説明

タッチパネル付き液晶表示装置

【課題】表示される画像の状態等に応じて、消費電力の低減を図るタッチパネル付き液晶表示装置を提供する。
【解決手段】ソースドライバ20は、タッチパネル50への接触が検知されず、かつ、入力画像信号による画像が静止画像である場合に、所定期間に亘ってソース配線14をハイインピーダンス状態にし、ゲートドライバ30は、所定期間に亘ってゲート配線13の駆動を停止する。所定期間は、所定期間は、ソース配線14にデータ電圧が印加された後にデータ電圧が印加されない状態が継続した場合に液晶の電圧の保持率があらかじめ決められている値になるまでの期間に応じて設定されたフレーム数に応じた期間であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルの前面にタッチパネルが設けられたタッチパネル付き液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の走査配線と複数のデータ配線とが交差するように配置され、走査配線に走査信号を順次供給して静止画像および動画像を表示可能な液晶表示装置において、動画像におけるあるフレームの画像を静止表示させる際に、走査信号の供給を停止させるように構成された液晶表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された液晶表示装置では、走査信号の供給が数秒間停止される。そのような制御を行うことによって、液晶表示装置の消費電力が低減する。
【0003】
また、あるフレームと次のフレームとの間に休止期間を設定し、休止期間においてデータ配線をハイインピーダンス状態にする液晶表示装置がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された液晶表示装置では、データ配線をハイインピーダンス状態にした後、さらに、駆動回路におけるアナログ回路(例えば、ソースドライバ)への電力供給を停止して消費電力を低減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−219287号公報
【特許文献2】特開2001−312253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載された液晶表示装置は、休止期間においてデータ配線をハイインピーダンス状態にする等の制御を行うことによって消費電力を低減させるが、常にそのような制御を実行する。よって、表示品位がある程度低下することは否めない。
【0006】
特許文献1に記載された液晶表示装置では、動画像におけるあるフレームの画像を静止表示させる際に走査信号の供給を停止させることによって、消費電力を低減させることができるが、画像を静止表示させる人為的な要請が生じない限り、消費電力を低減させることができる制御は実行されない。特許文献1に記載された発明の目的は、動画中の所望の画像を停止表示させることだからである。
【0007】
本発明は、表示される画像の状態等に応じて、消費電力の低減を図るタッチパネル付き液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるタッチパネル付き液晶表示装置は、複数のゲート配線と複数のソース配線とが交差するように配置された液晶表示パネルと、ゲート配線にゲート電圧を順次印加するゲートドライバと、ソース配線にデータ電圧(ソース電圧)を印加するソースドライバと、液晶表示パネルの視認側に設けられたタッチパネルとを備えたタッチパネル付き液晶表示装置であって、ソースドライバが、タッチパネルへの接触が検知されず、かつ、入力画像信号による画像が静止画像である場合に、所定期間に亘ってソース配線をハイインピーダンス状態にし、タッチパネルへの接触が検知されたら、ソース配線のハイインピーダンス状態を解除することを特徴とする。
【0009】
所定期間は、ソース配線にデータ電圧が印加された後にデータ電圧が印加されない状態が継続した場合に液晶の電圧の保持率があらかじめ決められている値になるまでの期間に応じて設定されたフレーム数に応じた期間であることが好ましい。そのような構成によれば、液晶表示パネルの表示画面の視認性を低下させないようにしつつ消費電力を低減することができる。
【0010】
ゲートドライバが、所定期間に亘ってゲート配線の駆動を停止することが好ましい。そのような構成によれば、消費電力をより低減することができる。
【0011】
ソースドライバが、出力バッファ回路を有し、出力バッファ回路が、複数の駆動能力のうちのいずれかの駆動能力でソース配線を駆動することが可能である場合には、所定期間に亘って複数の駆動能力のうちの最低の駆動能力でソース配線を駆動する状態に出力バッファ回路を設定することが好ましい。そのような構成によれば、消費電力をさらに低減することができる。
【0012】
