説明

ターンテーブルおよびターンテーブルの製造方法

【課題】ディスクガイド部における樹脂のヒケを防止する。
【解決手段】記録ディスク駆動装置のターンテーブル13は、強磁性材料からなるプレート部材131と、前記プレート部材131の中央に配置され、樹脂の射出成型により形成された一つながりの部材である中央樹脂部材132とを備え、前記プレート部材131が、プレート外周部と、前記プレート部材131の中央に形成されたプレート中央孔を有し、前記プレート外周部51よりも上方に位置するプレート中央部52とを備え、前記中央樹脂部材132が、前記プレート中央孔を貫通し、中央樹脂貫通孔611を構成している樹脂円筒部と、ディスク中央孔をガイドするディスクガイド部631と、前記プレート中央部上において、前記樹脂円筒部と前記ディスクガイド部631とを繋ぐ樹脂連結部632とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ディスク用のターンテーブル、モータおよび記録ディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録ディスク駆動装置には、記録ディスクが取り付けられるターンテーブルがモータに設けられる。実公平3−48761号公報に開示されるターンテーブルは、ターンテーブル本体と、センタースピンドルとを備える。ターンテーブル本体は磁性体からなる。センタースピンドルは樹脂にて形成され、ターンテーブル本体と1つの部材となっている。
【0003】
特開2001−37141号公報では、樹脂からなるターンテーブルが開示される。ターンテーブルは、インサート成型を利用してディスクモータのロータヨークと1つの部材となっている。ターンテーブルの中心部にはディスクの孔に嵌り合う凸部が設けられる。凸部には下方に向かって窪む環状の凹部が設けられる。ロータヨークは、凸部内部に位置する環状のバックヨークを有する。バックヨークの中央部は他の部位よりも上側に突出する。凹部の底部では、中央部の上面が露出する。また、凹部内には円盤状のクランプ用マグネットが固定される。
【特許文献1】実公平3−48761号公報
【特許文献2】特開2001−37141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、樹脂によりロータヨークの上面および下面が覆われる構造では、射出成型時に、樹脂の表面にヒケ等の変形が生じる虞がある。また、樹脂の最終充填箇所にウェルドラインが生じる虞がある。樹脂部材の上部の外周には記録ディスクの中央孔と嵌り合う外周部が設けられており、上部にて樹脂のヒケが発生したり、ウェルドラインが形成されると、ディスクガイド部が高精度に成型されない。
【0005】
なお、特開2001−37141号公報では、ターンテーブルにクランプ用マグネットが設けられるため、ターンテーブル内部まで広がるバックヨークが設けられるが、クランプ用マグネットがクランパに設けられる場合には、バックヨークをターンテーブル内部まで広げる必要はない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、中央樹脂部材、特に、ディスクガイド部における樹脂のヒケを防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面に係る記録ディスク駆動装置のターンテーブルは、強磁性材料からなるプレート部材と、前記プレート部材の中央に配置され、樹脂の射出成型により形成された一つながりの部材である中央樹脂部材とを備え、前記プレート部材が、プレート外周部と、前記プレート部材の中央に形成されたプレート中央孔を有し、前記プレート外周部よりも上方に位置するプレート中央部とを備え、前記中央樹脂部材が、前記プレート中央孔を貫通し、中央樹脂貫通孔を構成している樹脂円筒部と、ディスク中央孔をガイドするディスクガイド部と、前記プレート中央部上において、前記樹脂円筒部と前記ディスクガイド部とを繋ぐ樹脂連結部とを備える。
【0008】
本発明の第2の側面に係る記録ディスク駆動装置のターンテーブルは、強磁性材料からなるプレート部材と、前記プレート部材の中央に配置され、樹脂の射出成型により形成された一つながりの部材である中央樹脂部材とを備え、前記プレート部材が、中央の孔であるプレート中央孔を有し、前記中央樹脂部材が、前記プレート中央孔を貫通する中央樹脂貫通孔を有する樹脂円筒部と、ディスク中央孔をガイドするディスクガイド部と、前記プレート部材上において、前記樹脂円筒部と前記ディスクガイド部とを繋ぐ樹脂連結部と、
を備え、前記中央樹脂部材の上部に、射出成型における複数のゲートカット部が設けられている。
【0009】
本発明の第3の側面に係る記録ディスク駆動装置のターンテーブルの製造方法は、2つの金型の一方に強磁性材料からなるプレート部材を取り付け、前記プレート部材を挟んで型締めすることによりキャビティを形成する工程と、前記キャビティ内に樹脂を射出することにより、前記プレート部材の中央に一つながりの部材として中央樹脂部材を形成する工程とを備え、前記中央樹脂部材を形成する工程において、前記中央樹脂部材の上部に対応する位置に設けられた複数のゲートから前記キャビティ内に樹脂を射出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、中央樹脂部材、特に、ディスクガイド部における樹脂のヒケを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、記録ディスク駆動装置の断面図である。
