説明

タバコパッケージ用化粧箱

【課題】背の高さが異なる2つのタバコパッケージをがたつかない状態で収納でき、しかも簡単に収納状態にすることができるタバコパッケージ用化粧箱を提供する。
【解決手段】箱全体の高さは背の高い方のタバコパッケージとほぼ同じ高さで、上方開口部の長辺側の両サイドにそれぞれ内向きの折返し片16,20を有しており、一方の折返し片16は折り返した時にその先端縁が背の低い方のタバコパッケージよりも上方に位置し、他方の折返し片20は折り返した時にその先端縁が背の低い方のタバコパッケージよりも下方に位置する。背の高い方のタバコパッケージは折返し片16,20の反発力で保持され、背の低い方のタバコパッケージは一方の折返し片16の先端縁で保持された状態になる。投入するという簡単な作業だけで、背の高さが異なる2つのタバコパッケージをがたつかず、しかも簡単には外れない状態で収納して販売形態にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる種類のタバコパッケージを収納して販売するための化粧箱に係り、詳しくは、背の高さが異なる2つのタバコパッケージを収納して販売形態とする化粧箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、販売促進を図るため、化粧箱に複数個のタバコパッケージを収納したり、異なる種類のタバコパッケージを組み合わて収納した商品が店頭で販売されている。この場合、ライターなどのオマケを一緒に付けることもよく行われている。
【特許文献1】特表2003−528780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、化粧箱に異なる種類のタバコパッケージが入った商品を購入すると、違った味を楽しめたり、オマケが付いていたりするので、タバコ好きな人にとっては思わず手が出てしまうものである。このように異なる種類のタバコパッケージを入れた化粧箱は販売促進の観点から好ましいが、普通サイズとスリムサイズのように2つのパッケージの背の高さが異なる場合、一緒に化粧箱に入れると隙間ができてがたつきが生じてしまう。したがって、このがたつきを無くすには、同じサイズのものを選んで収納しなければならず、選択の幅が狭くなっていた。また、隙間に別の詰め物を入れればよいが、箱詰め作業が煩雑になるという問題が生じてしまう。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、背の高さが異なる2つのタバコパッケージをがたつかない状態で収納でき、しかも簡単に収納状態にすることができるタバコパッケージ用化粧箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明であるタバコパッケージ用化粧箱は、背の高さが異なる2つのタバコパッケージを上方開口部から並べた状態で投入して収納するための薄型直方体形状のタバコパッケージ用化粧箱であって、箱全体の高さは背の高い方のタバコパッケージとほぼ同じ高さで、上方開口部の長辺側の両サイドにそれぞれ内向きの折返し片を有しており、一方の折返し片は折り返した時にその先端縁が背の低い方のタバコパッケージよりも上方に位置し、他方の折返し片は折り返した時にその先端縁が背の低い方のタバコパッケージよりも下方に位置するようになっていることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明であるタバコパッケージ用化粧箱は、請求項1に記載のタバコパッケージ用化粧箱において、タバコパッケージを収納するスペースとは別のスペースを設け、そこにオマケを収納したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明であるタバコパッケージ用化粧箱は、背の高さが異なる2つのタバコパッケージを上方開口部から投入すると、背の高い方のタバコパッケージは折返し片の反発力で保持され、背の低い方のタバコパッケージは一方の折返し片の先端縁で保持された状態になるので、投入するという簡単な作業だけで、背の高さが異なる2つのタバコパッケージをがたつかず、しかも簡単には外れない状態で収納して販売形態にすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明であるタバコパッケージ用化粧箱は、オマケを収納したことにより、2種類のタバコパッケージにより違った味のタバコを楽しめるという利点に加え、オマケの持つ楽しみが増えることで、販売促進を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明に係るタバコパッケージ用化粧箱の一例を上方斜めから見た状態で示す斜視図、図2は図1のタバコパッケージ用化粧箱を形成するブランクの平面図である。
【0011】
