テスター中皿
【課題】店員等がテスター中皿を中皿収容凹部から取り出したり、一連に連結したテスター中皿を分離したりすることが容易で、しかも、これらの作業の際に手指が汚れることがなく、しかも、テスター中皿に収容したテスター用化粧料の色調等を間近でよく観察することができ、しかも、安価で、広いスペースを必要としないテスター中皿を提供する。
【解決手段】上面に、テスター用化粧料3aの化粧皿3を収容する化粧皿収容凹部2が形成され、この収容皿収容凹部2の底壁15に紐挿通凹部4が形成され、この紐挿通凹部4の底壁に、上下に貫通する2つの貫通孔5,6が形成され、上記収容皿収容凹部2に化粧皿3を収容して上記紐挿通凹部4の上面開口を化粧皿3の底面で覆った状態では、上記紐挿通凹部4と両貫通孔5,6とで、紐7を一方の貫通孔5(6)から挿通し紐挿通凹部4を経て他方の貫通孔6(5)から取り出しうる紐挿通孔8が形成されている。
【解決手段】上面に、テスター用化粧料3aの化粧皿3を収容する化粧皿収容凹部2が形成され、この収容皿収容凹部2の底壁15に紐挿通凹部4が形成され、この紐挿通凹部4の底壁に、上下に貫通する2つの貫通孔5,6が形成され、上記収容皿収容凹部2に化粧皿3を収容して上記紐挿通凹部4の上面開口を化粧皿3の底面で覆った状態では、上記紐挿通凹部4と両貫通孔5,6とで、紐7を一方の貫通孔5(6)から挿通し紐挿通凹部4を経て他方の貫通孔6(5)から取り出しうる紐挿通孔8が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスター用化粧料を収容するテスター中皿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーション等の各種の化粧料は、店頭等で実際に顧客が自分の皮膚に塗ってその感触や色調を試してみてから購入することが多いため、完全に包装された商品とは別に、いわゆるテスター用化粧料を用意して店頭等に陳列することがよく行われている。このようなテスター用化粧料を店頭等に陳列する場合には、テスター用化粧料を収容した化粧皿をテスター中皿に収容した状態で、店頭等に設けたテスター台に陳列されるのが一般的である。ところが、上記のテスター用化粧料は、商品と実質的に同じもの(商品と同じ成分で造られたもの)であるため、これを店頭等から持ち去って自宅等で使用する顧客が近年増加している。
【0003】
そこで、上記の盗難を防止するため、テスター中皿を、テスター台に設けた中皿収容凹部の底面に両面テープ等を介して接着,固定したり、左右に並列状に並ぶ複数個のテスター中皿を、左右に隣り合うテスター中皿の側面同士を両面テープ等で強く接着,固定することにより一連に連結したりすることが行われている。また、商品監視装置(商品の側面にICタグを取り付け、店舗の入口等にゲートが立てられているもの)を設けたり、店舗内に設置したミラーや防犯カメラで監視することも行われている。また、図14に示すように、タグ31と、このタグ31に接続される制御手段32と、この制御手段32に接続される警報ブザー33とを備えた盗難防止装置を用い、商品34にタグ31を貼り付けた状態で陳列し、陳列中にタグ31が商品から剥がされると、制御手段32が作動して警報ブザー33が鳴るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−121779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、テスター中皿をテスター台の中皿収容凹部に両面テープ等を介して接着,固定するものでは、陳列後に店員等がテスター中皿を中皿収容凹部から両面テープ等の接着力に抗して取り出す作業が難しい。しかも、テスター中皿や中皿収容凹部の底面に両面テープ等を接着する際に、店員等の手指が両面テープ等の接着剤により汚れやすい。また、複数個のテスター中皿の側面同士を両面テープ等で接着,固定するものでも、上記と同様に、陳列後に店員等が両面テープ等の接着力に抗してテスター中皿同士を引き剥がす作業が難しく、しかも、店員等の手指が両面テープの接着剤により汚れやすい。また、商品監視装置を用いる場合には、ICタグが商品の側面に取り付けられているため、見た目が悪いうえ、この装置が高価である。また、ミラーや防犯カメラで監視する場合には、その店舗は盗難が多い店舗であると消費者に感じさせたり、監視されているようなイメージを消費者が持ったりするため、消費者の購買意欲が減少する。