【図2】図2は、モータの断面図である。
【図3】図3は、プレート部材の平面図である。
【図4】図4は、プレート部材の断面図である。
【図5】図5は、ターンテーブルの平面図である。
【図6】図6は、ターンテーブルの平面図である。
【図7】図7は、ターンテーブルの断面図である。
【図8】図8は、ターンテーブルの底面図である。
【図9】図9は、ターンテーブルの底面図である。
【図10】図10は、爪を拡大して示す図である。
【図11】図11は、ターンテーブルを製造する流れを示す図である。
【図12】図12は、金型およびプレート部材を示す図である。
【図13】図13は、金型およびプレート部材を示す図である。
【図14】図14は、金型およびプレート部材を示す図である。
【図15】図15は、他の例に係るプレート部材の平面図である。
【図16】図16は、さらに他の例に係るプレート部材の平面図である。
【図17】図17は、ターンテーブルの平面図である。
【図18】図18は、さらに他の例に係るプレート部材の平面図である。
【図19】図19は、プレート部材のさらに他の例を示すモータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、中心軸J1方向における上側を単に「上側」と呼び、下側を単に「下側」と呼ぶ。なお、本発明の説明において、各部材の位置関係や方向を上下左右で説明するときは、あくまで図面における位置関係や方向を示し、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。
【0013】
図1は、本発明の一の実施形態に係るモータを備える記録ディスク駆動装置10の中心軸を含む平面で切断した断面図である。記録ディスク駆動装置10は、モータ1と、アクセス部11と、これらを内部に収容する箱状のハウジング12とを備える。図1では、ハウジング12、クランパ122、クランプマグネット123および記録ディスク9を二点鎖線にて示している。モータ1はシャーシ121により保持される。アクセス部11は、ヘッド111と、ヘッド移動機構112とを備える。ヘッド111は、記録ディスク9に対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行う光ピックアップ機構である。記録ディスク9として、例えば、ブルーレイディスクが利用される。ヘッド移動機構112は、ヘッド111をモータ1および記録ディスク9に対して移動する。ヘッド111は、光出射部と、受光部とを有する。光出射部は、記録ディスク9の下面に向けてレーザ光を出射する。受光部は、記録ディスク9からの反射光を受光する。
【0014】
ハウジング12には、図示省略の搬送機構が設けられる。搬送機構により、記録ディスク9のハウジング12への挿入や、ハウジング12からの取り出しが行われる。また、ハウジング12内には、クランプマグネット123を有するクランパ122が設けられる。
【0015】
記録ディスク9が挿入されると、記録ディスク9の中央のディスク中央孔91がモータ1のターンテーブル13の上方に配置される。そして、モータ1が上昇して、記録ディスク9がターンテーブル13に載置される。クランプマグネット123が、ターンテーブル13の金属のプレート部材を上方から吸着することにより、クランパ122により記録ディスク9がターンテーブル13上にクランプされる。
【0016】
記録ディスク駆動装置10では、モータ1により記録ディスク9が回転され、ヘッド移動機構112がヘッド111を所要の位置へと移動させて、記録ディスク9に対する情報の読み出しおよび/または書き込みが行われる。記録ディスク9の取出時には、クランパ122が記録ディスク9から離され、モータ1が下降して記録ディスク9がターンテーブル13から外される。
【0017】
図2はモータ1の縦断面図である。モータ1は、回転組立体である回転部2と、固定組立体である静止部3と、ターンテーブル13と、軸受機構4とを備える。回転部2は、軸受機構4により、静止部3に対しその上方にて回転可能に支持される。ターンテーブル13は回転部2の上端に設けられる。
【0018】
回転部2は、有蓋略円筒状のカップ部材21と、円環状のロータマグネット22とを有する。ロータマグネット22は、カップ部材21の円筒部の内側面に取り付けられる。カップ部材21の中央には、円筒状のシャフト固定部23が設けられる。軸受機構4のシャフト41は、シャフト固定部23に挿入されてカップ部材21に固定される。
【0019】
静止部3は、略板状のベース部31と、ステータ32と、回路基板33とを備える。回路基板33は、ベース部31上に配置される。ベース部31は金属にて形成され。ベース部31の中央の孔311には、軸受機構4が取り付けられる。ステータ32は、ステータコア321と、ステータコア321上に形成された複数のコイル322とを備える。ステータコア321は、積層鋼板にて形成される。ステータ32は、スリーブ保持部42の円筒部421の外側面に取り付けられ、ロータマグネット22に対して中心軸J1に垂直な方向に対向する。モータ1の駆動時には、ロータマグネット22とステータ32との間にて磁気的作用が生じる。
【0020】
軸受機構4は、シャフト41と、有底円筒状のスリーブ保持部42と、スリーブ43と、円環状の抜止部材44とを備える。シャフト41の下部の先端には、円環状の溝411が形成される。スリーブ43は、含油性の多孔質金属体により形成される。スリーブ保持部42は、円筒部421と、環状の段差部422と、底部423とを有する。段差部422では、円筒部421の下端から中心軸J1に向かって径が小さくなる。底部423は、段差部422の下側にてスリーブ保持部42の下端を閉塞する。
