タービン動翼の配置方法及び装置並びにプログラム
【課題】タービン動翼のアンバランス除去を簡便に行うこと。
【解決手段】ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置装置100であって、ロータディスクのアンバランス量を取得するデータ取得部10と、複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する算出部11と、ロータアンバランス量および各翼セットのアンバランス量に基づいて、ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、このロータディスクに対して翼セットを配置する配置部12とを備える。
【解決手段】ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置装置100であって、ロータディスクのアンバランス量を取得するデータ取得部10と、複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する算出部11と、ロータアンバランス量および各翼セットのアンバランス量に基づいて、ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、このロータディスクに対して翼セットを配置する配置部12とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン動翼の配置方法及び装置並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、過給機やガスタービン等で使用されるタービンロータは、軸の破損事故等を予防するために軸曲がりや芯ずれを許容値以内に収めることが重要であるとされている。
ロータディスクにタービン動翼を植え込む作業は、タービン動翼の全重量を計測し、タービン動翼をロータディスクにバランスよく植えこんだ後、ロータディスクを含むタービンロータ全体のバランスの調整を行う。そして、調整を行う作業では、グラインダーを操作し、手作業でロータディスクを削ることによりアンバランスを除去する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−25670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、グラインダーを使用したロータディスクのアンバランス除去作業は経験が必要となる作業であり、作業者の技量に依存してしまうという問題があった。また、グラインダーによるロータディスクのバランス作業には時間がかかり、何度もアンバランス量を計測しなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、タービン動翼のアンバランス除去作業にかかる時間を短縮し、かつ、簡便に行うことができるタービン動翼の配置方法及び装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
【0007】
本発明は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置方法であって、ロータディスクの重量に基づいてロータアンバランス量を測定する第1過程と、前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2過程と、前記ロータアンバランス量および各該翼セットのアンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して各該翼セットを配置する第3過程とを含むタービン動翼の配置方法を提供する。
【0008】
このような構成によれば、第1過程においてタービンのロータディスクの重量に基づいてロータアンバランス量が測定され、第2過程において複数のタービン動翼が所定の数ずつグループ化されて、同じグループにおけるタービン動翼が任意の配置で等間隔に支持部材に取り付けられて翼セットが形成され、この翼セットのアンバランス量が算出される。ここで、該支持部材は、アンバランス量がゼロであるので、翼セットのアンバランス量は、タービン動翼の重量のみが考慮された値となる。
また、第3過程において、ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるような、翼セットの取り付け配置が決定される。これにより、タービン動翼のアンバランス量の合計量とロータディスクのアンバランス量とを相殺する配置が特定されるので、ロータディスクを含むタービンロータ全体としてのアンバランス量を低減させることができる。
【0009】
上記タービン動翼の配置方法では、前記第2過程において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化されることとしてもよい。
【0010】
このように、略同じ重量のタービン動翼によって各グループを構成するので、各翼セットにおけるアンバランス量を低減させることができる。
【0011】
上記タービン動翼の配置方法では、前記第3過程において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定することとしてもよい。
【0012】
このように、各翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの組み合わせに対するタービンロータのアンバランス量を算出し、このアンバランス量が最小となる配置を算出するので、アンバランス量が最小となる好適な配置を特定することができる。
【0013】
上記タービン動翼の配置方法では、前記第1過程は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することとしてもよい。
【0014】
これにより、簡便にロータアンバランス量を把握することができる。
