説明

タッチ検出装置、タッチ検出機能付き表示装置、電子機器、およびタッチ検出回路

【課題】シンプルな構成で外乱ノイズの低減が可能なタッチ検出装置、タッチ検出機能付き表示装置、電子機器、およびタッチ検出回路を得る。
【解決手段】タッチ検出装置は、一方向に延在するように並設された複数の駆動電極COMLと、複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設され、各交差部分に静電容量を形成する複数の検出電極(タッチ検出電極TDL)と、各駆動電極の駆動に応じて複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づいてリファレンス値(リファレンスデータDR)を求め、各検出信号からリファレンス値を差し引くことにより信号補正を行う信号補正部(LPF部41、ADC部42、デジタルLPF部43、平均値演算部44、最大値選択回路45、メモリ46および減算部47)と、補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出する検出部(2値化回路48および座標抽出回路49)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指などの外部近接物体を検出するタッチ検出装置、そのようなタッチ検出機能を有するタッチ検出機能付き表示装置および電子機器、ならびに、それらのデバイスに用いられるタッチ検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置等の表示装置上に装着し、あるいはタッチパネルと表示装置とを一体化し、その表示装置に各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。このようなタッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
タッチパネルの方式としては、光学式や抵抗式などいくつかの方式が存在するが、特に携帯端末などでは、比較的単純な構造をもち、かつ消費電力の低減が実現できる、静電容量型のタッチパネルが期待されている。しかしながら、静電容量型のタッチパネルには、動作原理上、インバータ蛍光灯やAM波、AC電源などに起因するノイズ(以下、外乱ノイズという。)に反応しやすいという問題がある。特に、外部近接物体の近接状態(Proximity)を検出する場合には、接触状態を検出する場合に比べてS/N比が劣化するため、検出感度が低下するおそれがある。
【0004】
これらの外乱ノイズに対する耐性を改善する方法について、多くの検討がなされている。例えば、特許文献1には、外部近接物体の近接または接触を検出するための入力用静電センサの周囲に、外乱ノイズを検出するための専用のノイズ検出用静電センサを別体として設け、それぞれから得られた信号を対比することによりタッチ成分と外乱ノイズ成分とを分離するタッチパネルが開示されている。このノイズ検出用静電センサの表面には保護カバーが配置され、外部近接物体が接触しても反応しないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−13432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたタッチパネルでは、入力用静電センサとノイズ検出用静電センサとが別体として固定して設けられているため、その配置場所の違いや、サイズの違い、保護カバーの有無などの周辺部の違いなどに起因して、入力用静電センサに入力される外乱ノイズ成分とノイズ検出用静電センサに入力される外乱ノイズ成分とが互いに異なってしまう。これにより、外乱ノイズ成分を差し引いてタッチ成分を求める際の演算が複雑になり、タッチ検出回路の構成が複雑になるおそれがある。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、シンプルな構成で外乱ノイズ成分を低減可能なタッチ検出装置、タッチ検出機能付き表示装置、電子機器、およびタッチ検出回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のタッチ検出装置は、複数の駆動電極と、複数の検出電極と、信号補正部と、検出部とを備えている。複数の駆動電極は、一方向に延在するように並設されたものである。複数の検出電極は、複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設され、各交差部分に静電容量を形成するものである。信号補正部は、各駆動電極の駆動に応じて複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づいてリファレンス値を求め、各検出信号からリファレンス値を差し引くことにより信号補正を行うものである。検出部は、補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出するものである。
【0009】
本発明のタッチ検出機能付き表示装置は、表示部と、複数の駆動電極と、複数の検出電極と、信号補正部と、検出部とを備えている。表示部は、画像信号に基づいて表示を行うものである。複数の駆動電極は、一方向に延在するように並設されたものである。複数の検出電極は、複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設され、各交差部分に静電容量を形成するものである。信号補正部は、各駆動電極の駆動に応じて複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づいてリファレンス値を求め、各検出信号からリファレンス値を差し引くことにより信号補正を行うものである。検出部は、補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出するものである。
【0010】
本発明の電子機器は、上記タッチ検出機能付き表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0011】
本発明のタッチ検出回路は、信号補正部と、検出部とを備えている。信号補正部は、一方向に延在するように並設された複数の駆動電極の駆動に応じて、複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設されて各交差部分に静電容量を形成する複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づき、リファレンス値を求め、各検出信号からリファレンス値を差し引くことにより、信号補正を行うものである。検出部は、補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出するものである。
【0012】
本発明のタッチ検出装置、タッチ検出機能付き表示装置、電子機器、およびタッチ検出回路では、外部近接物体の近接あるいは接触に対応した検出信号が、信号補正部に供給される。このとき、検出信号には、外部近接物体の近接あるいは接触に応じて振幅が大きくなるタッチ成分が含まれる。検出信号が、タッチ成分に加えてノイズ成分を含んでいる場合、信号補正部では、タッチ成分をほとんど含まない検出信号に基づいてリファレンス値が求められ、各検出信号からこのリファレンス値を差し引くことにより、タッチ成分が抽出される。
【0013】