【0021】
抜止部材44は、樹脂等の弾性体により形成され、段差部422上に載置される。抜止部材44の内側の端部は、シャフト41の溝411内に位置する。これにより、シャフト41がスリーブ保持部42から抜け出ることが防止される。底部423の内側には、円板状のスラストプレート45が設けられる。モータ1の駆動時には、シャフト41の先端がスラストプレート45に当接することにより、シャフト41がスラスト方向に安定して支持される。さらに、シャフト41は、スリーブ43により、オイルを介してラジアル方向に支持される。
【0022】
ターンテーブル13は、円環状のプレート部材131と、環状の中央樹脂部材132と、環状ラバー133とを備える。図2では、プレート部材131の奥側の形状の一部を破線にて示している。プレート部材131は、軟質な強磁性材料からなり、プレス加工にて成型される。プレート部材131の厚さは0.8mm程度である。プレート部材131は、例えば電気亜鉛めっき鋼板(SECC)である。
【0023】
プレート部材131は、プレート部材131の外周部であるプレート外周部51と、プレート部材131の中央部であるプレート中央部52と、プレート中央部52とプレート外周部51との間に位置する屈曲部53とを備える。プレート外周部51は、中心軸J1に略垂直である。プレート中央部52は、中心軸J1に略垂直であり、プレート外周部51よりも上方に位置する。ターンテーブル13では、図1のクランプマグネット123とプレート外周部51との間にて、十分な磁気的作用を働かせることができる。このため、プレート部材131は、軟質な強磁性材料であればよく、安価な材料も選択可能である。これにより、ターンテーブル13が安価に製造される。
【0024】
中央樹脂部材132は、プレート部材131の略中央に配置され、樹脂の射出成型により形成される。これにより、プレート部材131および中央樹脂部材132は、1つの部品となる。なお、射出成型は、プレス加工に比べて成型精度が高い。具体的には、プレート部材131が50μm程度の誤差にて成型されるのに対し、中央樹脂部材132を作成する金型部品が5μm〜10μm程度の誤差にて成型される。中央樹脂部材132は、プレート外周部51よりも上方に突出する。中央樹脂部材132はプレート中央部52および屈曲部53のほぼ全体を覆っているので、プレート部材131が中央樹脂部材132から分離することが防止される。中央樹脂部材132は、例えばポリカーボネイト(PC)等の樹脂材料から形成されている。
【0025】
中央樹脂部材132は、樹脂円筒部61と、ディスクガイド部631と、樹脂連結部632と、複数の爪633とを備える。これらの部位を含む中央樹脂部材132全体が、一つながりの部材として形成される。樹脂円筒部61は、プレート部材131の略中央に設けられたプレート中央孔55の内側に位置し、プレート中央孔55を貫通する中央樹脂貫通孔611を有する。中央樹脂貫通孔611にはシャフト41の上部が固定される。
【0026】
ディスクガイド部631は、中央樹脂部材132の上部の外周に位置し、中心軸J1を中心とする径方向外方かつ下方に向かって傾斜する。プレート部材131の屈曲部53は、ディスクガイド部631の外周形状におよそ倣うように折り曲げられている。樹脂連結部632は、プレート中央部52上において、プレート中央部52の上面全体を覆うとともに、樹脂円筒部61とディスクガイド部631とを繋ぐ。中央樹脂部材132では、ディスクガイド部631および樹脂連結部632が、プレート部材131よりも上方に位置する上部63を形成する。
【0027】
複数の爪633は、上部63の外周部であるディスクガイド部631の複数箇所に設けられ、ディスクガイド部631から中心軸J1を中心とする径方向外方かつ下方に向かって伸びる。ディスクガイド部631と爪633との間には、アンダーカットが形成される。以下、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」といい、中心軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」という。
【0028】
図1の記録ディスク9が、ターンテーブル13に取り付けられる際には、ディスクガイド部631によりディスク中央孔91が爪633へとガイドされ、爪633がディスク中央孔91に接する。そして、記録ディスク9がプレート部材131上に配置される。正確には、記録ディスク9はプレート部材131上の環状ラバー133上に配置される。この状態にて、爪633は、樹脂連結部632により支持されつつ、径方向内方に弾性変形している。爪633の弾性変形を利用することにより、記録ディスク9の中心を、中心軸J1上に正確に位置させることができる。このため、高い調芯性能が要求されるブルーレイディスク等の記録ディスクであっても、ターンテーブル13に高精度に取り付けられる。
【0029】
図3は、プレート部材131の平面図である。図4は、図3の矢印Aの位置におけるプレート部材131の断面図である。プレート部材131には、プレート外周部51および屈曲部53の7箇所が打ち抜かれることにより、周方向に7つの開口54が形成される。プレート中央孔55には、プレート中央孔55から径方向外方へと伸びる3つの切欠551が設けられる。図3に示すように、3つの切欠551は、プレート中央孔55の中心、すなわち、中心軸J1から互いになす角度が90度よりも大きくなるように伸びる。プレート外周部51の外縁部には他の切欠511が形成される。
