説明

ダウンライト

【課題】点灯中でも報知できるダウンライトを得る。
【解決手段】複数色の発光ダイオード6,8,10,12を光源として備えると共に、発光ダイオード6,8,10,12の点灯を制御する制御回路16を備える。制御回路16は侵入の検知信号の入力があったときに、発光ダイオード6,8,10,12の点灯色を白色から赤色の点滅に変更する。また、制御回路16は停車位置の検知信号の入力があったときに、発光ダイオード6,8,10,12の点灯色を白色から赤色の点滅に変更する。更に、制御回路16は侵入の検知信号の入力があったときに、発光ダイオード6,8,10,12の点灯色から補色の点灯色の点滅に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色の発光ダイオードを用いたダウンライトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1にあるように、発光ダイオードを光源として用いたダウンライトが知られている。発光ダイオードを光源として用いることにより、長寿命で、消費電力が少なく発熱も少ない照明器具が得られる。
【0003】
また、特許文献2にあるように、人感センサを廊下の両端附近の下面にそれぞれ設け、人感センサが人を検出すると光源を点灯制御するものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3086832号公報
【特許文献2】特開2002−260409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした従来のものでは、光源に発光ダイオードを用いることにより、長寿命化や省電力化を図ることができ、また、人感センサを設けることにより、人を検知したときに、光源を点灯させることができるが、光源の点灯中に人感センサが人を検知した際には、その検知を他の人等に報知することができないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、点灯中でも報知できるダウンライトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、
複数色の発光ダイオードを光源として備えると共に、前記発光ダイオードの点灯を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードによる点灯色を変更することを特徴とするダウンライトがそれである。
【0008】
前記制御手段は侵入の検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードの点灯色を白色から赤色の点滅に変更する構成でもよい。あるいは、前記制御手段は停車位置の検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードの点灯色を白色から赤色の点滅に変更する構成でもよい。また、前記制御手段は侵入の検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードの点灯色から補色の点灯色の点滅に変更する構成でもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のダウンライトは、点灯中でも、複数色の発光ダイオードの点灯制御により、点灯色を変えて、侵入者等の報知ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態としてのダウンライトの断面図である。
【図2】本実施形態のダウンライトの電気系統の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の制御回路において行われる警報処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の制御回路において行われる警告処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の制御回路において行われる電飾処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、1は本体ケースで、本体ケース1の開口部にはレンズ2が設けられている。本体ケース1の内部には基板4が収納されており、基板4上には、光源としての複数色の発光ダイオード6,8,10,12が配置されている。本体ケース1の外側には、天井の取付孔に保持するための複数の弾性を有する保持脚14が設けられている。
【0012】
本実施形態では、複数色の発光ダイオード6,8,10,12として、赤色発光ダイオード6、青色発光ダイオード8、緑色発光ダイオード10、白色発光ダイオード12がそれぞれ複数個ずつ配置されている。
【0013】
図2に示すように、基板4上には、制御回路16、ドライバ回路18、入力回路20等が設けられており、制御回路16はドライバ回路18を介して、赤色発光ダイオード6、青色発光ダイオード8、緑色発光ダイオード10、白色発光ダイオード12を点灯制御する。
【0014】
また、制御回路16は入力回路20を介して各種のセンサ22からの検知信号を入力すると共に、外部の図示しないセキュリティシステム等からの検知信号を入力し、検知信号に基づいて点灯制御する。セキュリティシステムからの検知信号としては、侵入者の検知信号や火災発生の検知信号等がある。
【0015】
次に、制御回路16において行われる警報処理について、図3に示すフローチャートによって説明する。
まず、電源が投入されると、初期化処理(S50)を行い、続いて、異常ありか否かを判断する(S52)。異常ありか否かは、人の侵入を検知するセンサ22からの検知信号の入力や、セキュリティシステム等からの検知信号の入力があるか否かにより判断する。
【0016】
検知信号の入力がないときには、異常なしと判断して(S52:NO)、警備中か否かを判断する(S54)。警備中か否かは、例えば、外出しており、室内に人がいない状態で、警備中スイッチの投入や、セキュリティシステムからの警備中信号に基づいて判断する。
【0017】
これらの信号の入力がないときには、警備中でないと判断して(S54:NO)、白色発光ダイオード12を点灯させて、室内を照明する(S56)。そして、S52以下の処理を繰り返し実行して、例えば、S52の処理の実行により、セキュリティシステムから侵入の検知信号の入力があったときには、異常ありと判断して(S52:YES)、白色発光ダイオード12の点灯から(S56)、赤色発光ダイオード6を点滅する制御に変更して(S58)、室内の人に警報を発する。室内の人は、照明の点灯色が白色から赤色の点滅に変わるので、異常があったことをすぐに認識できる。
