説明

ダイス

【課題】 圧縮部がスリーブの径方向を圧縮できるダイスを提供する。
【解決手段】 内部に電線を通す筒形状のスリーブを圧縮することで、前記電線に前記スリーブを圧着するダイスであって、対向配置される一対の基部を備え、前記基部のそれぞれは、対向する位置に、突出する圧縮部を有し、前記基部の少なくとも一方は、前記圧縮部を挟む位置に、前記基部から弾性体により付勢されて、前記圧縮部の突出と同じまたはより大きく突出する一対の支持部を有し、前記一対の支持部が前記スリーブを径方向に支持しつつ、前記圧縮部が前記スリーブを圧縮することを特徴とするダイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイスに関し、詳しくは、内部に電線を通す筒形状のスリーブを圧縮することで、電線にスリーブを圧着するダイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電設工事において電線を接続する場合、電線を通したスリーブを電線に圧着することで電線を接続していた。スリーブの圧着には、図5(a)および図5(b)に示すような、シャコ万力と同様の機能を有する圧縮機500が用いられていた。圧縮機500は、ダイス取付部510を備えていた。ダイス取付部510は、スリーブ540に適合するダイス600a、600bを装着していた。ダイス600a、600bは、スリーブ540を圧縮することで、電線にスリーブ540を圧着していた。
【0003】
ダイス600a、600bは、図6(a)および図6(b)に示すように、一方のダイス600aから他方のダイス600bに向かう方向に突出する圧縮部620を有していた。基部630は、取付部640でダイス取付部510に取り付けられていた。電線にスリーブを圧着するダイスとして、他に特許文献1に記載されたダイスが知られている。
【0004】
特許文献1に係る電線接続用圧縮スリーブ及びダイスでは、凹部を内周壁に設けた二つのダイスを用意し、これらのダイスにより、スリーブを圧縮している。また、スリーブには、二本の長リブが、長手方向のほぼ一端から他端にかけて、間隔をあけて設けられている。スリーブが圧縮される場合、ダイスは、凹部に二本の長リブを嵌合してスリーブを圧縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−347163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ダイスの圧縮部がスリーブの径方向を圧縮しない場合、スリーブの電線への圧着不良に起因する、接触不良やガルバニック腐食等が起こってしまっていた。電線の位置や、足場の状況に応じて、圧縮部をスリーブの径方向に合わせることが難しい場合があり、圧縮機のスリーブ付近を持って仮圧縮をすることで、圧縮機に手を挟まれることがあった。圧縮に失敗した場合、電線を切断して新たにスリーブを取り付ける作業が必要であった。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑み、圧縮部がスリーブの径方向を圧縮できるダイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るダイスは、内部に電線を通す筒形状のスリーブを圧縮することで、電線にスリーブを圧着するダイスであって、対向配置される一対の基部を備え、基部のそれぞれは、対向する位置に、突出する圧縮部を有し、基部の少なくとも一方は、圧縮部を挟む位置に、基部から弾性体により付勢されて、圧縮部の突出と同じまたはより大きく突出する一対の支持部を有し、一対の支持部がスリーブを径方向に支持しつつ、圧縮部がスリーブを圧縮する。
【0009】
かかる構成によれば、スリーブは、圧縮部よりも突出している支持部に支持される。また、スリーブは、他の基部に設けられた支持部、または支持部を有しない基部に設けられた圧縮部に、支持部に支持された側の逆の側を支持される。
【0010】
一対の基部のそれぞれが接近する方向に移動する場合、支持部は、基部の移動距離にあわせて押し下げられる。スリーブは、支持部に対する弾性体の付勢力に応じて、支持部により支持された逆の側に押し付けられる。スリーブは、押付力に応じて、姿勢制御される。すなわち、スリーブは、押付力に応じて、一対の圧縮部の圧縮方向に対して径方向を向ける位置に姿勢制御される。これにより、圧縮部は、スリーブの径方向を圧縮できる。
【0011】
