説明

タービンコンパートメント通気のためのシステム及び方法

【課題】発電プラントのタービンコンパートメントを通気するシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】本発明の1つの態様によれば、タービンコンパートメントを通気する方法が提供され、本方法は、空気流を吸気口から第1の空気導管に配向する段階と、空気流と熱交換装置内の第1の流体との間で第1の熱を伝達する段階と、熱交換装置と流体連通し且つ一部が地中に配置される流体回路を通じて第1の流体をポンプ送給する段階と、を含む。本方法は更に、第1の流体と周囲の地面との間で第2の熱を伝達する段階と、調整された空気流を熱交換装置から第2の空気導管を介してタービンコンパートメントに配向する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、発電プラントに関する。より詳細には、本主題は、発電プラントのタービンコンパートメントの通気に関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムにおいて、タービンコンパートメントは、幾つかの理由により適正に通気する必要がある。タービンコンパートメント通気の考慮事項の実施例は、より良好な運転効率を得るためにタービンクリアランスを妥当な範囲内に維持すること、及び揮発性有機化合物(VOC)がタービンコンパートメントの内部に蓄積するのを避けることを含む。ガスタービンコンパートメントの通気能力は、タービンケーシング表面放熱速度、ガスタービンケーシングフランジからの漏洩、局所的周囲条件、通気構成(加圧又は非加圧タービンコンパートメントなど)及び安全性考慮事項を含む、複数の要因に基づいて決定される。これらの要因により、120°Fを上回る過酷な周辺空気温度を受ける施設において通気設計が難しくなる可能性がある。このような場合、温度制御は、通気空気流を増大させることによって達成することができる。しかしながら、通気空気流の増大は、通気ファンにより寄生的に生じる電力消費量、VOC漏洩検出の低感受性、並びにコンパートメントドアにおける漏洩の増大に起因する問題が引き起こされる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6477843号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの態様によれば、タービンコンパートメントの通気システムが提供され、該システムは、熱交換装置と流体連通し且つ第1の温度の空気流を吸気口から熱交換装置に配向するよう構成された第1の空気導管と、熱交換装置と流体連通し且つ一部が地中に配置される流体回路と、流体回路内に配置され、該流体回路を通して第1の流体を流して該第1の流体とヒートシンクとの間で熱を伝達するよう構成されたポンプと、を含む。本システムは更に、熱交換装置と流体連通し且つタービンコンパートメントと流体連通して、第2の温度の空気流を熱交換装置からタービンコンパートメントに配向するよう構成された第2の空気導管を更に含む。
【0005】
本発明の1つの態様によれば、タービンコンパートメントを通気する方法が提供され、本方法は、空気流を吸気口から第1の空気導管に配向する段階と、空気流と熱交換装置内の第1の流体との間で第1の熱を伝達する段階と、熱交換装置と流体連通し且つ一部が地中に配置される流体回路を通じて第1の流体をポンプ送給する段階と、を含む。本方法は更に、第1の流体と周囲の地面との間で第2の熱を伝達する段階と、調整された空気流を熱交換装置から第2の空気導管を介してタービンコンパートメントに配向する段階と、を含む。
【0006】
これら及び他の利点並びに特徴は、図面を参照しながら以下の説明から明らかになるであろう。
【0007】
本発明と見なされる主題は、本明細書と共に提出した特許請求の範囲に具体的に指摘し且つ明確に特許請求している。本発明の上記及び他の特徴並びに利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】通気システムを含む発電システムの一実施形態の概略図。
【図2】ある時間期間にわたる周辺温度と地表温度の例示的なプロットのグラフ。
【図3】通気システムを含む発電システムの別の実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この詳細な説明は、例証として図面を参照しながら、本発明の利点及び特徴と共に例示的な実施形態を説明している。
【0010】
