説明

チタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法

【課題】タン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法において、微視的にも各金属元素が概ね均一に存在する、従来よりも熱特性が改善されたチタン酸アルミニウム系セラミックスが得られる製造方法を提供すること。
【解決手段】チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液から、好ましくは共沈操作で析出物を析出させ、得られた析出物を粉末とした析出物粉末を含む原材料粉末を用いて焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタン酸アルミニウム系セラミックスは、構成元素としてチタンおよびアルミニウムを含み、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを有するセラミックスであって、耐熱性に優れたセラミックスとして知られており、従来からルツボのような焼結用の冶具などとして用いられてきたが、近年では、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれる微細なカーボン粒子を捕集するためのセラミックスフィルターを構成する材料として、産業上の利用価値が高まっている。
【0003】
かかるチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法としては、チタニアなどのチタン源化合物の粉末およびアルミナなどのアルミニウム源化合物の粉末を含む原材料混合物を焼成する方法が知られており、さらにマグネシウム源粉末の粉末およびアルカリ長石の粉末を加えた原料混合物を焼成することにより、より耐熱性を向上させたチタン酸アルミニウム系セラミックスが得られることも知られている〔特許文献1〕。
【0004】
上記のようにディーゼルエンジンなどの内燃機関のような厳しい環境で使用され始めたチタン酸アルミニウム系セラミックスは、従来よりも更なる熱特性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2005/105704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者らは、従来よりも熱特性が改善されたチタン酸アルミニウム系セラミックスを製造しうる方法を開発すべく、鋭意検討した結果、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液の析出物から得られる析出物粉末を原材料粉末として焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法を提供するものである。なお前記原材料粉末を成形して原材料成形体を作製し、得られた原材料成形体を焼成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液の析出物から得られる、微視的にも各金属元素が概ね均一に存在する原材料粉末を使用して焼成を行うため、従来よりも熱特性が改善されたチタン酸アルミニウム系セラミックスを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の製造方法では、チタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成原料として、チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液の析出物から得られる析出物粉末を含む原材料粉末、または該原材料粉末を成形した原材料成形体が用いられる。
【0010】
チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液は、チタン元素を含む化合物とアルミニウム元素を含む化合物とを溶媒に溶解して得られる。溶媒として典型的に用いられるのは水であるが、アルコール類を用いてアルコキシドの状態で溶解させてもよい。なお、水を用いる場合、チタン元素を含む化合物とアルミニウム元素を含む化合物の溶媒として機能させるために、酸性状態とするのが一般的である。
【0011】
水を溶媒として用いる場合、チタン元素を含む化合物としては、元素としてチタンを含み、かつ水に可溶な化合物が用いられる。具体的には、塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタン、ペルオキソチタン酸、チタンペルオキソクエン酸錯体、キレートによるチタン錯体などを挙げることができる。なかでも安価で取り扱いが容易な塩化チタン、硫酸チタン、オキシ硫酸チタンが好ましい。
【0012】
また水を溶媒として用いる場合、アルミニウム元素を含む化合物としては、元素としてアルミニウムを含み、かつ水に可溶な化合物が用いられる。具体的には、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどの無機酸塩、クエン酸アルミニウムなどの有機酸塩、キレートによるアルミニウム錯体を挙げることができる。なかでも安価で取り扱いが容易な塩化アルミニウムなど無機酸塩が好ましい。