【0015】
本発明は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置装置であって、ロータディスクのアンバランス量を取得するデータ取得手段と、前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する算出手段と、前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する配置手段とを備えることを特徴とするタービン動翼の配置装置を提供する。
【0016】
上記タービン動翼の配置装置では、前記算出手段において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化されることとしてもよい。
【0017】
上記タービン動翼の配置装置では、前記配置手段において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定することとしてもよい。
【0018】
上記タービン動翼の配置装置では、前記測定部は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することとしてもよい。
【0019】
本発明は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置プログラムであって、ロータディスクのアンバランス量を取得する第1処理と、前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2処理と、前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する第3処理とをコンピュータに実行させるためのタービン動翼の配置プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、タービン動翼のアンバランス除去作業にかかる時間を短縮し、かつ、簡便に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のタービン動翼の配置装置により決定されたタービン動翼の配置の一例を示した斜視図である。
【図2】本発明のタービン動翼の配置装置により決定されたタービン動翼の配置の一例を示した正面図である。
【図3】本発明に係る配置装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【図4】本発明に係るタービン動翼の配置装置の機能ブロック図である。
【図5】ロータアンバランス量をベクトルで示した図である。
【図6】タービン動翼アンバランス量をベクトルで示した図である。
【図7】ロータディスクと翼セットとの配置を説明するための図である。
【図8】本発明に係るタービン動翼の配置装置の動作フローを示した図である。
【図9】アンバランス量を従来の方法と本発明の方法とによって調整した結果を示した図である。
【図10】アンバランス量の調整結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係るタービン動翼の配置方法、その装置並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
本実施形態に係るタービン動翼の配置装置は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼が一定の間隔で植えつけられたタービンロータにおいて、ロータディスクに対してタービン動翼を植えつける際に、その最適な配置を決定するのに使用される装置である。図1は、タービンロータの一部の斜視図であり、図2はタービンロータの一部の正面図である。
【0024】
図3に示すように、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置(以下「配置装置」という。)100は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置2、補助記憶装置3、キーボードやマウスなどの入力装置4、及びモニタやプリンタなどの出力装置5、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置6などで構成されている。
上記補助記憶装置3は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、補助記憶装置3には、各種プログラム(例えば、タービン動翼の配置プログラム)が格納されており、CPU1が補助記憶装置3から主記憶装置2にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
【0025】
図4は、配置装置100が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図4に示されるように、配置装置100は、データ取得部(データ取得手段)10、算出部(算出手段)11、配置部(配置手段)12を備えている。
【0026】
データ取得部10は、ロータディスクのロータアンバランス量(モーメント)を取得する。具体的には、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量が測定され、その値が上記入力装置4等を介して入力されることにより、ロータディスクのロータアンバランス量を取得する。ロータディスクのロータアンバランス量は、例えば、専用装置により試験を行うことにより算出される。ロータアンバランス量は、図5に示すようにベクトルで表され、配置部12に出力される。
【0027】
算出部11は、複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する。この過程はシミュレーションにより行われる。
【0028】
