説明

ダイオキシン類抽出装置及びダイオキシン類抽出方法

【課題】
携帯性に優れ、環境試料中からダイオキシン類を短時間で安全かつ高精度に抽出することが可能なダイオキシン類抽出装置及びダイオキシン類抽出方法を提供すること。
【解決手段】
ガラスバイアル1に土壌と抽出溶媒との混合溶液3を導入し、熱媒体6を充填したカップ2の外側表面にヒータ4を設けてカップ2を加熱しながら、上記混合溶液3に対して、超音波発振器10から発振される超音波をチップ5を介して照射することで、ダイオキシン類の抽出を行なう。また温度制御器11により、加熱されるカップ2の温度のフィードバック制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌や焼却飛灰等の環境試料中に含まれるダイオキシン類を抽出することが可能なダイオキシン類抽出装置及びダイオキシン抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌や焼却飛灰、大気等に含まれるダイオキシン類(PCDDs、PCDFs、Co−PCBs)は、極めて毒性が強い環境汚染物質であり、また人体に種々の悪影響を及ぼす可能性が指摘されている物質であることから、その発生抑制対策や汚染軽減対策が積極的に採られ始めている。
【0003】
そのような対策の一環としてダイオキシン類による環境汚染の程度を分析する場合に、分析の前処理としてダイオキシン類を土壌や焼却飛灰中から抽出する方法としては、例えば公定法として定められているソックスレー抽出法がある。しかし、当該ソックスレー抽出法は、抽出に16時間という長時間を要することが問題視されている。そこで、当該ソックスレー抽出法を応用して、抽出時に試料に対して超音波振動を加えることにより抽出時間の短縮化を図った技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−145985公報(段落[0012]、図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、ウォーターバス等の比較的大型な装置を用いているため携帯性に優れず、ダイオキシンを含む土壌や焼却飛灰が存在する現場において直ちにダイオキシンを抽出しようとしても当該現場へ持ち運ぶことができなかった。
【0005】
また上記技術においては、抽出中にヒータにより試料を加熱しているが、当該ヒータが超音波振動付加装置と試料との間に設置されており、当該ヒータにも超音波が照射されるため、当該超音波の振動による金属疲労のために脆性破壊を起こし、断線してしまう危険性があった。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、携帯性に優れ、環境試料中からダイオキシン類を短時間で安全かつ高精度に抽出することが可能なダイオキシン類抽出装置及びダイオキシン類抽出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の主たる観点に係るダイオキシン類抽出装置は、ダイオキシン類を含む試料と有機溶媒とが混合された溶液を導入するための容器と、超音波を発振する超音波発振部と、前記超音波発振部に接続されたチップと、内部に導入される液体に前記容器及び前記チップを浸すことが可能なカップとを有し、前記超音波発振部から前記チップへ伝達された超音波を前記液体を介して前記容器に照射することが可能な超音波照射部と、前記カップの外側表面に設けられ、該カップを加熱するヒータとを具備する。
【0008】
上記試料としては、例えばごみ焼却炉近辺の土壌や焼却飛灰、汚水等を用いることができる。上記有機溶媒としては例えばトルエンが用いられ、上記カップ内の液体としては例えば水が用いられる。またヒータとしては、例えばニクロム線を発熱体としたシリコンラバーヒータをカップに巻きつけて用いる。超音波発振部は、例えば所定の周波数で超音波を発振可能な超音波発振器及び当該発振された超音波を機械的な振幅に変換可能な変換機とからなる。
【0009】
