説明

ダイヤルバックおよび最終投与量制御を備える注射ペン

医薬品注射ペンは、ハウジング(218)、投与量設定ノブを収納するためのハウジング(220)、主ねじ(226)、ドライバー(224)、セットバック部材(222)、および投与停止部材(228)を含んで提供される。投与量設定ノブ(220)は、所望の注射投与量を設定するために、前記ハウジングに関して回転可能(218)であり、および少なくとも1つの雌ねじ(291)を含む。主ねじ(226)は、それによって主ねじが対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能であるねじ山要素を含み、前記第1の方向は、カートリッジ(36)から医薬品を放出する方向である。ドライバー(224)は、前記主ねじ(226)に対して、それらの間の相対的な回転を防止するために、回転が固定され、前記ドライバー(224)は、第1の方向に回転可能であり、前記主ねじ(226)を回転させおよび前記第1の方向に前進させる。セットバック部材(222)は、それらの間の相対的な回転を防止するために、前記ドライバー(224)に対して回転が固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年12月1日に出願された米国仮特許出願第61/265,562号明細書および2010年6月4日に出願された米国仮特許出願第61/351,465号明細書の利益を主張し、それぞれその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本願は、設定投与量の改良されたダイヤルバック、および改良された最終投与量制御を含む、改良された機能性を備える多回投与医薬品の注射ペン装置に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術において、様々な医薬品注射ペン装置が知られている。これらの先行技術の装置は、時として、大き過ぎに設定されている投与量を使用者が修正することを可能にするための機構(features)を含み、これは「ダイヤルバック」と称される場合がある。先行技術の装置のいくつかによって提供されてもよい別の機構は、使用者がカートリッジ内の医薬品の残量よりも大きな投与量を設定することができないような、医薬品カートリッジの最終投与量を制御する能力(ability)である。この機構は、最終投与量制御または最終投与量管理と称される。これらの機構の両方は、そのようなペン装置の使用者によって望まれている:しかしながら、先行技術の装置は、これらの要求を満足のいくように満たさない。多くの先行技術の装置は、これらの機能のうちの1つを提供するかもしれないが、しかし両方ではない。さらに、先行技術の装置の多くは、ダイヤルバックを実施するために付加的なステップを必要とし、それらは使用者にとって煩わしく直感で理解できない。したがって、当技術分野において、ダイヤルバックおよび最終投与量制御のメカニズムの改良された機能性を一緒に医薬品注射ペンに提供する必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の例示的な実施形態は、少なくとも上記問題および/または不利点を対象とし、および少なくとも下記有利点を提供する。
【0005】
従って、本発明の第1の例示的な実施形態は、投与量設定ノブを収納するためのハウジング、主ねじ(leadscrew)、ドライバー、セットバック部材、および投与停止部材を含む医薬品注射ペンを提供する。投与量設定ノブは、所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能であり、および少なくとも1つの雌ねじを含む。主ねじは、それによって主ねじが対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能であるねじ山要素を含み、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である。ドライバーは、それらの間の相対的な回転を防止するために前記主ねじに対して回転が固定され、前記ドライバーは、前記主ねじを回転させおよび前記第1の方向に前進させるために第1の方向に回転可能である。セットバック部材は、それらの間の相対的な回転を防止するために前記ドライバーに対して回転が固定される。投与停止部材は、前記セットバック部材に対して回転が固定され、および前記投与量設定ノブの前記雌ねじとねじ係合した雄ねじを含み、前記投与停止部材は、投与量設定ノブが前記セットバック部材に関して回転可能であるとき、前記投与量設定ノブに関して軸方向に移動可能であり、およびここで、前記投与停止部材の軸方向移動は、使用者がカートリッジ内に残存する医薬品の注入可能な体積よりも大きい投与量を設定することを制限する。
【0006】
本発明の別の例示的な実施形態に従って、医薬品注射ペンは、投与量設定ノブを収納するためのハウジング、主ねじ、ドライバー、セットバック部材、および投与停止部材を含んで提供される。投与量設定ノブは、所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能である。主ねじは、それによって主ねじが対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能であるねじ山要素を含み、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である。ドライバーは、それらの間の相対的な回転を防止するために、前記主ねじに対して回転が固定され、前記ドライバーは、前記主ねじを回転させおよび前記第1の方向に前進させるために、第1の方向に回転可能である。セットバック部材は、それらの間の相対的な回転を防止するために前記ドライバーに対して回転が固定され、およびその上に雄ねじが備わっている。投与停止部材は、前記投与量設定ノブに対して回転が固定され、および前記セットバック部材の前記雄ねじとねじ係合した雌ねじを含み、前記投与停止部材は、投与量設定ノブが前記セットバック部材に関して回転可能であるとき、前記投与量設定ノブに関して軸方向に移動可能であり、およびここで、前記投与停止部材の軸方向移動は、使用者がカートリッジ内に残存する医薬品の注入可能な体積よりも大きい投与量を設定することを制限する。
【0007】
本発明のさらに別の例示的な実施形態に従って、医薬品注射ペンは、投与量設定ノブを収納するためのハウジング、主ねじ、ドライバー、セットバック部材、および投与停止部材を含んで提供される。投与量設定ノブは、所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能である。主ねじは、それによって主ねじが対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能であるねじ山要素を含み、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である。ドライバーは、それらの間の相対的な回転を防止するために、前記主ねじに対して回転が固定され、前記ドライバーは、前記主ねじを回転させおよび前記第1の方向に前進させるために、第1の方向に回転可能である。セットバック部材は、それらの間の相対的な回転を防止するために前記ドライバーに対して回転が固定される。投与停止部材は、前記投与量設定ノブに対して回転が固定され、および前記主ねじの前記ねじ山とねじ係合した雌ねじを含み、前記投与停止部材は、投与量設定ノブが前記セットバック部材に関して回転可能であるとき、前記投与量設定ノブに関して軸方向に移動可能であり、およびここで、前記投与停止部材の軸方向移動は、使用者がカートリッジ内に残存する医薬品の注入可能な体積よりも大きい投与量を設定することを制限する。
【0008】
本発明のさらに別の例示的な実施形態に従って、医薬品注射ペンは、投与量設定ノブを収納するためのハウジング、主ねじ、ドライバー、セットバック部材、およびクリック要素を含んで提供される。投与量設定ノブは、所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能である。主ねじは、それによって主ねじが対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能であるねじ山要素を含み、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である。ドライバーは、それらの間の相対的な回転を防止するために、前記主ねじに対して回転が固定されており、前記ドライバーは、前記主ねじを回転させおよび前記第1の方向に前進させるために、第1の方向に回転可能である。セットバック部材は、それらの間の相対的な回転を防止するために前記ドライバーに対して回転が固定される。クリック要素は、前記投与量設定ノブ と前記セットバック部材との間に位置付けられ、前記クリック要素は、前記投与量設定ノブの内面を係合させる第1のアーム部材、および前記セットバック部材の外面を係合させる第2のアーム部材を含み、ここで、前記第1および第2のアームのうちの1つは、前記投与量設定ノブが前記ハウジングに関して回転するとき、可聴信号を生成する。
【0009】
本発明のさらに別の例示的な実施形態に従って、医薬品注射ペンは、投与量設定ノブを収納するためのハウジング、主ねじ、ドライバー、およびセットバック部材を含んで提供される。投与量設定ノブは、所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能である。主ねじは、それによって主ねじが対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能であるねじ山要素を含み、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である。ドライバーは、それらの間の相対的な回転を防止するために、前記主ねじに対して回転が固定されており、前記ドライバーは、前記主ねじを回転させおよび前記第1の方向に前進させるために、第1の方向に回転可能である。セットバック部材は、それらの間の相対的な回転を防止するために前記ドライバーに対して回転が固定される。ハウジングは、前記ハウジング内の表面上に提供される可撓性の突起さらに含み、および投与量設定ノブは、 前記突起を係合して設定投与量の注射が完了すると可聴信号を生成する可撓性のタブ要素さらに含む。
【0010】
本発明の例示的な実施形態のさらなる目的、利点、および顕著な特徴は、添付図面、本発明の例示的な実施形態の開示事項と共に以下の詳細な説明から、当業者にとって明らかとなるであろう。
【0011】
