説明

チャイルドガードセンサー

【課題】人感センサーを利用して、子供(人)の接近を検知する事を可能とする。
【解決手段】人感センサーはセキュリティー用途に使用される事が多く、遠方の広範囲な部分で人の検知を行う高感度タイプとなっているが、子供(人)の接近を検知するためには、近距離で部分的な検知が必要となってくる。増幅手段にてこの調整を行い、子供(人)の接近を検知する低感度タイプのチャイルドガードセンサーを製作。さらに高機能高性能とするためにマイコンを搭載し、人の認識をより正確に行うチャイルドガードセンサーを製作。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油もしくは電気によるストーブおよびファンヒーターの安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ストーブやファンヒーター等の石油燃焼機器または電気ヒーター機器には、転倒による火災防止のため、耐震自動消火装置や転倒安全スイッチが取り付けられている。
【0003】
さらに石油ファンヒーターには、子供が不用意に運転ボタンに触り燃焼運転とならないよう安全対策としてチャイルドロック機能が付加されている。
【0004】
また石油ファンヒーターの中には、人感センサーを利用して人の検知を行い、人が居ない時には省エネ運転、人が居る時には予め設定した温度で運転となる物もある。(特許文献1)
【0005】
しかし、いずれの場合も燃焼や発熱により高温になった部分に子供が接近した場合の安全対策にはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4412259号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、燃焼や発熱により高温となった部分に子供が接近した場合の安全対策が無い点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、子供の接近を検知するために接近検知専用の人感センサーを使用する事を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のチャイルドガードセンサーは、子供(人)の接近を検知する物であり、暖房機器以外にも例えば扇風機やアイロンなど、子供が接近すると危険な製品にも利用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明装置の請求項1の機能を示すブロック図である。(実施例1)
【図2】図2は本発明装置の請求項2の機能を示すブロック図である。(実施例2)
【図3】図3は本発明装置の請求項3の機能を示すブロック図である。(実施例3)
【図4】図4は本発明装置の実施例を示す説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0011】
子供(人)の接近を検知するという目的を、一般的に使用される人感センサーを利用して最小の部品点数で実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明装置であるチャイルドガードセンサーの1実施例のブロック図であって、1はセンサー手段、2は増幅手段、3はフィルター手段、4はコンパレータ手段である。
【0013】
センサー手段1には人感センサーが使用され人の検知を行うが、該センサー手段1からの信号は微小な変化なため、増幅手段2により信号増幅を行う。この増幅された信号には電磁波や外来光等の影響によりノイズ成分が含まれる場合があるため、極力人の動きを検知するためにフィルター手段3により一定範囲の信号変化のみ取りだすようにする。
【0014】
なお子供(人)の接近を検知するという観点より、前記増幅手段2による感度設定は、セキュリティー用途に使用するような高感度広範囲なものでなく、近距離の部分的検知に適した低感度局所的な設定とした。
【実施例2】
【0015】
図2は、本発明装置であるチャイルドガードセンサーの1実施例のブロック図であって、1から3は図1と同様である。また、5はマイコン手段、6は高感度設定手段、7は低感度設定手段、8は可変感度設定手段、9は入力手段、10は警報表示手段、11は液晶タッチパネル、12は警報音発生装置、13は操作パネルである。
【0016】
省エネ運転で人の検知を行うのであれば、センサーはできるだけ遠方の広範囲な部分を監視する必要がある。逆に人の接近を検知するのであれば、センサーは近距離の限られた部分を監視する必要がある。相反する2つの機能を両立するためには、前記増幅手段2の信号増幅率を変える必要があるが、前記増幅手段2はOPアンプ回路により構成されているので、抵抗の組み合わせを変える事により自由な増幅率を得る事ができる。
【0017】
なお本発明は子供(人)の接近を検知するセンサー説明が主となるため、OPアンプの動作原理に関する説明は省略する。
【0018】
遠方の広範囲な部分を監視する場合は、高感度設定手段6を機能させ前記増幅手段2の増幅率を上げて高感度なセンサー動作とする。実施例では10m程度までの検知が可能であった。
【0019】
近距離の限られた部分を監視する場合は、低感度設定手段7を機能させ前記増幅手段2の増幅率を下げて低感度なセンサー動作とする。実施例では0.5m以下での検知が可能であった。
【0020】
感度を可変とする場合は、可変感度設定手段8を機能させ前記増幅手段2の増幅率を上げ下げして高感度から低感度のセンサー動作とする。実施例では10m〜0.5m以下での検知が可能であった。この増幅率を可変とするには抵抗値を変化させる必要があるが、例えばラダー抵抗回路等を用いれば良い。
【0021】
マイコン手段5により時分割にて前記高感度設定手段6と前記低感度設定手段7の機能を交互に切換えコントロールしたり、同じく前記マイコン手段5により前記可変感度設定手段8の抵抗値をコントロールをする事により、高感度で人の検知を行うと同時に、低感度にて子供(人)の接近検知を行う事ができる。
【0022】
入力手段9は、センサー動作のモード設定を行うボタンになる。動作モードとしては、高感度にて部屋に居る人の検知を行うモード1、低感度にて子供(人)の接近検知を行うモード2、前記モード1と前記モード2が交互に機能するモード3、前記可変感度設定手段8によりリニアに感度が変化するモード4がある。
【0023】
