チューニング音響フィードバック装置
【課題】 チューニング音響フィードバック装置に関する。
【解決手段】 イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響(TS)ピックアップケースと、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、前記TSピックアップケース内に設けられ、音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に伝送するTS出力モジュールと、を含む。
【解決手段】 イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響(TS)ピックアップケースと、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、前記TSピックアップケース内に設けられ、音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に伝送するTS出力モジュールと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューニング音響フィードバック装置に関し、より詳しくは、従来のチューニングマイク(tuning microphone)とは異なり、音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器側の音響出力ターミナルから出力されるチューニング音響(Tuning Sound、以下‘TS’という)をピックアップし、それをフィードバックできる複数の音響ピックアップモージュルを体系的に連設し、これにより、TSのピックアップの位置と、聴取者(listener)の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップの位置)とが正確に一致するようにすることにより、前記TSをソースとして活用した音響チューニング工程の信頼性を極大化し、その結果、音響機器側のイコライザー(equalizer)が適正水準の音響出力能力を保持できるようにガイドするTSフィードバック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スピーカなどの音響出力ターミナルを備えた各種の音響機器の発展に伴い、前記音響機器を活用した多種のマルチメディアシステム、例えば、講義室用/放送用/施設用の拡声システム(Loud speaking system)、家庭用/施設用の立体音響システム、家庭用/施設用/車両用のオーディオシステムなどの普及も急速に拡大している。
【0003】
このように、音響機器を活用したマルチメディアシステムの普及により、「どうすれば、聴取者への音響機器の音響出力ターミナル(例えば、スピーカ)からの音響データのより適切な伝達ができるか」が非常に重要なイシューとなり、このイシューを解決するために各関連メーカーでは多様な努力をしている。
【0004】
従来、その努力の一つとして、各関連メーカーでは、図1に示すように、音響機器2及びマルチメディアシステムが備えられた施設S(例えば、講義室、放送局、家庭、映画館、商業用施設、車両など)内にチューニングマイク5を設置後、前記チューニングマイク5を活用した一連の音響チューニング工程を、適正な音響が得られるまで繰り返して行った。一連の音響チューニング工程は、「スピーカなどの音響出力ターミナル1を介してTSを出力する工程」、「チューニングマイク5によってTSをピックアップする工程」、「関連メーカー所属の音響チューニング担当者が音響機器2の一部に大型測定機器4を連設後、前記測定機器4を介して、チューニングマイク5によってピックアップされたTSをフィードバックされる工程」、「音響チューニング担当者が測定機器4を介してフィードバックされたTSを測定後、そのボリュームレベルを手動で調整し、ボリュームレベルの調整されたTSを音響機器2のイコライザー3側に伝達する工程」、「イコライザー3がボリュームレベルの調整されたTSを音響出力ターミナル1を介して再出力する工程」などである。その後、図2に示すように、音響機器2及びマルチメディアシステムを実際に使用する場合、聴取者Mが音響機器2の音響出力ターミナル1から出力される音響データをより適切に聞き取るようにした。
【0005】
この場合、前記チューニングマイク5は、聴取者M(図2参照)の実際の聴覚器官Eのように作用して、一連の音響チューニングの工程中、「TSをピックアップし、それを測定機器4にフィードバックさせる役割」を続けて専担する。
【0006】
この従来技術では、上述したように、関連メーカー所属の音響チューニング担当者は、測定機器4を介して、チューニングマイク5によってピックアップされたTSのフィードバックを受けた後、フィードバックされたTSのボリュームレベルを手動で調整して再出力する工程を繰り返して行うことにより、一連の音響チューニング工程を完成する。
【0007】
この場合、チューニングマイク5によってピックアップされたTSは、音響チューニング担当者による一連のボリュームレベル調整のメカニズム中に基本的なソースとして活用されるので、「チューニングマイク5がTSをどのようにピックアップし、フィードバックさせるか」は、音響チューニング担当者による全体的な音響チューニングの品質において非常に重要な要素となる。
【0008】
しかし、従来のチューニングマイク5は、通常、各音響チューニング担当者の恣意的な判断に基づいて施設S内の所定の場所に任意に設けられるので、その設置位置と、図2に示すような聴取者Mの実際の聴覚器官Eの位置(即ち、聴取者Mの実際の音響ピックアップ位置)には、相当な差がある。つまり、「音響機器2及びマルチメディアシステムを実際に使用する場合、チューニングマイク5によってピックアップされたTSと聴取者Mが実際に聴取する音響」とは大きな差を示すことになる。
【0009】
また、この場合、関連メーカー所属の音響チューニング担当者が、チューニングマイク5によってピックアップされたTSをソースとして活用して、一連の音響チューニング工程(即ち、測定機器4を介して、チューニングマイク5によってピックアップされたTSのフィードバックを受けた後、フィードバックされたTSのボリュームレベルを手動で調整して再出力する工程)を正常に行っても、音響機器2側のイコライザー3は適正水準の音響出力能力を得ることができない。つまり、音響機器2及びマルチメディアシステムを実際に使用する場合、イコライザー3による音響ボリューム調整が行われても、音響出力ターミナル1から最終的に出力される音響データは、聴取者Mの実際の聴音状況とかけ離れた低級の音響品質(音感/明瞭さ/音質)を示す。
【0010】
即ち、結局、音響データの最終消費者である聴取者Mは、上記のような音響データの品質(音感/明瞭さ/音質)の低下による各種被害を受けるしかない。
【0011】
さらに、従来技術において、チューニングマイク5によってピックアップされたTSのボリュームレベルを調整して正常に再出力するためには、大型測定機器4による一連の測定工程及びボリュームレベルの調整工程が追加して行われるため、関連メーカーは、それによる各種問題、例えば、測定機器4の追加設置による問題、測定機器4の追加手動操作による問題まで考えなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記事情に鑑み、本願発明は、従来のチューニングマイクとは異なり、音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器側の音響出力ターミナルから出力されるTSをピックアップし、それをフィードバックできる複数の音響ピックアップモージュルを体系的に連設する。これにより、TSのピックアップ位置と、聴取者の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップの位置)とが正確に一致するようにすることにより、前記TSをソースとして活用した音響チューニング工程の信頼性を極大化し、その結果、音響機器側のイコライザーが適正水準の音響出力能力を保持できるようにする。
【0013】
本願発明では、複数の音響ピックアップモジュールによってピックアップされたTSのボリュームレベルを基準聴音ラインに基づいて自動補正した後、補正されたTSを音響機器のイコライザー側にフィードバックできる音響処理モジュールをさらに連設する。これにより、測定機器を活用した手動工程(例えば、フィードバックされたTSを測定する工程、フィードバックされたTSのボリュームレベルを調整する工程など)をさらに行う必要がなく、音響チューニング関連メーカー(音響チューニング担当者を含む)が、測定機器の追加設置による各種問題、測定機器の追加手動操作による各種問題などを容易に解決できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本願発明では、イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響(TS)ピックアップケースと、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、前記TSピックアップケース内に設けられ、音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に伝送するTS出力モジュールの組み合わせからなるTSフィードバック装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、TSのピックアップ位置と、聴取者の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップ位置)とを正確に一致させ、前記TSをソースとして活用した音響チューニングの工程の信頼性を極大化して、音響機器側のイコライザーが適正水準の音響出力能力を有することができる。
【0016】
