説明

ダチョウ血の活性機能剤

【課題】疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果、精力増強効果の失活なくダチョウ血液を調整した、活性機能剤の提供。
【解決手段】ダチョウ血液のフリーズドライパウダーまたはダチョウ血液の血清と血漿とを配合酵素で加水分解して形成したポリペプチド混合物からなる活性機能剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダチョウ血の活性機能剤に関し、詳しくはダチョウ血液のフリーズドライパウダー、及びダチョウ血液の血清と血漿を特定PHと温度で配合酵素で加水分解して形成したポリペプチド混合物、並びにこれらの配合剤に関する。
【背景技術】
【0002】
中国で生息するダチョウは大きく分けてアフリカダチョウ、欧米ダチョウとオーストラリアダチョウという3種に分類される。その中ではアフリカダチョウの体型が大きく、活動量も多い。一方、欧米、オーストラリアダチョウの体型は小さく、気性がやや温和であるが、太ももの筋肉が細長くて丈夫であり、時速が70〜90Kmに達する。それは、これら3種のダチョウの血液に特殊な酵素があり、酵素が瞬時に取り込まれ筋肉細胞で多大なエネルギーに変換することができることがわかっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ダチョウには有用な成分がたくさん含まれているので特許文献1のように食肉として利用されているだけで、今までダチョウの血液を利用するという前例は無かった。1匹の成熟したダチョウが屠殺されると約10リットルの血液が出るにもかかわらず、有効利用されることは無かった。中規模の養殖場で毎年600〜700匹のダチョウを屠殺し、大体年間で6500リットルのダチョウの血液を廃棄していた。
【特許文献1】特開2002−209555公報
【0004】
そこで本発明者は、初めてダチョウ血(ostrich blood,略語: OB)が疲労、無酸素、低温、高温に対し抵抗力があり、壮陽(また助陽薬とも称する)、抗ガン効果を発見し、そのダチョウ血液のフリーズドライパウダー(略称TOB乾粉、又はOB乾粉)と、特定PHと温度で配合酵素で同量の血清と血漿を加水分解して形成したポリペプチド混合物(略称:SPPDP)が、それぞれ疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などを有することを発明して、ダチョウ血液の調製方法および配合剤を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題解決のため、請求項1記載の本願発明は、ダチョウ血液のフリーズドライパウダー(Total ostrich blood,略称:TOB)であって、疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などがあることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤である。
また請求項2記載の本願発明は、ダチョウ血液の血清と血漿を特定PHと温度で配合酵素で加水分解して形成したポリペプチド混合物(polypeptide dry powder,略称:SPPDP)であって、疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などがあることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤である。
これらの2物質は個々に疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などに優れていて、もちろん両者を混合しても失活することなく、疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などに優れている。
【0006】
請求項3記載の本願発明は、請求項2記載のポリペプチド混合物を加水分解する前記配合酵素がパパイン、トリプシン、サブチリシンという三種類のうち少なくとも一種類を含み、前記特定PHが6.8-7.5の間であり、前記特定温度が45-55℃、前記特定酵素の使用量が0.05-1.0%であることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤である。これにより、ポリペプチド混合物を収率高く精製できる。
ここで、ポリペプチド混合物を最も収率高く精製できる配合酵素の配合割合は、パパイン:トリプシン:サブチリシン=3:1:0.5である。このときの製法は実施例に後述する工程である。またサブチリシンを使用せず、パパイン:トリプシン=3:1.5の配合割合でもポリペプチド混合物を収率高く精製できる。さらにパパイン、トリプシン、サブチリシンという三種類のうち一種類だけでも、収率は高くないがポリペプチド混合物を精製できる。
【0007】
請求項4記載の本願発明は、請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダー及び請求項2記載のポリペプチド混合物は、すべて活性蛋白と活性ポリペプチドを含み、活性蛋白がすべて91.6%に達し90%以上であって、21種類のアミノ酸(下記表1)を含み、SPPDPの含んだ活性ポリペプチドが人体、動物体に吸収されやすいことを特徴とするダチョウ血の活性機能剤である。
ここで下記表1の21種類のアミノ酸については、それぞれの含有率もダチョウ血液に特有な値であり、例えば複数の動物血液を混合しても得られない含有率である。なお下記表1の含有率は測定値であり、この数値が厳密なものではなく、種別・個体差・体調等により誤差等の範囲はある。
【0008】
【表1】

