説明

チャネル品質情報の通信方式

【課題】通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するための方法および装置とチャネル品質情報を復元するための方法および装置を提供する。
【解決手段】通信システムにおける受信エンティティへチャネル品質情報報告を周期的に送信する送信装置であって、第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告と、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告と、を送信する送信部を備え、送信部は第一のチャネル品質情報報告の2回の送信の間に第二のチャネル品質情報報告を送信する、送信装置および対応する受信装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するための方法とチャネル品質情報を復元するための方法に関係する。さらに、本発明は上記の方法を各々実行する送信機及び受信機も提供する。
【背景技術】
【0002】
パケット・スケジューリングと共有チャネル送信
パケット・スケジューリングを採用した無線通信システムにおいては、無線インタフェース・リソースの少なくとも一部は、異なるユーザ(移動局−MS)に動的に割り当てられる。このような動的に割り当てられたリソースは、少なくとも1つの共有データ・チャネル(SDCH)にマッピングされる。共有データ・チャネルは、例えば、次のコンフィギュレーションのうちの1つをとり得る。
- CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)システムでは、1つまたは複数の符号が複数のMS間で動的に共有される。
- OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多重接続)システムでは、1つまたは複数のサブキャリア(サブバンド)が複数のMS間で動的に共有される。
- OFCDMA(Orthogonal Frequency Code Division Multiplex Access:直交周波数符号分割多重接続)またはMC−CDMA(Multi Carrier-Code Division Multiple Access:マルチキャリア符号分割多重接続)システムでは、上記の組合せが複数のMS間で動的に共有される。
【0003】
図1は、例えば、単一の共有データ・チャネルを用いたシステムの場合の通信チャネル上のリソース・スケジューリング方式を示す。送信時間間隔(TTI)は、スケジューラ(例えば、物理層またはMAC層のスケジューラ)が動的リソース割当て(DRA)を行なう際の最小の時間間隔を表わす。図1では、1サブフレーム(タイム・スロットとも言う)に等しいTTIが仮定される。一般に、TTIは複数のサブフレームにわたることもあることに留意すべきである。
【0004】
さらに、OFDMAシステムにおいて割当て可能な無線リソースの最小単位(リソース・ブロックとも言う)は、通常、時間領域での1TTIと周波数領域での1サブキャリア/サブバンドによって定義される。同様に、CDMAシステムでは、無線リソースのこの最小単位は、時間領域での1TTIと符号領域での1符号によって定義される。
【0005】
OFCDMAまたはMC−CDMAシステムでは、この最小単位は、時間領域での1TTI、周波数領域での1サブキャリア/サブバンド及び符号領域での1符号によって定義される。動的リソース割当ては、時間領域と符号/周波数領域で実行され得ることに留意されたい。
【0006】
パケット・スケジューリングの主要な利点は、時間領域スケジューリング(TDS)によるマルチユーザ・ダイバーシチ利得と動的ユーザ速度適応(DRA)である。
【0007】
ユーザのチャネル状態が、急速なフェーディング(及び穏やかなフェーディング)に伴って経時変化すると仮定すると、スケジューラは、時間領域スケジューリングにおいて、よいチャネル状態をもつユーザに任意の時刻に利用可能なリソース(CDMAの場合は符号、OFDMAの場合はサブキャリア/サブバンド)を割り当てることができる。
【0008】
OFDMAにおけるDRAと共有チャネル送信の詳細
時間領域スケジューリング(TDS)により時間領域でマルチユーザ・ダイバーシチを活用することに加えて、OFDMAでは、周波数領域スケジューリング(FDS)によって周波数領域でのマルチユーザ・ダイバーシチも活用できる。これは、周波数領域において、OFDM信号は、異なるユーザに動的に割当て可能である(通常、サブバンドにグループ分けされた)複数の狭帯域サブキャリアから構成されるからである。これにより、マルチパス伝搬による周波数選択的チャネル特性を利用して、ユーザがよいチャネル品質をもつ周波数(サブキャリア/サブバンド)上にユーザをスケジュールすることができる(周波数領域でのマルチユーザ・ダイバーシチ)。
【0009】
OFDMAシステムにおいては、実用的な理由から、帯域幅は、複数のサブキャリアからなる複数のサブバンドに分割される。すなわち、そこにユーザを割当て可能な最小単位は、リソース・ブロック(RB)と表記される、1サブバンドの帯域幅と1サブフレームの時間長(1つまたは複数のOFDMシンボルに対応し得る)を有するものである。通常、1サブバンドは連続したサブキャリアからなる。しかし、分散した非連続的なサブキャリアから1サブバンドを構成することが望ましい場合もある。スケジューラは、連続した、または非連続的な複数のサブバンド及び/またはサブフレーム上にユーザを割り当てることもできる。
【0010】
3GPPの長期的発展(Long Term Evolution)においては(非特許文献1を参照(http://www.3gpp.orgで得られ、参照により本文書に援用される)、10 MHzのシステムは、15 kHのサブキャリア間隔で600個のサブキャリアから構成され得る。600個のサブキャリアは、次に、(25個のサブキャリアをまとめて)24個のサブバンドにグループ分けできる―各サブバンドは375 kHzの帯域幅を占有する。この例によれば、1サブフレームが0.5 msの時間長をもつと仮定すると、1つのリソース・ブロック(RB)は、375 kHzと0.5 msの大きさになる。
【0011】
マルチユーザ・ダイバーシチを活用して、周波数領域でスケジューリング利得を得るためには、任意のユーザへのデータは、そのユーザがよいチャネル状態をもつリソース・ブロックに割り当てられるべきである。通常、このようなリソース・ブロックは、互い接近しているため、この送信モードは局所化モード(LM)とも表記される。図2は、第1層/第2層制御シグナリングの分配マッピングを有する、局所化モード(LM)でのOFDMAシステムにおけるユーザへの典型的なデータ送信を示す。
【0012】
代替的に、分散化モード(DM)でユーザを割り当てることもできる。このコンフィギュレーションでは、ユーザ(移動局)は、リソース・ブロックのある範囲にわたり分散された複数のリソース・ブロックに割り当てられる。分散化モードでは、いくつもの異なる実現オプションが可能である。例示的な目的で、第1層/第2層制御シグナリングの分配マッピングを有する、分散化モード(DM)でのOFDMAシステムにおけるユーザへの典型的なデータ送信が図3に示される。
【0013】
リンク適応
移動通信システムにおいては、リンク適応は、動的リソース割当てによりもたらされる利得を活用するための標準的な手段である。一つのリンク適応技術は、AMC(適応変調及び符号化)である。ここでは、データ・ブロック当りまたはスケジュールされたユーザ当りのデータ伝送速度が、チャネル状態に対応して変調及び符号化方式(MCS)を動的に切り替えることによって、割り当てられた各リソースの瞬時のチャネル品質に合わせて動的に適応される。このためには、各受信機へのリンクについてのチャネル品質推定を送信機側が得る必要がある。通常、ハイブリッドARQ(HARQ)技術が、これに加えて用いられる。あるコンフィギュレーションでは、迅速な/穏やかな電力制御を使用することも道理にかなう場合がある。
【0014】
チャネル品質情報(CQI)の送信
マルチユーザ集中管理型のシステムでは、上記に概説したように、スケジューラが複数のユーザに送信リソースを割り当てる。一般に、異なるユーザへのそれぞれのチャネル状態は、少なくとも時間と周波数にわたり異なってくるため、ある種のチャネル状態またはチャネル品質情報がスケジューラ側で必要とされ、好ましくは、各ユーザ装置からスケジューラ・エンティティへ送信される。
【0015】
ほとんどのマルチユーザ・スケジューラ・アルゴリズム(ラウンド・ロビンを除く)にとって、そのチャネルがよい品質を示すユーザにリソースを最適に割り当てるために、最も正確なチャネル状態情報は、最も強いリソース・ブロックについてのものであるべきである。これは、データの送信においてスペクトル効率を増加させるために、変調または符号化方式をチャネル品質に合うように適応させる場合に、すなわち、リンク適応が行われる場合にさらに利用されるであろう。
【0016】
一般に、CQIは送信側エンティティから受信側エンティティへ送信される。ノードBがマルチユーザ管理エンティティ並びにマルチセル管理エンティティとして機能できる、UMTSのような3G無線ネットワークの環境では、ダウンリンク送信チェーン用のCQIがユーザ装置(UE)によって取得(推定)され、その後、ユーザ装置(UE)はノードBへCQIを送信する。したがって、CQIの送信に関しては、ユーザ装置が送信機エンティティであり、ノードBが受信機エンティティである。
【0017】

【0018】
CQIの圧縮
CQIシグナリングによって生じるオーバヘッドを減少させるための一つの手法が、非特許文献2(http://www.3gpp.orgで得られ、参照により本文書に援用される)で提案されている。この文書は、情報を少数の係数に凝縮するために離散的コサイン変換(DCT)を使用した方式を提案し、係数のうちのどれを送信すべきかについての様々なメカニズムを論じている。
【0019】
最強M個のDCTと先頭M個のDCT
「最強M個の」DCT方式は、変換結果のDC成分と、それに加えて、M−1個の最も重要なDCT係数を送信する。Mが送信機と受信機で既知であると仮定すると、送信される各係数の値とともに送信される各係数のインデックスのみをシグナリングする必要がある。Mが送信機または受信機のどちらかで知られていない場合、Mの値もシグナリングされなければならない。
【0020】
「先頭M個の」DCT方式は、M個の最小からのインデックス値の付いたM個の係数を送信する。Mが送信機と受信機で既知であると仮定すると、送信される各係数の値のみをシグナリングする必要がある。Mが送信機または受信機のどちらかで知られていない場合、Mの値もシグナリングされなければならない。
【0021】
チャネルのスナップショットの例と「最強5個の」DCT方式を使用したときの例示的なチャネル電力の復元が、図8に示される。完全な(「最大数のDCT」)と圧縮した(「最強5個の」DCT)チャネル情報の対応するDCTが、図9に示される。すべてのDCT係数(「最大数のDCT」)が送信される場合にはチャネル状態は完ぺきに復元され得る一方、一部のDCT係数だけが送信される場合にはチャネル状態の復元は最適ではない。DCT係数のうちのどれを送信するかの選択が、復元されたチャネル品質状態の正確性に影響を与える。
【0022】
「最強5個の」DCT方式では、圧縮方式で最大振幅をもつ5個の要素だけが選択される。DC成分は高い重要度であり得るから、通常、最強の要素の中にいずれにしろあると期待できるので、DC係数を常に送信するのが好ましいと言える。24個のDCT要素のうちのどの5個が最大振幅をもつかを示すビットマップが、図10に示される。ここで、「1」の値をもつ特定のインデックスのDCT要素がM個の最大振幅をもつ係数の一つに属することを示す。
【0023】