例えば、タービン動翼が20枚の場合には、タービン動翼の重い順に5枚ずつグループ化して4つのグループを作り、各グループにおいてタービン動翼を正5角形の頂点に配置して翼セットを生成し、各翼セットのアンバランス量を算出する。
このように、重量の順にグループ化することで、各翼セットを略同じ重量のタービン動翼によって構成することができ、各翼セットにおけるアンバランス量を低減させることができる。
【0029】
各翼セットにおいて、タービン動翼は、最もアンバランス量が小さくなるように配置される。例えば、本実施形態においては、図6に示されるように、重量の重い順に正5角形の対角に配置していく。図6の5角形の頂点上の数字は、埋め込むタービン動翼の重量の重い順序を示している。
算出部11は、上記のように重量の重いタービン動翼を支持部材に対角に配置して翼セットを生成すると、この翼セットのアンバランス量を算出する。
【0030】
各翼セットのアンバランス量の情報は、配置部12に出力される。
【0031】
配置部12は、データ取得部10によって取得されたロータアンバランス量および算出部11によって算出された各翼セットのアンバランス量に基づいて、ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、ロータディスクに翼セットを配置する。具体的には、4つの翼セット全てをロータディスクに配置する場合に、ロータアンバランス量を最も打ち消す各翼セットの配置位置を特定する。換言すると、ロータディスクを含むタービンロータ全体としてのアンバランス量が最小となる配置をシミュレーションにより特定し、特定された配置に従ってロータディスクに各翼セットを配置する。また、図7は、ロータディスク量と各翼セットのアンバランス量とに基づき、タービンロータ全体のアンバランス量が最少となる配置位置の一例を示した図である。
【0032】
例えば、4つの翼セットを1周360度に均等に配置する場合には、翼セット同士は360°/4=90°ずつ間隔を設けて配置する。また、例えば、タービン動翼が35枚ある場合には、5枚ずつの翼セットを7つ形成し、各翼セットは360°/7=51.429°ずつ間隔を設けて配置する。このように、形成するグループの数に応じて、翼セットの配置間隔は可変となる。
【0033】
配置部12は、ロータディスクに対する各翼セットの配置を順次変更しながら、考えられる配置の全ての組み合わせについて、タービンロータ全体としてのアンバランス量を算出し、このアンバランス量が最小となる配置を特定する。
続いて、配置部12は、特定した配置におけるアンバランス量が許容範囲内であるか否かを判定する。判定の結果、アンバランス量が許容値範囲内である場合には、その配置をタービン動翼として採用する。
【0034】
なお、タービンロータ全体のアンバランス量が許容値範囲外である場合には、配置部12は、対象としている20枚のタービン動翼ではない他のタービン動翼から新たに5枚のタービン動翼を抽出して新たな翼セットを1つ作成し、算出部による翼セット毎のアンバランス量の測定から繰り返す。
【0035】
なお、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置においては、アンバランス量が許容範囲外である場合に、配置部12が新たに作成する翼セットは1つとしていたが、これに限定されない。例えば、新たに作成する翼セットは2つとしてもよいし、全ての翼セットを作り直すこととしてもよい。
また、翼セット内の5枚全てのタービン動翼を抽出し直すことに代えて、翼セット内の一部枚数のタービン動翼を新たなタービン動翼と交換し、新たな翼セットを作成することとしてもよい。
【0036】
次に、図8を用いて、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態においては、20枚のタービン動翼があり、5枚ずつの翼セットを4つ形成する場合について説明する。
【0037】
まず、ロータディスクのみの重心が計測され、タービン動翼を植える前のロータのアンバランス量(モーメント)が計測され、データ取得部10によって取得される(ステップSA1)。続いて、個々のタービン動翼の重量が全てのタービン動翼に対して測定される(ステップSA2)。全てのタービン動翼から重量の重い順に5枚ずつ、4つの翼セットA〜Dが作られ、各グループにおいて、タービン動翼を等間隔に支持部材に配置した場合のアンバランス量が解析(シミュレーション)によって算出される(ステップSA3)。続いて、4つの翼セットA〜Dのアンバランス量の合計とロータのアンバランス量とが相殺されるような配置位置が特定される(ステップSA4)。特定された配置で、ロータにタービン動翼が植えられる(ステップSA5)。
【0038】
ロータにタービン動翼が植えられると、タービンロータ全体のアンバランス量が測定され、アンバランス量が許容値範囲内か否かが判定される。アンバランス量が許容値範囲内である場合は、処理を終了する(ステップSA6)。
アンバランス量が許容値範囲外である場合には、本処理で扱う20枚のタービン動翼ではない他のタービン動翼から新たなタービン動翼が抽出され(ステップSA7)、ステップSA2に戻り、本処理が繰り返される。
【0039】
以上説明してきたように、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置によれば、ロータディスクのロータアンバランス量を測定するとともに、タービン動翼の重量の重いものから順にグループ化した翼セット毎のアンバランス量を測定し、各翼セットのアンバランス量の合計とロータディスクのアンバランス量とが相殺するようなロータディスクと各翼セットの配置の組み合わせを算出する。このように、ロータディスクのアンバランス量と各翼セットのアンバランス量の合計とを釣り合わせるようにアンバランス量の調整を行う。
これにより、グラインダーを使用したアンバランス除去作業がなくなるとともに、グラインダーによるアンバランス除去作業を行った場合のグラインダー粉の除去作業もなくなるので、バランス作業にかかる時間を低減させることができる。
