説明

タッチパネルセンサ

【課題】端子列によって占有される領域の面積を低減することができるタッチパネルセンサを提供する。
【解決手段】タッチパネルセンサ10は、基板11と、基板11上に設けられた複数の透明導電パターン13,14と、基板11上に設けられた複数の端子部を含む端子列17と、基板11上に設けられた複数の取出導電パターン15と、を備えている。端子列17の各端子部は、x方向に並べられるとともに各々がx方向に直交するy方向に延びている。また端子列17の複数の端子部は、x方向に沿って交互に並べられた第1端子部20および第2端子部30を有している。これら端子部20,30は各々、取出導電パターン15の幅よりも大きい幅を有する膨張部22,32を含んでいる。そして、膨張部22,32は、x方向およびy方向から見て互いに重ならないよう配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルセンサに係り、とりわけ、一方向に沿って並べられた複数の端子部を含む端子列を備えたタッチパネルセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板と、基板上のアクティブエリア(表示領域)内に所定のパターンで設けられ、タッチを検出する複数の透明導電パターンを備えたタッチパネルセンサが知られている。透明導電パターンによってタッチを検出する方式としては、被検出体の接触に起因する抵抗値の変化に基づいてタッチ位置を検出する抵抗方式や、導電性を有する被検出体の接近または接触に起因する静電容量の変化に基づいてタッチ位置を検出する静電容量方式など、様々な方式が提案されている。
【0003】
基板上の非アクティブエリア(非表示領域)内には、複数の端子部を含む端子列であって、端子部の各々が1つの透明導電パターンに取出導電パターンを介して接続された端子列が設けられている。この場合、各透明導電パターンからの信号は、端子列の対応する端子部を介して所望の構成要素へ伝達される。例えば、各透明導電パターンからの信号が、各透明導電パターンからの信号を解析してタッチ位置を算出する制御部へ伝達される。
【0004】
ところで、タッチパネルセンサの透明導電パターンのような精密な導電性パターンを有する電気部材においては、製品の品質を確認するため、一般に、製品出荷前に各導電性パターンの導通検査等が実施される。例えば、端子列の各端子部にプローブを接触させ、これによって、各端子部および各端子部に接続された導電性パターンの抵抗値や容量値等を測定して、断線、短絡の検査を行う。このように、端子列の各端子部は、信号を取り出すために用いられるだけでなく、導通検査の際にプローブを接触させるためにも用いられ得る。
【0005】
一般に端子列の各端子部の面積が大きいほど、プローブを端子部に接触させる作業が容易になる。一方、近年、様々な電気製品において小型化が求められており、このため、基板上の領域のうち端子列によって占有される領域の面積は、より小さいことが好ましい。このような課題を解決するため、特許文献1において、端子列の各端子部を千鳥足状に配置することが提案されている。特許文献1においては、各端子部を千鳥足状に配置することにより、各端子部の面積を十分に大きくしながら、基板上で端子列が占有する領域の面積を小さくすることが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−356339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記端子列と制御部との間における信号の伝達は、例えば、端子列の各端子部に接続される複数の接続端子部を有するフレキシブルプリント基板などの信号伝達手段を介して実現される。ところで、タッチパネルの端子列として、千鳥足状に配置された上述の複数の端子部を有する端子列が用いられる場合、信号伝達手段の接続端子部が、そのような端子部に対応するよう形成される必要がある。この場合、信号伝達手段の接続端子部の構造が複雑になり、また、信号伝達手段の接続端子部を端子列の端子部に接続させる作業が困難になることが考えられる。
【0008】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るタッチパネルセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板と、前記基板上に所定のパターンで設けられた複数の透明導電パターンと、前記基板上に設けられ、各々が1つの前記透明導電パターンに対応する複数の端子部を含む端子列であって、各端子部は、x方向に並べられるとともに各々がx方向に直交するy方向に延びる、端子列と、前記基板上に設けられ、各々が1つの前記透明導電パターンと前記端子列の1つの端子部との間を電気的に接続する複数の取出導電パターンと、を備え、前記端子列の複数の端子部は、x方向に沿って交互に並べられた第1端子部および第2端子部を有し、前記第1端子部は、前記取出導電パターンの幅よりも大きい幅を有する第1膨張部を含み、前記第2端子部は、前記取出導電パターンの幅よりも大きい幅を有する第2膨張部を含み、前記第1膨張部および前記第2膨張部は、x方向から見て互いに重ならないとともに、y方向から見て互いに重ならないよう配置されていることを特徴とするタッチパネルセンサである。
【0010】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記第1端子部の前記第1膨張部は、前記第2端子部の前記第2膨張部よりも前記基板の外縁側に配置されており、前記第1端子部のうちx方向から見て前記第2端子部の前記第2膨張部と重なる部分は、前記第1膨張部の幅よりも小さい幅を有する第1縮小部からなっており、前記第2端子部は、x方向から見て前記第1端子部の前記第1膨張部と重なる部分までy方向において延びている。
【0011】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記第2端子部のうちx方向から見て前記第1端子部の前記第1膨張部と重なる部分は、前記第2膨張部の幅よりも小さい幅を有する第2縮小部からなっている。
