説明

タワークレーンのジブキャッチ保護構造

【課題】 タワークレーンのタワーブームとタワージブのジブキャッチについて、簡単なフック構造の部材を用いることによって接続と解除を安全確実に行うタワークレーンのジブキャッチ保護構造を提供する。
【解決手段】 タワークレーン1のタワーブーム2とタワージブ3を連結するジブキャッチ4において、このジブキャッチ4を構成するフック41と相対する鈎状部51を有する保護フック5を上記フック41の軸穴の近傍に設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タワークレーンのタワーブームとタワージブを確実安全に接続しかつ解除する現場作業用のタワークレーンのジブキャッチ保護構造に関するものである。

【背景技術】
【0002】
図7は、従来のジブキャッチ4を備えたタワークレーン1の使用状況を示す説明図である。
実線はジブキャッチ4の係合が外れてタワーブーム2からタワージブ3が離れ、×印に示すようにタワージブ3の先端ヘッドが地面に落下した状況を示す。
タワークレーン1のブームを畳んで正常に立上げ或いは降下する場合は、図7の破線に示すように、ジブキャッチ4でタワーブーム2とタワージブ3を接続し折畳んだ状態にしている。
従来一般のタワークレーン1のブームを構成するタワーブーム2とその先のタワージブ3は、折畳んで相互を接続し固定するジブキャッチ4が設けられている。
タワークレーン1のブームは、使用しない時には地上にて折畳んでジブキャッチ4でブーム相互を接続し固定して水平に保持しているが、使用時にはブームを折畳んだ状態で立上げて起立させ、最上部に直立させた状態でジブキャッチ4の接続を解除してタワーブーム2からトップジブ3を離して、工事用機材の吊り作業に使用する。
【0003】
図8は、図7の部分拡大説明図で、従来のジブキャッチ4の不具合時にフック41の接続が外れた状況を示す。
タワーブーム2には固定支持具44が固着され、この固定支持具44に、フック41が回動自在に軸支されている。また、タワージブ3にはフック止め具42が固着されている。このフック止め具42に上記フック41を引っ掛けて接続する。このフック41の後部先端の回動レバー43の上部は、固定支持具44の先端近傍に設けた固定レバー45との間にスプリング46を設け、操作ワイヤ47を引っ張ることによって、回動レバー43を介してフック41を回動させて上記フック止め具42との接続を解除する。
正常時には、タワージブ3のフック止め具42にタワーブーム2のフック41が引っ掛かり接続し固定されているが、異常時には図8に示すようにこの接続の引っ掛かりが外れて矢印のように移動し、前記した図7の実線に示すようにタワージブ3が落下する状況となる。
【0004】
特許文献1の特開平7−257878号公報の「タワークレーンの安全装置」の発明は、ブーム1とジブ2の作業状況を自動で検出して、タワー引起し・タワー倒し・ジブ振出し・ジブ抱込み操作時の安全性を向上するようにしたものである。
【0005】
特許文献2の特開平10−7389号公報の「タワークレーンの連結装置」の発明は、タワーブーム1とタワージブ2とを連結するフック19をタワーブーム1の主材1aにより囲まれる空間の外側であって、運転席から目視可能な位置に設け、これによって運転者は、フック19が突出ピン46aに確実に引掛けられたか否かを運転席から目視により確認することができるようにしたものである。
【0006】
また、特許文献3の特開平10−17276号公報の「タワークレーン」の発明は、タワージブ8をタワーブーム7側に折畳んで掛止め機構のラッチ25がロッド22に係合させる回動レバー29を設け、この回動レバー29が待機位置にあるか係合位置にあるかを検出する検出スイッチ34を設け、確実な係合と作業上の安全性を確保できるようにしたものである。
【0007】
さらに、特許文献4の特開平10−231088号公報の「タワークレーン」の発明は、タワージブ8のタワーブーム7に対する掛止めを解除する作業を自動で行うことができるように、パイプ部材7Bとレバープレート29との間にモータ等で駆動されるシリンダ装置31を装着し、リード線等を介して運転室内に設けた操作スイッチで遠隔操作ができるようにしたものである。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−257878号公報
【特許文献2】特開平10−7389号公報
【特許文献3】特開平10−17276号公報
【特許文献4】特開平10−231088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来一般のタワークレーン1は、図7に示すように、建設現場においてクレーンのブームを折畳んで立上げ或いは降下する際に、タワーブーム2とタワージブ3を接続するジブキャッチ4の係合が外れてタワージブ3の先端ヘッドが地面に落下して、路面の損傷や機材の破損を生じたり、人に危害を与えたりするなどの事故を発生する心配があった。
【0010】
上記のような事故は、図8に示すように、フック41のフック止め具42への引っ掛かりが浅くて外れる場合や、操作ワイヤ47を引っ張った状態でスプリング46が伸びた状態となる場合など、ジブキャッチ4のフック41とフック止め具42の接続と解除が不十分な作動障害などによるものであった。また、人的操作ミスなどもあるため、監督、監視者、オペレーターの始業前点検や状態確認が必要であった。
【0011】
特許文献1の特開平7−257878号公報の「タワークレーンの安全装置」の発明は、タワー引起し・タワー倒し・ジブ振出し・ジブ抱込み操作時の安全性を向上するようにしたものであるが、ブーム1とジブ2の相互を接続するジブキャッチ7の接続状況を確認し安全性を配慮するものではない。
【0012】
特許文献2の特開平10−7389号公報の「タワークレーンの連結装置」の発明は、タワーブーム1とタワージブ2とを連結するフック19が突出ピン46aに確実に引掛けられたか否かを、運転席から目視により確認することができるが、見落としなどの人的ミスは避けられない上に、フック19が途中で外れるのを防止することはできなかった。
【0013】
また、特許文献3の特開平10−17276号公報の「タワークレーン」の発明は、回動レバー29が待機位置にあるか係合位置にあるかを検出スイッチ34で検出することができるが、誤作動や故障の心配があり、精密な装置も複雑化することとなった。
【0014】
さらに、特許文献4の特開平10−231088号公報の「タワークレーン」の発明は、タワージブ8のタワーブーム7に対する掛止めを解除する作業を、運転室内の遠隔操作で行うことができるが、装置が複雑で大規模となり、操作ミスや誤作動の心配があった。
【0015】
この発明の目的は、上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、タワークレーンのタワーブームとタワージブのジブキャッチについて、簡単なフック構造の部材を用いることによって接続と解除を安全確実に行うタワークレーンのジブキャッチ保護構造を提供するものである。