図1は、電気的及び/又は機械的出力を生成するのに用いられる発電システム100の一実施形態の概略図を示す。発電システム100は、通気システム102及びタービンコンパートメント104を含む。通気システム102は、タービンコンパートメント104への吸気口106を調整するよう構成される。図示のように、通気システム102は、地熱システム108を含み且つこれを利用して空気を調整する。周辺空気吸気口106は、外部空気からパーティクル及び不純物を除去するためのフィルタ110を含む。周辺空気流は、第1の導管112を通って配向され、該第1の導管は、空気流を通過させる力を提供する第1の通気ファンを含む。一実施形態では、周辺空気吸気口106は、空気流の一部を第1の導管112に配向し、第2の部分をタービン供給空気116に配向する。タービンエンジン117は、圧縮機118、シャフト120、タービン122、及び燃焼器124を含む。一実施形態では、タービンエンジン117は、複数の圧縮機118、燃焼器124、タービン122、及びシャフト120を含むことができる。図示のように、圧縮機118及びタービン122は、シャフト120により結合される。
【0011】
1つの態様において、燃焼器124は、天然ガス又は水素過濃合成ガスなどの液体及び/又はガス状燃料を用いてタービンエンジンを稼働する。例えば、燃焼器124内に位置付けられる燃料ノズルは、供給燃料及び圧縮機118により提供される加圧空気と流体連通している。圧縮機118は、供給空気116を受け取り、ここで圧縮機ブレード又はベーンが転回して空気を加圧し、この空気が燃料ノズルに配向される。燃料ノズルは、空気−燃料混合気を生成し、該燃料−空気混合気を燃焼器124に排出し、これにより燃焼を引き起こして高温の加圧ガスを生成する。燃焼器124は、高温加圧ガスをタービンノズル(又は「第1段ノズル」)に配向し、高温ガスがベーンを越えてノズル内に流れるときにタービン122を回転させる。タービン122の回転によりシャフト120が回転を生じ、これにより空気が圧縮機118に流れたときに該空気が加圧される。シャフト102の回転は更に機械的回転出力を提供し、これを用いて電気を発生することができる。
【0012】
更に図1を参照すると、第1の空気導管112は、周辺空気流を熱交換装置126に提供し、ここで空気流が調整され、次いで、2次空気導管128を通ってタービンコンパートメント104に配向される。通気システム102は、地熱システム108の地熱温度サイクルを利用して、コンパートメント104に流入する空気流を調整又は処理する。地熱システム108は、流体回路130を備え、該回路の一部は、参照符号132で示されるように地中に配置される。周囲の地面領域134は、ヒートシンク及び地熱源として機能して、所望のタービンコンパートメント温度及び周辺空気温度に応じて、地中回路132を流れる流体との間で熱を伝達する。実施形態では、ヒートシンクは、材料内で生成される熱を空気又は液体などの流体媒質に伝達する好適な発生源、構成要素、又は組立体である。例示的なヒートシンクは、限定ではないが、周囲地面、水域、地面と水の組み合わせ、及び発電建物の内部又は外部に位置するフィン又はピンベース構造体を含む。図2に関して以下で詳細に検討するように、深さ136での地中回路132の温度サイクルは、周囲地面134と流動流体との間の熱伝達を可能にし、これにより回路130内の流動流体と第1の空気導管112内部の周辺空気との間で熱交換装置126を介した熱の伝達が可能になる。加えて,周辺空気及び周囲地面134は、選択時間期間にわたって実質的に反対の温度サイクル又は逆位相を有することができる。回路132の深さ136は、限定ではないが、環境条件、システム特性、所望のコンパートメント温度、コスト、又はこれらの組み合わせを含む、複数の要因によって決まることができる。例えば、一実施形態では、回路132の深さ136は、表面338下の約50フィートよりも少なくすることができる。別の実施形態では、深さ136は、表面338下の約25フィートよりも少なくすることができる。更に別の実施形態では、深さ136は、表面338の下の約10フィートよりも少なくすることができる。
【0013】
図示のように、流体回路130は、地面134及び熱交換装置126を通って流体を循環させるためのポンプ140を含む。コントローラ142はポンプ140に結合され、流体がポンプ送給される速度のような種々のパラメータを監視し制御することができる。一実施形態では、流体は、水、又は水と不凍液の混合物のような、回路導管を通って流れて選択した熱量を伝達するのに好適なあらゆる流体である。ポンプ140は、産業用電気流体ポンプのような、好適な何らかの堅牢なポンプとすることができる。コントローラ142はまた、流体の流量、温度、又は他の特性を測定するため少なくとも1つのセンサを含むことができる。一実施形態では、コントローラ142は、Ethernet(登録商標)又は802.11無線プロトコルなど、有線又は無線接続によって、コントローラ144のような1以上の他のコントローラと通信する遠隔コントローラである。コントローラ142及び144は、プロセッサ、メモリストレージデバイス(固体メモリなど)、及び内部に含まれる命令を実行するためプロセッサにアクセス可能なストレージデバイス内の1以上のプログラムを含む、コンピュータベースのユニットとすることができる。図示の実施形態では、コントローラ144は、熱交換装置126、コンパートメント温度センサ146、及び周辺温度センサ148に結合され、これらのセンサはコントローラ144によって使用される情報を提供し、タービンコンパートメント104への空気流の温度を制御する。従って、コントローラ142及び144は、プログラム及びハードウェアを利用して、周辺及びコンパートメントの空気温度のパラメータを監視し、更に、通気システム102の選択機能を実施するよう指示を与えて、周辺空気が熱交換装置126を通ってタービンコンパートメント104に流入したときに周辺空気を加熱及び/又は冷却する。