図1のタバコパッケージ用化粧箱Aは、普通サイズとスリムサイズのタバコパッケージをそれぞれ一つずつと、オマケとしてのライターを併せて収納するもので、外観は薄型直方体形状であり、図2に示すブランクBを組み立てて作製される。
【0012】
ブランクBは、印刷による化粧を施した薄手の板紙を打ち抜いて形成したもので、図示のように、折線a,b,c,dを介して側面パネル11、前面パネル12、側面パネル13、背面パネル14及び糊代フラップ15が順次連設されている。そして、前面パネル12の上辺には折線eを介して右側に折返し片16と左側に外蓋パネル17が連設され、下辺には折線fを介して底面パネル18とその先端に折線gを介して差込みフラップ19が連設されており、背面パネル14の上辺には折線hを介して左側に折返し片20と右側に内蓋パネル21が連設されている。また、側面パネル11の下辺には折線iを介して折込みフラップ22が連設され、側面パネル13の上下辺にはそれぞれ折線j,kを介して折込みフラップ23,24が連設されている。これら側面パネル11、前面パネル12、側面パネル13及び背面パネル14の高さは、背の高いスリムサイズのタバコパッケージの高さより僅かに高いサイズである。
【0013】
前面パネル12の上辺右側にある折返し片16と背面パネル14の上辺左側にある折返し片20は同じ長さで、2個のタバコパッケージを横に並べた長さより僅かに大きなサイズになっている。そして、折返し片16の幅は、前面パネル12の高さと背の低い普通サイズのタバコパッケージの高さの差より僅かに小さくなっており、折返し片20の幅はそれより大きく、内蓋パネル21と同じ幅になっている。そして、幅が小さい方の折返し片16には右端に突片16aが設けられており、幅が大きい方の折返し片20にはその折線hのところに円形の開口20a,20bが2つ並んで形成されている。
【0014】
また、前面パネル12の上辺左側にある外蓋パネル17には、その先端に折線lを介して差込み片25が突設しており、その差込み片25は、背面パネル14の上辺右側にある内蓋パネル21の折線hのところの切込21aに差込み可能になっている。また、外蓋パネル17の右辺には折線mを介して折曲げ片26が設けられ、その折線mのところには中のオマケを確認するための小孔17aが形成されている。
【0015】
前面パネル12には、その左右2箇所に窓27,28が形成されており、これらを塞ぐようにして前面パネル12には全体に透明フィルムが貼着されている。また、前面パネル12の下辺にある折線fのところには左右2箇所に脚用の切込12a,12bが形成されている。
【0016】
背面パネル14には、その下端に脚用の凸部14a,14bが設けられており、さらにそれらの中程には折線oを介して差込み片29が突設しており、その差込み片29は底面パネル18の先端にある折曲げ片19の折線gのところの切込19aに差込み可能になっている。また、背面パネル14のほぼ中程には吊下部分30が設けられている。この吊下部分30は途中にツナギを有する大きなU字状の切込線14cとその両端を結ぶ折線nにより区画されており、その中には吊下用の孔30aが形成されている。
【0017】
前面パネル12の下辺にある底面パネル18には、小さなU字状の切込線18aとその両端を結ぶ折線pにより起立片31が区画されており、この折線pは前面パネル12の上辺にある外蓋パネル17とその折曲げ片26との境界線である折線mと対応するところに位置している。また、側面パネル13には、前面パネル12の窓27に隣接するところには中のオマケを確認するための小孔13aが形成されている。
【0018】
このブランクBは、糊代フラップ15の表側を側面パネル11の先端部裏側に貼り合わせたサック貼り状態で折り畳まれる。そして、この折り畳んだブランクBからタバコパッケージ用化粧箱Aを組み立てるには、まず、折り畳んだブランクBを角筒状に起こした後、底面側で、折込みフラップ22,24をそれぞれ内側に折り曲げた後、底面パネル18を折り曲げ、差込みフラップ19を背面パネル14の裏側に差し込んでから、背面パネル14の下端にある差込み片30を差込みフラップ19の切込19aに差し込んで底部を形成する。
【0019】
このように底部を形成した後、底面パネル18の起立片31を内側に起こしてから、外蓋パネル17及び内蓋パネル21があるところからオマケを挿入して蓋をする。すなわち、内蓋パネル21と折込みフラップ23をそれぞれ内側に折り曲げ、上蓋パネル17を折り曲げてその先端にある差込み片25を内蓋パネル21の切込21aに差し込んで蓋をする。この時、オマケがライターの場合は、樹脂シートの成形品からなる台座に載せたものを挿入すればガタツキを防止できる。
【0020】
次いで、図1に示すように、外蓋パネル17に連設する折曲げ片26を内側に折り曲げてから、前面パネル12に連設する幅が小さい方の折返し片16と背面パネル14に連設する幅の大きい方の折返し片20をともに内側に折り返した状態にする。この時、折返し片20には開口20a,20bが形成されているので、折り曲げやすくなっている。また、折返し片16には突片16aがあるので、これが折り曲げた折返し片20に引っ掛かかることで戻り防止の役目を果たしている。