【0040】
また、本実施形態の配置装置によれば、翼セット毎のアンバランス量を算出し、これに基づきロータディスクのアンバランス量を相殺するように翼セットの配置を特定し、ロータディスクを含む全体のアンバランス量を計測する。これにより、アンバランス量の計測回数を低減することが可能となる。さらに、ロータアンバランス量と各翼セットのアンバランス量とに基づいて最小のアンバランス量となる配置を特定するので、効率的にバランシングを行うことが可能となる。
【0041】
また、本実施形態におけるタービン動翼の配置装置によれば、熟練技が必要となるグラインダーによるアンバランスの除去作業が不要なので、作業者に依存することなく、計画通りにバランス作業を行うことができ、CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)の向上に繋げることができる。
【0042】
次に、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置100によるアンバランス量の調整結果と、従来の方法によるアンバランス量の調整結果とを最適配置と比較した結果の一例を示す。
ロータアンバランス量が中心位置から距離21.5センチ離れており、位相102度、重さ16グラムである場合について説明する。図9に示されるように、この時バランスが取れる最適配置のアンバランス量は、4.52グラムであり、配置装置100による調整後のアンバランス量は4.13グラムとなっている。これに対し、従来の方法でこのロータアンバランス量を調整した場合には、アンバランス量が22.41グラムとなっている。この結果を図示したものが、図10である。このように、図10からもわかるように、本実施形態に係る配置装置100による調整では最適配置に近い値が算出されていることがわかる。
【0043】
また、例えば、本実施形態に係る配置装置100では、配置部12がシミュレーションにより好適な翼セットの配置を決定する。このとき、例えば、35枚のタービン翼から7つの翼セットを生成し、これら7つの翼セットをロータディスクに取り付ける場合を想定すると、7つの翼セットの全通りの配置は、2(5角形の2通り)×7P7(全並べ方)/2=5040(通り)となる。5040通りの計算は、例えば、2.8ギガヘルツのCPUにて1分以内で計算することが可能である。従って、このように短時間で最適な翼セットの配置を求めることができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、算出部11は重量の重い翼から順にタービン動翼をグループ化していたが、これに限定されない。例えば、重量の軽い翼から順にタービン動翼をグループ化することとしてもよい。
【0045】
また、本実施形態においては、算出部11は、タービン動翼のグループ1つ当たり5枚ずつに分けることとしていたが、1グループのタービン動翼の枚数は特に限定されない。なお、1グループのタービン動翼の枚数は、全てのタービン動翼枚数の割りきれる数にするとよい。
【符号の説明】
【0046】
10 データ取得部
11 算出部
12 配置部
100 タービン動翼の配置装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン動翼の配置方法及び装置並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、過給機やガスタービン等で使用されるタービンロータは、軸の破損事故等を予防するために軸曲がりや芯ずれを許容値以内に収めることが重要であるとされている。
ロータディスクにタービン動翼を植え込む作業は、タービン動翼の全重量を計測し、タービン動翼をロータディスクにバランスよく植えこんだ後、ロータディスクを含むタービンロータ全体のバランスの調整を行う。そして、調整を行う作業では、グラインダーを操作し、手作業でロータディスクを削ることによりアンバランスを除去する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−25670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、グラインダーを使用したロータディスクのアンバランス除去作業は経験が必要となる作業であり、作業者の技量に依存してしまうという問題があった。また、グラインダーによるロータディスクのバランス作業には時間がかかり、何度もアンバランス量を計測しなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、タービン動翼のアンバランス除去作業にかかる時間を短縮し、かつ、簡便に行うことができるタービン動翼の配置方法及び装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
【0007】
本発明は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置方法であって、ロータディスクの重量に基づいてロータアンバランス量を測定する第1過程と、前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2過程と、前記ロータアンバランス量および各該翼セットのアンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して各該翼セットを配置する第3過程とを含むタービン動翼の配置方法を提供する。
【0008】
このような構成によれば、第1過程においてタービンのロータディスクの重量に基づいてロータアンバランス量が測定され、第2過程において複数のタービン動翼が所定の数ずつグループ化されて、同じグループにおけるタービン動翼が任意の配置で等間隔に支持部材に取り付けられて翼セットが形成され、この翼セットのアンバランス量が算出される。ここで、該支持部材は、アンバランス量がゼロであるので、翼セットのアンバランス量は、タービン動翼の重量のみが考慮された値となる。