また、本発明に係るダイスにおいては、一対の基部のそれぞれは、一対の支持部を有し、一対の支持部のスリーブを支持する面は、スリーブの一部が入り込む、中心が深い凹形状を有し、一方の基部に設けられた一対の支持部のスリーブを支持する面の中心と、他方の基部に設けられた一対の支持部のスリーブを支持する面の中心とは、接近方向上に並んでもよい。
【0012】
かかる構成によれば、一対の支持部のそれぞれは、中心が深い凹形状でスリーブの一部を支持する。一対の基部が接近方向に移動する場合、スリーブは、一対の基部の移動距離に合わせて押し下げられる。一対の基部に設けられた、一方の支持部のスリーブを支持する面の中心と、他方の支持部のスリーブを支持する面とは接近方向上で並ぶ。これにより、スリーブが断面トラック形状を有する場合、スリーブは、押し下げに応じて、凹形状に沿って位置制御される。すなわち、スリーブは、押し下げに応じて、凹形状の中心に向かって、トラック方向が向く位置に位置調整される。
【0013】
また、本発明に係るダイスにおいては、一対の支持部は、スリーブを圧縮する場合に圧縮部と重ならない状態に掛け渡され、剛性をもつ板状の掛渡部を有してもよい。
【0014】
かかる構成によれば、圧縮部の圧縮方向がスリーブの径方向に対して傾いている場合、スリーブは、一対の支持部のうち、一方の支持部側に傾いて支持されている。すなわち、一方の支持部は、他方の支持部よりも押下されている。一方の支持部が他方の支持部よりも押下されている場合に、剛性をもつ板状の掛渡部は、一方の支持部への弾性体の付勢力の一部を、他方の支持部への付勢力として伝える。それにより、スリーブは、圧縮部の圧縮方向がスリーブの径方向に向く位置に位置調整される。
【0015】
また、本発明に係るダイスにおいては、一対の支持部は、圧縮部と近接または当接する位置に設けられてもよい。
【0016】
かかる構成により、スリーブは、近接または当接する一対の支持部で支持される。したがって、スリーブが圧縮部に圧縮される場合、スリーブは、支持部により少なくとも二点が支持される。これにより、スリーブが一対の支持部のいずれかの方向に傾いた場合であっても、傾いた側の支持部により位置調整される。
【発明の効果】
【0017】
以上の如く、本発明に係るダイスによれば、圧縮部がスリーブの径方向を圧縮できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイスを示し、図1(a)は、一方のダイスの上方図、図1(b)は、該ダイスの側面図を示す。
【図2】同実施形態に係る圧縮機に配置されたダイスがスリーブを圧縮する場合の断面図を示す。
【図3】本発明の他の例に係る剛性をもつ掛渡部を有するダイスを示し、図3(a)は、ダイスの上方図、図3(b)は、図3(a)におけるA−A’断面図を示す。
【図4】本発明の他の例に係る支持部を有するダイスを示す。
【図5】従来のダイスを有する圧縮機を示し、図5(a)は、圧縮機の側面図を示し、図5(b)は、スリーブを内包する圧縮機の側面図を示す。
【図6】従来のダイスを示し、図6(a)は、一方のダイスの上面図、図6(b)は、該ダイスの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るダイスにおける一実施形態について、図1および図2を参酌して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るダイスを示し、図1(a)は、ダイスの上方図、図1(b)は、ダイスの側面図を示す。
【0020】
ダイス100は、基部110と、圧縮部120と、支持部130a、130bと、弾性体150と、取付部160とを備える。ダイス100は、内部に電線を通す筒形状のスリーブを圧縮することで、電線にスリーブを圧着する。
【0021】
一対の基部110は、対向配置される。一対の基部110のそれぞれは、対向する位置に、突出する圧縮部120を有する。基部110の少なくとも一方は、圧縮部120を挟む位置に、支持部130a、130bを有する。支持部130a、130bは、基部110から弾性体150により付勢される。支持部130a、130bは、圧縮部120の突出と同じまたはより大きく突出する。弾性体150は、たとえばバネであってよい。
【0022】
支持部130a、130bがスリーブを支持する場合、支持部130a、130bは、一方の基部110に設けられる圧縮部120に、スリーブを当接する程度に高く突出しているのが好ましい。支持部130a、130bがスリーブを支持する場合に、弾性体150は、一方の基部110の有する圧縮部120に、スリーブを押付可能な程度に、支持部130a、130bを付勢するのが好ましい。
