説明

チップ部品の良否判定方法

【課題】 使用環境下で発生するおそれがあるチップ部品の内部クラックを有効に検出することが可能なチップ部品の良否判定方法を提供すること。
【解決手段】 複数の端子電極が形成されたチップ部品を準備する工程と、配線が施された試験用基板のパッド部と端子電極とを接続する工程と、加圧部を有する耐湿負荷試験機内に試験用基板を、チップ部品が取付けられた試験用基板の表面が下向きになるように配置し、試験用基板の裏面から加圧部で試験用基板を加圧して、チップ部品が突出するように試験用基板を撓ませる工程と、試験用基板を撓ませた状態で、耐湿負荷試験機を用いて加湿試験を行い、電気的特性の劣化の有無を評価する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサなどのチップ部品の良否判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板に実装されたチップ部品は、製品の実際の使用環境下では、様々なストレスを受ける。チップ部品が受けるストレスによって、チップ部品の内部にクラックが発生することがある。
【0003】
一方、電子部品のストレス耐性を評価する方法として、高湿度環境になる試験槽内に配置される感湿素子のインピーダンスを経時的に測定する耐湿試験が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、単に耐湿試験を行ったのみでは、使用環境下で受ける様々なストレスによりチップ部品に発生するおそれがある内部クラックを検出することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−35714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、使用環境下で発生するおそれがあるチップ部品の内部クラックを有効に検出することが可能なチップ部品の良否判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るチップ部品の良否判定方法は、
複数の端子電極が形成されたチップ部品を準備する工程と、
配線が施された試験用基板のパッド部と前記端子電極とを接続する工程と、
加圧部を有する耐湿負荷試験機内に前記試験用基板を配置し、前記試験用基板の裏面から前記加圧部で前記試験用基板を加圧して、前記チップ部品が取付けられた前記試験用基板の表面が突出するように前記試験用基板を撓ませる工程と、
前記試験用基板を撓ませた状態で、前記耐湿負荷試験機を用いて加湿試験を行い、電気的特性の劣化の有無を評価する工程とを有することを特徴とする。
【0008】
製品の実際の使用環境においては、基板が撓んだ状態でチップ部品が使用されることがある。従来の試験方法では、このような状態を想定していなかった。本発明では、耐湿負荷試験機を用いて、試験用基板を撓ませた状態で加湿試験を行う。すなわち、試験用基板が曲げられてチップ部品に応力が加わった状態でチップ部品の電気的特性の劣化の有無を評価する。したがって、将来的に製品に生じるおそれがある応力腐食による構造欠陥を未然に判別することができる。そのため、使用環境下で発生するおそれがあるチップ部品の内部クラックを有効に検出することが可能となる。
【0009】
好ましくは、前記チップ部品の電気抵抗特性を測定することにより、前記電気的特性の劣化の有無を評価する。
【0010】
チップ部品に内部クラックが発生していると、水分が内部クラックに入り込みやすく、このような状態のチップ部品に電圧を印加すると導通する。したがって、チップ部品の電気抵抗特性を測定することにより、電気的特性の劣化の有無を判別することができる。
【0011】
好ましくは、加圧方向から見て、前記加圧部に比較して前記チップ部品が小さく、前記加圧部と前記チップ部品とが重なる位置となるように、前記試験用基板を前記耐湿負荷試験機内に配置する。
【0012】
このように配置することにより、配線基板のたわみ量に応じて、チップ部品に正確に応力を印加することができる。
【0013】
前記チップ部品が取付けられた前記試験用基板の表面が上向きになるように、前記試験用基板を前記耐湿負荷試験機内に配置しても良いが、前記チップ部品が取付けられた前記試験用基板の表面が下向きになるように、前記試験用基板を前記耐湿負荷試験機内に配置することが好ましい。