【0009】
特に好ましい投与量は、請求項1記載の、疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温などの応急機能は、急性毒性実験と動物実験により、使用量が100〜240mg/人/日であることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤である。これにより、使用時に最良の効果を奏することができる。
【0010】
また好ましい投与量は、請求項1記載の、臨床抗がん作用の使用量が、急性毒性実験と動物実験の投与量により300〜600mg/人/日であり、精力増強効果の使用量が、急性毒性実験と動物実験の投与量により260〜300mg/人/日であることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤である。これにより、使用時に最良の効果を奏することができる。
【0011】
請求項5記載の本願発明は、請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダー又は/及び前記ポリペプチド混合物が下記配合率のいずれかで混合され、主に役に立つのはダチョウ血液のフリーズドライパウダー及び前記ポリペプチド混合物であり、他の配合剤が協力的に役に立つことを特徴とするダチョウ血の配合剤である。
配合剤1(略称No.1):TOBが400mg、燕子掌(エンシショウ:ベンケイソウ科クラッスラ属)の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mg。
ここで西洋人参はウコギ科に属し、北米原産の他に広東省で移植に成功して広東人参とも言われており、その性味は甘・苦であるが、性は微涼であり、温性の高麗人参とは異なっている。西洋人参の効能を現代医学的にみると、体液の代謝調節によって利尿清熱・通便・鎮静ならびに滋養強壮などの効果をもたらして血圧やコレステロ−ルを下降させることが知られている。
配合剤2(略称No.2):TOBが400mg、乾花豆(カンカトウ)の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mg。
ここで乾花豆は一種の野生双子葉植物であり、蝶形花科(Papilionaceae)乾花豆(Fordia Cauliflore Hemsi)に属する。豆科(Leguminosae)の亜科として分類されたこともある。中国西南地区、泰嶺山脈に自生している。大量の原料供給は人工栽培に頼る。また乾花豆は別名乃至俗称として、木参、環参、福将豆としても知られている。
配合剤3(略称No.3):TOBが400mg、枸杞子(クコシ:性味が甘・平で、肝機能保護作用をもち、ナス科枸杞の乾燥成熟果実)の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。
ここで螺旋藻(スピルリナ)は、葉酸や葉緑素、ビタミン類、ミネラル成分が多い多糖類が含有されたカルシウム、マグネシウムの多い35億年以前から存在する淡水湖に生息する中国特有の天然水藻である。
配合剤4:SPPDPが400mg、燕子掌の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mg。
配合剤5:SPPDPが400mg、乾花豆の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mg。
配合剤6: SPPDPが400mg、枸杞子の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。
配合剤7:TOBが200mg、SPPDPが200mg、燕子掌の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mg。
配合剤8:TOBが200mg、SPPDPが200mg、乾花豆の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mg。
配合剤9:TOBが200mg、SPPDPが200mg、枸杞子の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係るダチョウ血の活性機能、ダチョウ血液の調製方法および配合剤について以下に詳述する。
1、 ダチョウの血液の調製:
1.1、 実施例1:(ダチョウ血液のフリーズドライパウダーの製造方法)
12リットルの新鮮なダチョウ血を取り、結氷乾燥機の中で置き、-40℃まで温度を下げ、迅速に温度を上げ、同時に減圧する:0.095MPa,0℃まで上がって細胞壁を破れ、大量の水分を蒸して除去し、2.16Kg凍乾粉であるTOB(略称:Total ostrich blood,TOB)を得る。収率は18%である。60メッシュの篩網により粉砕し、1Kg/袋に包装する。(図1に参照)
【0013】
1.2、 実施例2:(ダチョウ血液のポリペプチド混合物の製造方法)
10リットル(約10kg)の雄性ダチョウ血にクエン酸ナトリウム抗凝血薬をいれ、3000転/minの遠心機に置いて10分で遠心し、血清(45%,約4.5kg)と血漿(55%,約5.5kg)とに分離する。血清と血漿をそれぞれに透析袋に入れ、クエン酸ナトリウムを除去する。一方の血清は例1(図1)のように凍結乾燥し、0.81kgの血清乾粉(serum)を得る。得率は18.0%である。他方の5.5kgの血漿をゆっくり攪拌均質化して加水分解缶にいれ、パパイン27.5−55g(血漿の0.05-1.0%に相当)をいれ、温度が50-55℃、PH=6.8−7.5条件に1時間保温する。その後、45−55℃まで温度を下げ、トリプシン5.5g(血漿の0.1%に相当)とサブチリシン2.75g(血漿のの0.05%に相当)をいれ、45−55℃の条件に4時間保温する。加水分解液を加水分解缶にカバーを付けて50―60℃の条件に回流し、水分含有量が≦3%まで減圧濃縮(0.098Mpa)し、100メッシュの篩網により粉砕し、ポリペプチド乾粉(polypeptide dry powder,略称:PPDP)を0.9625kgが得られ、収率が17.5%になる。500g/袋で包装する。
動物試験を行うとき、血清乾粉(serum)をポリペプチド乾粉(PPDP)と等量に混合し、生理食塩液を入れて溶解する。略称:SPPDP。(図2に参照)
【0014】
1.3、実施例3:配合剤1(略称No.1):TOBが400mg、燕子掌の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mgである。
1.4、実施例4:配合剤2(略称No.2):TOBが400mg、乾花豆の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mgである。
1.5、実施例5:配合剤3(略称No.3):TOBが400mg、枸杞子の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。
【0015】
2、 実験材料:
2.1、原料:No.1、No.2、No.3を再び粉砕した後、乳鉢の内で充分に細さほど磨り、生理食塩水を投与し、調和して平均的な懸濁液になり、それが灌胃(経口内服)で使う。
2.2、動物:ICRマウス(体重18−22g)とSDラット(体重120−150g)が北京大学の動物学部から提供された。投与方法:経口内服。
【0016】
3、 方法と結果:
3.1、疲労の抵抗効果
ICR種類の雄性マウス120匹、それぞれの体重が18〜22gを、任意に6組に分け、剤量組に人体推薦使用量の10倍により投与し、対照組に同量の生理食塩水を投与する。連続30日間に試薬を投与し、最後に投与した30min後、マウスを水泳箱に水泳させ、水深30cm以上、水温25±0.5℃、すべての鼠の尻部で5%体重の鉛を背負わせ、マウスの水泳から死亡までの時間をマウスの水泳時間(min)として記録する。結果は表2を参照のこと。疲労回復作用の応急機能に優れる
【0017】
【表2】

