、左又は右の少なくとも1つにシフトするように構成された、請求項10に記載の装置。
【請求項19】
コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分が記憶された少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品において、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、
タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出するための第1の実行可能な部分と、
前記物理的位置の近くで前記タッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示するための第2の実行可能な部分と、
更なるユーザ対話を伴わずに、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、前記カーソルの相対的位置を、前記検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせるための第3の実行可能な部分と、
を備えたコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、更に、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテム間の距離を決定するための第4の実行可能な部分を備え、前記1つ以上のアイテムは、少なくとも1つの距離が所定スレッシュホールド未満である場合だけ並進移動される、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
前記所定スレッシュホールドは、平均的な指先の巾の規定部分を含む、請求項20に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
前記コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、更に、前記タッチ感知入力装置の垂直方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するための第4の実行可能な部分を備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動することは、前記決定された垂直方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方にシフトすることを含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
前記コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、更に、前記タッチ感知入力装置の水平方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するための第4の実行可能な部分を備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動することは、前記決定された水平方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを左又は右へシフトすることを含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
前記コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、更に、前記タッチ感知入力装置のどちらの象限に前記物理的位置が入るか決定するための第4の実行可能な部分を備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動することは、前記決定された象限に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方及び左又は右にシフトすることを含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
前記コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部分は、更に、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを拡大するための第4の実行可能な部分を備えた、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項26】
前記第3の実行可能な部分は、前記触覚入力の物理的位置が前記タッチ感知入力装置の上縁に近い場合には、下方又は片側の少なくとも1つに1つ以上のアイテムをシフトするように構成され、さもなければ、前記第3の実行可能な部分は、1つ以上のアイテムを上方にシフトするように構成された、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記タッチ感知入力装置に複数のアイテムが表示され、そして前記第3の実行可能な部分は、複数のアイテム全部を、上方、下方、左又は右の少なくとも1つにシフトするように構成された、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
タッチ感知入力装置上の物理的位置でユーザからの触覚入力を検出するための手段と、
前記物理的位置の近くで前記タッチ感知入力装置上の相対的位置にカーソルを表示するための手段と、
更なるユーザ対話を伴わずに、前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを並進移動して、前記カーソルの相対的位置を、前記検出された触覚入力の物理的位置からオフセットさせるための手段と、
を備えた装置。
【請求項29】
前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテム間の距離を決定するための手段を更に備え、前記アイテムは、少なくとも1つの距離が所定スレッシュホールド未満である場合だけ並進移動される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記所定スレッシュホールドは、平均的な指先の巾の規定部分を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記タッチ感知入力装置の垂直方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するための手段を更に備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記手段は、前記決定された垂直方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方にシフトする手段を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記タッチ感知入力装置の水平方向のどちらの半分に前記物理的位置が入るか決定するための手段を更に備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記手段は、前記決定された水平方向の半分に基づいて1つ以上のアイテムを左又は右へシフトする手段を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記タッチ感知入力装置のどちらの象限に前記物理的位置が入るか決定するための手段を更に備え、表示された1つ以上のアイテムを並進移動する前記手段は、前記決定された象限に基づいて1つ以上のアイテムを上方又は下方及び左又は右にシフトする手段を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記タッチ感知入力装置に表示された1つ以上のアイテムを拡大するための手段を更に備えた、請求項28に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2010−530109(P2010−530109A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512789(P2010−512789)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001306
【国際公開番号】WO2009/001179
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【出願人】(509347712)ノキア インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】