【0023】
支持部130a、130bのスリーブを支持する面は、スリーブの一部が入り込む、中心が深い凹形状を有する。基部110は、圧縮機(図示しない)にダイス100を取り付けるべく、圧縮部120と反対側の面に取付部160を有する。取付部160は、圧縮機(図示しない)に係止されることで、基部110を圧縮機に固定する。
【0024】
図2は、同実施形態に係る圧縮機に配置されたダイス100がスリーブ210を圧縮する場合の断面図を示す。スリーブ210は、長手方向の内部に電線220、230を通す。基部110aは、支持部130a、130bで、スリーブ210を径方向に支持する。基部110bは、圧縮部120aに対向する位置において、スリーブ210を径方向に支持する。本実施形態では、Cスリーブを例としてあげるが、HスリーブやSスリーブなどの他のスリーブであってもよい。
【0025】
本実施形態に係るダイスの構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るダイスの作用について説明する。
【0026】
ダイス100は、圧縮機(図示しない)に、一対の基部110a、110bを対向配置するように取り付けられる。スリーブ210は、長手方向の内部に電線220、230を通した後、取り付けられたダイス100の間に配置される。基部110aは、支持部130a、130bでスリーブ210を径方向に支持する。支持部130a、130bは、中心が深い凹形状にスリーブ210の一部を入り込ませて支持する。基部110bは、圧縮部120aと対向配置される圧縮部120bでスリーブ210を支持する。
【0027】
支持部130a、130bがスリーブ210を支持する場合、支持部130a、130bは、スリーブ210の支持に応じて押し下げられる。弾性体150は、支持部130a、130bの押し下げに応じて、支持部130a、130bに付勢力を与える。
【0028】
基部110a、110bが接近方向に移動する場合、支持部130a、130bは、スリーブ210の応力に応じて、基部110aに近づく方向に押し下げられる。弾性体150は、支持部130a、130bの押し下げ量に応じて、バネ定数に比例する復元力を支持部130a、130bに与える。すなわち、支持部130a、130bは、基部110a、110bの接近方向への移動に応じて、より強い力をスリーブ210に与える。
【0029】
支持部130a、130bは、スリーブ210の径方向から少なくとも2点で支持することで、圧縮部120bへとスリーブ210を押付ける。基部110a、110bが接近方向に移動することで、スリーブ210は、圧縮部120bのスリーブ210接触面に合わせてより強く押付けられる。たとえば、圧縮部120bがスリーブ210の径方向とずれてスリーブ210と接触している場合、スリーブ210は、支持部130a、130bの押付力の違いにより、圧縮部120bの接触面にあわせて位置調整される。
【0030】
基部110a、110bがさらに接近方向に移動する場合、圧縮部120aは、スリーブ210と接触する。一対の支持部130a、130bは、スリーブ210を支持し続ける。一対の支持部130a、130bは、スリーブ210を径方向に支持しつつ、圧縮部120aは、スリーブ210を圧縮する。
【0031】
以上により、本発明に係るダイスは、スリーブ210を径方向に圧縮できるので、電設工事における、電線の接続工事の施工品質を向上させることができる。これにより、スリーブ210による電線の継ぎ手部分における接触不良を減少させることができる。接触不良が減少するので、良質な電気を届けることができる。
【0032】
また、ダイス100がスリーブ210の位置調整をするので、圧縮失敗による作業のやり直しを防止でき、作業時間を短縮できる。特に、間接活線工事では、作業者が上を向いて作業をすることとなるので、作業時間を短縮することは、作業者の疲労軽減に大きく寄与する。スリーブ210の位置を手で調整する必要がないので、圧縮時に手を挟まれることによる怪我の防止にもつながる。また、作業のやり直しを防止できるので、コスト低減を図ることができる。
【0033】
なお、本発明に係るダイス100は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0034】