【0012】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1端子部は、前記取出導電パターンに隣接するよう配置され、前記第1膨張部の幅より小さく、かつ前記第1縮小部の幅よりも大きい幅を有する第1本体部をさらに含み、前記第2端子部は、前記取出導電パターンに隣接するよう配置され、前記第2膨張部の幅より小さく、かつ前記第2縮小部の幅よりも大きい幅を有する第2本体部をさらに含んでいてもよい。
【0013】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、隣り合う前記第1端子部と前記第2端子部との間のx方向における間隔は、前記第1端子部および前記第2端子部の全域にわたって、前記第1端子部と前記第2端子部とが導通することを防ぐ導通防止間隔よりも大きくなっている。
【0014】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、隣り合う前記第1端子部および前記第2端子部において、前記第1膨張部と前記第2膨張部との間の間隔が、前記導通防止間隔よりも大きくなっている。
【0015】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記端子列の各端子部間のx方向における配置ピッチをPとするとき、好ましくは、前記第1膨張部および前記第2膨張部の幅が、前記配置ピッチPよりも小さくなっている。
【0016】
本発明によるタッチパネルセンサは、前記基板の法線方向から前記端子列の各端子部に接続された複数の接続端子部を有する信号伝達手段をさらに備えていてもよい。この場合、前記信号伝達手段の各接続端子部は、x方向に並べられるとともに各々がy方向に延びている。
【0017】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記端子列の各端子部間のx方向における配置ピッチをPとするとき、好ましくは、前記信号伝達手段の各接続端子部の幅が、前記配置ピッチPよりも小さくなっている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タッチパネルセンサの端子列の複数の端子部は、x方向に沿って交互に並べられた第1端子部および第2端子部を有している。このうち第1端子部は、取出導電パターンに接続され、取出導電パターンの幅よりも大きな幅を有する第1膨張部を有している。また第2端子部は、取出導電パターンに接続され、取出導電パターンの幅よりも大きな幅を有する第2膨張部を有している。これによって、プローブなどの検査用部材を各端子部に接触させる作業を容易にすることができる。また、第1膨張部および第2膨張部は、x方向から見て互いに重ならないよう配置されている。これによって、プローブなどの検査用部材が第1膨張部および第2膨張部の両方に同時に接触することを防ぐことができる。さらに、第1膨張部および第2膨張部は、y方向から見て互いに重ならないよう配置されている。このため、端子列から信号を取り出すための信号伝達手段として、簡易な構造からなる接続端子部を有する信号伝達手段を用いることが可能となる。また、信号伝達手段の接続端子部を端子列の端子部に接続させる作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態におけるタッチパネルセンサを示す平面図。
【図2】図2は、図1のタッチパネルセンサの端子列を拡大して示す図。
【図3】図3は、図2の端子列の端子部を拡大して示す図。
【図4】図4は、本発明の実施の形態において、タッチパネルセンサの端子部にプローブが接触される様子を示す図。
【図5】図5は、本発明の実施の形態において、タッチパネルセンサの端子部にフレキシブルプリント基板の接続端子部が接続される様子を示す図。
【図6】図6は、第1の比較の形態において、タッチパネルセンサの端子部にプローブが接触される様子を示す図。
【図7】図7は、第2の比較の形態において、タッチパネルセンサの端子部にフレキシブルプリント基板の接続端子部が接続される様子を示す図。
【図8】図8は、第2の比較の形態において、タッチパネルセンサの端子部に、第2の比較の形態に対応するフレキシブルプリント基板の接続端子部が接続される様子を示す図。
【図9】図9は、第1膨張部および第2膨張部の変形例を示す図。
【図10】図10は、第1膨張部および第2膨張部のその他の変形例を示す図。
【図11】図11は、端子列の変形例を示す図。
【図12】図12は、タッチパネルセンサの変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態について説明する。はじめに図1を参照して、本実施の形態によるタッチパネルセンサ10全体について説明する。図1は、タッチパネルセンサ10を示す平面図である。ここでは、タッチパネルセンサ10が静電容量方式のタッチパネルセンサからなる場合について説明する。
【0021】
タッチパネルセンサ
タッチパネルセンサ10は、タッチパネルセンサ10への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置または接近位置を検知して、検知に基づく信号を外部に送るものである。このタッチパネルセンサ10は、基板11と、基板11上に所定のパターンで設けられ、接触位置などのいわゆるタッチを検出する複数の透明導電パターン13,14と、基板11上に設けられ、各々が1つの透明導電パターン13または透明導電パターン14に対応する複数の端子部を含む端子列17と、基板11上に設けられ、各々が1つの透明導電パターン13,14と前記端子列17の1つの端子部との間を電気的に接続する複数の取出導電パターン15と、を備えている。
【0022】