【0014】
前記チップ部品の前記電気的特性の劣化の有無を評価することで、前記チップ部品のリード部が前記端子電極から位置ずれした前記チップ部品を検出することもできる。
【0015】
チップ部品の製造工程において、積層ずれや印刷ずれにより、リード部が端子電極からわずかに表面露出したチップ部品が製造される場合がある。このようなチップ部品は、外観による検査のみでは検出が困難である。このようなチップ部品は、リード部が表面に露出した部分から、水分がチップ部品に入り込み、応力腐食割れの原因となりやすい。本発明では、上記の工程を用いて電気的特性の劣化の有無を評価するので、リード部が端子電極から位置ずれして、電気的特性の劣化が生じ易いチップ部品を、精度良く容易に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、試験用基板に実装するチップ部品の外観図である。
【図2】図2は、図1に示すチップ部品の分解斜視図である。
【図3】図3は、リード部が端子電極から位置ずれした様子を示すチップ部品の側面図である。
【図4】図4は、図1のIV−IV断面図である。
【図5】図5は、本発明に用いる耐湿負荷試験機の側面図である。
【図6】図6(A)は、チップ部品が配置された試験用基板の断面図、図6(B)は、図6(A)のVIB−VIB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
チップ部品の全体構成
まず、本発明の一実施形態に係るチップ部品の良否判定方法で判定されるチップ部品2の一例として、多端子構造の積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。図1に示すように、チップ部品2は、誘電体層12a(図2に示す)を複数枚積層した積層体を焼成することで得られた直方体状の焼結体である素子本体12を有する。
【0018】
図1に示すチップ部品2は、素子本体12が幅W、長さL、高さTを有している。幅W、長さL、高さTの値は、特に限定されないが、たとえば幅W=0.7〜0.9mm、長さL=1.5〜1.7mmであり、これらの幅Wおよび長さLに比較して、高さTが小さい低背型のチップ部品である。
【0019】
図1に示ように、チップ部品2は、X軸方向(素子本体12の長さL方向)に沿って複数の端子電極31〜38を有している。複数の端子電極31〜38は、Y軸方向(素子本体12の幅W方向)に沿って対向する第1面12Aおよび第2面12Bに露出するリード部31L〜38Lの端部(図2に示す)を被うように配置される。X軸、Y軸、Z軸は、相互に垂直になっている。
【0020】
複数の端子電極31〜38の材質は特に限定されず、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。
【0021】
図2に示すように、各誘電体層12aには、内部電極31C〜38Cが形成されている。内部電極31C〜38Cはそれぞれ、Y軸方向に沿ってリード部31L〜38Lを有している。
【0022】
誘電体層12aの材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各誘電体層12aのZ軸方向における厚みは、特に限定されないが、たとえば1.5〜2.5μmである。
【0023】
上述したチップ部品2の製造工程において、誘電体層12aの積層ずれや内部電極31L〜38Lの印刷ずれまたは端子電極31〜38の位置ずれなどにより、図3に示すように、リード部31L〜38Lが端子電極31〜38からわずかにずれて、リード部31L〜38Lが表面に露出したチップ部品が製造される場合がある。
【0024】
図3に示す不具合の一例では、リード部35L〜38Lが、端子電極35〜38よりもX軸方向にはみ出し、表面に露出している。はみ出し量は、例えば50〜100μm程度である。なお、図3では不具合を分かりやすく説明するために、リード部35L〜38Lが実際の比率よりも大きくはみ出しているように図示してある。このようなチップ部品2は、全体としてのサイズが小さく、リード部35L〜38Lのはみ出しを外観による検査で検出することは困難である。
【0025】
