タッチパネル付き表示装置
【課題】本発明は、操作時のグリップ性を向上させるとともに、指操作に起因する画面の汚れを防止することができるタッチパネル付き表示装置を提供する。
【解決手段】ビデオプレーヤー10のモニタ12に画像を全表示する場合には、タッチパネル16をモニタ12から退避した位置に位置させる。これにより、表示時の大画面化を実現できる。また、装置本体14をグリップし操作する場合には、タッチパネル16をモニタ12の一部又は全部を覆う位置に位置させ、このタッチパネル16をグリップ部として兼用する。これにより、操作時のグリップ性が向上し、また、操作時にはモニタ12の一部又は全部を覆ったタッチパネル16を触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。
【解決手段】ビデオプレーヤー10のモニタ12に画像を全表示する場合には、タッチパネル16をモニタ12から退避した位置に位置させる。これにより、表示時の大画面化を実現できる。また、装置本体14をグリップし操作する場合には、タッチパネル16をモニタ12の一部又は全部を覆う位置に位置させ、このタッチパネル16をグリップ部として兼用する。これにより、操作時のグリップ性が向上し、また、操作時にはモニタ12の一部又は全部を覆ったタッチパネル16を触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネル付き表示装置に係り、特に表示画面上に位置するタッチパネルを操作することにより各種操作が可能なタッチパネル付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオプレーヤー、デジタルカメラ等の電子カメラ、カメラ付き携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機器等の機器においては液晶モニタ等の表示装置が設けられ、この表示装置の表示画面に、例えばカメラにおいては撮影前のスルー画像や撮影した画像が映し出される。
【0003】
ところで近年、上記のような機器の小型化が急速に進んでいるが、表示装置については、迫力のある見やすい画像を映し出すため、より大きな画面サイズが望まれている。この要求により、上記のような機器においては大画面の表示装置が搭載されているが、機器本体のサイズに対して表示画面の占める面積が大きくなると、操作時に機器を握るグリップ部が小さくなるため、ユーザが機器を保持しにくくなり機器の操作性が低下するという欠点があった。また、機器を把持する手で表示画面を触ってしまい、画像の一部が見えなくなるという問題もあった。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、本願出願人は特許文献1において、再生時に大画面モニタで迫力のある画像の再生を可能にするとともに、撮影時にカメラを把持する手によって隠れる表示画面の一部を画面が表示されないタッチパネルとして利用し、そのタッチパネルの部分をも保持可能とすることによりグリップ性を向上させたタッチパネル付き表示装置を提案している。
【0005】
特許文献1のタッチパネル付き表示装置によれば、撮影時は表示画面上で構図を確認するだけであり画像を観賞する訳ではないので大画面は必要なく、むしろグリップ性を高めて撮影操作性を向上させたい理由から、タッチパネルをグリップ部として兼用している。また、画像に関しては、タッチパネルとして利用される以外の範囲の画面に縮小表示している。
【特許文献1】特開平11−289484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のタッチパネル付き表示装置は、撮影時において画像が映し出されない表示画面の一部をタッチパネルとして利用しているが、表示画面に直接触れて操作していることに違いはない。よって、再生時に画像が全画面に映し出された際に、タッチパネルとして利用された表示画面の一部が指操作によって汚れているため、その部分に写し出される画像が見難くなるという問題があった。また、その汚れは外光反射の原因になるので、明るい屋外では反射によって画像が見づらくなるという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、操作時のグリップ性を向上させるとともに、指操作に起因する画面の汚れを防止することができるタッチパネル付き表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、表示画面を有する装置本体と、前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とを選択可能なタッチパネルと、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、表示画面に画像を全表示する場合には、タッチパネルを表示画面から退避した位置に位置させる。これにより、表示時の大画面化を実現できる。また、装置本体をグリップし操作する場合には、タッチパネルを表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置させ、このタッチパネルをグリップ部として兼用する。これにより、操作時のグリップ性が向上し、また、操作時には表示画面の一部又は全部を覆ったタッチパネルを触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記装置本体は縦長形状に形成され、前記表示画面は横長形状に形成され、前記タッチパネルは、前記装置本体に収納されるとともに収納位置と表示画面の一部又は全部を覆う位置との間で出し入れされることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、装置本体、表示画面の形状を特定したものであり、すなわち、装置本体は縦長形状に形成され、表示画面は横長形状に形成されている。そして、タッチパネルは、装置本体に収納されるとともに、その収納位置と表示画面の一部又は全部を覆う位置との間で出し入れされる。タッチパネルを表示画面の下方側から上方に向けて出し入れすることにより、タッチパネルをグリップとして好適に利用できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置されると、前記表示画面は、タッチパネルの操作に関連した画像を表示することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、光透過性のタッチパネルとすることにより、タッチパネルによって覆われた画面をタッチパネルを介して見ることができ、また、タッチパネルによって覆われた画面に、タッチパネルの操作に関連した画像を表示させることにより、操作性の高いタッチパネル付き表示装置を提供できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2において、前記タッチパネルは、前記表示画面の一部を覆う第1の位置と、前記表示画面の一部よりも小さい面積を覆う第2の位置とに移動可能に構成され、タッチパネルの前記第2の位置から第1の位置への移動に対応して前記表示画面の表示形態を変更する表示制御手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、タッチパネルが表示装置の表示画面の一部を覆う位置と、この一部よりも小さい面積を覆う位置との間で移動可能に構成されており、このタッチパネルの移動に連動して表示画面における表示形態を表示切替手段によって切り替える。