【0030】
図5および図6は、ターンテーブル13の平面図である。図6では、中央樹脂部材132に平行斜線を付している。図7は、図5の矢印Bの位置におけるターンテーブル13の断面図である。図7では、プレート部材131の奥側の形状の一部を破線にて示している。以下、他の図についても同様である。図5および図7に示すように、樹脂連結部632およびディスクガイド部631には、これらの部位を跨いで下方に向かって窪む7つの凹部634が、周方向に等間隔に設けられる。後述するように、中央樹脂部材132の射出成型時には、凹部634に対応する位置に設けられたゲートから金型内のキャビティへと樹脂が射出される。金型から成型品を分離する際には、ゲートにて樹脂が切断されるため、凹部634には、凸状のゲート痕であるゲートカット部634aが形成される。
【0031】
図8および図9は、ターンテーブル13の底面図である。図9では、中央樹脂部材132に平行斜線を付している。以下、他の同様の図についても同様である。図7および図8に示すように、中央樹脂部材132のプレート部材131よりも下側の下部64には、中央樹脂貫通孔611の周囲にて上方に向かって窪む環状樹脂凹部641が設けられる。中央樹脂部材132の射出成型時には、キャビティ内に複数種類のピンが配置されており、これにより、環状樹脂凹部641には、ピンの痕を示す複数の凹部671,672が形成されている。
【0032】
図10は、図5の爪633近傍を拡大して示す図である。図10では、中央樹脂部材132に間隔が広い平行斜線を付し、プレート部材131に間隔が狭い平行斜線を付している。また、プレート部材131の開口54のエッジ541のうち中央樹脂部材132により覆われた部分を破線にて示している。図7および図10に示すように、中央樹脂部材132には、開口54のエッジ541上に樹脂層65が設けられる。
【0033】
樹脂層65の中心軸J1に垂直な方向における厚さ、すなわち、開口54のエッジ541と樹脂層65の内周との間の最短距離は、射出成型時における樹脂のショートを防止するために、0.5mm以上とされる。より好ましくは、樹脂の粘性が高い場合であっても樹脂のショートを確実に防止するために、上記厚さが0.7mm以上とされる。また、樹脂層65が過度に厚くなることを防止するために、上記厚さが1mm以下とされる。なお、樹脂の流動性・樹脂層を形成できる寸法範囲を考慮して種々の寸法を設定可能であり、前述の数値の限りではない。
【0034】
樹脂層65の内側には、爪633と中心軸J1に平行な方向に重なる爪位置貫通孔66が形成される。図7に示すように、爪633の先端は爪位置貫通孔66内に位置する。図5に示すように、爪633と爪位置貫通孔66とは同数であり、1つの爪633に1つの爪位置貫通孔66が対応する。プレート部材131では、複数の爪位置貫通孔66と重なる大きな1つの円形開口を中央に有するプレート部材に比べて強度が確保される。
【0035】
次に、ターンテーブル13を製造する流れについて、図11を参照しつつ説明する。まず、複数のプレート部材131が、プレス加工にて成型される(ステップS11)。複数のプレート部材131は、所定の収容部に収容される。収容部内では、図3に示すプレート部材131の外縁部の切欠511が、棒状部材に当接した状態とされており、複数のプレート部材131の周方向の位置、すなわち、周方向の向きがおよそ一定とされる。このように、切欠511は、プレート部材131が金型に取り付けられる前の周方向の位置を仮決定するために、利用される。これにより、金型に対するプレート部材131の取り付けが容易となる。
【0036】
次に、搬送機構により、1つのプレート部材131が吸着保持されて収容部から取り出される。図12に示すように、プレート部材131の中心軸J1が水平方向に向けられた状態にて、プレート部材131が磁気的作用やエアの吸引力等を利用して、可動金型82に取り付けられる(ステップS12)。可動金型82およびプレート部材131は、中心軸J1に沿って静止金型81に近づく。図13に示すように、静止金型81および可動金型82により、プレート部材131が挟まれつつ、静止金型81および可動金型82が型締めされる。静止金型81と可動金型82との間には、キャビティ89が形成される(ステップS13)。
【0037】
静止金型81は、キャビティ89内に樹脂を送る流路811と、爪形成部である第1爪形成部品812とを備える。第1爪形成部品812は、可動金型82へと突出する。静止金型81には、中心軸J1を中心とする環状の凹部813が形成される。凹部813の周方向における7箇所には、プレート中央部52に向かって僅かに突出する凸部814が形成される。凸部814には流路811のゲート811aが位置する。
【0038】
可動金型82は複数種類のピンを有する。可動金型82の一部である位置決めピン821は、プレート中央孔55に向かって突出し、切欠551に挿入される。位置決めピン821が、切欠551と中心軸J1に垂直な方向に当接することにより、プレート部材131の可動金型82に対する中心軸J1に垂直な方向における位置が固定される。以下、切欠551を「位置決め部551」と呼ぶ。位置決め部551の周方向の幅と位置決めピン821の直径とは、正確に同じとされる必要はなく、後述の樹脂層形成空間892が確保されるのであれば、多少隙間が設けられてもよい。
【0039】