タッチパネル付き液晶表示装置は、入力画像信号にもとづく画像が静止画像であるのか動画像であるのか判定する動き検出部と、タッチパネルに対する接触があったか否か判定するタッチ検出部とを含むように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示される画像の状態等に応じて、消費電力の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】タッチパネル付き液晶表示装置の構成例を示すブロック図。
【図2】ソースドライバ、ゲートドライバおよびタイミング制御回路の内部構成の一例とそれらにおける入出力信号の状態を示すブロック図。
【図3】ラッチ回路の動作例を示すタイミング図。
【図4】電流増幅率の一例を示す説明図。
【図5】液晶の電圧の保持率の一例を示す説明図。
【図6】ソースドライバの動作を模式的に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明によるタッチパネル付き液晶表示装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すタッチパネル付き液晶表示装置において、液晶表示パネル10には、マトリクス状に多数の画素12が形成されている。画素を形成するために、横方向(行方向)に多数のゲート配線13が設けられ、ゲート配線13と交差するように列方向に多数のソース配線14が設けられている。そして、ゲート配線13とソース配線14との交差部には、TFT15が形成されている。TFT15のドレイン電極16は画素電極に接続されている。
【0017】
一般に、ゲート配線13、ソース配線14および画素12が形成されている基板と対向する位置に対向基板(図示せず)が設けられ、画素12が形成されている基板と対向基板との間に液晶が挟持されている。対向基板には共通電極(コモン電極)が形成されている。共通電極はコモン電位に設定される。なお、電気的には液晶は容量を有する素子であると見なすことができるので、図1には、一端が画素電極に接続され、他端の電位がコモン電位になるキャパシタ17が示されている。
【0018】
ゲートドライバ30は、タイミング制御回路40が出力する信号にもとづいて線順次にゲート配線13を駆動する。選択されたゲート配線13すなわちゲートオン電圧VGHが印加されているゲート配線13に接続されている画素における画素電極には、ソース配線14を介してソースドライバ20によってデータ電圧(データ信号に応じた電圧)Vが印加される。
【0019】
なお、図1に示すソースドライバ20、ゲートドライバ30およびタイミング制御回路40は、液晶表示パネルの駆動装置の構成要素である。
【0020】
抵抗膜方式、静電容量方式またはその他の方式によるタッチパネル50は、液晶表示パネル10の表面側(視認側)に設置される。タッチパネル50は、制御部60に、接触された位置を特定可能な座標特定信号を出力する。
【0021】
制御部60は、画像信号を入力し、画像信号をタイミング制御回路40に出力する。画像信号は、画像データの他に、水平同期信号および垂直同期信号、またはそれらに相当する信号が含まれる。また、制御部60は、動き検出部61とタッチ検出部62とを含む。
【0022】
動き検出部61は、画像信号を用いて、現在入力されている画像信号にもとづく画像が静止画像であるのか動画像であるのか判定する。動き検出部61は、動画像であると判定した場合には、タイミング制御回路40に出力される動き検出信号の状態を有意な状態(例えば、ハイレベル)にする。
【0023】
タッチ検出部62は、座標特定信号にもとづいて、タッチパネル50に対する接触があったか否か判定する。タッチ検出部62は、タッチパネル50に対する接触があったと判定した場合には、タイミング制御回路40に出力されるタッチ信号の状態を有意な状態(例えば、ハイレベル)にする。
【0024】
なお、制御部60は、タッチパネル付き液晶表示装置に内蔵されていてもよいが、タッチパネル付き液晶表示装置の外部に設けられていてもよい。
【0025】
図2は、ソースドライバ20、ゲートドライバ30およびタイミング制御回路40の内部構成の一例とそれらに入出力される信号の状態を示すブロック図である。
【0026】
タイミング制御回路40は、タイミング発生器41に加えてラッチ回路42を有する。ラッチ回路42は、タッチ信号と動き検出信号との論理和に相当する信号Aを垂直同期信号(V−sync)がオン状態になったときにラッチし、ラッチ信号を、出力イネーブル信号OEとして出力する。
【0027】
図3は、ラッチ回路42の動作例を示すタイミング図である。図3に示すように、タッチ信号がオン状態(この例では、ハイレベル)であるときにV−syncが立ち上がると(図3における「a」参照)、出力イネーブル信号OEはオン状態(この例では、ローレベル)になる。なお、図3には、タッチ信号が例示されているが、動き検出信号がオン状態になった場合にも、ラッチ回路42は、出力イネーブル信号OEをオン状態にする。
【0028】
本実施の形態では、出力イネーブル信号OEは、ローアクティブである。出力イネーブル信号OEは、ソースドライバ20およびゲートドライバ30に供給される。
【0029】