【0018】
3.2、無酸素の抵抗実験
雄性マウス120匹、それぞれの体重が18〜22gを、任意に6組に分け、一組に20匹ずつとする。薬物組に上述剤量のTOB、SPPDP、No.1、No.2、No.3を投与し、対照組に同量の生理食塩水を投与し、30min後でマウスをそれぞれナトリウム石灰を盛る125mlの密閉する広口瓶の中に入れ、マウスの死亡時間を記録し、結果は表3を参照のこと。TOB、SPPDP、No.1、No.2、No.3は正常大気圧条件下に顕著にマウスの無酸素条件下の生存時間を延長することができる抗酸素不足の応急機能に優れる。
【0019】
【表3】

【0020】
3.3、低温の抵抗実験
雄性マウスが60匹、それぞれの体重が18〜22gを、任意に3組に分け、一組に20匹ずつとする。2つの薬物組に毎日上述剤量のTOB、SPPDP10mg/kg(人体推薦使用量1mg/kgの10倍、質問)を投与し、対照組に同量の生理食塩水を投与し、連続10日間、最後に投与した0.5時間後に、-4〜-0.5℃の冷蔵庫内に入れ、死亡まで15minごとに観察する。動物の平均的に生存時間を計算し、結果は表4を参照する。マウスにTOB、SPPDPを投与した後に、寒い環境の下で生存時間を延長することができ、それが寒さに耐える作用(抗高寒)があると説明してきた。
【0021】
【表4】