また、第3過程において、ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるような、翼セットの取り付け配置が決定される。これにより、タービン動翼のアンバランス量の合計量とロータディスクのアンバランス量とを相殺する配置が特定されるので、ロータディスクを含むタービンロータ全体としてのアンバランス量を低減させることができる。
【0009】
上記タービン動翼の配置方法では、前記第2過程において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化されることとしてもよい。
【0010】
このように、略同じ重量のタービン動翼によって各グループを構成するので、各翼セットにおけるアンバランス量を低減させることができる。
【0011】
上記タービン動翼の配置方法では、前記第3過程において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定することとしてもよい。
【0012】
このように、各翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの組み合わせに対するタービンロータのアンバランス量を算出し、このアンバランス量が最小となる配置を算出するので、アンバランス量が最小となる好適な配置を特定することができる。
【0013】
上記タービン動翼の配置方法では、前記第1過程は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することとしてもよい。
【0014】
これにより、簡便にロータアンバランス量を把握することができる。
【0015】
本発明は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置装置であって、ロータディスクのアンバランス量を取得するデータ取得手段と、前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する算出手段と、前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する配置手段とを備えることを特徴とするタービン動翼の配置装置を提供する。
【0016】
上記タービン動翼の配置装置では、前記算出手段において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化されることとしてもよい。
【0017】
上記タービン動翼の配置装置では、前記配置手段において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定することとしてもよい。
【0018】
上記タービン動翼の配置装置では、前記測定部は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することとしてもよい。
【0019】
本発明は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置プログラムであって、ロータディスクのアンバランス量を取得する第1処理と、前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2処理と、前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する第3処理とをコンピュータに実行させるためのタービン動翼の配置プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、タービン動翼のアンバランス除去作業にかかる時間を短縮し、かつ、簡便に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のタービン動翼の配置装置により決定されたタービン動翼の配置の一例を示した斜視図である。
【図2】本発明のタービン動翼の配置装置により決定されたタービン動翼の配置の一例を示した正面図である。
【図3】本発明に係る配置装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【図4】本発明に係るタービン動翼の配置装置の機能ブロック図である。
【図5】ロータアンバランス量をベクトルで示した図である。
【図6】タービン動翼アンバランス量をベクトルで示した図である。
【図7】ロータディスクと翼セットとの配置を説明するための図である。
【図8】本発明に係るタービン動翼の配置装置の動作フローを示した図である。
【図9】アンバランス量を従来の方法と本発明の方法とによって調整した結果を示した図である。
【図10】アンバランス量の調整結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係るタービン動翼の配置方法、その装置並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
本実施形態に係るタービン動翼の配置装置は、ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼が一定の間隔で植えつけられたタービンロータにおいて、ロータディスクに対してタービン動翼を植えつける際に、その最適な配置を決定するのに使用される装置である。図1は、タービンロータの一部の斜視図であり、図2はタービンロータの一部の正面図である。
【0024】
図3に示すように、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置(以下「配置装置」という。)100は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置2、補助記憶装置3、キーボードやマウスなどの入力装置4、及びモニタやプリンタなどの出力装置5、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置6などで構成されている。