このようなチップ部品2は、実際の製品の使用環境下で受ける様々なストレスにより、リード部が表面に露出した部分から水分がチップ部品2の内部に入り込みやすい。その結果、図4に示す図1のIV−IV断面図のように、誘電体層間をまたぐようなヒビ(応力腐食割れ)40が発生している場合には、そのヒビ40の部分に水分が侵入し、ショート不良などの不具合を発生させやすい。本実施形態では、工場出荷後に発生するおそれのあるこのような不具合を未然に検出するため、以下に述べる耐湿負荷試験を行う。
【0026】
耐湿負荷試験
まず、図1に示すチップ部品2を準備する。そして、図5に示す試験用基板4の表面4aに形成されるパッド部14(図6(A)に示す)にチップ部品2の端子電極31〜38を接続する。パッド部14は、試験用基板4のY軸方向の略中央に配置されることが好ましい。試験用基板4のY軸方向の中央において、たわみ量が大きいためである。チップ部品2が取付けられた位置で試験用基板4を大きく撓ませることで、チップ部品2に生じる応力を大きくすることができる。
【0027】
試験用基板4は、図6(B)に示すように、チップ部品2のY軸方向の中心から距離L1の位置に、それぞれ試験端子18A,18Bを有している。チップ部品2および試験端子18A,18Bはそれぞれ、試験用基板4の表面4aのX軸方向に沿って複数配置してある。配置数については、特に限定されないが、5〜10個配置することが好ましい。
【0028】
試験用基板4のサイズは、特に限定されないが、上述した距離L1は、チップ部品2の幅Wに対して30倍であることが好ましい。また、X軸方向における試験用端子間の距離L2は、チップ部品2の長さLに対して5倍であることが好ましい。
【0029】
試験用基板4には、図6(A)に示すパッド部14と試験端子18A,18Bとを電気的に接続する配線16が施されている。パッド部14と端子電極群31〜34および端子電極群35〜38との接続は、ハンダ付け等によって行われる。これにより、チップ部品2は、試験用基板4に対して、電気的・機械的に接続され、試験用基板4に密着する。
【0030】
配線16は、チップ部品2の端子電極31〜34と試験端子18Aとを、またチップ部品2の端子電極35〜38と試験端子18Bとを電気的に接続している。図6に示す配線16は、図5に示すように、測定装置23に接続されている。後述する試験の測定結果は、表示装置25に表示される。
【0031】
次に、図5に示すように、加圧部20を有する耐湿負荷試験機22の内部に配置される治具24の支持部26,26に、上述した試験用基板4のY軸方向における両端部4c,4cが接触するように配置する。この時、チップ部品2が取付けられた試験用基板4の表面4aが下向きになるように配置する。なお、耐湿負荷試験に用いられる治具24の構造上、図5における下方向とZ軸方向とは一致しているが、試験用基板4の表面4aが、後述する加圧方向を向いているのであれば、Z軸と一致しなくてよい。
【0032】
なお、図5に示すZ軸方向から見て、加圧部20に比較してチップ部品2が小さく、また、加圧部20とチップ部品2とが重なる位置となるように、試験用基板を耐湿負荷試験機22の内部に配置することが好ましい。
【0033】
次に、図5に示す入力装置21からたわみ量の条件が入力され、試験用基板4の裏面4bから、加圧部20で試験用基板4をZ軸方向に加圧する。加圧部20で試験用基板4を加圧することにより、チップ部品2が突出するように試験用基板4を所定量だけ撓ませる。図5に示す試験用基板4の中央でのたわみ量fは、0.5〜2.0mmとなるようにすることが好ましい。このように試験用基板4を撓ませた状態で、耐湿負荷試験機22を用いて加湿試験を行う。加湿試験の時間は、10〜100時間であることが好ましい。
【0034】
入力装置21にて湿度条件を入力すると、不図示の水蒸気導入口から、耐湿負荷試験機22の内部に水蒸気が送り込まれる。耐湿負荷試験機22の内部に配置される湿度センサ(不図示)によってリアルタイムに湿度が計測され、耐湿負荷試験機22の内部の湿度が一定に保持される。耐湿負荷試験機22の内部の相対湿度は、90〜100%RHとすることが好ましい。
【0035】
また、耐湿負荷試験機22には不図示のヒーターおよび温度センサが配置してあり、耐湿負荷試験機22の内部の温度が一定に制御される。耐湿負荷試験機22の内部の温度は比較的高温で制御されることが好ましく、加湿試験中は60〜150度であることが好ましい。