本発明のタッチ検出装置では、信号補正部は、例えば、個々の検出電極ごとに検出信号のうちのタッチ成分とノイズ成分の和の大きさの時間平均値を算出すると共に、得られた複数の時間平均値の中から最小の値を選択し、この最小の値をもたらした検出信号の値をリファレンス値として採用するように構成するのが望ましい。また、信号補正部は、例えば、個々の検出電極ごとに検出信号のうちのタッチ成分とノイズ成分の和の大きさの最小値を求めると共に、得られた複数の最小値の中から最小の値を選択し、この最小の値をもたらした検出信号の値をリファレンス値として選択するようにしてもよい。
【0014】
信号補正部は、例えば、現検出フレームにおいて個々の検出電極ごとに得られた1検出フレーム分の検出信号から、現検出フレームにおいて得られたリファレンス値を差し引くようにしてもよい。この場合、例えば、信号補正部は、個々の検出電極ごとに1検出フレーム分の検出信号を一時記憶するようにしてもよい。また、信号補正部は、例えば、現検出フレームにおいて個々の検出電極ごとに得られた1検出フレーム分の検出信号から、前検出フレームにおいて得られたリファレンス値を差し引くようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のタッチ検出装置、タッチ検出機能付き表示装置、電子機器、およびタッチ検出回路によれば、検出信号に基づいてリファレンス値を求め、各検出信号からリファレンス値を差し引くようにしたので、シンプルな構成で外乱ノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図2】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図3】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図5】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図6】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配列を表す回路図である。
【図7】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図8】図4に示したタッチ検出回路の一構成例を表す回路図である。
【図9】図4に示したタッチ検出機能付き表示装置の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図10】図4に示したタッチ検出回路の一動作例を表す流れ図である。
【図11】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスのリファレンス用タッチ検出電極の一動作例を表す模式図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の変形例に係るタッチ検出回路の一構成例を表す回路図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出回路の一構成例を表す回路図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出回路の一構成例を表す回路図である。
【図15】図14に示したタッチ検出回路の一動作例を表す流れ図である。
【図16】実施の形態を適用したタッチ検出機能付き表示装置のうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。
【図17】適用例2の外観構成を表す斜視図である。
【図18】適用例3の外観構成を表す斜視図である。
【図19】適用例4の外観構成を表す斜視図である。
【図20】適用例5の外観構成を表す正面図、側面図、上面図および下面図である。
【図21】本発明の各実施の形態の変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.適用例
【0018】
<1.静電容量型タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量型のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜十数kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号Vcomに相当するものである。
【0019】
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0020】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0021】
<2.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すものである。尚、本発明の実施の形態に係るタッチ検出装置およびタッチ検出回路は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。このタッチ検出機能付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いており、その液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量型のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。
【0022】
このタッチ検出機能付き表示装置1は、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出回路40とを備えている。
【0023】
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出回路40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0024】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1表示水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、後述するように、走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1表示水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択するようになっている。
【0025】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の各画素Pix(後述)に画素信号Vpixを供給する回路である。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、画素信号Vpixを、画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1表示水平ラインを構成する各画素Pixにそれぞれ供給するものである。そして、これらの画素Pixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1表示水平ラインの表示が行われるようになっている。