上記補助記憶装置3は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、補助記憶装置3には、各種プログラム(例えば、タービン動翼の配置プログラム)が格納されており、CPU1が補助記憶装置3から主記憶装置2にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
【0025】
図4は、配置装置100が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図4に示されるように、配置装置100は、データ取得部(データ取得手段)10、算出部(算出手段)11、配置部(配置手段)12を備えている。
【0026】
データ取得部10は、ロータディスクのロータアンバランス量(モーメント)を取得する。具体的には、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量が測定され、その値が上記入力装置4等を介して入力されることにより、ロータディスクのロータアンバランス量を取得する。ロータディスクのロータアンバランス量は、例えば、専用装置により試験を行うことにより算出される。ロータアンバランス量は、図5に示すようにベクトルで表され、配置部12に出力される。
【0027】
算出部11は、複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する。この過程はシミュレーションにより行われる。
【0028】
例えば、タービン動翼が20枚の場合には、タービン動翼の重い順に5枚ずつグループ化して4つのグループを作り、各グループにおいてタービン動翼を正5角形の頂点に配置して翼セットを生成し、各翼セットのアンバランス量を算出する。
このように、重量の順にグループ化することで、各翼セットを略同じ重量のタービン動翼によって構成することができ、各翼セットにおけるアンバランス量を低減させることができる。
【0029】
各翼セットにおいて、タービン動翼は、最もアンバランス量が小さくなるように配置される。例えば、本実施形態においては、図6に示されるように、重量の重い順に正5角形の対角に配置していく。図6の5角形の頂点上の数字は、埋め込むタービン動翼の重量の重い順序を示している。
算出部11は、上記のように重量の重いタービン動翼を支持部材に対角に配置して翼セットを生成すると、この翼セットのアンバランス量を算出する。
【0030】
各翼セットのアンバランス量の情報は、配置部12に出力される。
【0031】
配置部12は、データ取得部10によって取得されたロータアンバランス量および算出部11によって算出された各翼セットのアンバランス量に基づいて、ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、ロータディスクに翼セットを配置する。具体的には、4つの翼セット全てをロータディスクに配置する場合に、ロータアンバランス量を最も打ち消す各翼セットの配置位置を特定する。換言すると、ロータディスクを含むタービンロータ全体としてのアンバランス量が最小となる配置をシミュレーションにより特定し、特定された配置に従ってロータディスクに各翼セットを配置する。また、図7は、ロータディスク量と各翼セットのアンバランス量とに基づき、タービンロータ全体のアンバランス量が最少となる配置位置の一例を示した図である。
【0032】
例えば、4つの翼セットを1周360度に均等に配置する場合には、翼セット同士は360°/4=90°ずつ間隔を設けて配置する。また、例えば、タービン動翼が35枚ある場合には、5枚ずつの翼セットを7つ形成し、各翼セットは360°/7=51.429°ずつ間隔を設けて配置する。このように、形成するグループの数に応じて、翼セットの配置間隔は可変となる。
【0033】
配置部12は、ロータディスクに対する各翼セットの配置を順次変更しながら、考えられる配置の全ての組み合わせについて、タービンロータ全体としてのアンバランス量を算出し、このアンバランス量が最小となる配置を特定する。
続いて、配置部12は、特定した配置におけるアンバランス量が許容範囲内であるか否かを判定する。判定の結果、アンバランス量が許容値範囲内である場合には、その配置をタービン動翼として採用する。
【0034】
なお、タービンロータ全体のアンバランス量が許容値範囲外である場合には、配置部12は、対象としている20枚のタービン動翼ではない他のタービン動翼から新たに5枚のタービン動翼を抽出して新たな翼セットを1つ作成し、算出部による翼セット毎のアンバランス量の測定から繰り返す。
【0035】
なお、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置においては、アンバランス量が許容範囲外である場合に、配置部12が新たに作成する翼セットは1つとしていたが、これに限定されない。例えば、新たに作成する翼セットは2つとしてもよいし、全ての翼セットを作り直すこととしてもよい。
また、翼セット内の5枚全てのタービン動翼を抽出し直すことに代えて、翼セット内の一部枚数のタービン動翼を新たなタービン動翼と交換し、新たな翼セットを作成することとしてもよい。
【0036】
次に、図8を用いて、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態においては、20枚のタービン動翼があり、5枚ずつの翼セットを4つ形成する場合について説明する。
【0037】