【0036】
加湿試験の所定の時間が経過した後に、図5および図6に示す試験端子18Aおよび18Bに電圧を印加する。印加電圧は、チップ部品2の定格電圧に対して0.8〜2.0倍が好ましい。チップ部品2の定格電圧よりも比較的に高い電圧であることが好ましい。そして、試験端子18Aと18Bとの間における電圧および電流値が、測定装置23によって測定され、チップ部品2の端子間の電気抵抗値が演算される。
【0037】
測定されたチップ部品2の端子間の電気抵抗値が所定値以下である場合に、測定対象のチップ部品2はショート不良を起こしていると考えられ、チップ部品2の内部に、図4に示すようなクラック40が生じている可能性があると判定することができる。
【0038】
すなわち、表示装置25に表示される電気抵抗値が所定値以下であれば、図3に示すように、チップ部品2のリード部31L〜38Lが端子電極31〜38から位置ずれしていると判定することができる。
【0039】
製品の実際の使用環境においては、基板が撓んだ状態でチップ部品が使用されることがある。従来の試験方法では、このような状態を想定していなかった。本実施形態では、耐湿負荷試験機22を用いて、試験用基板4を撓ませた状態で加湿試験を行う。すなわち、試験用基板4が曲げられてチップ部品2に応力が加わった状態でチップ部品の電気的特性の劣化の有無を評価する。したがって、将来的に製品に生じるおそれがある応力腐食による構造欠陥を未然に判別することができる。そのため、使用環境下で発生するおそれがあるチップ部品2の内部クラック40を有効に検出することが可能となる。
【0040】
チップ部品2に内部クラック40が発生していると、水分が内部クラック40に入り込みやすく、このような状態のチップ部品2に電圧を印加すると導通する。したがって、チップ部品2の電気抵抗特性を測定することにより、電気的特性の劣化の有無を判別することができる。
【0041】
また、本実施形態では、図5に示すZ軸方向から見て、加圧部20に比較してチップ部品2が小さく、また、加圧部20とチップ部品2とが重なる位置となるように、試験用基板を耐湿負荷試験機22の内部に配置する。このように配置することにより、配線基板4のたわみ量に応じて、チップ部品2に正確に応力を印加することができる。
【0042】
本実施形態では、上記の工程を用いて電気的特性の劣化の有無を評価するので、リード部31L〜38Lが端子電極31〜38から位置ずれして、電気的特性の劣化が生じ易いチップ部品2を、精度良く容易に検出することが可能となる。
【0043】
なお、上述した実施形態では、図5に示す測定装置23によって端子間の抵抗値を演算したが、抵抗値以外のパラメータを測定しても良い。具体的には、電流値等を測定しても良い。
【0044】
また、一つのロットから、ランダムに複数のチップ部品2を耐湿負荷試験し、試験済の全てのチップ部品についての電気抵抗値が所定値以下であれば、同一ロットの全チップ部品をOKと判断しても良い。また、所定個数以上、電気抵抗値が所定値以下の結果が出たチップ部品2が存在したら、同一ロットについて再試験を行っても良い。
【0045】
また、上述した試験を行った後に、同一ロットの別チップ部品を用いて、図6(B)に示す試験用基板に実装するチップ部品2の方向を異ならせて試験を行ってもよい。すなわち、チップ部品2の長さL方向と、図6(B)に示すY軸方向とが一致するようにして試験を行っても良い。この場合に、チップ部品2の方向による試験の順は、逆でも良い。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
チップ部品2のサイズは、幅W=0.8mm、長さL=1.6mm、高さT=0.6mmのものを使用した。図1に示す複数の端子電極31〜38の材質は、Cuペースト焼付層/Niめっき層/Snめっき層であるものを使用した。図2に示す誘電体層12aの材質は、チタン酸バリウムを主成分とし、各誘電体層12aのZ軸方向における厚みは、2.0μmとした。
【0047】
上記のチップ部品2を、同一ロットからランダムに25個選択し、図6に示す試験用基板4のパッド部14にはんだ付けにより実装した。はんだとしては、Sn−Ag3−Cu0.5を使用した。試験用基板4は、FR−4のガラス布基材エポキシ樹脂製のものを使用した。試験用基板4のサイズは、図6(B)に示すX軸方向の幅40mm、Y軸方向の長さ100mm、厚さ1.6mmのものを使用した。図6(B)に示す距離L1=25mm、距離L2=5mmとした。