【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、タワークレーンのタワーブームとタワージブを連結するジブキャッチにおいて、このジブキャッチを構成するフックと相対する鈎状部を有する保護フックを上記フックの軸穴の近傍に設けたものである。
【0017】
請求項2に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、上記保護フックを上記フックと同じ軸穴のシャフトに、保護フックの鈎状部と受け部が重力で垂下するように保護フックの垂下穴を遊嵌状に係合したものである。
【0018】
請求項3に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、上記フックを正回転歯車に軸支するとともに上記保護フックを逆回転歯車に軸支し、上記フックと保護フックを挟込み把持構造に形成したものである。
【0019】
請求項4に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、上記請求項2又は3記載の保護フックは上記フックの支軸を両側方向に延長し、このシャフトの両側対称位置に保護フックを係合させて設けたものである。

【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、タワークレーンのタワーブームとタワージブを連結するジブキャッチにおいて、このジブキャッチを構成するフックと相対する鈎状部を有する保護フックを、上記フックの軸穴の近傍に設けたので、ブームの起立途中に保護フックの鈎状部でフック止め具を確実に支えることができ、タワージブが落下することがなく安全を保持することができる。
【0021】
請求項2に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、上記保護フックを上記フックと同じ軸穴のシャフトに、保護フックの鈎状部と受け部が重力で垂下するように保護フックの垂下穴を遊嵌状に係合したので、ジブキャッチのフックとフック止め具の接続に加えて、保護フックの受け部が重力で常に下方に位置するため、ブームの起立途中に例えフックの係合が外れてもこの保護フックの鈎状部と受け部でフック止め具を支えることができ、タワージブが落下することがなく安全を保持することができる。
【0022】
請求項3に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、上記フックを正回転歯車に軸支するとともに上記保護フックを逆回転歯車に軸支し、上記フックと保護フックを挟込み把持構造に形成したので、歯車の機構により確りと把持が行われ着脱の安全性が向上する。
【0023】
請求項4に係る発明のタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、上記請求項2又は3記載の保護フックは上記フックの支軸を両側方向に延長し、このシャフトの両側対称位置に保護フックを係合させて設けたので、平均にバランス良くタワージブの荷重を支えるため、ブームの起立降下の際に一層の安全を保つことができる。