タイミング発生器41は、画像データ信号(図示せず)、データシフト用のクロック信号CLK、選択期間の開始を示す信号に相当する水平スタートパルスSTH、および1行のデータのラッチを指定するラッチ信号LPを、ソースドライバ20に出力する。また、タイミング発生器41は、1フレームの開始を示す信号に相当するゲートスタートパルスSTV、およびラッチ信号と同等の信号であるシフトクロック信号CLKVを、ゲートドライバ30に出力する。
【0030】
なお、タイミング発生器41は、出力イネーブル信号OEがオン状態からオフ状態に変化した後に開始される数フレーム(例えば、7フレーム)に亘って、信号の出力を停止する。具体的には、例えば、出力する信号の状態をハイインピーダンス状態にする。
【0031】
ソースドライバ20は、ソース信号生成部21と出力バッファ回路22とを有する。ソース信号生成部21は、画像データ信号等にもとづいて各ソース配線14を駆動するためのデータ信号を生成する。なお、ソースドライバ20は、D−A変換器を有し、データ信号をアナログ信号として出力バッファ回路22に出力する。
【0032】
出力バッファ回路22は、D−A変換器の出力を電流増幅して各ソース配線14に印加する。本実施の形態では、出力バッファ回路22の電流増幅率(駆動能力)は可変であるとする。
【0033】
図4は、電流増幅率の一例を示す説明図である。図4に例示されているように、駆動能力として、130%(出力P)、100%(出力Q)、80%(出力R)、およびD−A変換器からの信号そのもの(出力S)とがある。駆動能力130%および80%は出力Qの駆動能力を基準にした相対的な最大出力電流に相当する。また、D−A変換器からの信号による駆動能力は、出力Rの駆動能力よりも低いとする。
【0034】
次に、タッチパネル付き液晶表示装置の動作を説明する。図5は、液晶の電圧の保持率の一例を示す説明図である。図5に示す例では、液晶の電圧保持率(Voltage Holding Ratio :画素に蓄積された電荷が1フレーム(16.7ms)間において保持される割合)は、99.4%であるとする。また、画素へのデータ書き込み時に液晶に5Vの電圧が印加されるとする。図5において、黒丸印は、第1フレームの選択期間において画素にデータが書き込まれ(画素に対する充電がなされ)てから、nフレーム(n:自然数)が経過した時点における電荷の保持率に相当する。100%は、選択期間における電荷の保持率である。
【0035】
1フレームの時間が経過したときの電圧の保持率は、以下のように表される。
(5*EXP (−16.7/CR))/5×100 (CおよびRは、画素に関する容量および抵抗値)
【0036】
また、2フレーム以降の時間が経過したときの電圧の保持率は、以下のように表される。
保持率=0.994×100 (n:フレーム数)
【0037】
すると、あるフレーム(図5に示す例では、「1」で示されるフレーム)においてデータが書き込まれた後、後続する7フレーム間データの再書き込みが行われなかった場合に、電圧の保持率は約95%になる。保持率が95%であっても、視認者は、静止画を十分視認可能である。そこで、本実施の形態では、駆動装置は、所定の条件が成立すると、データが書き込まれた後の7フレーム間データの再書き込みが行われないように制御する。
【0038】
データの再書き込みが行われない期間は、ソース配線14にデータ電圧が印加された後にデータ電圧が印加されない状態が継続した場合に液晶の電圧の保持率があらかじめ決められている値(この例では、95%を下回らないような値)になるまでの期間に応じて設定されたフレーム数に応じた期間である。よって、電圧保持率が99.4%ではない液晶を使用する場合、または保持率が95%になるまでの期間が7フレームではない液晶を使用する場合には、データの再書き込みが行われない期間は、7フレームとは異なることがある。
【0039】
また、本実施の形態では、画素の電圧の保持率が95%を下回らないように制御するが、保持率が92%程度でも視認者は静止画を視認可能であり、92%程度の保持率を許容する場合には、データの再書き込みを行わないフレーム数を、7よりも多くすることができる。
【0040】
以下、ソースライン反転駆動(列反転駆動)方式を使用する場合を例にする。列反転駆動方式は、1フレームにおいてデータ電圧が例えば左側のソース配線(列)から右側の列に向かって、正極性(コモン電圧よりもソース電極の電位の方が高い)、負極性(コモン電圧よりもソース電極の電位の方が低い)、正極性、負極性、・・・になるようにし(奇数列は正極性駆動、偶数列は負極性駆動)、次のフレームでは各列のデータ電圧の極性が直前のフレームにおける極性と逆になるようにする駆動法である。
【0041】
タッチ制御部62は、接触された位置を特定可能な座標特定信号が入力されたときに、タッチ信号をオン状態にする。タッチ信号をオン状態にしてから所定期間(例えば、3秒間)はオン状態を維持する。
【0042】