【0022】
3.4 高温の抵抗実験
雄性ラットが45匹、それぞれの体重が120〜150gを、任意に3組に分け、一組に15匹ずつとして、薬品使用前に正常な体温を測定した。2つの薬物組にそれぞれTOB、SPPDP 10mg/kgを投与し、 対照組に同量の生理食塩水を投与する。30min後で動物を45±2℃のサーモスタットの中に入れ、20min後で取り出し、改めて温度を測り、温度差を記録し、結果は表5を参照する。TOB、SPPDPを投与したラット体温の上昇値が対照組より低い、それはTOB、SPPDPを使った後に、SDラットの高温を抵抗する能力(抗高温)が強まってきたと示した。
【0023】
【表5】

【0024】
3.5、“陽虚” マウスへの治療効果
“陽虚”という模型の製造方法。(参考文献;「中薬薬理研究方法学」,陳奇編集,ページ982−984)。ICR種類の雄性マウスが105匹、それぞれの体重が18〜22gを、任意に7組に分け、一組に15匹ずつとする。“陽虚”組に毎日375 mg/kgヒドロキシウレアを投与し、正常対照組・“陽虚”組以外の各組には毎日175mg/kgヒドロキシウレアを投与する以外、毎日それぞれTOB 10mg/kg、SPPDP、No.1、No.2、No.3 25mg/kgを投与し、正常対照組に同量の生理食塩水を投与する。毎日1回に灌胃投与し、合計で14日間、動物の死亡情況、体重の変化を観察する。そしてマウスの脾臓、睾丸を取って繰り返し水で洗った後に、濾紙で乾くまで吸い込み、濡れた組織の重さを量る。各組織間の相違を比較し、結果は表6を参照する。
“陽虚”組の15匹動物の中で2匹が死亡であり、体重と脾臓、睾丸の重さは軽減し、正常対照組と比べて相違が著しい(P<0.01)。一方、14日間のTOB、SPPDP、No.1、No.2、No.3を投与した組には、死亡動物がいなく、動物の体重と脾臓、睾丸の重さは正常対照組と比べて近くて、“陽虚”組と比べて相違が著しい(P<0.05)。
したがって、TOB、SPPDP、No.1、No.2、No.3はヒドロキシウレアがもたらした“陽虚” マウスに対して明らかな治療の作用があると説明する。
【0025】
【表6】