【0013】
前記チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液には、チタン元素、アルミニウム元素の他に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、ケイ素、鉄およびジルコニウムの群から選ばれる少なくとも1種類以上の追加元素を含んでもよい。ただし、追加元素は副次的な成分としなければならないので、その許容含有量は、チタン元素とアルミニウム元素との合計モル量100mol部に対し、前記追加元素0.1mol部以上、30mol部未満とすることが好ましい。前記追加元素を含む溶液は、チタン元素を含む化合物およびアルミニウム元素を含む化合物とともに、前記追加元素を含む無機酸塩、有機酸塩などのように、前記追加元素を含み、かつ水に可溶な化合物を、酸性水などの溶媒に溶解させることにより得られる。例えばマグネシウムの無機酸塩などのマグネシウム元素を含む化合物や、ケイ酸やケイ酸塩などのケイ素を含む化合物を前記チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液に溶解させ、マグネシウムおよび/またはケイ素を追加元素として含む溶液とすることで、これより析出する析出物を粉末にして原材料粉末で用いると、これを焼成して得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスは、微視的にも組成の均一なチタン酸アルミニウムマグネシウムや微視的にも均一にシリカが存在するチタン酸アルミニウム系セラミックスが得られ、その熱特性をいっそう改善させることができる。
【0014】
少なくともチタン元素とアルミニウム元素を含む前記溶液から析出物を析出させる手段としては、前記溶液を加熱して溶媒を除去する加熱法や、前記溶液にアルカリ性化合物などを加えてpHを調整したり、加水分解反応により難溶性の化合物を析出させる方法が挙げられる。pH調整により析出させる場合のpH値は、析出させる金属の種類にもよるが、一般的に中性〜アルカリ性に調整すればよく、具体的にはpHが5〜14であり、より好ましくはpHが6〜13である。なかでも、微視的により均一な組成の析出物を得るためには、前記方法を用いて、少なくともチタン元素を含む化合物とアルミニウム元素を含む化合物とを含む共沈析出物を得る共沈操作によることが好ましい。水を溶媒とした場合、かかる共沈操作を行うと、複合水酸化物として共沈析出物を得ることができる。
【0015】
前記で得られる析出物は、通常スラリー状のものとして得られることが一般的であるが、ゲル状やゾル状となって析出したものや、スラリー状のものを濃縮してゲル状となったものなどであってもよく、その性状は制限されない。かかる性状の析出物は、ろ過や遠心・沈降分離などで固形分もしくは固形分が濃縮したスラリーを回収し、必要により蒸留水などで回収固形分を洗浄して残留溶媒を除去した後、真空乾燥や加熱乾燥などの方法によって、さらに水分を除去する。
【0016】
前記で得られる析出物を構成する粒子の粒子径は、各種金属元素の溶液中濃度、析出時のpH、析出温度、析出時間などの析出条件を調整することで制御することができる。前記水分を除去された析出物は、そのまま焼成原材料として用いることもできるが、通常の解砕手段で解砕を行って析出物粉末として焼成の原材料粉末とすることもできる。このようにして得られた析出物粉末は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0017】
前記析出条件の調整に加え、解砕の度合いによっても前記析出物粉末の二次粒子径を調整することができる。本発明の製造方法においては、その後の焼成工程の便宜や、焼成させて得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスの熱特性を向上させるため、前記析出物粉末の平均二次粒子径が1μm以上、30μm以下の範囲となるように、粉砕機器、粉砕の振動数・回転数、粉砕時間、粉砕メディアの種類・大きさ・量などを適宜調整することが好ましい。
【0018】
かくして得られる析出物粉末は、そのまま焼成の原材料粉末として用いることもできるが、さらにマグネシウム源粉末やシリカ源粉末と混合して原材料粉末として用いることもできる。また原材料粉末に、更に造孔材および/またはバインダーなどを混合したうえで成形し、原材料成形体を形成してから、該原材料成形体を焼成することもできる。
【0019】
かくして得られる析出物粉末は、上記のとおり焼成の原材料として用いるものであるため、その元素モル比は、焼成にて得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体の理論モル比に近いものであることが好ましい。具体的にはTi/Alで表されるチタン元素とアルミニウム元素の元素モル比が0.1以上、2以下であることが好ましく、0.3以上、1以下であることが更に好ましい。
【0020】