また、本願発明によれば、測定機器を活用した手動工程(例えば、フィードバックされたTSを測定する工程、フィードバックされたTSのボリュームレベルを調整する工程など)を追加する必要がなくなり、音響チューニング関連メーカー(音響チューニング担当者を含む)が、測定機器の追加設置による各種問題、測定機器の追加手動操作による各種問題などを容易に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術に係る音響チューニング工程を概念的に示した例示図である。
【図2】従来技術に係る音響チューニング工程の完了後、音響機器及びマルチメディアシステムの実際の使用状況を概念的に示した例示図である。
【図3】本願発明に係るTSフィードバック装置を活用した音響チューニング工程を概念的に示した例示図である。
【図4】本願発明に係るTSフィードバック装置を活用した音響チューニング工程の完了後、音響機器及びマルチメディアシステムの実際の使用状況を概念的に示した例示図である。
【図5】本願発明に係るTSフィードバック装置の細部構成を概念的に示した例示図である。
【図6】本願発明に係るTSピックアップケースの活用形態を概念的に示した例示図である。
【図7】本願発明に係るTS出力モジュールの細部構成を概念的に示した例示図である。
【図8】本願発明に係るTS出力モジュールの細部構成を概念的に示した例示図である。
【図9】本願発明に係るガイドウィンドウの掲示形態を概念的に示した例示図である。
【図10】本願発明に係るピックアップTS中間補正ユニットの動作遂行工程を概念的に示した例示図である。
【図11】本願発明に係るピックアップTS中間補正ユニットの動作遂行工程を概念的に示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を用い、本願発明に係るTSフィードバック装置を詳述する。
図3に示すように、各音響関連メーカーは、音響機器12及びマルチメディアシステムが備えられた施設S(例えば、講義室、放送局、家庭、映画館、商業用施設、車両など)内において、スピーカなどの音響出力ターミナル11及びイコライザー13を活用した一連の音響チューニング工程を適正な音響が得られるまで繰り返して行うことにより、図4に示すように、音響機器12及びマルチメディアシステムが実際に使用される場合に、聴取者Mが音響機器12の音響出力ターミナル11から出力される音響データをより容易に聞き取るようにした。
【0019】
この際、音響出力ターミナル11から出力されたTSは、音響チューニング担当者Kにより行われる一連の音響チューニングメカニズム中に基本的なソースとして活用されるので、「TSをどのようにピックアップし、フィードバックさせるか」という問題は、全体的な音響チューニングの品質において非常に重要な要素である。
【0020】
かかる状況において、図3に示すように、本発明では従来のチューニングマイクとは異なり、音響チューニング担当者Kの聴覚器官Eの内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器12側の音響出力ターミナル11から出力されるTSをピックアップし、それを出力可能なTSピックアップユニット110を含む新型のTSフィードバック装置100を提供することができる。
【0021】
この場合、TSピックアップユニット110は、音響チューニング担当者K(図3参照)の実際の聴覚器官Eのように作用して、一連の音響チューニングの工程中、「TSをピックアップする役割」を続けて専担する。
【0022】
TSピックアップユニット110が音響チューニング担当者Kの聴覚器官Eの内部またはその付近に設けられた場合、TSのピックアップ位置は、図4に示すように、「聴取者Mの実際の聴覚器官Eの位置(即ち、聴取者Mの実際の音響ピックアップの位置)」と正確に一致することができる。したがって、ピックアップされたTSは、「音響機器12及びマルチメディアシステムが実際に使用される場合、聴取者Mが実際に聞き取る音響」と精巧にマッチすることができる。
【0023】
この場合、音響関連メーカー所属の音響チューニング担当者Kが、TSピックアップユニット110によってピックアップされたTSをソースとして活用しながら、一連の音響チューニング工程を体系的に管理監督する場合、音響機器12側のイコライザー13は適正水準の音響出力能力を保持することができる。その結果、音響機器12及びマルチメディアシステムにおいて、イコライザー13による音響ボリュームの調整過程が行われる場合、音響出力ターミナル1から最終的に出力される音響データは、聴取者Mの実際の聴音状況に適合な最適の音響品質(最適の音感/明瞭さ/音質)を示すことができる。
【0024】
また、音響データを最終的に消費する聴取者M側では、前記音響データの品質(音感/明瞭さ/音質)の低下による各種被害を避けることができる。
【0025】
この際、図5に示すように、前記TSピックアップユニット110は、イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響ピックアップケースと、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に出力及び伝送するTS出力モジュールと、を含むことができる。
【0026】
この場合、前記TSピックアップケース111は、図6a〜図6cに示すように、音響チューニング担当者Kの聴覚器官Eの内部またはその付近に固設されるヘッドセット型構造、耳挿入型構造、イヤリング型構造などで形成されることができる。
【0027】
なお、図5に示すように、本発明の音電変換素子120は、例えば、音響流入口121aが形成された円筒状の容器121と、前記容器121の内部に密封収容され、かつTSピックアップケース111及び音響流入口121aを介して入力されるTSにより振動する複数の機構物(component)と、容器121の内部空間に密封収容され、かつ機構物の振動による静電容量の変化を電気的に処理するPCB122とが組み合わせられた構成を有する。この場合、PCB122の内側には、電気的な信号処理のための電子回路122a,122b、例えば、トランジスタ、コンデンサなどをさらに配置することができる。
【0028】
この際、前記機構物は、例えば、容器121の内部に順次搭載される振動板アセンブリ125、スペーサリング126、絶縁ベース129、誘電体板127、導電ベースリング128などが組み合わせられた構成を有することができる。
【0029】
この場合、振動板アセンブリ125は、極輪(Polar ring)123及び振動板124が組み合わせられた構成を有し、誘電体板127は状況に応じて、例えば、金属材質またはSi材質である。
【0030】
ここで、前記容器121は、例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)からなり、極輪123は、例えば、ニッケル(Ni)がプレイティング(Plating)された銅板からなり、スペーサリング126は、例えば、厚さ35〜46μm程度のポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルムからなり、振動板124は金メッキまたはニッケルメッキの厚さ2.5〜3.5μm程度のPETフィルムからなる。
【0031】
ここで、前記導電ベースリング128は、誘電体板127及びPCB122を電気的に連結して、振動板アセンブリ125の振動板124及び誘電体板127の間の間隙変化に応じて電流信号の変異が発生すれば、前記電流信号の変異をPCB122のトランジスタ側に伝達する。絶縁ベースリング129は、導電ベースリング128及び誘電体板127の縁をカバーし、前記導電ベースリング128及び誘電体板127と容器121の内壁との電気的接触を遮断する。勿論、かかる構成を有する音電変換素子120は、本発明が採択できる多様な音電変換素子120の一例であり、本発明では状況によって多種の音電変換素子をTSピックアップケース111内に設けて活用することができる。
【0032】
上記のような構造の音電変換素子120の配置下で、音響機器12側の音響出力ターミナル11からTSが出力され、前記TSがTSピックアップケース111及び容器121の音響流入口121aを介して流入されると、振動板124は前記TSによって一定の速度で振動するメカニズムを持つことになる。
【0033】
勿論、前記振動板124に振動が発生すると、前記振動によって振動板124及び誘電体板127の間に形成された間隙が一定の速度で変化し、前記間隙の変化によって振動板124及び誘電体板127の間の静電場もTSに応じて変化する。つまり、通常の静電気誘導法則によって、誘電体板127の電位もTSに応じて迅速に可変することができる。
【0034】
この状態で、誘電体板127の電位可変値が導電ベースリング128を介してPCB122に配置されたトランジスタのゲート電極に伝達されると、前記トランジスタは前記電位可変値による電流値を増幅させる。この後、それをTS出力モジュール130に出力する動作を適切に行うことができ、TSピックアップユニット110によってピックアップされたTSは電気的な信号に変換されて、音響機器12側にフィードバック可能な基盤環境を安定的に組成することができる(図5参照)。
【0035】
一方、上述したように、本発明によるTSピックアップケース111内には、前記音電変換素子120に加えて、TS出力モジュール130がさらに配置される。この場合、本発明のTS出力モジュール130は、図7に示すように、例えば、ピックアップTS受付部131、ピックアップTS出力部132、有線接続コネクター133などが緊密に組み合わせられた一連の有線通信型構成を有する。
【0036】
この場合、ピックアップTS受付部131は、音電変換素子120と電気的な連結関係を有しながら、音電変換素子120によって電気的な信号に変換されたピックアップTSを受け付ける役割を行う。有線接続コネクタ133は、後述する電子機器201と例えばUSBケーブルなどの有線ラインを通じて電気的に信号連結される構造を有しながら、TS出力モジュール130と電子機器201の間の有線通信連結をインターフェースする。