【0018】
また、S54の処理により、警備中と判断したときには(S54:YES)、青色発光ダイオード8を点灯させ(S60)、警備中であることを報知する。
次に、制御回路16において行われる警告処理について、図4のフローチャートによって説明する。
【0019】
センサ22は、屋内駐車場等において、自動車が停車位置に達したときに検知信号を発するもので、屋内駐車場の照明に本実施形態のダウンライトが使用されている。電源が投入されると、初期化処理(S70)を行い、続いて、センサ22からの検知信号の入力があったか否かを判断する(S72)。
【0020】
検知信号の入力がないときには(S72:NO)、タイマをクリアして(S74)、白色発光ダイオード12を点灯させて、室内を照明する(S76)。そして、S72以下の処理を繰り返し実行して、例えば、S72の処理の実行により、センサ22からの検知信号の入力があったときには(S72:YES)、タイマを作動させて、タイマを加算する(S78)。
【0021】
そして、タイマがタイムアップしているか否かを判断し(S80)、タイムアップしていないときには(S80:NO)、白色発光ダイオード12の点灯から(S76)、赤色発光ダイオード6を点滅する制御に変更して(S82)、運転者に停車位置に達したことを報知する。運転者は、照明の点灯色が白色から赤色の点滅に変わるので、停車位置に達したことをすぐに認識できる。
【0022】
S72以下の処理を繰り返し実行して、S80の処理により、タイムアップしたと判断すると(S80)、赤色発光ダイオード6の点滅から(S82)、白色発光ダイオード12を点灯する点灯制御に変更して(S82)、屋内駐車場を照明する。
【0023】
続いて、制御回路16において行われる電飾処理について、図5のフローチャートによって説明する。電飾処理ではダウンライトをイルミネーションとして使用する制御が行われる。
【0024】
まず、電源が投入されると、初期化処理(S90)を行い、続いて、電飾パターンを取得する(S92)。例えば、赤色発光ダイオード6、青色発光ダイオード8、緑色発光ダイオード10、白色発光ダイオード12を点灯制御して、赤色、青色、緑色、白色を順に点灯したり、また、赤色発光ダイオード6と青色発光ダイオード8とを同時に点灯して、橙色の照明としたり、青色発光ダイオード8と緑色発光ダイオード10とを同時に点灯して、水色の照明としたり、赤色発光ダイオード6と緑色発光ダイオード10とを同時に点灯して、黄色の照明とする。
【0025】
次に、異常ありか否かを判断する(S94)。異常ありか否かは、人の侵入を検知するセンサ22からの検知信号の入力や、セキュリティシステム等からの検知信号の入力があるか否かにより判断する。
【0026】
検知信号の入力がないときには、異常なしと判断して(S94:NO)、S92で取得した電飾パターンで、各発光ダイオード6,8,10,12を点灯制御して、電飾パターンを演出する(S96)。
【0027】
そして、S92以下の処理を繰り返し実行して、例えば、S94の処理の実行により、セキュリティシステムから検知信号の入力があったときには、異常ありと判断して(S94:YES)、電飾パターンでの点灯制御から(S96)、電飾パターンの補色で点滅させる制御を行う(S98)。
【0028】
電飾パターンの補色とは、そのときに電飾パターンで点灯している点灯色に対して、補色の関係にある色であり、例えば、緑色に対しての赤色、青色に対しての橙色等の、色相環で正反対に位置する関係の色である。
【0029】
緑色発光ダイオード10を点灯しているときには、赤色発光ダイオード6の点滅に変更し、青色発光ダイオード8を点灯しているときには、赤色発光ダイオード6と青色発光ダイオード8とを同時に点滅して、橙色の点滅に変更する。
【0030】
これにより、そのときの照明が、電飾パターンによるイルミネーション照明で、点灯色が順次変化していても、異常があったときには、電飾パターンと補色の関係にある点灯色で点滅する制御に変更して(S92)、室内の人に警報を発する。室内の人は、照明が補色の関係にある色の点滅に変わるので、異常があったことをすぐに認識できる。
【0031】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0032】
1…本体ケース 2…レンズ
4…基板 6…赤色発光ダイオード
8…青色発光ダイオード 10…緑色発光ダイオード
12…白色発光ダイオード 14…保持脚
16…制御回路 18…ドライバ回路
20…入力回路 22…センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の発光ダイオードを光源として備えると共に、前記発光ダイオードの点灯を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードによる点灯色を変更することを特徴とするダウンライト。
【請求項2】
前記制御手段は侵入の検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードの点灯色を白色から赤色の点滅に変更することを特徴とする請求項1に記載のダウンライト。
【請求項3】
前記制御手段は停車位置の検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードの点灯色を白色から赤色の点滅に変更することを特徴とする請求項1に記載のダウンライト。
【請求項4】
前記制御手段は侵入の検知信号の入力があったときに、前記発光ダイオードの点灯色から補色の点灯色の点滅に変更することを特徴とする請求項1に記載のダウンライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−64399(P2012−64399A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206834(P2010−206834)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(390026217)大一電機産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】