たとえば、一対の基部110a、110bのそれぞれが一対の支持部130a、130bを有していてもよい。基部110aが有する一対の支持部130a、130bは、スリーブ210を径方向に支持する。また、基部110bが有する一対の支持部は、基部110aと逆の側からスリーブ210を径方向に支持する。これにより、基部110a側の支持部130a、130bの復元力と、基部110b側の支持部の復元力とで、スリーブ210の配置位置をより調整できる。
【0035】
一方の基部110aに設けられた一対の支持部130a、130bのスリーブ210を支持する面の中心と、他方の基部110bに設けられた一対の支持部のスリーブ210を支持する面の中心とは、接近方向上に並ぶとより好ましい。
【0036】
スリーブ210が断面トラック形状を有する場合であって、スリーブ210のトラック方向が基部110a、110bの接近方向とずれている場合を考える。スリーブ210は、基部110a、110bの接近に応じて、そのトラック方向を接近方向に向く方向に位置調整される。すなわち、スリーブ210は、基部110a、110bの接近に応じて、支持部130a、130bと、他方の一対の支持部とからより強い復元力を受ける。
【0037】
支持部130a、130bおよび他方の一対の支持部は、中心の深い凹部を有している。スリーブ210は、支持部130a、130bおよび他方の一対の支持部のそれぞれから、対照に配置された円弧部分のそれぞれで支持される。基部110a、110bが接近する場合、支持部130a、130bおよび他方の一対の支持部のそれぞれは、凹形状に合わせて、スリーブ210の円弧部分をスライドさせる。
【0038】
そして、支持部130a、130bおよび他方の一対の支持部のそれぞれは、凹形状の中心に、スリーブ210の円弧部分のそれぞれをスライドさせる。支持部130a、130bのスリーブ210を支持する面の中心と、他方の一対の支持部のスリーブ210を支持する面の中心とは、接近方向上に並んでいるので、スリーブ210は、基部110a、110bの方向に、断面トラック方向を向けることとなる。
【0039】
これにより、断面トラック形状を有するスリーブ210の、基部110a、110bに対する傾きを調整することができる。すなわち、圧縮部120a、120bは、スリーブ210の径方向を圧縮できる。したがって、スリーブ210をより適切な方向から圧縮でき、電線の接続工事の施工品質を向上させることができる。
【0040】
また、上記実施形態に係るダイス100においては、一対の支持部130a、130bは、スリーブ210を圧縮する場合に圧縮部120a、120bと重ならない状態に掛渡され、剛性をもつ板状の掛渡部を有してもよい。たとえば、図3は、本発明の他の例に係る線形性の掛渡部を有するダイスを示し、図3(a)は、ダイスの上方図、図3(b)は、図3(a)におけるA−A’断面図を示す。
【0041】
本変形例において、圧縮部120a、弾性体150、および取付部160の作用および構成は図1から図2の実施形態と同一であるので、説明を省略する。支持部130a、130bは、圧縮部120aと重ならない位置に、掛渡部310a、310bを有する。基部110aは、支持部130a、130bの押し下げに応じて、掛渡部310a、310bの移動する位置に溝部320a、320bを有する。すなわち、基部110aは、掛渡部310a、310bの移動位置と、基部110aの重なる位置に溝部320a、320bを有する。
【0042】
これにより、一方の支持部130aが他方の支持部130bよりも押下されている場合に、剛性をもつ板状の掛渡部320a、320bは、他方の支持部130bへの弾性体150の付勢力の一部を、一方の支持部130aへの付勢力として伝える。それにより、スリーブ210は、圧縮部120aの圧縮方向がスリーブ210の径方向に向く位置に位置調整される。したがって、スリーブ210をより適切な方向から圧縮でき、電線の接続工事の施工品質を向上させることができる。
【0043】
また、上記実施形態に係るダイスにおいては、一対の支持部130a、130bは、圧縮部120aと近接または当接する位置に設けられてもよい。たとえば、図4は、本発明の他の例に係る支持部130a、130bを有するダイス100を示す。スリーブ210は、近接または当接する一対の支持部130a、130bで支持される。したがって、スリーブ210が圧縮部120aに圧縮される場合、スリーブ210は、支持部130a、130bにより少なくとも二点が支持される。これにより、スリーブ210が一対の支持部130a、130bのいずれかの方向に傾いた場合であっても、傾いた側の支持部により位置調整される。
【0044】
