説明

チョコレート食品およびその製造方法

【課題】風味豊かなチョコレート飲料を簡易に作ることのできるチョコレート食品の需要が見込まれる。
【解決手段】チョコレート食品10は、チョコレート部1およびプラスチック製スティック2を有する。チョコレート部は、外形が球状のチョコレート塊で、外側から順に、エンローブチョコレート13、シェルチョコレート11および生チョコレート12の3層構造となっている。中央部に充填された生チョコレート12は、約20重量%の生クリームを含んでおり、温めた牛乳などに溶け易く、風味豊かなホットチョコレート飲料を容易に作れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、チョコレート食品およびその製造方法に関し、特に、ホットチョコレート飲料を作るためのチョコレート食品およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この発明に関連する先行技術として、たとえば、特許文献1に開示された飲料カプセルおよびその製造方法、特許文献2に開示された糖菓製品の高精度の複数押出成形方法、および特許文献3に開示されたガナッシュ類の製造方法がある。
特許文献1に開示された飲料カプセルは、飲料ベースとしてココア、ホットココアミックス、コーヒー等をチョコレートまたは脂肪をベースとする菓子被覆のエンベロープに封入した構成を有し、加熱乳または湯に溶かして飲料を作ることのできるものである。
【0003】
特許文献2は、棒付きキャンディー製品のような半流動体が中心部に充填された糖菓製品を製造する方法を提案するものである。
特許文献3は、優れた食感と風味を有するガナッシュ類を、冷菓製造に用いられているいわゆるバイタラインを利用して冷却、固化、成形して製造できるようにした方法を提供するものである。
【0004】
また、特許文献4には、飲料に溶解して飲むためのマドラー付き固形チョコレートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3206906号公報
【特許文献2】特許第4077724号公報
【特許文献3】特許第4098445号公報
【特許文献4】特開2000−157176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された飲料カプセルは、温めた牛乳等に溶かして飲料製品を作ることができるが、飲料カプセルを溶かす際には、スプーン等でかき混ぜる必要があり、溶かすのに手間がかかるという課題がある。
一方、特許文献4に開示されたマドラー付き固形チョコレートは、チョコレートを溶かす際にマドラーでかき混ぜればよく、特許文献1のような課題はないが、チョコレートが溶けるのに時間を要し(溶解時間が長い)、また、出来上がったチョコレート飲料も味が単純で風味も乏しいという課題がある。
【0007】
特許文献2、3に開示された食品の製造方法は、ホットチョコレート飲料を作るためのチョコレート食品に最適な製造方法を提案するものではない。
この発明は、このような背景技術の元でなされたもので、暖かい液体、たとえば温めたミルクに浸け易く、軽くかき回すだけで簡便にホットチョコレート飲料を作ることのできるチョコレート食品およびその製造方法を提供することを主たる目的とする。
【0008】
この発明の他の目的は、濃厚なホットチョコレート飲料を作るために、体積の大きなチョコレート部を、短時間で溶解できるように改良されたホットチョコレート飲料のためのチョコレート食品およびその製造方法を提供することを他の目的とする。
この発明は、さらに、風味豊かなホットチョコレート飲料を作るためのチョコレート食品およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、ホットチョコレート飲料を作るためのチョコレート食品であって、温めた液体に浸けることによって溶解可能なチョコレート部と、前記チョコレート部に一端部が挿入され、他端側を把持してチョコレート部を取り扱うためのスティック部とを含み、前記チョコレート部は、外形を形成し、内部に空洞が形成された所定の第1成分で構成されたシェルチョコレートと、前記シェルチョコレートの前記内部の空洞に充填され、生クリームを含む所定の第2成分で構成された生チョコレートとを有することを特徴とするチョコレート食品である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記シェルチョコレートと生チョコレートとの構成比率は、シェルチョコレートが20〜30重量%、生チョコレートが70〜80重量%であることを特徴とする、請求項1記載のチョコレート食品である。