超音波照射部により上記容器に超音波が照射されると、試料中に含まれるダイオキシン類を短時間で有機溶媒中に溶け出させて、ダイオキシン類を抽出することが可能となる。上記ヒータにより高温下で超音波抽出処理を行うことができるため、より効率よくダイオキシン類を抽出することができる。またヒータをカップの外側表面に設けて、カップ内部の容器に向けて超音波を照射することで、超音波の指向性によりヒータが超音波照射の影響を受けないため断線等の危険性も無く、安全にダイオキシン類を抽出することができる。更に、カップ及びチップを用いることで、ウォーターバス等の大型の装置を用いる場合に比べて携帯性が向上し、ダイオキシン類が存在する屋外現場での抽出が可能となる。
【0010】
上記ダイオキシン類抽出装置は、前記超音波発振部を冷却する冷却部と、前記カップの温度を測定及び制御する温度制御部とを更に具備していてもよい。冷却部は例えば水冷式で、カップと超音波発振部との間に接続された冷却伝達棒に冷却水を循環させることで冷却する。また温度制御部は例えばサーモスタットからなり、カップの温度を感知して、例えばヒータの電源のON/OFFを切り替えることにより、カップの温度を予め設定された目標温度に基づいてフィードバック制御する。上記冷却部を設けたことで、上記ヒータでカップを加熱することによる超音波発振部への熱の伝達を防いで、安定した超音波の照射を行なうことができる。また上記温度制御部を設けたことで、ダイオキシン類を一定の温度で安定して抽出することが可能となる。
【0011】
上記ダイオキシン類抽出装置は、前記ヒータによる前記カップの加熱時間を計測するタイマを更に具備し、前記ヒータは、前記タイマにより所定時間が計測された時に加熱を停止するようにしても構わない。上記所定時間は例えば10分であるが、これに限定されるものではない。これにより、加熱時間をタイマにより設定できるため、加熱時間を変更しながらダイオキシン抽出試験を行なうような場合の利便性が向上する。また、上記冷却部によらなくとも、上記ヒータによるカップの過熱を防ぐことができる。
【0012】
本発明の他の観点に係るダイオキシン類抽出方法は、ダイオキシン類を含む試料と有機溶媒とが混合された溶液を容器に導入する工程と、超音波を照射可能なチップを有するカップの内部に液体を導入して該液体に前記容器及び前記チップを浸し、前記超音波を前記液体を介して前記容器に照射する工程と、前記カップの外側表面に設けられたヒータにより該カップを加熱する工程とを具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯性に優れ、環境試料中からダイオキシン類を短時間で安全かつ高精度に抽出することが可能なダイオキシン類抽出装置及びダイオキシン類抽出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本実施形態におけるダイオキシン類抽出装置100の構成を示した図である。同図に示すように、ダイオキシン類抽出装置100は、ガラスバイアル1、カップ2、冷却伝達棒7、変換機8、超音波発振器10及び温度制御器11を有し、ガラスバイアル1、カップ2及び変換機8はクランプ9aによりスタンド9に固定されている。
【0016】
ガラスバイアル1には、試料としてダイオキシン類を含む土壌と、ダイオキシン類抽出用の有機溶媒とを混合した混合溶液3が導入され、ねじ口で密閉される。当該土壌は、例えば都市ごみ焼却炉に近接する山林の表層0〜5cmの部分から採取し、風乾後に106μmの篩を通過させて粉状に均質化したものである。またガラスバイアル1の容量は例えば110mlで、混合溶液3中、土壌は例えば5g、抽出溶媒は例えば50ml添加される。試料としては土壌以外にも、焼却飛灰、大気、庭質、排水、農作物、食品等を用いてもよい。有機溶媒としては例えばトルエンや酢酸エチルが用いられる。
【0017】
カップ2には例えば水等の熱媒体6が充填され、当該熱媒体6には上記ガラスバイアル1が浸される。またカップ2にはチップ5が着脱自在に接続されており、チップ5は、超音波発振器10により発振され変換機8により機械的な振幅に変換された超音波を、熱媒体6を介して上記ガラスバイアル1中の混合溶液3に照射する。
【0018】