【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明に係るジブキャッチ保護構造を備えたタワークレーンの実施形態例を示す全体説明図である。
【図2】この発明に係るジブキャッチ保護構造を示す(a)は正面説明図、(b)は側面説明図である。
【図3】図2に示すジブキャッチ保護構造部材の分解斜視説明図である。
【図4】この発明に係るジブキャッチ保護構造の他の実施形態で、(a)は接続状況を示す正面説明図、(b)は垂直状態での解除状況を示す正面説明図である。
【図5】この発明に係るタワークレーンのジブキャッチ保護構造の正常な状況を説明する図である。
【図6】従来のタワークレーンのジブキャッチの正常な状況と不具合時の状況を説明する図である。
【図7】従来のジブキャッチを備えたタワークレーンの使用状況を示す側面説明図である。
【図8】図7のジブキャッチの部分拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明に係るタワークレーン1のジブキャッチ保護構造の実施形態を、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は、この発明に係るジブキャッチ保護構造を備えたタワークレーン1を示す全体説明図である。
ジブキャッチ4に保護フック5を備えたタワークレーン1の使用状況を示す。このタワークレーン1のブームを構成するタワーブーム2とその先のタワージブ3は、折畳んで相互を接続し固定するジブキャッチ4及び保護フック5で接続されている。
この タワークレーン1のブームは、使用しない時には折畳んでジブキャッチ4及び保護フック5で相互を接続し固定し、使用する時には地上での水平状態からブームを引上げ上昇させ起立させて、直立状態でジブキャッチ4及び保護フック5の接続を解除してタワーブーム2からタワージブ3を離して使用する。
使用後、折畳む時には直立状態で、タワージブ3は自重により少し振り戻されて移動し、フック止め具がフックに掛かり、タワーブーム2へ接続する。
【0026】
図2は、この発明に係るジブキャッチ保護構造の第1の実施形態を示す(a)は正面説明図、(b)は側面説明図である。
正面説明図(a)、及び側面説明図(b)に示すように、タワーブーム2の支軸20には固定支持具44が固着され、この固定支持具44の軸穴に、フック41が回動自在に軸支されている。また、タワージブ3の支軸30にはフック止め具42が固着されている。このフック止め具42に、上記フック41が引っ掛かって接続し固定する。このフック41の後部先端の回動レバー43の上部は、固定支持具44の先端近傍に設けた固定レバー45との間にスプリング46を設け、操作ワイヤ47を引っ張ることによって、回動レバー43を介してフック41を回動させて接続を解除する。
5は鈎状部を有する保護フックで、ジブキャッチ4を構成するフック41の下方位置に対向させ、上記フック41を取付けている固定支持具44の軸穴にシャフト52を挿通して、このシャフト52に保護フック5の鈎状部51から受け部54にわたって重力で垂下するように、垂下穴53を遊嵌状に取り付ける。
図示例は、シャフト52を両側方向に延長して設け、このシャフト52の両側対称位置に2個、保護フック5の垂下穴53を回動自在に遊嵌させて取付けた事例である。
【0027】
図3はジブキャッチ保護構造をさらに詳しく説明する図で、タワークレーン1のタワーブーム2とタワージブ3を接続するジブキャッチ4と保護フック5の取付け状況を、部分拡大分解図X、Yに示している。
Xに示すように、タワーブーム2の支軸20には固定支持具44が固着され、この固定支持具44に、フック41が回動自在に軸支されている。
Yに示すように、タワージブ3の支軸30にはフック止め具42が固着されている。
フック41の後部先端の回動レバー43の上部は固定支持具44の先端近傍の固定レバー45との間にスプリング46を設け、操作ワイヤ47を引っ張ることによって、フック41を回動させて接続を解除する。
固定支持具44の軸穴に設けたシャフト52にフック41を取付け、このシャフト52の両端を延長し、保護フック5の垂下穴53を回動自在に遊嵌させ、鈎状部51から垂下フック54を重力で垂れ下がるように取付ける。
【0028】
図4は、この発明に係るジブキャッチ保護構造の第2の実施形態で、(a)は接続状況を示す正面説明図、(b)は直立状態での解除状況を示す正面説明図である。
図に示すように、タワーブーム2の支軸20には固定支持具44が固着され、この固定支持具44の軸穴に、フック41が回動自在に軸支されている。また、タワージブ3の支軸30にはフック止め具42が固着されている。このフック止め具42に、上記フック41を引っ掛けて接続し固定する。このフック41の後部先端の回動レバー43の上部は、固定支持具44の先端近傍に設けた固定レバー45との間にスプリング46を設け、操作ワイヤ47を引っ張ることによって、回動レバー43を介してフック41を回動させて接続を解除する。(図2及び図3と同一の部材には同一番号を付している)