本発明のいくつかの例示的な実施形態の上述のおよび他の例示的な特徴および利点は、添付図面と共に解釈するとき、そのいくつかの例示的な実施形態の以下の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンを描く図である。
【図2A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる例示的な構成要素の非組立図である。
【図2B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる例示的な構成要素の組立断面図である。
【図2C】本発明の例示的な実施形態において使用可能なペン針の非組立図である。
【図3A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる本体を示す図である。
【図3B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる本体を示す図である。
【図4A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる投与量設定ノブを示す図である。
【図4B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる投与量設定ノブを示す図である。
【図5A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるセットバック部材を示す図である。
【図5B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるセットバック部材を示す図である。
【図6A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるクリック要素を示す図である。
【図6B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるクリック要素を示す図である。
【図7】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるドライバーおよび主ねじの配置を示す図である。
【図8A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる投与停止部材を示す図である。
【図8B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる投与停止部材を示す図である。
【図9A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる主ねじブレーキを示す図である。
【図9B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる主ねじブレーキを示す図である。
【図10A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の注射連結機構を示す図である。
【図10B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の注射連結機構を示す図である。
【図11A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の主ねじブレーキおよびねじ付き挿入物の実施形態を示す図である。
【図11B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の主ねじブレーキおよびねじ付き挿入物の実施形態を示す図である。
【図11C】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の主ねじブレーキおよびねじ付き挿入物の実施形態を示す図である。
【図11D】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の主ねじブレーキおよびねじ付き挿入物の実施形態を示す図である。
【図11E】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の主ねじブレーキおよびねじ付き挿入物の実施形態を示す図である。
【図11F】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の主ねじブレーキおよびねじ付き挿入物の実施形態を示す図である。
【図12A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける注射終了のクリック音機構を示す図である。
【図12B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける注射終了のクリック音機構を示す図である。
【図12C】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける注射終了のクリック音機構を示す図である。
【図12D】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける注射終了のクリック音機構を示す図である。
【図12E】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける注射終了のクリック音機構を示す図である。
【図13】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける消音された注射クリック音機構を示す図である。
【図14A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける構成要素間の摩擦を低減させるための付加的な機構を示す図である。
【図14B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにおける構成要素間の摩擦を低減させるための付加的な機構を示す図である。
【図15A】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにカートリッジを結合させるための例示的な機構を示す図である。
【図15B】本発明の第1の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンにカートリッジを結合させるための例示的な機構を示す図である。
【図16A】本発明の第2の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる例示的な構成要素の非組立断面図である。
【図16B】本発明の第2の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる例示的な構成要素の組立断面図である。
【図17】本発明の第2の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるドライバーおよび主ねじの配置を示す図である。
【図18】本発明の第2の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる最終投与量制御機構を示す図である。
【図19A】本発明の第2の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の最終投与量制御機構を示す図である。
【図19B】本発明の第2の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる代替の最終投与量制御機構を示す図である。
【図20】本発明の第3の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる例示的な構成要素の組立断面図である。
【図21】本発明の第3の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる本体を描く図である。
【図22】本発明の第3の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる挿入物を示す図である。
【図23】本発明の第3の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるドライバーを示す図である。
【図24】本発明の第3の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられる投与量設定ノブを示す図である。
【図25】本発明の第3の例示的な実施形態に従う医薬品注射ペンに備え付けられるセットバック部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を通して、同様の参照符号は、同様の要素、特徴部、および構成を言及していることは理解されよう。
【0014】
本明細書中に例示される事項は、添付図面を参照して本開示の例示的な実施形態を大局的に理解するために提供されている。従って、当業者は、本明細書中に記載される例示的な実施形態への様々な変更および修正を、特許を請求する本発明の範囲および精神から逸脱することなく行うことができることを理解するであろう。また、よく知られている機能および構成の説明は、明確および簡潔のために割愛する。
【0015】
添付図面、特に図1を参照して、医薬品注射ペンが示され、および大まかに参照符号10で指定されている。医薬品注射ペン10は、インスリンおよびヒト成長ホルモンを含むがこれらに限られない、好ましくは性質が液体である様々な医薬品の投与のために使用されてもよい。用語「医薬品」は、例示的かつ非限定的な方法で、任意の目的のために患者に注射されてもよい任意の物質を言及するために使用される。
【0016】
医薬品注射ペン10は、頻回注射を施すために提供され、その投与量または量は、使用者によって設定されてもよく、および各注射のために変動してもよい。本開示の医薬品注射ペン10の例示的な実施形態は、その中の医薬品の供給量が使い尽くされたときに、使い捨て可能または再使用可能のいずれであってもよい。
【0017】
図2Aおよび2Bを参照して、例示的な実施形態において、医薬品注射ペン10は、一般に、キャップ12、カートリッジホルダー14、スピナー16、本体18、投与量ノブ20、セットバック部材22、ドライバー部材24、主ねじ26、投与停止部材28、双方向クリック要素30、主ねじブレーキ32、および押しボタン34を含む。
【0018】