請求項3記載の発明は、前記シェルチョコレートを覆うエンローブチョコレートをさらに有することを特徴とする、請求項1または2記載のチョコレート食品である。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記シェルチョコレート、生チョコレートおよびエンローブチョコレートの構成比率は、20±a重量%、50±b重量%および30±c重量%であり、0≦a、b、c≦5であることを特徴とする、請求項3記載のチョコレート食品である。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のチョコレート食品を製造するための方法であって、中空のシェルチョコレートを成形して固化する工程と、シェルチョコレート内に、生チョコレートを充填する工程と、生チョコレートが充填されたシェルチョコレートに対し、スティックの一端をシェルチョコレートを貫通して生チョコレートに達するように差し込む工程と、スティックの一端部が差し込まれた状態で、シェルチョコレートおよび生チョコレートを冷却して形状を安定させる工程と、を含むことを特徴とするチョコレート食品の製造方法である。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のチョコレート食品を製造するための方法であって、同芯円状に形成された2つのノズル口を有するワンショットデポ用ノズルを用い、中央のノズル口から生チョコレートを送出し、同時に、中央のノズル口を取り囲むリング状のノズル口からシェルチョコレートを送出する行程と、内側に生チョコレートが充填され、その外側がシェルチョコレートで覆われた2層のチョコレートに対し、スティックの一端をシェルチョコレートを貫通して生チョコレートに達するように差し込む工程と、スティックの一端部が差し込まれた状態で、シェルチョコレートおよび生チョコレートを冷却して形状を安定させる工程と、を含むことを特徴とするチョコレート食品の製造方法である。
【0013】
請求項7記載の発明は、さらに、シェルチョコレートの外側をエンローブチョコレートで覆い、冷却して形状を安定させる工程を含むことを特徴とする、請求項5または6記載のチョコレート食品の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、温めた液体、たとえば温めたミルクに短時間で溶解させることができ、濃厚で風味豊かなホットチョコレート飲料を作ることができる。
ホットチョコレート飲料を作る際には、スティックを把持し、チョコレート部を温めた液体に浸けてかき回すことにより、チョコレート部は容易に溶解し、風味豊かなチョコレート飲料となる。また、チョコレート部は、少なくともシェルチョコレートとその内部に充填された生チョコレートとを含んでおり、最初にシェルチョコレートが溶け、その後に内部の生チョコレートが溶けるという溶解具合の違いにより、溶解中にチョコレート飲料の味が変化し、バラエティおよび風味の豊かなチョコレート飲料を味わうことができる。
【0015】
また、シェルチョコレートの内部空洞に充填された生チョコレートは、溶け易い形態であり、容積の大きなチョコレート部であっても、その内部の生チョコレートは短時間でスムーズに溶解し、チョコレート飲料を簡易に作ることができる。
さらに、スティックは、チョコレート部を溶かす際に飲料を撹拌するために使用できるので、より短時間でチョコレート部を溶解させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、この発明の一実施例にかかるチョコレート食品10の構成を表す半断面正面図である。
【図2】図2は、チョコレート食品10の把持部3を手指で把持し、チョコレート部1を牛乳4内でかき回している図である。
【図3】図3は、チョコレート食品10の製造工程を順に示す製造工程フロー図である。
【図4】図4は、この発明の他の実施例にかかるチョコレート食品10Bの構成を説明するための半断面正面図である。
【図5】図5は、チョコレート食品10Bの製造工程フロー図である。
【図6】図6は、ワンショットデポのためのノズルおよび金型の詳細な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には、図面を参照して、この発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
[実施例]
図1は、この発明の一実施例に係るチョコレート食品10の構成を表わす半断面正面図である。
図1において、1はチョコレート部(チョコレート本体部分)であり、2はスティックである。スティック2は、この実施例ではたとえばポリスチレン、ABS等のプラスチック材料で形成されており、細長い棒形状であって、その先端はチョコレート部1内に挿入されて、チョコレート部1を保持している。
【0018】