動き検出部61は、入力される画像データを用いて、現在入力されている画像信号にもとづく画像が静止画像であるのか動画像であるのか判定する。一例として、動き検出部61は、少なくとも1フレーム分の画像データを記憶可能なメモリを有し、入力されている画像データとメモリに記憶されている直前のフレームの画像データとを比較して、動き検出を行う。なお、動き検出方法として、公知のいずれの方法を使用してもよい。
【0043】
動き検出部61は、動き検出によって、動画像が入力されていると判定した場合に、動き検出信号をオン状態にする。
【0044】
制御部60からのタッチ信号がオン状態である場合(タッチセンサ20への接触がなされた場合)または動き検出信号がオン状態である場合(動画像である場合)には、出力イネーブル信号OEがオン状態になり、ソースドライバ20およびゲートドライバ30は、通常駆動動作を行う。ゲートドライバ30の通常駆動動作は、線順次にゲート配線13にゲートオン電圧を印加する動作である。ソースドライバ20の通常の駆動動作は、各ソース配線14にデータ電圧を印加する動作である。
【0045】
タイミング制御回路40において、ラッチ回路42は、タッチ信号または動き検出信号がオン状態である場合に、出力イネーブル信号OEをオン状態にする。
【0046】
ソースドライバ20における出力バッファ回路22は、出力イネーブル信号OEがオフ状態(この例では、ハイレベル)になると、以後開始される7フレームに亘って、出力をハイインピーダンス状態にする。すなわち、各ソース配線14をハイインピーダンス状態にする。よって、ソースドライバ20は、ソース配線14に電流を流さない。その結果、7フレームの期間において、通常駆動動作を行うときに比べて、ソースドライバ20の消費電力は低減する。
【0047】
出力バッファ回路22は、出力イネーブル信号OEがオフ状態であるときに、駆動能力を最低(図4に示す例では、出力R)にすることが好ましい。出力バッファ回路22の出力はハイインピーダンス状態であるが、その状態でも出力バッファ回路22自体は電力消費し、駆動能力が最低であるときの電力消費量が最も小さいからである。
【0048】
また、ゲートドライバ30は、出力イネーブル信号OEがオフ状態になると、以後開始される7フレームに亘って、各ゲート配線13を駆動しない。すなわち、各ゲート配線13にゲートオフ電圧(例えば、−6V)を印加する。ゲート配線13を駆動しないようにすることによって、通常駆動動作を行うときに比べて、ゲートドライバ30の消費電力は低減する。
【0049】
なお、7フレームの期間が経過する前に、出力イネーブル信号OEがオン状態に戻った場合には、直後に開始されるフレームから、ソースドライバ20およびゲートドライバ30は通常駆動動作を行う状態に戻る。
【0050】
また、7フレームの期間が経過しても出力イネーブル信号OEのオフ状態が継続している場合には、8フレーム目ではソースドライバ20およびゲートドライバ30は通常駆動動作を行い、次のフレームから7フレームに亘って、ソースドライバ20は出力をハイインピーダンス状態にし、ゲートドライバ30は各ゲート配線13を駆動しない。
【0051】
図6は、ソースドライバ20の動作を模式的に示す説明図である。図6(A)には、出力イネーブル信号OEがオフ状態(ハイレベル)であって、第1フレーム(1F)でソースドライバ20が通常駆動動作を行った後に、以後の6フレーム(2〜6Fおよび7F)において出力をハイインピーダンス状態にしたが、第7フレーム(7F)において出力イネーブル信号OEがオン状態(ローレベル)になった例が示されている。すなわち、7フレームにおいてハイインピーダンス状態を解除する状態となっている。その後、図6(A)に示すように、第8フレーム以降では、ソースドライバ20は通常駆動動作を行う。
【0052】
なお、図6において、「奇数出力」は各々のフレームにおける奇数列のデータ電圧を模式的に示し、「偶数出力」は各々のフレームにおける偶数列のデータ電圧を模式的に示す。また、矢印の先で示されている箇所が実際にソース配線14が駆動されるフレームを示し、矢印が付されていないフレームおよび矢印の出元のフレームにおけるソース配線14は、実際には駆動されていない(ハイインピーダンス状態にされている。)。
【0053】
図6(B)には、出力イネーブル信号OEのオフ状態が長期間継続している場合の例が示されている。この場合には、第1フレーム(1F)でソースドライバ20が通常駆動動作を行った後、以後の7フレーム(2〜8F)において出力をハイインピーダンス状態にし、第9フレーム(9F)において再び通常駆動動作を行った後、第10フレーム以降では、出力をハイインピーダンス状態にする。
【0054】
図6(C)には、従来例が示されている。図6(C)に示す例では、ソースドライバ20は、全てのフレームにおいて通常駆動動作を行う。
【0055】
なお、ソースドライバ20が出力をハイインピーダンス状態にしているときに、ゲートドライバ30は、ゲート配線13にゲートオフ電圧を印加する。また、ソースドライバ20およびゲートドライバ30に入力される各信号の状態もハイインピーダンス状態になっている。
【0056】
