説明

ティッシュペーパ収納袋

【課題】製造コストが安く、広告または宣伝効果に優れ、汎用性のあるティッシュペーパ収納袋を提供すること。
【解決手段】第1表面シート31と、中間シート33と、第2表面シート32とを有するティッシュペーパ収納袋1であって、第2表面シート32には、表面ぜい弱線32aが形成してあり、中間シート33には、表面ぜい弱線に対応する形で中間スリットとなる中間ぜい弱線33aが形成してあり、第2収容空間36または第1収容空間35に、広告または宣伝用の別シート5が収容してあり、第2表面シート32を通して、または第2表面シート32および中間シート33を通して、別シート5の内容が見えるようになっており、しかも、第1収容空間35に収容してあるティッシュペーパが、中間スリットまたは取出隙間、および表面スリットを通して外部に取り出し可能になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュペーパ収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、積層された複数枚のティッシュペーパーがフィルム状の包装材でポケットサイズに包装された、ポケットティッシュなどのティッシュペーパ収納袋が知られている。また、収納袋を構成する包装材に、広告情報などを印刷した広告用紙片シートを差し込んだりしたポケットティッシュを、商品や企業の広告媒体として街角等で無償配布することが多く行われている。
【0003】
しかしながら、従来のポケットティッシュなどのティッシュペーパ収納袋では、広告用紙片シートは、ティッシュペーパの取り出し口スリットとは反対側に差し込まれており、ティッシュペーパを使用する人は、裏側に差し込まれている紙片シートの内容を見ることが少なく、広告宣伝効果が少ないという課題を有している。また、人によっては、紙片シートを収納袋から取り出してからティッシュペーパを使用する人がおり、その場合には、紙片シートに記載してある広告や宣伝を見る機会が無くなる可能性もある。
【0004】
さらに、収納袋を構成する包装材に広告情報を印刷するようにしたポケットティッシュも知られている(例えば、特許文献1)。ところが包装材に広告情報を印刷するのでは、製造コストが嵩むと共に、他の広告シートを収容することができず、汎用性が無いという課題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−65962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、製造コストが安く、広告または宣伝効果に優れ、汎用性のあるティッシュペーパ収納袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るティッシュペーパ収納袋は、
四角形状の第1表面シートと、
前記第1表面シートに対して重ねられ、少なくとも3辺が連続または接合され、前記第1表面シートとの間に積み重ねられたティッシュペーパが収容される第1収容空間が形成される中間シートと、
前記第1表面シートおよび/または中間シートの少なくとも3辺に連続または接合してあり、前記中間シートとの間に第2収容空間が形成される第2表面シートとを有するティッシュペーパ収納袋であって、
前記第2表面シートには、張力を加えることで表面スリットが形成される表面ぜい弱線が形成してあり、前記中間シートには、前記表面ぜい弱線に対応する形で中間スリットとなる中間ぜい弱線または中間スリットまたは取出隙間が形成してあり、
前記第2収容空間または第1収容空間に、広告または宣伝用の別シートが収容してあり、第2表面シートを通して、または第2表面シートおよび中間シートを通して、前記別シートの内容が見えるようになっており、
しかも、前記第1収容空間に収容してあるティッシュペーパが、前記中間スリットまたは取出隙間、および前記表面スリットを通して外部に取り出し可能になっている。
【0008】
本発明に係るティッシュペーパ収納袋では、第2収容空間または第1収容空間に収容してある広告または宣伝用の別シートの内容が、第2表面シートを通して、または第2表面シートおよび中間シートを通して、別シートの内容が見えるようになっている。しかも、第1収容空間に収容してあるティッシュペーパが、前記中間スリットまたは取出隙間、および前記表面スリットを通して外部に取り出し可能になっている。
【0009】
そのため、ティッシュペーパを使用する人は、第1収容空間に収容してあるティッシュペーパを取り出すたびに、広告または宣伝用の別シートの内容を見ることになる。したがって、広告または宣伝効果に優れている。また、第2表面シートおよび中間シートには、広告や宣伝用の印刷を施す必要がないため、製造コストの低減を図れると共に、別シートを取り替えるのみで、別の広告や宣伝に使用することでができ、汎用性に優れている。
【0010】