更に、カップ2の外側表面にはヒータ4が設けられている。ヒータ4としては例えばニクロム線を発熱体としたシリコンラバーヒータがカップ2の外側表面に巻き付けられており、超音波照射中にカップ2を加熱して、熱媒体6を介してガラスバイアル1中の混合溶液3を加熱することが可能となっている。ヒータ4がカップ2の外側表面に設けられていることで、例えばカップ2の内部に設けられた場合と比較してヒータ4自体が超音波振動の影響を受けにくいため、超音波照射によるヒータ4の金属疲労及びそれによる断線等を防ぐことができる。
【0019】
チップ5と変換機8との間には冷却伝達棒7が接続されており、給水器(図示せず)から冷却水出入口7aを介して冷却水が導入され循環する。当該冷却伝達棒7を設けたことで、上記ヒータ4がカップ2を加熱することによる熱が変換機8へ伝達して熱膨張により超音波の共振周波数が不安定になってしまうのを防ぐことができる。なお、カップ2、チップ5及び冷却伝達棒7の材質は例えばチタン合金であり、変換機8の材質は例えばセラミックである。
【0020】
超音波発振器10は、振幅を可変として超音波を発振することが可能である。最大出力は例えば50W、照射される超音波の周波数は例えば20KHz、最大振幅数は例えば10μmであるが、これらの数値に限られるものではない。
【0021】
温度制御器11は、ヒータ4と接続され、超音波照射中にヒータ4により加熱される上記熱媒体6の温度を計測しながら、熱媒体6の温度を一定の温度に維持することが可能である。温度制御器11としては例えば液体膨張式やバイメタル式等のサーモスタットが用いられ、計測温度に基づいて上記ヒータ4のスイッチのON/OFFを行ない、設定温度を維持する。なお、温度制御器11は、ヒータ4による加熱時間を計測するタイマを具備していてもよい。これにより例えばヒータ4の加熱時間が所定時間を経過した場合にヒータ4の電源を切断することが可能となる。
【0022】
また、本実施形態にダイオキシン類抽出装置100においては、上述のように熱媒体6を介して間接的に超音波照射を行なう方法(以下、間接照射法という)だけでなく、上記チップ5をカップ2から取り外してガラスバイアル1中の混合溶液に浸して、直接超音波を照射する方法(以下、直接照射法という)も行なうことが可能である。図2は、当該直接照射法を行なう場合のダイオキシン類抽出装置100を示した図である。
【0023】
同図に示すように、直接照射法においては、カップ2から取り外したチップ5を逆さにして、中央が空洞のアルミ製の密閉キャップ13を介してガラスバイアル1に挿入し、ガラスバイアル1中の混合溶液3にチップ5の先端を浸す。そして当該ガラスバイアル1を、例えばフッ素不活性液体等の熱媒体6を満たしたステンレス製のビーカー12に浸す。ビーカー12には間接照射法と同様にヒータ4としてシリコンラバーヒータを巻き付け、温度制御器11によりビーカー12内の熱媒体6の温度を調節する。
【0024】
このように構成することで、超音波発振器10から発振された超音波を、熱媒体6を介さずに混合溶液3に直接照射することができる。
【0025】
本発明者らは、以上のように構成されたダイオキシン類抽出装置100を用いて、条件を変えながらダイオキシン類の抽出試験を行なった。以下、当該試験結果について説明する。
【0026】
図3は、本実施形態において行なった抽出試験の結果を示した表である。
【0027】
同図に示すように、本実施形態においては、処理条件として抽出溶媒、超音波の振幅、照射方法、抽出温度、抽出時間を変更して抽出試験を行なった。抽出溶媒としてはトルエンと酢酸エチルの2つを用い、超音波振幅は0μm、5μm、10μmの3段階に変更した。また照射方法は上記直接照射法と間接照射法を用い、抽出温度は常温と抽出溶媒の沸点から20℃低い温度の2段階、また抽出時間は5分と10分の2段階で抽出を行なった。抽出温度を沸点から20℃低い温度としたのは抽出溶媒の沸騰による危険性を考慮したためである。
【0028】
そして、当該抽出により得られた抽出液をろ過し、精製及びGC‐MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置)測定による定量化を、公定法の通りに行なった。抽出率は、土壌中に実際に含有されるダイオキシン類の量に対する、上記定量された量の割合を百分率で示した値である。また変動係数は、各試験区における複数の抽出データの標準偏差を平均で割った値を百分率で示した値である。同図に示す試験結果並びに追加実験の結果について、以下、検討項目毎に適宜抽出して考察する。
