説明

タッチセンサ

【課題】タッチセンサのタッチ電極が金属のために触れると冷たい、感触が固いという課題を解決する手段を提供する。
【解決手段】タッチセンサ回路10aのタッチ部電極1aを導電糸を用いた導電布、導電繊維糸を用いた導電繊維布または導電繊維糸を用いた導電繊維編地などで構成する。人が触れるとタッチ部電極1aの大地間静電容量が増加し、タッチセンサ回路10aがこの容量変化によって負荷11への出力をオン・オフしてタッチ部電極1aへの接触を検出する。タッチ部電極1aの材料は金属に比べてソフトであり、また熱伝導率も低く、さわっても冷たく感じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサに関し、特にそのタッチ部電極を導電性の布としたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より電極部にタッチすればドアが開く、電灯が点灯するなど一般的にタッチセンサが利用されてきた。そのタッチセンサ回路のブロック図の一例を図8に示す。このような回路はすでに広く知られており、専用の回路部品もあるので詳しい説明はしないが、図8のタッチセンサ回路10において、金属製のタッチ部電極1に静電容量を持った人間が触れたとき、発振回路2の発信周波数に対し同調回路3の同調周波数が変化するために同調回路3の出力の振幅が変化し、その出力振幅を平滑回路4でならし、比較回路5で所定の電圧と比較して人が触ったかどうかを検出し、出力回路6で出力をオンまたはオフにして検出結果を出力するものである。定電圧回路7は回路各部に一定の直流電圧を供給して動作を安定化する。
【0003】
同じような目的で、動作原理が異なるものを特許文献1、2および3に示す。
【特許文献1】特開平6−14164号公報
【特許文献2】特開平9−284118号公報
【特許文献3】特開平11−345552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこれらのような従来の方法で第一の技術的課題となっているのは、従来のタッチ部電極はほとんどが金属であり、使用者のタッチ時の感触が必ずしも良い物ではなかった。例えば冬は冷たく、また金属であるが故に硬いので人が当たり易い場所や、自動車内のスイッチ等には不向きであった。またデザイン的にも限定され、さらに金属で加工が難しく、後から容量変更の為などに大きさ等を変更するのには不向きであった。
【0005】
次に第二の技術的課題としてタッチ部電極に幾らの容量の変化を与えたとき、出力がオン・オフするかの回路上の容量を決めても、実際にそれらの回路が取り付けられた周辺の状況で静電容量が変化するので、色々な条件下で使用される商品としては不安定で使いにくいものであった。
【0006】
この問題をもう少し具体的に説明すると図8に示すタッチ部電極は従来は金属片で作られているが、その大きさや置かれている場所などでその静電容量の値が変わる。例えば木製のテーブル上に置いた場合とアースされたスチール製の机の上に置いた場合とでは大きく異なる。スチール製の机の上に置かれたタッチ部電極の大地間容量は明らかに大きくなる。これはタッチ部だけの問題でなく、AC電源部でも同じ事が起こり、AC電源そのものの静電容量や、その差し込まれたコンセントが持つ静電容量、またその先の電灯線に至るまでの容量などが影響するので、安定した動作をさせるのは非常に難しいものであった。
【0007】
その為市販されている商品ではAC電源部の1次側と2次側のグランド間に1000PF程度のコンデンサを挿入し、電源側の大地間静電容量をタッチ部電極側のそれより大きくして動作を安定させようとしたものも見受けられる。
【0008】
更に第三の技術的課題は、これら従来の方法では電源部に電池などを使った場合に電源部の静電容量が十分に取れないため、さらに動作が安定しないという問題があった。
【0009】
本発明は上記の第一、第二の技術的課題に加え、さらにこの第三の技術的課題をも解決するタッチセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的に対処するため、本発明のタッチセンサは、タッチ部電極への人体の接触または接近による大地間容量変化を検出するタッチセンサのタッチ部電極を導電糸を用いた導電布、導電繊維糸を用いた導電繊維布または導電繊維糸を用いた導電繊維編地で構成したことを特徴とするものである。
【0011】
そしてこの構成において前記タッチ部電極は通常の絶縁性の布に導電繊維糸または導電糸を縫い込んだものとすることもできる。
【0012】
そして前記タッチ部電極の面積を変えることにより大地間静電容量の調整を可能とし動作を安定化させる。