このジブキャッチ保護構造の実施形態では、上記ジブキャッチ4を構成するフック41を正回転歯車55に軸支するとともに、保護フック5を構成する鈎状部51を逆回転歯車56に軸支し、上記フック41と鈎状部51を挟み込む把持構造に形成する。
【0029】
(a)に示すように、スプリング46の力で正回転歯車55と逆回転歯車56の機構によって確りと挟み込みの把持が行われる。
(b)の直立状態時に、矢印Aに示すように操作ワイヤ47を引っ張ることによって、矢印Bに示すようにフック41を回動させ、矢印Cに示すように鈎状部51を回動させて、フック止め具42の把持が解除される。このように、ジブキャッチ保護構造は、歯車の機構により確りと把持が行われ着脱の安全性が確保される。
特にこの把持構造では、フックの掛かりが浅くなることはなく、確実に挟むことが可能である。
【0030】
図5の5−1から5−4は、この発明に係るタワークレーンのジブキャッチ保護構造の第1の実施形態の事例における正常な状況を説明する図表で、左側のa欄はジブキャッチ保護構造を示し、右側のb欄はタワークレーンのブームの状況を示す。(番号の図示記載は一部省略する)
【0031】
5−1は、ジブ収納時の状況である。
(a欄)タワーブーム2とその先のタワージブ3は、ジブキャッチ4及び保護フック5で相互を接続し固定されている。
(b欄)タワークレーン1のブームを水平状態に折畳んでいる。
5−2は、ブーム立上時の状況である。
(a欄)タワーブーム2とその先のタワージブ3は、ジブキャッチ4及び保護フック5で相互を接続維持し固定されている。
(b欄)ブームを引上げ上昇させている。
5−3は、ブーム起立時の状況である。
(a欄)タワーブーム2とその先のタワージブ3の起立時には、保護フック5は重力で垂下して接続が自然に解除される。
(b欄)直立状態に維持している。
5−4は、ジブ切離し時の状況である。
(a欄)ジブキャッチ4の接続を解除してタワーブーム2からトップジブ3を切り離す。この際に、図の矢印に示すように操作ワイヤを引っ張ることによって、フックを回動させて接続が解除される。
(b欄)最上部垂直状態でブームを切り離して吊り作業に使用する。
【0032】
上記図5に示すように、タワークレーン1のジブキャッチ保護構造は、タワークレーン1のタワーブーム2とタワージブ3を連結するジブキャッチ4の軸穴にシャフト52を挿通し、このシャフト52に重力で垂下する保護フック5の垂下穴53を遊嵌状に係合しているので、ジブキャッチ4のフック41とフック止め具42の接続に加えて、保護フック5の鈎状部51と受け部54が重力で常に下方に位置するため、ブームの立上げ起立する途中に例えフック41の係合が外れても、この保護フック5の作動が重力のみで確実に行われる。そのため、誤作動や故障がなくフック止め具42を確りと支えることができ、タワージブ3が落下することがなく万一の安全性が向上する。この保護フック5は、簡単な構成部材で、ジブキャッチ4への取付けが容易で二重安全の構造部材となる。
【0033】
また、ジブキャッチ保護構造における保護フック5は、図2及び図3に示すようにシャフト52を両側方向に延長しこのシャフト52の両側の垂下穴53に鈎状部51と受け部54が重力で垂れ下がるように係合させて設けているので、タワージブ3の荷重を平均にバランス良く支えることができる。
なお、図示はしないが図4に示す第2の実施形態における歯車把持構造の場合でも両側に設けることにより荷重バランスを確保することができる。
そのため、万一中央のフック41が外れた場合でもブームが急に傾いたり衝撃を受けたりすることがなく、ブーム昇降時に均衡が保たれ一層の安全性が保持される。
【0034】
図6の6−1から6−4は、従来のタワークレーンのジブキャッチの正常な状況と不具合時の状況を比較して説明する図表で、左側のa欄はジブキャッチ構造を示し、右側のb欄はタワークレーンのブームの状況を示す。(番号の図示記載は一部省略する)
【0035】
6−1は、ジブ収納時の状況である。
(a欄)タワーブーム2とその先のタワージブ3は、ジブキャッチ4で接続し固定されている。
(b欄)タワークレーン1のブームを水平状態に折畳んでいる。
6−2は、ブーム立上時の状況である。図中の破線矢印と×は、タワージブ3が落下する不具合の状況を示す。
(a欄)この際に、図の破線矢印a,bに示す動きによって、ジブキャッチ4の接続が外れる不具合が生じることがあった。
(b欄)ブームを引上げ上昇させている。
6−3は、ブーム起立時の状況である。
(a欄)タワーブーム2とその先のタワージブ3は、ジブキャッチ4で接続し固定されている。
(b欄)直立状態に維持している。
6−4は、ジブ切離し時の状況である。
(a欄)ジブキャッチ4の接続を解除してタワーブーム2からトップジブ3を切り離す。この際に、操作ワイヤを引っ張ることによって、フックを回動させて接続を解除する。
(b欄)直立状態でブームを切り離して吊り作業に使用する。