このようなタッチパネルセンサ10を、液晶ディスプレイなどの表示部(図示せず)上に搭載することにより、タッチパネル機能付き表示装置(図示せず)を実現することができる。この場合、タッチパネルセンサ10のうち複数の透明導電パターン13,14が設けられている領域は、表示部から出射する映像光が透過する表示領域となっている。一方、タッチパネルセンサ10のうち複数の取出導電パターン15および端子列17が設けられている領域は、映像光が透過しない非表示領域となっている。
【0023】
上述のように、透明導電パターン13,14は表示領域に設けられており、このため、透明導電パターン13,14は、導電性および透光性を有する透明導電材料から構成されている。透明導電材料としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)が挙げられる。一方、上述のように、取出導電パターン15および端子列17は非表示領域に設けられており、このため、取出導電パターン15および端子列17が透光性を有する必要はない。従って取出導電パターン15および端子列17は一般に、透明導電材料よりも高い電気伝導率を有し、遮光性を備えた金属材料から構成される。
【0024】
以下、タッチパネルセンサ10の各構成要素について詳細に説明する。
【0025】
(電極パターン)
図1に示すように、複数の透明導電パターン13,14は、x方向に延びる複数のx透明導電パターン13と、x方向に直交するy方向に延びる複数のy透明導電パターン14とからなっている。このうち各x透明導電パターン13は、x方向に沿って並べられ、略正方形の形状を有する複数のx単位電極13aと、隣接するx単位電極13a間を接続するx接続部13bと、を含んでいる。同様に、各y透明導電パターン14は、y方向に沿って並べられ、略正方形の形状を有する複数のy単位電極14aと、隣接するy単位電極14a間を接続するy接続部14bと、を含んでいる。また基板11の法線方向において、x接続部13bとy接続部14bとの間には絶縁材料が介在されており、これによって、x接続部13bとy接続部14bとが互いに絶縁されている。なお本実施の形態において、「x方向」として特定される方向が特に限られることはない。すなわち本実施の形態においては、様々な方向のうちの一の方向を表現するために便宜上「x方向」という文言が用いられている。
【0026】
x単位電極13aおよびy単位電極14aの寸法は、タッチパネルセンサ10によって検知される指又はペン等に対する必要解像度により決定される。なお、x単位電極13aおよびy単位電極14aの形状が正方形に限られることはなく、多角形や円形など様々な形状が適宜選択され得る。
【0027】
(端子列)
端子列17は、透明導電パターン13,14からの信号を外部の構成要素に伝達させる際、信号の取り出しを容易にするために設けられたものである。図1に示すように、端子列17の各端子部は、取出導電パターン15を介してx透明導電パターン13の1つに接続されるか、または、取出導電パターン15を介してy透明導電パターン14の1つに接続されている。
【0028】
端子列17は、図1に示すように、基板11の外縁のうちx方向に延びる外縁11eの近傍に配置されている。また端子列17の各端子部は、図1に示すように、x方向に沿って並べられるとともに各々がy方向に延びている。
【0029】
(信号伝達手段)
また図1には、端子列17の各端子部に接続される複数の接続端子部52を有する接続端子列51を備えた信号伝達手段、例えばフレキシブルプリント基板50が示されている。図1においては、端子列17に接続される前の状態のフレキシブルプリント基板50が示されている。
【0030】
フレキシブルプリント基板50の接続端子列51の各接続端子部52は、基板11上の端子列17の各端子部に対応するようx方向に並べられている。また各接続端子部52は、一般に図1に示すように、y方向に延びるよう構成されている。以下、端子列17からの信号がこのようなフレキシブルプリント基板50によって取り出されるという条件の下で、導通検査が容易かつ確実に実施され得るよう端子列17の各端子部の形状を改良する例について説明する。
【0031】
端子列の詳細
以下、図2および図3を参照して、本実施の形態による端子列17について詳細に説明する。
【0032】
図2に示すように、端子列17の複数の端子部は、x方向に沿って交互に並べられ、各々が1つの取出導電パターン15に接続された第1端子部20および第2端子部30を有している。このうち第1端子部20は、取出導電パターン15に隣接する第1本体部21と、第1本体部21よりも基板11の外縁11e側に配置された第1縮小部23と、第1縮小部23よりも基板11の外縁11e側に配置された第1膨張部22と、を含んでいる。また第2端子部30は、取出導電パターン15に隣接する第2本体部31と、第2本体部31よりも基板11の外縁11e側に配置された第2膨張部32と、第2膨張部32よりも基板11の外縁11e側に配置された第2縮小部33と、を含んでいる。
【0033】
以下、図2および図3を参照して、第1端子部20および第2端子部30について詳細に説明する。
【0034】
一般に、各端子部20,30は、所定のピッチでx方向に規則的に並べられている。図3において、x方向における各端子部20,30の配置ピッチが符号Pにより表されている。なお「配置ピッチ」とは、y方向に延びるとともに各端子部20,30の中心を通る中心線18を各端子部20,30に対して描いた場合の、隣り合う中心線18間の間隔を意味している。なお図3に示すように、各端子部20,30は、好ましくは、中心線18を中心としてx方向に対称となるよう構成されている。
【0035】
配置ピッチPの具体的な値は特には限られないが、例えば200μmとなっている。なお200μmという値は、従来のタッチパネルセンサの端子列における配置ピッチに比べて著しく小さな値となっている。ここで本実施の形態によれば、後の説明から明らかになるように、各端子部20,30の形状を改良することにより、このような小さな配置ピッチPが実現されている。
【0036】
〔端子部の幅について〕
次に、各端子部20,30の幅について説明する。なお本実施の形態において、「幅」とは、x方向における各構成要素の寸法を意味している。