【0037】
かかる状況において、ピックアップTS出力部132は、ピックアップTS受付部131によって受け付けられたピックアップTSを受け取った後、一連のデータ加工/変換ルーティンを行うことにより、受け取ったピックアップTSのパケット構造を有線通信可能な構造に加工/変換する。その後、ピックアップTS出力部132は、変換されたピックアップTSを有線接続コネクタ133を介して電子機器201側に出力/伝送し、TSピックアップユニット110によってピックアップされたTSは、電子機器201側への伝送工程を正常的に行うことにより、音響機器12にフィードバックできる基盤環境が安定的に組成される(図5参照)。
【0038】
なお、図8に示すように、TSピックアップユニット110所属のTS出力モジュール130は、状況に応じて、ピックアップTS受付部134、基底帯域モデム135、AD変換器136、低域通過フィルタ137、周波数アップコンバージョンミキサー138、低雑音増幅器140、周波数ダウンコンバージョンミキサー141、無線アンテナ139などが組み合わせられた一連の無線通信型構成を有することもできる。
【0039】
この場合、無線アンテナ139は、近距離無線通信網に接続される構造を選択的に形成しながら、TS出力モジュール130の各構成要素から出力されるデータ(例えば、ピックアップTSデータ)を近距離無線通信網に接続中の電子機器201側にアップストリームすることができる。また、無線アンテナ139は、近距離無線通信網に接続中の電子機器201からダウンストリームされるデータ(例えば、無線通信の連結/維持のためのチェックデータなど)を受信後、受信されたデータをTS出力モジュール130の各構成要素側にダウンストリームすることもできる。
【0040】
前記無線アンテナ139としては、例えば、「2.4GHzの周波数帯域に合わせて設計された基板パータン型アンテナ」、「2.4GHzの周波数帯域に合わせて設計されたセラミックスバー型アンテナ」などを選択することができる。
【0041】
かかる状況において、ピックアップTS受付部134は、音電変換素子120と電気的な連結関係を有しながら、音電変換素子120によって電気的な信号に変換されたピックアップTSを受け付けることができる。基底帯域モデム135は、ピックアップTS受付部124によって受け付けられたピックアップTSを電子機器201側の物理階層の規格に合うデジタル信号に変調することができる。
【0042】
また、AD変換器136は、基底帯域モデム135から出力されるデジタル変調信号をアナログ変調信号に変換するか、無線アンテナ139を通した電子機器201側のRF変調信号(例えば、無線通信の連結/維持のためのチェックデータなど)をデジタル変調信号に変換して、基底帯域モデム135側に出力することができる。低域通過フィルタ137は、AD変換器136によって変換されたアナログ変調信号のDCオフセットを除去して前記変調信号を無線通信の伝送標準に相応する帯域幅に低域フィルタリングすることができる。
【0043】
また、周波数アップコンバージョンミキサー138は、低域通過フィルタ137を通過したアナログ変調信号の同相(In-phase)成分及び直交成分を無線通信の伝送標準に相応するRF帯域に各々アップコンバートしてRF変調信号を生成し、生成されたRF変調信号(例えば、ピックアップTSデータ)を無線アンテナ139を介して電子機器201側に出力することができる。
【0044】
さらに、低雑音増幅器140は、無線アンテナ139を通した電子機器201側のRF変調信号(例えば、無線通信の連結/維持のためのチェックデータなど)を低雑音増幅することができ、周波数ダウンコンバージョンミキサー141は、低雑音増幅器140によって低雑音増幅されたRF変調信号の同相成分及び直交成分の各々を基底帯域変調信号に変換して、変換された信号をAD変換器136側に出力することができる。
【0045】
勿論、このような各々の無線通信型電算モジュールが機能している状況でも、音電変換素子120によって電気的な信号に変換されたピックアップTSは、無線アンテナ139を介する電子機器201側への伝送工程が正常的に行われることによって、音響機器12側にフィードバックされ得る一連の基盤環境を安定して組成することができる(図5参照)。
【0046】
なお、上述したように、音響チューニング担当者は、音響機器12及びマルチメディアシステムが備えられた施設S内において、スピーカなどの音響出力ターミナル11及びイコライザー13を活用した一連の音響チューニング工程を適正な音響が得られるまで繰り返して行い、かかる状況において、TSピックアップユニット110によってピックアップされたピックアップTSは、音響機器12側にフィードバックされる(図3参照)。
【0047】
かかるピックアップTSのフィードバック工程において、従来は「音響機器の一部に大型測定機器を連結及び設置後、前記測定機器を介して、ピックアップTSのフィードバックを受ける工程」、「フィードバックされたTSの測定機器による測定後、そのボリュームレベルを手動で調整し、ボリュームレベルの調整されたTSを音響出力ターミナルを通じて再出力する工程」などを行ったため、音響関連メーカーが、それによる各種問題、例えば、測定機器の追加設置による問題、測定機器の追加手動操作による問題などをさらに負うしかなかった。
【0048】
かかる状況において、本発明では、図3に示したように、TSピックアップユニット10及び音響機器12の間の「ピックアップTSフィードバック経路」上にピックアップTS中間補正ユニット150をさらに配置することができる。ピックアップTS中間補正ユニット150は、TSピックアップユニット110から出力/伝送されるピックアップTSを受け取った後、受け取ったピックアップTSのボリュームレベルを基準聴音ラインJを基準として高くするか低くし、前記ピックアップTSのボリュームレベルを自動に中間補正した後、補正されたTSを音響機器12のイコライザー13側にフィードバックすることができる(図10及び図11参照)。この場合、ピックアップTS中間補正ユニット150は、TSピックアップユニット110及び音響機器12と有/無線通信を行う電子機器201内に設けられることができる。
【0049】
この際、ピックアップTS中間補正ユニット150が設けられる電子機器201としては、例えば、ノートパソコンなどのようなコンピューティング機器、携帯電話(Cellular phone)、PCSフォン(Personal Communications Services phone)、同期式/非同期式IMT−2000(International Mobile Telecommunication-2000)、パームパソコン(Palm Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン(Smart phone)、WAPフォン(WAP phone: Wireless application protocol phone)、ゲーム機(Play-station)などのようなモバイル機器(Mobile device)を、音響チューニング担当者Kが置かれた状況に応じて多様に選択することができる。
【0050】
勿論、このようにTSピックアップユニット110によってピックアップされたTSのボリュームレベルが、ピックアップTS中間補正ユニット150によって、「基準聴音ラインJを基準として自動補正される工程」を中間時点で行う場合、音響チューニング担当者Kは、全体的な音響チューニング工程内において、従来のような「測定機器を活用した一連の手動過程(例えば、フィードバックされたTSを自己測定する工程、フィードバックされたTSのボリュームレベルを自己調節する工程など)」を安定して排除することができる。つまり、音響チューニング関連メーカー(音響チューニング担当者を含む)は、測定機器の追加設置による各種問題、及び測定機器の追加手動操作による各種問題などを容易に解決することができる。
【0051】
この際、図5に示したように、本発明によるTS中間補正ユニット150は、ピックアップTS中間補正制御モジュール151と、前記ピックアップTS中間補正制御モジュール151の制御下に置かれたガイドウィンドウオペレーティングモジュール155、ピックアップTS受取モジュール153、オペレーティング情報記憶モジュール156、ピックアップTS中間補正モジュール157及び補正TSフィードバックモジュール158などを含むことができる。
【0052】
この場合、ピックアップTS中間補正制御モジュール151は、インターフェースモジュール152を介して電子機器201内に配設されたオペレーティングシステム202及び表示駆動モジュール204、通信モジュール203などと一連の信号連結関係を形成しながら、全体的なTS中間補正工程を総括制御することができる。
【0053】
この際、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるガイドウィンドウオペレーティングモジュール155は、音響チューニング担当者Kが電子機器201を電算操作してTS中間補正ユニット150を活性化させる場合、オペレーティングシステム202及び表示駆動モジュール204などと交信をしながらオペレーティング情報記憶モジュール156側に接近し、そこに記憶されている各種のオペレーティング情報、例えば、ガイドウィンドウを生成するための各種のテキスト/イメージ/映像/リンク/プログラム情報、スキン情報、設定情報などをフレキシブルに取出した後、取出した各オペレーティング情報に基づいて、図9に示したようなガイドウィンドウ301を生成し、生成されたガイドウィンドウ301を電子機器201に備えられた表示窓205を通じて選択的に出力及び掲示することができる。
【0054】