【0014】
引き続き図1を参照すると、通気システム102の例示的な実施形態は、中間回路150、熱交換器154、バルブ156、圧縮機158、及び圧縮機モータ160を備える熱交換装置126を含む。中間回路150は、コンパートメント空気及び周辺空気温度の選択される温度に応じて、選択方向に冷媒流体を配向する。冷媒流体は、アンモニア、二酸化炭素、及び非ハロゲン化炭化水素など、あらゆる好適な流体とすることができる。中間回路150及び流体回路130を通って流れる流体の状態は、流体特性、環境条件、システム条件、又はこれらの組み合わせを含む、様々な要因に応じて変わる可能性がある点に留意されたい。
【0015】
ここで、通気システム102の例示的な加熱及び冷却モードを詳細に説明する。冷却モードでは、温度T1の周辺空気が第1の空気導管112を通ってコイル152に流れる。更に、冷却モードでは、冷却媒体が、反時計回りで熱交換器154からコイル152へ、更に圧縮機158に流れて、熱交換器154に戻る。コイル152は、熱交換器154から中間回路150を介して冷媒流れを受け取り、ここで冷媒は、流体回路130を通って流れる流体により冷却されている。従って、回路130内の流体は、地中回路132を通ってポンプ送給されるときに冷却され、ここで地面134の温度はT2であり、T1よりも低い。従って、冷却された流体は地中回路132から流れ、熱交換器154を通って流れる冷媒を冷却する。中間回路150を介して熱交換器154により受け取られた冷媒は、圧縮機158により加圧され且つバルブ156を介して熱交換器154に送られる蒸気ガスであり、ここで熱交換器154は冷媒を凝縮して流体130に熱を伝達し、これにより冷媒が液体に変わる。中間回路150は、冷却された液体冷媒をオリフィス(図示せず)のような膨張装置に通し、次いで、コイル152に通して周辺空気を冷却し、空気から熱を受け取る。別の実施形態では、膨張装置はコイル152に一体化される。冷媒が加熱されると、冷媒の一部はコイル152内でガスに変わり、次いで、冷媒がバルブ156を介して圧縮機158に配向される。従って、実施形態では、第2の空気導管128によりコイル152からタービンコンパートメント104に配向された空気は第3の温度T3であり、T1よりも低く、コンパートメントにおける選択された範囲内にある。
【0016】
加熱モードでは、温度T1の周辺空気は、第1の空気導管112を通ってコイル152に流れる。更に、加熱モードでは、冷却媒体は、時計回りに圧縮機158からコイル152、膨張装置、及び熱交換器154に流れて圧縮機158に戻る。コイル152は、圧縮機158から中間回路150を介して加圧された蒸気冷媒流れを受け取る。圧縮機158により受け取られた冷媒は、流体回路130の地中部分1332を通って流れる流体により加熱され、ここで地面134の温度はT2であり、T1よりも高い。従って、加熱された流体は、地中回路132から流れ、熱交換器154を通って流れる冷媒を加熱する。冷媒は、コイル152内で凝縮されると共に、コイル152を通って流れる周辺空気に熱を放出する。次いで、冷媒は、コイル152から中間回路150及び膨張装置を介して熱交換器154に流れる。次に、熱交換器154は、流体回路130回路からの熱を伝達することにより中間回路150内の冷媒を加熱して蒸気を生成し、該蒸気がバルブ156によって圧縮機158に配向される。圧縮機158からの加圧蒸気は、コイル152内の周辺空気に熱を伝達する加熱冷媒である。従って、実施形態では、第2の空気導管128によりコイル152からタービンコンパートメント104に配向された空気の温度はT3であり、T1よりも高く且つコンパートメントにおける選択された範囲内にある。蒸気で検討した加熱及び冷却の実施形態の両方において、周辺空気は、導管112及び128を通って流れて熱交換装置126により調整され、ここで熱交換装置126は、図示の実施例のような何らかの好適な方法及び設備を用いて地面134と周辺空気との間で回路130を介して熱を伝達する点に留意されたい。
【0017】