【0029】
図4は、図3の試験結果のうち、抽出溶媒及び照射方法を変更した場合の結果を比較した表である。同図に示すように、抽出温度を常温、超音波振幅を10μm、抽出時間を10分として、抽出溶媒をトルエンと酢酸エチルとしてそれぞれ抽出を行なった場合においては、当該2つの抽出溶媒の違いによる抽出率の差は見られなかった。また、どちらの抽出溶媒を用いた場合でも、抽出率は直接照射の場合が30%程度、間接照射の場合が20%程度となり、常温においては間接照射よりも直接照射の方が抽出率が高いことが分かった。
【0030】
図5は、図3の試験結果のうち、超音波の振幅を変更した場合の結果を比較した表である。同図に示すように、抽出温度が常温、抽出時間が10分、抽出溶媒がトルエンの場合、振幅が0〜10μmの範囲では、直接照射法でも間接照射法でも、振幅が大きいほど抽出率は高くなることが分かった。本実施形態においてはダイオキシン類抽出装置100の振幅上限が10μmであるため、それ以上の振幅による検討ができなかったが、振幅を更に高くすることで抽出率向上に繋がる可能性があることが示された。
【0031】
図6は、図3の試験結果のうち、抽出温度及び抽出溶媒を変更した場合の結果を比較した表である。同図に示すように、抽出時間を10分、抽出溶媒をトルエンとして、温度を常温と90℃(トルエンの沸点である110℃から20℃低い温度)に変更して、更に振幅を0μmと10μmに変更して抽出を行なった場合、常温よりも90℃に加熱した方が高い抽出率を得ることができた。また、酢酸エチルの沸点は77℃であるが、上記図3の試験区T−18とE−3の結果を比較しても分かるように、より高温条件とすることができるトルエンの方が高い抽出率を得ることができた。
【0032】
更に、上記図4でも説明したように、常温では直接照射の方が抽出率は高いが、90℃の加温条件では、間接照射法が71%、直接照射法が73%と、照射法の違いによる抽出率の顕著な差は見られないことが分かった。すなわち、高温条件下では、サンプルの取扱いがより安全かつ便利な間接照射法も十分適用できることが分かった。
【0033】
図7は、図3の試験結果のうち、抽出時間を変更した場合の結果を比較した表である。同図に示すように、トルエンを抽出溶媒とし、抽出温度を90℃、振幅を10μmとして、抽出時間を5分、10分、15分と変更して抽出を行なった場合、抽出時間が長いほど抽出率が高くなることが分かった。また、間接照射と直接照射の顕著な違いは見受けられなかった。
【0034】
なお、本実施形態においてはダイオキシン類抽出装置100の最大連続運転時間は15分であるため、更に長い抽出時間について検討するために、抽出回数を増やすことで抽出時間の延長を図った。図8は、当該試験結果の結果を示した図である。同図に示すように、上記図7の条件に加えて、5分×2回と10分×2回の抽出を行なった。その結果、抽出時間が10分×2回の場合には、83%という高い抽出率を得ることができた。また、抽出時間が連続で10分の場合と5分×2回の場合とでは抽出率は変わらないことから、連続で20分間抽出しても同様の抽出率が得られることが推測できた。
【0035】
以上の検討結果から、以下の条件で最大の抽出率83%、変動係数5%以下の安定した抽出結果が得られることが分かった。
[抽出方法]・・・間接照射法
[抽出溶媒]・・・トルエン
[照射振幅]・・・10μm
[抽出温度]・・・90℃
[抽出時間]・・・10分×2回(20分×1回)
また、1検体あたりの抽出に要する時間は40分程度(10分抽出+20分休止+10分抽出)であり、公定法(16時間)に比べて大幅に抽出時間を短縮することができた。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、チップ5を接続したカップ2にヒータ4を設けて間接照射法による超音波抽出処理を行うことにより、試料中のダイオキシン類を短時間で安全かつ高精度に抽出することができる。また、ダイオキシン類抽出装置100には、ウォーターバス等の大型の装置に比べて小型のカップ2を用いているため、ダイオキシン類が存在する山林等の現場にも容易に携帯することが可能である。