【0013】
そして電源回路のグランドに容量調整板を接続して電源回路と大地間の静電容量を増やして、タッチ部電極と大地間ならびに電源回路と大地間の容量バランスを取って、前記タッチ部電極へのタッチによるオン・オフ動作を安定させることができる。この容量調整板を用いるのは電源回路を電池を電源としたものに特に有効である。
【0014】
容量調整板を用いる構成においては、前記タッチ部電極と前記容量調整板を導電糸を用いた導電布、導電繊維糸を用いた導電繊維布、導電繊維糸を用いた導電繊維編地、通常の絶縁性の布に導電繊維糸または導電糸を縫い込んだもの、または金属板、金属箔、金属蒸着フィルム等で構成する。
【0015】
この構成では前記タッチ部電極と前記容量調整板とを接近して配置し人体が前記タッチ部電極に触れまたは接近したときに前記容量調整板も人体の他の部分に触れまたは接近することで前記タッチ部電極と前記容量調整板のそれぞれの大地間静電容量が同時に増大するようにすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明ではタッチセンサのタッチ部電極を導電糸を用いた導電布、導電繊維糸を用いた導電繊維布または導電繊維糸を用いた導電繊維編地で構成することによって、タッチ部電極の感触が冷たいとか、固いなどの感触が改善され第1の技術的課題が解決される。
またタッチ部電極に上記のような布材を用いたことで、その大きさを自由に切り取って任意の大きさにしやすくオン・オフ動作点の設定が容易になり、第2の技術的課題が解決される。
さらに容量調整板の使用によって、特に電池電源の場合に電源部の静電容量が十分に取れ、オン・オフ動作点の設定が容易になり、第三の技術的課題も解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施の形態1)
以下、図面に基づいて本発明のタッチセンサの実施の形態1を説明する。図1は本発明の実施の形態1におけるタッチセンサの回路ブロック図、図2はタッチ部電極の構成の一例を示す斜視図、図3はそのタッチセンサにタッチしていないときとタッチしたときとの容量変化を説明するための模式図および等価回路、図4はタッチ部電極の構成の他の例を示す平面図である。
【0018】
先に述べた第一の技術的課題を解決するために本発明の実施の形態1では図1におけるタッチセンサのタッチ部電極を金属の代わりに導電性のある導電糸を使った導電布、導電繊維糸を使った導電繊維織布、または導電繊維糸を使った導電繊維編地で構成したものである。
【0019】
ここで導電糸と、導電繊維糸との差違、およびそれらを用いた布や編み地などの定義について述べる。
【0020】
(A)導電糸と導電布
導電糸とは、銅、銀、ステンレスなどの微細単線を繊維と撚り合わせて作った導電性を持つ糸で、屈曲性能がやや悪い、また感触はやや硬めである。
導電布とは、この導電糸で織った布、或いはこの導電糸を混紡した繊維などを織り合わせた布で、屈曲性やや悪く、感触はやや硬めである。
【0021】
(B)導電繊維糸と導電繊維布ならびに導電繊維編地
導電繊維糸とは、ポリエステルなどの微細糸に銅・銀・金などのメッキを施し、他の糸と撚り合わせて繊維の糸としたもので、屈曲性に優れ感触も通常の糸と同じ。ミシン糸とすることもできる。
【0022】
導電繊維布とは、上記導電繊維糸で織った布、または上記メッキをした繊維と他の繊維を混紡した繊維を織り合わせた布で、屈曲性よく感触も通常の布と変わらない。
【0023】
導電繊維編地とは、上記導電繊維糸を編み合わせたもの、または上記メッキ線を混紡した繊維を編み合わせたもの。性能は導電繊維布と同じ、通気性は導電繊維布より良い。
【0024】
上記何れの材料も金属に比べて熱伝導率は低いので、さわっても金属のように冷たくなく、また機材は布なので感触もソフトである。
【0025】
さて、具体的に図1のタッチ部電極1aは金属の代わりに、たとえばポリエステルの細い糸に銀メッキを施した糸を他の糸と寄り合わせた糸で織った導電繊維布を使用する。この布は経糸に75デニール24フイラメントの糸4本と銀メッキした50デニール14フイラメント糸1本を交互に配し、緯糸には銀メッキした綿番40/1の混紡糸で織った布が最適である。しかし必ずしもこの仕様の布でなくても、感触・通気性・コスト・耐久性・導電性等を配慮しておけば銀メッキ糸の配置や使用量は少々の変更をしても問題はない。糸はポリエステルのみでなく、他の繊維でも差し支えない。また銀メッキのほかに金や銅などの金属をメッキしてもよい。
【0026】
