チャンネルブラシ
【課題】毛倒れを少なくすることができると共に、毛抜けを防止でき、製造コストも低減できるチャンネルブラシを提供する。
【解決手段】被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシ４において、このチャンネルブラシ４はブラシ片１と、帯状体５とを有し、前記ブラシ片１は前記帯状体５により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体５に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片１の長手方向には溶着部３が形成されているものである。
【解決手段】被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシ４において、このチャンネルブラシ４はブラシ片１と、帯状体５とを有し、前記ブラシ片１は前記帯状体５により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体５に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片１の長手方向には溶着部３が形成されているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ブラシ用毛材の一方の端部を溶着フィルムで挟み込み超音波溶着によりブラシを成形したものがある（特許文献１）。
また、ロールブラシにおいて、ブラシ体の両サイドの基布とブラシ用毛材とが溶着されているものもある（特許文献２）。
さらに、１種類のブラシ用毛材をＵ字形に２つ折りしながら長尺チャンネルの溝に押し込んだ後、ブラシ用毛材の側面に所定幅の接着層を形成してチャンネルブラシとして使用するものがある（特許文献３）。
【０００３】
【特許文献１】特開２００５−２９６５５５号公報
【特許文献２】特開２００３−１９９６２５号公報
【特許文献３】特開２００４−３３６８５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来の特許文献１及び特許文献２に記載された技術ではブラシ用毛材を溶着する技術は開示されているが、毛倒れを防止する構造とはなっていない。また、特許文献３に記載された技術では毛倒れを防止する構成を有するが、側面だけの接着なので、内部の毛まで接着されておらず、毛抜け防止の構造とはなっていなかった。
【０００５】
本発明は上記点に鑑み、毛倒れを少なくすることができると共に、毛抜けを防止でき、製造コストも低減できるチャンネルブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１の発明は、被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることに特徴を有する。したがって、ブラシ片が帯状体で挟みつけられることによりチャンネルブラシとなり、ブラシ片に溶着部が形成されたことによって、毛抜け及び毛倒れが防止される。
【０００７】
請求項２の発明は、被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、芯線と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記芯線及び前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることに特徴を有する。したがって、ブラシ片が帯状体及び芯線によって挟みつけられることによりチャンネルブラシとなり、ブラシ片に溶着部が形成されたことによって、毛抜け及び毛倒れが防止される。
【０００８】
請求項３の発明は、請求項１又は２の発明において、帯状体の上端部がかしめられてあることに特徴を有する。したがって、ブラシ片が帯状体から外れるのを防止できる。
【０００９】
請求項４の発明は、請求項１から３のいずれか１項の発明において、帯状体は金属からなることに特徴を有する。したがって、帯状体の加工が容易となる。
【００１０】
請求項５の発明は、請求項１から４のいずれか１項の発明において、溶着部は超音波溶着により形成されてあることに特徴を有する。したがって、摩擦熱によってブラシ片の一部が溶け、容易に溶着ができる。また、摩擦熱による溶着の為、溶着部の過度な温度上昇が無く、溶着によるブラシ片の材質の劣化を防止できる。また、ブラシ片が異なる材質、あるいは多層構造の場合であっても好適に溶着をする事ができる。
【００１１】