例えば、大画面を必要としない操作時に、表示画面の一部を覆う位置にタッチパネルを位置させることにより、グリップ部として利用される面積を広く確保することができるので、操作時のグリップ性を向上させることができる。また、操作時には表示画面の一部を覆ったタッチパネルを触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。そして、その時の操作画像は、前記一部を除く画面に表示される。一方、必要上最小限の操作ボタンをタッチパネルに設け、この操作ボタンが露出する位置、すなわち前記一部よりも小さい面積を覆う位置にタッチパネルを位置させれば、再生時に必要とする操作ボタンを確保しつつ大画面化を実現できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2又は4において、前記タッチパネルの移動位置に応じて前記表示画面に表示される画像のアスペクト比を変更する表示制御手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、タッチパネルの移動位置に応じて、タッチパネルが重なる部分を除く表示画面に画像をフル表示させるように画像のアスペクト比を変更するので、画像が見易くなる。例えば、タッチパネルが重ならない表示画面のアスペクト比(縦横比)を3:4に設定することにより標準サイズの画面を観賞でき、タッチパネルが重ならない表示画面のアスペクト比(縦横比)を9:16に設定することによりワイドサイズの画面に切り替えることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、前記目的を達成するために、表示画面を有する装置本体と、前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とに移動可能なタッチパネルと、前記タッチパネルの移動位置に応じて画像再生、音楽再生の再生モードを切り替えるモード切替手段と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、タッチパネルが表示画面から退避した位置に位置すると、モード切替手段が画像再生モードに切り替える。また、タッチパネルが表示画面の全部を覆う位置に位置すると、モード切替手段が音楽再生モードに切り替える。この場合、タッチパネルには、画像再生時に操作する操作ボタンの他、音楽再生時に操作する操作ボタンが表示画面上に現れる。更に、タッチパネルが表示画面の一部を覆う位置に位置した場合には、画像再生モード、音楽再生モードのうち一方の再生モードが選択される。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の全部を覆う位置に位置されると、前記モード切替手段は音楽再生モードに切り替えるとともに、前記表示画面は、タッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像を表示することを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、光透過性のタッチパネルが表示画面の前部を覆う位置に位置すると、モード切替手段によって再生モードが音楽再生モードに切り替えられ、そして、表示画面にはタッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像が表示される。例えば、タッチパネルに形成された曲目選択ボタンを操作すると、表示画面には複数の曲目が文字表示され、その中から選択した曲目をタッチパネルに形成された決定ボタンを操作することにより選択することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るタッチパネル付き表示装置によれば、装置本体をグリップし操作する場合には、タッチパネルを表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置させ、このタッチパネルをグリップ部として兼用したので、操作時のグリップ性が向上し、また、操作時には表示画面の一部又は全部を覆ったタッチパネルを触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明に係るタッチパネル付き表示装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0024】
なお、以下の説明では、本発明のタッチパネル付き表示装置を、画像再生可能なビデオプレーヤー、画像・音楽再生可能なビデオ・オーディオプレーヤーに適用した例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子カメラ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ポケットPC等の携帯PC、タッチパネルを備える携帯ゲーム機器等に適用可能である。
【0025】
図1は本発明が適用されたビデオプレーヤー10の正面図であり、図2はその縦断面図である。図1の如く、ビデオプレーヤー10の正面の上部には、横長形状のモニタ(表示画面)12が設けられる。このモニタ12は、液晶ディスプレイ(LCD)によって構成されるとともに、縦長扁平形状の装置本体14に対して可能な限り横長大画面のものが用いられている。
【0026】
また、このモニタ12は、電源スイッチ及び画面サイズ切り替え操作並びにタッチパネル16をモニタ12に対して進退移動操作するスライドレバー18の操作に基づき、図3に示す標準サイズ(縦横比3:4)の画像、及び図4に示すワイドサイズ(縦横比9:16)の画像を表示することができる。なお、図2において符号20は、電子回路が実装された回路基板であり、符号22は内蔵のHDD(Hard Disc Drive) である。また、符号24は、装置本体14の左下隅部に配置されたスピーカである。このビデオプレーヤー10は、モニタ12の下方に位置する装置本体がグリップ部15として利用され、このグリップ部15を把持した右手又は左手の指で操作可能な位置にスライドレバー18が設けられている。
【0027】
スライドレバー18は、装置本体14の正面に形成された開口部26に上下方向にスライド自在に設けられるとともに、下段の「OFF」位置28、中段の「標準」位置30、上段の「ワイド」位置32に不図示のクリック機構によって保持される。スライドレバー18が「OFF」位置28に保持されると、ビデオプレーヤー10の電源はOFFになり、スライドレバー18が「標準」位置30又は「ワイド」位置32に保持されるとビデオプレーヤー10の電源がONになる。
【0028】