導電糸を用いた導電布は屈曲に弱く、耐久性が無いこと、さらに触った感触がゴワゴワして普通の布とは異なり、更には通気性がなく、また、ベッドのシーツ、枕、椅子等の布としては洗濯に耐えられないなどの弱点もあるが、使う場所によっては十分使用に耐える。
【0027】
タッチセンサ回路10aは、回路部分は図8のタッチセンサ回路10と同じ構成であり、タッチ部電極1aが図8とは異なっているだけである。タッチセンサ回路10aは負荷11にオン・オフ出力を供給し、たとえばタッチ部電極1aにタッチしたときにオン出力を供給する。電源回路12はタッチセンサ回路10aにAC電源を降圧し整流した直流電源を供給する。
【0028】
タッチセンサ部1aの構成の一例を示す図2において、基板13上に導電布、導電繊維布または導電繊維編地14を載せ、枠15で抑えてビス16で固定する。この構造は一例であり、様々な変更が可能である。基板13は絶縁材料でもよいが、金属板であれば、導電繊維布14をより確実に電気的に接続でき、また大地間静電容量も安定する。枠15も絶縁材料でも金属でも差し支えない。基板13や枠15が金属であれば、それらを電気的に容易に入力端子に接続することが可能であり、さもなければ、はとめで導線を止めたり、金属部材を圧着させるなどの方法で接続することもできる。
【0029】
次に動作を説明する。タッチ部電極1aの導電繊維布14にタッチすると、タッチ部電極1aの大地間静電容量と人間の大地間静電容量が加算されてタッチ部電極の容量を変化させる。その容量変化によりタッチセンサ回路10aが働き、人が触ったときにのみ負荷11に、たとえばオン出力を与える。
【0030】
今説明を分かり易くするために、図3(a)においてタッチ部電極の電極の大地間静電容量をCa、その電極にタッチする人の大地間静電容量をCo、タッチ部電極の容量調整をCb、AC電源部の静電容量をCdとすると、図3(b)の等価回路の様にタッチセンサ回路10aの入力回路とGND端子間の静電容量は、静電容量Ca、Co、Cbの並列になったものにAC電源(または電池電源)の大地間静電容量Cdが直列に加わっている。
【0031】
例えばタッチ部電極1aの動作容量が30pF以上、調整容量Cbがゼロと設定されているとして、人の大地間静電容量を10pF、タッチ部電極の大地間静電容量が25pF、電源の大地間静電容量Cdが1000pFとすれば、タッチしていない時の容量を計算して24pFとなりタッチセンサは動作しない。人がタッチしたときは34pFとなり動作する。ここでAC電源の容量は一般的に100から600pF程度なので前記したようにAC電源の一次側のグランドと二次側のグランド間に1000pFのコンデンサを入れるなどして大きくする必要がある。
【0032】
つぎにタッチ部の構成の他の例を示す図4について説明する。タッチ部電極1aとして普通の布20に導電繊維糸21をミシンなどでジグザグに縫い込んで容量が取れるようにする。また導電糸22でふちかがりを加えてもよい。そしてこれらの導電糸同士を出力リード線23に電気的に接続する。
【0033】
ここで本発明のようにタッチ部電極を導電布とすれば、金属の場合に比べて面積を大きく取りやすいので、タッチ部電極の動作容量を60pF以上と設定すれば布電極の大地間静電容量を65pF程度、また人の大地間静電容量を10pF、AC電源の大地間静電容量を一般的なもので400pF程度としてもタッチ時が63pF、タッチしていないときが56pFとなり出力はオン・オフ動作する。
【0034】
このような導電布(導電編地)や、図4のような普通の布に導電繊維糸や導電糸を縫い込んだものをタッチセンサのタッチ部電極に使用する事により、たとえば枕や椅子の布に触ったり、座っただけでスイッチがオン・オフするように出来るので、介護用品や自動車用品など、いままでセンサ部が硬いため安全性に問題があって使用出来なかった所に使用可能となる。
【0035】
また導電布に触ることでスイッチが動作することは、寝室や自動車内部でのスイッチとしては非常に有効である。例えば光センサや焦電センサでは動作の範囲が広く、動作距離の精度が悪い。この点他発明のスイッチは触れてオンするので確実性が高い。
【0036】
またセンサが布であるため大きさを鋏みなどで簡単に変更でき、後に述べるタッチ部電極の大地間静電容量を簡単に変えることができ、安定した動作回路を提供するとともに、第二の技術的課題をも解決することができる。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、従来のタッチ部電極に、金属に代えて導電性の布電極を使用することで第一の技術的課題を解決でき、容量が大きく取りやすい布電極を使用することにより電源に一般的なものを使用出来ると同時に、また電極が布であるので容易にはさみなどで大きさの変更が出来るので、現場での容量の調整がしやすいく、第二の技術的課題も解決しやすい、というメリットがある。