【0026】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ14は、タッチ検出機能付き表示デバイス10が表示を行う期間(表示期間)では、タッチ検出機能付き表示デバイス10の全ての駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとして表示駆動信号を印加する。一方、タッチ検出を行う期間(タッチ検出期間)では、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとしてパルス状のタッチ駆動信号を順次印加することにより、タッチ検出デバイス30のタッチ検出の対象となる1検出水平ラインを順次選択する。そして、タッチ検出デバイス30は、複数のタッチ検出電極TDL(後述)から、1検出水平ラインごとにタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出回路40に供給するようになっている。この例では、後述するように、表示期間では、駆動信号Vcom(表示駆動信号)は0Vの直流信号であり、お互いに隣接する画素Pixでは、画素信号Vpixの極性が互いに反転するようになっている。つまり、この例では、液晶表示デバイス20は、いわゆるドット反転駆動により駆動されるものである。
【0027】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給されるゲート信号に従って、1表示水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ14に従って、1検出水平ラインずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0028】
タッチ検出回路40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。
【0029】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0030】
図5は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0031】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、図示していないものの、各画素の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)や、各画素電極22に画像信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFTを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。
【0032】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、このカラーフィルタ32の上に形成された複数の駆動電極COMLとを有する。カラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能するものである。駆動電極COMLは、図示しないコンタクト導電柱によってTFT基板21と連結され、このコンタクト導電柱を介して、TFT基板21から駆動電極COMLに交流矩形波形の駆動信号Vcomが印加されるようになっている。なお、この図では、駆動電極COMLは2つの画素電極22に対応するようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、1つの画素電極22に対応するようにしてもよく、3以上の画素電極22に対応するようにしてもよい。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0033】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
【0034】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0035】
図6は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。画素Pixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0036】
画素Pixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の画素Pixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。画素Pixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の画素Pixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
【0037】
さらに、画素Pixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の画素Pixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の画素Pixが、一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。なお、図5に示したように、複数の行(図5では2行)に属する複数の画素Pixが一本の駆動電極COMLを共有するようにしてもよい。
【0038】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1表示水平ラインが順次選択され、その1表示水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1表示水平ラインずつ表示が行われるようになっている。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、全ての駆動電極COMLに対して共通の電圧(この例では0V)を印加するようになっている。
【0039】
図7は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、対向基板3に設けられた、駆動電極COMLおよびタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出期間では、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号Vcomが順次供給され、後述するように時分割的に線順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びるk本(k;自然数)のストライプ状の電極パターンから構成されている。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出回路40の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0040】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出期間において、駆動電極ドライバ14が駆動電極COMLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1検出水平ラインが順次選択され、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力することにより、1検出水平ラインのタッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。つまり、タッチ検出信号Vdetは、タッチが無い状態では高い電圧となり、タッチがある状態では低い電圧となる。図7に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0041】