請求項６の発明は、請求項１から５のいずれか１項の発明において、ブラシ片の少なくとも一側面に熱溶着フィルムとブラシ片とが溶着されてあることに特徴を有する。したがって、熱溶着フィルムに熱を加えることによって、熱溶着フィルムとブラシ片とが強固に溶着される。また、熱を加えすぎたことによるブラシ片の溶着時の毛切れを防止できる。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１及び２の発明では、ブラシ片に溶着部が形成されたことによって毛抜け及び毛倒れを防止することができる。また、請求項３の発明では、帯状体がかしめられることによって、ブラシ片が外れるのを防止できる。また、請求項４の発明では、帯状体を金属としたことによって、加工が容易となる。さらに、請求項５の発明では、超音波溶着で溶着部を形成することによって、チャンネルブラシの製造が容易となる。また、請求項６の発明では、熱溶着フィルムを使用することによって、熱溶着フィルムとブラシ片とを強固に溶着することができ、毛抜け及び毛倒れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明の第一実施形態を示す正面図である。図２は斜視図である。チャンネルブラシ４は、ブラシ片１、帯状体５及び芯線６より構成されている。帯状体５は概コ字状の溝部７を有する長尺形状に形成されており、ブラシ片１は芯線６及び帯状体５にて挟みつけて折り込んで形成されている。そして、帯状体５に挟みつけられた部分よりも上方のブラシ片１の長手方向には溶着部３が形成されている。尚、帯状体５は金属であれば加工が容易である。
【００１４】
上記チャンネルブラシ４の製造方法を図３及び図４を用いて説明する。先ず、長尺の帯状体５に対して、ブラシ片１の中心が帯状体５の上部になるように重ね合わせて設置し、縦ロール９を使用して芯線６にてブラシ片１を挟み付けると共に、芯線６を概コ字状の溝部７に押し込む。次に、帯状体５の両側に形成された横ロール８、８を使用して帯状体５を両側からかしめる。その結果、図１及び図２に示したように中央部が帯状体５及び芯線６に挟み付けられて折り込まれた、密集且つ連続的に形成されてあるブラシ片１を有するチャンネルブラシ４が形成される。
【００１５】
次に、図４に示すようにチャンネルブラシ４をホーン１０とアンビル１１との間に挟み込んだ後、所定の圧力をかける。その後、圧力をかけながらホーン１０を振動させると（一例としては２０ｋＨｚ）、摩擦熱が発生してブラシ片１が溶けて長手方向に溶着部３が形成されるのである。尚、この超音波溶着はブラシ片１の幅方向全体を溶かすものであるが、ブラシ片１の幅方向の半分のみを溶かして溶着部３を形成することも可能であり、この場合でもブラシ片１の毛抜け及び毛倒れを防ぐことができる。また、溶着とは、一般的には、溶接、あるいは高温で加熱して接着させる事である。また、ブラシ片が、熱可塑性のフィルム、平板状のシート等の場合は、前記ブラシ片を、熱によって溶かし、加圧と冷却をする事により接着させる事である。また、溶着は、融着、熱接着、ヒートシールと呼ばれる事もある。
【００１６】
ここで、ブラシ片１及び芯線６は使用する目的に応じて、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリカーボネイト系繊維に代表されるポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウレタンゴム系繊維、アクリル系繊維、熱可塑性ポリビニルアルコール系繊維、熱可塑性フッ素系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール（PBO）繊維等の材質の中から、選定して使用する。また、抗菌繊維、微生物分解性繊維、発色性繊維、蛍光繊維、蓄光繊維、高強度繊維、静電性繊維、制電性繊維、伸縮性繊維、熱融着繊維、弾性繊維等の材質の中から、選定して使用する。さらにまた、上記以外にも、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、セラミック等の繊維、前記材質の合金の繊維、天然繊維、化学繊維、天然樹脂発泡体、合成樹脂発泡体、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムからなる繊維等の材質の中から、選定して使用できる。また、前記繊維は極細繊維の形態も設定できる。また、ブラシ片１は、合成樹脂繊維、布、フィルム、独立気泡発泡体等の形態を、使用目的に応じて使用する事もできる。また、前記の形態を、適時、組み合わせる事により使用する事もできる。
【００１７】
図５はチャンネルブラシ４を洗浄ブラシ１６に適用した場合である。この洗浄ブラシ１６は、ブラシ片によって形成されたチャンネルブラシ４を螺旋状に回転軸１８に巻き付けたものであり、洗車機用、一般洗浄用、液晶、ウェハ、ガラス等の基板洗浄用、掃除機用等に使用される。
【００１８】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態をとることができることは言うまでもない。例えば、上記実施形態では芯線６を使用しているが、芯線６を使用しないチャンネルブラシにも本発明は適用することができる。また、溶着部３の形成は上述の超音波溶着時に熱溶着フィルムを使用することも可能である。この場合には、図６に示すように、ブラシ片１の少なくとも一方の側面に熱溶着フィルム２を配置し、これに熱を加えることによって、ブラシ片１と熱溶着フィルム２とが溶着されたチャンネルブラシ４ａを製作することができる。また、熱溶着フィルム２を使用する形態であるならば、超音波溶着以外の溶着方法も使用できる。
【００１９】