このスライドレバー18とタッチパネル16とは、図2の如く装置本体14の内側で連結されている。タッチパネル16は図3、図4の如く、モニタ12に隣接した下方位置に配置されるとともにモニタ12よりも長い横長矩形状に形成されている。このタッチパネル16はプラスチックプレートによって構成され、図1の如くスライドレバー18を「OFF」位置28に操作することにより、装置本体14に収納されてモニタ12から退避した退避位置に位置される。また、タッチパネル16は、図4の如くスライドレバー18を「ワイド」位置32に操作することにより、モニタ12の下側部(一部)を覆う第1の引き出し位置(第1の位置)に位置され、また、図3の如くスライドレバー18を「標準」位置30に位置させると、モニタ12の下側部を覆う位置であって図4に示した引き出し位置よりもタッチパネル16によって覆う面積が小さい第2の引き出し位置(第2の位置)に位置される。図3に示した第2の引き出し位置において、タッチパネル16によって覆われた画面を除く画面が標準サイズ(縦横比3:4)に対応した画面サイズとなり、また、図4に示した第1の引き出し位置において、タッチパネル16によって覆われた画面を除く画面がワイドサイズ(縦横比9:16)に対応した画面サイズとなる。
【0029】
更に、ビデオプレーヤー10には、スライドレバー18が図1、図2に示した「OFF」位置28に位置したこと、図3に示した「標準」位置30に位置したこと、及び図4に示した「ワイド」位置に位置したことを検出するポテンショメータ34が図5の如く装置本体14に内蔵されている。このポテンショメータ34によれば、ポテンショメータ34の回転軸36にアーム38の一端が連結され、アーム38の他端はピン40を介して、タッチパネル16の連結片42に形成された長孔44に係合されている。したがって、スライドレバー18の操作によりタッチパネル16が上下移動されると、それに連動してアーム38及び回転軸36が回動し、その回動量に応じた信号、すなわち、タッチパネル16の位置を示す信号がポテンショメータ34から、ビデオプレーヤー10を統括・制御するCPU50(図6参照)に出力される。
【0030】
ポテンショメータ34からCPU50に「OFF」位置28に位置したことを示す信号が出力されると、CPU50は電源をOFFにする。また、ポテンショメータ34からCPU50に「標準」位置30に位置したことを示す信号が出力されると、CPU50は標準画面に選択されたことを認識し、モニタ12に表示される画像を図3の標準サイズ(縦横比3:4)に設定する。これにより、タッチパネル16によって覆われた画面を除く標準サイズの画面に同じく標準サイズの画像がフル表示される。更に、ポテンショメータ34からCPU50に「ワイド」位置32に位置したことを示す信号が出力されると、CPU50はワイド画面に選択されたことを認識し、モニタ12に表示される画像を図4のワイドサイズ(縦横比9:16)に設定する。これにより、タッチパネル16によって覆われた画面を除くワイドサイズの画面に同じくワイドサイズの画像がフル表示される。すなわち、CPU50は、表示制御手段の機能を有している。
【0031】
なお、図3、図4に示した画像は、タッチパネル16によって画像が隠れないサイズに設定されているが、光透過性のタッチパネル16であれば、タッチパネル16によって隠れた画像をタッチパネル16を介して見ることができるので、タッチパネル16に覆われた画面を非表示にする必要はない。
【0032】
このタッチパネル16には図4の如く、画像の再生時に操作するスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、巻き戻しボタン58、メニュー選択ボタン60、トップボタン62、十字キーボタン64がそれぞれ所定の位置に配置されている。また、これらのボタン52〜64は、図3に示した標準サイズ時においてスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、及び巻き戻しボタン58がモニタ12上に露出され、図4に示したワイドサイズ時において全ボタン52〜64がモニタ12上に露出される。これらのボタン52〜64から受入する信号に応じて、図6に示すCPU50はモニタ12に表示する内容を変更する。これらのボタン52〜64による指の検出方式としては抵抗膜式、静電容量式、超音波式、及び光学式等の各種手段を用いることができる。
【0033】
また、各ボタン52〜64の表示形式として、タッチパネル16を光透過性部材によって構成し、このタッチパネル16に各ボタン52〜64の枠のみを表示し、枠内の記号、文字(タッチパネルの操作に関連した画像に相当)をその枠の位置に対応するようにモニタ12上に表示させてもよい。更に、枠及び記号、文字の全てをモニタ12上に表示させ、透明のボタン52〜64をタッチパネル16に形成してもよい。また、図1に示すフル画面のモニタ12に画像を表示させるように設定してもよい。これにより、再生時の大画面化を実現でき、モニタ12には画像がフル画面表示されるので、迫力のある画像を観賞できる。なお、この場合、スライドレバー18は画面サイズの切り替え部材としてのみ機能するため、電源スイッチが別途必要になる。
【0034】
図6は、ビデオプレーヤー10の全体構成を示したブロック図である。
【0035】
同図に示すようにCPU50は、バス66を介してビデオプレーヤー10の各ブロックに接続されており、タッチパネル16からタッチパネルI/F68を介しての操作入力に基づいて各ブロックを統括制御する。
【0036】
EEPROM70には、ビデオプレーヤー10の制御プログラムや制御に必要な各種の設定データ等が格納されている。電源回路72は、ビデオプレーヤー10の各ブロックに電源を供給する。
【0037】
HDD22には静止画及び動画の画像データ、音声データが記録されており、このHDD22から読み出された画像データは、圧縮・伸長回路74により伸長された後、ビデオトランスファー回路76によってビデオ信号に変換される。そして、デジタルビデオエンコーダ78によりエンコーディングされた後、PinP合成部80により画像合成されてビデオプレーヤー10のモニタ12に出力される。また、ビデオトランスファー回路76によって変換されたビデオ信号は、バッファメモリ82に一時記録される。一方、HDD22から読み出された音声信号は、発音部84を介してスピーカ24に出力され、スピーカ24から音声が発生される。
【0038】
次に、前記の如く構成されたビデオプレーヤー10の作用について説明する。
【0039】
ビデオプレーヤー10の正面に設けられたタッチパネル16は、図1の如くモニタ12の表示画面から退避した収納位置と、図3、図4の如くモニタ12の表示画面の一部を覆う第1の引き出し位置、第2の引き出し位置とに移動可能である。
【0040】
そして、ビデオプレーヤー10は、スライドレバー18を図1の「OFF」位置28から図3の「標準」位置30に移動させると、電源がONになるとともに、タッチパネル16に覆われないモニタ12の標準サイズの画面に、標準サイズの画面が図3の如くフル表示される。また、スライドレバー18を図3の「標準」位置30から図4の「ワイド」位置32に移動させると、タッチパネル16に覆われないモニタ12のワイドサイズの画面に、ワイドサイズの画面が図4の如くフル表示される。
【0041】
このように、画像の再生時に、タッチパネル16をモニタ12の表示画面の一部を覆う第1及び第2の引き出し位置に位置させることにより、グリップ部として利用される面積をタッチパネル16の引き出し面積分だけ広くとることができる。よって、ビデオプレーヤー10の再生時におけるグリップ性を向上させることができる。また、再生操作時にはモニタ12の一部を覆ったタッチパネル16の各ボタン62〜64を触れるだけなので、指操作に起因するモニタ32の汚れも防止できる。
【0042】