(タッチ検出回路40)
次に、タッチ検出回路40の構成例を詳細に説明する。
【0042】
図8は、タッチ検出回路40の回路構成例を表すものである。タッチ検出回路40は、LPF(Low Pass Filter)部41と、ADC(Analog to Digital Converter)部42と、デジタルLPF部43と、平均値演算部44と、最大値選択回路45と、メモリ46と、減算部47と、2値化回路48と、座標抽出回路49とを備えている。
【0043】
LPF部41は、k本のタッチ検出電極TDLから供給されたタッチ検出信号Vdetのそれぞれに対して、高い周波数成分を除去して出力する低域通過アナログフィルタである。LPF部41は、入力信号を増幅する機能を有していても良い。各入力端子と接地との間には、直流電位(0V)を与えるための抵抗R1〜Rkが接続されている。なお、この抵抗R1〜Rkに代えて、例えばスイッチを設け、所定の時間にこのスイッチをオン状態にすることにより直流電位(0V)を与えるようにしてもよい。なお、ADC部42は、LPF部41からそれぞれ供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。デジタルLPF部43は、ADC部42からそれぞれ供給されたデジタル信号の時系列データを用いて、低域通過フィルタの演算し、タッチ検出データDTとして出力する機能を有している。
【0044】
平均値演算部44は、デジタルLPF部43からそれぞれ供給されたタッチ検出データDTの、タッチ検出面全体をタッチ検出走査するのに必要な期間(1検出フレーム期間TF)における平均値を演算し、平均データDAVGとして出力する論理回路である。最大値選択回路45は、平均値演算部44から供給される平均データDAVGのうちの最大のものを1検出フレームごとに選択し、リファレンスデータDRとして出力する論理回路である。メモリ46は、デジタルLPF部43からそれぞれ供給されたタッチ検出データDTを1検出フレーム分蓄積する機能を有している。
【0045】
減算部47は、メモリ46からそれぞれ供給されたタッチ検出データDTから、最大値選択回路45より供給されたリファレンスデータDRを減算する論理回路である。2値化回路48は、減算部47から供給されたデータと所定のしきい値とを比較することにより2値化を行う論理回路である。座標抽出回路49は、2値化回路48から供給されたデータに基づいて、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面における、タッチがなされた座標を抽出するようになっている。
【0046】
なお、この例では、LPF部41、ADC部42、デジタルLPF部43、平均値演算部44、および減算部47は、複数のタッチ検出信号Vdetを並列処理するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、これらの回路の一部またはすべてが、時分割多重されたタッチ検出信号Vdetなどを直列処理するようにしてもよい。
【0047】
以上の構成により、タッチ検出回路40では、後述するように、タッチ成分と外乱ノイズ成分を含むタッチ検出信号Vdetがタッチ検出回路40に供給されたときに、平均値演算部44および最大値選択回路45が外乱ノイズ成分(リファレンスデータDR)を抽出し、減算部47がタッチ検出データDTからこの外乱ノイズ成分を差し引くことにより、タッチ成分を求めるようになっている。
【0048】
ここで、タッチ検出電極TDLは、本発明における「検出電極」の一具体例に対応する。タッチ検出信号Vdetは、本発明における「検出信号」の一具体例に対応する。リファレンスデータDRは、本発明における「リファレンス値」の一具体例に対応する。LPF部41、ADC部42、デジタルLPF部43、平均値演算部44、最大値選択回路45、メモリ46および減算部47は、本発明における「信号補正部」の一具体例に対応する。2値化回路48および座標抽出回路49は、本発明における「検出部」の一具体例に対応する。
【0049】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置1の動作および作用について説明する。
【0050】
(全体動作概要)
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出回路40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1表示水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、ゲートドライバ12により選択された、1表示水平ラインを構成する各画素Pixに、画素信号Vpixを供給する。駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示期間では、全ての駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとして表示駆動信号(0Vの直流信号)を印加し、タッチ検出期間では、駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomとしてパルス状のタッチ駆動信号を順次印加することにより、1検出水平ラインを順次選択する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示期間では、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、および駆動電極ドライバ14により供給された信号に基づいて表示動作を行い、タッチ検出期間では、駆動電極ドライバ14により供給された信号に基づいてタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。
【0051】
タッチ検出回路40では、LPF部41が、タッチ検出機能付き表示デバイス10から供給されたタッチ検出信号Vdetに対して、高い周波数成分を除去して出力する。ADC部42は、LPF部41からそれぞれ供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタルLPF部43は、ADC部42から供給されたデジタル信号の時系列データを用いて、低域通過フィルタの演算を行い、タッチ検出データDTとして出力する。平均値演算部44は、デジタルLPF部43から供給されたタッチ検出データDTの1検出フレーム期間TFにおける平均値を演算する。最大値選択回路45は、平均値演算部44から供給されるデータのうちの最大のものを、1検出フレームごとに選択し、リファレンスデータDRとして出力する。メモリ46は、デジタルLPF部43から供給されたタッチ検出データDTを1検出フレーム分蓄積する。減算部47は、メモリ46より供給されたタッチ検出データDTからリファレンスデータDRを減算する。2値化回路48は、減算部47から供給されたデータと所定のしきい値とを比較することにより2値化を行う。座標抽出回路49は、2値化回路48から供給されたデータに基づいて、タッチがなされた座標を抽出する。
【0052】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10の詳細動作例)