また、圧縮機は、両方の支持部130a、130bにスリーブ210を当接させることで動作するようにしてもよい。たとえば、支持部130a、130bに通電する。支持部130a、130bがスリーブ210を介して閉回路となった場合に、圧縮機は、スリーブ210を圧縮してもよい。これにより、スリーブ210の径方向と圧縮部120aの圧縮方向とが大きくずれている場合には、圧縮しない。したがって、スリーブ210をより適切な方向から圧縮でき、電線の接続工事の施工品質を向上させることができる。
【0045】
また、上記実施形態に係るダイス100においては、弾性体150のバネ定数をより大きくすることで、スリーブ210に与える復元力をより大きくしてもよい。これにより、スリーブ210の径方向と圧縮部120aの圧縮方向とをより一致させることができる。すなわち、スリーブ210が一方の支持部側に傾いた場合であっても、傾いた側の弾性体150は、復元力でスリーブ210の位置を調整できる。したがって、スリーブ210をより適切な方向から圧縮でき、電線の接続工事の施工品質を向上させることができる。
【0046】
また、上記実施形態に係るダイス100においては、支持部130a、130bは、段差を有していてもよい。この場合、支持部130aは、基部110bに対向する面から、支持部130bに対抗する面へのかぎ状の段差部を有してよい。支持部130bは、基部110bに対向する面から、支持部130aに対向する面へのかぎ状の段差部を有してよい。
【0047】
段差部は、基部110b側の面でスリーブ210を径方向から支持するのが好ましい。段差部は、支持部130aまたは支持部130bと対向する面で、スリーブ210の長手方向端部と当接するのが好ましい。支持部130a、130bは、圧縮部120aと接近する、または離脱する方向に動かないのが好ましい。
【0048】
スリーブ210の一部は、支持部130a、130bの段差部の内部に入れ込まれる。基部110a、110bの接近方向への移動に伴って、スリーブ210へ一方の支持部側に傾く力が加わった場合であっても、支持部130a、130bは、圧縮部120aと接近する、または離脱する方向に動かない。したがって、スリーブ210をより適切な方向から圧縮でき、電線の接続工事の施工品質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0049】
100 ダイス
110 基部
120 圧縮部
130a 支持部
130b 支持部
150 弾性体
160 取付部
210 スリーブ
220 電線
230 電線
310 掛渡部
320a 溝部
320b 溝部
500 圧縮機
510 ダイス取付部
540 スリーブ
600a ダイス
600b ダイス
620 圧縮部
630 基部
640 取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電線を通す筒形状のスリーブを圧縮することで、前記電線に前記スリーブを圧着するダイスであって、
対向配置される一対の基部を備え、前記基部のそれぞれは、対向する位置に、突出する圧縮部を有し、前記基部の少なくとも一方は、前記圧縮部を挟む位置に、前記基部から弾性体により付勢されて、前記圧縮部の突出と同じまたはより大きく突出する一対の支持部を有し、
前記一対の支持部が前記スリーブを径方向に支持しつつ、前記圧縮部が前記スリーブを圧縮することを特徴とするダイス。
【請求項2】
前記一対の基部のそれぞれは、前記一対の支持部を有し、前記一対の支持部の前記スリーブを支持する面は、前記スリーブの一部が入り込む、中心が深い凹形状を有し、
一方の基部に設けられた前記一対の支持部の前記スリーブを支持する面の中心と、他方の基部に設けられた前記一対の支持部の前記スリーブを支持する面の中心とは、接近方向上に並ぶことを特徴とする請求項1に記載のダイス。
【請求項3】
前記一対の支持部は、前記スリーブを圧縮する場合に前記圧縮部と重ならない状態に掛け渡され、剛性をもつ板状の掛渡部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のダイス。
【請求項4】
前記一対の支持部は、前記圧縮部と近接または当接する位置に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−14847(P2012−14847A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147178(P2010−147178)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】