【0026】
3.6、急性毒性試験
健康なマウスの40匹は、雌雄各半分で、それぞれ体重が18〜22gである。TOB12gを取って存分に細さほど磨り、生理食塩水を投与し、調和して平均的な懸濁液40mlにする。これをすべての鼠に1ml灌胃する。(12000mg/40ml=300mg/1ml/20g/日、300mg×50/20g×50=15g/kgになり、配合剤の300mgを加え、最大濃度が600mg/1ml/20g,体重当たりの投与量30g/kg,臨床の600倍に相当する)、投与後で毎日動物の情況を観察し、合計で7日間観察し、いかなる異常表現が見られなく、動物がすべて生存してきた。毒副作用がないことを証明した。
また、動物実験(疲労の抵抗、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、精力増強効果、抗ガン等)の半数有効量により人体推薦使用量は下記の通りである:
抗応急機能:100-240mg/人/日
精力増強: 260-300mg/人/日
抗ガン: 300-600mg/人/日
【0027】
3.7 亜急性毒性実験
ラット40匹は、雌雄各半分で、それぞれ体重が120〜150gであり、これらを任意に4組に分け、つまり3つの薬物組にそれぞれTOB 0.5 g/kg、1 g/kgと2g/kgを投与し、及び他の対照組に同量の生理食塩水を投与する。毎日1回目灌胃投与し、実験が全部で60日間を行う。投与前、投与期間及び実験が終わった時にそれぞれ体重を量り、血、尿常規、肝臓機能、腎臓機能を検査する。実験が終わる時、動物を解剖し、心、肝臓、脾臓、肺、腎臓、副腎、胃、腸、脳及び生殖腺などの組織に対して組織形態学の検査を行なう。No.1、No.2、No.3の投与組はラットの生長、血、尿の常規検査に対し、肝臓、腎臓機能及び心、肝臓、脾臓、肺、腎臓、副腎、胃、腸、脳及び生殖腺などには影響しないという結果を示した。
【0028】
4、抗ガン活性試験:
4.1、体外抗ガン活性試験
表皮癌A431、人の胃癌細胞(BGC-823)と人の結腸癌(HCT)細胞は、北京市腫瘍研究所から提供していただきます。この化合物を選別し、検定するのは北京大学医学部天然薬物及び生物工学薬物国家重点実験室からMTT比色法を採用して行う。
実験結果は下記通りである。:
【0029】
4.1.1実験方法:テトラメチルアゾオキシム塩(MTT)比色法
基本的な原理:MTTが細胞に入った後に、基礎反応物として、酸化されて青色のフォルマザン(Formazan)になり、細胞内或は周囲に堆積し、酵素標識光度計で直接にOD値を測定し、即ちフォルマザンの用量を反応することができる。これによって、細胞内系粒体酸化酵素の活性を判断し、そして間接的に細胞の増殖レベルを反応することができる。
試薬:0.5%のブドウ糖を含んだリン酸緩衝液でMTT[3-(4,5- dimethylthiazal- 2yl) 2,5-diphenyltetrazolium bromide]を配合し、1mg/ml使用液になった。4℃に遮光で保存している。
酸性化イソプロピルとは0.04 mol/L HCIを含んだイソプロピルである。
実験用細胞株:BGC-823(人の胃癌細胞)、HCT(人の結腸癌細胞)、表皮癌A431,NFC(正常な成人の繊維細胞)
【0030】
4.1.2実験結果:
【表7】

【0031】
表7に示す実験結果により、ある程度の薬(1−5%)は実験用のBGC-823、表皮癌A431 、HCT細胞の生長にすべてある程度の抑制作用がある。しかし正常な成人の繊維細胞(NFC)の生長に顕著な影響がない。TOB(ダチョウ血液のフリーズドライパウダー)には確かにいっそう開発する価値があると表明している。
検定した結果は、TOBがいかなる毒副作用がなく、人の胃癌細胞(BGC-823)と人の結腸癌(HCT)細胞に対して抑瘤率がそれぞれ41.39%と28.24%と表明している。表皮癌A431に対して抑瘤率が47.21%であり、良好な抗ガン活性がある。
【0032】
4.4 体内腫瘤抑制実験:
4.2.1物の体内S180腫瘤の生長抑制:30匹のマウスは、雌雄各半分ずつ準備する。皮下接種が0.2ml/ 匹で行ない、300万細胞に相当するS180実体瘤均質化液(1:4)を接種した。接種した後に翌日で、空白対照、人参対照とTOB組の3組に分け、実験2.2方式(経口内服)によってそれぞれに投入する。9日間に連続した後で、動物を宰殺(屠殺)し、実体瘤を摘み取って重さを量り、そして抑制成長率を計算する。結果は表8に参照する。TOBが移植性の動物体内S180腫瘤の生長効果を抑えるのは顕著である。
【0033】
【表8】

【0034】
5、No.1 No.2 No.3の疲労の抵抗試験:
実験3.1に既述のマウスの水泳法を採用し、40匹のICR雄性マウスと20匹の雌性マウスを取り、マウスの尻部では重い物を背負わせなく、他の条件は同じとする。結果は表9に参照する。
【0035】
【表9】

【0036】
6、No.1 No.2 No.3、偉哥(注)の壮陽人込み試験:
正常と異常(陽虚)人込みのなかでそれぞれ男性を10人選び、4組に分け、6日間に内服し、結果が+、−で有無作用を表し、あるいは加速、高く上がるなどで表す。表10に参照されている。
注:「偉哥」は米国輝瑞薬業に発明された壮陽薬品であり、日本では登録商標「バイアグラ」の勃起不全治療薬として知られ、主成分はクエン酸シルデナフィルである。
【0037】
【表10】