勿論、このようなガイドウィンドウ301には、例えば、「ピックアップTSの現状を確認できるメニュー」、「ピックアップTSの補正状態を確認できるメニュー」、「ピックアップTS中間補正モジュールの機能をコントロールできるメニュー」、「ピックアップTSの補正結果を確認できるメニュー」などが備えられているため、音響チューニング担当者Kがガイドウィンドウ301に掲示されているメニューを選択的に操作(入力)/確認する極めて簡単な電算作業のみで、例えば、「ピックアップTSの現状を確認する工程」、「ピックアップTSの補正状態を確認する工程」、「ピックアップTS中間補正モジュールの機能をコントロールする工程」、「ピックアップTSの補正結果を確認する工程」などを自己の意思で行うことができる。
【0055】
この際、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるオペレーティング情報記憶モジュール156は、TS中間補正ユニット150のオペレーションのための各種オペレーティング情報、例えば、ガイドウィンドウ301を生成するための各種テキスト/イメージ/映像/リンク/プログラム情報、スキン情報、設定情報、オペレーティングシステム202の登録情報、通信モジュール203の登録情報、表示駆動モジュール204の登録情報、ユニット150内部の資源現況情報、ピックアップTSのボリュームレベルを調整するためのプログラムコンポーネント情報及び基準聴音ライン情報などを安定的に記憶管理することができる。
【0056】
この場合、本発明では、所定のピンクノイズ(Pink noise)を発生させた後、前記ピンクノイズのフラット(flat)状態(即ち、測定された全ての周波数が特定値の基準ボリューム値を維持する状態)を、ピックアップTSを補正するための基準聴音ライン(ここで、基準聴音ラインは聴力レベルの相対値を示す)として選択する。
【0057】
このような基盤が備えられた状態で、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるピックアップTS受取モジュール153は、インターフェースモジュール152、通信モジュール203などを介してTSピックアップユニット110所属のTS出力モジュール130と交信をしながら、前記TS出力モジュール130から出力及び伝送されるピックアップTSを受取り、受け取ったピックアップTSをプロセシングバッファ154内に安定的に記憶管理することができる。
【0058】
このようにして、TSピックアップユニット110によってピックアップされたピックアップTSがプロセシングバッファ154内に記憶完了される状況において、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるピックアップTS中間補正モジュール157は、プロセシングバッファ154、オペレーティング情報記憶モジュール156などと一連の交信をしながら、図10に示したように、ピックアップTS受取モジュール153によって受け取られたピックアップTS、及び「特定の基準ボリューム値を均一に維持する基準聴音ラインJ」を取り出す工程を行うことができる。
【0059】
これにより、ピックアップTS及び基準聴音ラインJの取出が終了すると、ピックアップTS中間補正モジュール157は、オペレーティング情報記憶モジュール156に記憶されていたプログラムコンポーネント情報を参照しながら、図10に示すように、一連のデータ補正ルーチンを行い、ピックアップTSをなす各周波数別のボリュームレベルの増減曲線T1のボリュームレベルを基準聴音ラインJを基準として高くするか低くすることができる。
【0060】
このような補正において、ピックアップTSをなす各周波数別のボリュームレベル増減曲線T1のボリュームレベルは、各領域a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7(勿論、それ以外の領域も全て含む)などにおいて、基準聴音ラインJを基準として、基準聴音ラインJのボリュームレベルより低いボリュームレベルは、基準聴音ラインJのボリュームレベルより高いボリュームレベルに補正され、基準聴音ラインJのボリュームレベルより高いボリュームレベルは、基準聴音ラインJのボリュームレベルよりも低いボリュームレベルに補正されて、ピックアップTSは「ボリュームレベルが基準聴音ラインJに合うように自動的に中間補正されたボリュームレベル増減曲線T2」を有する補正TSに変換される。
【0061】
このようにして、ピックアップTSに相応する補正TSが生成されると、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御される補正TSフィードバックモジュール158では、インターフェースモジュール152、通信モジュール203などを介して、図11に示したように、音響機器12と有/無線交信を行い、生成された補正TS、即ち、「ボリュームレベルが基準聴音ラインJに合うように自動的に中間補正されたボリュームレベル増減曲線T2」を有する補正TSを音響機器12のイコライザー13側にフィードバックすることができる。
【0062】
その後、図3に示すように、音響チューニング担当者Kは、本発明のTSフィードバック装置100を活用した一連の音響チューニング工程を適正な音響が得られるまで繰り返して行うことにより、音響機器12およびマルチメディアシステムを使用する場合、聴取者Mが音響機器12の音響出力ターミナル11から出力される音響データをより容易に聞き取ることができるようにガイドすることができる(図4参照)。
【0063】
以上のような本発明は、音響チューニングが必要な多様なマルチメディアシステム及び電子機器(非電子機器も含む)において全般的に有効な効果を発揮する。
【0064】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、チューニング音響フィードバック装置に関し、より詳しくは、従来のチューニングマイクとは異なり、音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器側の音響出力ターミナルから出力されるチューニング音響(TS)をピックアップし、それをフィードバックできる複数の音響ピックアップモージュルを体系的に連設し、これにより、TSのピックアップの位置と、聴取者の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップの位置)とが正確に一致するようにすることにより、前記TSをソースとして活用した音響チューニング工程の信頼性を極大化し、その結果、音響機器側のイコライザーが適正水準の音響出力能力を保持できるようにガイドするTSフィードバック装置である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューニング音響フィードバック装置に関し、より詳しくは、従来のチューニングマイク(tuning microphone)とは異なり、音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器側の音響出力ターミナルから出力されるチューニング音響(Tuning Sound、以下‘TS’という)をピックアップし、それをフィードバックできる複数の音響ピックアップモージュルを体系的に連設し、これにより、TSのピックアップの位置と、聴取者(listener)の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップの位置)とが正確に一致するようにすることにより、前記TSをソースとして活用した音響チューニング工程の信頼性を極大化し、その結果、音響機器側のイコライザー(equalizer)が適正水準の音響出力能力を保持できるようにガイドするTSフィードバック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、スピーカなどの音響出力ターミナルを備えた各種の音響機器の発展に伴い、前記音響機器を活用した多種のマルチメディアシステム、例えば、講義室用/放送用/施設用の拡声システム(Loud speaking system)、家庭用/施設用の立体音響システム、家庭用/施設用/車両用のオーディオシステムなどの普及も急速に拡大している。
【0003】
このように、音響機器を活用したマルチメディアシステムの普及により、「どうすれば、聴取者への音響機器の音響出力ターミナル(例えば、スピーカ)からの音響データのより適切な伝達ができるか」が非常に重要なイシューとなり、このイシューを解決するために各関連メーカーでは多様な努力をしている。
【0004】
従来、その努力の一つとして、各関連メーカーでは、図1に示すように、音響機器2及びマルチメディアシステムが備えられた施設S(例えば、講義室、放送局、家庭、映画館、商業用施設、車両など)内にチューニングマイク5を設置後、前記チューニングマイク5を活用した一連の音響チューニング工程を、適正な音響が得られるまで繰り返して行った。一連の音響チューニング工程は、「スピーカなどの音響出力ターミナル1を介してTSを出力する工程」、「チューニングマイク5によってTSをピックアップする工程」、「関連メーカー所属の音響チューニング担当者が音響機器2の一部に大型測定機器4を連設後、前記測定機器4を介して、チューニングマイク5によってピックアップされたTSをフィードバックされる工程」、「音響チューニング担当者が測定機器4を介してフィードバックされたTSを測定後、そのボリュームレベルを手動で調整し、ボリュームレベルの調整されたTSを音響機器2のイコライザー3側に伝達する工程」、「イコライザー3がボリュームレベルの調整されたTSを音響出力ターミナル1を介して再出力する工程」などである。その後、図2に示すように、音響機器2及びマルチメディアシステムを実際に使用する場合、聴取者Mが音響機器2の音響出力ターミナル1から出力される音響データをより適切に聞き取るようにした。
【0005】
この場合、前記チューニングマイク5は、聴取者M(図2参照)の実際の聴覚器官Eのように作用して、一連の音響チューニングの工程中、「TSをピックアップし、それを測定機器4にフィードバックさせる役割」を続けて専担する。