別シートは、第1収容空間または第2収容空間に予め収容してあっても良く、しかも、別シートの取り替えが困難にしてあっても良い。別シートの取り替えが困難にすることで、別シートを取り除いてティッシュペーパを使用されることが少なくなり、宣伝効果が増す。
【0011】
あるいは、前記第2表面シートと中間シートとの間には、前記第2収容部と外部とを連通する差込口が形成してあり、
前記第2収容空間には、前記差込口を通して広告または宣伝用の別シートが外部から取出自在に挿入されてもよい。
【0012】
あるいは、前記第2表面シートと中間シートとの間には、前記第2収容部と外部とを連通する差込口が形成してあり、
前記第1表面シートと中間シートとの間には、前記第1収容空間と第2収容空間との間を連通する連通隙間が形成してあり、前記差込口および連通隙間を通して、広告または宣伝用の別シートが前記第1収容空間に外部から取出自在に挿入されてもよい。
【0013】
このように、広告または宣伝用の別シートの取り外しを容易にすることで、別シートの挿入作業および取り替えが容易になる。
【0014】
好ましくは、前記別シートには、前記表面スリットに対応する位置に、ペーパ取出用スリット、ペーパ取出用孔またはペーパ取出用隙間が形成してある。この場合には、第1収容空間に収容してあるティッシュペーパが、前記中間スリットまたは取出隙間、前記ペーパ取出用スリット、ペーパ取出用孔またはペーパ取出用隙間、および前記表面スリットを通して外部に取り出し可能になる。
【0015】
いったんティッシュペーパを、ペーパ取出用スリットまたはペーパ取出用孔を通して取り出した後には、次に取り出すべきティッシュペーパが、ペーパ取出用スリットまたはペーパ取出用孔に引っかかり、別シートの取り出しが困難になる。そのため、使用者は、別シートを収納袋から取り出すことなく、使い続けることになる。そのため、別シートの広告または宣伝を見る機会が多くなり、宣伝または広告効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るティッシュペーパ収納袋を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すII−II断面図である。
【図3】図3(A)は、ティッシュペーパ収納袋に収納される別シートの一例を示す外観斜視図、図3(B)は、ティッシュペーパ収納袋に収納される別シートの一例を示す外観斜視図、図3(C)は、ティッシュペーパ収納袋に収納される別シートの一例を示す外観斜視図、図3(D)は、ティッシュペーパ収納袋に収納される別シートの一例を示す外観斜視図、図3(E)は、ティッシュペーパ収納袋に収納される別シートの一例を示す外観斜視図である。
【図4】図4は、本発明の変形例に係るティッシュペーパ収納袋の断面図である。
【図5】図5は、本発明の変形例に係るティッシュペーパ収納袋の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るティッシュペーパ収納袋1の構造について説明する。
図1および図2に示すように、ティッシュペーパ収納袋1は、積層状態の複数枚のティッシュペーパー2を包装材3にて包装して構成されている。
ティッシュペーパー2は、折り畳んだ状態で複数枚が積層されている。
【0018】
包装材3は、樹脂フィルムなどの帯状のフィルム部材から構成されている。
この包装材3にてティッシュペーパー2を包装する際には、まず、所定の長さに切断された帯状フィルムである包装材3の略中央に、折り畳んで積層したティッシュペーパー2を載置する。
【0019】
次に、包装材3の、載置されたティッシュペーパー2の短手方向における両端部を、それぞれティッシュペーパー2を包み込むように折り返す。
折り返してティッシュペーパー2を包んだ状態にある包装材3の、ティッシュペーパー2の長手方向における両端部を、熱溶着等にて接着した後、余分な部分を切断する。これにより、接着部3aが形成される。
【0020】
このように、ティッシュペーパー2を包装材3にて包装して構成されるティッシュペーパ収納袋1においては、包装材3が一重になっている面と、包装材3が二重に重ねられている面とが形成されることとなる。
以下の説明では、一重になっている一面側の包装材3を第1表面シート31と呼び、二重に重ねられている他面側の包装材3の外側フィルムを、第2表面シート32と呼び、二重に重ねられている面の包装材3の内側フィルムを、中間シート33と呼ぶ。
【0021】
このように形成された第1表面シート31は、四角形状をしている。中間シート33は、第1表面シート31に対して重ねられ、少なくとも3辺が連続または接合されている。このため、第1表面シート31と中間シート33との間に、積み重ねられたティッシュペーパが収容される第1収容空間35が形成されている。
【0022】