【0038】
7、試験結果の討論:
精力薬の薬理作用が非常に広範であり、TOB(乾粉)は西洋人参、枸杞子、淫羊霍等単味薬の薬理を加えて、すでに大量の研究と論述があった、複方の薬理作用と単味薬の薬理作用がだいたい似ていて、しかし各薬間の配合協力関係であるため、複方の作用は各薬効果の全般的な体現はずであり、そのため、その薬理活性が更に広範になり、作用もいっそう顕著であり、この実験もこの点を説明した。
漢方医は“陽虚”の主要な臨床現象が悪寒喜暖、四肢不温あるいは厥逆、小便清長、細脈、舌淡胖などだと思っている。動物がヒドロキシウレアを使用した後に、縮こまってきて、活動が遅くなったなど“陽虚”という現象は出てきて、特に免疫抑制現象と臨床の上で“陽虚”患者の免疫機能が低いとは基本的に一致し、同時にある人も“陽虚”動物のこのような現象は核酸代謝と、特にDNA代謝の低さと関係があり、そのため、私達は顕著に核酸代謝に影響するヒドロキシウレアが“陽虚”の模型を造ることができ、臨床実際にぴったり合うと思っている。
表9で分かるように、雄性血のTOBを配合した配合剤No.1とNo.3は、疲労の抵抗効果が雌性血のTOBを配合した配合剤No.2より大きく、だいたい偉力邦に対し配合剤No.1とNo.3は、疲労の抵抗効果の平均値が2.15倍に相当する。
表10で分かるように、高剤量で人群試験を行い、全然毒副作用がない。
TOB、SPPDPの中ですべて活性たんぱく質を含み、SPPDPは等量血清が配合酵素で加水分解した血漿たんぱく質と配合してポリペプチドであり、SPPDPの含んだ活性ポリペプチドが人体、動物体に吸い込まれやすいである。そのため、上述の動物試験によるTOB配合剤の効果より、SPPDP配合剤の効果がもっとよいと推定される。
TOB、SPPDPの配合剤に主に役に立ったのはダチョウ血液のフリーズドライパウダーTOBと、配合酵素で血漿たんぱく質を加水分解した活性ポリペプチドとの混合物であり、ほかの配合剤がただ協力的に役に立つ。
【0039】
TOBの成分分析成績書を表11に、TOBのアミノ酸の成分分析試験成績書を表12に示す。なお表12は表1と同じである。また比較のために表13にほかの動物のアミノ酸含有量を示す。
【表11】