前記析出物粉末に混合するマグネシウム源粉末としては例えばマグネシア(酸化マグネシウム)が挙げられる。その他のマグネシウム源粉末としては、空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばマグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
【0021】
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0022】
マグネシウムアルコキシドとして具体的にはマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。
【0023】
また上記のとおりマグネシウム源粉末として、マグネシアスピネル〔MgAl〕など複合金属酸化物の粉末なども用いることができる。本発明の製造方法では、マグネシウム源粉末は一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用して用いてもよい。なおマグネシウム源粉末は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0024】
前記析出物粉末に、マグネシウム源粉末を加えて原材料粉末とする場合、マグネシウム源粉末の含有量は、前記析出物粉末中のチタニア〔TiO〕換算のチタン元素量とアルミナ〔Al23〕換算のアルミニウム元素量との合計量100質量部あたり、マグネシウム源粉末が、マグネシア〔MgO〕換算のマグネシウム元素量で、通常0.1質量部〜10質量部であり、好ましくは8質量部以下である。
【0025】
シリカ源粉末としては、例えば粉末状の二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などの酸化ケイ素〔シリカ〕が挙げられる。また空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物をシリカ源粉末として用いることもできる。かかる化合物としては、例えばケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ケイ素およびアルミニウムを含む非晶質性の複合酸化物、ガラスフリット、ケイ素およびアルミニウムを含む複合酸化物などが挙げられる。工業的に入手が容易である点で、長石、ガラスフリットなどが好ましい。なおガラスフリットとは、ガラスが粉砕されたフレーク又は粉末状のガラスをいう。ガラスフリットを構成するガラスとしては、一般的なケイ酸〔SiO(OH)4−2Xを主成分(全成分中50重量%以上)とするケイ酸ガラスが用いられる。その他の含有成分としては、一般的なケイ酸ガラスと同様、アルミナ〔Al〕、酸化ナトリウム〔NaO〕、酸化カリウム〔KO〕、酸化カルシウム〔CaO〕、マグネシア〔MgO〕を含んでいてもよい。本発明の製造方法では、シリカ源粉末は一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用して用いてもよい。なおシリカ源粉末は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0026】
前記析出物粉末に、シリカ源粉末を加えて原材料粉末とする場合、シリカ源粉末の好ましい添加量は、前記析出物粉末中のチタニア〔TiO〕換算のチタン元素量とアルミナ〔Al23〕換算のアルミニウム元素量との合計量100質量部あたり、シリカ源粉末が、シリカ〔SiO〕換算のケイ素元素量で0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは10質量部以下である。
【0027】
なお、マグネシウム源粉末および/またはシリカ源粉末を加えた原材料粉末であっても、その平均二次粒子径は1μm以上、30μm以下の範囲内となるように維持することが好ましい。また前記マグネシウム源粉末やシリカ源粉末には、選択する化合物によっては副次的な成分としてアルミニウムや場合によってはチタンなどが含まれている場合がある。かかるアルミニウム成分やチタン成分は、前記析出物粉末で達成したチタン元素とアルミニウム元素の微視的な均一性を乱し、マクロとしての熱特性に影響を与える恐れがあるため、マグネシウム源粉末および/またはシリカ源粉末を含有させることによるアルミニウム元素およびチタン元素の混入許容量は、全体のチタン元素量、アルミニウム元素量に対して、それぞれの元素で20mol%以下にすることが好ましい。
【0028】
マグネシウム源粉末および/またはシリカ源粉末を加えた前記原材料粉末に対し、混合或いは粉砕混合を行ってもよい。またマグネシウム源粉末および/またはシリカ源粉末を加えない系においても、前記析出物の解砕の手段として粉砕混合を行ってもよい。混合方法は、乾式混合でもよいし、湿式混合でもよい。ただし湿式混合を行う際には、混合操作中にチタン成分やアルミニウム成分が湿式混合の溶媒中に溶解しないように、溶媒の種類を選択し、或いは溶液のpHを調整する必要がある。
【0029】
乾式雰囲気で混合するには、例えば前記原材料粉末を混合し、液体媒体中に分散させること無く、粉砕容器内で撹拌すればよく、通常は粉砕メディアの共存下に粉砕容器内で撹拌する。
【0030】