また、溶着方法は、超音波溶着以外にも、熱溶着、高周波溶着、振動溶着等の溶着方法を採用できる。溶着方法として、コテ式の熱溶着を使用した場合においては、風合いが美しい溶着をする事ができると共に、シート状、あるいはフィルム状のブラシ片にたいして、好適に溶着をする事ができる。また、インパルス式の熱溶着を使用した場合においては、溶着時にのみ通電する事ができる為、電力の消費量を削減する事ができる。また、熱板式の熱溶着を使用した場合においては、ブラシ片の材質が限定される事無く、好適に溶着をする事ができる。また、熱風式の熱溶着を使用した場合においては、ブラシ片の形状が曲線形状であっても、好適に溶着をする事ができる。また、高周波溶着を使用した場合においては、溶着する部分のみを短時間にて内部加熱できる為、風合いが美しい溶着をする事ができる。さらにまた、振動溶着を使用した場合においては、複数のブラシ部材を高い溶着強度、及び高い気密性にて溶着する必要がある場合においても、好適に溶着をする事ができる。また、溶着部が形成される時に発生する溶着部の形状は、ホーンあるいはアンビルの形状を設定する事により、本発明の実施形態の如くの概凹形状以外にも、例えば、概平板形状、概波形形状等、任意に設定できる。また、溶着は、押込み深さ、加圧力、加熱能力、加熱時間、冷却能力、冷却時間、ホーンあるいはアンビルの形状、ホーンあるいはアンビルの材質、溶着箇所の配置形態等の各種条件により、使用目的に応じて、所定の溶着強度、あるいは風合いを設定する事ができる。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明のチャンネルブラシは、さまざまな目的にたいして使用可能であるが、例えば、極めて微細な塵埃、ごみ、微粉体等が付着した各種床面を清掃する為の清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、特殊鋼板、フィルム等の表面洗浄あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、半導体ウェハー等の洗浄あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、自動車、バス、電車、新幹線、航空機等の外壁面用あるいは内壁面用の洗浄あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、自動車、バス、電車、新幹線、航空機等の洗車機用の洗浄ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、路面の清掃用あるいは洗浄ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、高層、あるいは中低層ビルの外壁面、あるいは内壁面の洗浄ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、一般家庭用、あるいは業務用の洗浄、あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、例えば、電気掃除機用床ノズルの回転ブラシに使用したり、例えば、化粧ブラシに使用したり、一般家庭用、あるいは業務用の洗浄、あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用する等、被清掃面にたいする清掃効果が極めて高いチャンネルブラシとして、広く好適に使用することができる。また、洗浄、清掃に限らず、研削、塗布、食品や医薬品等の製造装置に搭載する回転ブラシとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明の第一実施形態を示す正面図である。
【図２】本発明の第一実施形態を示す斜視図である。
【図３】チャンネルブラシの製造方法を示す斜視図である。
【図４】超音波溶着を示す説明図である。
【図５】チャンネルブラシを洗浄ブラシに適用した場合の斜視図である。
【図６】本発明の第二実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ ブラシ片
２ 熱溶着フィルム
３ 溶着部
４，４ａ チャンネルブラシ
５ 帯状体
６ 芯線
７ 溝部
１０ ホーン
１１ アンビル
１６ 洗浄ブラシ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ブラシ用毛材の一方の端部を溶着フィルムで挟み込み超音波溶着によりブラシを成形したものがある（特許文献１）。
また、ロールブラシにおいて、ブラシ体の両サイドの基布とブラシ用毛材とが溶着されているものもある（特許文献２）。
さらに、１種類のブラシ用毛材をＵ字形に２つ折りしながら長尺チャンネルの溝に押し込んだ後、ブラシ用毛材の側面に所定幅の接着層を形成してチャンネルブラシとして使用するものがある（特許文献３）。
【０００３】
【特許文献１】特開２００５−２９６５５５号公報
【特許文献２】特開２００３−１９９６２５号公報
【特許文献３】特開２００４−３３６８５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来の特許文献１及び特許文献２に記載された技術ではブラシ用毛材を溶着する技術は開示されているが、毛倒れを防止する構造とはなっていない。また、特許文献３に記載された技術では毛倒れを防止する構成を有するが、側面だけの接着なので、内部の毛まで接着されておらず、毛抜け防止の構造とはなっていなかった。