【0038】
(実施の形態2)
次に第三の課題の解決のための第2の実施形態について説明する。図5は本発明の実施の形態2におけるタッチセンサの回路ブロック図、図6はタッチ部電極の構成の一例を示す斜視図、図7はそのタッチセンサにタッチしていないときとタッチしたときとの容量変化を説明するための模式図および等価回路である。
【0039】
図5において図1のAC電源部の代わりに電池30による電源(DC)になったものである。その他実施の形態1の図1と同様なものには同じ符号を付けて説明を省略する。
【0040】
電池は大地と絶縁されているので大地間静電容量Cdが非常に小さくなり今まで説明したAC電源の場合と異なりタッチ側と電源側の容量のバランスが取れないため、より不安定で電池電源によるタッチセンサの実用化は難しかった。
【0041】
そこで図5においては、電池電源側の回路のグランドに容量調整板31を取り付け、電源側の大地間静電容量を増やして、タッチ部と電源側の容量バランスを取って、タッチによる動作を安定させるようにしたものである。ここではタッチ部電極はシート(銅箔やアルミシート、蒸着フイルムシート、あるいは薄い鉄板、アルミ板、銅板)とし、更に電源部のアース側に同じ材料のシートで出来た容量調整板(電極と同様銅箔など)を取り付けて、タッチ部の静電容量と電池側の電源部の容量のバランスを取ってタッチセンサのオン・オフ動作の安定を図るものである。
【0042】
以上のように静電容量が大きく取れるシートをタッチ部電極と容量調整板に使用することにより電池自身の大地間静電容量が小さくても、容量調整板の容量で補えるので動作が安定するものである。
【0043】
上記課題対策をさらに推し進めたものを図6に示す。図6によれば上記のタッチ部電極と容量調整板をタッチ時に人体に同時に触れられる(あるいは触れたとほぼ同様の容量になる近接位置になる)関係位置になるよう導電性の布製のタッチ部電極と同じく布製の容量調整板を並べて置いて、タッチにより電極部と容量調整板部の大地間静電容量が同時に増大するようにしたものである。ここでタッチ部電極と容量調整板の面積とでは容量調整板の方を大きくするのがよい。この場合は座布団に座ったかどうかを検出するためのもので携帯可能にする為に電池電源で動かそうとするものである。
【0044】
特に座った場合小さい面積の布より、大きい布がより大きな容量を持つので、タッチセンサ回路の回路定数を設定するのに便利である。この方法は暖簾やシーツ、枕等をタッチセンサにするのに都合がよい。
【0045】
またこの図ではタッチ部電極と容量調整板を並列に並べたが、間に綿・布などの不導電物質を挟んで積み重ねても同様の効果が得られる。
【0046】
今までの説明は図6以外は容量調整板は人がタッチしないとの前提であったが、タッチ部電極と同じく容量調整板も第2のタッチ部と考えると、さらに新たな動作が可能となる。
【0047】
つまり容量調整板に人がタッチした状態(電源部の大地間静電容量が増加)で、さらにタッチ電極に人がタッチした場合に、タッチセンサ回路が動作するようそれぞれの静電容量を設定すれば、タッチ部電極あるいは容量調整板の何れかにタッチした状態で、残る一方にタッチしないとタッチセンサ回路が動作しないようにできる。
【0048】
このことは2段階動作が可能と言うことなのて2重安全装置などに使用できる。この具体例を上げれば、人形の胴体に容量調整板をセットし、頭にタッチ部電極を設ければ、人形を抱き上げて頭にタッチしないと人形が声を出さないようにすることができる。(あるいは頭にさわりながら人形を抱く場合)、このような片方にタッチしてもう一方にタッチしないと動作しない2段階動作が一つのタッチセンサの回路で可能となる。
【0049】
図5,図6の説明のための模式図、図7(a)および具体的に数値を入れた等価回路を図7(b)に示す。タッチ部電極の動作容量を60pF以上と設定すれば布電極の大地間静電容量Caを65pF程度、また人の大地間静電容量C0を10pF、電池電源の大地間静電容量Cdが一般的なもので100pF程度とし、容量調整板の大地間静電容量Ceを300pF程度とすれば、前記と同様にタッチセンサ回路10aの入力回路とGND端子間の静電容量は、タッチ時が63pF、タッチしていないときが56pFとオン・オフ動作する。
【0050】
図6の例では図7(b)の等価回路に示す他に、タッチ部電極1aと容量調整板31との間にも静電容量が加わる。しかしこれは他の部分の容量に比べて小さいため、簡単のために省略する。
【0051】