可動金型82には、爪形成部である第2爪形成部品822が設けられる。第2爪形成部品822は、第1爪形成部品812側へと突出する。第1爪形成部品812および第2爪形成部品822は、プレート部材131の開口54に挿入される。第1爪形成部品812と第2爪形成部品822との間に、爪633を形成するための爪形成空間891が形成される。また、中心軸J1に垂直な方向において、第1爪形成部品812および第2爪形成部品822と開口54のエッジ541との間に、樹脂層65を形成するための樹脂層形成空間892が形成される。なお、位置決めピン821と位置決め部551との間の周方向における幅は、第1および第2爪形成部品812,822と開口54のエッジ541との間の周方向における幅よりも小さい。
【0040】
静止金型81に対向する面には、中心軸J1を中心とする金型環状凸部826が設けられ、金型環状凸部826からは複数の支持ピン823が突出する。支持ピン823は、プレート中央部52の下面、すなわち、図13における右側の面に当接するとともに、流路811のゲート811aに対向する。支持ピン823は、ゲート811aからの樹脂の流れに対してプレート中央部52を支持する。
【0041】
さらに、可動金型82には、成型品を金型から分離するための2種類の離型ピン824a,824bが設けられる。離型ピン824aの先端は段差を有し、先端の一部がプレート外周部51に当接する。離型ピン824aよりも径方向内側に位置する離型ピン824bは、プレート中央部52に対向する。なお、離型ピン824bは、実際には図13に示す断面とは異なる位置に設けられている。プレート中央部52には、プレート中央孔55に中央ピン825が挿入される。中央ピン825は、静止金型81の凹部813よりも内側の部位に当接する。
【0042】
静止金型81および可動金型82が型締めされると、ゲート811aからキャビティ89内に、樹脂が高圧にて射出される(ステップS14)。樹脂は、プレート部材131の上面側から下面側へと広がり、爪形成空間891および樹脂層形成空間892を含むキャビティ89全体に完全に充填される。既述のように、可動金型82では、支持ピン823がプレート中央部52を支持することから、樹脂の流れに押されることによるプレート中央部52の変形が防止される。その結果、プレート外周部51の軸方向の位置ずれも防止される。
【0043】
樹脂が硬化して中央樹脂部材132が形成されると、図14に示すように、可動金型82が静止金型81から離される。このとき、樹脂円筒部61と中央ピン825とが接触するとともに、環状樹脂凹部641と金型環状凸部826とが接触する。このため、ターンテーブル13は可動金型82と共に静止金型81から離されることとなる。
【0044】
そして、離型ピン824a,824bが、図8にて平行斜線を付して示すように、ターンテーブル13の11箇所を軽く押圧するとともに、搬送機構がターンテーブル13を吸着保持することにより、ターンテーブル13が可動金型82から分離される(ステップS15)。
【0045】
図7に示すように、中央樹脂部材132では、図13の爪形成空間891および樹脂層形成空間892に対応する位置に、爪633および樹脂層65が形成される。樹脂層65が開口54のエッジ541を覆うことにより、開口54と重なる爪位置貫通孔66が形成される。
【0046】
環状樹脂凹部641には、位置決めピン821に対応する位置に下面から上方に向かって窪む凹部671(以下、「位置決めピン凹部671」という)が形成される。位置決めピン凹部671内では、位置決め部551の内周面が露出している。支持ピン823に対応する位置には下面から上方に向かって窪む凹部672(以下、「支持ピン凹部672」という)が形成される。支持ピン凹部672内には、プレート部材131の下面の一部が露出している。図8に示すように、位置決めピン凹部671は、周方向において支持ピン凹部672の間に位置する。
【0047】
図7に示す樹脂連結部632の内側には、径方向外方に向かって径が漸次増大する傾斜面が形成される。傾斜面と樹脂円筒部61の内側面との間には、図13に示す静止金型81と中央ピン825との接触により、パーティングラインが形成される。なお、モータ1では、図2のシャフト41がパーティングラインよりも下方に位置し、シャフト41とパーティングラインとが接触することはない。
【0048】
その後、ターンテーブル13は搬送機構により所定の容器に収容される。図7に示すように、プレート部材131では、プレート中央部52がプレート外周部51よりも上方に突出することにより、プレート部材131の上方における中央樹脂部材132の厚さが薄くなっている。これにより、プレート中央部52の上面全体が覆われるターンテーブル13であっても、重要寸法部であるディスクガイド部631にて、樹脂のヒケの発生が防止される。
【0049】
プレート部材131の屈曲部53およびプレート中央部52が、ディスクガイド部631および樹脂連結部632の外表面の形状に倣うよう形成されている。さらに、プレート部材131の屈曲部53およびプレート中央部52より上側の樹脂部分の厚みが、ほぼ同程度に形成される。このため樹脂のヒケの発生を防止できる。
【0050】
プレート部材131にプレート中央部52を設けたため、中央樹脂部材132とプレート部材131との接触面積を広くすることができる。また、プレート中央部52をプレート外周部51より上側に位置させた。この構造のため、プレート中央部52を樹脂により上下に挟み込むことができ、中央樹脂部材132とプレート部材131との接触面積を広くすることができる。従って、プレート部材131と中央樹脂部材132とが剥離してしまうことを防止できる。
【0051】