また、実施の形態のビデオプレーヤー10は、装置本体14が縦長形状に形成され、モニタ12が横長形状に形成されている。そして、タッチパネル16は、装置本体14に収納されるとともに、その収納位置と表示画面の一部を覆う第1及び第2の引き出し位置との間で出し入れされる。図3、図4の如く、タッチパネル16をモニタ12の下方側から出し入れすることにより、グリップ部15がモニタ12の下方に形成されていることからタッチパネル16をグリップとして好適に利用できる。
【0043】
図7、図8は他の実施の形態のビデオ・オーディオプレーヤー100が示され、図1〜図6に示したビデオプレーヤー10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
【0044】
図7に示すビデオ・オーディオプレーヤー100は、スライドレバー18が画像再生モードと音楽再生モードとを切り替える切替スイッチの機能を有するとともに、図7に示す画像再生モード位置102、及び図8に示す音楽再生モード位置104において不図示のクリック機構により係止される。また、ビデオ・オーディオプレーヤー100の装置本体14には、電源スイッチ105が設けられている。
【0045】
スライドレバー18のスライド操作に連動される光透過性のタッチパネル16には、図7の画像再生モード時にモニタ12上に位置するスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、巻き戻しボタン58が設けられるとともに、図8の音楽再生モード時にモニタ12上に位置する音楽操作用十字キーボタン106、決定ボタン108が設けられている。
【0046】
図8の音楽再生モード時において、タッチパネル16はモニタ12の全画面を覆う。そして、十字キーボタン106の操作による曲目選択時に、モニタ12には複数の曲目(タッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像)が図8のエリア110、112、114、116、118に文字表示され、また、十字キーボタン106を操作することによりこれらの曲目をモニタ12上にスクロール表示することができる。そしてまた、十字キーボタン106を操作して聞きたい曲目にカーソルを合わせた後、決定ボタン108を操作することにより、その曲を選択することができる。
【0047】
図9は、ビデオ・オーディオプレーヤー100の全体構成を示したブロック図であり、図6で示したブロック図と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
図9の如く、HDD22から読み出された音楽データは、圧縮・伸長回路120により伸長された後、オーディオデータ再生回路122によって再生され、発音部84を介してスピーカ24に出力される。
【0049】
このように構成されたビデオ・オーディオプレーヤー100によれば、画面を必要としない図8の音楽再生モード時に、モニタ32の全画面をタッチパネル16によって覆うため、グリップ部として利用される面積を広く確保することができる。よって、音楽再生操作時のグリップ性を向上させることができる。
【0050】
図10、図11に示したビデオプレーヤー150は、横長形状の装置本体152に横長形状のモニタ154が設けられたものである。タッチパネル16は、モニタ154の右側部から図10に示すモニタ154から退避した位置と、図11に示すモニタ154の一部を覆う位置との間で出し入れされる。タッチパネル16の出し入れ操作は、装置本体152の上面に設けられたレバー156のスライド操作によって行われている。
【0051】
このビデオプレーヤー150によれば、電源スイッチ158をONするとモニタ154に画像が写し出され、レバー156を図11の如く左方にスライド操作することによりタッチパネル16がモニタ154の一部を覆う位置に位置し、その際に露出しているスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、及び巻き戻しボタン58が操作可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係るビデオプレーヤーの正面図
【図2】図1に示したビデオプレーヤーの縦断面図
【図3】図1のビデオプレーヤーが標準サイズの画像をモニタに写し出している説明図
【図4】図1のビデオプレーヤーがワイドサイズの画像をモニタに写し出している説明図
【図5】タッチパネルの位置を検出するポテンショメータの構造を示す説明図
【図6】図1のビデオプレーヤーの全体構成を示したブロック図
【図7】ビデオ・オーディオプレーヤーの実施の形態を示した正面図
【図8】図7のビデオ・オーディオプレーヤーが音楽再生モードに切り替えられた状態の正面図
【図9】図7のビデオ・オーディオプレーヤーの全体構成を示したブロック図
【図10】ビデオプレーヤーの別実施例を示した正面図
【図11】ビデオプレーヤーの別実施例を示した正面図
【符号の説明】
【0053】
10…ビデオプレーヤー、12…モニタ、14…装置本体、15…グリップ部、16…タッチパネル、18…スライドレバー、22…HDD、34…ポテンショメータ、50…CPU50、52…スタートボタン、54…停止ボタン、56…一時停止ボタン、58…巻き戻しボタン、60…メニュー選択ボタン、62…トップボタン、64…十字キーボタン、100…ビデオ・オーディオプレーヤー
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネル付き表示装置に係り、特に表示画面上に位置するタッチパネルを操作することにより各種操作が可能なタッチパネル付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオプレーヤー、デジタルカメラ等の電子カメラ、カメラ付き携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機器等の機器においては液晶モニタ等の表示装置が設けられ、この表示装置の表示画面に、例えばカメラにおいては撮影前のスルー画像や撮影した画像が映し出される。
【0003】
ところで近年、上記のような機器の小型化が急速に進んでいるが、表示装置については、迫力のある見やすい画像を映し出すため、より大きな画面サイズが望まれている。この要求により、上記のような機器においては大画面の表示装置が搭載されているが、機器本体のサイズに対して表示画面の占める面積が大きくなると、操作時に機器を握るグリップ部が小さくなるため、ユーザが機器を保持しにくくなり機器の操作性が低下するという欠点があった。また、機器を把持する手で表示画面を触ってしまい、画像の一部が見えなくなるという問題もあった。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、本願出願人は特許文献1において、再生時に大画面モニタで迫力のある画像の再生を可能にするとともに、撮影時にカメラを把持する手によって隠れる表示画面の一部を画面が表示されないタッチパネルとして利用し、そのタッチパネルの部分をも保持可能とすることによりグリップ性を向上させたタッチパネル付き表示装置を提案している。
【0005】
特許文献1のタッチパネル付き表示装置によれば、撮影時は表示画面上で構図を確認するだけであり画像を観賞する訳ではないので大画面は必要なく、むしろグリップ性を高めて撮影操作性を向上させたい理由から、タッチパネルをグリップ部として兼用している。また、画像に関しては、タッチパネルとして利用される以外の範囲の画面に縮小表示している。