粉砕容器としては通常、ステンレス鋼などの金属材料で構成されたものが用いられ、内表面がフッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などでコーティングされていてもよい。粉砕容器の内容積は、原材料混合物および粉砕メディアの合計容積に対して通常1容量倍〜4容量倍、好ましくは1.2容量倍〜3容量倍である。
【0031】
粉砕メディアとしては、例えば直径1mm〜100mm、好ましくは5mm〜50mmのアルミナボール、ジルコニアボールなどが挙げられる。粉砕メディアの使用量は、原材料混合物の使用量に対して通常1質量倍〜1000質量倍、好ましくは5質量倍〜100質量倍である。
【0032】
粉砕は、例えば粉砕容器内に前記原材料粉末と砕メディアとを投入したのち、粉砕容器を振動させたり、回転させたり、或いはその両方により行われる。粉砕容器を振動または回転させることにより、前記原材料粉末が粉砕メディアと共に撹拌されて混合されると共に、粉砕される。粉砕容器を振動または回転させるためには、例えば振動ミル、ボールミル、遊星ミルのような通常の粉砕機を用いることができ、工業的規模での実施が容易である点で、振動ミルが好ましく用いられる。粉砕容器を振動させる場合、その振幅は通常2mm〜20mm、好ましくは12mm以下である。粉砕は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよいが、工業的規模での実施が容易である点で、連続式で行うことが好ましい。粉砕に要する時間は通常1分〜6時間、好ましくは1.5分〜2時間である。
【0033】
前記原材料粉末を乾式にて粉砕するにあたっては、粉砕助剤、解膠剤などの添加剤を加えてもよい。粉砕助剤としては、例えばメタノール、エタノールプロパノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、トリエタノールアミンなどのアミン類、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸類、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素材料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0034】
添加剤を用いる場合、その合計使用量は、前記原材料粉末の使用量100質量部あたり通常0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.5質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.75質量部〜2質量部である。
【0035】
一方、湿式混合では、例えば、前記原材料粉末を混合し、液体媒体中に分散させることで行うことができる。混合機としては通常の液体溶媒中で攪拌処理のみでもよいし、粉砕メディアの共存下に粉砕容器内で攪拌してもよい。
【0036】
粉砕容器としては通常、ステンレス鋼などの金属材料で構成されたものが用いられ、内表面がフッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などでコーティングされていてもよい。粉砕容器の内容積は、原材料混合物および粉砕メディアの合計容積に対して通常1容量倍〜4容量倍、好ましくは1.2容量倍〜3容量倍である。
【0037】
湿式混合に溶媒としては通常は水が用いられ、不純物が少ない点で、イオン交換水が好ましい。ただし、溶媒としてこれ以外にも例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類や、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類などの有機溶剤を用いることもできる。溶媒の使用量は、前記混合物量100質量部に対して通常20質量部〜1000質量部、好ましくは30質量部〜300質量部である。
【0038】
粉砕メディアとしては、例えば直径1mm〜100mm、好ましくは5mm〜50mmのアルミナボール、ジルコニアボールなどが挙げられる。粉砕メディアの使用量は、前記原材料粉末の使用量に対して通常1質量倍〜1000質倍部、好ましくは5質量倍〜100質量倍である。
【0039】
前記原材料粉末を湿式にて粉砕するにあたっては粉砕助剤を添加してもよく、粉砕は、例えば粉砕容器内に前記原材料粉末および粉砕メディアを投入したのち、粉砕容器を振動させたり、回転させたり、或いはその両方により行われる。粉砕容器を振動または回転させることにより、前記原材料粉末が粉砕メディアと共に撹拌されて混合されると共に、粉砕される。粉砕容器を振動または回転させるためには、例えば振動ミル、ボールミル、遊星ミルなどのような通常の粉砕機を用いることができ、工業的規模での実施が容易である点で、振動ミルが好ましく用いられる。粉砕容器を振動させる場合、その振幅は通常2mm〜20mm、好ましくは12mm以下である。粉砕は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよいが、工業的規模での実施が容易である点で、連続式で行うことが好ましい。
【0040】
湿式で混合するに際して溶媒には分散剤を添加してもよい。分散剤としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤を使用する場合、その使用量は溶媒100質量部あたり通常0.1質量部〜20質量部、好ましくは0.2質量部〜10質量部である。