カートリッジホルダー14は、医薬品カートリッジ36を収容するように形成され、任意の慣用のデザインのものであってもよい。非制限的な例の目的で、カートリッジ36は、その遠位端の弾性隔壁38、およびスライド可能プランジャー40を露出する開口近位端37を含んでいてもよい。医薬品は、隔壁38とプランジャー40との間のカートリッジ36内に含有される。以下により詳細に記載されるように、スピナー16は、プランジャー40を係合し、およびその遠位移動を推し進めて、カートリッジ36から医薬品を放出させるように構成される。スピナー16は、でスピナー16を主ねじ26に搭載するときに、主ねじ26の遠位端ビーズ部分27(図7)をスナップフィットまたは別の方式で係合するように形成された開口部(aperture)を含む。標準のペン針11(図2C)は、医薬品注射ペン10から医薬品を投与するために使用される。針は、当分野においてよく知られている、カートリッジホルダー14のねじ山42にねじ式に搭載される両端カニューレ5である。カニューレ5の1つの端は、患者への挿入のために露出され、一方で、カニューレの第2の端は、カートリッジ36の隔壁38を突き刺すように配置される。設定投与量の投与後、針11は取り除かれても良く、その場合には、隔壁38は自己シール性である。キャップ12は、スナップフィットまたは他の解除可能な係合などを用いて、カートリッジホルダー14上に解除可能に乗るように形成されて、隔壁38およびカートリッジホルダー14の周囲部分の汚染を制限する。弾力のある保持アーム13は、キャップ12から延在して、使用者のポケット、財布、または携帯用ケースに注射ペン10を維持するための保持力を提供する。また、カートリッジ36内に残る医薬品体積の可視指示を与えるために、1つまたは複数の窓15がカートリッジホルダー14に提供されていてもよい。
【0019】
例示的な注射ペンのペン針11の分解斜視図は、図2Cに示される。ペン針11は、カバー(外側シールド)1、内側シールド2、針カニューレ5、およびハブ3を含む。製造の際、針カニューレ5の近位端は、ハブ3の遠位(患者)端4の中心開口中に、針カニューレ5の遠位(患者)端の所定の長さが延在したままである状態まで、挿入される。針カニューレ5は、エポキシまたは接着剤によって、ハブ3の遠位端4内に固定される。使用者を負傷から、および針カニューレ5を損傷を受けることから保護する保護するために、内側シールド2は、針カニューレ5の露出部分を被覆する。内側シールド2の開口近位端は、針カニューレ5の露出部分を越えて位置付けられる。カバー1の開口近位端は、内側シールド2、針カニューレ5、およびハブ3を包む。カバー1の遠位端は、ペン針11の内側構成要素に対する汚染および損傷を防止するため、および使用前にそれを取り扱う可能性のある者に対する負傷を防止するために、閉口している。
【0020】
使用者がペン針を使用する準備ができているとき、ハブ3は、注射ペン10のカートリッジホルダー14のねじ山42にねじで留められ(図1、図2Aおよび図2B)、ならびにカバー1およびシールド2は、ハブ3/カニューレ5部分組立品から引っ張り動作によって別々に取り除かれる。内側シールド2の遠位端は、カバー1が取り除かれた後の針カニューレ5による偶発的な針の突き刺しから使用者を保護するために、閉口している。内側シールド2は、次いで取り除かれて、針カニューレ5を利用可能にする。
【0021】
図3Aおよび3Bを参照して、本体18は、一般的に円筒状であり、および本体18の内部を横切って延在する円筒状の仕切り(partition)または壁50を含み、それを貫いてチャンネル51が開口部52を含んで構成されている。円筒状壁50は本体18を2つの区画、図2Aおよび2Bに示されるような、複数の投与量設定用および注射用の構成要素を収納するための壁50の近位にある第1の区画、および主ねじブレーキ32を収納しおよびカートリッジホルダー14に接続するための壁50の遠位にある第2区画、に効果的に分割する。チャンネル51は、主ねじ26の対応するねじ山をねじ係合する雌ねじ54を含む。例示的な実施形態において、主ねじ26は非円形の横断面を備えており、その場合、開口部52は、それを通して主ねじ26の回転移動およびそれによる軸方向移動を可能にするように画定される。複数の第2のねじ山56は、以下にさらに説明するように、第1の区画内の本体18の内部に提供され、および投与量設定ノブ20に提供される対応するねじ山62とねじ係合する。本体18は、好ましくは、使用者が投与量設定ノブ20の外表面に示される設定投与量を見ることができるように、窓57を含む。以下にさらに説明するように、一連の角度が付けられた段または歯55が、チャンネル51の遠位端の周囲を囲むように本体18の第2区画の内部に提供される。歯55は、主ねじブレーキ32との単方向の連結の一部として提供されて、主ねじ26がチャンネル51を通って一方向のみに回転するのを可能にし、これにより、主ねじはカートリッジ36から医薬品を放出させる。例示的な実施形態において、本体18は、また、カートリッジホルダー14がその上にスナップフィットによって搭載されてもよい、円周のリブまたは溝(groove)58を含む。
【0022】
図4Aおよび4Bを参照して、開口近位および遠位端を備える一般的に円筒状の投与量設定ノブ20は、ノブ状の外観を画定する拡大された近位部分またはハンドル60が備えられている。ハンドル60は、使用者がハンドル60を確実に握って、注射のための医薬品の投与量を設定すること可能にする複数の溝61を含んでいてもよい。投与量設定ノブ20は、その外面に、好ましくは遠位端の近位に提供されおよび本体18の内部の対応するねじ山56をねじ係合する、少なくとも1つのねじ山要素62を含む。注射投与量は、使用者によって、投与量設定ノブ20を所定の方向に回転させることによって、設定される。本体18とのねじ係合によって、投与量設定ノブ20の回転は、本体18から離れおよび外へ延びる近位方向への投与量設定ノブの軸方向移動に変わる。本体18の外表面に提供されるのは、本体18に提供される窓57を通して見られる設定投与量を示す複数の投与指標(不図示)である。
【0023】
複数の半径方向に方向付けられた畝(ridge)63は、ハンドル60に隣接する投与量設定ノブ20の内部表面に円周に沿って提供される。畝63は、クリック要素30のクリックアーム81(図6A、6B)に提供される外側に方向付けられた歯止め(ratchet)要素82と共に、クリック手段の一部を提供する。畝63のそれぞれは、クリックアーム81が畝63を越えてスライドすることが可能とされておりしたがって可聴性および触覚性の信号を提供する一方向のみに、投与量設定ノブ20とクリック要素30との間の相対的な回転運動を可能とするように、傾斜したエッジおよび平らな面を含む。加えて、畝63の近位エッジは、その上に配置される複数の歯64を有する近位に面する表面を確定する。例示的な実施形態において、歯64は、セットバック部材22に配置される対応する歯74(図5Aおよび5B)と係合した場合のクラッチ機構の一部として含まれる。注射の間に押し合わされた場合に、歯64および74は、互いにロックし、したがって、以下にさらに記載されるように、セットバック部材22と投与量設定ノブ20との間の相対的な回転を防止する。加えて、投与量設定の間に、投与量設定ノブ20に提供される歯64は、棚として機能し、投与量設定ノブが回転し、および軸方向に本体18から外へ移動する際に、投与量設定ノブ20と一緒にセットバック部材74の軸方向移動をもたらす。また、投与量設定ノブ20は、実質的に内部表面に沿って、好ましくは開口遠位端から拡大された近位部分60まで延びて提供される複数の長手方向に延びるキーまたはスプライン65を含む。長手方向のスプライン65は、投与停止部材28の外部に提供された対応する溝95と係合して、投与量設定ノブ20と投与停止部材28との間の相対的な回転を防止するが、しかしそれらの間の相対的な軸方向移動を可能にする。
【0024】
セットバック部材22は、図5Aおよび5Bに示されるような、一般的に円筒状の長尺部材を含む。セットバック部材22の近位端の近くには、その外部表面に沿って間隔を空けた複数の畝73が提供される。例示的な注射ペン10が組み立てられる場合、セットバック部材22の畝73は、投与量設定ノブ20の内部表面に提供された畝63に面する。畝73は、クリック要素30の可撓性アーム83に提供される内側に方向付けられた歯止め要素84を係合する傾斜したエッジおよび平らな面を含む。同様に上述されるように、畝73は、内側に方向付けられた歯止め要素84が可聴性および触覚性の信号を提供する畝73を越えてスライドすることを可能とする一方向のみの、セットバック部材22とクリック要素30との間の相対的な回転運動を可能にする。セットバック部材22とクリック要素30との間の相対的な回転が可能とされた方向は、投与量設定ノブ20とクリック要素30との間の同様の係合によって可能とされた方向とは反対の方向であり、 その結果、投与量設定ノブ20とセットバック部材22との間の相対的な回転は、双方向である。
【0025】
クリック要素30を、図6Aおよび6Bを参照して説明する。示されるように、クリック要素30は、互いに対向して配置される複数の半径方向に可撓性のアーム81および83を含む円筒状の管状要素である。クリック要素30は、好ましくは、それぞれ投与量設定ノブ20およびセットバック部材22に提供される畝部分63、73の長さに似た長手方向の寸法を備えて構成される。可撓性アーム81は、投与量設定ノブ20の内部に提供される畝63に面するその自由端に提供される外側に方向付けられた歯止め要素82を含む。一方、可撓性アーム83は、セットバック部材22の外部に提供される畝73に面するその自由端に提供される内側に方向付けられた歯止め要素84を含む。投与量設定の間、クリック要素30は、セットバック部材22および投与量設定ノブ20の両方に関し、しかしそれぞれに対して一方向のみに、回転することが可能とされる。換言すれば、投与量設定の間、クリック要素30は、投与量を標準的に設定することまたは設定投与量を戻すことのどちらかのための相対的な回転の方向に応じて、可撓性アーム83および81のそれぞれによって、セットバック部材22または投与量設定ノブ20のうちの一方に対して回転がロックされる。投与量設定ノブ20が、畝63が外側に方向付けられた歯止め要素82を越えてスライドし、および可聴信号を生成させることができる方向に回転される場合は、クリック要素30は、そのような運動はクリックアーム83と畝73との間の係合によって防止されるので、セットバック部材22に関して回転運動しない。反対に、投与量設定ノブ20が反対方向に回転される場合は、外側に方向付けられた歯止め要素82は、畝63のうちの1つと係合し、クリック要素を投与量設定ノブ20と共に回転させる。この場合、内側に方向付けられた歯止め要素84は、ここで、セットバック部材の畝73を越えてスライドすることが可能とされ、これによって、可聴信号を生成する。
【0026】
上述のクリック要素30の例示的な構成は、セットバック部材22と投与量設定ノブ20との間の両方向の相対的な回転を可能とする。 そのようなクリック要素は、図6Aおよび6Bに描かれるデザインに制限されない。当業者にとって明らかであるように、上述されるセットバック部材22と投与量設定ノブ20との間の両回転運動を可能にする任意の同様の要素(単数、複数)が本実施形態に実装されていてもよい。