【0037】
なお、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0038】
例えば、上記抽出温度、抽出時間、照射振幅等の条件は上記以外にも適宜変更して、より抽出率の高い条件を見出すことも可能である。また、ヒータ4や冷却伝達棒7、温度制御器11等も、それぞれの機能を果たすことができて携帯性を損なわないものであれば、その形式や材質等を適宜変更することができる。
【0039】
また、上述の実施形態においては、超音波発振器10から発振された超音波は変換機8及び冷却伝達棒7を介してチップ5へ伝達されているが、チップ5と変換機8(冷却伝達棒7)との間に、超音波の振動振幅を増幅させるためのホーンを設けるようにしても構わない。当該ホーンを設けることで、より大きな振幅で試料に超音波を照射することができるため、ダイオキシン類の抽出効率の更なる向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】間接照射法を行なう場合のダイオキシン類抽出装置100の構成を示した図である。
【図2】直接照射法を行なう場合のダイオキシン類抽出装置100の構成を示した図である。
【図3】本実施形態において行なった抽出試験の結果を示した表である。
【図4】抽出溶媒及び照射方法を変更した場合の試験結果を比較した表である。
【図5】超音波の振幅を変更した場合の試験結果を比較した表である。
【図6】抽出温度を変更した場合の試験結果を比較した表である。
【図7】抽出時間を変更した場合の試験結果を比較した表である。
【図8】抽出回数を増やした場合の試験結果を比較した表である。
【符号の説明】
【0041】
1…ガラスバイアル
2…カップ
3…混合溶液
4…ヒータ
5…チップ
6…熱媒体
7…冷却伝達棒
8…変換機
10…超音波発振器
11…温度制御器
12…ビーカー
100…ダイオキシン類抽出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオキシン類を含む試料と有機溶媒とが混合された溶液を導入するための容器と、
超音波を発振する超音波発振部と、
前記超音波発振部に接続されたチップと、内部に導入される液体に前記容器及び前記チップを浸すことが可能なカップとを有し、前記超音波発振部から前記チップに伝達された超音波を前記液体を介して前記容器に照射することが可能な超音波照射部と、
前記カップの外側表面に設けられ、該カップを加熱するヒータと
を具備することを特徴とするダイオキシン類抽出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダイオキシン抽出装置であって、
前記超音波発振部を冷却する冷却部と、
前記カップの温度を測定及び制御する温度制御部と
を更に具備することを特徴とするダイオキシン類抽出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検出装置であって、
前記ヒータによる前記カップの加熱時間を計測するタイマを更に具備し、
前記ヒータは、前記タイマにより所定時間が計測された時に加熱を停止することを特徴とするダイオキシン類抽出装置。
【請求項4】
ダイオキシン類を含む試料と有機溶媒とが混合された溶液を容器に導入する工程と、
超音波を照射可能なチップを有するカップの内部に液体を導入して該液体に前記容器及び前記チップを浸し、前記超音波を前記液体を介して前記容器に照射する工程と、
前記カップの外側表面に設けられたヒータにより該カップを加熱する工程と
を具備することを特徴とするダイオキシン類抽出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−218416(P2006−218416A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34943(P2005−34943)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000223104)東和科学株式会社 (9)
【Fターム(参考)】