チョコレート部1は、外形がたとえば球状のチョコレート塊(チョコレート塊の外形は、球状に限らず、楕円球状(フットボール状)、立方体状(サイコロ状)、直方体状、円錐状等の任意の形状でよい。)であるが、その構造は、断面で示すように、外形を形成し、内部に空洞が形成されたシェルチョコレート11と、シェルチョコレート11の内部空洞内に充填された生チョコレート12と、シェルチョコレート11の外側を覆っているエンローブチョコレート13を有する3層構造となっている。
【0019】
かかる3層構造のチョコレート部1は、図2に示すように、スティック2の上端把持部3を手指で把持し、チョコレート部1をたとえば温めた牛乳4に浸け、チョコレート部1を牛乳4内でかき回すことにより、チョコレート部1が牛乳4に溶解し、簡単にかつ短時間でホットチョコレート飲料を作ることができる。
表1は、チョコレート部1の構成材料の成分割合を表わしている。
【0020】
【表1】

【0021】
表1を参照して、シェルチョコレート11は、カカオマス20.0重量%、全粉乳20.0重量%、ココアバター10.0重量%、植物油脂5.0重量%、砂糖44.4重量%、レシチン0.5重量%、バニラ香料0.1重量%の成分割合で構成されている。
生チョコレート12は、シェルチョコレート11に形成された内部空洞内に充填されるもので、特徴としては、生クリームを含有していることである。生クリームを含めることにより、チョコレートがまろやかかつなめらかになり、風味も向上する。
【0022】
生チョコレート12の成分割合は、カカオマス12.5重量%、全粉乳12.5重量%、ココアバター8.0重量%、植物油脂10.0重量%、砂糖26.6重量%、レシチン0.3重量%、バニラ香料0.1重量%、生クリーム20.0重量%、ソルビトール7.0重量%、洋酒3.0重量%の成分割合となっている。
なお、生チョコレート12は、10重量%以上の生クリームを含むものであり、生クリームの含有量が増せば、風味は向上する。
【0023】
エンローブチョコレート13の材料構成比率は、カカオマス20.0重量%、全粉乳20.0重量%、ココアバター12.0重量%、植物油脂8.0重量%、砂糖39.4重量%、レシチン0.5重量%、バニラ香料0.1重量%である。
そして、チョコレート部1は、この実施例では、全重量が15.0gであり、各層を構成するシェルチョコレート11、生チョコレート12およびエンローブチョコレート13の重量割合は、シェルチョコレート11が3.0g(20.0重量%)、生チョコレート12が7.0g(46.7重量%)、エンローブチョコレート13が5.0g(33.3重量%)となっている。
【0024】
図3は、図1に示すチョコレート食品10の製造工程を順に示す製造工程フロー図である。
図3を参照して、チョコレート食品10の製造工程(製造方法)について説明をする。
まず、シェルチョコレート11の原料となるチョコレートを準備し(S1)、テンパリングし(S2)、所定の金型に入れて、シェルチョコレート11を成型する(S3)。原料となるチョコレートは、表1で説明したシェルチョコレート11の成分割合を有するものである。シェル成型(S3)では、金型に入れられて、外形がたとえば略球状で、その内部に空洞が形成されたシェルチョコレート11が成型される。
【0025】
成型されたシェルチョコレート11は、金型ごと冷却されてクーラー処理され、固化される(S4)。
シェルチョコレート11の固化までの処理と並行して、生チョコレート12のためのチョコレート原料が準備され(S5)、溶解され(S6)、同時に、生クリーム、香料、洋酒およびソルビトールが準備され(S7)、溶解されて(S8)、溶解されたチョコレート原料と混合される(S9)。これにより生チョコレート12が作られる。そして作られた生チョコレート12は、固化されたシェルチョコレート11の内部空洞に充填される(S10)。すなわち、センターデポが行われる。この充填の仕方は、たとえばシェルチョコレート11の一部に小孔が形成され、その小孔に生チョコレート12の充填用ノズルが挿入されて、シェルチョコレート11の内部空洞内に生チョコレート12が注入されることにより行われる。
【0026】
この実施例のように、まず、内部に空洞が形成されたシェルチョコレート11を金型で成型し、成型されたシェルチョコレート11の内部空洞内に生チョコレート12を充填する製造方法を採用した場合、シェルチョコレート11内に所定量の生チョコレート12を確実に充填することができ、ばらつきのない品質の安定したチョコレート食品10を製造できるという利点がある。
【0027】
そして、スティック2が準備され(S11)、シェルチョコレート11に形成された生チョコレート12充填用の孔を利用し、その孔を通ってシェルチョコレート11を貫通し、生チョコレート12のほぼ中央部まで達するように、スティック2の一端が挿入される(差し込まれる)(S12)。
そしてスティック2が差し込まれたシェルチョコレート11および生チョコレート12の2層構成のチョコレート食品は、クーラー処理により冷却され(S13)、形状が安定される。
【0028】