引き続き図1を参照すると、実施形態では、コイル152及び熱交換器154は各々、2つの供給流体と流体連通及び熱連通した装置であり、該装置により2つの供給流体間の熱伝達が可能になる。バルブ156は、通気システム102のモードに応じて、選択された方向に冷媒流れを配向するよう構成されたあらゆる好適なバルブとすることができる。1つの実施例において、バルブ156は4方向バルブであり、通気システム102が、中間回路150において流体流方向を変化させ、周辺供給空気を加熱又は冷却できるようにする。圧縮機158及び圧縮機モータ160は、ガスを加圧して加圧蒸気にする好適な装置である。図示の発電システム100及び通気システム102を用いて、複数のタービンを収容するコンパートメントに配向される空気の温度並びに発電プラント内の複数のタービンコンパートメントの空気温度を制御することができる。本明細書での議論は主としてガスタービンに焦点を当てているが、議論の概念はガスタービンに限定されるものではない。
【0018】
開示される通気システム102は、周辺通気を調整するためのエネルギー効率のよい解決策を提供し、これにより通気流量を実質的に増大させる必要性が低減又は排除される。周辺温度サイクルに対して逆相又は反対の地中温度サイクルの特性により、通気システムは、中東の発電システムにより引き起こされる極暑の周辺空気のような、特に過度の高温又は低温環境において実行可能且つコスト節減になる解決策を提供することができる。従って、コンパートメント104への吸気温度を効率的に調整することによって、通気システム102の一実施形態は、寄生的消費電力の低減、損耗低減、信頼性の向上、並びにタービン117、関連機器、タービンケーシング、及び他の部品の作動状態の改善をもたらす。実施形態では、熱交換装置126は、用途による要求、コスト問題、及び他の要因に応じて、より少ない又はより多くの構成要素を用いて所望の空気調整機能を実施する。例えば、図3において以下で示すように、熱交換装置126は、蒸気圧縮サイクルなしで周辺空気冷却又は制御について簡略化することができる。他の実施形態では、追加及び/又は異なる構成要素を利用して、熱交換装置126に関して本明細書で説明される機能を実施することができる。本明細書で検討するように、空気の調整は、湿球温度、乾球温度、相対湿度又は密度などの非限定的な実施例を含む、空気流の少なくとも1つの物理的特性を調整するプロセスと見なすことができる。
【0019】
図2は、ある時間期間にわたる周辺空気温度及び地表温度の例示的なプロットのグラフ200である。グラフ200は、X軸上に示す6:00AMから6:00PMまでの時間期間を含み、参照符号202で示している。y軸には華氏単位の温度を図示し、参照符号204で示している。温度データプロット206は、ある時間期間にわたる選択深さの地中で得られた温度を示している。例示のプロット206は、地表下10、27、及び33インチで取得している。温度データプロット208は、同じ時間期間にわたって得られた周辺空気の温度測定値を示している。図示のように、周辺空気208及び地中206の温度サイクルは、8:00AMと6:00PMとの間に示す時間期間のような、選択時間期間にわたって実質的に互いに反転し、又は逆相のものである。本明細書で検討される通気システムは、導管及び回路に流体を流し、反転温度サイクルを利用してタービンコンパートメントの吸気口を冷却又は加熱する。
【0020】
例えば、地中グラフは、約1:30PMにおいて、地表温度が約81華氏温度であり、周辺空気が約100華氏温度であることを示している。更に、タービンコンパートメント空気の選択又は所望の温度範囲は、87と93華氏温度の間である。従って、流体回路130(図1)は、低温の地表温度を利用して流体を冷却し、次いで、これを熱交換装置126が用いて周辺空気流を冷却し、これにより約90華氏温度の冷却空気流128をコンパートメント104に提供する。周辺空気と地表の温度サイクルはまた、周辺空気を加熱するための用途において互いに反転したものとすることができ、周辺空気温度が低温であるのと実質的に同じ時間付近でピーク又は高い地表温度が生じる。このようなケースでは、地面の地熱源は、流体回路130を介して熱を提供し、この熱は、本明細書で検討される方法により熱交換装置を介して周辺空気吸気口に伝達される。
【0021】
図3は、通気システム302を含む発電システム300の別の例示的な実施形態の概略図である。図示のシステムは、図1の例示的なシステムと実質的に同様の運転方法であり、図3に描かれたシステムは、熱交換装置326の簡略化された実施形態を含む。通気システム302は、タービンコンパートメント304の吸気口306を調整するよう構成される。通気システム302は、空気の調整を支援する地熱システム308を含む。周辺空気吸気口306は、外部空気からパーティクル及び不純物を除去するためのフィルタ310を含む。周辺空気流は、第1の導管312を通って配向され、該第1の導管312は、空気流を通過させる力を提供する第1の通気ファンを含む。一実施形態では、周辺空気吸気口306は、空気流の一部を第1の導管312に配向し、第2の部分をタービン供給空気316に配向する。タービン空気供給312は、タービンエンジン317が利用する空気流を配向する。タービンエンジン317は、圧縮機318、シャフト320、及び燃焼器324を含む。