【0041】
混合後、溶媒を除去することにより、均一に混合された前記混合物を得ることができる。溶媒の除去は通常、溶媒を留去することにより行われる。
【0042】
溶媒を除去するにあたり、室温にて風乾してもよいし、真空乾燥してもよいし、加熱乾燥をしてもよい。乾燥方法は静置乾燥でもよいし、流動乾燥でもよい。加熱乾燥をする際の温度は特に規定しないが、通常50℃以上250℃以下である。加熱乾燥に用いられる機器として、例えば棚段乾燥機、スラリードライヤー、スプレードライヤーなどが挙げられる。
【0043】
このように混合された原材料粉末は、焼成されることによりチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成体なる。若しくは原材料粉末を成形して原材料粉末の成形体としてから焼成してもよい。成形体としてから焼成を行うことで、チタン酸アルミニウムの生成を促進することができる。成形に用いる成形機としては、一軸押出成形機、一軸プレス機、打錠機、造粒機などが挙げられる。
【0044】
一軸押出成形機を用いる際には、原材料粉末に造孔剤、バインダー、潤滑剤、可塑剤、分散剤、溶媒などを添加し、成形することができる。
【0045】
造孔剤としては、例えばグラファイトなどの炭素材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂類、でんぷん、ナッツ殻、くるみ殻、コーンなどの植物系材料、氷またはドライアイスなどが挙げられる。
バインダーとしては、例えばメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコールなどのアルコール類、リグニンスルホン酸塩などの塩、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス、EVA、ポリエチレン、ポリスチレン、液晶ポリマー、エンジニアリングプラスチックなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。なお、物質によっては造孔剤とバインダーの両方の役割を兼ねるものがある。このような物質としては、成形時には粒子同士を接着して成形体を保形させることができ、その後の焼成時にそれ自身が燃焼して空孔を形成させることができるものであればよく、具体的にはポリエチレンなどが該当する場合がある。
【0046】
潤滑剤としては、例えば、グリセリンなどのアルコール系潤滑剤、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩などが挙げられる。かかる潤滑剤は、通常可塑剤としても機能する。
【0047】
溶媒は、通常イオン交換水の他、メタノール、エタノールなどのアルコール類が用いられる。
【0048】
なお成形に用いる造孔剤、バインダー、潤滑剤、可塑剤、分散剤、溶媒は、原料由来或いは製造工程で混入する不可避不純物を含むものであってもよい。
【0049】
前記原材料粉末或いはその成形体を焼成して、チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムなどのチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成体を得る場合、焼成温度は通常1200℃以上、好ましくは1400℃以上である。一方、生成されるチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成体を加工し易いものにするため、或いはその後粉末状にする場合には、解砕しやすいものにするため、焼結温度は、通常1650℃以下、好ましくは1550℃以下とする。焼成温度までの昇温速度、昇温パターンは特に限定されるものではないが、通常は2℃/時間〜500℃/時間である。また焼成途中で、一定温度にて保持する過程を設けてもよい。
【0050】
焼成は通常、大気中で行われるが、原材料混合物の成分や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また雰囲気中の水蒸気分圧を低くして焼成してもよい。
【0051】
焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行われる。焼成は回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。また静置式で行ってもよいし、流動式で行ってもよい。
【0052】
焼成に要する時間は、前記原材料粉末或いはその成形体が、チタン酸アルミニウム系セラミックスに遷移するに十分な時間であればよく、前記混合物の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
【0053】
かくして焼成物として目的のチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成体を得ることができる。かかる焼成体の研削加工によって最終製品の形態とすることもできる。
【0054】