【0024】
CQI情報を送信するための上記の手法は、チャネル状態情報に対してDCTを実行し、その結果として得られた係数を符号化することに基づくが、チャネル状態情報、すなわち、リソースブロックごとの個々の電力レベルの変換を行なわずに符号化する他の方式も存在する。
【0025】
非特許文献3 (http://www.3gpp.orgで得られ、参照により本文書に援用される)は、チャネル品質シグナリングのフィードバック削減のための「最良M個の」方式を論じている。この方式では、UEが最高の信号品質もつM個のリソース・ブロックを示すラベルと、それに加えて、これらのリソース・ブロックについての単一のチャネル品質インジケータを報告する。Mが送信機と受信機で既知であると仮定すると、M個が選択されたインデックスと選択されたM個の値のシグナリングがCQI報告内に必要とされる。
【0026】
「最良M個の個別」方式と呼ばれるさらに別の方式は、M個の最良のリソース・ブロックの各々の電力と、その他のリソース・ブロックの平均電力を報告する。Mが送信機と受信機で既知であると仮定すると、M個が選択されたインデックスと選択されたM個の値、及び平均値のシグナリングがCQI報告内に必要とされる。24個のリソース・ブロックのうちの最良5個をシグナリングする例示的なビットマップが、図13に示される。
【0027】
「最良M個の平均」方式と呼ばれるさらに別の方式は、M個の最良のリソース・ブロックの平均電力とその他のリソース・ブロックの平均電力を報告する。Mが送信機と受信機で既知であると仮定すると、M個が選択されたインデックスと2個の平均値のシグナリングがCQI報告内に必要とされる。24個のリソース・ブロックのうちの最良5個をシグナリングする例示的なビットマップが、図13に示される。
【0028】
チャネルのスナップショットの例と、「最良5個の個別」方式を使用したときと、「最良5個の平均」方式を使用したときの例示的なチャネル電力の復元が、図11と図12にそれぞれ示される。図からわかるとおり、「最良5個の個別」方式は、5個の最強のリソース・ブロック(8番目、9番目、10番目、18番目、19番目)については正確な情報を与えられるが、その他のすべてのリソース・ブロックについては正しい値からかなり大きくかけ離れている。「最良5個の平均」方式は、18番目と19番目のリソース・ブロックについてはかなり正確な情報をたまたま与えるが、8番目、9番目、及び10番目のリソース・ブロックについては、正しい値からよい方にも悪い方にもより大きくずれることが認められる。同様に、その他のすべてのリソース・ブロックでは、復元された値が、正しい値からの大きな差異を示す可能性がある。
【0029】