【0040】
【表12】

【0041】
【表13】

【0042】
これによりダチョウ血液は21種類もの多種類のアミノ酸を含み、その含有率もすべて91.6%に達し測定誤差等を考慮すれば90%以上である高タンパク食品であることがわかる。なお3種類のダチョウのアミノ酸含有率はほぼ同じである。そして、本願発明のダチョウ血液のフリーズドライパウダー(略称TOB乾粉)は抗酸素不足、抗高寒、抗高温という三種類の応急機能と精力増強効果が顕著にあり、抗がん効果も期待できます。またそれだけではなく、肉製品、健康食品、医薬品などの製造販売に適し、広範囲に応用が可能です。
【0043】
ここで、食品強化剤と美味増強添加剤の製法を図3に基づいて説明する。0.5kgのTOBを2リットルの反応器に入れ、攪拌しながら、下記の各酵素を入れる。反応条件:PH=6.5、温度が50℃である。50U/gのパンクレアチン0.5gを入れ、50U/gのパパイン1gを入れ、攪拌しながら、4時間保温する。2gの活性炭を入れて脱色し、90℃まで温度を上げ、6分間続ける。残留酵素を失活させ、濾過し、濾液を減圧濃縮する。回流温度が70℃に超えない、減圧乾燥する。生産量が50gであり、収率が10%である。灰白色の針状ポリペプチドであり、食品強化剤と美味増強添加剤として応用できる。
【0044】
次に、高級な液態調味剤の製法を図4に基づいて説明する。1kgのダチョウTOBを遠心し、0.45kgの血清を得て別の用途とする。残留した0.55kgの血漿タンパク、フィブリン、ヘモグロビン等を2リットルの反応器に入れ、反応器が恒温水浴の中で保温し、反応条件:PH=6、温度が55℃、パパインの活力が6.5万U/gであり、酵素:基質=1.25:100(酵素量が6.875gであり、フィブリン等が0.55 kgである)、2時間保温する。1.5gの活性炭を入れて脱色し、攪拌し、100℃まで温度を上げ、3分間続けて酵素を失活させ、空気を抽出し、濾過する。濾過した残りかすを捨てる。ほとんど無色な酵素加水分解蛋白液(ポリペプチド)を得て、比重が1.2-1.4になるように減圧濃縮する。たんぱく質の回収率*を測定し、回収率が80%になる。このたんぱく質加水分解液は高級な液態調味剤として応用できる。
*たんぱく質の回収率の測定:たんぱく質の回収率(%)
=血清の中の総たんぱく質の含有量÷基質たんぱく質の含有量X100%。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ダチョウ血液のフリーズドライパウダーの製造方法を示すフローチャート図である。
【図2】ダチョウ血液のポリペプチド混合物の製造方法を示すフローチャート図である。
【図3】ダチョウ血液を含んだ食品強化剤と美味増強添加剤の製法方法を示すフローチャート図である。
【図4】ダチョウ血液を含んだ高級な液態調味剤の製法方法を示すフローチャート図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダチョウ血液のフリーズドライパウダーであって、疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などがあることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤。
【請求項2】
ダチョウ血液の血清と血漿を特定PHと温度で配合酵素で加水分解して形成したポリペプチド混合物であって、疲労回復作用、抗酸素不足、抗高寒、抗高温、抗がん効果や精力増強効果などがあることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤。
【請求項3】
請求項2記載のポリペプチド混合物を加水分解する前記配合酵素がパパイン、トリプシン、サブチリシンという三種類のうち少なくとも一種類を含み、前記特定PHが6.8-7.5の間であり、前記特定温度が45-55℃、前記特定酵素の使用量が0.05-1.0%であることを特徴とするダチョウ血の活性機能剤。
【請求項4】
請求項1記載の前記フリーズドライパウダー及び請求項2記載の前記ポリペプチド混合物は、すべて活性蛋白質と活性ポリペプチドを含み、活性蛋白質が90%以上であって、21種類のアミノ酸(下記表1)を含み、前記ポリペプチド混合物の含んだ活性ポリペプチドが人体、動物体に吸収されやすいことを特徴とするダチョウ血の活性機能剤。
【表1】

【請求項5】
請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダー又は/及び請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が下記配合率のいずれかで混合され、主に役に立つのはダチョウ血液のフリーズドライパウダー及び前記ポリペプチド混合物であり、他の配合剤が協力的に役に立つことを特徴とするダチョウ血の配合剤。
配合剤1:請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダーが400mg、燕子掌の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mg。
配合剤2:請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダーが400mg、乾花豆の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mg。
配合剤3:請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダーが400mg、枸杞子の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。
配合剤4:請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が400mg、燕子掌の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mg。
配合剤5:請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が400mg、乾花豆の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mg。
配合剤6:請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が400mg、枸杞子の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。
配合剤7:請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダーが200mg、請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が200mg、燕子掌の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、クワの実の抽出エキスが200mg。
配合剤8:請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダーが200mg、請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が200mg、乾花豆の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、淫羊霍の抽出エキスが200mg。
配合剤9:請求項1記載のダチョウ血液のフリーズドライパウダーが200mg、請求項2記載の前記ポリペプチド混合物が200mg、枸杞子の抽出エキスが200mg、西洋人参の抽出エキスが200mg、螺旋藻粉が200mg。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−36749(P2006−36749A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−349007(P2004−349007)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(504442698)
【Fターム(参考)】