【0037】
図3において、第1本体部21の幅が符号aで表され、第1膨張部22の幅が符号aで表され、第1縮小部23の幅が符号aで表されている。ここで第1膨張部22の幅aは第1本体部21の幅aよりも大きくなっており、また第1本体部21の幅aは第1縮小部23の幅aよりも大きくなっている。すなわち、a>a>aの関係が成立している。なお幅a,a,aのうち少なくとも第1本体部21の幅aおよび第1膨張部22の幅aは、取出導電パターン15の幅よりも大きくなっている。
【0038】
また図3において、第2本体部31の幅が符号bで表され、第2膨張部32の幅が符号bで表され、第2縮小部33の幅が符号bで表されている。ここで第2膨張部32の幅bは第2本体部31の幅bよりも大きくなっており、また第2本体部31の幅bは第2縮小部33の幅bよりも大きくなっている。すなわち、b>b>bの関係が成立している。なお幅b,b,bのうち少なくとも第2本体部31の幅bおよび第2膨張部32の幅bは、取出導電パターン15の幅よりも大きくなっている。
【0039】
好ましくは、第1膨張部22の幅aおよび第2膨張部32の幅bは、上述の配置ピッチPよりも小さくなっている。
【0040】
〔端子部の位置関係について〕
次に、各端子部20,30の位置関係について説明する。本実施の形態において、各端子部20,30の構成要素は、隣り合う第1端子部20と第2端子部30との間の間隔が、所定の導通防止間隔よりも大きくなるよう配置されている。なお導通防止間隔とは、隣り合う第1端子部20と第2端子部30とが導通してしまうことを防ぐために第1端子部20と第2端子部30との間に設けられるべき最小限の間隔のことである。
【0041】
なお導通を生じさせ得る具体的な態様としては、導通検査の際のプローブの位置決め誤差に起因して第1端子部20と第2端子部30とがプローブを介して導通してしまうことや、端子列17とフレキシブルプリント基板50の接続端子列51とが接続される際のフレキシブルプリント基板50の位置決め誤差に起因して第1端子部20と第2端子部30とが接続端子部52を介して導通してしまうことなどが考えられる。また、エレクトロマイグレーションに起因して第1端子部20と第2端子部30とが導通してしまうことも考えられる。ここで本実施の形態によれば、隣り合う第1端子部20と第2端子部30との間の間隔が上述の導通防止間隔よりも大きくなるよう各端子部20,30を構成することにより、意図しない導通が生じることを防ぐことができる。
【0042】
なお上述の「隣り合う第1端子部20と第2端子部30との間の間隔」には、x方向における間隔だけでなく、その他の方向における間隔も含まれる。図3においては、x方向における間隔として、第1本体部21と第2本体部31との間の間隔d、第1縮小部23と第2膨張部32との間の間隔d、および第1膨張部22と第2縮小部33との間の間隔dが示されている。また、その他の方向、例えばx方向およびy方向から傾斜した方向における間隔として、第1本体部21と第2膨張部32との間の間隔d、および第1膨張部22と第2膨張部32との間の間隔dが示されている。本実施の形態においては、これら間隔d〜dのいずれもが導通防止間隔よりも大きくなるよう、各端子部20,30が構成される。
【0043】
導通防止間隔の具体的な値は、プローブやフレキシブルプリント基板50の位置決め精度や、タッチパネルセンサ10の使用環境などに応じて適宜設定されるが、一般に100〜500μmの範囲内となっている。例えば100μmとなっている。
【0044】
次に、第1膨張部22と第2膨張部32との間の位置関係について説明する。図2および図3に示すように、第1膨張部22および第2膨張部32は、x方向から見て互いに重ならないよう配置されている。具体的には、第1端子部20の第1膨張部22は、第2端子部30の第2膨張部32よりも基板11の外縁11e側に配置されている。このように第1膨張部22および第2膨張部32を配置することにより、第1端子部20と第2端子部30との間の間隔が小さくなる箇所が生成されることを防ぐことができる。
また図2および図3に示すように、第1膨張部22および第2膨張部32は、y方向から見た場合にも互いに重ならないよう配置されている。具体的には、第1膨張部22の幅aおよび第2膨張部32の幅bが上述の配置ピッチPよりも小さくなっており、また、第1膨張部22および第2膨張部32が上述の中心線18を中心としてx方向に対称となるよう構成されている。これによって、y方向から見た場合に第1膨張部22および第2膨張部32が互いに重なることを防ぐことができる。
【0045】
また第1膨張部22および第2膨張部32は、第1膨張部22と第2膨張部32との間の間隔dが所定の導通防止間隔よりも大きくなるよう配置されている。具体的には、間隔dが所定の導通防止間隔よりも大きくなるよう、y方向における第1端子部20と第2端子部30との間の離間距離dが定められている。
【0046】
次に、第1膨張部22および第2膨張部32と隣り合う部分について説明する。図3に示すように、第1端子部20のうちx方向から見て第2端子部30の第2膨張部32と重なる部分は、上述の第1縮小部23からなっている。同様に、第2端子部30のうちx方向から見て第1端子部20の第1膨張部22と重なる部分は、上述の第2縮小部33からなっている。このように第1縮小部23および第2縮小部33を設けることにより、第1膨張部22および第2膨張部32の存在に起因して第1端子部20と第2端子部30との間の間隔が小さくなってしまうことを防ぐことができる。
【0047】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、タッチパネルセンサ10の導通検査を実施する方法、および、端子列17にフレキシブルプリント基板50の接続端子列51を接続する方法について説明する。また、フレキシブルプリント基板50を備えたタッチパネルセンサ10を用いて、タッチパネル装置およびタッチパネル機能付き表示装置を構成する方法について説明する。
【0048】