本実施の形態では、ソースドライバ20が、タッチパネル50へのタッチ操作が検出されず、かつ、入力画像信号が静止画像である場合に、ソース配線14を駆動しないので、その場合におけるソースドライバ20の消費電力が低減する。また、ゲートドライバ30が、タッチパネル50へのタッチ操作が検出されず、かつ、入力画像信号が静止画像である場合に、ゲート配線13を駆動しないので、その場合におけるゲートドライバ30の消費電力が低減する。
【0057】
なお、上記の実施の形態のように、あるフレームで通常駆動動作を行った後7フレームに亘って通常駆動動作を実行しないように構成する場合には、その間の駆動に関する消費電力が1/8に低減する。
【0058】
また、本実施の形態では、動画像である場合にソース配線14を駆動するように制御するだけでなく、タッチパネル50へのタッチ操作が検出された場合にもソース配線14を駆動するように制御する。よって、タッチパネル50へのタッチ操作がなされたときに液晶表示パネル10の表示を切り替えるような装置であってタッチパネル付き液晶表示装置が組み込まれた装置において、通常駆動動作を実行していない状態から早めに通常駆動動作を実行する状態に移行することができる。すなわち、図2に示すタッチ信号を検知すると直ちにソース配線14のハイインピーダンス状態を解除して、通常駆動動作の準備を整えていることができるので、動き検出信号を待たずに早く移行できる。つまり、動画像である(静止画の表示内容の切替を含む。)ことが検知される前に、タッチパネル50へのタッチ操作が検知されるから早い状態移行が可能となる。
【0059】
また、上記の実施の形態では、列反転駆動方式を使用する場合を例にしたが、他の反転駆動方式を用いる場合にも本発明を適用することができる。さらに、IPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明を、タッチパネルおよび液晶表示装置を搭載するタブレット端末や電子書籍端末等の装置に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 液晶表示パネル
12 画素
13 ゲート配線
14 ソース配線
15 TFT
16 ドレイン電極
17 キャパシタ
20 ソースドライバ
21 ソース信号生成部
22 出力バッファ回路
30 ゲートドライバ
40 タイミングコントロール回路
41 タイミング発生器
42 ラッチ回路
50 タッチパネル
60 制御部
61 動き検出部
62 タッチ検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲート配線と複数のソース配線とが交差するように配置された液晶表示パネルと、前記ゲート配線にゲート電圧を順次印加するゲートドライバと、前記ソース配線にデータ電圧を印加するソースドライバと、前記液晶表示パネルの視認側に設けられたタッチパネルとを備えたタッチパネル付き液晶表示装置であって、
前記ソースドライバは、前記タッチパネルへの接触が検知されず、かつ、入力画像信号による画像が静止画像である場合に、所定期間に亘って前記ソース配線をハイインピーダンス状態にし、前記タッチパネルへの接触が検知されたら、前記ソース配線のハイインピーダンス状態を解除する
ことを特徴とするタッチパネル付き液晶表示装置。
【請求項2】
前記所定期間は、ソース配線にデータ電圧が印加された後にデータ電圧が印加されない状態が継続した場合に液晶の電圧の保持率があらかじめ決められている値になるまでの期間に応じて設定されたフレーム数に応じた期間である
請求項1記載のタッチパネル付き液晶表示装置。
【請求項3】
ゲートドライバは、前記所定期間に亘ってゲート配線の駆動を停止する
請求項1または請求項2記載のタッチパネル付き液晶表示装置。
【請求項4】
ソースドライバは、出力バッファ回路を有し、
前記出力バッファ回路は、複数の駆動能力のうちのいずれかの駆動能力でソース配線を駆動し、
前記所定期間に亘って前記複数の駆動能力のうちの最低の駆動能力でソース配線を駆動する状態に前記出力バッファ回路を設定する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のタッチパネル付き液晶表示装置。
【請求項5】
入力画像信号にもとづく画像が静止画像であるのか動画像であるのか判定する動き検出部と、タッチパネルに対する接触があったか否か判定するタッチ検出部とを含む
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のタッチパネル付き液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−173380(P2012−173380A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32961(P2011−32961)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000103747)京セラディスプレイ株式会社 (843)
【Fターム(参考)】