図9は、タッチ検出機能付き表示装置1の詳細動作例を表すものである。図9において、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は駆動信号Vcomの波形を示し、(C)は画素信号Vpixの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。ここで、図9(A)に示した走査信号Vscanは、走査信号線GCLのうちの、隣接する(n−1)行目、n行目、(n+1)行目の走査信号線GCLに着目したものである。同様に、図9(B)に示した駆動信号Vcomは、共通電極COMLのうちの、隣接する(m−1)行目、m行目、(m+1)行目の共通電極COMLに着目したものである。
【0053】
タッチ検出機能付き表示装置1では、1表示水平期間(1H)ごとに、タッチ検出動作(タッチ検出期間A)と表示動作(表示期間B)を時分割的に行う。タッチ検出動作では、1表示水平期間(1H)ごとに、異なる駆動電極COMLを選択して駆動信号Vcomを印加することにより、タッチ検出の走査を行う。以下に、その動作を詳細に説明する。
【0054】
まず、ゲートドライバ12が、(n−1)行目の走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n−1)が低レベルから高レベルに変化する(図9(A))。これにより、1表示水平期間(1H)が開始する。
【0055】
次に、タッチ検出期間Aにおいて、駆動電極ドライバ14が、(m−1)行目の駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加し、駆動信号Vcom(m−1)が低レベルから高レベルに変化する(図9(B))。この駆動信号Vcom(m−1)は、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図9(D))。次に、駆動信号Vcom(m−1)が高レベルから低レベルに変化すると(図9(B))、タッチ検出信号Vdetは同様に変化する(図9(D))。このタッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号Vdetの波形は、上述したタッチ検出の基本原理における、タッチ検出信号Vdet(図3(A))に対応するものである。つまり、タッチ検出信号Vdetは、タッチが無い状態では高い電圧となり、タッチがある状態では低い電圧となる。ADC部42は、このタッチ検出期間Aにおけるタッチ検出信号VdetをA/D変換することによりタッチ検出を行う。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1では、1検出水平ラインのタッチ検出が行われる。
【0056】
次に、表示期間Bにおいて、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加し(図9(C))、1表示水平ラインに対する表示を行う。なお、図9(D)に示したように、この画素信号Vpixの変化が、寄生容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化し得るが、表示期間BではADC部42がA/D変換を行わないようにすることにより、この画素信号Vpixの変化のタッチ検出に対する影響を抑えることができる。ソースドライバ13による画素信号Vpixの供給が終了したのち、ゲートドライバ12が、(n−1)行目の走査信号線GCLの走査信号Vscan(n−1)を高レベルから低レベルに変化させ(図9(A))、1表示水平期間が終了する。
【0057】
次に、ゲートドライバ12は、先ほどとは異なるn行目の走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(図9(A))。これにより、次の1表示水平期間が開始する。
【0058】
次に、タッチ検出期間Aにおいて、駆動電極ドライバ14が、先ほどとは異なるm行目の駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加する(図9(B))。これに伴うタッチ検出信号Vdetの変化(図9(D))を、ADC部42がA/D変換することにより、この1検出水平ラインのタッチ検出が行われる。
【0059】
次に、表示期間Bにおいて、ソースドライバ13が、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加し(図9(C))、1表示水平ラインに対する表示を行う。なお、この例では、タッチ検出機能付き表示装置1はドット反転駆動を行うため、ソースドライバ13が印加する画素信号Vpixは、前の1表示水平期間のものと比べて、その極性が反転している。この表示期間Bが終了した後、この1表示水平期間が終了する。
【0060】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、表示面全面にわたる走査により表示動作を行うとともに、タッチ検出面全面にわたる走査によりタッチ検出動作を行う。
【0061】
(タッチ検出回路40の詳細動作例)
次に、タッチ検出回路40の動作を説明する。ここでは、外乱ノイズが存在する場合を想定し、タッチ検出機能付き表示デバイス10が、タッチ成分と外乱ノイズ成分を含むタッチ検出信号Vdetをタッチ検出電極TDLから出力する場合を例に説明する。この説明では、外乱ノイズ成分は、一般に考えられるように、タッチ検出電極TDLによらずほぼ一定としている。
【0062】
図10は、タッチ検出回路40の動作のフローチャートを表すものである。タッチ検出回路40は、タッチ成分と外乱ノイズ成分を含むタッチ検出信号Vdetが入力されると、そのタッチ検出信号Vdetに対応するタッチ検出データDTをメモリ46に1検出フレーム分蓄積するとともに、そのタッチ検出データDTから外乱ノイズ成分をリファレンスデータDRとして抽出する。そして、メモリ46に蓄積されたタッチ検出データDTからリファレンスデータDRを減算することによりタッチ成分を抽出し、これに基づいてタッチ検出面におけるタッチ座標を求める。以下に、各ステップを詳細に説明する。
【0063】
まず、タッチ検出回路40は、1検出フレームの走査に応じて、タッチ検出データDTを蓄積するとともに、タッチ検出電極TDLごとにタッチ検出データDTの平均値を算出する(ステップS1)。具体的には、LPF部41、ADC部42、およびデジタルLPF部43が、タッチ検出電極TDLより入力されたタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出データDTを生成する。そして、メモリ46がこのタッチ検出データDTを1検出フレーム分蓄積する。同時に、平均値演算部44が、1検出フレーム期間TFにおける、タッチ検出電極TDLごとのタッチ検出データDTの平均値を算出し、平均データDAVGとしてそれぞれ出力する。タッチがあるタッチ検出電極TDLでは、そのタッチ検出信号Vdetにタッチ成分が多く含まれるため、タッチ検出データDTの平均値(平均データDAVG)は低い値となる。一方、タッチがないタッチ検出電極TDLでは、そのタッチ検出信号Vdetにタッチ成分が含まれないため、平均データDAVGは高い値となる。すなわち、このタッチがないタッチ検出電極TDLに係る平均データDAVGは外乱ノイズ成分に対応したものとなる。
【0064】
次に、最大値選択回路45は、平均値演算部44が求めた、タッチ検出電極TDLごとの平均データDAVGのうちの最大値をリファレンスデータDRとして選択する(ステップS2)。これは、上記した、タッチが無いタッチ検出電極TDLに係る平均データDAVGを選択することに対応する。言い換えれば、最大値選択回路45は、タッチ成分とノイズ成分の和の大きさが最小のものを選択する。これにより、リファレンスデータDRは、外乱ノイズ成分に対応するものとなる。