【0006】
この従来技術では、上述したように、関連メーカー所属の音響チューニング担当者は、測定機器4を介して、チューニングマイク5によってピックアップされたTSのフィードバックを受けた後、フィードバックされたTSのボリュームレベルを手動で調整して再出力する工程を繰り返して行うことにより、一連の音響チューニング工程を完成する。
【0007】
この場合、チューニングマイク5によってピックアップされたTSは、音響チューニング担当者による一連のボリュームレベル調整のメカニズム中に基本的なソースとして活用されるので、「チューニングマイク5がTSをどのようにピックアップし、フィードバックさせるか」は、音響チューニング担当者による全体的な音響チューニングの品質において非常に重要な要素となる。
【0008】
しかし、従来のチューニングマイク5は、通常、各音響チューニング担当者の恣意的な判断に基づいて施設S内の所定の場所に任意に設けられるので、その設置位置と、図2に示すような聴取者Mの実際の聴覚器官Eの位置(即ち、聴取者Mの実際の音響ピックアップ位置)には、相当な差がある。つまり、「音響機器2及びマルチメディアシステムを実際に使用する場合、チューニングマイク5によってピックアップされたTSと聴取者Mが実際に聴取する音響」とは大きな差を示すことになる。
【0009】
また、この場合、関連メーカー所属の音響チューニング担当者が、チューニングマイク5によってピックアップされたTSをソースとして活用して、一連の音響チューニング工程(即ち、測定機器4を介して、チューニングマイク5によってピックアップされたTSのフィードバックを受けた後、フィードバックされたTSのボリュームレベルを手動で調整して再出力する工程)を正常に行っても、音響機器2側のイコライザー3は適正水準の音響出力能力を得ることができない。つまり、音響機器2及びマルチメディアシステムを実際に使用する場合、イコライザー3による音響ボリューム調整が行われても、音響出力ターミナル1から最終的に出力される音響データは、聴取者Mの実際の聴音状況とかけ離れた低級の音響品質(音感/明瞭さ/音質)を示す。
【0010】
即ち、結局、音響データの最終消費者である聴取者Mは、上記のような音響データの品質(音感/明瞭さ/音質)の低下による各種被害を受けるしかない。
【0011】
さらに、従来技術において、チューニングマイク5によってピックアップされたTSのボリュームレベルを調整して正常に再出力するためには、大型測定機器4による一連の測定工程及びボリュームレベルの調整工程が追加して行われるため、関連メーカーは、それによる各種問題、例えば、測定機器4の追加設置による問題、測定機器4の追加手動操作による問題まで考えなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記事情に鑑み、本願発明は、従来のチューニングマイクとは異なり、音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器側の音響出力ターミナルから出力されるTSをピックアップし、それをフィードバックできる複数の音響ピックアップモージュルを体系的に連設する。これにより、TSのピックアップ位置と、聴取者の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップの位置)とが正確に一致するようにすることにより、前記TSをソースとして活用した音響チューニング工程の信頼性を極大化し、その結果、音響機器側のイコライザーが適正水準の音響出力能力を保持できるようにする。
【0013】
本願発明では、複数の音響ピックアップモジュールによってピックアップされたTSのボリュームレベルを基準聴音ラインに基づいて自動補正した後、補正されたTSを音響機器のイコライザー側にフィードバックできる音響処理モジュールをさらに連設する。これにより、測定機器を活用した手動工程(例えば、フィードバックされたTSを測定する工程、フィードバックされたTSのボリュームレベルを調整する工程など)をさらに行う必要がなく、音響チューニング関連メーカー(音響チューニング担当者を含む)が、測定機器の追加設置による各種問題、測定機器の追加手動操作による各種問題などを容易に解決できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本願発明では、イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響(TS)ピックアップケースと、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、前記TSピックアップケース内に設けられ、音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に伝送するTS出力モジュールの組み合わせからなるTSフィードバック装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、TSのピックアップ位置と、聴取者の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップ位置)とを正確に一致させ、前記TSをソースとして活用した音響チューニングの工程の信頼性を極大化して、音響機器側のイコライザーが適正水準の音響出力能力を有することができる。
【0016】
また、本願発明によれば、測定機器を活用した手動工程(例えば、フィードバックされたTSを測定する工程、フィードバックされたTSのボリュームレベルを調整する工程など)を追加する必要がなくなり、音響チューニング関連メーカー(音響チューニング担当者を含む)が、測定機器の追加設置による各種問題、測定機器の追加手動操作による各種問題などを容易に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術に係る音響チューニング工程を概念的に示した例示図である。
【図2】従来技術に係る音響チューニング工程の完了後、音響機器及びマルチメディアシステムの実際の使用状況を概念的に示した例示図である。
【図3】本願発明に係るTSフィードバック装置を活用した音響チューニング工程を概念的に示した例示図である。
【図4】本願発明に係るTSフィードバック装置を活用した音響チューニング工程の完了後、音響機器及びマルチメディアシステムの実際の使用状況を概念的に示した例示図である。
【図5】本願発明に係るTSフィードバック装置の細部構成を概念的に示した例示図である。
【図6】本願発明に係るTSピックアップケースの活用形態を概念的に示した例示図である。
【図7】本願発明に係るTS出力モジュールの細部構成を概念的に示した例示図である。
【図8】本願発明に係るTS出力モジュールの細部構成を概念的に示した例示図である。
【図9】本願発明に係るガイドウィンドウの掲示形態を概念的に示した例示図である。
【図10】本願発明に係るピックアップTS中間補正ユニットの動作遂行工程を概念的に示した例示図である。
【図11】本願発明に係るピックアップTS中間補正ユニットの動作遂行工程を概念的に示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を用い、本願発明に係るTSフィードバック装置を詳述する。
図3に示すように、各音響関連メーカーは、音響機器12及びマルチメディアシステムが備えられた施設S(例えば、講義室、放送局、家庭、映画館、商業用施設、車両など)内において、スピーカなどの音響出力ターミナル11及びイコライザー13を活用した一連の音響チューニング工程を適正な音響が得られるまで繰り返して行うことにより、図4に示すように、音響機器12及びマルチメディアシステムが実際に使用される場合に、聴取者Mが音響機器12の音響出力ターミナル11から出力される音響データをより容易に聞き取るようにした。
【0019】
この際、音響出力ターミナル11から出力されたTSは、音響チューニング担当者Kにより行われる一連の音響チューニングメカニズム中に基本的なソースとして活用されるので、「TSをどのようにピックアップし、フィードバックさせるか」という問題は、全体的な音響チューニングの品質において非常に重要な要素である。
【0020】
かかる状況において、図3に示すように、本発明では従来のチューニングマイクとは異なり、音響チューニング担当者Kの聴覚器官Eの内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器12側の音響出力ターミナル11から出力されるTSをピックアップし、それを出力可能なTSピックアップユニット110を含む新型のTSフィードバック装置100を提供することができる。
【0021】
この場合、TSピックアップユニット110は、音響チューニング担当者K(図3参照)の実際の聴覚器官Eのように作用して、一連の音響チューニングの工程中、「TSをピックアップする役割」を続けて専担する。
【0022】
TSピックアップユニット110が音響チューニング担当者Kの聴覚器官Eの内部またはその付近に設けられた場合、TSのピックアップ位置は、図4に示すように、「聴取者Mの実際の聴覚器官Eの位置(即ち、聴取者Mの実際の音響ピックアップの位置)」と正確に一致することができる。したがって、ピックアップされたTSは、「音響機器12及びマルチメディアシステムが実際に使用される場合、聴取者Mが実際に聞き取る音響」と精巧にマッチすることができる。
【0023】
この場合、音響関連メーカー所属の音響チューニング担当者Kが、TSピックアップユニット110によってピックアップされたTSをソースとして活用しながら、一連の音響チューニング工程を体系的に管理監督する場合、音響機器12側のイコライザー13は適正水準の音響出力能力を保持することができる。その結果、音響機器12及びマルチメディアシステムにおいて、イコライザー13による音響ボリュームの調整過程が行われる場合、音響出力ターミナル1から最終的に出力される音響データは、聴取者Mの実際の聴音状況に適合な最適の音響品質(最適の音感/明瞭さ/音質)を示すことができる。