【特許文献1】特開平11−289484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のタッチパネル付き表示装置は、撮影時において画像が映し出されない表示画面の一部をタッチパネルとして利用しているが、表示画面に直接触れて操作していることに違いはない。よって、再生時に画像が全画面に映し出された際に、タッチパネルとして利用された表示画面の一部が指操作によって汚れているため、その部分に写し出される画像が見難くなるという問題があった。また、その汚れは外光反射の原因になるので、明るい屋外では反射によって画像が見づらくなるという問題もあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、操作時のグリップ性を向上させるとともに、指操作に起因する画面の汚れを防止することができるタッチパネル付き表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、表示画面を有する装置本体と、前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とを選択可能なタッチパネルと、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、表示画面に画像を全表示する場合には、タッチパネルを表示画面から退避した位置に位置させる。これにより、表示時の大画面化を実現できる。また、装置本体をグリップし操作する場合には、タッチパネルを表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置させ、このタッチパネルをグリップ部として兼用する。これにより、操作時のグリップ性が向上し、また、操作時には表示画面の一部又は全部を覆ったタッチパネルを触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記装置本体は縦長形状に形成され、前記表示画面は横長形状に形成され、前記タッチパネルは、前記装置本体に収納されるとともに収納位置と表示画面の一部又は全部を覆う位置との間で出し入れされることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、装置本体、表示画面の形状を特定したものであり、すなわち、装置本体は縦長形状に形成され、表示画面は横長形状に形成されている。そして、タッチパネルは、装置本体に収納されるとともに、その収納位置と表示画面の一部又は全部を覆う位置との間で出し入れされる。タッチパネルを表示画面の下方側から上方に向けて出し入れすることにより、タッチパネルをグリップとして好適に利用できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置されると、前記表示画面は、タッチパネルの操作に関連した画像を表示することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、光透過性のタッチパネルとすることにより、タッチパネルによって覆われた画面をタッチパネルを介して見ることができ、また、タッチパネルによって覆われた画面に、タッチパネルの操作に関連した画像を表示させることにより、操作性の高いタッチパネル付き表示装置を提供できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2において、前記タッチパネルは、前記表示画面の一部を覆う第1の位置と、前記表示画面の一部よりも小さい面積を覆う第2の位置とに移動可能に構成され、タッチパネルの前記第2の位置から第1の位置への移動に対応して前記表示画面の表示形態を変更する表示制御手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、タッチパネルが表示装置の表示画面の一部を覆う位置と、この一部よりも小さい面積を覆う位置との間で移動可能に構成されており、このタッチパネルの移動に連動して表示画面における表示形態を表示切替手段によって切り替える。例えば、大画面を必要としない操作時に、表示画面の一部を覆う位置にタッチパネルを位置させることにより、グリップ部として利用される面積を広く確保することができるので、操作時のグリップ性を向上させることができる。また、操作時には表示画面の一部を覆ったタッチパネルを触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。そして、その時の操作画像は、前記一部を除く画面に表示される。一方、必要上最小限の操作ボタンをタッチパネルに設け、この操作ボタンが露出する位置、すなわち前記一部よりも小さい面積を覆う位置にタッチパネルを位置させれば、再生時に必要とする操作ボタンを確保しつつ大画面化を実現できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2又は4において、前記タッチパネルの移動位置に応じて前記表示画面に表示される画像のアスペクト比を変更する表示制御手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、タッチパネルの移動位置に応じて、タッチパネルが重なる部分を除く表示画面に画像をフル表示させるように画像のアスペクト比を変更するので、画像が見易くなる。例えば、タッチパネルが重ならない表示画面のアスペクト比(縦横比)を3:4に設定することにより標準サイズの画面を観賞でき、タッチパネルが重ならない表示画面のアスペクト比(縦横比)を9:16に設定することによりワイドサイズの画面に切り替えることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、前記目的を達成するために、表示画面を有する装置本体と、前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とに移動可能なタッチパネルと、前記タッチパネルの移動位置に応じて画像再生、音楽再生の再生モードを切り替えるモード切替手段と、を有することを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、タッチパネルが表示画面から退避した位置に位置すると、モード切替手段が画像再生モードに切り替える。また、タッチパネルが表示画面の全部を覆う位置に位置すると、モード切替手段が音楽再生モードに切り替える。この場合、タッチパネルには、画像再生時に操作する操作ボタンの他、音楽再生時に操作する操作ボタンが表示画面上に現れる。更に、タッチパネルが表示画面の一部を覆う位置に位置した場合には、画像再生モード、音楽再生モードのうち一方の再生モードが選択される。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の全部を覆う位置に位置されると、前記モード切替手段は音楽再生モードに切り替えるとともに、前記表示画面は、タッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像を表示することを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、光透過性のタッチパネルが表示画面の前部を覆う位置に位置すると、モード切替手段によって再生モードが音楽再生モードに切り替えられ、そして、表示画面にはタッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像が表示される。