また、図13の流路811のゲート811aは、プレート部材131の上方に位置するため、中央樹脂部材132の上部のディスクガイド部631および当該上部から下方に伸びる爪633が高精度に形成される。さらに、図5に示すように、周方向において爪633と爪633との間に、ゲートカット部634aが位置する。すなわち、図13に示す隣接する2組の第1および第2爪形成部品812,822の間に、ゲートが位置する。これにより、ディスクガイド部631にウェルドラインが位置することが防止される。
【0052】
ゲート811aをプレート部材131の上方に位置するため、樹脂を爪形成空間891に早い時期に充填できる。そのため、中央樹脂部材132における他の部位より肉厚が薄く、且つ高度な精度が求められる爪633を、ヒケを生ずることなく高精度に作製できる。
【0053】
図7に示すように、中央樹脂部材132の下部64では、肉盗みである環状樹脂凹部641が設けられることにより、下部64とプレート部材131との間の樹脂の厚さが薄くなっているので、下部64における樹脂のヒケの発生が防止される。また、樹脂円筒部61における樹脂のヒケも防止される。
【0054】
1つのターンテーブル13が製造されると、収容部から新たなプレート部材131が取り出され、ステップS12〜S15が行われて、プレート部材131に中央樹脂部材132が形成される。以上のようにして、複数のターンテーブル13が順次製造される。なお、環状ラバー133は後の工程にてプレート部材131に貼付される。
【0055】
ターンテーブル13では、中央樹脂部材132が静止金型81および可動金型82から分離される工程(ステップS15)の後に、開口54のエッジ541と爪位置貫通孔66との間に形成された樹脂層65が除去されてもよい(ステップS16)。これにより、ターンテーブル13の軽量化が図られる。なお、樹脂層65を除去する工程は、複数のターンテーブル13が製造された後にまとめて行われてもよい。
【0056】
以上に説明したように、ターンテーブル13の製造では、第1および第2爪形成部品812,822とプレート部材131の開口54とが非接触であることにより、第1および第2爪形成部品812,822とプレート部材131との干渉が容易に防止される。これにより、第1および第2爪形成部品812,822の損傷が防止される。
【0057】
仮に、第1および第2爪形成部品812,822とプレート部材131の開口54のエッジ541とが接触すると、プレート部材131の加工精度が低いため、第1および第2爪形成部品812,822とエッジ541との間に、意図しない微小な隙間が発生する。当該隙間に樹脂が入り込むことにより、バリが発生してしまう。ターンテーブル13では、第1および第2爪形成部品812,812と開口54のエッジ541との間に十分な幅を設け、積極的に樹脂を流し込んで樹脂層65が形成される。このため、バリが発生することがない。
【0058】
ターンテーブル13は、インサート成型を利用することにより、少ない工数にて精度よく製造される。プレート部材131には、高い成型精度が要求されないことから、プレート部材131を安価なプレス加工にて成型することができる。
【0059】
中央樹脂部材132は、爪633の先端が爪位置貫通孔66内に位置するように設計されているので、射出成形時に第1および第2爪形成部品812,822を爪633から分離するために必要な力が低減される。
【0060】
樹脂の射出成型が行われる際に、プレート部材131の静止金型81および可動金型82に対する位置決めが、プレート中央部52にて行われる。この構造のため、クランプマグネット123と軸方向に対向するプレート外周部51の面積をより大きく確保できる。
【0061】
一方、プレート外周部51に位置決め用の孔を設けると、孔を設けることによりプレート外周部51が変形する虞がある。本発明では、位置決めが位置決め部551にて行われるため、プレート外周部51の平面度を確保でき、プレート外周部51とクランプマグネット123との間の距離を周方向の各位置にて略均一に構成できる。従って、プレート部材131とクランプマグネット123との間で安定した磁気吸引力を得ることができる。
【0062】
プレート部材131の位置決め部551が切欠であることから、位置決めピン821が位置決め部551に容易に挿入され、プレート部材131が静止金型81および可動金型82に容易に固定される。位置決め部551の数が3であることから、プレート部材131の中心軸J1に垂直な方向における位置を安定して位置決めすることができる。
【0063】
図15はプレート部材の他の例を示す図である。プレート部材131は、図3に示すプレート部材131のプレート中央孔55と複数の開口54とを連通した形状である、1つの開口56を有する。以下の説明では、開口56のうち、プレート中央孔55に対応する部位を「中央孔部561」といい、開口54に対応する部位を「周辺開口562」という。また、中央孔部561と周辺開口562とを連通する切欠に、符号563を付す。図15のプレート部材131の他の形状は、図3のプレート部材131と同様である。以下、同様の構成には同符号を付して説明する。
【0064】
プレート部材131には、図5に示す中央樹脂部材132が射出成型により形成される。図7と同様に、中央樹脂部材132には、周辺開口562のエッジ541を覆う樹脂層65が設けられる。樹脂層65の内側には、爪位置貫通孔66が形成される。プレート部材131では、図15に示す複数の周辺開口562が図7に示す複数の爪位置貫通孔66のそれぞれと重なる複数の開口となっており、複数の爪位置貫通孔66と重なる大きな円形の1つの開口を有するプレート部材に比べて、中央樹脂部材132の成型後における強度が確保される。