まず、ロータディスクのみの重心が計測され、タービン動翼を植える前のロータのアンバランス量(モーメント)が計測され、データ取得部10によって取得される(ステップSA1)。続いて、個々のタービン動翼の重量が全てのタービン動翼に対して測定される(ステップSA2)。全てのタービン動翼から重量の重い順に5枚ずつ、4つの翼セットA〜Dが作られ、各グループにおいて、タービン動翼を等間隔に支持部材に配置した場合のアンバランス量が解析(シミュレーション)によって算出される(ステップSA3)。続いて、4つの翼セットA〜Dのアンバランス量の合計とロータのアンバランス量とが相殺されるような配置位置が特定される(ステップSA4)。特定された配置で、ロータにタービン動翼が植えられる(ステップSA5)。
【0038】
ロータにタービン動翼が植えられると、タービンロータ全体のアンバランス量が測定され、アンバランス量が許容値範囲内か否かが判定される。アンバランス量が許容値範囲内である場合は、処理を終了する(ステップSA6)。
アンバランス量が許容値範囲外である場合には、本処理で扱う20枚のタービン動翼ではない他のタービン動翼から新たなタービン動翼が抽出され(ステップSA7)、ステップSA2に戻り、本処理が繰り返される。
【0039】
以上説明してきたように、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置によれば、ロータディスクのロータアンバランス量を測定するとともに、タービン動翼の重量の重いものから順にグループ化した翼セット毎のアンバランス量を測定し、各翼セットのアンバランス量の合計とロータディスクのアンバランス量とが相殺するようなロータディスクと各翼セットの配置の組み合わせを算出する。このように、ロータディスクのアンバランス量と各翼セットのアンバランス量の合計とを釣り合わせるようにアンバランス量の調整を行う。
これにより、グラインダーを使用したアンバランス除去作業がなくなるとともに、グラインダーによるアンバランス除去作業を行った場合のグラインダー粉の除去作業もなくなるので、バランス作業にかかる時間を低減させることができる。
【0040】
また、本実施形態の配置装置によれば、翼セット毎のアンバランス量を算出し、これに基づきロータディスクのアンバランス量を相殺するように翼セットの配置を特定し、ロータディスクを含む全体のアンバランス量を計測する。これにより、アンバランス量の計測回数を低減することが可能となる。さらに、ロータアンバランス量と各翼セットのアンバランス量とに基づいて最小のアンバランス量となる配置を特定するので、効率的にバランシングを行うことが可能となる。
【0041】
また、本実施形態におけるタービン動翼の配置装置によれば、熟練技が必要となるグラインダーによるアンバランスの除去作業が不要なので、作業者に依存することなく、計画通りにバランス作業を行うことができ、CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)の向上に繋げることができる。
【0042】
次に、本実施形態に係るタービン動翼の配置装置100によるアンバランス量の調整結果と、従来の方法によるアンバランス量の調整結果とを最適配置と比較した結果の一例を示す。
ロータアンバランス量が中心位置から距離21.5センチ離れており、位相102度、重さ16グラムである場合について説明する。図9に示されるように、この時バランスが取れる最適配置のアンバランス量は、4.52グラムであり、配置装置100による調整後のアンバランス量は4.13グラムとなっている。これに対し、従来の方法でこのロータアンバランス量を調整した場合には、アンバランス量が22.41グラムとなっている。この結果を図示したものが、図10である。このように、図10からもわかるように、本実施形態に係る配置装置100による調整では最適配置に近い値が算出されていることがわかる。
【0043】
また、例えば、本実施形態に係る配置装置100では、配置部12がシミュレーションにより好適な翼セットの配置を決定する。このとき、例えば、35枚のタービン翼から7つの翼セットを生成し、これら7つの翼セットをロータディスクに取り付ける場合を想定すると、7つの翼セットの全通りの配置は、2(5角形の2通り)×7P7(全並べ方)/2=5040(通り)となる。5040通りの計算は、例えば、2.8ギガヘルツのCPUにて1分以内で計算することが可能である。従って、このように短時間で最適な翼セットの配置を求めることができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、算出部11は重量の重い翼から順にタービン動翼をグループ化していたが、これに限定されない。例えば、重量の軽い翼から順にタービン動翼をグループ化することとしてもよい。
【0045】
また、本実施形態においては、算出部11は、タービン動翼のグループ1つ当たり5枚ずつに分けることとしていたが、1グループのタービン動翼の枚数は特に限定されない。なお、1グループのタービン動翼の枚数は、全てのタービン動翼枚数の割りきれる数にするとよい。
【符号の説明】
【0046】
10 データ取得部
11 算出部
12 配置部
100 タービン動翼の配置装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置方法であって、
ロータディスクの重量に基づいてロータアンバランス量を測定する第1過程と、
前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2過程と、
前記ロータアンバランス量および各該翼セットのアンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して各該翼セットを配置する第3過程と
を含むタービン動翼の配置方法。
【請求項2】
前記第2過程において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化される請求項1に記載のタービン動翼の配置方法。
【請求項3】
前記第3過程において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定する請求項1または請求項2に記載のタービン動翼の配置方法。