例えば、タッチパネルに形成された曲目選択ボタンを操作すると、表示画面には複数の曲目が文字表示され、その中から選択した曲目をタッチパネルに形成された決定ボタンを操作することにより選択することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るタッチパネル付き表示装置によれば、装置本体をグリップし操作する場合には、タッチパネルを表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置させ、このタッチパネルをグリップ部として兼用したので、操作時のグリップ性が向上し、また、操作時には表示画面の一部又は全部を覆ったタッチパネルを触れるだけなので、指操作に起因する表示画面の汚れも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に従って本発明に係るタッチパネル付き表示装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0024】
なお、以下の説明では、本発明のタッチパネル付き表示装置を、画像再生可能なビデオプレーヤー、画像・音楽再生可能なビデオ・オーディオプレーヤーに適用した例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子カメラ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ポケットPC等の携帯PC、タッチパネルを備える携帯ゲーム機器等に適用可能である。
【0025】
図1は本発明が適用されたビデオプレーヤー10の正面図であり、図2はその縦断面図である。図1の如く、ビデオプレーヤー10の正面の上部には、横長形状のモニタ(表示画面)12が設けられる。このモニタ12は、液晶ディスプレイ(LCD)によって構成されるとともに、縦長扁平形状の装置本体14に対して可能な限り横長大画面のものが用いられている。
【0026】
また、このモニタ12は、電源スイッチ及び画面サイズ切り替え操作並びにタッチパネル16をモニタ12に対して進退移動操作するスライドレバー18の操作に基づき、図3に示す標準サイズ(縦横比3:4)の画像、及び図4に示すワイドサイズ(縦横比9:16)の画像を表示することができる。なお、図2において符号20は、電子回路が実装された回路基板であり、符号22は内蔵のHDD(Hard Disc Drive) である。また、符号24は、装置本体14の左下隅部に配置されたスピーカである。このビデオプレーヤー10は、モニタ12の下方に位置する装置本体がグリップ部15として利用され、このグリップ部15を把持した右手又は左手の指で操作可能な位置にスライドレバー18が設けられている。
【0027】
スライドレバー18は、装置本体14の正面に形成された開口部26に上下方向にスライド自在に設けられるとともに、下段の「OFF」位置28、中段の「標準」位置30、上段の「ワイド」位置32に不図示のクリック機構によって保持される。スライドレバー18が「OFF」位置28に保持されると、ビデオプレーヤー10の電源はOFFになり、スライドレバー18が「標準」位置30又は「ワイド」位置32に保持されるとビデオプレーヤー10の電源がONになる。
【0028】
このスライドレバー18とタッチパネル16とは、図2の如く装置本体14の内側で連結されている。タッチパネル16は図3、図4の如く、モニタ12に隣接した下方位置に配置されるとともにモニタ12よりも長い横長矩形状に形成されている。このタッチパネル16はプラスチックプレートによって構成され、図1の如くスライドレバー18を「OFF」位置28に操作することにより、装置本体14に収納されてモニタ12から退避した退避位置に位置される。また、タッチパネル16は、図4の如くスライドレバー18を「ワイド」位置32に操作することにより、モニタ12の下側部(一部)を覆う第1の引き出し位置(第1の位置)に位置され、また、図3の如くスライドレバー18を「標準」位置30に位置させると、モニタ12の下側部を覆う位置であって図4に示した引き出し位置よりもタッチパネル16によって覆う面積が小さい第2の引き出し位置(第2の位置)に位置される。図3に示した第2の引き出し位置において、タッチパネル16によって覆われた画面を除く画面が標準サイズ(縦横比3:4)に対応した画面サイズとなり、また、図4に示した第1の引き出し位置において、タッチパネル16によって覆われた画面を除く画面がワイドサイズ(縦横比9:16)に対応した画面サイズとなる。
【0029】
更に、ビデオプレーヤー10には、スライドレバー18が図1、図2に示した「OFF」位置28に位置したこと、図3に示した「標準」位置30に位置したこと、及び図4に示した「ワイド」位置に位置したことを検出するポテンショメータ34が図5の如く装置本体14に内蔵されている。このポテンショメータ34によれば、ポテンショメータ34の回転軸36にアーム38の一端が連結され、アーム38の他端はピン40を介して、タッチパネル16の連結片42に形成された長孔44に係合されている。したがって、スライドレバー18の操作によりタッチパネル16が上下移動されると、それに連動してアーム38及び回転軸36が回動し、その回動量に応じた信号、すなわち、タッチパネル16の位置を示す信号がポテンショメータ34から、ビデオプレーヤー10を統括・制御するCPU50(図6参照)に出力される。
【0030】
ポテンショメータ34からCPU50に「OFF」位置28に位置したことを示す信号が出力されると、CPU50は電源をOFFにする。また、ポテンショメータ34からCPU50に「標準」位置30に位置したことを示す信号が出力されると、CPU50は標準画面に選択されたことを認識し、モニタ12に表示される画像を図3の標準サイズ(縦横比3:4)に設定する。これにより、タッチパネル16によって覆われた画面を除く標準サイズの画面に同じく標準サイズの画像がフル表示される。更に、ポテンショメータ34からCPU50に「ワイド」位置32に位置したことを示す信号が出力されると、CPU50はワイド画面に選択されたことを認識し、モニタ12に表示される画像を図4のワイドサイズ(縦横比9:16)に設定する。これにより、タッチパネル16によって覆われた画面を除くワイドサイズの画面に同じくワイドサイズの画像がフル表示される。すなわち、CPU50は、表示制御手段の機能を有している。
【0031】
なお、図3、図4に示した画像は、タッチパネル16によって画像が隠れないサイズに設定されているが、光透過性のタッチパネル16であれば、タッチパネル16によって隠れた画像をタッチパネル16を介して見ることができるので、タッチパネル16に覆われた画面を非表示にする必要はない。
【0032】
このタッチパネル16には図4の如く、画像の再生時に操作するスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、巻き戻しボタン58、メニュー選択ボタン60、トップボタン62、十字キーボタン64がそれぞれ所定の位置に配置されている。また、これらのボタン52〜64は、図3に示した標準サイズ時においてスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、及び巻き戻しボタン58がモニタ12上に露出され、図4に示したワイドサイズ時において全ボタン52〜64がモニタ12上に露出される。これらのボタン52〜64から受入する信号に応じて、図6に示すCPU50はモニタ12に表示する内容を変更する。これらのボタン52〜64による指の検出方式としては抵抗膜式、静電容量式、超音波式、及び光学式等の各種手段を用いることができる。