【0030】
シグナリング
送信機から受信機へCQIを伝達するためには、当然、情報シンボルの使用が必要である。一般性を失うことなく、情報シンボルとしてビットが使用可能であると仮定できる。後の節で定義される表記法を使用して、このようなシグナリングに必要なビット数を表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
表1から計算できるように、また前述したとおり、完全なフィードバック方式は、CQIをシグナリングするために非常に多量のビットを必要とする。送信システムにおいて、多数のエンティティがCQI値を報告しなければならないセルラー移動無線システムでは特に、この必要量は、それを満たすには高すぎると言える。
【0033】
また、DCTに基づく方式は、CQI情報を送信するための最適なソリューションを提供しない。DCT圧縮方式では制限された数の係数しか送信されないため、(典型的にスケジューリング機能を提供する)受信側での復元が、任意のリソース・ブロックについて概ね最適ではない。その結果、最強のリソース・ブロックについて偏差が生じ、誤ったスケジューラの決定やリンク適応エンティティによる最適ではない適応変調及び符号化の決定が誘起される。結果的に、スペクトル効率は減少される。
【0034】
「最良M個の個別」方式では、最強M個のリソース・ブロックについてはチャネル状態に関する非常に詳細な情報が送信される。それ以外のすべてのリソース・ブロックについては、スケジューラで得られる情報はきわめて基本的なものである。
【0035】
特に、Mが比較的小さい場合、あるユーザにM個のリソース・ブロックよりも多くのリソース・ブロックを割り当てる場合に問題が発生する。この場合、割り当てられたリソースの一部は、最適ではないに違いない平均的リソース・ブロック品質に従って単に割り当てられるだけである。さらに、その後のリンク適応は、そのような平均値に基づくことにもなり、その結果、最適ではないリンク適応がなされ、結果的にスペクトル効率の低下が生じる。この問題は、Mの数を高くすれば回避され得るが、この場合、多量のフィードバック・シグナリングが必要になるという欠点もある。したがって、別の潜在的問題は、必要とするフィードバック・シグナリングの量が少ない符号化方式を提案することである。
【0036】
「最良M個の平均」方式では、問題は2倍である。一方では、Mの数が小さいことにより、「最良M個の個別」方式での小さいMの場合と同様の問題が生じる。さらに、報告される最良M個のリソース・ブロックの正確度は、「最良M個の個別」方式ほど高くはなく、スケジューリングまたはリンク適応を行う際の正確度をさらに悪化させる。
【0037】
他方では、Mの数を単純に増加しても、「最良M個の平均」方式の効果を改良するとは保証されない。シグナリングされたセット内に含まれるリソース・ブロックの数が増加したとしても、これらのM個のリソースを平均化することは、これらのリソース・ブロックについての正確度を低下させる。したがって、その数と詳細のレベルが最も正確な割当てまたはリンク適応をもたらす最適なMがある。
【0038】
いずれの場合でも、移動またはセルラー環境でこのMの値を見つけることは一筋縄にはいかないし、さらに、適切なMの値を見つけたとしても、この方式は平均化を特徴とすることから、データ送信において達成可能なデータ送信スループットは概ね悪い。
【0039】
平均CQI方式によって伝達される情報は非常に低い正確度であることは、当業者には明白であるにちがいない。CQIに依存した変調または符号化方式を用いて有意義なリソース・スケジューリングまたはリンク適応を実行するためには、平均方式で提供される正確度よりも高い正確度が得られなければならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0040】
【非特許文献1】3GPP TR 25.814: "Physical Layer Aspects for Evolved UTRA", Release 7, v. 7.0.0, June 2006
【非特許文献2】3GPP RAN WG#1 Tdoc. R1 -061777, "DCT based CQI reporting scheme"
【非特許文献3】3GPP RAN WG#1 Tdoc. R1-061819, "Overhead reduction of UL CQI signalling for E- UTRA DL"
【非特許文献4】Ahmed, N., Natarajan T. and Rao K. R., "Discrete Cosine Transform", IEEE Trans. Computers, January 1974
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
本発明の一つの目的は、上記に概説した問題の少なくとも1つを軽減できる、送信機から受信機へチャネル品質測定値を送信するための方式を提案することである。本発明の別の目的は、一方で受信機でチャネル品質測定値の正確な復元を可能にし、他方で必要とする送信オーバヘッドを許容できる程度にとどめる、チャネル品質測定値を通信するための方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
これらの目的の少なくとも一つは、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0043】
本発明の一つの態様は、通信システムにおける受信エンティティへチャネル品質情報報告を周期的に送信する送信装置であって、第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告と、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告と、を送信する送信部を備え、前記送信部は、前記第一のチャネル品質情報報告の2回の送信の間に前記第二のチャネル品質情報報告を送信する、送信装置である。
本発明の別の態様は、前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で送信される、送信装置である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度が、前記第二の所定の報告頻度と異なる、送信装置である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、送信装置である。
本発明の別の態様は、通信システムにおける受信エンティティへチャネル品質情報報告を周期的に送信する送信装置によって実行される送信方法であって、第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告を送信する第一の送信ステップと、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告を送信する第二の送信ステップを含み、前記第一のチャネル品質情報報告の2回の送信の間に、前記第二のチャネル品質情報報告を送信する、送信方法である。
本発明の別の態様は、前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で送信される、送信方法である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、送信方法である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、送信方法である。
本発明の別の態様は、通信システムにおける送信エンティティからチャネル品質情報報告を周期的に受信する受信装置であって、第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告と、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告と、を受信する受信部を備え、前記受信部は、前記第一のチャネル品質情報報告の2回の受信の間に前記第二のチャネル品質情報報告を受信する、受信装置である。
本発明の別の態様は、前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で受信する、受信装置である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、受信装置である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、受信装置である。
本発明の別の態様は、通信システムにおける送信エンティティからチャネル品質情報報告を周期的に受信する受信装置によって実行される受信方法であって、第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告を受信する第一の受信ステップと、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告を受信する第二の受信ステップを含み、前記第一のチャネル品質情報報告の2回の受信の間に、前記第二のチャネル品質情報報告を受信する、受信方法である。
本発明の別の態様は、前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で受信される、受信方法である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、受信方法である。
本発明の別の態様は、前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、受信方法である。
本発明の別の態様では、あるチャネル(例えば、チャネルのリソース単位当り)の個々のチャネル品質フィードバック測定値を別個のパーティションに分ける。各パーティションは、個々のチャネル品質フィードバック測定値の部分的セットのみから構成される。個々のチャネル品質フィードバック測定値をこのようにパーティション分けすることは、(いくつかの実施形態において)パーティション分けがシグナリング情報の量をさらに減少させるために有利に利用され得ることから、チャネル品質情報のシグナリングによって生じざる得ないオーバヘッドの量を削減させることができる。さらに、パーティション分けは、受信機においてチャネル状態のより正確な復元を可能にし、それによってスケジューリングやリンク適応は好結果を得られる。
【0044】
本発明の別の態様は、チャネル品質測定値を復元するために、符号化(圧縮)方式を「逆変換する」受信機に関係する。本発明のいくつかの例示的な実施形態では、スケジューラは、そのスケジューラによってサーブされた各送信機の無線インタフェース・リソースをスケジュールするために、チャネル状態に関する情報を利用できる。さらに、代替的にまたはそれに加えて、無線チャネル上のデータ送信に適用されるべきリンク適応を決定するために、復元されたチャネルの推定値を用いることもできる。
【0045】
本発明のさらに別の態様は、チャネル品質情報として送信する前に、チャネル品質測定値の順番を並べ替えることである、何らかの(再)順序付け方式を使用することである。この態様によれば、あるチャネルの個々のチャネル品質測定値は、これらの測定値の符号化が受信機で測定値の最も正確な復元をもたらすように、(再)順序付けされ得る。(再)順序付けメカニズムは、上記に概説した本発明の他の態様と組み合わせることもできる。
【0046】
本発明の一つの例示的な実施形態によれば、通信システムにおけるチャネル品質情報を送信するための方法が提供される。この方法では、個々のチャネル品質値(例えば、複数のリソース単位の)が、初めに少なくとも2個のパーティションに分けられ得る。次に、上記少なくとも2個のパーティションの少なくとも1つに属する個々のチャネル品質値が、個々のチャネル品質係数を得るために変換され得る。これらの係数は、受信側エンティティへシグナリングされるチャネル品質に関するシグナリング情報を得るために、符号化され得る。
【0047】
一つの実施形態では、変換によって各パーティションにつき得られるチャネル品質係数の数は、各パーティションに属するチャネル品質値の数に等しい。
【0048】
さらに、個々のチャネル品質値を変換するために使用される変換は、例えば、離散的コサイン変換(DCT)、フーリエ変換または連続関数に基づいた変換があり得る。
【0049】
本発明の別の実施形態は、個々のチャネル品質値が符号化される状況に関係する。チャネル品質情報は、最初に複数のリソース単位の個々のチャネル品質値を少なくとも2個のパーティションに分け、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために個々のチャネル品質値を符号化し、受信側エンティティへチャネル品質に関するシグナリング情報をシグナリングすることによって、通信システム中で送信され得る。
【0050】
一つの実施形態では、個々のチャネル品質値は、各チャネル品質値を少なくとも1つのチャネル品質しきい値と比較することによってパーティションに分けることができる。通常、隣接するパーティションの境界ごとに1つのしきい値を定義できる。
【0051】
さらに、別の実施形態では、個々のチャネル品質値は、所定の数のチャネル品質値を各パーティションに割り当てることによってパーティションに分けられる。1つのパーティションに入るチャネル品質値のこの数は、例えば、予め設定可能である。パーティション当りのチャネル品質値の数を予め定義することは、例えば、パーティション中の要素数のシグナリングが必要ないという点で有利であり得る。
【0052】
一般的には、上記少なくとも2個のパーティションの基数の合計はチャネル品質値の数に等しい、すなわち、すべてのチャネル品質値が少なくとも2個のパーティションのどちらか1つに割り当てられるとすれば、それも有利であり得る。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態では、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値は、少なくとも1つのパーティションの個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値を圧縮することによって符号化され得る。
【0054】
一つの実施形態では、チャネル品質に関するシグナリング情報は、上記少なくとも2個のパーティションに各々属するチャネル品質係数またはチャネル品質値の数よりも少ない、符号化されたチャネル品質係数またはチャネル品質値の数を受信側エンティティに示すことができる。これにより、この実施形態の例示的な変形によれば、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値は、しきい値電力レベル以上の電力レベルとなる最小数のチャネル品質係数またはチャネル品質値を、それぞれパーティションから選び出すことによって符号化される。
【0055】
本発明の別の実施形態によれば、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値は、少なくとも2個のパーティションから、それぞれ、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値の部分的セットを選び出すことによって符号化され得る。これにより、本実施形態の例示的な変形によれば、このような部分的セットのうちの第1の部分的セットの基数は、同部分的セットのうちの第2の部分的セットの基数に依存し得る。
【0056】
本発明の別の実施形態では、符号化の前に、少なくとも2個のチャネル品質係数またはチャネル品質値から導出された少なくとも1個の合成チャネル品質係数またはチャネル品質値がそれぞれ算出されること、並びに上記少なくとも1個の合成チャネル品質係数またはチャネル品質値が符号化されることが提案される。これは、例えば、送信前に個々のチャネル品質値/チャネル品質係数のすべてまたは部分的セットを1個以上の平均化した値/係数に合成することによって、シグナリング・オーバヘッドを削減するために有効であり得る。
【0057】
本発明の別の実施形態によるチャネル品質値またはチャネル品質係数を符号化するための別のオプションは、上記少なくとも2個のパーティションから、それぞれ、予め定義された数のチャネル品質係数またはチャネル品質値を選び出すことによって、それらを符号化することである。これによれば、上記少なくとも2個のパーティションのうちの第1のパーティションから選択されるチャネル品質係数またはチャネル品質値の数は、例えば、少なくとも1つの所定の制約数に依存するようにし、残りの数の選択されるチャネル品質係数またはチャネル品質値は、上記少なくとも2個のパーティションのうちの少なくとも第2のパーティションから選択されるようにできる。
【0058】
一般的には、各パーティションは同じ符号化方式によって符号化されてもよいし、または異なる符号化方式よって符号化されてもよい。
【0059】
さらに、本発明の別の実施形態では、少なくとも2個のパーティションに属する個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値が、一緒に符号化され得る。これは、例えば、次ように実現できる。各パーティション中の各チャネル品質係数またはチャネル品質値は、インデックスによって識別可能にされる。同じインデックスをもつ少なくとも2個のパーティションから、それぞれ、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値を選択することによって、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値を一緒に符号化できる。
【0060】
上記少なくとも2個のパーティションが等しい基数をもたない場合には、同じ基数をもつ少なくとも2個のパーティションを得るために、パーティションに属する個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値にパディング係数またはパディング値を追加することが有効であると言える。
【0061】
別の実施形態では、各パーティション中の各チャネル品質係数またはチャネル品質値は、インデックスによって識別可能にされる。この実施形態では、符号化前に平均のチャネル品質係数またはチャネル品質値が算出され、平均のチャネル品質係数またはチャネル品質値が符号化される。
【0062】
例えば、上記平均のチャネル品質係数またはチャネル品質値は、少なくとも2個のパーティションからの、それぞれ、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値の係数当りまたは値当り平均値を得ることによって算出され得る。さらに、同じインデックスをもつ少なくとも2個のパーティションからの、それぞれ、個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値が、それぞれ係数当りまたは値当り平均化されることが予見され得る。これは、例えば、インデックスのシグナリングのオーバヘッドを減少させることができる。
【0063】
本発明の別の実施形態では、少なくとも1つのパーティションに属する個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値が、それらを符号化する前に、再順序付けされ得る。例えば、再順序付けは、所定の再順序付けマップのうちの一つまたは所定のインタリービング方式のうちの一つに従って実行される。
【0064】
前述したとおり、各パーティション中の各チャネル品質係数またはチャネル品質値は、インデックスによって識別可能にされる。本発明のさらに別の実施形態では、チャネル品質に関するシグナリング情報は、チャネル品質に関するシグナリング情報に含まれた各パーティションに属する符号化された個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値のインデックスを示すことができる。この実施形態の変形では、チャネル品質に関するシグナリング情報は、符号化された個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値の値をさらに含むことができる。
【0065】