また図5の回路では例えば電池電源のアース側と容量調整板はリード線を半田等にて電気的に結合して示したが、必ず結線せずとも電池を覆ったケースに結線しても同様の効果がある。これは電池の外形とケース間に充分な容量が発生し直接結線しなくても容量が取れるためである。但し電池サイズに比べてケースサイズが大きいときはこの限りでない。
【0052】
またこの方法は電源が電池の時はより効果が高いが、AC電源の場合も効果はある。
当然ながら上記シート、容量調整板は導電布、導電繊維布、または導電繊維編地であるのがベターである。
【0053】
なお、上記各実施の形態で容量変化の検出方法は一例であり、これに限定するものではない。
【0054】
また、上記各実施の形態における各部の構造は一例であり、他の構造であっても差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように本発明によればタッチセンサにおける第1の課題であるタッチ部電極が金属ではタッチ時の感触が良くない点、第2の課題としての動作の不安定さ、第3の課題としての電池電源での動作の不安定さ等を克服できる産業上の利用可能性高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるタッチセンサの回路ブロック図
【図2】同タッチ部電極の構成の一例を示す斜視図
【図3】同そのタッチセンサにタッチしていないときとタッチしたときとの容量変化を説明するための模式図および等価回路
【図4】同タッチ部電極の構成の他の例を示す平面図
【図5】本発明の実施の形態2におけるタッチセンサの回路ブロック図
【図6】同タッチ部電極の構成の一例を示す斜視図
【図7】同そのタッチセンサにタッチしていないときとタッチしたときとの容量変化を説明するための模式図および等価回路
【図8】従来のタッチセンサ回路のブロック図
【符号の説明】
1a タッチ部電極
2 発振回路
3 同調回路
4 平滑回路
5 比較回路
6 出力回路
7 定電圧回路
10a タッチセンサ回路
11 負荷
12 電源回路
13 基板
14 導電繊維布
15 枠
20 普通の布
21 導電繊維糸
22 導電糸
23 出力リード線
30 電池
31 容量調整板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ部電極への人体の接触または接近による大地間容量変化を検出するタッチセンサのタッチ部電極を導電糸を用いた導電布、導電繊維糸を用いた導電繊維布または導電繊維糸を用いた導電繊維編地で構成したことを特徴とするタッチセンサ。
【請求項2】
前記タッチ部電極は通常の絶縁性の布に導電繊維糸または導電糸を縫い込んだものであることを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項3】
前記タッチ部電極の面積を変えることにより大地間静電容量の調整を可能とし動作を安定化させたことを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項4】
電源回路のグランドに容量調整板を接続して電源回路と大地間の静電容量を増やして、タッチ部電極と大地間ならびに電源回路と大地間の容量バランスを取って、前記タッチ部電極へのタッチによるオン・オフ動作を安定させることを特徴とする請求項1記載のタッチセンサ。
【請求項5】
電源回路は電池を電源としたものである請求項4記載のタッチセンサ。
【請求項6】
前記タッチ部電極と前記容量調整板を導電糸を用いた導電布、導電繊維糸を用いた導電繊維布、導電繊維糸を用いた導電繊維編地、通常の絶縁性の布に導電繊維糸または導電糸を縫い込んだもの、または金属板、金属箔、金属蒸着フィルム等で構成したことを特徴とする請求項4または5記載のタッチセンサ。
【請求項7】
前記タッチ部電極と前記容量調整板とを接近して配置し人体が前記タッチ部電極に触れまたは接近したときに前記容量調整板も人体の他の部分に触れまたは接近することで前記タッチ部電極と前記容量調整板のそれぞれの大地間静電容量が同時に増大するようにしたことを特徴とする点請求項4、5、または6のいずれかに記載のタッチセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−164925(P2006−164925A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382294(P2004−382294)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(592086857)
【Fターム(参考)】