【0027】
図5Aに示されるように、セットバック部材22は、押しボタン34の内部空洞とスナップフィットするためのアダプター要素71を含む。押しボタン34は任意の慣用のデザインのものであるが、スナップ係合が押しボタンをアダプター要素71上で自由に回転させることができることが好ましい。あるいはまた、押しボタン34は、アダプター要素71と単一に形成されていてもよい。加えて、図5Bに示されるように、複数の長手方向に 延在するキーまたはスプライン75は、セットバック部材22の内側の円筒状表面に沿って提供される。スプライン75は、図7に示されるドライバー部材24の外部表面に提供される対応する長手方向の溝85を係合するように形成され、したがって、セットバック部材22とドライバー24との間の相対的な回転を防止し、同時に、それらの間の相対的な軸方向移動を可能にする。図7を参照して、ドライバー24は、主ねじ26のための通路86を提供する開口近位および遠位端を含む。例示的な実施形態において、通路86は、主ねじ26の非円形の横断面に対応する非円形の横断面を含み、したがって、それらの間の相対的な回転を防止する。ドライバー24は、投与量停止要素28(図8A)の内部表面に提供される少なくとも1つの可撓性タブ97とスナップ係合するために近位端に形成された円盤87を含む。スナップ係合により、ドライバー24は、投与量停止要素28に関して軸方向に固定され、それにもかかわらず、それに関して回転することができる。また、ドライバー24は、主ねじ26を係合するための内側に偏向された1つまたは複数の可撓性脚88を含んでいてもよい。可撓性脚88を、主ねじ26および開口部86の接合(mating)横断面間の任意の遊びを低減させるために提供して、例示的な注射ペン10の投与量正確度を向上させてもよい。
【0028】
図8Aおよび8Bを参照して、一般的に円筒状の投与量停止要素28は、最終投与量制御を可能にするために提供され、その結果、以下にさらに説明するように、カートリッジ36内に残存する医薬品の量よりも多い投与量は設定またダイアルアップできない。投与量停止要素28は、その外部表面に複数の長手方向の溝95を含む。溝95は、投与量設定ノブ20の内部に提供される対応するスプライン65と係合し、それによって、それらの間の相対的な回転を防止するが、しかし相対的な軸方向移動を可能とする。投与量停止要素28は、開口近位端91および開口遠位端92を有し、遠位端92は、好ましくは、直径が低減された部分を含む。開口遠位端92は、組み立てられたときに、主ねじ26の対応するねじ山25をねじ係合するために配置されたねじ山93を備えるねじ付き開口を画定する。近位端91は、空洞ハウジングセットバック部材22、ドライバー24、および主ねじ26を画定する。 可撓性タブ97は、開口遠位端92に隣接し、投与量停止要素28の内部に延在して提供される。凹部96または切り欠きは、可撓性タブ97がその中に撓むことができる範囲を画定する投与量停止要素の外部の円筒状壁に提供される。組立の間、ドライバー24は、開口近位端91内に挿入され、そうすると、ドライバー24の遠位端の近くに配置された円盤87が可撓性タブ97を係合し、およびそれらを円盤87が可撓性タブを越えて移動するまで凹部96内に外側に撓ませ、このとき、可撓性タブ97は、それらの初期位置に戻り、ドライバー24のための阻止表面を提供し、それらの間の相対的な軸方向移動を防止する。
【0029】
上記構成要素は、例示的な注射ペンの他の構成要素を係合しおよび相互接続するための特定の形態を含むものとして記載されているが、上記構成要素は、これらの特定の形態に限定されない。例えば、主ねじ26とドライバー24との間の相対的な回転を防止するための、記載した接合非円形横断面の代わりに、当業者は、それらの間の相対的な回転を防止するためのスプライン/溝係合を使用して同様の機能が提供されていてもよく、また、同時に、相対的な軸方向移動を可能にすることを理解されよう。 反対に、上述のスプライン/溝形態は、非円形接合配置または相対的な回転を防止すると同時にそれらの間の相対的な軸方向移動を可能にするための他の知られている形態と置き換えられてもよい。
【0030】
図9Aおよび図9Bを参照して、主ねじブレーキ32は、図9Bに示されるように、チャンネル51を取り囲むのに十分に大きい第1の直径を備える一般的に円筒状のハウジング部分90を含む。遠位方向に延在して、一対の壁部分92は、主ねじ26の非円形の横断面と接合する非円形の横断面を備える開口部93を画定して提供される。接合非円形開口部93のために、主ねじ26は、主ねじブレーキに関して回転することが防止される。さらに、主ねじブレーキ32は、本体18の内部に提供される歯止め歯55の円筒状リングを係合するように構成された一対の可撓性歯止めアーム94を含み、それらの間の単方向の連結を画定する。歯止めアーム94は、主ねじブレーキ32の、およびしたがって主ねじ26の回転を、本体18に関して一方向のみに可能にするように構成される。可能とされた方向は、主ねじ26を遠位方向のねじ付きチャンネル51を通って回転させて、医薬品を放出する方向である。注射の間、主ねじブレーキ32は、本体18に関して回転し、および歯止めアーム94は、歯55の傾斜したまたは斜面となった部分を乗り越えて、注射が行われたことを示す可聴性のクリック信号を生成する。主ねじブレーキの反対方向の回転は、歯止めアーム94の自由端に歯55の平らな面との係合をもたらし、これは、歯止めアーム94の歯止めに耐え、およびそれによって、この方向の相対的な回転を防止する。主ねじブレーキ32と歯55との単方向の連結により、主ねじ26望ましくない後方への運動が防止される。
【0031】
本明細書において、医薬品注射ペン10の例示的な実施形態の例示的な構造、形態、および特定の要素間の相互関係を説明してきたが、そのような例示的な医療ペン装置の目的とする機能をここに説明する。
【0032】
図2Aおよび2Bに示されおよび上述されたような例示的な実施形態の組み立てに続いて、所望の投与量を設定するために、患者または使用者は、投与量設定ノブ20の拡大された近位端60を、まず握りおよび回転させる。投与量設定ノブ20は、所望の投与量が本体18の窓57を通して示されるまで、本体18に関して多数回転回される。投与量設定ノブ20のねじ山62の本体の雌ねじ56とのねじ係合により、投与量設定ノブを本体の近位端からねじ出させて、それと共にセットバック部材22を実質的に同一の距離だけ運ぶ。また、投与停止部材28は、投与量設定ノブ20の内部に提供されるスプライン65と投与量停止部材28の外部に提供される溝95との間のスプライン/溝係合により、投与量設定ノブ20と共に回転させられる。投与停止部材28の回転は、投与停止部材のねじ山93と主ねじ26のねじ山25との間のねじ係合により、本体18に関して近位方向の投与停止部材の軸方向移動をもたらす。しかしながら、投与量停止要素28は、主ねじ26のねじ山25と本体18の内部ねじ山56とのピッチの違いにより、投与量設定ノブ20より軸方向に短い距離を移動する。
【0033】
設定投与量を増大させる通常の投与量設定の間、主ねじ26は、主ねじブレーキ32と本体18に配置される歯55との間の単方向の連結によって、本体18に関して投与量設定方向に回転することが防止される。セットバック部材22およびドライバー24は、スプライン/溝接続75/85によって互いに回転固定され、ドライバーは、主ねじ26の非円形の横断面とドライバー24の非円形開口部86との接合によって、主ねじに対して回転固定されるので、したがって、同様に、投与量設定の間の本体18に関する回転が防止される。ドライバー24の円盤87と投与停止部材28に提供された可撓性タブ97との間のスナップフィットにより、投与停止部材は、本体から近位方向にねじ出るので、ドライバー24は、軸方向に同一の距離だけ移動するが、しかし回転しない。
【0034】
セットバック部材22は、双方向クリック要素30によって投与量設定ノブ20に相互接続される。通常の投与量設定の間、投与量設定ノブ20は、クリック要素30に関して回転し、およびしたがって、可撓性アーム81上の外側に方向付けられた歯止め要素82を越えてスライドする投与量設定ノブ20の内部の溝63によって、可聴信号が提供される。可撓性アーム83の内側に方向付けられた歯止め要素84は、セットバック部材22に提供される畝73でロックされるので、外側に方向付けられた歯止め要素82は、畝63を越えて投与量設定方向にスライドする傾向があり、これは、そのドライバー24および主ねじ26との係合によってこの方向に回転できない。
【0035】
もし使用者が所望よりも多い量を最初に設定するならば、設定投与量は、「ダイヤルバック」すなわち投与量設定ノブ20を反対方向に単純に回すことによって低減されてもよい。投与量設定ノブ20のこの逆方向の回転は、これは注射方向であり、通常、主ねじ26の回転、およびしたがって、カートリッジ36内への主ねじの軸方向移動をもたらす。注射の間、主ねじ26の回転は、投与量設定ノブの歯64とセットバック部材22の歯74との間の連結によりもたらされ、これは、主ねじ26に対して間接的に回転固定される。しかしながら、ダイヤルバックの間、投与量設定ノブ20およびセットバック部材22は、歯64/74によって結合されず、および投与量設定ノブ20は、クリック要素30により、セットバック部材22に関してこの逆方向に回転する。投与量設定ノブ20の逆回転は、ここで、ダイヤルバックの間に、投与量設定ノブ20の内部の畝63を外側に方向付けられた歯止め要素82と係合およびロックさせて、クリック要素30をこの同一の方向に回転させる。内側に方向付けられた歯止め要素84は、ここで、セットバック部材22に提供される畝63を越えてスライドさせられ、それによって、投与量が低減されたことを示す可聴信号を生成する。主ねじブレーキ32と本体18との間の単方向の連結の間よりも、歯止め要素84と畝73との間に提供される摩擦の方が小さいので、歯止め要素84は、この方向に畝73を越えてスライドする傾向がある。換言すると、設定投与量をダイヤルバックするため必要とされる力は、主ねじブレーキ32の歯止めアーム94と本体18の歯55との間の摩擦を乗り越えるのに十分に大きくはない。
【0036】