更に塊状の前記セラミックス焼成体を解砕することにより、前記セラミックスの粉末を得ることができる。解砕は、例えば手解砕、乳鉢、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体撹拌ミル、ピンミル、ジェットミル、ハンマーミル、ロールミルなどの通常の解砕機を用いて行うことができる。解砕により得られた前記セラミックス粉末は、通常の方法で分級してもよい。かくして得られる前記セラミックス粉末は、概ね球形をしているので、これを取扱う際に、取扱容器などを磨耗させることがない。
【0055】
更に前記セラミックス粉末を公知の粉末成形技術により顆粒状にすることもできる。
【0056】
本発明の製造方法で得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスは、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを含むものであるが、その他に例えばシリカ、アルミナ、チタニアなどの結晶パターンを含んでいてもよい。チタン酸アルミニウム系セラミックスが、チタン酸アルミニウムマグネシウム(Al(1−x)MgxTi(1+x)O)である場合、前記xの値は0.01以上であり、好ましくは0.01以上0.7以下、より好ましくは0.02以上0.5以下である。
【実施例】
【0057】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の様態のみに限定されるものではない。
【0058】
なお、各実施例、比較例で得られたチタン酸アルミニウム系セラミックスの熱分解率は、次のように測定した。チタン酸アルミニウム系セラミックス粉末をアルミナルツボに仕込み箱型電気炉にて1100℃で48時間保持することで熱分解評価用チタン酸アルミニウムマグネシウムを得、得られた熱分解評価用チタン酸アルミニウムマグネシウムを粉末X線回折スペクトル〔XRD〕にて2θ=27.4°の位置に現れるピーク〔チタニア・ルチル相(110)面に対応する〕の積分強度(IT)と、2θ=33.7°の位置に現れるピーク〔チタン酸アルミニウム相(230)面およびチタン酸アルミニウムマグネシウム相(230)面に相当する〕の積分強度〔IAT〕とから、式(1)より算出した。
熱分解率(%)=100−100×IAT/(IAT +IT)・・・(1)
【0059】
また、各実施例、比較例で得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス中のチタン酸アルミニウム(マグネシウム)化率(以下「AT化率」という。)は、粉末X線回折スペクトルにおける2θ=27.4°の位置に現れるピーク〔チタニア・ルチル相(110)面に対応する〕の積分強度(IT)と、2θ=33.7°の位置に現れるピーク〔チタン酸アルミニウム相(230)面およびチタン酸アルミニウムマグネシウム相(230)面に相当する〕の積分強度〔IAT〕とから、式(2)から算出した。
AT化率(%)=100×IAT/(IAT +IT)・・・(2)
【0060】
また、各実施例、比較例で得られたチタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末は、走査型電子顕微鏡〔SEM〕によりその粒子形状を観察した。
【0061】
また、各実施例、比較例で得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成体密度は、次の方法により測定し、評価した。まず各実施例、比較例記載の各金属源化合物を混合または粉砕混合し、得られた原材料混合物3gを一軸プレスにて0.3t/cmの圧力下で成形することで直径20mmの成形体を作製した。次に、この成形体を箱型電気炉にて昇温速度300℃/h、1450℃で4時間焼成してチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体を得た。この焼成体をアルキメデス法にて測定することで、測定したチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼成体密度とした。
【0062】
また、各実施例、比較例で得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体の熱膨張係数ならびに収縮率の測定は、次の操作で行った。前記焼成体密度の測定で得られた各実施例、比較例の焼成体から切り出した検体を、200℃/hで600℃まで昇温し熱処理をしたのち、熱機械的分析装置〔TMA (SIIテクノロジー(株)社製 TMA6300)を用いて、室温から1000℃まで600℃/hで昇温させた際の膨張率で、熱膨張係数〔K−1〕を測定し、1000℃から600℃/hで降温させた際の収縮率の最も低い値を収縮率とした。
【0063】
〔実施例1〕
Ti/Alで表されるチタン元素とアルミニウム元素の元素モル比が0.5となるように、塩化アルミニウムおよびオキシ硫酸チタンの分量を調整し、ガラス製ビーカー内の蒸留水中に投入し、攪拌により溶解させて、アルミニウム‐チタン混合水溶液を得る。前記アルミニウム‐チタン水溶液を攪拌しながら、アンモニア水を徐々に添加して、析出物としてアルミニウム‐チタンの共沈物スラリーを得る。次いで、共沈物スラリーについて、ろ過・蒸留水洗浄を行い、乾燥させて共沈物乾燥体(析出物粉末)を得る。