導通検査方法
はじめにタッチパネルセンサ10の導通検査方法について図4を参照して説明する。ここでは、プローブを端子列17の各端子部20,30に接触させることにより導通検査を実施する方法について説明する。なお、用いられるプローブの位置決め精度が例えば±80μmになっていると仮定する。
【0049】
まずプローブを、各端子部20,30のうち導通検査の対象となる端子部20,30の膨張部22,32上に移動させる。次に、プローブの先端部を、所定の圧力で膨張部22,32に接触させる。なお、ここでは、基板11の法線方向から見た場合におけるプローブの先端部と基板11との間の接触領域(以下、プローブ接点)が直径wの円形となるよう、プローブの先端部の形状およびプローブの接触圧力が調整されているとする。プローブ接点の直径wの具体的な値は、端子部20,30の配置および形状に応じて適宜設定されるが、例えば、上述の配置ピッチPの約半分となるよう設定される。具体的には、配置ピッチPが200μmとなっている場合、プローブ接点の直径wが約100μmとなっている。
【0050】
図4において、第1端子部20の第1膨張部22の中心部を目標としてプローブを基板11に接触させた場合に形成されるプローブ接点を符号25(25a〜25c)で示す。このうち符号25aは、プローブの接触位置が目標通りとなっている場合のプローブ接点を示しており、符号25bは、プローブの接触位置がx方向において目標から80μmずれた場合のプローブ接点を示している。また符号25cは、プローブの接触位置がx方向およびy方向から傾斜した方向において目標から80μmずれた場合のプローブ接点を示している。
【0051】
ここで本実施の形態によれば、上述のように、第1端子部20の第1膨張部22は、その幅が取出導電パターン15の幅、第1本体部21の幅および第1縮小部23の幅よりも大きくなるよう構成されている。このため、プローブの先端部を第1端子部20に接触させる作業を容易に実施することができる。すなわち、プローブの接触位置が目標からずれた場合であっても、図4において符号25bおよび符号25cにより表されているように、プローブを第1端子部20の第1膨張部22に接触させることができる。
【0052】
また本実施の形態によれば、上述のように、各端子部20,30は、隣り合う第1端子部20と第2端子部30との間の間隔が所定の導通防止間隔よりも大きくなるよう構成されている。このため、プローブの接触位置が目標からずれた場合であっても、プローブの先端部が第1端子部20の隣にある第2端子部30に接触することを防ぐことができる。これによって、第1端子部20を対象とする導通検査の際にプローブが誤って第2端子部30に接触されることを防ぐことができ、若しくは、プローブを介して第1端子部20と第2端子部30との間が導通されることを防ぐことができる。
【0053】
また図4において、第1端子部20の場合と同様に、第2端子部30が導通検査の対象となる場合に形成されるプローブ接点35(35a〜35c)が示されている。第2端子部30に関しても、図4から明らかなように、プローブの先端部を第2端子部30に接触させる作業を容易に実施することができる。また、プローブの接触位置が目標からずれた場合であっても、プローブの先端部が第2端子部30の隣にある第1端子部20に接触することを防ぐことができる。
【0054】
フレキシブルプリント基板との接続方法
次にタッチパネルセンサ10にフレキシブルプリント基板50を接続する方法について図5を参照して説明する。図5においては、各端子部20,30が接続端子列51の接続端子部52によって覆われ、これによって各端子部20,30と対応する接続端子部52とが接続されている様子が示されている。なお図5においては、接続端子部52が便宜上点線で示されている。
【0055】
図5において、各接続端子部52の幅が符号wで表されている。好ましくは、各接続端子部52の幅wは、上述の配置ピッチPよりも小さくなっている。
【0056】
まずx方向およびy方向におけるフレキシブルプリント基板50の位置決めを実施する。具体的には、フレキシブルプリント基板50の接続端子列51の各接続端子部52が、端子列17の対応する端子部20,30上に配置されるよう、適切な搬送手段(図示せず)を用いてフレキシブルプリント基板50をx方向およびy方向において移動させる。
【0057】
次にフレキシブルプリント基板50を、基板11の法線方向において基板11に向けて移動させる。これによって、基板11上の端子部20,30とフレキシブルプリント基板50の接続端子部52とが電気的に接続される。この際、端子部20,30と接続端子部52との間に何らかの導電層が介在されていてもよい。例えば、基板11の法線方向においては導電性を有し、x方向およびy方向においては絶縁性を有する異方性導電層が介在されていてもよい。異方性導電層は、例えば、導電性粒子および絶縁性バインダから構成されている。このような異方性導電層を用いることにより、フレキシブルプリント基板50を基板11に接続する作業を容易にすることができ、また、フレキシブルプリント基板50と基板11との間の接続をより強固にすることができる。
【0058】
なお上述のように、端子部20,30および接続端子部52はともにy方向に延びている。このため、y方向におけるフレキシブルプリント基板50の位置決めが目標からずれたとしても、端子部20,30と接続端子部52との間での導通を十分に確保することが可能である。
【0059】
ここで本実施の形態によれば、上述のように、第1膨張部22および第2膨張部32は、y方向から見て互いに重ならないよう配置されている。このため、図5に示すように、端子列17から信号を取り出すためのフレキシブルプリント基板50として、簡易な構造からなる一般的なフレキシブルプリント基板を用いることが可能となる。具体的には、フレキシブルプリント基板50の接続端子列51として、x方向に並べられるとともに各々がy方向に延びる複数の接続端子部52を含む接続端子列51を用いることができる。より具体的には、各々がほぼ同一の矩形の形状を有する複数の接続端子部52を含む接続端子列51を用いることができる。従って、配置ピッチPを小さくするために端子部20,30に膨張部22,32を設ける場合であっても、フレキシブルプリント基板50に特殊な設計を必要としないので、その入手性が悪化してしまうことを防ぐことができる。