【0021】
このように、両方の折返し片16,20をそれぞれ内側に折り曲げて図1に示す状態としてから、上方開口部にある折返し片16,20の間から普通サイズとスリムサイズのタバコパッケージを投入する。これにより、図3及び図4に示すように、高さの異なる2つのタバコパッケージT1 ,T2 が収納される。この収納状態では、幅が小さい方の折返し片16の先端縁が背の低い方のタバコパッケージT1 よりも上方に位置し、幅が大きい方の折返し片20の先端縁が背の低い方のタバコパッケージT1 よりも下方に位置するので、背の高い方のタバコパッケージT2 は折返し片16,20の反発力で保持され、背の低い方のタバコパッケージT1 は折返し片16の先端縁で保持される。したがって、高さが異なる2つのタバコパッケージT1 ,T2 をがたつかず、簡単に外れることがない状態で収納できる。なお、図3及び図4では、背の低い方のタバコパッケージT1 の方を内側に入れ、背の高い方のタバコパッケージT2 を外側に入れたが、これらを逆に入れても同様のことが言える。
【0022】
このタバコパッケージ用化粧箱Aは、ブランクBを組み立てると、前面パネル12の下辺にある切込12a,12bと背面パネル14の下端にある凸部14a,14bとにより4箇所に脚が形成されるので、安定して立てることができる。また、背面パネル14のほぼ中程にある吊下部分30を利用することで店頭にて吊り下げることができる。すなわち、切込線14cのツナギを破断して吊下部分30を外側に起こし、孔30aのところでフック等に吊り下げればよい。
【0023】
なお、収納状態のタバコパッケージ用化粧箱Aをスタックしたり並べたりすると、窓27が隠れて中のオマケが見えない場合があるが、このような時は側面パネル13の小孔13aや外蓋パネル17の小孔17aから中のオマケを確認することができる。また、例えばオマケがガスライターの場合だと、店頭での陳列中にガスが箱の中に溜まり、暴発に至る危険性があるが、これらの小孔13a,17aを設けておくことで空気の流れがよくなるという利点もある。
【0024】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるタバコパッケージ用化粧箱は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るタバコパッケージ用化粧箱の一例を上方斜めから見た状態で示す斜視図である。
【図2】図1のタバコパッケージ用化粧箱を形成するブランクの平面図である。
【図3】高さの異なる2つのタバコパッケージを収納した図1のタバコパッケージ用化粧箱を前方斜めから見た状態で示す斜視図である。
【図4】高さの異なる2つのタバコパッケージを収納した図1のタバコパッケージ用化粧箱を後方斜めから見た状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
A タバコパッケージ用化粧箱
B ブランク
a〜p 折線
11 側面パネル
12 前面パネル
12a,12b 切込
13 側面パネル
13a 小孔
14 背面パネル
14a,14b 凸部
15 糊代フラップ
16 折返し片
16a 突片
17 外蓋パネル
17a 小孔
18 底面パネル
18a 切込線
19 差込みフラップ
19a 切込
20 折返し片
20a,20b 開口
21 内蓋パネル
21a 切込
22,23,24 折込みフラップ
25 差込み片
26 折曲げ片
27,28 窓
29 差込み片
30 吊下部分
30a 孔
31 起立片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背の高さが異なる2つのタバコパッケージを上方開口部から並べた状態で投入して収納するための薄型直方体形状のタバコパッケージ用化粧箱であって、箱全体の高さは背の高い方のタバコパッケージとほぼ同じ高さで、上方開口部の長辺側の両サイドにそれぞれ内向きの折返し片を有しており、一方の折返し片は折り返した時にその先端縁が背の低い方のタバコパッケージよりも上方に位置し、他方の折返し片は折り返した時にその先端縁が背の低い方のタバコパッケージよりも下方に位置するようになっていることを特徴とするタバコパッケージ用化粧箱。
【請求項2】
タバコパッケージを収納するスペースとは別のスペースを設け、そこにオマケを収納したことを特徴とする請求項1に記載のタバコパッケージ用化粧箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−284131(P2007−284131A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115644(P2006−115644)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】