【０００５】
本発明は上記点に鑑み、毛倒れを少なくすることができると共に、毛抜けを防止でき、製造コストも低減できるチャンネルブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１の発明は、被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることに特徴を有する。したがって、ブラシ片が帯状体で挟みつけられることによりチャンネルブラシとなり、ブラシ片に溶着部が形成されたことによって、毛抜け及び毛倒れが防止される。
【０００７】
請求項２の発明は、被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、芯線と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記芯線及び前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることに特徴を有する。したがって、ブラシ片が帯状体及び芯線によって挟みつけられることによりチャンネルブラシとなり、ブラシ片に溶着部が形成されたことによって、毛抜け及び毛倒れが防止される。
【０００８】
請求項３の発明は、請求項１又は２の発明において、帯状体の上端部がかしめられてあることに特徴を有する。したがって、ブラシ片が帯状体から外れるのを防止できる。
【０００９】
請求項４の発明は、請求項１から３のいずれか１項の発明において、帯状体は金属からなることに特徴を有する。したがって、帯状体の加工が容易となる。
【００１０】
請求項５の発明は、請求項１から４のいずれか１項の発明において、溶着部は超音波溶着により形成されてあることに特徴を有する。したがって、摩擦熱によってブラシ片の一部が溶け、容易に溶着ができる。また、摩擦熱による溶着の為、溶着部の過度な温度上昇が無く、溶着によるブラシ片の材質の劣化を防止できる。また、ブラシ片が異なる材質、あるいは多層構造の場合であっても好適に溶着をする事ができる。
【００１１】
請求項６の発明は、請求項１から５のいずれか１項の発明において、ブラシ片の少なくとも一側面に熱溶着フィルムとブラシ片とが溶着されてあることに特徴を有する。したがって、熱溶着フィルムに熱を加えることによって、熱溶着フィルムとブラシ片とが強固に溶着される。また、熱を加えすぎたことによるブラシ片の溶着時の毛切れを防止できる。
【発明の効果】
【００１２】
請求項１及び２の発明では、ブラシ片に溶着部が形成されたことによって毛抜け及び毛倒れを防止することができる。また、請求項３の発明では、帯状体がかしめられることによって、ブラシ片が外れるのを防止できる。また、請求項４の発明では、帯状体を金属としたことによって、加工が容易となる。さらに、請求項５の発明では、超音波溶着で溶着部を形成することによって、チャンネルブラシの製造が容易となる。また、請求項６の発明では、熱溶着フィルムを使用することによって、熱溶着フィルムとブラシ片とを強固に溶着することができ、毛抜け及び毛倒れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明の第一実施形態を示す正面図である。図２は斜視図である。チャンネルブラシ４は、ブラシ片１、帯状体５及び芯線６より構成されている。帯状体５は概コ字状の溝部７を有する長尺形状に形成されており、ブラシ片１は芯線６及び帯状体５にて挟みつけて折り込んで形成されている。そして、帯状体５に挟みつけられた部分よりも上方のブラシ片１の長手方向には溶着部３が形成されている。尚、帯状体５は金属であれば加工が容易である。
【００１４】
上記チャンネルブラシ４の製造方法を図３及び図４を用いて説明する。先ず、長尺の帯状体５に対して、ブラシ片１の中心が帯状体５の上部になるように重ね合わせて設置し、縦ロール９を使用して芯線６にてブラシ片１を挟み付けると共に、芯線６を概コ字状の溝部７に押し込む。次に、帯状体５の両側に形成された横ロール８、８を使用して帯状体５を両側からかしめる。その結果、図１及び図２に示したように中央部が帯状体５及び芯線６に挟み付けられて折り込まれた、密集且つ連続的に形成されてあるブラシ片１を有するチャンネルブラシ４が形成される。
【００１５】
次に、図４に示すようにチャンネルブラシ４をホーン１０とアンビル１１との間に挟み込んだ後、所定の圧力をかける。その後、圧力をかけながらホーン１０を振動させると（一例としては２０ｋＨｚ）、摩擦熱が発生してブラシ片１が溶けて長手方向に溶着部３が形成されるのである。尚、この超音波溶着はブラシ片１の幅方向全体を溶かすものであるが、ブラシ片１の幅方向の半分のみを溶かして溶着部３を形成することも可能であり、この場合でもブラシ片１の毛抜け及び毛倒れを防ぐことができる。また、溶着とは、一般的には、溶接、あるいは高温で加熱して接着させる事である。また、ブラシ片が、熱可塑性のフィルム、平板状のシート等の場合は、前記ブラシ片を、熱によって溶かし、加圧と冷却をする事により接着させる事である。また、溶着は、融着、熱接着、ヒートシールと呼ばれる事もある。
【００１６】