【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明に係るタワークレーンのジブキャッチ保護構造は、クローラークレーンなど移動構造のタワークレーンに限らず、固定設置構造のタワークレーンなど、種々のクレーンのジブキャッチ保護構造にも適用することができる。

【符号の説明】
【0037】
1 タワークレーン
2 タワーブーム
3 タワージブ
4 ジブキャッチ
41 フック
42 フック止め具
43 回動レバー
44 固定支持具
45 固定レバー
46 スプリング
47 操作ワイヤ

5 保護フック
51 鈎状部
52 シャフト
53 垂下穴
54 受け部
55 正回転歯車
56 逆回転歯車




【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワークレーンのタワーブームとタワージブを連結するジブキャッチにおいて、このジブキャッチを構成するフックと相対する鈎状部を有する保護フックを上記フックの軸穴の近傍に設けたことを特徴とするタワークレーンのジブキャッチ保護構造。
【請求項2】
上記保護フックを上記フックと同じ軸穴のシャフトに、保護フックの鈎状部と受け部が重力で垂下するように保護フックの垂下穴を遊嵌状に係合したことを特徴とする請求項1記載のタワークレーンのジブキャッチ保護構造。
【請求項3】
上記フックを正回転歯車に軸支するとともに上記保護フックを逆回転歯車に軸支し、上記フックと保護フックを挟込み把持構造に形成したことを特徴とする請求項1記載のタワークレーンのジブキャッチ保護構造。
【請求項4】
上記保護フックは上記フックの支軸を両側方向に延長し、このシャフトの両側対称位置に保護フックを係合させて設けたことを特徴とする請求項2又は3記載のタワークレーンのジブキャッチ保護構造。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−157148(P2011−157148A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18277(P2010−18277)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000147729)株式会社石井鐵工所 (67)
【Fターム(参考)】