所望の投与量が設定されると、および使用者が医薬品の設定投与量を注射することを所望すると、医療注射ペン10は、患者の皮膚へ当てられ、針カニューレ5を挿入する。ペン針11は、使用者の好みで所望の用量を設定する前または後に、カートリッジホルダー14のねじ部分42に取り付けられる。ペン針11がカートリッジホルダー14に取り付けられ、 および患者内へ挿入されると、押しボタン34が押し下げられる。使用者によって押しボタン34に加えられる軸方向の力は、セットバック部材22の歯74を投与量設定ノブ20の歯64と係合させて、セットバック部材22を投与量設定ノブ20とかみ合わせおよび回転させて、注射連結を形成する。加えられた力は、投与量設定ノブ20を(ねじ山56および62を介した本体18との非自動ロック式のねじ係合により)通常の投与量設定の間に生じる回転とは反対方向に回転させる。この回転は、ここで、セットバック部材22に、およびしたがって、ドライバー24に(スプライン/溝接続75、85により)与えられる。ドライバー24は、主ねじ26の非円形の横断面と接合するので、主ねじはまた、本体19に関して回転させられ、これは、主ねじのカートリッジ36内への軸方向移動に転換されて、投与量を放出する(主ねじのねじ山25と、本体18のチャンネル51に配置されたねじ山54との間のねじ係合による)。遠位方向への主ねじの軸方向移動は、スピナー16をプランジャー40に抗して促して、カートリッジ32から医薬品を放出させる。注射力は、主ねじブレーキ32内の摩擦力よりも大きく、したがって、主ねじブレーキは、注射の間、この方向への主ねじ26の回転を可能にする。主ねじブレーキ32が主ねじ26と共に回転する際に、対向して配置された歯止めアーム94は、本体18の内部に配置された歯55を越えてスライドして、注射が実施される際にクリック音を生成する。
【0037】
上述の投与量投与工程は、カートリッジ36内の医薬品が使い尽くされるまで、繰り返されてもよい。カートリッジ36から最終投与量を放出する前に、放出される最終投与量が使用者による投与量設定と一致することを保証することが望ましい。換言すると、使用者は、カートリッジ36内の医薬品の残存体積よりも多い量の投与量を設定することはできないであろう。この最終投与量制御は、投与量停止要素28に配置されたねじ山93が、主ねじ26の近位端のねじが付けられていない部分に対して当接するときに実現されて、主ねじ26の投与停止部材28のさらなる回転を防止する。これが起こると、窓57を通して読まれる投与量設定ノブ20の指標は、最後に残っているカートリッジ36内の医薬品の注入可能な体積を示す。投与停止部材28がさらに回転することが防止されると、投与量設定ノブ20は、同様に、投与量設定ノブ20と投与停止部材28との間のスプライン/溝係合65/95により、より大きな投与量を設定するためにこの方向にさらに回転することが防止される。
【0038】
投与量設定の間、投与停止部材28は、投与量設定ノブ20の回転数に基づいて、主ねじ26上でその相対的な位置を変化させる。投与量設定の間の投与停止部材28の軸方向移動は、注射の間に主ねじ26がカートリッジ36内に移動する際に、実質的に同一の距離だけである。主ねじ26の軸方向移動の長さ、およびしたがって、放出されるべき医薬品の体積は、1つには、主ねじのねじ山25および本体のねじ山54のねじ山ピッチによって決定され、これは、投与停止部材28のねじ山93のピッチと実質的に同一である。したがって、投与を通して、主ねじ26上における投与停止部材28の相対的な位置は、カートリッジ36内に残存する用量の量の指標である。投与停止部材は、主ねじ26上におけるその相対的な位置を、注射の間、投与量設定ノブ20とのそのスプライン/溝係合65/95によって維持する。注射の間、投与量が送られるノブ20、投与停止部材28、セットバック部材22、ドライバー24および主ねじ26は、共に、全て回転ロックされる。投与停止部材28のねじ山93および本体18のねじ山54は、実質的に同一ピッチのものであるので、投与停止部材28および主ねじ26の同時回転は、同一の軸方向移動をもたらす。したがって、注射の間、投与停止部材28は、主ねじ26に対して軸方向に移動せず、およびしたがって、主ねじに関するその相対的な位置を、投与量設定手順の間に決定されたままに維持する。最終投与量の投与の後、もし注射ペン10が再使用可能であるならば、カートリッジは交換することができ、一方、もしペンが使い捨てであるならば、ペン10全体が処分されてもよい。
【0039】
当業者によって理解されるであろうが、注射ペン10の機能を実質的に変更することなく、例示的な実施形態に対して様々な修正を加えることができる。例えば、そのような修正は、様々な構成要素の組立を容易にし、製造の複雑さを低減し、要素の数を低減し、または、いくつかの追加の改良された機能を提供するように加えられる。いくつかのそのような例示的な修正は、以下に説明される。
【0040】
1つの代替の実施形態において、セットバック部材22に配置された対応する歯74(図5Aおよび5B)と連結する注射器の一部として上述されている、投与量設定ノブ20上の歯64は、クリック要素30が無い場合に、投与量設定のクリック信号を生み出すことができる。同様の機能を備えるバネ要素または波型座金(wave washer)は、セットバック部材22の歯74を投与量設定ノブ20に提供される対応する歯64に向かって偏向させるために提供されてもよく、その結果、それらは一定のかみ合い係合の状態にある。バネの力は、しかしながら、投与量設定ノブ20とセットバック部材22との間の相対的な回転によって容易に乗り越えられ、これは、対応する歯64/74を互いに越えてスライドさせて、可聴性の触覚性の信号を生成する。
【0041】
別の例示的な実施形態において、代替的な注射連結は、図10に示される、修正された投与量設定ノブ20(歯64が除去されている)および修正されたセットバック部材22'の間に提供される。この実施形態において、投与量設定ノブ20の歯64およびセットバック部材22の対応する歯74に関して上述した注射連結は、セットバック部材22'の近位端の近くに提供された拡大表面101に置き換えられており、拡大表面101は、畝73に関してよりも大きな直径によって画定されている。クリック要素30は、拡大表面101上に同軸に位置付けられ拡大表面101を取り囲む第1表面102を含む。投与量設定の操作の間、クリック要素30は、セットバック部材22'上に位置付けられ、その結果、クリックアーム81および83は、それぞれ、自由に撓みおよび畝73および63を越えてスライドする。この実施形態において、投与量設定およびダイヤルバック機構は、変化していない。注射の間、しかしながら、使用者が押しボタン34に注射力を提供すると、セットバック部材22'は、投与量設定ノブ20の中、およびクリック要素30の中に押される。セットバック部材22'は、クリック要素30に向かって軸方向に移動するので、拡大表面101は、移動して、図10Bに示されるように、クリックアーム83と係合する。この位置において、クリックアーム83は、投与量設定ノブ内で半径方向内側に撓んで溝63を越えてスライドすることが防止され、したがって、クリック要素30を投与量設定ノブ20にロックする。投与量設定の間のセットバック部材22'に関するこの方向への投与量設定ノブ20の相対的な回転は、歯止めアーム83が畝63を乗り越えて設定投与量を低減させることを可能にしたであろう。しかしながら、注射の間、歯止めアーム83は、ここで、拡大表面101のブロック係合によって、畝63から離れて撓むことが防止され、およびしたがって、畝63を越えてスライドすることが防止される。従って、セットバック部材22'は、ここで、歯止めアーム83との非スライド係合によって投与量設定ノブ20に対して回転がロックされ、したがって、上述のように、設定投与量の注射を可能にする。
【0042】
別の実施形態において、例示的な注射ペン10は、さまざまな投薬ニーズを提供する注射ペンの製造を容易にするように修正されている。例えば、第1の医薬品を投与するための注射ペンは、別の医薬品の用量制御よりも厳格な用量制御のためのより細かい投薬インターバルを要求してもよい。上述の例示的な注射ペンの同一の投与量設定および注射機能を利用するために、様々な投薬ニーズを満たす互換性のより高い複数のペンを提供することができることが望まれ、それにより、多数のそのようなペンを製造する複雑さを低減させる。
【0043】
1つのそのような修正は、図9Bに説明される形態に対して加えられて、図11Aに示されるように、主ねじブレーキ32に提供される歯止めアーム94を、本体18に提供される歯止め歯55と交替させる。示されるように、本体18'は、ここで、歯止めアーム111を含み、および主ねじブレーキ32'は、ここで、歯112を含む。歯止めアーム111と歯112との間の係合は、先の形態において説明されるように、同様の単方向の機能を提供するように働く。この代替の形態における主ねじブレーキ32' は、投薬インターバルの所望の変更によって必然的に生じる所望の注射クリックインターバルの変更を容易にする。例えば、主ねじブレーキ32'の相対的な回転によって実現される注射クリックは、好ましくは、投与量増大に相当し、および、歯112の間隔に関連する。もし投与量増大が変更されて、より大きいまたはより小さいインターバルを有するならば、前の形態において見られる所望の間隔の歯55を備える新しい本体18を提供するのとは対照的に、示されるように、対応する間隔の歯112を有する主ねじブレーキが、注射ペンに組み立てられる。より小さい主ねじブレーキ32は、本体18よりも製造するのが容易および低コストであり、およびしたがって、本体18を置き換えるのとは対照的に、修正された注射ペンにおいて、主ねじブレーキ32を置き換えるのが都合がよい。
【0044】
もし投与量の割合(rate)を増大または低減することを望むならば、図11B〜11Fに示されるさらなる修正は、主ねじのねじ山ピッチのより容易な変更を可能にする。例えば、主ねじ26のねじ山25は、より大きなピッチを含むように修正されてもよく、その結果、主ねじの同一回転数は、カートリッジ36内への主ねじのより大きな軸方向移動およびしたがって、より大きな投与量体積をもたらす。前の形態において、もし主ねじ26のねじ山25が修正されるならば、本体のねじ山54も、したがって同様に修正される。図11Bに示される追加の修正は、仕切り壁50およびチャンネル51の形態を、例示的な実施形態(図3A参照)のその上に配置されるねじ山54と置き換える挿入物114を提供する。挿入物114は、その上に配置される歯止めアーム115を備えるナット状要素である。挿入物114は、それを通して開口部119を備える壁118を含む。開口部119は、その内部に配置されるねじ山117を備える円筒状のチャンネル116によって画定される。本体18”は、ここで、挿入物114の近位表面と係合して本体18”中への挿入物114の軸配置を決定する接触面を形成する棚または出っ張り(ledge)121を含む。棚121は、挿入物114の近位面上の対応する凹部120を係合するように構成された少なくとも1つの突起部材122を含む。突起122と凹部120との間の係合は、挿入物114と本体18”との間の相対的な回転運動を禁止する。代替的に、任意の同様のキー/溝型構造を提供して、挿入物114と本体18”との間の相対的な回転運動を制限してもよい。