【0033】
また、各ボタン52〜64の表示形式として、タッチパネル16を光透過性部材によって構成し、このタッチパネル16に各ボタン52〜64の枠のみを表示し、枠内の記号、文字(タッチパネルの操作に関連した画像に相当)をその枠の位置に対応するようにモニタ12上に表示させてもよい。更に、枠及び記号、文字の全てをモニタ12上に表示させ、透明のボタン52〜64をタッチパネル16に形成してもよい。また、図1に示すフル画面のモニタ12に画像を表示させるように設定してもよい。これにより、再生時の大画面化を実現でき、モニタ12には画像がフル画面表示されるので、迫力のある画像を観賞できる。なお、この場合、スライドレバー18は画面サイズの切り替え部材としてのみ機能するため、電源スイッチが別途必要になる。
【0034】
図6は、ビデオプレーヤー10の全体構成を示したブロック図である。
【0035】
同図に示すようにCPU50は、バス66を介してビデオプレーヤー10の各ブロックに接続されており、タッチパネル16からタッチパネルI/F68を介しての操作入力に基づいて各ブロックを統括制御する。
【0036】
EEPROM70には、ビデオプレーヤー10の制御プログラムや制御に必要な各種の設定データ等が格納されている。電源回路72は、ビデオプレーヤー10の各ブロックに電源を供給する。
【0037】
HDD22には静止画及び動画の画像データ、音声データが記録されており、このHDD22から読み出された画像データは、圧縮・伸長回路74により伸長された後、ビデオトランスファー回路76によってビデオ信号に変換される。そして、デジタルビデオエンコーダ78によりエンコーディングされた後、PinP合成部80により画像合成されてビデオプレーヤー10のモニタ12に出力される。また、ビデオトランスファー回路76によって変換されたビデオ信号は、バッファメモリ82に一時記録される。一方、HDD22から読み出された音声信号は、発音部84を介してスピーカ24に出力され、スピーカ24から音声が発生される。
【0038】
次に、前記の如く構成されたビデオプレーヤー10の作用について説明する。
【0039】
ビデオプレーヤー10の正面に設けられたタッチパネル16は、図1の如くモニタ12の表示画面から退避した収納位置と、図3、図4の如くモニタ12の表示画面の一部を覆う第1の引き出し位置、第2の引き出し位置とに移動可能である。
【0040】
そして、ビデオプレーヤー10は、スライドレバー18を図1の「OFF」位置28から図3の「標準」位置30に移動させると、電源がONになるとともに、タッチパネル16に覆われないモニタ12の標準サイズの画面に、標準サイズの画面が図3の如くフル表示される。また、スライドレバー18を図3の「標準」位置30から図4の「ワイド」位置32に移動させると、タッチパネル16に覆われないモニタ12のワイドサイズの画面に、ワイドサイズの画面が図4の如くフル表示される。
【0041】
このように、画像の再生時に、タッチパネル16をモニタ12の表示画面の一部を覆う第1及び第2の引き出し位置に位置させることにより、グリップ部として利用される面積をタッチパネル16の引き出し面積分だけ広くとることができる。よって、ビデオプレーヤー10の再生時におけるグリップ性を向上させることができる。また、再生操作時にはモニタ12の一部を覆ったタッチパネル16の各ボタン62〜64を触れるだけなので、指操作に起因するモニタ32の汚れも防止できる。
【0042】
また、実施の形態のビデオプレーヤー10は、装置本体14が縦長形状に形成され、モニタ12が横長形状に形成されている。そして、タッチパネル16は、装置本体14に収納されるとともに、その収納位置と表示画面の一部を覆う第1及び第2の引き出し位置との間で出し入れされる。図3、図4の如く、タッチパネル16をモニタ12の下方側から出し入れすることにより、グリップ部15がモニタ12の下方に形成されていることからタッチパネル16をグリップとして好適に利用できる。
【0043】
図7、図8は他の実施の形態のビデオ・オーディオプレーヤー100が示され、図1〜図6に示したビデオプレーヤー10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
【0044】
図7に示すビデオ・オーディオプレーヤー100は、スライドレバー18が画像再生モードと音楽再生モードとを切り替える切替スイッチの機能を有するとともに、図7に示す画像再生モード位置102、及び図8に示す音楽再生モード位置104において不図示のクリック機構により係止される。また、ビデオ・オーディオプレーヤー100の装置本体14には、電源スイッチ105が設けられている。
【0045】
スライドレバー18のスライド操作に連動される光透過性のタッチパネル16には、図7の画像再生モード時にモニタ12上に位置するスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、巻き戻しボタン58が設けられるとともに、図8の音楽再生モード時にモニタ12上に位置する音楽操作用十字キーボタン106、決定ボタン108が設けられている。
【0046】
図8の音楽再生モード時において、タッチパネル16はモニタ12の全画面を覆う。そして、十字キーボタン106の操作による曲目選択時に、モニタ12には複数の曲目(タッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像)が図8のエリア110、112、114、116、118に文字表示され、また、十字キーボタン106を操作することによりこれらの曲目をモニタ12上にスクロール表示することができる。そしてまた、十字キーボタン106を操作して聞きたい曲目にカーソルを合わせた後、決定ボタン108を操作することにより、その曲を選択することができる。
【0047】
図9は、ビデオ・オーディオプレーヤー100の全体構成を示したブロック図であり、図6で示したブロック図と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0048】
図9の如く、HDD22から読み出された音楽データは、圧縮・伸長回路120により伸長された後、オーディオデータ再生回路122によって再生され、発音部84を介してスピーカ24に出力される。
【0049】
このように構成されたビデオ・オーディオプレーヤー100によれば、画面を必要としない図8の音楽再生モード時に、モニタ32の全画面をタッチパネル16によって覆うため、グリップ部として利用される面積を広く確保することができる。よって、音楽再生操作時のグリップ性を向上させることができる。
【0050】
図10、図11に示したビデオプレーヤー150は、横長形状の装置本体152に横長形状のモニタ154が設けられたものである。タッチパネル16は、モニタ154の右側部から図10に示すモニタ154から退避した位置と、図11に示すモニタ154の一部を覆う位置との間で出し入れされる。タッチパネル16の出し入れ操作は、装置本体152の上面に設けられたレバー156のスライド操作によって行われている。
【0051】