【0024】
また、音響データを最終的に消費する聴取者M側では、前記音響データの品質(音感/明瞭さ/音質)の低下による各種被害を避けることができる。
【0025】
この際、図5に示すように、前記TSピックアップユニット110は、イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響ピックアップケースと、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に出力及び伝送するTS出力モジュールと、を含むことができる。
【0026】
この場合、前記TSピックアップケース111は、図6a〜図6cに示すように、音響チューニング担当者Kの聴覚器官Eの内部またはその付近に固設されるヘッドセット型構造、耳挿入型構造、イヤリング型構造などで形成されることができる。
【0027】
なお、図5に示すように、本発明の音電変換素子120は、例えば、音響流入口121aが形成された円筒状の容器121と、前記容器121の内部に密封収容され、かつTSピックアップケース111及び音響流入口121aを介して入力されるTSにより振動する複数の機構物(component)と、容器121の内部空間に密封収容され、かつ機構物の振動による静電容量の変化を電気的に処理するPCB122とが組み合わせられた構成を有する。この場合、PCB122の内側には、電気的な信号処理のための電子回路122a,122b、例えば、トランジスタ、コンデンサなどをさらに配置することができる。
【0028】
この際、前記機構物は、例えば、容器121の内部に順次搭載される振動板アセンブリ125、スペーサリング126、絶縁ベース129、誘電体板127、導電ベースリング128などが組み合わせられた構成を有することができる。
【0029】
この場合、振動板アセンブリ125は、極輪(Polar ring)123及び振動板124が組み合わせられた構成を有し、誘電体板127は状況に応じて、例えば、金属材質またはSi材質である。
【0030】
ここで、前記容器121は、例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)からなり、極輪123は、例えば、ニッケル(Ni)がプレイティング(Plating)された銅板からなり、スペーサリング126は、例えば、厚さ35〜46μm程度のポリエチレンテレフタレート(以下、PETという)フィルムからなり、振動板124は金メッキまたはニッケルメッキの厚さ2.5〜3.5μm程度のPETフィルムからなる。
【0031】
ここで、前記導電ベースリング128は、誘電体板127及びPCB122を電気的に連結して、振動板アセンブリ125の振動板124及び誘電体板127の間の間隙変化に応じて電流信号の変異が発生すれば、前記電流信号の変異をPCB122のトランジスタ側に伝達する。絶縁ベースリング129は、導電ベースリング128及び誘電体板127の縁をカバーし、前記導電ベースリング128及び誘電体板127と容器121の内壁との電気的接触を遮断する。勿論、かかる構成を有する音電変換素子120は、本発明が採択できる多様な音電変換素子120の一例であり、本発明では状況によって多種の音電変換素子をTSピックアップケース111内に設けて活用することができる。
【0032】
上記のような構造の音電変換素子120の配置下で、音響機器12側の音響出力ターミナル11からTSが出力され、前記TSがTSピックアップケース111及び容器121の音響流入口121aを介して流入されると、振動板124は前記TSによって一定の速度で振動するメカニズムを持つことになる。
【0033】
勿論、前記振動板124に振動が発生すると、前記振動によって振動板124及び誘電体板127の間に形成された間隙が一定の速度で変化し、前記間隙の変化によって振動板124及び誘電体板127の間の静電場もTSに応じて変化する。つまり、通常の静電気誘導法則によって、誘電体板127の電位もTSに応じて迅速に可変することができる。
【0034】
この状態で、誘電体板127の電位可変値が導電ベースリング128を介してPCB122に配置されたトランジスタのゲート電極に伝達されると、前記トランジスタは前記電位可変値による電流値を増幅させる。この後、それをTS出力モジュール130に出力する動作を適切に行うことができ、TSピックアップユニット110によってピックアップされたTSは電気的な信号に変換されて、音響機器12側にフィードバック可能な基盤環境を安定的に組成することができる(図5参照)。
【0035】
一方、上述したように、本発明によるTSピックアップケース111内には、前記音電変換素子120に加えて、TS出力モジュール130がさらに配置される。この場合、本発明のTS出力モジュール130は、図7に示すように、例えば、ピックアップTS受付部131、ピックアップTS出力部132、有線接続コネクター133などが緊密に組み合わせられた一連の有線通信型構成を有する。
【0036】
この場合、ピックアップTS受付部131は、音電変換素子120と電気的な連結関係を有しながら、音電変換素子120によって電気的な信号に変換されたピックアップTSを受け付ける役割を行う。有線接続コネクタ133は、後述する電子機器201と例えばUSBケーブルなどの有線ラインを通じて電気的に信号連結される構造を有しながら、TS出力モジュール130と電子機器201の間の有線通信連結をインターフェースする。
【0037】
かかる状況において、ピックアップTS出力部132は、ピックアップTS受付部131によって受け付けられたピックアップTSを受け取った後、一連のデータ加工/変換ルーティンを行うことにより、受け取ったピックアップTSのパケット構造を有線通信可能な構造に加工/変換する。その後、ピックアップTS出力部132は、変換されたピックアップTSを有線接続コネクタ133を介して電子機器201側に出力/伝送し、TSピックアップユニット110によってピックアップされたTSは、電子機器201側への伝送工程を正常的に行うことにより、音響機器12にフィードバックできる基盤環境が安定的に組成される(図5参照)。
【0038】
なお、図8に示すように、TSピックアップユニット110所属のTS出力モジュール130は、状況に応じて、ピックアップTS受付部134、基底帯域モデム135、AD変換器136、低域通過フィルタ137、周波数アップコンバージョンミキサー138、低雑音増幅器140、周波数ダウンコンバージョンミキサー141、無線アンテナ139などが組み合わせられた一連の無線通信型構成を有することもできる。
【0039】
この場合、無線アンテナ139は、近距離無線通信網に接続される構造を選択的に形成しながら、TS出力モジュール130の各構成要素から出力されるデータ(例えば、ピックアップTSデータ)を近距離無線通信網に接続中の電子機器201側にアップストリームすることができる。また、無線アンテナ139は、近距離無線通信網に接続中の電子機器201からダウンストリームされるデータ(例えば、無線通信の連結/維持のためのチェックデータなど)を受信後、受信されたデータをTS出力モジュール130の各構成要素側にダウンストリームすることもできる。
【0040】
前記無線アンテナ139としては、例えば、「2.4GHzの周波数帯域に合わせて設計された基板パータン型アンテナ」、「2.4GHzの周波数帯域に合わせて設計されたセラミックスバー型アンテナ」などを選択することができる。
【0041】
かかる状況において、ピックアップTS受付部134は、音電変換素子120と電気的な連結関係を有しながら、音電変換素子120によって電気的な信号に変換されたピックアップTSを受け付けることができる。基底帯域モデム135は、ピックアップTS受付部124によって受け付けられたピックアップTSを電子機器201側の物理階層の規格に合うデジタル信号に変調することができる。
【0042】
また、AD変換器136は、基底帯域モデム135から出力されるデジタル変調信号をアナログ変調信号に変換するか、無線アンテナ139を通した電子機器201側のRF変調信号(例えば、無線通信の連結/維持のためのチェックデータなど)をデジタル変調信号に変換して、基底帯域モデム135側に出力することができる。低域通過フィルタ137は、AD変換器136によって変換されたアナログ変調信号のDCオフセットを除去して前記変調信号を無線通信の伝送標準に相応する帯域幅に低域フィルタリングすることができる。
【0043】
また、周波数アップコンバージョンミキサー138は、低域通過フィルタ137を通過したアナログ変調信号の同相(In-phase)成分及び直交成分を無線通信の伝送標準に相応するRF帯域に各々アップコンバートしてRF変調信号を生成し、生成されたRF変調信号(例えば、ピックアップTSデータ)を無線アンテナ139を介して電子機器201側に出力することができる。
【0044】
さらに、低雑音増幅器140は、無線アンテナ139を通した電子機器201側のRF変調信号(例えば、無線通信の連結/維持のためのチェックデータなど)を低雑音増幅することができ、周波数ダウンコンバージョンミキサー141は、低雑音増幅器140によって低雑音増幅されたRF変調信号の同相成分及び直交成分の各々を基底帯域変調信号に変換して、変換された信号をAD変換器136側に出力することができる。
【0045】
勿論、このような各々の無線通信型電算モジュールが機能している状況でも、音電変換素子120によって電気的な信号に変換されたピックアップTSは、無線アンテナ139を介する電子機器201側への伝送工程が正常的に行われることによって、音響機器12側にフィードバックされ得る一連の基盤環境を安定して組成することができる(図5参照)。
【0046】