【0045】
また、挿入物114は、本体18”内の棚121に対する挿入物114の位置を維持するための付加的な成形ばね形態124を備えていてもよい。また、成形ばね形態124は、図11Fに示されるように、カートリッジ36を押し付けて、注射前に針5がカートリッジの隔壁38内に挿入されるとき、カートリッジが移動するのを防止する。本形態は、投与量注射により高い精度を提供し、医薬品の望ましくない消費を防止する。先行技術の注射ペンにおいて、カートリッジは、この操作の間、近位方向にわずかな距離移動することが可能とされてもよいが、医薬品の少量の廃棄物または「よだれ」をもたらす。
【0046】
別の例示的な実施形態において、注射終了のクリックまたは信号は、遠位方向に延在する投与量設定ノブ20'の遠位端の近くの半径方向に可撓性な脚128を含む、修正された投与量設定ノブ20'によって提供される。可撓性脚128は、図12Bに示され、本体18の仕切り壁50の近位表面に配置された、角度付けられた突起130と相互作用する。角度付けられた突起130は、好ましくは、仕切り壁50に、本体18の内部表面からさらに遠く間隔を空けた端である1つの端のみで固定される。投与量ゼロの位置において、投与量設定ノブ20'が仕切り壁50と当接するとき、可撓性脚128は、突起130の近くに位置付けられるが、しかし接触した係合ではない。所望の投与量を設定する際に、投与量設定ノブ20'は回転されるので、可撓性脚128は、図12Cに示されるように、角度が付けられた突起130と本体18の内部表面との間を移動する。角度が付けられた突起130は、本体18の内部表面に最も近い端で仕切り壁50に対して固定されないので、角度が付けられた突起は、半径方向に撓んで、それらの間に可撓性脚の通路を与え、おおび投与量設定の間に突起を最初に乗り越えるための摩擦を低減させる。可撓性脚128が突起130の後ろを通過すると、投与量設定ノブ20'の継続する回転は、仕切り壁50から離れる投与量設定ノブの軸方向移動をもたらし、その結果、可撓性脚128は、もはや突起130と相互作用しない。投与量の通常の設定は、ここで実施される。
【0047】
設定投与量が注射される際に、投与量設定ノブ20'は、本体18内にねじ戻り、および仕切り壁50に向かって移動する。注射がその終わりに近づく際に、可撓性脚128は、再度、図12Eに示されるように、突起130を係合する。今回は、可撓性脚128は突起130に当接するので、突起130と本体18の内部表面との間を通過することはできない。ここで、可撓性脚128は、半径方向内側に撓まされて、可撓性脚128が突起130の端を越えるまで突起130を越えてスライドし、その時点で、可撓性脚128は、本体18の内部表面に対してスナップして、可聴性および触覚性の信号を提供する。その時点で、設定投与量は、完全に送達され、および注射ペンは、投与量ゼロの位置にある。
【0048】
1つの形態において、投与量終了のクリックは、図9に関して上述の主ねじブレーキ32によって提供される注射クリックと区別可能な明確な信号として提供されてもよい。しかしながら、別の形態において、注射クリックは消音され、および使用者は可撓性脚128と突起130との間に提供される注射終了のクリックのみを感知する。注射クリックを消音するための1つの方法は、図13に示されるように、本体18に提供される歯止め歯55を、ゴム状リングまたはブレーキ134で置き換えることである。注射の間、主ねじブレーキ32は、本体18に関し依然として回転するが、しかし、本形態において、歯止めアーム94は、ゴムブレーキ134の表面に沿って、可聴性または触覚性の信号を提供することなく、スライドする。ゴムブレーキ134は、接着剤または他の構造を用いて本体18に対して固定されており、その結果、それは本体18に対して回転せず、およびしたがって、依然として、主ねじブレーキ32との単方向の連結として機能することができる。主ねじブレーキ32の歯止めアーム94は、好ましくは、図9Bで論じた実施形態と同様に、ゴムブレーキ134を把持するように勾配が付けられまたは別なやり方で構成されて、それらの間の相対的な回転を防止する。加えて、当業者は、ゴムブレーキ134が、図11Aおよび図11Bにおいて同様に論じたように修正されてもよいことを理解するであろう。
【0049】
別の例示的な形態において、要素(単数または複数)は、互いに対して回転する要素間、または互いに関して軸方向に移動する要素間の摩擦を除外または低減することによって、例示的な注射ペン10の機械効率を向上させるために、加えられる。望ましくない摩擦を伴う1つの特定の係合は、押しボタン34とセットバック部材に提供されるアダプター要素71との間である。投与量設定および注射の間、押しボタン34は、好ましくは、アダプター要素71上を自由に回転する。例示的な実施形態において、図5Aに部分的に示されるように、アダプター要素71は、セットバック要素22の回転軸の中心に提供されるポイント77を含む。このポイント77は、その回転中心の近くの押しボタン34と接触する。回転中心またはその近くのこれらの要素間にそのような接触面を提供することは、相対的な回転の間のこれらの要素間の摩擦トルクを低減させ、およびそれによって効率を増大させる。セットバック部材22と押しボタン34との間の摩擦をさらに低減させるために、1つの形態は、図14Aに示されるように、押しボタン34の内部表面とアダプター要素71の表面との間に位置する少なくとも1つの回転ボール(すなわち、ボールベアリング)140を含む。回転ボール140は、係合する要素間の滑り摩擦を低減された転がり摩擦に転換するように機能する。図14Bに示される別の形態において、同一の極性を有する一対の磁石142aおよび142bが、互いに面する隣接接触面上に提供される。例えば、第1の磁石142aは、押しボタン34の内部に提供され、一方、第2の磁石142bは、第1の磁石に面してアダプター要素71の接触面に提供される。磁石142aおよび142b間の同一の極性のために、結果として生じる反発力は、これら2つの表面間の接触力を低減させ、したがって、医薬品を注射するために必要とされる押す力に影響を及ぼすことなく、それらの間の摩擦を低減させる。当業者は、上記の方法は、組み合わせて実施してもよいことを理解するであろう。さらに、そのような方法は、機械効率をさらに向上させるために、線状接触面または回転に関する接触面を備える任意の2つの構成要素間で実施してもよい。
【0050】
上述の例示的な形態は、再使用可能なまたは使い捨てのペンとして提供されてもよい。使い捨ての実施において、カートリッジホルダー14および本体18は、好ましくは、不可逆的に組み立てられる。1つの形態において、図3Aに関して説明したように、カートリッジホルダー14に提供された円周のリブは、スナップして、本体18の溝58と係合する。図15Aに示される別の形態において、ねじ付き挿入物114は、カートリッジホルダー114に提供される凹部126とスナップフィットするための少なくとも1つのタブ125を含んでいてもよい。図11Bおよび11Cに関して説明したように、ねじ付き挿入物114は、本体18に対して軸方向および回転方向の両方において固定されるので、ねじ付き挿入物114に対するカートリッジホルダー14のスナップ係合は、カートリッジホルダーと本体との間の相対的な回転を防止する。
【0051】
図15Bに示される好ましい形態において、カートリッジホルダー14および本体18は、カートリッジホルダー14と本体18との間の確実なねじ連結を提供する1組のねじ山151および152を含む。加えて、カートリッジホルダーおよび本体のうちの一方は、スナップ154を含み、および他方は、スナップ154を係合するための凹部156を含む。スナップ/凹部係合は、好ましくは一方向性のラジアルスナップである。したがって、本体18およびカートリッジホルダー14が一緒にねじ込まれると、スナップ154は移動して凹部156と係合し、それらが一緒にスナップして、カートリッジホルダー14と本体18との間の遊びが最低限であるか無い状態で、確実で不可逆の接続を提供し、それによって、投与量注射の正確さを増大させ、および医薬品の浪費を低減/除去する。
【0052】
上述の説明を考慮して、同様の構成要素および機能を含む同様の例示的な実施形態は、図16Aおよび16Bに示される。図16Aおよび16Bに示される構成要素は、特に断りの無い限り、上述のものと同様の機能を有し、およびしたがって、本明細書中ではそれらの詳細な説明は割愛されている。本形態において、本体218は、図11Bおよび11Dに示される本体18”と同様である。壁250に近位の本体218の内部によって画定される第1の区画は、投与量設定ノブ220、セットバック部材222、投与停止部材228、ドライバー224、および主ねじ226を収容する。壁250に遠位の本体218の内部によって画定される第2区画は、ねじ付けられたドライブ挿入物233およびドライバー224の遠位端225を収容する。壁250は、ドライバー224の主要円筒状本体に適合するように寸法付けられた開口部を備えるが、しかし、図16Bに示されるような拡大された遠位端225を備えず、したがって、本体218に対してドライバー224を軸方向に適合させる。
【0053】
本形態において、主ねじ226は、図17に示されるように、円形の横断面を有し、およびキー/溝係合を介してドライバー224に対して回転可能に固定される。主ねじ226の近位端は、ドライバー224の内部に提供された長手方向の溝223に係合するキー217を含む。このキー/溝係合を介して、主ねじ226は、ドライバー224に対して回転が固定されるが、しかし、それに対して軸方向に移動することができる。ドライバー224は、セットバック部材222の内部に提供された内部キーまたはスプライン275を係合する長手方向の溝285を含んでおり、それに対してドライバー224の回転をロックする。ドライバー224は、ここで、その上に円周方向に配置されたリングまたは歯255を備える拡大された遠位端225を含み、および図11Aおよび11Bにおける歯が付けられた主ねじブレーキ32'と同様に機能する。遠位端225は、図9Bおよび11Bに関して同様に上述したように、ねじ付き挿入物233と共に単方向の連結の部分を含む。ねじ付き挿入物233は、その上に配置されたねじ山を備える開口部を含み、これは、図11Cの挿入物114と同様に、主ねじ226の対応するねじ山に対してねじ結合される。
【0054】