【0064】
該共沈物乾燥体48.1g、マグネシア粉末〔宇部マテリアル(株)、「UC−95M」〕5.0gおよびガラスフリット〔タカラスタンダード(株)、型番「CK−0832−M2」〕1.2gである原材料粉末を、アルミナボール〔直径15mm〕5kgと共にアルミナ製粉砕容器〔内容積3.3L〕に投入する。
【0065】
その後、容器を振動ミルにより振幅5.4mm、振動数1760回/分、動力5.4kWにて重力加速度10G相当の条件下にて6分間振動させることにより粉砕容器内の前記混合物を粉砕する。この原材料粉末のうち5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1450℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成する。その後、室温まで放冷して、チタン酸アルミニウム系セラミックスを得る。このチタン酸アルミニウム系セラミックスを乳鉢にて解砕することでチタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末を得る。
【0066】
〔実施例2〕
Ti/Alで表されるチタン元素とアルミニウム元素の元素モル比が0.5となり、更にチタン元素とアルミニウム元素との合計モル量を100mol部とした場合、マグネシウム元素が5mol部となるように、塩化アルミニウム、オキシ硫酸チタンおよび塩化マグネシウムの分量を調整し、ガラス製ビーカー内の蒸留水に投入し、攪拌により溶解し、アルミニウム−チタン−マグネシウム混合水溶液を得る。前記アルミニウム−チタン水溶液を攪拌しながら、アンモニア水を徐々に添加して、析出物としてアルミニウム−チタン−マグネシウムの共沈物スラリーを得る。次いで、共沈物スラリーについて、ろ過・蒸留水洗浄を行い、100℃で乾燥させて共沈物乾燥体(析出物粉末)を得る。
【0067】
該共沈物乾燥体49.1g、およびガラスフリット〔タカラスタンダード(株)、型番「CK−0832−M2」〕1.1gである原材料粉末を、アルミナボール〔直径15mm〕5kgと共にアルミナ製粉砕容器〔内容積3.3L〕に投入する。
【0068】
その後、容器を振動ミルにより振幅5.4mm、振動数1760回/分、動力5.4kWにて重力加速度10G相当の条件下にて6分間振動させることにより粉砕容器内の前記混合物を粉砕する。この原材料粉末のうち5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1450℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成する。その後、室温まで放冷して、チタン酸アルミニウム系セラミックスを得る。このチタン酸アルミニウム系セラミックスを乳鉢にて解砕することでチタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末を得る。
【0069】
〔比較例1〕
チタニア粉末〔デュポン(株)、「R−900」〕20.0g、αアルミナ粉末〔一次粒子径4μm、二次粒子径80μm〕27.4g、マグネシア粉末〔宇部マテリアル(株)、「UC−95M」〕0.8gおよびガラスフリット〔タカラスタンダード(株)製、型番「CK-0832」〕1.8gを、アルミナボール〔直径15mm〕5kgと共にアルミナ製粉砕容器〔内容積3.3L〕に投入した。このチタン酸アルミニウム系セラミックス中のチタン酸アルミニウムマグネシウムのx値は約0.09である。
【0070】
これらチタニア粉末、αアルミナ粉末、マグネシア粉末ならびにガラスフリットの前記混合物の合計容積は約50cm3であった。その後、容器を振動ミルにより振幅5.4mm、振動数1760回/分、動力5.4kWにて重力加速度10G相当の条件下にて6分間振動させることにより粉砕容器内の前記混合物を粉砕し、原材料混合物を得た。この原材料混合物のうち5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1450℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成した。その後、室温まで放冷して、チタン酸アルミニウム系セラミックスを得た。得られたチタン酸アルミニウム系セラミックスを乳鉢にて解砕することでチタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末を得た。粉末X線回折法により、前記粉末のX線回折スペクトルを得たところ、チタン酸アルミニウの結晶ピークを示し、αアルミナの結晶ピークがわずかに見られた。チタニアルチル相の結晶ピークは見られなかった。このチタン酸アルミニウム系セラミックスのAT化率を求めたところ100%であった。また、得られたチタン酸アルミニウム系セラミックスの熱分解率を測定したところ23.2%であった。またこのチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の形状をSEMにて観察したところ、粉末を構成する粒子のほとんどが概ね球形であった。また、焼成体密度を測定したところ3.37g/cmであり、熱膨張係数は1.6×10−6−1、収縮率は−0.32%であった。