本発明の別の実施形態によると、変換または符号化前に、上記少なくとも2個のパーティションのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個のサブパーティションを得るために、パーティション分けされ得る。これは、例えば、最初のパーティション分けがアンテナの数に合わせて行なわれ(例えば、アンテナ当り、個々のチャネル品質値の1つのパーティション)、そしてこれらのパーティションの各々が、(例えば、しきい値に基づいて)サブパーティションにさらに分けられる状況において役立ち得る。さらに、符号化前に、少なくとも1つのサブパーティション中の個々のチャネル品質値は、各サブパーティションでの個々のチャネル品質係数を得るために変換され得る。
【0066】
本発明の別の実施形態は、個々のチャネル品質値を復元するための方法に関係する。この方法によれば、受信側エンティティは、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信側エンティティから受信できる。このチャネル品質に関するシグナリング情報は、少なくとも2個のパーティションの個々のチャネル品質係数を得るために、受信側エンティティによって復号できる。さらに、各パーティションごとの個々のチャネル品質値を得るために、各パーティションの個々のチャネル品質係数を変換でき、少なくとも1つのパーティションに属する個々のチャネル品質値を使用して、個々のチャネル品質値を復元できる。
【0067】
別の実施形態によれば、例えば、送信側エンティティ側で変換を行なわないことによって、個々のチャネル品質係数の(逆)変換は必要ないことがあり得る。こうした場合には、個々のチャネル品質値は、チャネルに関するシグナリング情報から直接引き出すことができる。
【0068】
さらに別の実施形態では、複数のリソース単位の個々のチャネル品質値が、複数の送信側エンティティから受信され得る。この実施形態によれば、受信機は、各送信側エンティティによってシグナリングされた、少なくとも、復元された個々のチャネル品質値を考慮に入れて、上記複数の送信側エンティティの各一つ一つ(少なくとも1つ)をスケジュールする。
【0069】
別の実施形態は、受信機は、各送信側エンティティによってシグナリングされた、少なくとも、復元された個々のチャネル品質値を考慮に入れて、上記複数の送信側エンティティの各一つ一つに対するリンク適応のための少なくとも1つのリンク適応パラメータを選択できる。例えば、この少なくとも1つのリンク適応パラメータは、変調及び符号化方式、少なくとも1つのハイブリッド自動再送要求プロセスのコンフィギュレーション、及び送信電力制御のうちの少なくとも1つに関係付けることができる。
【0070】
さらに、別の実施形態によれば、管理エンティティが、パーティション分け、符号化、または変換のうちの少なくとも1つに対する少なくとも1つのパラメータを決定できる。さらに、上記管理エンティティは、上記少なくとも1つのパラメータを上記チャネル品質情報の送信機に制御信号を使用して伝達できる。例えば、上記管理エンティティは、基地局(UMTSの用語ではノードB)であり得る、あるいは通信システムのコア・ネットワークまたはアクセス・ネットワーク中に配置された別のネットワーク・エンティティであり得る。
【0071】
本発明の別の実施形態は、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するための送信機を提供する。この送信機は、個々のチャネル品質値を少なくとも2個のパーティションに分けるための処理ユニットを具備できる。この処理は、上記少なくとも2個のパーティションのうちの少なくとも1つに属する個々のチャネル品質値を、個々のチャネル品質係数を得るために変換することがさらに可能である。上記送信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために個々のチャネル品質係数を符号化するための符号化ユニットと、チャネル品質に関するシグナリング情報を受信側エンティティへシグナリングするための送信ユニットをさらに含むことができる。
【0072】
本発明のさらに別に実施形態は、複数のリソース単位の個々のチャネル品質値を少なくとも2個のパーティションに分けるための処理ユニットと、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために個々のチャネル品質値を符号化するための符号化ユニットを具備する送信機に関係する。さらに、上記送信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を受信側エンティティへシグナリングするための送信ユニットを具備できる。
【0073】
さらに、別の実施形態では、上記送信機は、ここに述べた様々な実施形態のうちの一つによる、通信システムにおけるチャネル品質情報を送信するための方法の各ステップを実行するための手段を具備できる。
【0074】
別の実施形態によると、個々のチャネル品質値を復元するための受信機が提供される。上記受信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信側エンティティから受信するための受信ユニットを具備できる。さらに、上記受信機は、少なくとも2個のパーティションの個々のチャネル品質係数を得るために、チャネル品質に関するシグナリング情報を復号するための復号ユニットと、各パーティションごとの個々のチャネル品質値を得るために、各パーティションの個々のチャネル品質係数を変換するための処理ユニットを有することができる。上記処理ユニットは、少なくとも1つのパーティションの個々のチャネル品質値を使用して、個々のチャネル品質値を復元できる。
【0075】
別の実施形態では、個々のチャネル品質値を復元するための受信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信側エンティティから受信するための受信ユニットと、少なくとも2個のパーティションの個々のチャネル品質値を得るために、チャネル品質に関するシグナリング情報を復号するための復号ユニットを具備できる。さらに、この実施形態による上記受信機は、少なくとも1つのパーティションに属する個々のチャネル品質値を使用して、複数のリソース単位の個々のチャネル品質値を復元するための処理ユニットを具備できる。
【0076】
さらに、別の実施形態では、上記受信機は、ここに述べた様々な実施形態のうちの一つによる、個々のチャネル品質値を復元するための方法の各ステップを実行するための手段を含むことができる。
【0077】
本発明の別の実施形態は、送信機のプロセッサにより実行時に、通信システムにおけるチャネル品質情報を送信するように、送信機を動作させる命令を記憶するコンピュータにより読取り可能な媒体に関係する。
【0078】
上記送信機は、個々のチャネル品質値を少なくとも2個のパーティションに分け、上記少なくとも2個のパーティションのうちの少なくとも1つに属する個々のチャネル品質値を、個々のチャネル品質係数を得るために変換し、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために、個々のチャネル品質係数を符号化し、チャネル品質に関する上記シグナリング情報を受信側エンティティへシグナリングすることにより、通信システムにおけるチャネル品質情報を送信するように動作させることができる。
【0079】
別の実施形態では、送信機は、個々のチャネル品質値を少なくとも2個のパーティションに分け、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために、個々のチャネル品質値を符号化し、チャネル品質に関する上記シグナリング情報を受信側エンティティへシグナリングすることにより、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するように動作させることができる。
【0080】
さらに別の実施形態は、送信機のプロセッサにより実行時に、ここに述べた様々な実施形態のうちの一つによる、個々のチャネル品質値を送信するための方法の各ステップを実行するように、送信機を動作させる命令を記憶するコンピュータにより読取り可能な媒体に関係する。
【0081】
本発明のある実施形態による別のコンピュータにより読取り可能な媒体は、受信機のプロセッサにより実行時に、個々のチャネル品質値を復元するように受信機を動作させる命令を記憶する。
【0082】
上記受信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信側エンティティから受信し、少なくとも2個のパーティションの個々のチャネル品質係数を得るために、チャネル品質に関するシグナリング情報を復号し、各パーティションごとの個々のチャネル品質値を得るために、各パーティションの個々のチャネル品質係数を変換し、少なくとも1つのパーティションに属する個々のチャネル品質値を使用して、複数のリソース単位の個々のチャネル品質値を復元することにより、個々のチャネル品質値を復元するように動作させることができる。
【0083】
別の実施形態では、上記受信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信側エンティティから受信し、少なくとも2個のパーティションの個々のチャネル品質値を得るために、チャネル品質に関するシグナリング情報を復号し、少なくとも1つのパーティションに属する個々のチャネル品質値を使用して、複数のリソース単位の個々のチャネル品質値を復元することにより、個々のチャネル品質値を復元するように動作させることができる。
【0084】
さらに別の実施形態は、受信機のプロセッサにより実行時に、ここに述べた様々な実施形態のうちの一つによる、通信システムにおいてチャネル品質情報を受信するための方法の各ステップを実行するように、受信機を動作させる命令を記憶するコンピュータにより読取り可能な媒体に関係する。
【0085】
本発明の別の実施形態は、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するための方法に関係する。送信側エンティティは、個々のチャネル品質値を再順序付けすることができ、次に、個々のチャネル品質係数を得るために、再順序付けした個々のチャネル品質値を変換できる。さらに、個々のチャネル品質係数は、受信エンティティへシグナリングされ得るチャネル品質に関するシグナリング情報を得るために、符号化され得る。
【0086】
さらに別の実施形態では、再順序付けは、異なる再順序付けマッピングを採用することによって、ある数の再順序付けしたチャネル品質値列を得ることを含む。さらに、上記送信側エンティティは、変換の前または後に、再順序付けしたチャネル品質値が最適性基準を満たすような再順序付けマッピングを選択できる。
【0087】
さらに、本発明の別の実施形態では、上記再順序付けの方式は、例えば、チャネル品質情報内で受信側エンティティへシグナリングされる。
【0088】
別の実施形態では、上記再順序付けマッピングは、少なくとも1つの再順序付けパラメータによって定義される。
【0089】
本発明のさらに別の実施形態は、個々のチャネル品質値を復元するための方法に関係する。受信側エンティティは、最初に、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信側エンティティから受信でき、個々のチャネル品質係数を得るために、このチャネル品質に関するシグナリング情報を復号できる。上記受信側エンティティは、個々のチャネル品質係数を変換でき、変換された個々のチャネル品質係数を再順序付けすることによって個々のチャネル品質値を復元できる。
【0090】
これにより、別の実施形態は、変換された個々のチャネル品質係数は、あるマッピング方式により再順序付けされることを予見する。上記マッピング方式は、例えば、受信側エンティティによって受信されたチャネル品質情報内または制御シグナリング中で指示され得る。
【0091】
本発明の別の実施形態は、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するための送信機に関係する。上記送信機は、個々のチャネル品質値を再順序付けするための再順序付けユニットと、個々のチャネル品質係数を得るために、再順序付けした個々のチャネル品質値を変換するための処理ユニットを具備する。さらに、上記送信機の符号化ユニットが、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために、個々のチャネル品質係数を符号化することができ、送信ユニットが、チャネル品質に関するシグナリング情報を受信エンティティへシグナリングできる。
【0092】
別の実施形態は、個々のチャネル品質値を復元するための受信機に関係する。上記受信機は、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信機から受信するための受信ユニットと、さらに、個々のチャネル品質係数を得るために、チャネル品質に関する前記シグナリング情報を復号するための復号ユニットを含むことができる。上記受信機は、個々のチャネル品質係数を変換するための処理ユニットと、変換された個々のチャネル品質係数を再順序付けすることによって個々のチャネル品質値を復元するための再順序付けユニットをさらに具備できる。
【0093】
本発明の別の実施形態は、送信機のプロセッサにより実行時に、個々のチャネル品質値を再順序付けし、個々のチャネル品質係数を得るために、再順序付けした個々のチャネル品質値を変換し、チャネル品質に関するシグナリング情報を得るために、個々のチャネル品質係数を符号化し、チャネル品質に関する上記シグナリング情報を受信側エンティティへシグナリングすることにより、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するように、上記送信機を動作させる命令を記憶するコンピュータにより読取り可能な媒体に関係する。
【0094】
本発明のさらに別の実施形態は、受信機のプロセッサにより実行時に、チャネル品質に関するシグナリング情報を送信機から受信し、個々のチャネル品質係数を得るために、チャネル品質に関するシグナリング情報を復号し、個々のチャネル品質係数を変換し、変換された個々のチャネル品質係数を再順序付けすることによって個々のチャネル品質値を復元することにより、通信システムにおいてチャネル品質情報を送信するように、上記受信機を動作させる命令を記憶するコンピュータにより読取り可能な媒体に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】OFDMAシステムの例示的なチャネル構成と送信時間間隔単位で異なるユーザにリソースを割り当てる無線リソースの動的割当て示す。
【図2】第1層/第2層制御シグナリングの分配マッピングを有する、局所化モード(LM)におけるOFDMAシステムでのユーザへの例示的なデータ送信を示す。
【図3】第1層/第2層制御シグナリングの分配マッピングを有する、分散化モード(DM)におけるOFDMAシステムでのユーザへの例示的なデータ送信を示す。
【図4】本発明のある実施形態による、チャネル品質情報を送信するための方法のフローチャートを示す。
【図5】個々のチャネル品質値の変換を行なわない場合の、本発明のある実施形態による、チャネル品質情報を送信するための方法のフローチャートを示す。
【図6】本発明のある実施形態による、受信したチャネル品質情報からチャネルの個々のチャネル品質値を復元するための方法のフローチャートを示す。
【図7】チャネル品質係数のチャネル品質値への変換を行なわない場合の、本発明のある実施形態による、受信したチャネル品質情報からチャネルの個々のチャネル品質値を復元するための方法のフローチャートを示す。
【図8】ある無線チャネルの24個のリソース・ブロックの列についての個々のチャネル品質値(ここでは[電力」)の例示的なスナップショットと、圧縮した最強5個のDCTの送信を使用したときの対応するチャネル品質値の復元を示す。
【図9】図8のチャネルについての完全なDCTと最強5個のDCT要素を示す。
【図10】図9のとおりのDCT係数のうち、どのDCT係数が最強であるかを示すビットマップである。
【図11】ある無線チャネルの24個のリソース・ブロックの列についての個々のチャネル電力値の例示的なスナップショットと、個々のチャネル品質値の「最良5個の個別」圧縮を使用したときの対応するチャネル品質値の復元を示す。
【図12】ある無線チャネルの24個のリソース・ブロックの列についての個々のチャネル電力値の例示的なスナップショットと、個々のチャネル品質値の「最良5個の平均」圧縮を使用したときの対応するチャネル品質値の復元を示す。
【図13】図11と図12においてどのリソース・ブロックが最良の(最強の)チャネル品質値をもつかを示すビットマップである。
【図14】本発明の例示的な実施形態による、あるチャネルの複数のリソース単位の個々のチャネル品質測定値(ここでは「電力」)の2個のパーティションへの例示的な分類を示す。
【図15】本発明の例示的な実施形態による、図14における個々のリソース単位のパーティションへの所属をシグナリングするための例示的なビットマップを示し、ここで「1」が第1のパーティションへの所属を示し、「0」が第2のパーティションへの所属を示す。
【図16】図14からの個々のチャネル品質値の第1のパーティションについてのパーティション別のDCTの結果を示し、本発明の例示的な実施形態により、送信するために選択され得る3個の最強のDCT要素を示す。
【図17】図14からの個々のチャネル品質値の第2のパーティションについてのパーティション別のDCTの結果を示し、本発明の例示的な実施形態による、送信するために選択され得る3個の最強のDCT要素を示す。
【図18】本発明の例示的な実施形態による、図16のとおりの最強3個の基準に対応して、第1のパーティションにおいてどのDCT要素が送信されるかをシグナリングするための例示的なビットマップを示す。
【図19】本発明の例示的な実施形態による、図17のとおりの最強3個の基準に対応して、第2のパーティションにおいてどのDCT要素が送信されるかをシグナリングするための例示的なビットマップを示す。
【図20】図14と同様のチャネル状態と、本発明の例示的な実施形態による、圧縮されたパーティション別のDCTからの個々のチャネル品質値の復元を示す。
【図21】図14と同様のチャネル状態と、本発明の例示的な実施形態による、係数シグナリング・オーバヘッドが減少した、圧縮されたパーティション別のDCTからの個々のチャネル品質値の復元を示す。
【図22】単に2つの異なるSINR値だけからなる元の列の例と、対応するDCT変換を示す。
【図23】本発明の例示的な実施形態により、図22の個々のリソース・ブロックがどのように2個のパーティションにグループ分けされ得るかの例を示す。
【図24】本発明の例示的な実施形態による、図22の個々のリソース・ブロックの第1のパーティションへのパーティション分けの結果と、第1のパーティションの対応するDCT変換を示す。
【図25】本発明の例示的な実施形態による、図22の第1のパーティションのDCTの最強のDCT要素をシグナリングするための例示的なビットマップを示す。
【図26】本発明の例示的な実施形態による、図22の個々のリソース・ブロックの第2のパーティションへのパーティション分けの結果と、第2のパーティションの対応するDCT変換を示す。
【図27】本発明の例示的な実施形態による、図22の第2のパーティションのDCTの最強のDCT要素をシグナリングするための例示的なビットマップを示す。
【図28】本発明の概念が実現され得る、本発明の一つの実施形態による移動通信システムを示す。
【図29】本発明のある実施形態による、(再)順序付けメカニズムを使用してチャネル品質情報を送信するための方法の例示的なフローチャートを示す。
【図30】本発明の別の実施形態による、(再)順序付けメカニズムと個々のチャネル品質値の変換を使用して、チャネル品質情報を送信するための別の例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0096】
以下に、添付の図及び図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。図中の類似のまたは同等の細部は、同一の参照番号を付けてある。様々な実施形態による本発明の概念と着想をさらに詳しく説明する前に、本文書で使用される以下の表記法を認識されておくとよい。
【0097】