【0060】
また本実施の形態によれば、上述のように、第1膨張部22の幅aおよび第2膨張部32の幅bは、端子部20,30の配置ピッチPよりも小さくなっており、また同様に、各接続端子部52の幅wは、上述の配置ピッチPよりも小さくなっている。このため、x方向におけるフレキシブルプリント基板50の位置決めが目標からわずかにずれた場合であっても、1つの接続端子部52が第1端子部20および第2端子部30の両方に接続されてしまうことを防ぐことができる。なお図5に示す例において、x方向におけるフレキシブルプリント基板50の位置決めの許容誤差は、x方向における第1膨張部22と第2膨張部32との間の離間距離dによって定められる。この離間距離dは、フレキシブルプリント基板50を搬送する搬送手段の精度に応じて適宜定められるが、例えば100〜500μmの範囲内となっている。
【0061】
また本実施の形態によれば、図2に示すように、y方向において、第1端子部20の寸法と第2端子部30の寸法とが略同一になっている。また第1端子部20および第2端子部30は各々、本体部21,31、膨張部22,32および縮小部23,33を含んでいる。このように各端子部20,30を同様の構成要素を用いて構成することにより、第1端子部20と接続端子列51との間の接触抵抗と、第2端子部30と接続端子部52との間の接触抵抗とを略同一にすることができる。このことにより、透明導電パターン13,14からの信号を各々略同一の接触抵抗でフレキシブルプリント基板50によって取り出すことができる。
【0062】
タッチパネル装置およびタッチパネル機能付き表示装置の作製方法
次に、基板11に接続されたフレキシブルプリント基板50を、各透明導電パターン13,14からの信号を解析してタッチ位置を算出する制御部(図示せず)に接続する。これによって、タッチ位置を算出することができるタッチパネル装置(図示せず)が作製される。また、このようなタッチパネル装置を、液晶ディスプレイなどの表示部(図示せず)上に搭載することにより、タッチパネル機能付き表示装置(図示せず)が作製される。
【0063】
ここで本実施の形態によれば、上述のように、各端子部20,30の配置ピッチPを小さくすることが実現されており、このため、端子列17によって占有される領域の面積が低減されている。このことにより、タッチパネルセンサ10、タッチパネル装置およびタッチパネル機能付き表示装置の小型化を実現することができる。また、端子列17によって占有される領域の面積を低減することにより、フレキシブルプリント基板50の材料に要する費用を削減することができ、これによって、タッチパネルセンサ10、タッチパネル装置およびタッチパネル機能付き表示装置のコスト削減を実現することができる。
【0064】
また本実施の形態によれば、上述のように、各端子部20,30は、隣り合う第1端子部20と第2端子部30との間の間隔が、所定の導通防止間隔よりも大きくなるよう構成されている。このため、タッチパネルセンサ10、タッチパネル装置およびタッチパネル機能付き表示装置が使用されている間に、エレクトロマイグレーションによって隣り合う第1端子部20と第2端子部30とが導通してしまうことを防ぐことができる。
【0065】
第1の比較の形態
次に、図6を参照して、本実施の形態の効果を第1の比較の形態と比較して説明する。
【0066】
図6に示す第1の比較の形態において、基板11上に設けられた端子列の各端子部60は、取出導電パターン15の幅よりも大きい幅を有する膨張部62を含んでいる。ここで図6に示すように、各膨張部62は、x方向から見て互いに重なるよう配置されている。このため第1の比較の形態によれば、図6において符号25bで示されるように、プローブの先端部の接触位置がx方向において目標からずれた場合に、プローブの先端部が意図しない端子部60に接触してしまうことが考えられる。
【0067】
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、第1膨張部22および第2膨張部32は、x方向から見て互いに重ならないよう配置されている。このため、隣り合う第1端子部20と第2端子部30との間の間隔を、所定の導通防止間隔よりも大きくすることができる。このことにより、プローブの接触位置がx方向において目標からずれた場合であっても、プローブの先端部が意図しない端子部20,30に接触してしまうことを防ぐことができる。
【0068】
第2の比較の形態
次に、図7および図8を参照して、本実施の形態の効果を第2の比較の形態と比較して説明する。
【0069】
図7に示す第2の比較の形態において、基板11上に設けられた端子列は、x方向に沿って交互に並べられた第1端子部70および第2端子部75を有している。このうち第1端子部70は、取出導電パターン15の幅よりも大きい幅を有する第1膨張部72を含んでおり、また第2端子部75は、取出導電パターン15の幅よりも大きい幅を有する第2膨張部77を含んでいる。
【0070】
図7に示すように、第1膨張部72および第2膨張部77は、y方向から見て互いに部分的に重なるよう配置されている。このため第2の比較の形態によれば、本実施の形態によるフレキシブルプリント基板50が用いられる場合、図7に示すように、接続端子列51の1つの接続端子部52が複数の端子部70,75に接続されてしまうことが考えらえる。
【0071】