なお、上述したように、音響チューニング担当者は、音響機器12及びマルチメディアシステムが備えられた施設S内において、スピーカなどの音響出力ターミナル11及びイコライザー13を活用した一連の音響チューニング工程を適正な音響が得られるまで繰り返して行い、かかる状況において、TSピックアップユニット110によってピックアップされたピックアップTSは、音響機器12側にフィードバックされる(図3参照)。
【0047】
かかるピックアップTSのフィードバック工程において、従来は「音響機器の一部に大型測定機器を連結及び設置後、前記測定機器を介して、ピックアップTSのフィードバックを受ける工程」、「フィードバックされたTSの測定機器による測定後、そのボリュームレベルを手動で調整し、ボリュームレベルの調整されたTSを音響出力ターミナルを通じて再出力する工程」などを行ったため、音響関連メーカーが、それによる各種問題、例えば、測定機器の追加設置による問題、測定機器の追加手動操作による問題などをさらに負うしかなかった。
【0048】
かかる状況において、本発明では、図3に示したように、TSピックアップユニット10及び音響機器12の間の「ピックアップTSフィードバック経路」上にピックアップTS中間補正ユニット150をさらに配置することができる。ピックアップTS中間補正ユニット150は、TSピックアップユニット110から出力/伝送されるピックアップTSを受け取った後、受け取ったピックアップTSのボリュームレベルを基準聴音ラインJを基準として高くするか低くし、前記ピックアップTSのボリュームレベルを自動に中間補正した後、補正されたTSを音響機器12のイコライザー13側にフィードバックすることができる(図10及び図11参照)。この場合、ピックアップTS中間補正ユニット150は、TSピックアップユニット110及び音響機器12と有/無線通信を行う電子機器201内に設けられることができる。
【0049】
この際、ピックアップTS中間補正ユニット150が設けられる電子機器201としては、例えば、ノートパソコンなどのようなコンピューティング機器、携帯電話(Cellular phone)、PCSフォン(Personal Communications Services phone)、同期式/非同期式IMT−2000(International Mobile Telecommunication-2000)、パームパソコン(Palm Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン(Smart phone)、WAPフォン(WAP phone: Wireless application protocol phone)、ゲーム機(Play-station)などのようなモバイル機器(Mobile device)を、音響チューニング担当者Kが置かれた状況に応じて多様に選択することができる。
【0050】
勿論、このようにTSピックアップユニット110によってピックアップされたTSのボリュームレベルが、ピックアップTS中間補正ユニット150によって、「基準聴音ラインJを基準として自動補正される工程」を中間時点で行う場合、音響チューニング担当者Kは、全体的な音響チューニング工程内において、従来のような「測定機器を活用した一連の手動過程(例えば、フィードバックされたTSを自己測定する工程、フィードバックされたTSのボリュームレベルを自己調節する工程など)」を安定して排除することができる。つまり、音響チューニング関連メーカー(音響チューニング担当者を含む)は、測定機器の追加設置による各種問題、及び測定機器の追加手動操作による各種問題などを容易に解決することができる。
【0051】
この際、図5に示したように、本発明によるTS中間補正ユニット150は、ピックアップTS中間補正制御モジュール151と、前記ピックアップTS中間補正制御モジュール151の制御下に置かれたガイドウィンドウオペレーティングモジュール155、ピックアップTS受取モジュール153、オペレーティング情報記憶モジュール156、ピックアップTS中間補正モジュール157及び補正TSフィードバックモジュール158などを含むことができる。
【0052】
この場合、ピックアップTS中間補正制御モジュール151は、インターフェースモジュール152を介して電子機器201内に配設されたオペレーティングシステム202及び表示駆動モジュール204、通信モジュール203などと一連の信号連結関係を形成しながら、全体的なTS中間補正工程を総括制御することができる。
【0053】
この際、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるガイドウィンドウオペレーティングモジュール155は、音響チューニング担当者Kが電子機器201を電算操作してTS中間補正ユニット150を活性化させる場合、オペレーティングシステム202及び表示駆動モジュール204などと交信をしながらオペレーティング情報記憶モジュール156側に接近し、そこに記憶されている各種のオペレーティング情報、例えば、ガイドウィンドウを生成するための各種のテキスト/イメージ/映像/リンク/プログラム情報、スキン情報、設定情報などをフレキシブルに取出した後、取出した各オペレーティング情報に基づいて、図9に示したようなガイドウィンドウ301を生成し、生成されたガイドウィンドウ301を電子機器201に備えられた表示窓205を通じて選択的に出力及び掲示することができる。
【0054】
勿論、このようなガイドウィンドウ301には、例えば、「ピックアップTSの現状を確認できるメニュー」、「ピックアップTSの補正状態を確認できるメニュー」、「ピックアップTS中間補正モジュールの機能をコントロールできるメニュー」、「ピックアップTSの補正結果を確認できるメニュー」などが備えられているため、音響チューニング担当者Kがガイドウィンドウ301に掲示されているメニューを選択的に操作(入力)/確認する極めて簡単な電算作業のみで、例えば、「ピックアップTSの現状を確認する工程」、「ピックアップTSの補正状態を確認する工程」、「ピックアップTS中間補正モジュールの機能をコントロールする工程」、「ピックアップTSの補正結果を確認する工程」などを自己の意思で行うことができる。
【0055】
この際、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるオペレーティング情報記憶モジュール156は、TS中間補正ユニット150のオペレーションのための各種オペレーティング情報、例えば、ガイドウィンドウ301を生成するための各種テキスト/イメージ/映像/リンク/プログラム情報、スキン情報、設定情報、オペレーティングシステム202の登録情報、通信モジュール203の登録情報、表示駆動モジュール204の登録情報、ユニット150内部の資源現況情報、ピックアップTSのボリュームレベルを調整するためのプログラムコンポーネント情報及び基準聴音ライン情報などを安定的に記憶管理することができる。
【0056】
この場合、本発明では、所定のピンクノイズ(Pink noise)を発生させた後、前記ピンクノイズのフラット(flat)状態(即ち、測定された全ての周波数が特定値の基準ボリューム値を維持する状態)を、ピックアップTSを補正するための基準聴音ライン(ここで、基準聴音ラインは聴力レベルの相対値を示す)として選択する。
【0057】
このような基盤が備えられた状態で、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるピックアップTS受取モジュール153は、インターフェースモジュール152、通信モジュール203などを介してTSピックアップユニット110所属のTS出力モジュール130と交信をしながら、前記TS出力モジュール130から出力及び伝送されるピックアップTSを受取り、受け取ったピックアップTSをプロセシングバッファ154内に安定的に記憶管理することができる。
【0058】
このようにして、TSピックアップユニット110によってピックアップされたピックアップTSがプロセシングバッファ154内に記憶完了される状況において、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御されるピックアップTS中間補正モジュール157は、プロセシングバッファ154、オペレーティング情報記憶モジュール156などと一連の交信をしながら、図10に示したように、ピックアップTS受取モジュール153によって受け取られたピックアップTS、及び「特定の基準ボリューム値を均一に維持する基準聴音ラインJ」を取り出す工程を行うことができる。
【0059】
これにより、ピックアップTS及び基準聴音ラインJの取出が終了すると、ピックアップTS中間補正モジュール157は、オペレーティング情報記憶モジュール156に記憶されていたプログラムコンポーネント情報を参照しながら、図10に示すように、一連のデータ補正ルーチンを行い、ピックアップTSをなす各周波数別のボリュームレベルの増減曲線T1のボリュームレベルを基準聴音ラインJを基準として高くするか低くすることができる。
【0060】
このような補正において、ピックアップTSをなす各周波数別のボリュームレベル増減曲線T1のボリュームレベルは、各領域a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7(勿論、それ以外の領域も全て含む)などにおいて、基準聴音ラインJを基準として、基準聴音ラインJのボリュームレベルより低いボリュームレベルは、基準聴音ラインJのボリュームレベルより高いボリュームレベルに補正され、基準聴音ラインJのボリュームレベルより高いボリュームレベルは、基準聴音ラインJのボリュームレベルよりも低いボリュームレベルに補正されて、ピックアップTSは「ボリュームレベルが基準聴音ラインJに合うように自動的に中間補正されたボリュームレベル増減曲線T2」を有する補正TSに変換される。
【0061】