【0071】
なお、実施例1,2および比較例1で使用したガラスフリットの成分とその割合を、蛍光X線分析装置〔リガク製ZSX Primus II〕にて確認した。その結果は表1のとおりである。
【0072】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の製造方法で得られるチタン酸アルミニウムまたはチタン酸アルミニウムマグネシウムなどのチタン酸アルミニウム系セラミックスは、産業上様々な用途に用いることができ、例えばルツボ、セッター、コウ鉢、炉材などの焼成炉用冶具、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられるフィルターや触媒担体、ビールなどの食品の濾過用フィルター、石油精製時に生じるガス成分、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素などを選択的に透過させるための選択透過フィルター等に用いられるセラミックスフィルター、基板、コンデンサーなどの電子部品などが挙げられる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液の析出物から得られる析出物粉末を原材料粉末として焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項2】
チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液の析出物から得られる析出物粉末を原材料粉末とし、前記原材料粉末を成形して原材料成形体を作製し、得られた原材料成形体を焼成することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項3】
前記析出物粉末を構成するそれぞれの粒子について、同一粒子内に少なくともチタン元素とアルミニウム元素とを含む、請求項1または2記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項4】
前記原材料粉末に、更に造孔材および/またはバインダーを混合して成形して原材料成形体を作製し、得られた原材料成形体を焼成する請求項1〜3いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項5】
前記析出物粉末について、Ti/Alで表されるチタン元素とアルミニウム元素の元素モル比が0.1以上、2以下である請求項1〜4いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項6】
前記溶液が、チタン元素、アルミニウム元素の他に、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、ケイ素、鉄およびジルコニウムの群から選ばれる1種類以上の追加元素を含み、
前記溶液の析出物が、チタン元素とアルミニウム元素との合計モル量100mol部に対し、前記追加元素0.1mol部以上、30mol部未満含有する請求項1〜5いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項7】
前記析出物粉末の平均二次粒子径が、1μm以上、30μm以下である請求項1〜6いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項8】
前記析出物が、複合水酸化物である請求項1〜7いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項9】
前記析出物が、共沈操作で析出されたものである請求項1〜8いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項10】
前記原材料粉末が、更にマグネシウム源粉末を含む請求項1〜9いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項11】
前記原材料粉末が、更にシリカ源粉末を含む請求項1〜10いずれかの項に記載のチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法。
【請求項12】
前記シリカ源粉末が、長石またはガラスフリットの粉末である請求項11記載のチタン酸アルミニウムセラミックスの製造方法。
【請求項13】
前記焼成時の焼成温度が1200℃以上、1650℃未満である請求項1〜12に記載のチタン酸アルミニウムセラミックスの製造方法。
【請求項14】
チタン元素とアルミニウム元素を含む溶液から析出させて得られる析出物粉末であって、前記粉末を構成するそれぞれの粒子が、同一粒子内に少なくともチタン元素とアルミニウム元素を含む、チタン酸アルミニウムセラミックス製造に用いる析出物粉末。



【公開番号】特開2010−159172(P2010−159172A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−889(P2009−889)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】