ここで、ブラシ片１及び芯線６は使用する目的に応じて、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリカーボネイト系繊維に代表されるポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウレタンゴム系繊維、アクリル系繊維、熱可塑性ポリビニルアルコール系繊維、熱可塑性フッ素系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール（PBO）繊維等の材質の中から、選定して使用する。また、抗菌繊維、微生物分解性繊維、発色性繊維、蛍光繊維、蓄光繊維、高強度繊維、静電性繊維、制電性繊維、伸縮性繊維、熱融着繊維、弾性繊維等の材質の中から、選定して使用する。さらにまた、上記以外にも、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、セラミック等の繊維、前記材質の合金の繊維、天然繊維、化学繊維、天然樹脂発泡体、合成樹脂発泡体、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムからなる繊維等の材質の中から、選定して使用できる。また、前記繊維は極細繊維の形態も設定できる。また、ブラシ片１は、合成樹脂繊維、布、フィルム、独立気泡発泡体等の形態を、使用目的に応じて使用する事もできる。また、前記の形態を、適時、組み合わせる事により使用する事もできる。
【００１７】
図５はチャンネルブラシ４を洗浄ブラシ１６に適用した場合である。この洗浄ブラシ１６は、ブラシ片によって形成されたチャンネルブラシ４を螺旋状に回転軸１８に巻き付けたものであり、洗車機用、一般洗浄用、液晶、ウェハ、ガラス等の基板洗浄用、掃除機用等に使用される。
【００１８】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態をとることができることは言うまでもない。例えば、上記実施形態では芯線６を使用しているが、芯線６を使用しないチャンネルブラシにも本発明は適用することができる。また、溶着部３の形成は上述の超音波溶着時に熱溶着フィルムを使用することも可能である。この場合には、図６に示すように、ブラシ片１の少なくとも一方の側面に熱溶着フィルム２を配置し、これに熱を加えることによって、ブラシ片１と熱溶着フィルム２とが溶着されたチャンネルブラシ４ａを製作することができる。また、熱溶着フィルム２を使用する形態であるならば、超音波溶着以外の溶着方法も使用できる。
【００１９】
また、溶着方法は、超音波溶着以外にも、熱溶着、高周波溶着、振動溶着等の溶着方法を採用できる。溶着方法として、コテ式の熱溶着を使用した場合においては、風合いが美しい溶着をする事ができると共に、シート状、あるいはフィルム状のブラシ片にたいして、好適に溶着をする事ができる。また、インパルス式の熱溶着を使用した場合においては、溶着時にのみ通電する事ができる為、電力の消費量を削減する事ができる。また、熱板式の熱溶着を使用した場合においては、ブラシ片の材質が限定される事無く、好適に溶着をする事ができる。また、熱風式の熱溶着を使用した場合においては、ブラシ片の形状が曲線形状であっても、好適に溶着をする事ができる。また、高周波溶着を使用した場合においては、溶着する部分のみを短時間にて内部加熱できる為、風合いが美しい溶着をする事ができる。さらにまた、振動溶着を使用した場合においては、複数のブラシ部材を高い溶着強度、及び高い気密性にて溶着する必要がある場合においても、好適に溶着をする事ができる。また、溶着部が形成される時に発生する溶着部の形状は、ホーンあるいはアンビルの形状を設定する事により、本発明の実施形態の如くの概凹形状以外にも、例えば、概平板形状、概波形形状等、任意に設定できる。また、溶着は、押込み深さ、加圧力、加熱能力、加熱時間、冷却能力、冷却時間、ホーンあるいはアンビルの形状、ホーンあるいはアンビルの材質、溶着箇所の配置形態等の各種条件により、使用目的に応じて、所定の溶着強度、あるいは風合いを設定する事ができる。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明のチャンネルブラシは、さまざまな目的にたいして使用可能であるが、例えば、極めて微細な塵埃、ごみ、微粉体等が付着した各種床面を清掃する為の清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、特殊鋼板、フィルム等の表面洗浄あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、半導体ウェハー等の洗浄あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、自動車、バス、電車、新幹線、航空機等の外壁面用あるいは内壁面用の洗浄あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、自動車、バス、電車、新幹線、航空機等の洗車機用の洗浄ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、路面の清掃用あるいは洗浄ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、高層、あるいは中低層ビルの外壁面、あるいは内壁面の洗浄ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、一般家庭用、あるいは業務用の洗浄、あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用したり、例えば、電気掃除機用床ノズルの回転ブラシに使用したり、例えば、化粧ブラシに使用したり、一般家庭用、あるいは業務用の洗浄、あるいは清掃ブラシ用チャンネルブラシとして使用する等、被清掃面にたいする清掃効果が極めて高いチャンネルブラシとして、広く好適に使用することができる。