本形態において、最終投与量制御は、図18に示されるような、修正された投与停止部材228によって提供される。投与停止部材228は、その外部表面に配置され、および投与量設定ノブ220に配置されたねじ山291に対してねじ係合された一連のねじ山290を備えるリング結合構造を含む。投与停止部材228は、示されるように、投与停止部材228の内部表面に提供される対応する畝272によって、セットバック部材222に対して回転が固定され、これはセットバック部材に配置された同様の畝273とかみ合う。この形態において、投与量設定ノブ220が、所望の投与量を設定しまたは多すぎる投与量を低減させるために回転される際に、投与停止部材228は、投与量設定ノブに配置されたねじ山291内に、設定投与量に関連する量だけねじ込む。注射の間、投与停止部材228は、セットバック部材228は投与量設定ノブ220に対して回転が固定されるので、ねじ山291に関してその相対的な位置を維持する。したがって、投与停止部材228および投与量設定ノブ220は、一緒に回転し、ならびにそれらの間に相対的な移動はない。投与停止部材228がねじ山291の端部ねじ山にねじ込むと、さらに回転することが妨げられ、およびしたがって、より大きい投与量を設定するための投与量設定ノブのさらなる回転も、同様に、妨げられる。そのような出来事は、カートリッジ内に残存する医薬品の最終投与量の発生を示す。
【0055】
注射のための所望の投与量を設定するために、使用者は、投与量設定ノブ220を回転させる。上述の形態において同様に記載されるように、設定投与量の可聴性のクリック音は、セットバック部材222の歯274と一体となった投与量設定ノブ220の歯264のスリップによって提供される。歯264および274は、押しボタン234内に提供されるバネ要素233によって、かみ合わせ係合に保持される。先の形態と同様に、使用者が押しボタン234を押して投与量を注射するとき、セットバック部材222は、歯264および274の間の係合を介して、投与量設定ノブ220に対して回転がロックされる。セットバック部材222は、ここで、投与量設定ノブが本体218内にねじ戻る際に、投与量設定ノブ220と共に回転する。セットバック部材222の回転は、主ねじ226を回転させるドライバー224に転換される。主ねじ224は、固定されたねじ付けられたドライブ挿入物233を通して回転し、およびカートリッジ内へ投与量を放出する。ドライバー225がこの方向に回転する際に、ねじ付けられたドライブ挿入物233に配置された歯止めアームを越えて歯255がスリップするので、歯255の遠位リングは注射クリック音を提供する。
【0056】
別の形態において、最終投与量制御は、同様に、図19Aに示されるような、修正された投与量停止要素328を備える。投与量停止要素328は、その内部表面に配置された一連のねじ山を備える半ナット状の部材であり、ねじ付けられたセットバック部材322に提供されたねじ山332をねじ係合する。投与量設定ノブ320は、投与量停止要素328の長さと実質的に同一の距離だけ円周方向に互いに間隔を空けた、2つの長手方向に延在するリブまたはスプライン330を含む。スプライン330は、投与量停止要素328の対応するエッジを係合して、投与量停止要素を投与量設定ノブ320に対して回転ロックする。投与量の設定の間、投与停止部材328は、セットバック部材322のねじ山332上にねじ込まれ、その相対的な位置は、カートリッジ内の医薬品の残存体積を示す。投与停止部材328が、投与量設定ノブ320およびセットバック部材322のいずれかのねじ山332の端部または固定された止め具に到達したとき、投与量停止要素328 はさらに回転されることが防止され、およびしたがって、投与量を、カートリッジ内に残存する投与量に制限する。
【0057】
同様の操作原理を用いるさらに別の実施形態を、図19Bに示す。この実施形態において、投与量停止要素428は、その外表面に沿ってねじ山427を備えてねじが切られている。投与量設定ノブ420の内表面は、投与停止部材428のねじ山427と一定の係合を維持するのに十分な長さを有する、その上に配置された少なくとも1つのねじ山を備える。セットバック部材422は、互いに円周方向に間隔を空けた2つの長手方向に延在するリブまたはスプライン430を投与量停止要素428の長さと実質的に同一の距離だけ含む。スプライン430は、投与量停止要素428の対応するエッジを係合して、投与量停止要素をセットバック部材422に対して回転ロックする。本形態におけるセットバック部材422の外表面は、実質的に滑らかな表面を備え、その上の投与量停止要素428の軸方向移動を可能にする。本形態において、最終投与量の体積は、投与量停止要素428がセットバック部材422に関して移動を軸方向にそれ以上進めることが妨げられたときに示される体積である。投与量停止要素428の軸方向移動は、要素428の第1のエッジが、投与量設定ノブ420内またはセットバック部材422上の固定された止め具と当接したときに妨げられる。
【0058】
上記記載を参照して、同様の機能を含む注射ペンのさらに別の例示的な実施形態は、図20に示される。断面図に示されるように、本形態における例示的な注射ペンは、主要部本体518、投与量設定ノブ520、セットバック部材522、ドライバー524、主ねじ526、投与停止部材528、および挿入物530を含む。本体518は、図21に示されるように修正される。示されるように、仕切り壁550に対して遠位の本体18の側壁の1つの端に取り付けられた、少なくとも1つの歯止めアーム555は、内側に方向付けられており、および好ましくは、その自由端に一連の畝または歯557を備える。歯557は、図22に示されるような、挿入物530の外表面に配置された歯595と係合する。歯557は、カートリッジホルダーが本体18に取り付けられるとき、歯止めアーム555の外表面に提供される突起559を係合するカートリッジホルダーにより、挿入物530の歯595と係合させられる。カートリッジホルダーが本体518に取り付けられたとき、挿入物530は、強制的な歯による係合により、両方向への回転が妨げられる。注射ペンを再使用するためになど、カートリッジホルダーが取り除かれたとき、注射ペンの後続の使用のために主ねじを再装填するために、歯止めアーム555は、自由に歯止めでき、および挿入物530と本体518との間の相対的な回転が可能である。挿入物530は、主ねじの同様の非円形の横断面を接合するための非円形の横断面を備える開口部531を含み、それらの間の相対的な回転を防止する。複数の歯556は、仕切り壁550に対して近位の本体518の内部表面に沿って円周方向に提供される。歯556は、以下にさらに説明される図23に示されるように、ドライバー524の遠位端の近くに提供された歯止め要素586を係合する役目を果たす。
【0059】
図23に示されるように、ドライバー524は、それを通る主ねじ526の通路を可能にする、開口遠位および近位端を備える長尺の円筒状部材を含む。ドライバー524は、ドライバー524とセットバック部材522とを一緒に回転連結するための、セットバック部材522の内部の対応する溝を係合するために近位端の近くに提供された複数のスプライン583を含む。一対の突起585は、仕切り壁550の後方で本体518とスナップ係合するために、ドライバー524の遠位端の近くに提供される。このスナップ係合は、ドライバー524と本体518との間の相対的な軸方向移動を妨げ、同時に、それらの間の相対的な回転運動を可能にする。ドライバー524は、主ねじ526の対応するねじ山とねじ係合するための、内部表面に提供された少なくとも1つのねじ山要素582を含む。以下にさらに記載するように、設定投与量を注射するために主ねじ526を遠位方向に軸方向に移動させるのは、このねじ山の係合である。
【0060】
図24に示されるように、投与量設定ノブ520は、上記形態に類似する、投与量設定ノブの雌ねじをねじ係合する外部ねじ山562を備える長尺の円筒状部材である。本形態において、投与量設定ノブ520は、図25に示されるように、セットバック部材522の外表面に提供される複数の畝573を係合するために、その遠位端の近くに提供される少なくとも1つの歯止めアーム564を含む。歯止めアーム564は、セットバック部材522に提供される畝573を超えて両方向の歯止め要素のスリッピングを可能にするために、丸みを帯びた突起565を含み、通常の投与量設定およびダイヤルバックの両方の間、可聴性のクリック信号を提供する。また、投与量設定ノブ520は、示されるように、投与量設定ノブの内部表面に沿って円周方向に提供される複数の歯563を含む。投与量設定の間、歯563は、図25に示されるように、セットバック部材の外表面の凹部576内に位置する。歯563は、本形態において、投与量設定ノブ520をセットバック部材522に回転ロックさせるための注射連結としての役目を果たす。別の形態において、注射連結は、図4Aおよび5A(歯64および74)に示される第1の形態に関して同様に論じたように、セットバック部材522上に提供される1組の係合歯と投与量設定ノブ520との間であってもよい。投与量設定ノブ520は、投与停止部材528のねじ山590とねじ係合するために、その内部表面に沿って提供される複数のねじ山591を含む。
【0061】
図20〜25の特定要素の例示的な構造、形態、およびそれらの間の相互関係を説明してきたが、そのような例示的な注射ペンの目的とする機能は、これから記載される。上記形態と類似する特定要素および形態の検討は、本明細書において割愛される。
【0062】
注射のための所望の投与量を設定するために、使用者は、投与量設定ノブ520を第1の方向に回転させる。投与量設定ノブ520とセットバック部材522との間の相対的な回転は、畝573と歯止め要素564、565との間の係合により、一連の投与量設定クリックを生成する。もし多すぎる投与量が使用者によって設定されたならば、使用者は、投与量設定ノブ520を第2の、反対方向に回転させて、設定投与量をダイヤルバックすることができる。投与量設定の間、投与量設定ノブは、セットバック部材522に関して第1および第2の方向の両方に自由に回転することができる。設定投与量を注射するために、使用者は、押しボタン34を押し、これはセットバック部材522を遠位方向に押し進め、およびセットバック部材上の畝573を、投与量設定ノブ上に提供された歯563と係合させる。投与量設定ノブ520およびセットバック部材522は、ここで、互いに関して回転が固定される。ここで、投与量設定ノブは本体518中に回転して戻るので、セットバック部材522もまた、回転を引き起こし、ドライバー524をそれと共に回転させる。主ねじは、その挿入物530との接合係合により、本体518に関して回転することが防止され、これにより、上述のようにカートリッジホルダーが本体518に対して取り付けられるとき、本体518に対して回転が固定される。主ねじ526は、回転が固定されるので、ドライバー524と主ねじ526との間の相対的な回転は、主ねじ526をカートリッジ内に軸方向へ移動させて、ドライバー524に提供されるねじ山582とのねじ係合により、設定投与量を放出させる。注射の間、ドライバー524は、本体518に対して回転するので、歯止めアーム586は、本体518の内部に提供された歯556をそれらが乗り越える際に、注射クリック信号を提供する。本形態において、最終投与量制御は、図18に関して記載されるのと同様に実施されて、使用者が投与量をカートリッジ内に残存する医薬品の残存体積よりも大きく設定することを防止する。