【0065】
中央樹脂部材132が射出成型にて形成される際には、図13に示す第1および第2爪形成部品812,822と周辺開口562のエッジ541とが、非接触となる。これにより、第1および第2爪形成部品812,822とプレート部材131との干渉が、容易に防止される。また、プレート部材131が金型内に配置された状態では、位置決めピン821が図15に示す切欠563に挿入される。切欠563は位置決め部の役割を果し、プレート部材131の金型に対する中心軸J1に垂直な方向における位置が固定される。
【0066】
図16はプレート部材のさらに他の例を示す平面図である。プレート部材131には、7つの開口54から径方向外方に伸びる7つの切欠57が設けられる。図16のプレート部材131の他の形状は、図3のプレート部材131とほぼ同様である。
【0067】
中央樹脂部材132を射出成型にて形成する際には、プレート部材131の外縁部と金型との間に微小な空間が設けられつつ、プレート部材131が金型内に配置される。その結果、図17に示すように、開口54に形成された樹脂層65が、切欠57を通って外縁部を覆う。
【0068】
プレート部材131では、図13に示す第1および第2爪形成部品812,822と開口54とが非接触である。このことにより、第1および第2爪形成部品812,822とプレート部材131との干渉が、容易に防止される。なお、後工程において、樹脂層65の外縁部を覆う部位が除去されてもよい。
【0069】
図18は、プレート部材のさらに他の例を示す平面図である。プレート中央部52では、図13に示す7つのゲート811aに対向する位置に7つの孔部521が形成される。可動金型82からは、支持ピン823が省略される。中央樹脂部材132が形成される際には、ゲート811aから孔部521に向かって樹脂が射出される。このため、樹脂の流れによりプレート中央部52が強く押圧されず、プレート中央部52の変形が防止される。その結果、プレート外周部51の軸方向の位置ずれも防止できる。
【0070】
中央樹脂部材132の成型後には、図5および図7と同様に、ゲートカット部634aが形成され、ゲートカット部634aは孔部521と中心軸J1に平行な方向に対向する。なお、プレート部材131には孔部521に代えて、切欠が設けられてもよい。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、爪633と爪位置貫通孔66とが中心軸J1に平行な方向に重なる、すなわち、中央樹脂部材132を平面視した際に爪633と爪位置貫通孔66とが重なるのであれば、爪633の先端が爪位置貫通孔66の上側や下側に位置してもよい。爪633の数は、2以上であれば他の数とされてよい。好ましくは、1つの爪633が損傷することによる爪633全体への影響を低減するために、爪の数は5〜7とされる。位置決め部551の数も2以上であれば他の数とされてよい。位置決め部551は切欠であるが、孔状の位置決め部が採用されてもよい。図3に示すプレート部材131では、複数の爪位置貫通孔66と重なる複数の開口が設けられるのであれば、爪位置貫通孔66と開口54とが必ずしも同数である必要はない。
【0072】
プレート中央部52の上面は、樹脂連結部632により完全に覆われる必要はない。プレート中央部52の上面上の少なくとも一部において、樹脂連結部632により樹脂円筒部61とディスクガイド部631とが繋がれるのであれば、他の形状のターンテーブルが採用されてよい。この場合であっても、プレート部材131のプレート中央部52がプレート外周部51よりも上方に位置することにより、ディスクガイド部631における樹脂のヒケが防止される。中央樹脂部材132では、プレート中央部52の上下において上部63の厚さと下部64の厚さとがほぼ同じである。しかし、上部63および下部64のそれぞれにて樹脂のヒケ等の変形が生じる場合には、上部63および下部64の厚さがそれぞれ互いに異なる厚さとされてもよい。
【0073】
上記実施形態では、中央樹脂部材132の射出成型の際に、プレート部材131が静止金型81に取り付けられた状態にて、静止金型81および可動金型82が型締めされてもよい。静止金型81にターンテーブルを切り離す機構が設けられるのであれば、ターンテーブルを静止金型81に保持した状態にて、静止金型81から可動金型82が離されてもよい。
【0074】
上記実施形態では、図19に示すように、プレート部材131の外縁部に図2のカップ部材21に対応する円筒部512が設けられることにより、回転部2の上端にターンテーブル13が設けられてもよい。円筒部512の内側には、ロータマグネット22が配置される。モータ1は、ハードディスク駆動装置等の他の記録ディスク駆動装置に搭載されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、様々な記録ディスク駆動装置のモータとして利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 モータ
2 回転部
3 静止部
4 軸受機構
9 記録ディスク
10 記録ディスク駆動装置
11 アクセス部
12 ハウジング
13 ターンテーブル
51 プレート外周部
52 プレート中央部
55 プレート中央孔
61 樹脂円筒部
63 (中央樹脂部材の)上部
64 (中央樹脂部材の)下部
81 静止金型
82 可動金型
89 キャビティ
91 ディスク中央孔
122 クランパ