従って、このような第1端子部70および第2端子部75が用いられる場合、図8に示すように、フレキシブルプリント基板として、第1膨張部72および第2膨張部77の配置に対応するよう特別に設計された第1端子部74および第2端子部79を含むフレキシブルプリント基板が用いられる必要がある。この場合、図8に示すように、第1端子部74の形状と第2端子部79の形状は異なっており、このため、フレキシブルプリント基板の入手性が悪化してしまうことが考えられる。また図8に示すフレキシブルプリント基板が用いられる場合、フレキシブルプリント基板50の位置決めを、x方向だけでなくy方向においても精密に実施する必要がある。従って、フレキシブルプリント基板50の位置決め工程が複雑になり、また、位置決めに要する時間が長くなってしまうと考えられる。
【0072】
これに対して本実施の形態によれば、上述のように、第1膨張部22および第2膨張部32は、y方向から見て互いに重ならないよう配置されている。このため、端子列17から信号を取り出すためのフレキシブルプリント基板50として、簡易な構造からなる一般的なフレキシブルプリント基板を用いることができる。また、y方向におけるフレキシブルプリント基板50の位置決めが目標からずれたとしても、端子部20,30と接続端子部52との間での導通を十分に確保することができる。
【0073】
第1膨張部および第2膨張部の変形例
なお本実施の形態において、第1膨張部22および第2膨張部32の形状が矩形形状となっている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1膨張部22の幅aが第1本体部21の幅aおよび第1縮小部23の幅aよりも大きく、かつ第2膨張部32の幅bが第2本体部31の幅bおよび第2縮小部33の幅bよりも大きくなっている限りにおいて、第1膨張部22および第2膨張部32の形状として様々な形状を採用することができる。
【0074】
例えば図9に示すように、第1膨張部22のうち少なくとも第2膨張部32に面する部分が湾曲した輪郭(湾曲輪郭22a)を有し、第2膨張部32のうち少なくとも第1膨張部22に面する部分が湾曲した輪郭(湾曲輪郭32a)を有していてもよい。図9に示す例においても、膨張部22,32を設けることにより、プローブの先端部を端子部20,30に接触させる作業が容易化されている。また図9に示す例によれば、上述の本実施の形態の場合と同等の膨張部22,32間の間隔dを確保しながら、y方向における膨張部22,32間の離間距離dをより小さくすることができる。これによって、基板11上で端子列17によって占有される領域の面積をより小さくすることができ、このことにより、タッチパネルセンサ10をより小型にすることができる。
【0075】
また図10に示すように、第1膨張部22のうち少なくとも第2膨張部32に面する部分が、x方向およびy方向に対して傾斜した方向に延びる輪郭(傾斜輪郭22b)を有し、第2膨張部32のうち少なくとも第1膨張部22に面する部分が、第1膨張部22の傾斜輪郭22bに略平行する輪郭(傾斜輪郭32b)を有していてもよい。図10に示す例においても、膨張部22,32を設けることにより、プローブの先端部を端子部20,30に接触させる作業が容易化されている。また図10に示す例によれば、上述の本実施の形態の場合と同等の膨張部22,32間の間隔dを確保しながら、y方向における膨張部22,32間の離間距離dをより小さくすることができる。これによって、基板11上で端子列17によって占有される領域の面積をより小さくすることができ、このことにより、タッチパネルセンサ10をより小型にすることができる。
【0076】
端子列の変形例
また本実施の形態において、端子列17が、x方向に沿って交互に並べられ、各々が1つの取出導電パターン15に接続された第1端子部20および第2端子部30からなる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、x方向およびy方向から見て各端子部の膨張部が重ならない限りにおいて、3種類以上の端子部から端子列17が構成されていてもよい。例えば図11に示すように、端子列17が、x方向に沿って交互に並べられ、各々が1つの取出導電パターン15に接続された第1端子部20、第2端子部30および第3端子部40を有していてもよい。
【0077】
図11に示す例において、第3端子部40は、取出導電パターン15に隣接し、取出導電パターン15の幅よりも大きい幅を有する第3本体部41と、第3本体部41よりも基板11の外縁11e側に配置され、第3本体部41の幅よりも大きい幅を有する第3膨張部42と、第3膨張部42よりも基板11の外縁11e側に配置され、第3本体部41の幅よりも小さい幅を有する第3縮小部43と、を含んでいる。また各膨張部22,32,42は、x方向から見て互いに重ならないとともに、y方向から見て互いに重ならないよう配置されている。より具体的には、x方向から見て第1膨張部22と重なる部分には第2縮小部33および第3縮小部43が配置され、x方向から見て第2膨張部32と重なる部分には第1縮小部23および第3縮小部43が配置され、x方向から見て第3膨張部42と重なる部分には第1縮小部23および第2縮小部33が配置されている。これによって、上述の配置ピッチPが小さくされる場合であっても、プローブの先端部を各端子部20,30,40に接触させる作業を容易化させるとともに、各端子部20,30,40間の間隔が小さくなることを防ぐことができる。
【0078】
タッチパネルセンサの変形例
また本実施の形態において、透明導電パターン13,14が基板11の一面上にのみ設けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、透明導電パターン13,14が11の両面上に設けられてもよい。例えば、x透明導電パターン13が基板11の一面上に設けられ、y透明導電パターン14が基板11の他面上に設けられてもよい。この場合、端子列17も基板11の両面上にそれぞれ設けられてもよい。図12は、端子列17が基板11の両面上にそれぞれ設けられている例を示す縦断面図である。図12に示すように、基板11の一面上に設けられる端子列17および基板11の他面上に設けられる端子列17はそれぞれ、x方向に沿って交互に並べられ、各々が1つの取出導電パターンに接続された第1端子部20および第2端子部30を有している。これによって、上述の配置ピッチPが小さくされる場合であっても、プローブの先端部を各端子部20,30に接触させる作業を容易化させるとともに、各端子部20,30間の間隔が小さくなることを防ぐことができる。