【0098】

【0099】

【0100】
ほとんどの場合、本文書で使用される「圧縮」という用語は、総チャネル品質情報フィードバック・オーバヘッドが、背景技術の節で述べた[完全なフィードバック」の場合に比べて減少されるチャネル品質情報の提供方式を示唆することにさらに留意すべきである。
【0101】
さらにまた、本文書で使用される「リソース単位」という用語は、チャネル品質測定値が得られるあるチャネルの複数のリソース単位の一つを示唆することに留意すべきである。チャネル品質報告は、したがって、リソース単位当りに実行可能である。さらに、このリソース単位は、(例えば、スケジューリングによって)ユーザに割当て可能なチャネルのリソースの最小量を意味するリソース・ブロックに一致しても、または一致しなくてもよい。例えば、OFDMAシステムでは、リソース単位は、時間領域での1サブフレームと周波数領域での1サブバンドからなるリソースをさすことができるが、リソース・ブロックは、時間領域での1サブフレームと周波数領域での(サブバンドの1つの中の)1サブキャリアをさす。本発明の別の実施形態では、リソース単位は、時間または周波数領域において、例えば、コヒーレンス時間またはコヒーレンス帯域幅のように、その間はチャネル状態が実質的に平坦である、ある範囲の時間または周波数(サブキャリア)を示唆し、リソース単位は、通信システム中のリソースの個々の最小量(例えば、リソース・ブロック、サブフレーム、TTI)の倍数であっても、なくてもよい。
【0102】
本文書で使用される変数及び記号の上記概要からすでにわかるとおり、本文書で説明する実施形態のほとんどは、あるチャネル(例えば、共有チャネル)についてのチャネル品質情報の送信を例示的な目的で考案する。したがって、後述する例示的な実施形態の一部は、前述の背景技術の節で述べたような通信システムを前提とする。
【0103】
本発明は、例えば、移動通信システムにおける移動局と基地局といった、送信側エンティティと受信側エンティティ間のチャネルの状態に関する情報の通信に関係する。リソース管理エンティティは、基地局と移動局の間のリンク(ダウンリンク)並びに移動局と基地局の間のリンク(アップリンク)について得られる、ある種のチャネル状態情報を好ましくは保有する。このリソース管理エンティティが、基地局内にまたはネットワーク側方向のより遠くに置かれていると仮定すると、ダウンリンクについてのチャネル状態情報が、移動局によって測定される必要があり、その後、基地局へ、リソース管理エンティティへアップリンクを介して送信されると考えられる。逆に、前記リソース管理エンティティが、移動局内にまたはユーザ装置側のより遠くに置かれているとすれば、アップリンクについてのチャネル状態情報が、基地局によって測定される必要があり、その後、移動局へ、リソース管理エンティティへダウンリンクを介して送信されると考えられる。いくつかの実施形態では、チャネル状態測定値(またはチャネル品質値)は、送信側エンティティと受信側エンティティの間の通信チャネルの細分化されたリソース単位当りに提供され、または測定される。
【0104】
本発明の一つの態様は、個々のチャネル状態測定値を別個のパーティションに分けることである。リソース単位当りにチャネル品質測定値を得る場合、これは個々のリソース単位のパーティション分けとして捉えることもできる。各パーティションは、個々のチャネル状態測定値の部分的セットのみから構成される。個々のチャネル品質フィードバック測定値をこのようにパーティションに分けることは、(いくつかの実施形態において)パーティション分けがシグナリング情報の量をさらに減少させるために有利に利用され得ることから、チャネル品質情報のシグナリングによって生じざる得ないオーバヘッドの量を削減させることができる。さらに、パーティション分けは、受信機においてチャネル状態のより正確な復元を可能にし得る。
【0105】
本発明の別の態様は、チャネル品質測定値を復元するために、圧縮方式を逆変換する受信機に関係する。本発明のいくつかの例示的な実施形態では、スケジューラは、そのスケジューラによってサーブされた各送信機の無線インタフェース・リソースをスケジュールするためにチャネル状態に関する情報を利用し得る。さらに、代替的にまたはそれに加えて、無線チャネル上のデータ送信に適用されるべきリンク適応を決定するために、復元チャネル推定を用いることもできる。
【0106】
本発明のさらに別の態様は、チャネル品質情報として送信する前に、チャネル品質測定値の順番を並べ替えることである、ある種の(再)順序付け方式を使用することである。例えば、チャネル品質測定値の再順序付けは、インタリービング・アルゴリズムによって得ることができる。この態様によれば、あるチャネルの個々のチャネル品質測定値は、これらの測定値の符号化が受信機で測定値の最も正確な復元をもたらすように、(再)順序付けされ得る。例えば、個々のチャネル品質測定値を変換し、変換結果である個々のチャネル品質係数の部分的セットを送信する場合には、チャネル品質測定値の最大電力を符号化方式により送信可能なある数の係数に集中させるように、変換前に(再)順序付けを選択できる。(再)順序付けメカニズムは、以下にさらに詳細に説明する本発明の他の態様と組み合わせることもできる。
【0107】
マルチユーザ通信システムでは、チャネル品質フィードバックが最強のリソースについて最も正確であることが必要条件ではないものの、有利であり得る。チャネル品質は、報告元端末によって周期的に測定され、決定され得る。通常、これは、個々のチャネル品質値またはチャネル測定値(例えば、電力値)のセットを得るために、報告元端末で、報告すべき通信チャネルの(論理的に)細分化された複数のリソース単位の各々のチャネル品質を測定することによって、例えば、実現可能である。
【0108】

【0109】
次に、個々のリソース単位の少なくとも2個のパーティションを作成する(402)ことによる不均等正確度アプローチが適用される。各リソース単位、すなわち、そのチャネル品質測定値を厳密に1つのパーティションに明確に割り当てることができる。例えば、類似のチャネル品質測定値(例えば、電力値)をもつリソース単位は同じパーティションに含まれるように、上記のパーティションを定義できる。
【0110】
一つの例示的な実施形態では、最強のチャネル品質値(例えば、電力値)をもつリソース単位だけが第1のパーティションに含まれ、その他のリソース単位は第2のパーティション内に含まれる。図14の例では、下記のパーティションが作成される。
【数1】

【0111】
この例では、パーティション作成は、例えば、1つ以上のパーティションしきい値に依存している。図14は、各パーティションがリソース単位のSINRがしきい値より上または下のどちらかにあるリソース単位だけをそれぞれ含む、第1と第2のパーティションを定義するためのパーティションしきい値の例を示す。しきい値に等しいSINR値をもつリソース単位は第1のパーティションに入れるべきか、または第2のパーティションに入れるべきかは慣習の問題である。
【0112】

【0113】

【0114】
この例は、24個のチャネル品質測定値を2個のパーティションに分けるためにパーティションしきい値が使用される、図14にも示される。以下の説明からさらに明らかになるように、個々のチャネル品質測定値を少なくとも2個のパーティションに分ける方法は複数ある。例えば、別の実施形態では、各パーティションに入るべき要素数がパーティション作成処理前に既知である。これによって、パーティションに属する要素数を受信機に通知する必要がなくなる。
【0115】

【0116】

【0117】

【0118】

【0119】

【0120】
代替的に、圧縮は、少なくとも2個の変換されたパーティションのチャネル品質情報の送信に利用可能なビット数を考慮に入れることができる。この例では、圧縮後のチャネル品質情報の送信に利用可能な総ビット数は、(予め)決められたまたは予め設定された値である。パーティション当り圧縮後送信されるDCT係数の数は、次に、少なくとも2個のパーティションに対して必要なシグナリングを考慮に入れ、さらに必要に応じて、パーティション所属を示すため、または係数インデックスのシグナリングのために必要なビットの量を加えて決定することができる。同様のアプローチが、個々のチャネル品質値を「直接」圧縮する場合、すなわちパーティションの変換を行なわない場合にも適用され得る。
【0121】
移動端末は、変換された各パーティションから送信するDCT係数を何個選択するか、どれくらいの制約数の下で選択を行なうのかを決めることができる。例えば、変換されたパーティション内の個々の値が一定であるまたはほとんど一定である場合には、受信機での復元のために1個または2個のDCT係数で十分である。それに伴って、移動局は、パーティション内のDCT係数間でより大きな変動を示す別のパーティションのDCT係数をより多く送信できる。
【0122】
送信機、例えば、移動局が最も正確なチャネル情報を得た後、移動局は、最適な正確度を受信側エンティティに伝達するために、利用可能な数の係数またはビットをどのように使用するかについて、実際のチャネル状態に応じて、上記制約数内でよく考えて決めることができる。移動端末の自由度を制限し、任意のパーティションで最小の数の係数を必要とするように、上記制約数をさらに定義することができる。この方法は、しかし、移動局から受信側エンティティへ選択された係数の追加のシグナリングを必要とする可能性がある。
【0123】

【0124】

【0125】

【0126】
次に、ステップ405において、各パーティションから選択されたチャネル品質係数は、チャネル品質情報として受信側エンティティへ送信される。符号化方式によっては、個々のチャネル品質値のパーティション分け(パーティション所属)を示す情報を、例えば、図15に示したようなビット・パターンを用いて、送信機で符号化する必要があることもある。さらに、各パーティションから選択される係数が予め設定されていない場合、チャネル品質情報に含まれた個々の係数のインデックスをシグナリング(係数インデックス・シグナリング)することによって、どの係数が通信されるかを受信機にさらに知らせる必要があることもある。
【0127】

