説明

ダイヤル式錠前

【課題】 暗い場所でダイヤル文字の判読が容易にでき、防水性に優れ、屋外で使用可能なダイヤル式錠前の提供。
【解決手段】 ダイヤル式錠前本体のダイヤル文字盤付近に発光ダイオード(LED)を内蔵し、電源とするボタン電池を本体内に装着し、発光ダイオード埋設部カバーに設けられたスイッチを押すことにより発光ダイオードが点灯し、ダイヤル文字盤を照らし、暗い場所でもダイヤル文字を容易に判読でき、開錠を容易にし、本体とスイッチが施されている発光ダイオード埋設部カバーの嵌合部には、防水加工としてゴムまたは樹脂製のパッキンを施し、樹脂製の発光ダイオード埋設部カバー上面のスイッチ部分に軟質樹脂を用い、一体成型としたことで防水機能が向上し、施錠して屋外に放置しても電極端子及びボタン電池の腐食あるいは漏電がなく、屋外での使用が可能となるダイヤル式錠前。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード及び電源であるボタン電池を内蔵し、埋設部に防水加工を施したダイヤル式錠前に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に二輪車等に使用される錠前は、キー開錠式のものとダイヤル合わせにて開錠する方式とがある。
【0003】
ダイヤル式錠前は、暗い所ではダイヤル文字の判読が容易でないため、最近では、キー式の錠前を好む傾向がある。また、キー式であっても、暗い所では鍵穴に差し込みにくいため、キーの取っ手部分やキーホルダーにスイッチにて点灯する発光ダイオードを取り付けたものが見受けられる。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダイヤル式錠前の場合、暗い所では、ダイヤル文字の判読が困難であり、番号を合わせて開錠するには明かりの点いている場所まで移動するか懐中電灯のようなものが必要であった。また、中にはダイヤル文字盤に蛍光塗料または蓄光塗料を練り込んだものも開発されているが光量が足りないため、ダイヤル文字の判読は容易ではなかった。
【0005】
一方、キー式錠前の場合、キーをなくしやすい欠点があり、開錠時の不便さえなければキーを使用しないダイヤル式錠前の方が便利である。また、キーの取っ手部分やキーホルダーに発光ダイオードを取り付けたものもあるが、内部に水が入り込むと腐食または漏電するため、防水加工を施す必要があり、防水加工を施していない簡易的な構造のものは屋外に放置できなかった。
【0006】
本発明は、二輪車等の盗難防止用に使用されるダイヤル式の錠前において、上記の問題点を解決し、暗い所でもダイヤル文字が判読でき開錠が容易であり、防水性に優れ、屋外でも使用可能なダイヤル錠の提供を目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0007】
本発明は、ダイヤル式錠前本体のダイヤル文字盤付近に発光ダイオードを内蔵し、電源としてボタン電池を本体内部に装着し、本体表面の発光ダイオード埋設部カバー上面に押しボタン式スイッチを設けた。
【0008】
本発明のダイヤル式錠前は、本体内部の発光ダイオードの電極端子及びボタン電池の浸水による腐食または漏電防止のため、防水加工として発光ダイオード埋設部カバーと本体の嵌合部に、ゴムまたは樹脂製パッキンを施した。また、発光ダイオード埋設部カバーは硬質樹脂製であるが、カバー上面の押しボタン式スイッチ部に軟質樹脂を用い、一体成型とすることで隙間をなくし更に防水機能を高めた。
【発明の効果】
【0009】
本体に取り付けたスイッチを押すことにより、発光ダイオードが点灯し、ダイヤル文字盤を照らすことができるため、暗い所でもダイヤル文字の判読ができ、開錠が容易にできる。
【0010】
防水加工を施したことにより、施錠して屋外に放置しても水分が内部に入り込むことがなく、発光ダイオードの電極端子およびリチウムボタン電池の腐食または漏電が起きることがない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明のダイヤル式錠前について図面を参考にしながら詳細に説明する。
【0012】
ダイヤル式錠前の本体1のダイヤル文字盤2付近に発光ダイオード3を取り付け、電極板4の間にボタン電池5を入れ込む。
【0013】
本体内部を覆う発光ダイオード埋設部カバー6の上面に、スイッチ7を施し、スイッチ7を押すと発光ダイオード3の電極端子4が押され、ボタン電池5に電極端子4が接触することにより発光ダイオード3が点灯する。
【0014】
スイッチ7が施されている発光ダイオード埋設部カバー6と本体の嵌合部には、防水加工として、ゴムまたは樹脂製のパッキン8を施し、またスイッチ7が施されている発光ダイオード埋設部カバー6は硬質の樹脂製であるが上面のスイッチ7の部分に軟質樹脂を用い、一体成型することで隙間が生ぜず、より防水機能を高めた。
【0015】
本体の発光ダイオード埋設部カバー6はカバー固定ネジ9にて本体に固定され、ボタン電池5の交換の際はカバー固定ネジ9を外せば簡単に取り外すことができる。
【0016】
発光ダイオード3は本体側のダイヤル文字盤2付近に設置し、発光ダイオード埋設部カバー6に取り付けられた透明樹脂の窓10より点灯時に光が放たれる。
【0017】
本発明のダイヤル開錠式錠前の実施方法としては、二輪車等に使用されるワイヤー錠の他、自転車用馬蹄錠(図4)、南京錠(図5)などがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の錠前の実施外観図である。
【図2】本発明錠前の開錠時の参考図である。
【図3】本発明における錠前の構造図である。
【図4】本発明における錠前の実施方法参考図である。
【図5】本発明における錠前の実施方法参考図である。
【符号の説明】
1 本体
2 ダイヤル文字盤
3 発光ダイオード(LED)
4 電極端子
5 ボタン電池
6 発光ダイオード埋設部カバー
7 スイッチ
8 パッキン
9 本体カバー固定ネジ
10 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車の盗難防止用のケーブル錠等で、暗い場所でもダイヤル文字の判読を容易にするため、スイッチを押すと点灯する発光ダイオード(LED)を錠前本体のダイヤル文字付近に内蔵したダイヤル式錠前。
【請求項2】
発光ダイオードの電源としてボタン電池を錠前本体内部に装着する請求項1のダイヤル式錠前。
【請求項3】
錠前本体内部の発光ダイオード埋設部に雨水等の浸入を防止するため、本体と発光ダイオード埋設部カバーの嵌合部に防水加工を施し、硬質樹脂製の発光ダイオード埋設部カバー上面に設けたスイッチ部に軟質樹脂材を用い、一体成型することにより隙間をなくし、発光ダイオード埋設部の防水性を高めた請求項1及び請求項2のダイヤル式錠前。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−9545(P2006−9545A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215026(P2004−215026)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(300017566)ユニロックス商事株式会社 (6)