【0065】
以下に、リファレンスデータDRに係るタッチ検出電極TDL(リファレンス用タッチ検出電極)について説明する。
【0066】
図11は、リファレンス用タッチ検出電極の一動作例を模式的に表すものであり、(A)は、外部近接物体がタッチ検出面の下側にある場合を示し、(B)は、外部近接物体がタッチ検出面の上側にある場合を示す。
【0067】
例えば、外部近接物体がタッチ検出面の下側にある場合、図11(A)に示したように、その外部近接物体の位置に対応するタッチ検出電極TDLTのタッチ検出信号Vdetには大きなタッチ成分が含まれる一方で、一番上のタッチ検出電極TDLRのタッチ検出信号Vdetにはタッチ成分が少なくなり、外乱ノイズ成分が支配的になる。つまり、タッチ検出電極TDLTに係るタッチ検出データDTが一番小さくなり、タッチ検出電極TDLRに係るタッチ検出データDTが一番大きくなる。最大値選択回路45は、このタッチ検出電極TDLRのタッチ検出データDTをリファレンスデータDRとして選択する。つまり、この例では、一番上のタッチ検出電極TDLRがリファレンス用タッチ検出電極となる。
【0068】
同様に、例えば、外部近接物体がタッチ検出面の上側にある場合、図11(B)に示したように、その外部近接物体の位置に対応するタッチ検出電極TDLTのタッチ検出信号Vdetには大きなタッチ成分が含まれる一方で、一番下のタッチ検出電極TDLRのタッチ検出信号Vdetにはタッチ成分が少なくなり、外乱ノイズ成分が支配的になる。つまり、タッチ検出電極TDLTに係るタッチ検出データDTが一番小さくなり、タッチ検出電極TDLRに係るタッチ検出データDTが一番大きくなる。最大値選択回路45は、このタッチ検出電極TDLRのタッチ検出データDTをリファレンスデータDRとして選択する。つまり、この例では、一番下のタッチ検出電極TDLRがリファレンス用タッチ検出電極となる。
【0069】
次に、減算部47は、タッチ検出データDTからリファレンスデータDRを減算する(ステップS3)。具体的には、メモリ46が、蓄積された1検出フレーム分のタッチ検出データDTを順次出力し、減算部47が、そのタッチ検出データDTのそれぞれからリファレンスデータDRを減算する。つまり、タッチ成分と外乱ノイズ成分が含まれたタッチ検出データDTから、外乱ノイズ成分に対応するリファレンスデータDRを減算することにより、タッチ成分が抽出される。
【0070】
そして、座標抽出回路49が、タッチ検出面におけるタッチ座標を抽出する(ステップS4)。具体的には、まず2値化回路48が、減算部47から出力されたデータと、所定のしきい値を比較することにより2値化演算を行う。そして、座標抽出回路49が、2値化回路48から出力されたデータに基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出面におけるタッチ座標を求める。これにより、外乱ノイズ成分が低減されたデータに基づいて、タッチ座標が求められる。
【0071】
以上で、このフローは終了する。このフローは、各検出フレームにおいて独立して実施される。
【0072】
以上に説明したタッチ検出機能付き表示装置1を試作し、S/N比を測定した。このS/N比の測定は、外部近接物体(指)をタッチ検出領域の中央付近から所定距離離れた位置に配置した状態で行った。S/N比は、タッチ検出データDTからリファレンスデータDRを差し引く減算処理を行った場合には1.4であったのに対し、この減算処理を行わなかった場合には1.1であった。このように、この減算処理を行うことにより、S/N比が改善することを確認した。
【0073】
[効果]
以上のように本実施の形態では、複数のタッチ検出電極の一つから、リファレンスデータを取得するようにしたので、外乱ノイズ検出用の電極が必要なくなり、タッチ検出デバイス30の構成をシンプルにすることができるとともに、外乱ノイズ成分を差し引く際に、単純にタッチ検出データDTからリファレンスデータDRを減算するだけでよいため、タッチ検出回路40の構成をシンプルにすることができる。
【0074】
また、本実施の形態では、複数のタッチ検出電極から、リファレンスデータを得るためのタッチ検出電極を選択するようにしたので、外部近接物体の場所によらずに精度よく外乱ノイズ成分を低減することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、平均値演算部がタッチ検出電極ごとのタッチ検出データDTの平均値を求め、それに基づいてリファレンスデータを得るためのタッチ検出電極を選択するようにしたので、タッチ検出データDTが突発的なノイズを含む場合でも、平均化によりその影響を最小限に抑えることができ、より確実に、リファレンスデータを得るためのタッチ検出電極を選択することができる。
【0076】
[変形例1−1]
また、上記実施の形態では、平均値演算部44から供給されるデータの最大値を選択する最大値選択回路45を用いるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、タッチ検出回路40に入力されるタッチ検出信号Vdetの極性が上記実施の形態とは逆の特性である場合、すなわちタッチが無い状態では低い電圧となり、タッチがある状態では高い電圧となる場合や、LPF部41が入力電圧を反転する機能を有している場合などでは、最大値選択回路45に代えて、最小値選択回路を用いることが望ましい。図12は、逆極性のタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出を行うタッチ検出回路40Aの回路構成例を表すものである。最小値選択回路45Aは、平均値演算部44から供給されるデータのうちの最小のものを、1検出フレームごとに選択し、リファレンスデータDRとして出力する論理回路である。この場合でも、リファレンスデータDRは外乱ノイズ成分に対応するものとなり、演算部47において、タッチ検出データDTからリファレンスデータDRを減算することにより、タッチ成分を抽出することができる。
【0077】
[変形例1−2]
また、上記実施の形態では、平均値演算部44がタッチ検出電極TDLごとに平均データDAVGを求め、それに基づいてリファレンスデータDRを得るためのタッチ検出電極TDLを選択するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図13に示したように、最大値演算部44Bがタッチ検出電極TDLごとのタッチ検出データDTの最大値(最大データDMAX)を求め、それに基づいてリファレンスデータDRを得るためのタッチ検出電極TDLを選択するようにしてもよい。言い換えれば、最大値演算部44Bは、タッチ検出電極TDLごとに、検出信号のうちのタッチ成分とノイズ成分の和の大きさの最小値を求め、最大値選択回路45は、その最小値の中からタッチ成分とノイズ成分の和の大きさが最小のものを選択する。この場合でも、最大値演算部44Bおよび最大値選択回路45は、外乱ノイズ成分を抽出することができる。上記変形例1−1に示したように、例えばタッチ検出信号Vdetの極性が逆であった場合には、図13において、最大値選択回路45を最小値選択回路に変更するとともに、最大値演算部44Bを最小値演算部に変更することが望ましい。
【0078】