【0128】
次に、受信側エンティティでのチャネル品質情報の復元を、図6と図7に関連して説明する。図6は、本発明のある実施形態による、チャネル品質情報として個々のチャネル品質値を受信し、復元するための方法の例示的なフローチャートを示す。
【0129】
図6は、基本的に、受信側エンティティにおいて図4のステップを鏡に映したものである。最初に、送信機(例えば、移動局)によって提供されたチャネル品質情報が、スケジューリング及び/またはリンク適応機能をもつ基地局などの受信機で受信される(601)。チャネル品質情報は、次に、復号化され得る(602)。これは、送信機によって送信するように値と位置に関して選択された個々のチャネル品質係数を先ず復元するために、チャネル品質情報中の個々のチャネル品質係数値(及び選択的に、シグナリングされた個々のチャネル品質係数値のインデックス)が使用されることを意味する。
【0130】

【0131】

【0132】

【0133】
図20は、図14と同様のチャネル状態と、本発明の例示的な実施形態による、圧縮されたパーティション別のDCTからの個々のチャネル品質値の復元を示す。個々のチャネル品質値を2個のパーティションに分けて、各パーティションからM=M=3個の係数を選び出すことによって、パーティション別に個々のチャネル品質係数を符号化することは、個々のチャネル品質測定値の元の列の正確な復元を可能にする。最も重要な個々のリソース単位(すなわち、最高のチャネル品質値を有するもの)について、復元が非常に正確であることは特に注目すべきである。
【0134】
本発明の様々な実施形態による各方式のうちの一つを使用したときに、受信機においてチャネル品質情報から個々のチャネル品質値の正確な復元がなされる理由について、図22から図27に関連して以下に概説する。
【0135】

【0136】

【0137】
図24と図26から見てとれるように、これらの各パーティションにおける個々のチャネル品質値の分布は、図22に示した元の列に比較してより規則的である。これらの2個のパーティションにおいて個々のチャネル品質値がこのようにより規則的な分布をとることにより(この例では、一様な分布が得られる)、図24と図26の下部にそれぞれ示される、2個のパーティションの各々における個々のDCT係数の電力は、DCT変換の最初の係数に集中させることができる。この例では、各パーティション中の個々の値の一様な分布により、図25と図27にそれぞれ示した最強の係数を示すビットマップからも見てとれるように、パーティションの個々のチャネル品質値の総電力はDCT変換のDC成分に集中する。
【0138】
この効果は、ひいては、送信する必要がある係数の数を減少させることを可能にする。本例において、図22の個々のチャネル品質値の元の列の理想的な復元を受信機で行なえるようにするには、各パーティションのDCT変換のDC成分(すなわち、最初の係数)の値、並びに個々の値/係数のパーティション分け(パーティション所属)に関する情報(及び選択的に、各パーティションに属する送信されるDC成分のインデックス)を送信すれば十分である。これにより、チャネル品質情報を受信機へ送信するためのオーバヘッドが、先行技術の方式よりも少なくなり得る。
【0139】
以降の節では、多様な実施形態のうちの一つによる本発明に関係するいくつかの論点を以下に説明する。
【0140】
変換方式/符号化方式
前述の節では、各パーティションに属するデータにDCT変換を適用することによって、送信する情報のよりよい圧縮を促進することが提案された。構成要素であるコサイン波形の性質により、DCTの使用は、例えば、各パーティションに属するデータが連続的な性質である場合、またはデータが離散的な性質であっても、離散値が互いに大きな差を示さない場合に特に適切であり得る。本発明の別の実施形態によれば、例えば、フーリエ変換またはその他の関連した連続関数などのほかの変換方式も使用可能である。さらに、ハール変換、ハンケル変換、ドビッシーのウェーブレット(Daubechies wavelet)などのほかの変換関数も使用できる。後者の変換法の使用は、例えば、パーティションに属するデータがより離散的な性質である場合(個々のチャネル品質値の粗い量子化の結果、または個々のチャネル品質値を変調及び符号化方式(MCS)のインデックスに対応付けるマッピングの結果、そうなる可能性がある)、有利であり得る。最適な圧縮変換関数は圧縮されるデータの性質や特性に依存することを当業者は認識しているであろう。
【0141】
本文書で前述した本発明のほとんどの実施形態では、すべてのパーティションが同じ符号化/圧縮方式を使用して符号化または圧縮された。代替的に、各パーティションは、その他のパーティションから独立してある圧縮方式を使用し得る。例えば、第1のパーティションを離散的コサイン変換を使用して圧縮でき、別のパーティションはドビッシーのウェーブレット(Daubechies wavelet)を使用して圧縮できる。実現の観点からは、しかし、ハードウェアまたはソフトウェアの必要な労力を最小にするには、同じ圧縮手法をすべてのパーティションに使用することが有利であり得る。
【0142】
さらに、本発明の別の実施形態によれば、符号化前にチャネル状態の個々の測定値を変換せずに、少なくとも1つのパーティションでは、パーティションに属する個々の値の部分的セットを送信することによって、個々の値を直接圧縮することが有効であることもある。これは、背景技術の節で概説した一種の「最良M個の」圧縮―ただし、パーティション単位での―を結果的にもたらし得る。
【0143】
少なくとも1つのパーティションにおける変換または符号化方式またはパラメータの選択は、経時変化し得ることに留意すべきである。少なくとも1つのパーティションにおける変換または符号化方式またはパラメータを決定するためのあるオプションは、チャネル品質情報の報告頻度を考慮に入れることができる。例えば、チャネル品質情報の報告が低い頻度で(例えば、しきい値頻度より低い率で)発生する場合、非常に詳細な復元が行なえるように多数の値/係数を送信することが、または代替的に、「DCTの最強M個」または「最良M個の個別」などの高い正確度をもたらす符号化方式を選ぶことが有利であり得る。
【0144】
逆に、チャネル品質情報の報告が高頻度で(例えば、しきい値頻度以上の率で)発生する場合、シグナリングの全必要量を小さく抑えるために、各チャネル品質情報信号(メッセージ)はむしろ小さいほうが好適であろう。結果的に、より少数の値/係数の選択、または「平均」、「最良M個の平均」または「DCTの最初のM個」のような、かなり粗い符号化方式の選択がなされ得る。
【0145】
別の実施形態では、所定の第1のチャネル品質情報報告頻度に対しては、第1の変換または第1の符号化方式または(送信される値/係数の数、パーティションの数、パーティションしきい値などの)チャネル品質情報送信パラメータの第1のセットが使用される。上記頻度の2回のチャネル品質情報報告の間に報告されるチャネル品質情報報告では、第2の変換または第2の符号化方式またはチャネル品質情報送信パラメータの第2のセットが使用される。
【0146】
同様に、連続する報告の間にチャネル状態が大きく変化する(例えば、1つまたは複数のチャネル品質測定値の総エネルギーの2つの時刻の間の差がしきい値を超えた)場合に、送信機は、非常に詳細な復元が行なえるように多数の値/係数を送信する、または代替的に、高い正確度をもたらす符号化方式を選ぶ決定をし得る。
【0147】
再順序付け
上記に概説したように、本発明の別の態様は、個々のチャネル品質値の変換を用いた符号化方式の使用と、例えば、組み合わせた個々のチャネル品質値の(再)順序付けである。図29と図30は、本発明の異なる実施形態による、(再)順序付けメカニズムを使用してチャネル品質情報を送信するための方法の例示的なフローチャートを示す。図29に示した実施形態は、個々のチャネル品質値のパーティション分けと変換を用いないが、図30に示した実施形態は、(再)順序付けした個々のチャネル品質値を送信前に変換するステップをさらに含む。両方の実施形態において、(再)順序付けの前または後に、個々のチャネル品質値のパーティション分けがなされることも予見され得ることに留意すべきである。
【0148】

【0149】
ステップ2902における再順序付けは、様々な異なるメカニズムにより行なえる。例えば、受信機でも既知である、既知の(再)順序付け が適用され得る。これは、当然、追加のシグナリング・オーバヘッドを必要としない。
【0150】

【0151】

【0152】
(再)順序付けは、個々の値を係数に変換する前の個々のチャネル品質値に対して適用してもよいし、あるいは個々のチャネル品質値の変換後に得られた個々のチャネル品質係数に対して適用してもよいことに留意されたい。例えば、図30において、機能ブロック2902と3001を入れ変えてもよい。どちらにしても、(再)順序付けと変換を行なった後に、好ましくは、最適性基準が検査される。
【0153】
個々のチャネル品質値の(再)順序付けは、パーティション分けの概念と合わせて用いることもできる。本発明の一つ実施形態では、個々のチャネル品質値が、それらのパーティション分けの前に(再)順序付けされ得る。本発明の別の実施形態では、パーティション内の個々の値または係数が、それぞれに、変換または符号化の前に再順序付けされ得る。これは、データ・インデックスが小さいほど最も正確度が高くなる圧縮方式を使用する場合に特に有効であり得る。パーティション中の個々のチャネル品質値を再順序付けすることのさらに別の利点は、再順序付けによって、パーティション中のチャネル品質値のより規則的な分布が達成できることであり、その結果、再順序付けしたパーティションの個々の値の最大電力が、DCT変換の非常に少ない数の係数の中で見つけることができることになる。したがって、一つの実施形態によれば、再順序付けは、再順序付けしたパーティションが、再順序付け前の元のパーティションよりもより規則的な分布をもつように行なわれる。(再)順序付けは、例えば、パーティション中の個々のチャネル品質値をソートするまたはシフトすることであり得る。(再)順序付けの方法は、何らかのやり方で、例えば、シグナリングまたは慣習によって受信機に知らせることができることを当業者は理解されるであろう。
【0154】
(再)順序付けアルゴリズムが(例えば、固定的な置換パターンを使用し)送信機と受信機の両方に事前に知られている場合を除き、データの(再)順序付けも、通常、チャネル品質情報中で受信機へシグナリングされ得る。任意の(再)順序付けを許容することは、データに適用した順序付けを示すためにシグナリングされなければならないビット量が大きくなってしまう可能性がある。
【0155】