【0079】
また本実施の形態において、導通検査の際、1回の作業ごとに1つのプローブの先端部が1つの第1端子部20または第2端子部30に接触される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、導通検査において、複数のプローブが規則的に配置されたプローブカードが用いられてもよい。この場合、複数のプローブの先端部を同時に複数の端子部20,30に接触させることができ、これによって、複数の端子部20,30に対する導通検査を同時に実施することができる。このことにより、導通検査に要する時間を短くすることができる。
【0080】
また本実施の形態において、タッチパネルセンサ10が静電容量方式のタッチパネルセンサからなる例を示した。しかしながら、タッチパネルセンサ10が上述の端子列17を備える限りにおいて、抵抗方式などその他の方式によってタッチパネルセンサ10が実現されていてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 タッチパネルセンサ部
11 基板
11e 外縁
13 x透明導電パターン
14 y透明導電パターン
15 取出導電パターン
17 端子列
18 中心線
20 第1端子部
21 第1本体部
22 第1膨張部
22a 湾曲輪郭
22b 傾斜輪郭
23 第1縮小部
25 プローブ接点
30 第2端子部
31 第2本体部
32 第2膨張部
32a 湾曲輪郭
32b 傾斜輪郭
33 第2縮小部
35 プローブ接点
40 第3端子部
50 フレキシブルプリント基板
51 接続端子列
52 接続端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に所定のパターンで設けられた複数の透明導電パターンと、
前記基板上に設けられ、各々が1つの前記透明導電パターンに対応する複数の端子部を含む端子列であって、各端子部は、x方向に並べられるとともに各々がx方向に直交するy方向に延びる、端子列と、
前記基板上に設けられ、各々が1つの前記透明導電パターンと前記端子列の1つの端子部との間を電気的に接続する複数の取出導電パターンと、を備え、
前記端子列の複数の端子部は、x方向に沿って交互に並べられた第1端子部および第2端子部を有し、
前記第1端子部は、前記取出導電パターンの幅よりも大きい幅を有する第1膨張部を含み、
前記第2端子部は、前記取出導電パターンの幅よりも大きい幅を有する第2膨張部を含み、
前記第1膨張部および前記第2膨張部は、x方向から見て互いに重ならないとともに、y方向から見て互いに重ならないよう配置されていることを特徴とするタッチパネルセンサ。
【請求項2】
前記第1端子部の前記第1膨張部は、前記第2端子部の前記第2膨張部よりも前記基板の外縁側に配置されており、
前記第1端子部のうちx方向から見て前記第2端子部の前記第2膨張部と重なる部分は、前記第1膨張部の幅よりも小さい幅を有する第1縮小部からなっており、
前記第2端子部は、x方向から見て前記第1端子部の前記第1膨張部と重なる部分までy方向において延びていることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
【請求項3】
前記第2端子部のうちx方向から見て前記第1端子部の前記第1膨張部と重なる部分は、前記第2膨張部の幅よりも小さい幅を有する第2縮小部からなっていることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネルセンサ。
【請求項4】
前記第1端子部は、前記取出導電パターンに隣接するよう配置され、前記第1膨張部の幅より小さく、かつ前記第1縮小部の幅よりも大きい幅を有する第1本体部をさらに含み、
前記第2端子部は、前記取出導電パターンに隣接するよう配置され、前記第2膨張部の幅より小さく、かつ前記第2縮小部の幅よりも大きい幅を有する第2本体部をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のタッチパネルセンサ。
【請求項5】
隣り合う前記第1端子部と前記第2端子部との間のx方向における間隔は、前記第1端子部および前記第2端子部の全域にわたって、前記第1端子部と前記第2端子部とが導通することを防ぐ導通防止間隔よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタッチパネルセンサ。
【請求項6】
隣り合う前記第1端子部および前記第2端子部において、前記第1膨張部と前記第2膨張部との間の間隔が、前記導通防止間隔よりも大きくなっていることを特徴とする請求項5に記載のタッチパネルセンサ。
【請求項7】
前記端子列の各端子部間のx方向における配置ピッチをPとするとき、前記第1膨張部および前記第2膨張部の幅が、前記配置ピッチPよりも小さくなっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のタッチパネルセンサ。
【請求項8】
前記基板の法線方向から前記端子列の各端子部に接続された複数の接続端子部を有する信号伝達手段をさらに備え、
前記信号伝達手段の各接続端子部は、x方向に並べられるとともに各々がy方向に延びていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のタッチパネルセンサ。
【請求項9】
前記端子列の各端子部間のx方向における配置ピッチをPとするとき、前記信号伝達手段の各接続端子部の幅が、前記配置ピッチPよりも小さくなっていることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネルセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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