【0048】
上記の試験用基板4を、図5に示す治具24に配置し、加圧部20で試験用基板4を加圧した。図5に示すたわみ量f=1mmとなるように加圧した。
【0049】
上記の状態にて、80時間、加湿試験を行った。加湿試験の条件は、耐湿負荷試験機22内の相対湿度が95%RHであり、温度を121度とした。
【0050】
80時間経過後に、図5および図6に示す試験端子18Aおよび18Bに3.6Vの電圧を印加し、個々のチップ部品2について、電気抵抗値が1MΩ以下であるか否かの判定を行った。電気抵抗値が1MΩ以下である場合に、チップ部品2は不良品であると判定した。
【0051】
試験に用いたチップ部品の総計25個のうち、不良品の占める割合を、クラック発生率として求めた。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
比較例1
図6に示す試験用基板4の加圧を行わない以外は、実施例1と同様にしてチップ部品2を加湿試験した。実施例1と同様にしてチップ部品2の端子間の電気抵抗値の測定を行い、試験に用いたチップ部品の総計25個のうち、不良品の占める割合を、クラック発生率として求めた。
【0054】
比較例2
図6に示す試験用基板4の加圧を10秒間のみ行い、加湿試験中は試験用基板4の加圧を行わない以外は、実施例1と同様にしてチップ部品2を加湿試験した。実施例1と同様にしてチップ部品2の端子間の電気抵抗値の測定を行い、試験に用いたチップ部品の総計25個のうち、不良品の占める割合を、クラック発生率として求めた。
【0055】
表1に示す実験結果より、比較例1および比較例2においてはクラック発生率がそれぞれ0%および4%であるのに対し、実施例1において、36%と高い値を得た。したがって、比較例1および2では検出できないチップ部品2の内部クラックを実施例では有効に検出することが可能であることが判明した。
【符号の説明】
【0056】
2…チップ部品
4…試験用基板
4a…表面
4b…裏面
12…素子本体
16…配線
20…加圧部
22…耐湿評価試験機
31〜38…端子電極
31L〜38L…リード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子電極が形成されたチップ部品を準備する工程と、
配線が施された試験用基板のパッド部と前記端子電極とを接続する工程と、
加圧部を有する耐湿負荷試験機内に前記試験用基板を配置し、前記試験用基板の裏面から前記加圧部で前記試験用基板を加圧して、前記チップ部品が取付けられた前記試験用基板の表面が突出するように前記試験用基板を撓ませる工程と、
前記試験用基板を撓ませた状態で、前記耐湿負荷試験機を用いて加湿試験を行い、電気的特性の劣化の有無を評価する工程とを有することを特徴とするチップ部品の良否判定方法。
【請求項2】
前記チップ部品の電気抵抗特性を測定することにより、前記電気的特性の劣化の有無を評価することを特徴とする請求項1に記載のチップ部品の良否判定方法。
【請求項3】
加圧方向から見て、前記加圧部に比較して前記チップ部品が小さく、前記加圧部と前記チップ部品とが重なる位置となるように、前記試験用基板を前記耐湿負荷試験機内に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のチップ部品の良否判定方法。
【請求項4】
前記試験用基板の前記表面が下向きになるように、前記試験用基板を前記耐湿負荷試験機内に配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチップ部品の良否判定方法。
【請求項5】
前記チップ部品の前記電気的特性の劣化の有無を評価することで、前記チップ部品のリード部が前記端子電極から位置ずれした前記チップ部品を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチップ部品の良否判定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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