【0156】

【0157】

【0158】
この(再)順序付けアプローチは、例えば、「最初のM個のDCT」方式または同等の低インデックス圧縮方式が、パーティションの個々のチャネル品質値を符号化するために使用される場合に特に有利であり得る。
【0159】
個々のチャネル品質値のパーティション分け
これまでに説明したほとんどの実施形態では、リソース単位ベースで個々のチャネル品質値に応じたパーティション分けが使用された。しかし、パーティションを作成するために、ほかの分類のしかたも使用できる。一つの実施形態では、パーティション分けは、所定の目標エラー率においてリソース単位によってどの変調及び符号化方式がサポートされ得るかに基づいて行なわれる。別の実施形態では、パーティション分けはリソース単位内のチャネルの変動に基づいて行なわれ、ほとんど一定のチャネル状態のリソース単位は1つのパーティションにグループ分けし、変動するチャネル状態のリソース単位は第2のパーティションにグループ分けするようにする。別の実施形態では、パーティションを作成するために、上記の分類基準の組合せが使用される。
【0160】
パーティション分けは、以下の個々の次元または組合せにおいてさらに決定され得る。
- 時間単位(例えば、タイムスロット、リソース・ブロック、無線フレーム、サブフレーム、送信時間間隔、ミリ秒、等)
- 周波数単位(例えば、送信帯域幅、キャリア帯域幅、サブバンド、リソース・ブロック、等)
- アンテナ単位(例えば、送信アンテナ、受信アンテナ、アンテナ・アレイ・ユニット、MIMOチャネル、等)
- 符号単位(例えば、拡散符号番号またはID)
- 偏波角度(例えば、水平、垂直、円状、等)
【0161】
パーティション所属のシグナリング
各個のリソース単位の各パーティションへの割当て、すなわち、パーティション所属をシグナリングするために、以下に述べる方法が使用され得る。
【0162】

【0163】
パーティションの値/係数のシグナリング
前述したとおり、シグナリングされた個々のチャネル品質係数またはチャネル品質値のインデックスが受信機で事前に知られている符号化方式を使用しない場合には、送信される個々の係数または値のインデックスをシグナリングする必要があり得る。パーティションごとに、シグナリングされた個々の係数または値のインデックスを、以下に述べる方式でシグナリングできる。
【0164】
- パーティションのサイズに等しいサイズのビットマップが送信され得る。各ビットは値/係数インデックスを示し、第1のビット値(例えば、「0」)は各値/係数の非送信を示し、第2のビット値(例えば「1」)は各値/係数の送信を示す。この方法は、送信される値/係数の数に事前に制約を課さない。このソリューションは、図13、図18、図19、図23、図25及び図27に例示される。
【0165】

【0166】

【0167】

【0168】

【0169】
2個のパーティションがあり、各パーティションへの割当て(パーティション所属)用と送信される個々の係数インデックス用のシグナリングが組合せインデックスをそれぞれ使用すると仮定し、さらに、各パーティションのDC成分は常に送信されると仮定すると、提案された方式におけるシグナリングに必要なビット数を次のとおり計算できる。
【数2】

【0170】
ここでは、明確さの理由で、パーティション付属フィールドと値/係数インデックス・フィールドは別々になっている。これらの単一のインデックス・フィールドにまとまるとすれば、必要なビット数は次のように計算できるので、数ビットをさらに節減できる。
【数3】

【0171】
パーティションの値/係数の減少したシグナリング
前に示したように、値/係数インデックスのシグナリングは、必要なシグナリングの無視できない大きさの部分を通常占める。だから、2個以上のパーティションに対して有効である唯一の値/係数インデックス・フィールドを使用することが有利であり得る。
【0172】

【0173】

【0174】

【0175】

【0176】
【表2】

【0177】
この表からわかるように、二つの圧縮方式は、実際のチャネル状態の最強の係数については、個々のチャネル品質値の非常に正確な復元を可能にする。右の列における減少したシグナリングの方式では、第2のパーティションにおいてシグナリングするチャネル品質係数の最適でない選択が、より低い電力のチャネル品質値(例えば、インデックス11〜17の値)の復元の正確度が劣ることに主に反映されている。しかし、これらの低い電力測定値は、個々の送信機によるデータ送信にも選択されないであろうから(すなわち、送信のために端末に割り当てられることがないので)、通常、それほど重要ではない。
【0178】
パーティションの個々の係数に関してここで説明した減少したシグナリングのアプローチは、パーティションの個々の値に対しても必要な変更を加えて適用できることに留意すべきである。
【0179】
チャネル品質値
本文書で言及するチャネル品質値は、以下に示す個々のパラメータ、測定値または値またはそれらの組合せであり得る。
- 信号対ノイズ比(SNR)
- 信号対干渉比(SIR)
- 信号対ノイズ+干渉比(SINR)
- チャネル係数
- チャネル利得または減衰
- 変調方式インジケータ
- 符号化方式インジケータ
- 変調及び符号化方式 (「MCS」)インジケータ
【0180】
本詳細説明において、「最強のリソース単位」等について広く使用される表現は、信号対ノイズ比または信号対干渉比または信号対ノイズ+干渉比を意味し、広義には、それは信号強度に関係するいずれかの測定値を意味することは、当業者には明白であろう。しかし、上に言及したその他の測定値の解釈は、必要な変更を加えて適応され得る。例えば、強い信号対干渉比は、高次の変調方式(例えば、16−QAM、64−QAM、等)を示す変調方式インジケータとして、または弱い符合化方式(例えば、高い符号化率による)を示す符号化方式インジケータなどとして表現されてもよい。当業者は、その他の測定値またはいずれかの測定値の組み合わせについても、対応する解釈を導き出すことが容易にできるであろう。
【0181】
チャネル品質値は、以下の個々の次元または組合せにおいて決定され得る。
- 時間単位(例えば、タイムスロット、リソース・ブロック、無線フレーム、サブフレ
ーム、送信時間間隔、ミリ秒、等)
- 周波数単位(例えば、送信帯域幅、キャリア帯域幅、サブバンド、リソース・ブロック、等)
- アンテナ単位(例えば、送信アンテナ、受信アンテナ、アンテナ・アレイ・ユニット、MIMOチャネル、等)
- 符号単位(例えば、拡散符号番号またはID)
- 偏波方向(例えば、水平、垂直、円状、等)
【0182】
以下に述べる送信技術の例は、本発明の有効な利用のしかたについてのさらなる理解を当業者に与えるであろう。
【0183】

【0184】

【0185】
パーティションの数
ほとんどの例示的な実施形態は、2個の別個のパーティションを使用するパーティション別の圧縮の概念に関係する。しかし、提示した概念は、任意の数のパーティションに容易に拡張可能である。
【0186】