【0063】
本発明は、特定の実例的な実施形態を参照して、示されおよび記載されているが、例示的な実施形態によって制限されるべきではなく、しかし添付される特許請求の範囲およびその均等物によってのみ制限される。当業者は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、例示的な実施形態を変更または修正することができることは評価されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング;
少なくとも1つの雌ねじを含み、および所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能である投与量設定ノブ;
ねじ山要素を備え、および対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能な主ねじであって、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である主ねじ;
それらの間の相対的な回転を防止するために前記主ねじに対して回転が固定されるドライバーであって、第1の方向に回転可能であり、前記主ねじを回転させ、および前記主ねじを前記第1の方向に前進させるドライバー;
それらの間の相対的な回転を防止するために、前記ドライバーに対して回転が固定されるセットバック部材;および
前記セットバック部材に対して回転が固定され、および前記投与量設定ノブの前記雌ねじとねじ係合した雄ねじを含む投与停止部材であって、投与量設定ノブが前記セットバック部材に関して回転可能であるとき、前記投与量設定ノブに関して軸方向に移動可能である投与停止部材、
を含み、ここで、前記投与停止部材の軸方向移動は、使用者がカートリッジ内に残存する医薬品の注入可能な体積よりも大きい投与量を設定することを制限する医薬品注射ペン。
【請求項2】
前記投与停止部材は、前記セットバック部材に提供された一対の長手方向に延在するリブの間で、前記セットバック部材と回転結合することを特徴とする請求項1に記載の医薬品注射ペン。
【請求項3】
前記投与停止部材は、前記セットバック部材上に位置する部分的なナットを、前記長手方向に延在するリブの間に含むことを特徴とする請求項2に記載の医薬品注射ペン。
【請求項4】
前記投与停止部材は、セットバック部材に対して、前記投与停止部材の内部表面に提供される対応する畝と前記セットバック部材の外部表面との間の係合を介して、回転結合されることを特徴とする請求項1に記載の医薬品注射ペン。
【請求項5】
前記投与停止部材の軸方向移動は、投与停止部材の第1のエッジが前記投与量設定ノブまたはセットバック部材の固定された止め具に当接するとき、制限されることを特徴とする請求項3または4に記載の医薬品注射ペン。
【請求項6】
ハウジング;
所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能な投与量設定ノブ;
ねじ山要素を備え、および対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能な主ねじであって、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である主ねじ;
それらの間の相対的な回転を防止するために、前記主ねじに対して回転が固定されるドライバーであって、第1の方向に回転可能であり、前記主ねじを回転させ、および前記主ねじを前記第1の方向へ前進させるドライバー;
外部ねじ山要素を備え、およびそれらの間の相対的な回転を防止するために、前記ドライバーに対して回転が固定される、セットバック部材;および
前記投与量設定ノブに対して回転が固定され、および前記セットバック部材の前記雄ねじとねじ係合する雌ねじを含む投与停止部材であって、投与量設定ノブが前記セットバック部材に関して回転可能であるとき、前記投与量設定ノブに関して軸方向に移動可能である投与停止部材、
を含み、
およびここで、前記投与停止部材の軸方向移動は、使用者がカートリッジ内に残存する医薬品の注入可能な体積よりも大きい投与量を設定することを制限することを特徴とする医薬品注射ペン。
【請求項7】
前記投与停止部材は、部分的なナットを含み、および前記投与量設定ノブ上に提供される一対の長手方向に延在するリブの間で、前記投与量設定ノブに対して回転が固定されることを特徴とする請求項6に記載の医薬品注射ペン。
【請求項8】
前記投与停止部材の軸方向移動は、投与停止部材の第1のエッジが前記投与量設定ノブ上または前記セットバック部材上の固定された止め具に当接するとき、制限されることを特徴とする請求項7に記載の医薬品注射ペン。
【請求項9】
ハウジング;
所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能な投与量設定ノブ;
ねじ山要素が備えられ、および対応するねじ係合を介して第1の方向に前進可能である主ねじであって、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である主ねじ;
それらの間の相対的な回転を防止するために前記主ねじに対して回転が固定されるドライバーであって、第1の方向に回転可能であり、前記主ねじを回転させ、および前記主ねじを第1の方向に前進させるドライバー;
それらの間の相対的な回転を防止するために、前記ドライバーに対して回転が固定されるセットバック部材;および
前記投与量設定ノブに対して回転が固定され、および前記主ねじの前記ねじ山とねじ係合する雌ねじを含む投与停止部材であって、投与量設定ノブが前記セットバック部材に関して回転されるとき、前記投与量設定ノブに関して軸方向に移動可能である投与停止部材、
を含み、
およびここで、前記投与停止部材の軸方向移動は、使用者がカートリッジ内に残存する医薬品の注入可能な体積よりも大きい投与量を設定することを制限することを特徴とする医薬品注射ペン。
【請求項10】
前記投与停止部材は、前記主ねじが前記第1の方向に回転するとき、前記主ねじと一緒に回転することを特徴とする請求項9に記載の医薬品注射ペン。
【請求項11】
ハウジング;
所望の注射投与量を設定するために前記ハウジングに関して回転可能な投与量設定ノブ;
ねじ山要素を備え、および対応するねじ山の係合を介して第1の方向に前進可能な主ねじであって、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である主ねじ;
それらの間の相対的な回転を防止するために前記主ねじに対して回転が固定されるドライバーであって、前記主ねじを第1の方向に回転可能であり、前記主ねじを回転させ、および前記主ねじを第1の方向に前進させるドライバー;
それらの間の相対的な回転を防止するために、前記ドライバーに対して回転が固定されるセットバック部材;および
前記投与量設定ノブと前記セットバック部材との間に位置付けられるクリック要素であって、前記投与量設定ノブの内面を係合させる第1のアーム部材、および前記セットバック部材の外面を係合させる第2のアーム部材を含むクリック要素;
を含み、
ここで、前記第1および第2のアームのうちの1つは、前記投与量設定ノブが前記ハウジングに関して回転するとき、可聴信号を生成することを特徴とする医薬品注射ペン。
【請求項12】
前記投与量設定ノブの前記内部表面および前記セットバック部材の前記外部表面は、それぞれ複数の歯を含むことを特徴とする請求項11に記載の医薬品注射ペン。
【請求項13】
前記投与量設定ノブの前記歯は、前記投与量設定ノブと前記クリック要素との間の第1の方向への相対的な回転を可能にするように構成され、および前記セットバック部材の前記歯は、前記セットバック部材と前記クリック要素との間の第2の反対方向への相対的な回転を可能にするように構成されることを特徴とする請求項12に記載の医薬品注射ペン。
【請求項14】
前記投与量設定ノブが前記クリック要素に関して前記第1の方向に回転するとき、前記第1のアームが可聴信号を生成し、および前記セットバック部材が前記クリック要素に関して前記第2の方向に回転するとき、前記第2のアームが可聴信号を生成することを特徴とする請求項13に記載の医薬品注射ペン。
【請求項15】
ハウジング;
前記ハウジングに関して回転可能であって、所望の注射投与量を設定するための投与量設定ノブ;
ねじ山要素を備え、対応するねじ係合によって第1の方向に前進可能な主ねじであって、前記第1の方向は、カートリッジから医薬品を放出する方向である主ねじ;
それらの間の相対的な回転を防止するために前記主ねじに対して回転が固定されるドライバーであって、第1の方向に回転可能であり、前記主ねじを回転させ、および前記主ねじを前記第1の方向に前進させるドライバー;および
それらの間の相対的な回転を防止するために前記ドライバーに対して回転が固定されるセットバック部材;
を含み、
ここで、前記ハウジングは、前記ハウジング内の表面に提供される可撓性の突起をさらに含み、および前記投与量設定ノブは、前記突起を係合して設定投与量の注射が完了すると可聴信号を生成する可撓性のタブ要素さらに含むことを特徴とする医薬品注射ペン。
【請求項16】
前記投与量設定ノブが前記ハウジングに対して回転して所望の注射投与量を設定するとき、前記可撓性のタブ要素は、前記突起の第1のエッジとハウジングの側壁との間を越えて、前記突起を前記側壁から離れて撓ませる. ことを特徴とする請求項15に記載の医薬品注射ペン。
【請求項17】
前記投与量設定ノブは、投与量を注射するための反対方向、およびこの方向に回転し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブを半径方向内側に撓ませて、前記突起の第2のエッジを係合し、ここで、前記可撓性タブが前記突起の端を通過すると、前記タブは初期位置に戻り、同時に、注射終了を示す可聴信号を提供することを特徴とする請求項16に記載の医薬品注射ペン。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2013−512070(P2013−512070A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541990(P2012−541990)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/003059
【国際公開番号】WO2011/068531
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】