次いで、エンローブチョコレート13のためのチョコレート原料が準備され(S14)、それがテンパリングされ(S15)、シェルチョコレート11を包むようにエンローブチョコレート13が被覆されて(S16)、3層構成のチョコレート部1が作られる。
そしてチョコレート部1はクーラー処理により冷却されて(S17)、形状が安定され、その後、包装機に送られて包装が施され(S18)、製品として箱詰め等される(S19)。
【0029】
図4は、この発明の他の実施例に係るチョコレート食品10Bの構成を説明するための半断面正面図である。
この実施例の特徴は、チョコレート部1が、先の実施例のように3層構造ではなく、2層構造となっていることである。
また、スティック2には、その上端に把持部3としての膨らんだ部分は備えられていない。スティック2の形状は、図4に示す形状のように、細長い棒状形状であってもよいし、先の実施例と同様に、把持部3を有していてもよい。スティック2は、先の実施例と同様にプラスチック製である。
【0030】
図4に示す実施例では、チョコレート部1は、その外側を構成するシェルチョコレート11と、シェルチョコレート11に形成された内部空洞内に充填された生チョコレート12とで構成されている。
表2に、図4に示すチョコレート部1におけるシェルチョコレート11および生チョコレート12の成分割合の一覧を示す。
【0031】
【表2】

【0032】
チョコレート部1におけるシェルチョコレート11は、この実施例では、カカオマス20.0重量%、全粉乳20.0重量%、ココアバター13.0重量%、植物油脂5.0重量%、砂糖42.0重量%、乳化剤0.5重量%、香料0.1重量%となっている。全体が100.6重量%となるが、これは、乳化剤および香料が、微小量添加された構成であればよいことを表わしている。
【0033】
一方、生チョコレート12は、カカオマス14.0重量%、全粉乳14.0重量%、ココアバター9.0重量%、植物油脂4.0重量%、砂糖29.0重量%、生クリーム20.0重量%、ソルビトール7.0重量%、洋酒3.0重量%、乳化剤0.4重量%、香料0.1重量%の重量比率である。
そして、この実施例に係るチョコレート部1は、全体の重量が28.0gであり、シェルチョコレート11の重量は8.0g(28.6重量%)であり、生チョコレート12は20.0g(71.4重量%)となっている。
【0034】
図5に、図4および表2を参照して説明したチョコレート食品10B(2層のチョコレート部1を有するチョコレート食品10B)の製造工程のフロー図を示す。
このチョコレート食品10Bの製造工程上の特徴は、いわゆるワンショットデポ方式で、チョコレート部1が作られていることである。
すなわち、まず、シェルチョコレート11の原料となるチョコレートが準備され(P1)、テンパリングされる(P2)。また、生チョコレート12の原料となるチョコレートが準備され(P3)、テンパリングがされる(P4)とともに、混合する生クリーム、香料、洋酒、ソルビトールが準備され(P5)、溶解され(P6)、それがテンパリングされたチョコレートと混合される(P7)。
【0035】
そして、混合されて作られた生チョコレート12と、テンパリングされたシェルチョコレート11とは、同芯円状に形成された中央出口と、中央出口を取り囲む周囲出口との2出口を有するワンショットデポ用ノズルが用いられて、同時に、金型に流し込まれる(P8)。すなわち、いわゆるワンショットデポにより、チョコレート部1が形成される(P8)。
【0036】
図6に、ワンショットデポのためのノズルおよび金型の詳細な断面図を示す。
ワンショットデポでは、専用のノズル20が用いられる。ノズル20は、前述したように、同芯円状に形成された2つのノズル口21、22を有している。中央のノズル口21は、生チョコレート12を送り出すためのノズルである。中央のノズル口21を取り囲むようにリング状のノズル口22が配置されている。リング状のノズル口22は、外形を形成するシェルチョコレート11を送り出すためのノズルである。かかるノズル20が用いられ、中央ノズル口21から生チョコレート12が、外側のリング状ノズル口22からシェルチョコレート11が同時に金型23に形成された成型室24に注入されることにより、シェルチョコレート11が外層を構成し、その内側に生チョコレート12が充填された2層構造のチョコレート部1を製造することができる。
【0037】
図5に戻って、このようにシェルチョコレート11および生チョコレート12が同時に注入されて成型された後、スティック2が準備され(P9)、そのスティック2が差し込まれる(P10)。そして、チョコレート部1はクーラー処理により冷却され(P11)、固化されて安定した形状にされる。
そして金型23が取り外されるデモールド工程(P12)を経て、包装され(P13)、製品となる(P14)。
【0038】
また、ワンショットデポで形成された2層のチョコレート食品10Bを、更にエンローブチョコレートで被覆し、3層のチョコレート食品としてもよい。