【0187】

【0188】
チャネル品質情報の送信
本発明の別の実施形態では、すべてのパーティションの符号化及び/圧縮されたデータは、同時に送信され得る。しかし、以下に説明するように、その他のソリューションも可能であり得る。
【0189】
例えば、符号化されたチャネル品質情報のパーティション別の連続した(シリアル)送信も可能である。第1の時刻に、第1のパーティションのチャネル品質情報が送信される。第2の時刻に、第2のパーティションのチャネル品質情報が送信される。順番は、予め決められて、シグナリングされてもよい。または、例えば、偏差基準に基づいて順番が決められてもよい。つまり、そのパーティションの前回送信された圧縮データに比較して最大の変化が起きているパーティションのチャネル品質情報が送信される。
【0190】
別のオプションは、符号化されたチャネル品質情報の個々の要素の連続した(シリアル)送信の使用である。第1の時刻に、チャネル品質情報の第1の係数が送信される。第2の時刻に、チャネル品質情報の第2の係数が送信される。これは、パーティション別に使用されても(すなわち、第2のパーティションの個々の係数が送信される前に第1のパーティションの個々の係数が送信される)、ラウンドロビンまたは同様の方式で使用されてもよい(すなわち、第1のパーティションの第1の係数が送信され、続いて第2のパーティションの第1の係数、続いて第1のパーティションの第2の係数、等々が連続送信される)。
【0191】
別のオプションは、符号化されたチャネル品質情報の個々の要素の連続した(シリアル)送信の使用である。第1の時刻に、例えば、パーティション付属信号が送信され、少なくとも1のパーティションの値/係数信号が少なくとも第2の時刻に送信される。
【0192】
さらに別のオプションは、チャネル品質情報を更新することである。一つの実施形態によれば、第1の送信発生と第2の送信発生の間のパーティションのチャネル品質情報の差分だけが送信される。前記差分は、前記第1の送信発生時に送信されたチャネル品質情報との差でもよいし、あるいは前の数回のデータ送信発生の組合せとの差でもよい。
【0193】
本発明のさらに別の実施形態による、符号化されたチャネル品質情報を送信するための別のオプションは、パーティション別の更新/送信間隔であり得る。有利には、強い個々のリソース単位から主に構成されるパーティションである第1のパーティションについては、チャネル品質情報は第1の更新/送信間隔を使用して送信される。第2のパーティションについては、チャネル品質情報は第2の更新/送信間隔を使用して送信される。好ましくは、第1の更新/送信間隔は第2の更新/送信間隔よりも短い。
【0194】
時間領域における前述した送信オプションは、周波数領域、符号領域、アンテナ領域、偏波領域などに、必要な変更を加えて、容易に拡張または変更できることに留意すべきである。
【0195】
さらに、上記にすでに手短に言及したとおり、本文書中で様々な例示的な実施形態において説明した本発明の概念は、例えば、図28に例示したようなアーキテクチャをもち得る、背景技術の節で述べたような移動通信システムにおいて有利に利用され得る。この移動通信システムは、少なくとも1つのアクセス及びコア・ゲートウェイ(ACGW)と個々のノードBからなる「2ノード・アーキテクチャ」をもつことができる。ACGWは、呼及びデータ接続の外部ネットワークへのルーティングなどのコア・ネットワーク機能を処理できるとともに、一部のRAN機能も実行できる。したがって、ACGWは、今日の3GネットワークではGGSN及びSGSNによって実行される機能と、例えば、 無線リソース制御(RRC)、ヘッダ圧縮、暗号化/インテグリティ保護及びアウターARQといったRAN機能を統合するものであるとみなせる。各ノードBは、例えば、分割/連結、リソースのスケジューリングと割当て、多重化及び物理層機能といった機能を処理できる。例示的な目的でのみ、各ノードBが1つの無線セルだけを制御するように図示されている。言うまでもなく、ビーム形成アンテナ及び/またはその他の技術を使用して、各ノードBが数個の無線セルまたは論理的無線セルを制御することもできる。さらに、MIMO送信方式が、異なる移動局または端末との通信に利用され得る。
【0196】
この例示的なネットワーク・アーキテクチャにおいて、共有データ・チャネルが、移動局(UE)と基地局(ノードB)間の無線インタフェース上でアップリンク及び/またはダウンリンクでの通信のために使用され得る。この共有データ・チャネルは、図1に示したような構成をもち得る、及び/または、図2または図3に例示的に示したサブフレームを連結したものと見ることができる。本発明の例示的な実施形態によれば、共有データ・チャネルは、本文書中の背景技術の節で述べたように、あるいは3GPP TR 25.814(http://www.3gpp.orgで得られ、参照により本文書に援用される)に示されるように定義できる。
【0197】
本文書で説明した発明の実施形態では、チャネル状態に関する情報は、任意の時刻のまたはある時間間隔中のチャネル品質の「スナップショット」を通信するために使用され得る。チャネル状態に関する情報がスケジューリングまたはリンク適応に使用される場合には、短い報告間隔が有利であり得る。しかし、チャネル状態情報の報告間隔が最小ではない場合にも、受信機は、適切なスケジューリング及び/またはリンク適応を可能にし得る、将来のチャネル状態の予測のために過去のチャネル状態に関する情報を利用できる。
【0198】
本発明のいくつかの実施形態では、チャネル状態に関する情報の受信機(例えば、図28の中のノードB)は、個々の移動局をスケジュールするためのスケジューリング及び/または通信チャネル上のリンク適応を実行するためのリンク適応エンティティをも含むことができる。基地局(すなわち、この例では受信機)によってサーブされた各移動端末が、スケジューリング及び/またはリンク適応を円滑にするために、移動局からのチャネル状態に関する情報を受信することもあり得る。
【0199】
移動通信システムでは特に、送信されるチャネル品質情報は、エラーに対して保護される必要があり得ることに留意すべきである。この目的のために、符号化されたチャネル品質情報の送信前に、エラー検出符号化(例えば、CRCチェックサム)、順方向エラー訂正(畳込み符号、ターボ符号、リード・ソロモン符号)、自動再送要求(ARQ)等のような周知の技術の1つ以上を使用できる。言うまでもなく、チャネル品質情報の受信後、復号する前に、受信機で同一の技術が適切に処理されなければならない。
【0200】
さらに、本発明の別の実施形態では、パーティション分け、変換または符号化の一つ以上の相を制御するために使用されるいずれかのパラメータが、例えば、ノードBなどのネットワーク管理エンティティによって決定され得ることに留意すべきである。この場合、個々の制御パラメータは、L1/L2制御チャネル上の第1層/第2層(L1/L2)制御信号などの制御シグナリング、MACヘッダ内の制御情報、またはRRCシグナリングを使用して、ネットワークからチャネル品質情報の送信機(例えば、移動局)へシグナリングされ得る。CQIパラメータ用の上記L1/L2制御シグナリングの頻度は、周期的またはイベント駆動型であり得る。制御シグナリングの頻度は、管理エンティティによって決定され得る。例えば、下記のうちの少なくとも1つにおいて異なるリソースを使用して、異なるリソース中の制御シグナリングを使用して異なる制御パラメータを伝達することがさらに有利であり得る。
- 時間単位(例えば、異なるタイムスロット、リソース・ブロック、無線フレーム、サブフレーム、送信時間間隔、ミリ秒、等)
- 周波数単位(例えば、異なるキャリア周波数、サブバンド、リソース・ブロック、等)
- アンテナ単位(例えば、異なる送信アンテナ、受信アンテナ、アンテナ・アレイ・ユニット、MIMOチャネル、等)
- 符号単位(例えば、異なる拡散符号番号またはID)
- 偏波方向(例えば、水平、垂直、円状、等)
【0201】
1つ以上のチャネル品質情報パラメータ(例えば、パーティションの数、パーティション当りの値/係数の数、変換パラメータ、パーティション当り送信される値/係数の数、チャネル品質情報用に利用可能な/必要なビット数、等)を変更する決定を送信機にさせ得る、前に言及したまたは以後に言及するいずれかのイベントは、同じくまたは代わりに、必要な変更を加えて、管理エンティティにパラメータの変更を決定させ得る。パラメータの変更がある場合には、前のパラグラフで概説したような、例えば、制御信号を用いて、その変更はチャネル品質情報の送信機へ伝達され得る。
【0202】
一般的に、スケジューリング及びリンク適応は、リソース単位ベースで実行されると仮定してもよい。例えば、OFDMAシステムにおいて割当て可能な(無線)リソースの最小単位(リソース・ブロックまたはリソース単位とも言う)は、通常、時間領域での1サブフレームと周波数領域での1サブキャリア/サブバンドによって定義される。同様に、CDMAシステムでは、無線リソースのこの最小単位は、時間領域での1サブフレームと符号領域での1符号によって定義される。通常、(スケジューリング用の) リソース単位は、時間領域でのサブフレーム、周波数領域でのサブキャリア/サブバンド、符号領域での符号及びMIMOでのアンテナのうちの少なくとも2つの組合せによって構成された単位によって定義され得る。
【0203】
チャネル状態/品質は、チャネルの細分化され得るリソース単位のセットに対して報告されることに留意すべきである。これらのリソース単位は、個々の移動局がそれに基づいてスケジュールされる及び/またはリンク適応がそれに基づいて実行され得るリソース単位と同等であっても、同等でなくてもよい。例えば、OFDM共有チャネルを想定すると、チャネル状態が報告されるリソース単位は、スケジューリング及び/またはリンク適応がそれに基づいて行われるリソース・ブロックに相当し得る。代替的に、チャネル状態情報を提供する送信側エンティティ(移動局)は、リソース単位が、時間領域での1つ以上のサブフレームと周波数領域での1つ以上のサブキャリア/サブバンドに相当する、リソース単位ベースのチャネル状態を報告することもできる。この原則は、符号領域にも拡張可能である。言い換えれば、チャネル状態報告の粒度(きめ細かさ)が、システム中でリソースがスケジュールされ得る及び/またはリンク適応が実行される粒度(きめ細かさ)と同一であることは必要条件ではない。
【0204】
移動通信システム中の通信には、例えば、OFDM方式、MC−CDMA方式またはパルス整形を用いたOFDM方式(OFDM/OQAM)が使用できる。いくつかの実施形態では、スケジューラは、リソース・ブロック単位で(すなわち、時間領域でのサブフレーム単位で)または送信時間間隔(TTI)単位でリソースをスケジュールし得る。後者の場合、TTIは時間領域での1つ以上のサブフレームからなると仮定できる。
【0205】
本発明の一つの実施形態では、10 MHzの帯域幅をもち、15 kHzのサブキャリア間隔で600個のサブキャリアからなるチャネルについてチャネル品質情報が報告される。600個のサブキャリアは、次に、24個のサブバンド(各々25個のサブキャリアを含む)にグループ分けでき、各サブバンドは375 kHzの帯域幅を占有する。1サブフレームが0.5 msの時間長をもつと仮定すると、1つのリソース・ブロック(RB)は、375 kHzと0.5 msの大きさになる。
【0206】
代替的に、1サブバンドは12個のサブキャリアから構成でき、このような50個のサブバンドが利用可能な600個のサブキャリアを構成する。送信時間間隔(TTI)が2サブフレームに相当する1.0 msであるとすると、この例では、1つのリソース・ブロック(RB)は、300 kHzと1.0 msの大きさになる。
【0207】
本発明の別の実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアを使用した、上述した様々な実施形態の実現に関係する。本発明の多様な実施形態は、コンピューティング・デバイス(プロセッサ)を使用して実現または実施され得ることが認識される。コンピューティング・デバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはその他のプログラム可能な論理デバイス等であり得る。本発明の多様な実施形態は、上記のデバイスの組合せによって実施または実現されてもよい。
【0208】
さらに、本発明の多様な実施形態は、プロセッサで実行されるまたは直接ハードウェアに組み込むソフトウェア・モジュールを用いて実現することも可能である。また、ソフトウェア・モジュールとハードウェア実装の組合せも可能である。ソフトウェア・モジュールは、コンピュータで読取り可能などんな種類の記憶媒体−例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、レジスタ、ハード・ディスク、CD−ROM、DVD等−に記憶されてもよい。
【0209】
以上の文面において、本発明の様々な実施形態とその変形を説明した。具体的な実施形態の形で示した本発明へのいろいろな変形及び/または修正が、広義に説明された本発明の精神または範囲を逸脱しない限りにおいてなされ得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0210】
上記の実施形態の大部分は3GPPベースの通信システムに関連して説明されており、以上の節で使用された用語は3GPPの用語に主に関係することにさらに留意すべきである。しかし、3GPPベースのアーキテクチャにかかわる多様な実施形態の用語と説明は、本発明の原理と概念を上記のシステムに限定するように意図されてはいない。
【0211】
また、前述の背景技術の節で述べた詳細な説明は、本文書に説明した主に3GPPの特徴を生かした例示的な実施形態をよりよく理解してもらうためのものであり、移動通信ネットワークにおけるプロセス及び機能のここで述べた特定の実現に本発明を限定するものと理解すべきではない。しかしながら、本文書で提案された改良は、背景技術の節で説明したアーキテクチャに容易に適用可能である。さらに、本発明の概念は、3GPPによって現在検討中のLTE RANに容易に使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおける受信エンティティへチャネル品質情報報告を周期的に送信する送信装置であって、
第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告と、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告と、を送信する送信部を備え、
前記送信部は、前記第一のチャネル品質情報報告の2回の送信の間に前記第二のチャネル品質情報報告を送信する、
送信装置。
【請求項2】
前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で送信される、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、
請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
通信システムにおける受信エンティティへチャネル品質情報報告を周期的に送信する送信装置によって実行される送信方法であって、
第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告を送信する第一の送信ステップと、
リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告を送信する第二の送信ステップを含み、
前記第一のチャネル品質情報報告の2回の送信の間に、前記第二のチャネル品質情報報告を送信する、
送信方法。
【請求項6】
前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で送信される、
請求項5に記載の送信方法。
【請求項7】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、
請求項6に記載の送信方法。
【請求項8】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、
請求項7に記載の送信方法。
【請求項9】
通信システムにおける送信エンティティからチャネル品質情報報告を周期的に受信する受信装置であって、
第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告と、リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告と、を受信する受信部を備え、
前記受信部は、前記第一のチャネル品質情報報告の2回の受信の間に前記第二のチャネル品質情報報告を受信する、
受信装置。
【請求項10】
前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で受信する、
請求項9に記載の受信装置。
【請求項11】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、
請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、
請求項11に記載の受信装置。
【請求項13】
通信システムにおける送信エンティティからチャネル品質情報報告を周期的に受信する受信装置によって実行される受信方法であって、
第一の所定の報告頻度でリソースブロックのチャネル品質の平均を報告する第一のチャネル品質情報報告を受信する第一の受信ステップと、
リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告を受信する第二の受信ステップを含み、
前記第一のチャネル品質情報報告の2回の受信の間に、前記第二のチャネル品質情報報告を受信する、
受信方法。
【請求項14】
前記リソースブロックの好適なサブセットについての第二のチャネル品質情報報告は、第二の所定の報告頻度で受信される、
請求項13に記載の受信方法。
【請求項15】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度と異なる、
請求項14に記載の受信方法。
【請求項16】
前記第一の所定の報告頻度は、前記第二の所定の報告頻度よりも高い頻度である、
請求項15に記載の受信方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−199966(P2012−199966A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114524(P2012−114524)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2009−529547(P2009−529547)の分割
【原出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】