【0022】
第1の空気導管312は、周囲空気流を熱交換装置326に提供し、ここで空気流が調整され、次いで、第2の空気導管328を通ってタービンコンパートメント304に配向される。通気システム302は、地熱システム308の地熱温度サイクルを利用して、コンパートメント304に流入する空気流を調整又は処理し、ここで地熱サイクルは、周辺空気サイクルの実質的に反転したものである。地熱システム308は、流体回路330を備え、ここで回路の一部332は地中に配置される。周囲の地面区域334は、地中回路332を流れる流体との間で熱を伝達するための地熱源として機能し、ここで回路は、用途要件に応じて選択深さ336に位置付けられる。図示のように、流体回路330は、地面334及び熱交換装置326を通って流体を循環させるためのポンプ340を含む。コントローラ342は、ポンプ340に結合され、ポンプ送給速度のような回路330の種々のパラメータを制御することができる。一実施形態では、コントローラ342は、コントローラ344のような1以上の他のコントローラと通信する遠隔コントローラである。図示のように、コントローラ344は、熱交換装置326、コンパートメント温度センサ346、及び周辺温度センサ348に結合され、これらのセンサは、タービンコンパートメント304への空気流の温度を制御するための情報を提供する。
【0023】
図3の例示的な実施形態では、熱交換装置326は、第1の導管312を介して周辺空気吸気口と、並びに流体回路330内の流体と流体連通した装置である。例示的な加熱モードでは、ポンプ340は、流体回路330内の流体を地中部分332を通って循環させ、ここで地面334の温度は周辺空気温度よりも高く、これにより地面334を通って流れるときに流体を加熱する。熱交換装置326は、加熱流体から周辺空気に熱を伝達するのを可能にする。次いで、加熱周辺空気は、導管328によりコンパートメント304へ配向される。例示的な冷却モードにおいて、ポンプ340は、地中部分332を通って流体回路330内で流体を循環し、ここで地面334の温度は、周辺空気温度よりも低く、これにより流体が地面334を通って流れたときに該流体が冷却される。熱交換装置326は、周辺空気から冷却された流体に熱を伝達することを可能にする。次いで、冷却された空気は、導管328によりコンパートメント304に配向される。従って、コンパートメント304への吸気温度を効率的に調整することによって、通気システム302の一実施形態は、寄生的消費電力の低減、損耗低減、信頼性の向上、並びにタービン317、関連機器、タービンケーシング、及び他の部品の作動状態の改善をもたらす。
【0024】
限られた数の実施形態のみに関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明はこのような開示された実施形態に限定されないことは理解されたい。むしろ、本発明は、上記で説明されていない多くの変形、改造、置換、又は均等な構成を組み込むように修正することができるが、これらは、本発明の技術的思想及び範囲に相応する。加えて、本発明の種々の実施形態について説明してきたが、本発明の態様は記載された実施形態の一部のみを含むことができる点を理解されたい。従って、本発明は、上述の説明によって限定されると見なすべきではなく、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0025】
100 発電システム
102 通気システム
104 タービンコンパートメント
106 周辺吸気口
108 地熱システム
110 フィルタ
112 第1の空気導管
114 通気ファン
116 タービン供給空気
117 タービンエンジン
118 圧縮機
120 シャフト
122 タービン
124 燃焼器
126 熱交換装置
128 第2の空気導管
130 流体回路
132 地中回路
134 地面領域
136 深さ
138 表面
140 ポンプ
142 コントローラ
144 コントローラ
146 温度センサ
148 温度センサ
150 中間回路
152 コイル
154 熱交換器
156 バルブ
158 圧縮機
160 モータ
200 グラフ
202 時刻
204 温度
206 地中温度のグラフ
208 周辺空気温度のグラフ
300 発電システム
302 通気システム
304 タービンコンパートメント
306 周辺吸気口
308 地熱システム
310 フィルタ
312 第1の空気導管
314 通気ファン
316 タービン供給空気
317 タービンエンジン
318 圧縮機
320 シャフト
322 タービン
324 燃焼器
326 熱交換装置
328 第2の空気導管
330 流体回路
332 地中回路の一部
334 地面領域
336 深さ
338 表面
340 ポンプ
342 コントローラ
344 コントローラ