123 クランプマグネット
131 プレート部材
132 中央樹脂部材
521 (プレート部材の)孔部
611 中央樹脂貫通孔
631 ディスクガイド部
632 樹脂連結部
632a (樹脂連結部の)外周部
633 爪
634a ゲートカット部
641 環状樹脂凹部
672 支持ピン凹部
811a ゲート
823 支持ピン
J1 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性材料からなるプレート部材と、
前記プレート部材の中央に配置され、樹脂の射出成型により形成された一つながりの部材である中央樹脂部材と、
を備え、
前記プレート部材が、
プレート外周部と、
前記プレート部材の中央に形成されたプレート中央孔を有し、前記プレート外周部よりも上方に位置するプレート中央部と、
を備え、
前記中央樹脂部材が、
前記プレート中央孔を貫通し、中央樹脂貫通孔を構成している樹脂円筒部と、
ディスク中央孔をガイドするディスクガイド部と、
前記プレート中央部上において、前記樹脂円筒部と前記ディスクガイド部とを繋ぐ樹脂連結部と、
を備える記録ディスク駆動装置のターンテーブル。
【請求項2】
前記中央樹脂部材の上部に、射出成型における複数のゲートカット部が設けられている請求項1に記載のターンテーブル。
【請求項3】
前記中央樹脂部材の前記プレート部材よりも下側の部位が、射出成型時に前記プレート中央部の下面に当接する支持ピンにより形成された支持ピン凹部を有する請求項2に記載のターンテーブル。
【請求項4】
前記プレート中央部には、前記複数のゲートカット部に対向する位置に孔部または切欠部が設けられている請求項2に記載のターンテーブル。
【請求項5】
前記プレート中央部の上面全体が、前記中央樹脂部材により覆われる請求項2ないし4のいずれかに記載のターンテーブル。
【請求項6】
強磁性材料からなるプレート部材と、
前記プレート部材の中央に配置され、樹脂の射出成型により形成された一つながりの部材である中央樹脂部材と、
を備え、
前記プレート部材が、中央の孔であるプレート中央孔を有し、
前記中央樹脂部材が、
前記プレート中央孔を貫通する中央樹脂貫通孔を有する樹脂円筒部と、
ディスク中央孔をガイドするディスクガイド部と、
前記プレート部材上において、前記樹脂円筒部と前記ディスクガイド部とを繋ぐ樹脂連結部と、
を備え、
前記中央樹脂部材の上部に、射出成型における複数のゲートカット部が設けられている記録ディスク駆動装置のターンテーブル。
【請求項7】
前記中央樹脂部材に、前記中央樹脂部材の外周部から下方に向かって伸びる複数の爪が設けられ、
前記複数のゲートカット部が、周方向において前記複数の爪の間に位置している請求項2ないし6のいずれかに記載のターンテーブル。
【請求項8】
前記中央樹脂部材の前記プレート部材よりも下側の部位に、前記中央樹脂貫通孔の周囲にて上方に向かって窪む環状樹脂凹部が設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載のターンテーブル。
【請求項9】
前記プレート部材が、プレス加工にて成型される請求項1ないし8のいずれかに記載のターンテーブル。
【請求項10】
静止部と、
軸受機構と、
前記軸受機構により前記静止部の上方にて支持され、前記静止部に対して回転可能に支持される回転部と、
前記回転部の上端に設けられた請求項1ないし9のいずれかに記載のターンテーブルと、
を備えるモータ。
【請求項11】
記録ディスクを回転させる請求項10に記載のモータと、
前記プレート部材を上方からクランプマグネットにて吸着することにより前記記録ディスクを前記ターンテーブル上にクランプするクランパと、
前記記録ディスクに対して情報の読み出しおよび/または書き込みを行うアクセス部と、
前記モータおよび前記アクセス部を収容するハウジングと、
を備える記録ディスク駆動装置。
【請求項12】
2つの金型の一方に強磁性材料からなるプレート部材を取り付け、前記プレート部材を挟んで型締めすることによりキャビティを形成する工程と、
前記キャビティ内に樹脂を射出することにより、前記プレート部材の中央に一つながりの部材として中央樹脂部材を形成する工程と、
を備え、
前記中央樹脂部材を形成する工程において、前記中央樹脂部材の上部に対応する位置に設けられた複数のゲートから前記キャビティ内に樹脂を射出する記録ディスク駆動装置のターンテーブルの製造方法。
【請求項13】
前記プレート部材の中央部であるプレート中央部が、前記プレート部材の外周部であるプレート外周部よりも上方に位置し、
前記キャビティを形成する工程において、前記プレート中央部の下面に支持ピンが当接する請求項12に記載のターンテーブルの製造方法。
【請求項14】
前記プレート部材の中央部であるプレート中央部が、前記プレート部材の外周部であるプレート外周部よりも上方に位置し、
前記プレート中央部が前記複数のゲートに対向する位置に孔部または切欠部を備え、
前記中央樹脂部材を形成する工程において、前記複数のゲートから前記孔部または前記切欠部に向かって樹脂を射出する請求項12に記載のターンテーブルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−282709(P2010−282709A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137538(P2009−137538)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】