第2表面シート32は、第1表面シート31および/または中間シート33の少なくとも3辺に連続または接合してある。このため、第2表面シート32と中間シート33との間に第2収容空間36が形成されている。第2表面シート32には、たとえばティッシュペーパ収納袋1の使用者が張力を加えることで表面スリットが形成される表面ぜい弱線32a(たとえばミシン目)が形成してある。
【0023】
中間シート33には、表面ぜい弱線32aに対応する形で中間スリットとなる中間ぜい弱線33a(たとえばミシン目)が形成してある。
【0024】
第2表面シート32が、第1表面シート31および/または中間シート33に連続または接合していない辺の部分(第2表面シート32と中間シート33との間)には、第2収容部36と外部とを連通する差込口3cが形成してあり、図2の矢印で示すように、第2収容空間36には、差込口3cを通して、広告または宣伝用の別シート5が外部から取出自在に挿入される。別シート5には、図3に示すように、広告情報が印刷されている。
【0025】
図1および図2に示すように、第2収容空間36には、広告または宣伝用の別シート5が収容してあり、第2表面シート32を通して、別シート5の内容が見えるようになっている。
【0026】
図2に示すように、別シート5には、表面スリットに対応する位置に、図3(A)に示す中間スリットとなるペーパ取出用スリット5a(たとえばミシン目)が形成してある。
【0027】
したがって、ティッシュペーパ収納袋1に別シート5を挿入した後、使用者がティッシュペーパ収納袋1の第2表面シート32を、スリット(中間ぜい弱線33a、ペーパ取出用スリット5a、表面ぜい弱線32a)が拡がる方向へ押し広げた後には、第1収容空間35に収容してあるティッシュペーパ2が、中間ぜい弱線33a、ペーパ取出用スリット5a、表面ぜい弱線32aを通して外部に取り出し可能になっている。
【0028】
なお、図4に示すように、第2表面シート32と中間シート33との間には、第2収容部36と外部とを連通する差込口3cが形成してあり、第2表面シート32と中間シート33との間には、第1収容空間35と第2収容空間36との間を連通する連通隙間3dが形成してあり、差込口3cおよび連通隙間3dを通して、広告または宣伝用の別シート5が第1収容空間に外部から取出自在に挿入されても良い。この場合には、差込口3cと連通隙間3dとは、対向する位置にあることが好ましい。
【0029】
また、図5に点線で示すように、ティッシュペーパ収納袋1の短手方向半分にのみ、中間シート33が形成されていて、ペーパ取出用隙間33eが形成してあっても良い。
【0030】
また、図3(B)に示すように、別シート5は、スリットCを避けるようなサイズであっても良い。また、図3(C)に示すように、別シート5には、予めスリットが形成してあっても良い。また、図3(D)に示すように、別シート5には、ペーパ取出用孔5eが形成してあっても良い。さらに、図3(E)に示すように、ペーパ取出用孔5eには、ティッシュペーパー2の引っ掛かりを良好にする突起5fが形成してあっても良い。
【0031】
なお、中間スリットが差込口3cに平行になるように形成してあるが、中間スリットが差込口3cに垂直になるように形成してもよい。
【0032】
本実施形態に係るティッシュペーパ収納袋1では、第2収容空間36または第1収容空間35に収容してある広告または宣伝用の別シート5の内容が、第2表面シート32を通して、または第2表面シート32および中間シート33を通して、別シート5の内容が見えるようになっている。しかも、第1収容空間35に収容してあるティッシュペーパ2が、中間スリットまたは取出隙間33e、および表面ぜい弱線32aを通して外部に取り出し可能になっている。
【0033】
そのため、ティッシュペーパ2を使用する人は、第1収容空間35に収容してあるティッシュペーパ2を取り出すたびに、広告または宣伝用の別シート5の内容の内容を見ることになる。したがって、広告または宣伝効果に優れている。また、第2表面シート32および中間シート33には、広告や宣伝用の印刷を施す必要がないため、製造コストの低減を図れると共に、別シート5を取り替えるのみで、別の広告や宣伝に使用することでができ、汎用性に優れている。
【0034】
別シート5は、第1収容空間35または第2収容空間36に予め収容してあっても良く、しかも、別シート5の取り替えが困難にしてあっても良い。別シート5の取り替えが困難にすることで、別シート5を取り除いてティッシュペーパを使用されることが少なくなり、宣伝効果が増す。
【0035】
あるいは、第2表面シート32と中間シート33との間には、第2収容部と外部とを連通する差込口3cが形成してあり、第2収容空間36には、差込口3cを通して広告または宣伝用の別シート5が外部から取出自在に挿入されてもよい。
【0036】
あるいは、第2表面シート32と中間シート33との間には、第2収容部36と外部とを連通する差込口3cが形成してあり、第1表面シート31と中間シート33との間には、第1収容空間35と第2収容空間36との間を連通する連通隙間3dが形成してあり、差込口3cおよび連通隙間3dを通して、広告または宣伝用の別シート5が第1収容空間35に外部から取出自在に挿入されてもよい。
