説明

チョウセンニンジンの超微細粉末を含有する飲料およびその調製方法

本発明はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含有する飲料組成物の調製方法に関し、さらに詳しくは、適当な微粉砕機によって超微細に微粉砕されたチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含有する健康飲料に関する。従って、飲料に含有するチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの全成分を用いる事ができるが、従来のチョウセンニンジン飲料はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの抽出物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含有する飲料の調製方法に関し、さらに詳しくは、適当な微粉砕機によって超微細に微粉砕されたチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含有する健康飲料に関する。従って、飲料に含有するチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの全成分を用いる事ができるが、従来のチョウセンニンジン飲料はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの抽出物を含有する。
【背景技術】
【0002】
チョウセンニンジンまたは蒸気をあてた赤色チョウセンニンジンから作成された飲料の調製方法として、最近、特許文献1(公告日:2003年5月14日、「赤色チョウセンニンジンを含有する飲料およびその調製方法」が開示され、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンを水又はエチルアルコールで抽出して得られた濃縮抽出物を主原料として用い、種々の薬用植物および食品原料をこれに混合する。
【0003】
しかしながら、チョウセンニンジンを水又はエタノールを用いた抽出の収量は40ないし60%であり、これは全量チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの40ないし60%だけに相当する任意の特定成分が用いられることを意味する。さらに大量のサポニン化合物が抽出されず、抽出物の外に残留する。従って、チョウセンニンジンの成分(例えば酸性多糖類、アミノ酸、脂肪酸、遊離糖類など)の約半分がむだになる。
【0004】
さらに、韓国にはチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を作成する会社が多いが、大部分は回転粉砕機、カッターミル、ピンミルなどを用いて平均粒径約150μmの粗粉末を生成する。結果として、このように製造された粗粉末の大部分はそのまま、またはチョウセンニンジン菓子のための原料として用いられ、特許文献2(公告日:2002年6月24日「チョウセンニンジンチョコレートおよび組成物およびその製造法」)に見られるように、非常に価値が低く新しい製品の研究の開発と発展のための機会が非常に限られている。
【特許文献1】大韓民国特許出願公報第2003−0037379号明細書
【特許文献2】大韓民国特許出願公報第2002−0048853明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明者らはチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末の応用範囲を広げるために鋭意研究を行い微粉砕法によって調製された超微細に微粉砕されたチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末、混合物安定剤および乳化剤を混合し、充分な安定性を有するチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン飲料を与えるため、これらをついで均質化してなる飲料組成物の調製法、およびこのようにして調製されたチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン飲料を提供するために鋭意研究を行った。本発明の他の目的および側面は図を参照して好適例の説明により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術の前記技術的問題を解決するため、本発明の目的は、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン粉末をそのまま用いて100%のチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンを摂取することができ、さらに層分離に対して良好な安定性を有する、超微細粒子を粉末にして単位表面積の増加により生物学的利用率の増加を予期することができる飲料組成物、そしてその調製方法を提供することである。
本発明はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含有する飲料組成物の調製方法に関し、さらに詳しくは、適当な微粉砕機によって超微細に微粉砕されたチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含有する健康飲料およびその調製に関する。従って、飲料に含有するチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの全成分を用いることができるが、従来のチョウセンニンジン飲料はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの抽出物を含有する。