【請求項4】
前記第1過程は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することを特徴とする請求項1に記載のタービン動翼の配置方法。
【請求項5】
ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置装置であって、
ロータディスクのアンバランス量を取得するデータ取得手段と、
前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する算出手段と、
前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する配置手段と
を備えることを特徴とするタービン動翼の配置装置。
【請求項6】
前記算出手段において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化される請求項5に記載のタービン動翼の配置装置。
【請求項7】
前記配置手段において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定する請求項5または請求項6に記載のタービン動翼の配置装置。
【請求項8】
前記測定部は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することを特徴とする請求項5に記載のタービン動翼の配置装置。
【請求項9】
ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置プログラムであって、
ロータディスクのアンバランス量を取得する第1処理と、
前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2処理と、
前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する第3処理と
をコンピュータに実行させるためのタービン動翼の配置プログラム。
【請求項1】
ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置方法であって、
ロータディスクの重量に基づいてロータアンバランス量を測定する第1過程と、
前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2過程と、
前記ロータアンバランス量および各該翼セットのアンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して各該翼セットを配置する第3過程と
を含むタービン動翼の配置方法。
【請求項2】
前記第2過程において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化される請求項1に記載のタービン動翼の配置方法。
【請求項3】
前記第3過程において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定する請求項1または請求項2に記載のタービン動翼の配置方法。
【請求項4】
前記第1過程は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することを特徴とする請求項1に記載のタービン動翼の配置方法。
【請求項5】
ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置装置であって、
ロータディスクのアンバランス量を取得するデータ取得手段と、
前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する算出手段と、
前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する配置手段と
を備えることを特徴とするタービン動翼の配置装置。
【請求項6】
前記算出手段において、複数のタービン動翼は、各タービン動翼の重量に基づいて、軽い順、または、重い順にグループ化される請求項5に記載のタービン動翼の配置装置。
【請求項7】
前記配置手段において、各前記翼セットの配置の組み合わせを変更し、それぞれの場合における該タービンロータのアンバランス量を算出し、該アンバランス量が最小となる配置を特定する請求項5または請求項6に記載のタービン動翼の配置装置。
【請求項8】
前記測定部は、偏重心の位置と偏重心量とによりロータアンバランス量を測定することを特徴とする請求項5に記載のタービン動翼の配置装置。
【請求項9】
ロータディスクの周方向に複数のタービン動翼を装着して形成されるタービンロータにおけるタービン動翼の配置プログラムであって、
ロータディスクのアンバランス量を取得する第1処理と、
前記複数のタービン動翼を、所定の数ずつグループ化し、同じグループにおけるタービン動翼を任意の配置で等間隔となるように、アンバランス量がゼロである支持部材に取り付けて翼セットを形成し、この翼セットのアンバランス量をそれぞれ算出する第2処理と、
前記ロータアンバランス量および各該翼セットのタービン動翼アンバランス量に基づいて、前記ロータディスクのロータアンバランス量が低減されるように、該ロータディスクに対して該翼セットを配置する第3処理と
をコンピュータに実行させるためのタービン動翼の配置プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−159700(P2010−159700A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2576(P2009−2576)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
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