このビデオプレーヤー150によれば、電源スイッチ158をONするとモニタ154に画像が写し出され、レバー156を図11の如く左方にスライド操作することによりタッチパネル16がモニタ154の一部を覆う位置に位置し、その際に露出しているスタートボタン52、停止ボタン54、一時停止ボタン56、及び巻き戻しボタン58が操作可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係るビデオプレーヤーの正面図
【図2】図1に示したビデオプレーヤーの縦断面図
【図3】図1のビデオプレーヤーが標準サイズの画像をモニタに写し出している説明図
【図4】図1のビデオプレーヤーがワイドサイズの画像をモニタに写し出している説明図
【図5】タッチパネルの位置を検出するポテンショメータの構造を示す説明図
【図6】図1のビデオプレーヤーの全体構成を示したブロック図
【図7】ビデオ・オーディオプレーヤーの実施の形態を示した正面図
【図8】図7のビデオ・オーディオプレーヤーが音楽再生モードに切り替えられた状態の正面図
【図9】図7のビデオ・オーディオプレーヤーの全体構成を示したブロック図
【図10】ビデオプレーヤーの別実施例を示した正面図
【図11】ビデオプレーヤーの別実施例を示した正面図
【符号の説明】
【0053】
10…ビデオプレーヤー、12…モニタ、14…装置本体、15…グリップ部、16…タッチパネル、18…スライドレバー、22…HDD、34…ポテンショメータ、50…CPU50、52…スタートボタン、54…停止ボタン、56…一時停止ボタン、58…巻き戻しボタン、60…メニュー選択ボタン、62…トップボタン、64…十字キーボタン、100…ビデオ・オーディオプレーヤー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する装置本体と、
前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とに移動可能なタッチパネルと、
を有することを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記装置本体は縦長形状に形成され、前記表示画面は横長形状に形成され、前記タッチパネルは、前記装置本体に収納されるとともに収納位置と表示画面の一部又は全部を覆う位置との間で出し入れされることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置されると、前記表示画面は、タッチパネルの操作に関連した画像を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記表示画面の一部を覆う第1の位置と、前記表示画面の一部よりも小さい面積を覆う第2の位置とに移動可能に構成され、タッチパネルの前記第2の位置から第1の位置への移動に対応して前記表示画面の表示形態を変更する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項5】
前記タッチパネルの移動位置に応じて前記表示画面に表示される画像のアスペクト比を変更する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1、2又は4のうちいずれか一つに記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項6】
表示画面を有する装置本体と、
前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とに移動可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルの移動位置に応じて画像再生、音楽再生の再生モードを切り替えるモード切替手段と、
を有することを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
【請求項7】
前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の全部を覆う位置に位置されると、前記モード切替手段は音楽再生モードに切り替えるとともに、前記表示画面は、タッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像を表示することを特徴とする請求項6に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項1】
表示画面を有する装置本体と、
前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とに移動可能なタッチパネルと、
を有することを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記装置本体は縦長形状に形成され、前記表示画面は横長形状に形成され、前記タッチパネルは、前記装置本体に収納されるとともに収納位置と表示画面の一部又は全部を覆う位置との間で出し入れされることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の一部又は全部を覆う位置に位置されると、前記表示画面は、タッチパネルの操作に関連した画像を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記表示画面の一部を覆う第1の位置と、前記表示画面の一部よりも小さい面積を覆う第2の位置とに移動可能に構成され、タッチパネルの前記第2の位置から第1の位置への移動に対応して前記表示画面の表示形態を変更する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項5】
前記タッチパネルの移動位置に応じて前記表示画面に表示される画像のアスペクト比を変更する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1、2又は4のうちいずれか一つに記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項6】
表示画面を有する装置本体と、
前記表示画面の一部又は全部を覆う位置と表示画面から退避した位置とに移動可能なタッチパネルと、
前記タッチパネルの移動位置に応じて画像再生、音楽再生の再生モードを切り替えるモード切替手段と、
を有することを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
【請求項7】
前記タッチパネルは光透過性部材によって構成され、タッチパネルが前記表示画面の全部を覆う位置に位置されると、前記モード切替手段は音楽再生モードに切り替えるとともに、前記表示画面は、タッチパネルの音楽再生モード操作に関連した画像を表示することを特徴とする請求項6に記載のタッチパネル付き表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−268562(P2006−268562A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−86956(P2005−86956)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
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