また、洗浄、清掃に限らず、研削、塗布、食品や医薬品等の製造装置に搭載する回転ブラシとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明の第一実施形態を示す正面図である。
【図２】本発明の第一実施形態を示す斜視図である。
【図３】チャンネルブラシの製造方法を示す斜視図である。
【図４】超音波溶着を示す説明図である。
【図５】チャンネルブラシを洗浄ブラシに適用した場合の斜視図である。
【図６】本発明の第二実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１ ブラシ片
２ 熱溶着フィルム
３ 溶着部
４，４ａ チャンネルブラシ
５ 帯状体
６ 芯線
７ 溝部
１０ ホーン
１１ アンビル
１６ 洗浄ブラシ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることを特徴とするチャンネルブラシ 。
【請求項２】
被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、芯線と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記芯線及び前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることを特徴とするチャンネルブラシ 。
【請求項３】
帯状体の上端部がかしめられてあることを特徴とする請求項１又は２に記載のチャンネルブラシ。
【請求項４】
帯状体は金属からなることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のチャンネルブラシ。
【請求項５】
溶着部は超音波溶着により形成されてあることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のチャンネルブラシ。
【請求項６】
ブラシ片の少なくとも一側面に熱溶着フィルムとブラシ片とが溶着されてあることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載のチャンネルブラシ。
【請求項１】
被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることを特徴とするチャンネルブラシ 。
【請求項２】
被清掃面に付着した塵埃等を清掃する為に使用するチャンネルブラシにおいて、前記チャンネルブラシはブラシ片と、芯線と、帯状体とを有し、前記ブラシ片は前記芯線及び前記帯状体により挟みつけられて折り込んで形成されてあると共に、前記帯状体に挟みつけられた部分よりも上方の前記ブラシ片の長手方向には溶着部が形成されてあることを特徴とするチャンネルブラシ 。
【請求項３】
帯状体の上端部がかしめられてあることを特徴とする請求項１又は２に記載のチャンネルブラシ。
【請求項４】
帯状体は金属からなることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のチャンネルブラシ。
【請求項５】
溶着部は超音波溶着により形成されてあることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のチャンネルブラシ。
【請求項６】
ブラシ片の少なくとも一側面に熱溶着フィルムとブラシ片とが溶着されてあることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載のチャンネルブラシ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−３６１８０（Ｐ２００８−３６１８０Ａ）
【公開日】平成２０年２月２１日（２００８．２．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２１５１５９（Ｐ２００６−２１５１５９）
【出願日】平成１８年８月８日（２００６．８．８）
【出願人】（３９１０４４７９７）株式会社コーワ (283)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年２月２１日（２００８．２．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年８月８日（２００６．８．８）
【出願人】（３９１０４４７９７）株式会社コーワ (283)
【Ｆターム（参考）】
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