このようにして、ピックアップTSに相応する補正TSが生成されると、ピックアップTS中間補正制御モジュール151によって制御される補正TSフィードバックモジュール158では、インターフェースモジュール152、通信モジュール203などを介して、図11に示したように、音響機器12と有/無線交信を行い、生成された補正TS、即ち、「ボリュームレベルが基準聴音ラインJに合うように自動的に中間補正されたボリュームレベル増減曲線T2」を有する補正TSを音響機器12のイコライザー13側にフィードバックすることができる。
【0062】
その後、図3に示すように、音響チューニング担当者Kは、本発明のTSフィードバック装置100を活用した一連の音響チューニング工程を適正な音響が得られるまで繰り返して行うことにより、音響機器12およびマルチメディアシステムを使用する場合、聴取者Mが音響機器12の音響出力ターミナル11から出力される音響データをより容易に聞き取ることができるようにガイドすることができる(図4参照)。
【0063】
以上のような本発明は、音響チューニングが必要な多様なマルチメディアシステム及び電子機器(非電子機器も含む)において全般的に有効な効果を発揮する。
【0064】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、チューニング音響フィードバック装置に関し、より詳しくは、従来のチューニングマイクとは異なり、音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられた状態で、音響機器側の音響出力ターミナルから出力されるチューニング音響(TS)をピックアップし、それをフィードバックできる複数の音響ピックアップモージュルを体系的に連設し、これにより、TSのピックアップの位置と、聴取者の実際の聴覚器官の位置(即ち、聴取者の実際の音響ピックアップの位置)とが正確に一致するようにすることにより、前記TSをソースとして活用した音響チューニング工程の信頼性を極大化し、その結果、音響機器側のイコライザーが適正水準の音響出力能力を保持できるようにガイドするTSフィードバック装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響ピックアップケースと、
前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、
前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に伝送するTS出力モジュールと、を含むことを特徴とするTSフィードバック装置。
【請求項2】
前記TS出力モジュールに有/無線連結された電子機器内に設けられ、前記TS出力モジュールから伝送されたピックアップTSを受け取り、受け取ったピックアップTSのボリュームレベルを補正して、補正されたTSを前記音響機器のイコライザー側にフィードバックさせるピックアップTS中間補正ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のTSフィードバック装置。
【請求項3】
前記ピックアップTS中間補正ユニットは、
前記ピックアップTSの全体的な中間補正工程を総括制御するピックアップTS中間補正制御モジュールと、
前記TS出力モジュールと交信を行いつつ、前記TS出力モジュールから伝送されるピックアップTSを受け取るピックアップTS受け取りモジュールと、
前記ピックアップTS受け取りモジュールによって受け取ったピックアップTSのボリュームレベルを基準聴音ラインに合わせて補正するピックアップTS中間補正モジュールと、
前記ピックアップTS中間補正モジュールによって生成された補正TSを前記音響機器のイコライザー側にフィードバックする補正TSフィードバックモジュールとを、含むことを特徴とする請求項2に記載のTSフィードバック装置。
【請求項4】
前記TS出力モジュールは、
前記音電変換素子から電気的な信号に変換されたTSを受信するピックアップTS受付部と、
前記受信した変換されたTSを通信可能な構造に変換するピックアップTS出力部と、
前記電子機器に連結されて通信可能にする有線接続コネクターとを、含むことを特徴とする請求項2に記載のTSフィードバック装置。
【請求項5】
前記TS出力モジュールは、
前記音電変換素子から電気的な信号に変換されたTSを受信するピックアップTS受付部と、
前記変換されたTSをデジタル信号に変調する基底帯域モデムと、
前記電子機器と無線通信を介してデータの送受信を行う無線アンテナと、
前記基底帯域モデムから受信したデジタル変調信号をアナログ変調信号に変換するか、あるいは前記無線アンテナから受信したRF変調信号をデジタル変調信号に変換するAD変換器と、
前記無線アンテナ及びAD変換器の間に送受信される信号の周波数またはサイズを変換するRF変換部とを、含むことを特徴とする請求項2に記載のTSフィードバック装置。
【請求項6】
前記RF変換部は、
前記AD変換器により変換されたアナログ変調信号をフィルタリングする低域通過フィルタと、
前記低域通過フィルタによりフィルタリングされた信号の周波数をアップコンバートする周波数アップコンバージョンミキサーと、
前記無線アンテナにより受信されたRF変調信号を増幅する低雑音増幅器と、
前記低雑音増幅器により増幅された信号の周波数をダウンコンバートする周波数ダウンコンバージョンミキサーとを、含むことを特徴とする請求項5に記載のTSフィードバック装置。
【請求項1】
イコライザーが設けられた音響機器側の音響出力ターミナルから出力される音響のチューニング工程を管理する音響チューニング担当者の聴覚器官の内部またはその付近に設けられたチューニング音響ピックアップケースと、
前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音響機器側の音響出力ターミナルから出力されたTSのピックアップ後、ピックアップしたTSを電気的な信号に変換する音電変換素子と、
前記TSピックアップケース内に設けられ、前記音電変換素子により電気的な信号に変換されたTSを外部通信可能な有線または無線通信データに変換して、前記音響機器側に伝送するTS出力モジュールと、を含むことを特徴とするTSフィードバック装置。
【請求項2】
前記TS出力モジュールに有/無線連結された電子機器内に設けられ、前記TS出力モジュールから伝送されたピックアップTSを受け取り、受け取ったピックアップTSのボリュームレベルを補正して、補正されたTSを前記音響機器のイコライザー側にフィードバックさせるピックアップTS中間補正ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のTSフィードバック装置。
【請求項3】
前記ピックアップTS中間補正ユニットは、
前記ピックアップTSの全体的な中間補正工程を総括制御するピックアップTS中間補正制御モジュールと、
前記TS出力モジュールと交信を行いつつ、前記TS出力モジュールから伝送されるピックアップTSを受け取るピックアップTS受け取りモジュールと、
前記ピックアップTS受け取りモジュールによって受け取ったピックアップTSのボリュームレベルを基準聴音ラインに合わせて補正するピックアップTS中間補正モジュールと、
前記ピックアップTS中間補正モジュールによって生成された補正TSを前記音響機器のイコライザー側にフィードバックする補正TSフィードバックモジュールとを、含むことを特徴とする請求項2に記載のTSフィードバック装置。
【請求項4】
前記TS出力モジュールは、
前記音電変換素子から電気的な信号に変換されたTSを受信するピックアップTS受付部と、
前記受信した変換されたTSを通信可能な構造に変換するピックアップTS出力部と、
前記電子機器に連結されて通信可能にする有線接続コネクターとを、含むことを特徴とする請求項2に記載のTSフィードバック装置。
【請求項5】
前記TS出力モジュールは、
前記音電変換素子から電気的な信号に変換されたTSを受信するピックアップTS受付部と、
前記変換されたTSをデジタル信号に変調する基底帯域モデムと、
前記電子機器と無線通信を介してデータの送受信を行う無線アンテナと、
前記基底帯域モデムから受信したデジタル変調信号をアナログ変調信号に変換するか、あるいは前記無線アンテナから受信したRF変調信号をデジタル変調信号に変換するAD変換器と、
前記無線アンテナ及びAD変換器の間に送受信される信号の周波数またはサイズを変換するRF変換部とを、含むことを特徴とする請求項2に記載のTSフィードバック装置。
【請求項6】
前記RF変換部は、
前記AD変換器により変換されたアナログ変調信号をフィルタリングする低域通過フィルタと、
前記低域通過フィルタによりフィルタリングされた信号の周波数をアップコンバートする周波数アップコンバージョンミキサーと、
前記無線アンテナにより受信されたRF変調信号を増幅する低雑音増幅器と、
前記低雑音増幅器により増幅された信号の周波数をダウンコンバートする周波数ダウンコンバージョンミキサーとを、含むことを特徴とする請求項5に記載のTSフィードバック装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−526765(P2011−526765A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516095(P2011−516095)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005512
【国際公開番号】WO2010/002069
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(511004601)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005512
【国際公開番号】WO2010/002069
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(511004601)
【Fターム(参考)】
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