【0037】
このように、広告または宣伝用の別シート5の取り外しを容易にすることで、別シートの挿入作業および取り替えが容易になる。
【0038】
好ましくは、別シート5には、表面スリットに対応する位置に、ペーパ取出用スリット5a、ペーパ取出用孔5eまたはペーパ取出用隙間33eが形成してある。この場合には、第1収容空間35に収容してあるティッシュペーパ2が、中間スリット33aまたはペーパ取出用スリット5a、ペーパ取出用孔5eまたはペーパ取出用隙間33eおよび表面スリット32aを通して外部に取り出し可能になる。
【0039】
いったんティッシュペーパ2を、ペーパ取出用スリット5aまたはペーパ取出用孔5eを通して取り出した後には、次に取り出すべきティッシュペーパ2が、ペーパ取出用スリット5aまたはペーパ取出用孔5e等に引っかかり、別シート5の取り出しが困難になる。そのため、使用者は、別シート5を収納袋1から取り出すことなく、使い続けることになる。そのため、別シート5の広告または宣伝を見る機会が多くなり、宣伝または広告効果が向上する。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0041】
たとえば、予め別シートを収納袋の中に収納するように製造することにより、差込口および/または連通隙間を塞ぐように、収納袋が形成してあってもよい。
【0042】
また、包装材3の基材は、透明だけでなく、半透明でもよく、さらに色彩が附された透明・半透明でもよい。
【0043】
また、別シートには、広告以外にも、サービス券等や買い物やサービス等に利用できるポイント等が印刷されていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…ティッシュペーパ収納袋
2…ティッシュペーパー
3c…差込口
3d…連通隙間
5…別シート
5a…ペーパ取出用スリット
5e…ペーパ取出用孔
31…第1表面シート
32…第2表面シート
32a…表面ぜい弱線
33…中間シート
33a…中間ぜい弱線
33e…ペーパ取出用隙間
35…第1収容空間
36…第2収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状の第1表面シートと、
前記第1表面シートに対して重ねられ、少なくとも3辺が連続または接合され、前記第1表面シートとの間に積み重ねられたティッシュペーパが収容される第1収容空間が形成される中間シートと、
前記第1表面シートおよび/または中間シートの少なくとも3辺に連続または接合してあり、前記中間シートとの間に第2収容空間が形成される第2表面シートとを有するティッシュペーパ収納袋であって、
前記第2表面シートには、張力を加えることで表面スリットが形成される表面ぜい弱線が形成してあり、前記中間シートには、前記表面ぜい弱線に対応する形で中間スリットとなる中間ぜい弱線または中間スリットまたは取出隙間が形成してあり、
前記第2収容空間または第1収容空間に、広告または宣伝用の別シートが収容してあり、第2表面シートを通して、または第2表面シートおよび中間シートを通して、前記別シートの内容が見えるようになっており、
しかも、前記第1収容空間に収容してあるティッシュペーパが、前記中間スリットまたは取出隙間、および前記表面スリットを通して外部に取り出し可能になっているティッシュペーパ収納袋。
【請求項2】
前記第2表面シートと前記中間シートとの間には、前記第2収容部と外部とを連通する差込口が形成してあり、
前記第2収容空間には、前記差込口を通して広告または宣伝用の別シートが外部から取出自在に挿入される請求項1に記載のティッシュペーパ収納袋。
【請求項3】
前記第2表面シートと前記中間シートとの間には、前記第2収容部と外部とを連通する差込口が形成してあり、
前記第1表面シートと前記中間シートとの間には、前記第1収容空間と前記第2収容空間との間を連通する連通隙間が形成してあり、前記差込口および前記連通隙間を通して、広告または宣伝用の別シートが前記第1収容空間に外部から取出自在に挿入される請求項1に記載のティッシュペーパ収納袋。
【請求項4】
前記別シートには、前記表面スリットに対応する位置に、ペーパ取出用スリット、ペーパ取出用孔またはペーパ取出用隙間が形成してある請求項1〜3のいずれかに記載のティッシュペーパ収納袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−111548(P2012−111548A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264342(P2010−264342)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(510313201)
【Fターム(参考)】