なお、2層のチョコレート部1を有するチョコレート食品10Bは、いわゆるワンショットデポで形成するのに代えて、先の実施例と同様に、まず、シェルチョコレート11を形成し、シェルチョコレート11の内部空洞内に生チョコレート12を充填する製造工程により作られてもよい。
【0039】
また、上述の各実施例では、シェルチョコレート11の内部空洞に充填するのは、生チョコレート12であると説明したが、生チョコレート12に代えて、生チョコレート以外の軟かな材料を充填したチョコレート食品とすることも可能である。
表3に、上記実施例に係るチョコレート食品10B(図4を参照して構成を説明した2層のチョコレート食品)の溶解時間につき、他社製品と比較試験を行った結果を示す。
【0040】
【表3】

【0041】
表3の結果から、この発明の実施例に係るチョコレート食品10Bは、相対的に少量の牛乳に対して短時間で溶解する溶け易いものであることがわかる。
この発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 チョコレート部
2 スティック
3 把持部
4 牛乳
10、10B チョコレート食品
11 シェルチョコレート
12 生チョコレート
13 エンローブチョコレート
20 ワンショットデポ用ノズル
21 中央のノズル口
22 リング状のノズル口
23 金型
24 成型室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットチョコレート飲料を作るためのチョコレート食品であって、
温めた液体に浸けることによって溶解可能なチョコレート部と、
前記チョコレート部に一端部が挿入され、他端側を把持してチョコレート部を取り扱うためのスティック部とを含み、
前記チョコレート部は、
外形を形成し、内部に空洞が形成された所定の第1成分で構成されたシェルチョコレートと、
前記シェルチョコレートの前記内部の空洞に充填され、生クリームを含む所定の第2成分で構成された生チョコレートとを有することを特徴とするチョコレート食品。
【請求項2】
前記シェルチョコレートと生チョコレートとの構成比率は、シェルチョコレートが20〜30重量%、生チョコレートが70〜80重量%であることを特徴とする、請求項1記載のチョコレート食品。
【請求項3】
前記シェルチョコレートを覆うエンローブチョコレートをさらに有することを特徴とする、請求項1または2記載のチョコレート食品。
【請求項4】
前記シェルチョコレート、生チョコレートおよびエンローブチョコレートの構成比率は、20±a重量%、50±b重量%および30±c重量%であり、0≦a、b、c≦5であることを特徴とする、請求項3記載のチョコレート食品。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のチョコレート食品を製造するための方法であって、
中空のシェルチョコレートを成形して固化する工程と、
シェルチョコレート内に、生チョコレートを充填する工程と、
生チョコレートが充填されたシェルチョコレートに対し、スティックの一端をシェルチョコレートを貫通して生チョコレートに達するように差し込む工程と、
スティックの一端部が差し込まれた状態で、シェルチョコレートおよび生チョコレートを冷却して形状を安定させる工程と、を含むことを特徴とするチョコレート食品の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のチョコレート食品を製造するための方法であって、
同芯円状に形成された2つのノズル口を有するワンショットデポ用ノズルを用い、中央のノズル口から生チョコレートを送出し、同時に、中央のノズル口を取り囲むリング状のノズル口からシェルチョコレートを送出する行程と、
内側に生チョコレートが充填され、その外側がシェルチョコレートで覆われた2層のチョコレートに対し、スティックの一端をシェルチョコレートを貫通して生チョコレートに達するように差し込む工程と、
スティックの一端部が差し込まれた状態で、シェルチョコレートおよび生チョコレートを冷却して形状を安定させる工程と、を含むことを特徴とするチョコレート食品の製造方法。
【請求項7】
さらに、シェルチョコレートの外側をエンローブチョコレートで覆い、冷却して形状を安定させる工程を含むことを特徴とする、請求項5または6記載のチョコレート食品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−50334(P2011−50334A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203321(P2009−203321)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(307013857)株式会社ロッテ (101)
【Fターム(参考)】