【0007】
本発明は0.05〜5.0%(w/v)のチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン、0.05〜5%(w/v)のハチミツ、0.05〜5%(w/v)の薬用植物抽出物、0.01〜10.0%(w/v)の甘味料、0.5〜5.0%(w/v)の植物クリーム、0.01〜1.0%(w/v)の混合物安定剤、0.01〜0.3%(w/v)の乳化剤、0.001〜0.01%(w/v)の消泡剤、0.01〜0.5%(w/v)の香味料、0.01〜0.06%(w/v)の保存料および69〜99%(w/v)の純水を混合し、得られた混合物を50〜500kgf/cmの加圧下に均質化し、得られた混合物を80〜150℃の温度で0.1〜20分間殺菌して調製された健康飲料を提供する。ここで前記チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン粉末は微粉砕工程を含む2〜10段階を経て調製され0.1〜74μmの平均粒径の超微細粉末が得られる。
【0008】
本発明に用いられるチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末は4年ものまたはそれ以上のチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンをクロスビーターミル、振動ボールミル、磨砕ミル又はジェットミルのような微粉砕機を用いて0.1〜74μmの適当な平均粒径の超微細粉末が得られるように2〜10段階を経る微粉砕によって調製される。5%(w/v)以上の量を含むとき、これを飲料として用いることはその物理的性質により難しい。0.05%(w/v)以下の量を含むとき、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの香りを感じることが難しい。
【0009】
本発明の関係では、チョウセンニンジンはあらゆる種類のタイプのチョウセンニンジン、例えば白色チョウセンニンジン、新鮮なチョウセンニンジン、赤色チョウセンニンジン、Taegukチョウセンニンジン、黒色チョウセンニンジン、デキストリン化チョウセンニンジン(パフチョウセンニンジン)、酵素処理チョウセンニンジン、発酵チョウセンニンジンならびに新鮮なチョウセンニンジンまたは組織培養チョウセンニンジンからのあらゆる加工チョウセンニンジンを含む。
【0010】
本発明の関係では、植物クリームは食品コードの基準に従う製品であり、その主成分として植物油(精製油)を含み、これに糖を添加し次いで水分が8%以下の粉末相に加工する。植物クリームはチョウセンニンジンの苦味を減らし風味と柔らかい味を与えるために用いられる。0.5%(w/v)以下の量で含まれるとき、苦味を減らす効果を下げる傾向を示す。5%(w/v)以上の量で含まれるとき、チョウセンニンジンの香味が減少する問題がある。
【0011】
混合物安定剤「ホモゲンCJ-1」は1〜20%(w/w)のカラギーナン、0.5〜20%(w/v)のCMC−Na、5〜60%(w/w)の微結晶性セルロース、0.5〜10%(w/w)のキサンタンガム、2〜30%(w/w)の脂肪酸の糖エステル、0.5〜30%(w/w)のデキストリン、0.5〜10%(w/w)の賦形剤、0.05〜0.5%(w/w)の食用油からなる。0.01%(w/v)よりも少ない量で含まれるとき、組成物の安定性は減少する。1.0%(w/v)よりも多い量で含まれるとき、組成物の粘度が増加し飲むことが難しくなる。
【0012】
本発明では、HLB値が3.0〜20.0の乳化剤2〜6種類が用いられる。0.01%(w/v)よりも少ない量で含まれるとき、乳化力は減少しクリーム層を生じる。0.3%(w/v)よりも多い量で含まれるとき、味の問題が生じる。
【0013】
原料の割合に従って調製された組成物はpHが5.5〜6.5の中性範囲を有するので、微生物の安全性を確保する必要がある。従って、指示薬微生物としてのチルス・サブチリス菌に対する無菌性が期待され図1に示される。図1に示した2.4×10−5(無菌性99.998%)の死亡率は微生物殆どすべてが初期の微生物カウントが10よりも小さいとき著しいことを意味する。従って、100cfu/gよりも小さいレベルまで原料の微生物カウントをコントロールすることによって微生物安全性を確保する事ができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商業規模でチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を含む飲料を生成する事ができる。従って、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンを用いる商品の新しい種類が開発され、これはチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン抽出物を用いる従来の飲料とは異なる。
【0015】
チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン抽出物を用いる従来の飲料は40〜60%のチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンに相当する特定の化合物のみを用いるが、本発明によるチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末を用いる飲料は、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンのすべての部分を用いて、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの100%を取り入れる事ができ、超分離工程を介して単位表面領域の増加により生物学的利用率の増加を期待できる。