前記モード2、前記モード3、前記モード4のいずれかのモードで子供(人)の接近検知を行うと、前記マイコン手段5は、警報表示手段10と警報音発生装置12にアラーム出力を行う。このアラーム出力については実施例4で説明する。
【0024】
前記入力手段9のボタンデザインと表示文字、前記警報表示手段10のデザインと表示面積を簡単で自由に変更でき、入力手段と表示手段が一体化し小型にできる利点より、操作パネル13は、液晶タッチパネル11で構成する事が望ましい。
【0025】
なお本発明は子供(人)の接近を検知するセンサー説明が主となるため、液晶タッチパネルの動作原理及び使用方法に関する説明は省略する。
【0026】
前記マイコン手段5は、前記センサー手段1から前記フィルター手段3を通ってきた信号をアナログ信号としてA/D入力し、その信号レベルの変化で距離を予測すると共に、ソフトフィルターにより人の動きに合ったパターン信号の認識を行い、高精度で子供(人)の接近検知を行う事ができる。また前記モード1から前記モード4の各動作モードの選択により、感度設定手段へのコントロール信号出力、高感度広範囲な人の検知出力、低感度局所的な子供(人)の接近検知にて警報表示や警報音のためのアラーム信号出力を行う。
【実施例3】
【0027】
図3は、本発明装置であるチャイルドガードセンサーの1実施例のブロック図であって、1から4は図1と同様、5〜13は図2と同様である。
【0028】
高感度広範囲な人の検知は、実施例1と同様であり、前記マイコン手段5を通さずに信号出力される。それ以外の動作については、実施例2と同様である。
【実施例4】
【0029】
図4は、本発明装置であるチャイルドガードセンサーを利用する操作パネルの1実施例を示すブロック図であって、9、10、12、13は図2と同様、14はチャイルドガードセンサー、15は機器本体コントロール装置である。
【0030】
前記操作パネル13には、実施例1または実施例2または実施例3で説明したチャイルドガードセンサー14、前記警報表示手段10、前記警報音発生装置12が取り付けられ、さらに実施例2と実施例3で説明したマイコン搭載型の場合は、前記入力手段9も取り付けられる。
【0031】
前記入力手段9はシートキーまたは押しボタン等が使用され、前記警報表示手段10はLEDやLCD等が使用され、前記警報音発生装置12には電磁ブザー、圧電ブザー、スピーカー等が使用される。
【0032】
子供(人)が前記操作パネル13に接近すると、前記チャイルドガードセンサー14よりアラーム信号が出力され、前記警報表示手段10のLEDやLCD等が点滅し、さらに前記警報音発生装置12のブザーまたはスピーカー等よりアラーム音または警告音声が発音し、子供の動きを止める動作をすると共に、周囲に子供が接近している事を知らせて注意を促す動作をする。
【0033】
実施例ではファンヒーターの操作パネルに前記チャイルドガードセンサー14を取り付けて、タッチパネルのLCDを点滅さての警告表示と圧電ブザーによる警告音発音に留めたが、機器本体コントロール装置15に信号を送り、本体の運転を停止させても良い。
【0034】
また、前記チャイルドガードセンサー14は、何にでも取り付ける事ができるので、子供が近づいてほしくない機器、例えば扇風機やアイロンなどの機器に取り付けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
人の接近を検知するセンサーなので、民生機器のみでなく産業機器用途への適用もできる。
【符号の説明】
【0036】
1 センサー手段
2 増幅手段
3 フィルター手段
4 コンパレータ手段
5 マイコン手段
6 高感度設定手段
7 低感度設定手段
8 可変感度設定手段
9 入力手段
10 警報表示手段
11 液晶タッチパネル
12 警報音発生装置
13 操作パネル
14 チャイルドガードセンサー
15 機器本体コントロール装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストーブやファンヒーター等の燃焼またはヒーター発熱による暖房機器に使用する安全装置であり、人を検知するセンサー手段、該センサー手段からの信号を近距離検知に適した感度で増幅する低感度増幅手段、該低感度増幅手段の信号よりノイズ成分を除去するフィルター手段、該フィルター手段からの信号をON/OFFレベル信号に変換するコンパレータ手段とを持つ事を特徴とするチャイルドガードセンサー。
【請求項2】
ストーブやファンヒーター等の燃焼またはヒーター発熱による暖房機器に使用する安全装置であり、人を検知するセンサー手段、該センサー手段からの信号を増幅する増幅手段、該増幅手段の信号増幅率を調整する設定手段、該設定手段の制御を決める入力手段、該入力手段により動作モードを決め、且つ前記フィルター手段からの信号より人の動きを判定するマイコン手段、さらに該マイコン手段は、部屋に居る人の検知を行い信号出力するのみでなく、子供(人)の接近を検知すると警報表示手段及び警報音発生手段への信号出力を行う事を特徴とするチャイルドガードセンサー。
【請求項3】
ストーブやファンヒーター等の燃焼またはヒーター発熱による暖房機器に使用する安全装置であり、部屋に居る人の検知は従来から有るアナログ回路で行い、子供(人)の接近のみ請求項2と同様なマイコン手段により、警報表示手段及び警報音発生手段への信号出力を行う事を特徴とするチャイルドガードセンサー。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のチャイルドガードセンサーを利用する操作パネルであり、入力手段となるスイッチ形状や文字、さらに警報表示手段の形状を簡単に自由に変更できるようにするため、液晶タッチパネルを利用する事を特徴とするチャイルドガードセンサー付き操作パネル。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3に記載のチャイルドガードセンサーを利用する操作パネルを搭載したストーブやファンヒーター等の燃焼またはヒーター発熱による暖房機器であり、子供(人)の接近を検知して、警報音や警報表示をしたり、または機器本体の運転を停止する事を特徴とするチャイルドガードセンサー付き暖房機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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