<3.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置について説明する。本実施の形態では、1検出フレーム分のタッチ検出データDTを蓄積するメモリを用いずにタッチ検出回路を構成している。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図4,図8など)と同様である。
【0079】
図14は、本実施の形態に係るタッチ検出回路50の回路構成例を表すものである。本実施の形態に係るタッチ検出回路50は、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出回路40(図8)と比較して、メモリ46を省略したものである。
【0080】
ここで、LPF部41、ADC部42、デジタルLPF部43、平均値演算部44、最大値選択回路45、および減算部47は、本発明における「信号補正部」の一具体例に対応する。
【0081】
図15は、タッチ検出回路50の動作のフローチャートを表すものである。タッチ検出回路50は、1検出フレームの走査に応じてタッチ成分と外乱ノイズ成分を含むタッチ検出信号Vdetが入力されると、そのタッチ検出信号Vdetに対応するタッチ検出データDTから、外乱ノイズ成分をリファレンスデータDRとして抽出する。そして、次の1検出フレームの走査に応じて、そのタッチ検出データDTから前の1検出フレームにおいて抽出されたリファレンスデータDRを減算することによりタッチ成分を求め、これに基づいてタッチ検出面におけるタッチ座標が抽出される。以下に、各ステップを詳細に説明する。
【0082】
まず、タッチ検出回路50は、1検出フレームの走査に応じて、タッチ検出電極TDLごとにタッチ検出データDTの平均値を算出する(ステップS11)。具体的には、LPF部41、ADC部42、およびデジタルLPF部43が、タッチ検出電極TDLより入力されたタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出データDTを生成する。そして、平均値演算部44が、1検出フレーム期間TFにおける、タッチ検出電極TDLごとのタッチ検出データDTの平均値を算出し、平均データDAVGとしてそれぞれ出力する。
【0083】
次に、最大値選択回路45は、平均値演算部44が求めた、タッチ検出電極TDLごとのタッチ検出データDTの平均値のうちの最大値をリファレンスデータDRとして選択する(ステップS12)。このステップは、上述したステップS2と同様である。
【0084】
次に、減算部47は、次の1検出フレームの走査に応じて、タッチ検出データDTから、前の1検出フレームにおいて求められたリファレンスデータDRを減算する(ステップS13)。具体的には、減算部47が、タッチ検出データDTのそれぞれからリファレンスデータDRを減算する。このとき、タッチ検出データDTは、上記第1の実施の形態において示したメモリがないので、1検出フレームの走査に応じて供給される。一方、リファレンスデータDRは、一つ前の検出フレームに係るタッチ検出データDTに基づいて求められたものである。
【0085】
そして、座標抽出回路49が、タッチ検出面におけるタッチ座標を抽出する(ステップS14)。このステップは、上述したステップS4と同様である。
【0086】
以上で、このフローは終了する。
【0087】
以上のように本実施の形態では、タッチ検出データDTを1検出フレーム分蓄積するメモリを省くようにしたので、タッチ検出回路の回路構成をシンプルにすることができるとともに、タッチを検出するための検出時間を短くすることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0088】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、例えば、タッチ検出信号Vdetの極性が逆極性の場合などにおいて、最大値選択回路45に代えて、最小値選択回路を用いることが望ましい。
【0089】
[変形例2−2]
上記実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、平均値演算部44の代わりに最大値演算部44Bを用いても良い。この場合でも、最大値演算部44Bおよび最大値選択回路45は、外乱ノイズ成分を抽出することができる。
【0090】
<4.適用例>
次に、図16〜図20を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0091】
(適用例1)
図16は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0092】
(適用例2)
図17は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0093】
(適用例3)
図18は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0094】
(適用例4)
図19は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0095】
(適用例5)
図20は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0096】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0097】
例えば、上記各実施の形態では、平均値演算部がタッチ検出データDTの平均値(平均データDAVG)を求め、最大値選択回路がその最大値を選択することによりリファレンスデータDRを生成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、平均値演算回路が加算のみを行い、最大値選択回路がその最大値を選択した後に除算することによりリファレンスデータDRを生成するようにしてもよい。
【0098】
例えば、減算部47は、外部近接物体がタッチ検出面から離れているとき(近接状態)に、タッチ検出データDTからリファレンスデータDRを減算し、外部近接物体がタッチ検出面に接触しているとき(接触状態)に、タッチ検出データDTをそのまま出力するようにしてもよい。これにより、近接状態にのみ外乱ノイズが問題になる場合において、このときのみ外乱ノイズを低減するように動作する。
【0099】
上記実施の形態では、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLを1本ずつ選択して順次走査するようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば複数本ずつ選択して順次走査するようにしてもよい。
【0100】
上記実施の形態では、液晶表示デバイスの表示駆動方式は、ドットごとに画素信号の極性を反転するドット反転駆動としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、ラインごとに画素信号の極性を反転する、いわゆるライン反転駆動にしてもよいし、フレームごとに画素信号の極性を反転する、いわゆるフレーム反転駆動にしてもよい。
【0101】
上記実施の形態では、表示駆動信号は0Vの直流信号としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、他の電圧の直流信号としても良いし、交流信号であってもよい。表示駆動信号が交流信号である場合には、液晶表示デバイスは、いわゆる交流駆動により駆動される。
【0102】