346 温度センサ
348 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンコンパートメント(106、304)の通気システムであって、
熱交換装置(126、326)と流体連通し、且つ第1の温度の空気流を吸気口から前記熱交換装置(126、326)に配向するよう構成された第1の空気導管(112、312)と、
前記熱交換装置(126、326)と流体連通し、且つ一部が地中(134、334)に配置される流体回路(130、330)と、
前記流体回路(130、330)内に配置され、該流体回路(130、330)を通して第1の流体を流して該第1の流体とヒートシンク(134、334)との間で熱を伝達するよう構成されたポンプ(140、340)と、
前記熱交換装置(126、326)と流体連通し且つ前記タービンコンパートメント(106、304)と流体連通して、第2の温度の空気流を前記熱交換装置(126、326)から前記タービンコンパートメント(106、304)に配向するよう構成された第2の空気導管(128、328)と、
を備える、システム。
【請求項2】
第1の流体が、第1の熱を第1の流体から前記ヒートシンク(134、334)に伝達し、第1の温度は第2の温度よりも高い、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ヒートシンク(134、334)が、ある時間期間にわたって周辺空気温度の実質的に反転である温度サイクルを有する地熱源である、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記熱交換装置(126、326)が、熱交換器(154)及びコイル(152)と流体連通した中間回路(150)を備え、前記コイル(152)が第1及び第2の空気導管(112、312、128、328)と流体連通しており、前記熱交換器(154)
が、前記中間回路(150)内の第2の流体と第1の流体との間で第2の熱を伝達し、前記コイルが第2の流体と前記空気流との間で熱を伝達する、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記ポンプ(140、340)に結合され、且つ前記タービンコンパートメント(104、304)の第3の温度を決定するため及び選択された温度範囲内に第3の温度を維持するために位置付けられる温度センサ(146、346)に結合されたコントローラ(144)を更に備える、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記ヒートシンク(134、334)が、周囲の地面を含み、第1の流体が、前記周囲地面から第1の熱を吸収し、第1の温度が第2の温度よりも低い、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
タービンコンパートメント(106、304)を通気する方法であって、
空気流を吸気口から第1の空気導管(112、312)に配向する段階と、
前記空気流と熱交換装置(126、326)内の第1の流体との間で第1の熱を伝達する段階と、
前記熱交換装置(126、326)と流体連通し且つ一部が地中(134、334)に配置される流体回路(130、330)を通じて第1の流体をポンプ送給する段階と、
第1の流体と周囲の地面(134、334)との間で第2の熱を伝達する段階と、
調整された空気流を前記熱交換装置(126、326)から第2の空気導管(128、328)を介してタービンコンパートメント(104、304)に配向する段階と、
を含む、方法。
【請求項8】
前記空気流を配向する段階が、前記空気流を第1の温度で配向する段階を含み、前記調整された空気流を配向する段階が、前記調整された空気流を第2の温度で配向する段階を含み、第1の温度が第2の温度よりも高い、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記空気流を配向する段階が、前記空気流を第1の温度で配向する段階を含み、前記調整された空気流を配向する段階が、前記調整された空気流を第2の温度で配向する段階を含み、第1の温度が第2の温度よりも低い、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記熱交換装置(126、326)が、前記流体回路(130、330)及び前記中間回路(150)と流体連通した熱交換器を備え、前記中間回路(150)及び第1の空気導管(112、312)と流体連通したコイル(152)を更に備え、第2の流体が、前記中間回路(150)を通って流れて前記空気流と第1の流体との間で第1の熱を伝達するよう構成されている、請求項7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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