【0016】
さらに、チョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン抽出物を用いる従来の飲料はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン抽出物の特有の苦味を有し、飲料消費者クラスを制限する。しかし、本発明によるチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン粉末を用いる飲料は、優れた感覚上の特性を有するようにチョウセンニンジン粉末ならびに多様な食品材料、例えばハチミツ、HFCS、植物性クリーム、ナツメ抽出物等を用いるので、年齢や性別の区別なしにだれでもが拒絶することなく飲む事ができる。従って、本発明はチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの消費者を拡大するために貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
【表1】

【0018】
純水に表1の組成物にしたがってオリゴトース、SWA−10D(乳化剤、ポリグリセロールエステル)およびキサンタンガムを添加し十分に溶解し、次いで完全に溶解したHFCSを添加した。溶液に、微粉砕工程によって調製されたチョウセンニンジン粉末を攪拌下に添加し次いで純水を全量になるまで添加した。得られた混合物を加圧下に均質化し、次いで15秒間95℃で殺菌し飲料組成物A、B、CおよびDを調製した。
図2に見られるように、飲料組成物B、CおよびDははっきり識別できる層分離を示し、従って飲料組成物として不適当である。飲料組成物Aは層分離に対して良好な安定性を有するが、また濃厚すぎるので飲料組成物として不充分である。
【0019】
【表2】

【0020】
表2の組成物によれば、チョウセンニンジン粉末を含む原料は組成物が容量100%になるまで純水に完全に溶解し、加圧下に均質化し、次いで約1分間約138℃で殺菌し、飲料組成物A、BおよびCを与える。
図3に見られるように、飲料組成物Aは上層の水の形成が明瞭であり、飲料組成物Bは上方から3分の2の位置で層分離が見られ、飲料組成物Cは何ら層分離がなく良好な乳化および分散安定性を示している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の組成物によるバチルス・サブチリス胞子への安定性の結果を示す図である。
【図2】実施例1で調製された飲料組成物A,B,CおよびDを示す図である。
【図3】実施例2で調製された飲料組成物A,BおよびCを示す図である。
【図4】本発明によるチョウセンニンジン飲料の工程流れ図を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1〜74μmの平均粒径を有するチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの超微細粉末からなる飲料組成物。
【請求項2】
0.1〜74μmの平均粒径を有するチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの超微細粉末、および混合物安定剤からなる飲料組成物。
【請求項3】
0.05〜5.0%(w/v)のチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジンの粉末、0.05〜5%(w/v)のハチミツ、0.05〜5%(w/v)の薬用植物抽出物、0.01〜10.0%(w/v)の甘味料、0.5〜5.0%(w/v)の植物クリーム、0.01〜1.0%(w/v)の混合物安定剤、0.01〜0.3%(w/v)の乳化剤、0.001〜0.01%(w/v)の消泡剤、0.01〜0.5%(w/v)の香味料、0.01〜0.06%(w/v)の保存料および69〜99%(w/v)の純水からなる請求項2記載の飲料組成物。
【請求項4】
請求項2記載のチョウセンニンジンまたは赤色チョウセンニンジン粉末、混合物安定剤、乳化剤および他の原料を純水に完全に溶解し、そして
得られた混合物に純水を添加して組成物の全容量を100%とし、加圧下に均質化し、滅菌し、容器に充填し、低温殺菌する、工程からなるチョウセンニンジン飲料の調製方法。
【請求項5】
前記混合物安定剤が1〜20%(w/w)のカラギーナン、0.5〜20%(w/w)のCMC−Na、5〜60%(w/w)の微結晶性セルロース、0.5〜10%(w/w)のキサンタンガム、2〜30%(w/w)の脂肪酸の糖エステル、0.5〜30%(w/w)のデキストリン、0.5〜10%(w/w)の賦形剤、0.05〜0.5%(w/w)の食用油からなる、請求項2または3記載の飲料組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−518419(P2007−518419A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550925(P2006−550925)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002723
【国際公開番号】WO2005/070235
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506245279)シージェイ コーポレーション (5)
【氏名又は名称原語表記】CJ CORP.
【住所又は居所原語表記】500,Namdaemunno 5ga,Jung−gu,Seoul,100−095,Korea
【Fターム(参考)】