上記実施の形態では、1表示水平期間(1H)において、タッチ検出期間Aの後に表示期間Bを設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、表示期間Bの後にタッチ検出期間Aを設けるようにしてもよい。
【0103】
上記実施の形態では、TNやVA、ECB等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10を構成したが、これに代えて、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化しても良い。例えば、横電界モードの液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイス60を、図21に示したように構成可能である。この図は、タッチ検出機能付き表示デバイス60の要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図5の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図5の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、TFT基板21の直ぐ上に形成され、画素基板2Bの一部を構成する。駆動電極COMLの上方には、絶縁層23を介して画素電極22が配置される。この場合、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の、液晶層6Bをも含むすべての誘電体が容量C1の形成に寄与する。
【符号の説明】
【0104】
1…タッチ検出機能付き表示装置、2…画素基板、3…対向基板、6…液晶層、10,60…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…制御部、12…ゲートドライバ、13…ソースドライバ、14…駆動電極ドライバ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、35…偏光板、40,40A,40B,50…タッチ検出回路、41…LPF部、42…ADC部、43…デジタルLPF部、44…平均値演算部、44B…最大値演算部、45…最大値選択回路、45A…最小値選択回路、46…メモリ、47…減算部、48…2値化回路、49…座標抽出回路、A…タッチ検出期間、B…表示期間、COML…駆動電極、DAVG…平均データ、DMAX…最大データ、DMIN…最小データ、DT…タッチ検出データ、DR…リファレンスデータ、R1〜Rk…抵抗、S…タッチ検出面、TDL、TDLT、TDLR…タッチ検出電極、TF…1検出フレーム期間、Vcom…駆動信号、Vdet…タッチ検出信号、Vpix…画素信号、Vscan…走査信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延在するように並設された複数の駆動電極と、
前記複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設され、各交差部分に静電容量を形成する複数の検出電極と、
各駆動電極の駆動に応じて前記複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づいてリファレンス値を求め、各検出信号から前記リファレンス値を差し引くことにより信号補正を行う信号補正部と、
補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出する検出部と
を備えたタッチ検出装置。
【請求項2】
前記信号補正部は、個々の検出電極ごとに検出信号のうちのタッチ成分とノイズ成分の和の大きさの時間平均値を算出すると共に、得られた複数の前記時間平均値の中から最小の値を選択し、この最小の値をもたらした検出信号の値を前記リファレンス値として採用する
請求項1に記載のタッチ検出装置。
【請求項3】
前記信号補正部は、個々の検出電極ごとに検出信号のうちのタッチ成分とノイズ成分の和の大きさの最小値を求めると共に、得られた複数の前記最小値の中から最小の値を選択し、この最小の値をもたらした検出信号の値を前記リファレンス値として選択する
請求項1に記載のタッチ検出装置。
【請求項4】
前記信号補正部は、現検出フレームにおいて個々の検出電極ごとに得られた1検出フレーム分の検出信号から、現検出フレームにおいて得られた前記リファレンス値を差し引く
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタッチ検出装置。
【請求項5】
前記信号補正部は、個々の検出電極ごとに1検出フレーム分の検出信号を一時記憶する
請求項4に記載のタッチ検出装置。
【請求項6】
前記信号補正部は、現検出フレームにおいて個々の検出電極ごとに得られた1検出フレーム分の検出信号から、前検出フレームにおいて得られた前記リファレンス値を差し引く
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタッチ検出装置。
【請求項7】
画像信号に基づいて表示を行う表示部と、
一方向に延在するように並設された複数の駆動電極と、
前記複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設され、各交差部分に静電容量を形成する複数の検出電極と、
各駆動電極の駆動に応じて前記複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づいてリファレンス値を求め、各検出信号から前記リファレンス値を差し引くことにより信号補正を行う信号補正部と、
補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出する検出部と
を備えたタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項8】
タッチ検出装置と、
前記タッチ検出装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記タッチ検出装置が、
一方向に延在するように並設された複数の駆動電極と、
前記複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設され、各交差部分に静電容量を形成する複数の検出電極と、
各駆動電極の駆動に応じて前記複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づいてリファレンス値を求め、各検出信号から前記リファレンス値を差し引くことにより、信号補正を行う信号補正部と、
補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出する検出部と
を有する電子機器。
【請求項9】
一方向に延在するように並設された複数の駆動電極の駆動に応じて、前記複数の駆動電極と交差する方向に延在するように並設されて各交差部分に静電容量を形成する複数の検出電極からそれぞれ出力される検出信号に基づき、リファレンス値を求め、各検出信号から前記リファレンス値を差し引くことにより、信号補正を行う信号補正部と、
補正された後の検出信号に基づいて外部近接物体を検出する検出部と
を備えたタッチ検出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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