一方、図14に示すような盗難防止装置を用いる場合には、この装置が高価であるうえ、制御手段32等を配設するための広いスペースが必要になる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、店員等がテスター中皿を中皿収容凹部から取り出したり、一連に連結したテスター中皿を分離したりすることが容易で、しかも、これらの作業の際に手指が汚れることがなく、しかも、見た目が悪くなく、消費者の購買意欲が減少することもなく、安価で、広いスペースを必要としないテスター中皿の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のテスター中皿は、上面に、テスター用化粧料の収容皿を収容する収容皿収容凹部が形成され、この収容皿収容凹部の底壁に紐状体挿通凹部が形成され、この紐状体挿通凹部の底壁に所定の間隔を設けて、上下に貫通する2つの貫通孔が形成され、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容して上記紐状体挿通凹部の上面開口を収容皿の底面で覆った状態では、上記紐状体挿通凹部と両貫通孔とで、紐状体を一方の貫通孔から挿通し紐状体挿通凹部を経て他方の貫通孔から取り出しうる紐状体挿通孔が形成されているという構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、本発明のテスター中皿は、その上面に形成された(テスター用化粧料の収容皿を収容する)収容皿収容凹部の底壁に紐状体挿通凹部が形成されているとともに、この紐状体挿通凹部の底壁に2つの貫通孔が形成されており、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容して上記紐状体挿通凹部の上面開口を収容皿の底面で覆った状態では、上記紐状体挿通凹部と両貫通孔とでトンネル状の紐状体挿通孔が形成されている。したがって、この紐状体挿通孔に紐状体を挿通してテスター中皿を陳列台の中皿収容凹部等に固定したり、紐状体で複数のテスター中皿を一連に連結することで、顧客等が店頭等からテスター中皿を持ち去ることを防止できる。しかも、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容した状態では、上記収容皿収容凹部の底壁に形成された紐状体挿通孔が見えず、見栄えがよい。また、上記トンネル状の紐状体挿通孔を形成することで、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容した状態で(すなわち、収容皿をテスター中皿から取り外すことなく)、紐状体挿通孔に紐状体を挿通することができる手軽さがある。しかも、上記陳列台の中皿収容凹部等に固定したテスター中皿を取り出したり、一連に連結した複数のテスター中皿を分離したりする場合には、上記固定や連結の際に結んだ紐状体を解くだけでよく、店員等が簡単に行えるうえ、店員等の手指が汚れない。しかも、紐状体を利用しているため、見た目が悪くなく、安価である。また、化粧料関連品以外の余計なもの(ICタグ,ミラーや防犯カメラ)を用いていないため、(感性をアピールポイントにしている)化粧品のイメージが低下することがなく、消費者の購買意欲を減少させずに販売することができる。しかも、上記固定や連結に広いスペースを必要としない。
【0008】
また、本発明において、上記貫通孔が、上方に向かって先窄まり状に形成されている場合には、上記貫通孔内に紐状体を挿通させやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
【0010】
図1は本発明のテスター中皿の一実施の形態を示している。図において、1はテスター中皿(図2〜図6参照)であり、その上面に平面視略四角形状の化粧皿収容凹部(収容皿収容凹部)2が形成されている。この化粧皿収容凹部2には、その底面に、内部にテスター用化粧料3aを収容する化粧皿(収容皿)3がホットメルト接着剤層もしくは両面テープ(双方とも図示せず)等を介して接着,固定されている。図1〜図6において、11は上記上面の前端縁から垂下する前側壁で、12は上記上面の後端縁から垂下する後側壁で、13は上記上面の左右両側から垂下する左右両側壁(上記化粧皿収容凹部2の左右両側壁)で、14は上記化粧皿収容凹部2の前後両側壁で、16は上記化粧皿収容凹部2の底壁15に形成された棒等挿入用の貫通孔である。
【0011】
上記化粧皿収容凹部2の底壁15には、その左右方向中央部の後端部分に、図7〜図9に示すように、左右に細長く延びる紐挿通凹部(紐状体挿通凹部)4が形成されており、この紐挿通凹部4の底面から、紐挿通凹部4の底壁を上下方向に貫通する左右一対の貫通孔5,6が隣接して形成されている。これら紐挿通凹部4および両貫通孔5,6はそれぞれ、紐(紐状体)7(図10参照)を挿通しうる大きさに形成されており、上記化粧皿収容凹部2に化粧皿3を収容し、上記紐挿通凹部4の上面開口を化粧皿3の底面で覆った状態では、上記紐挿通凹部4と両貫通孔5,6で、上記紐7を挿通しうる左右対称形状のトンネル状紐挿通孔8が形成されている(図1参照)。図7〜図9において、2aは上記両貫通孔5,6を仕切る柱状(板状,棒状等)の仕切り壁である。
【0012】
上記紐挿通凹部4の上面開口は、平面視では、前後両側辺は互いに平行に形成されているとともに、その左右両側辺は半円弧状に形成されている。また、上記両貫通孔5,6の下面開口は、底面視では、前後両側辺は互いに平行に形成されているとともに、右側貫通孔5の右側辺,左側貫通孔6の左側辺は半円弧状に形成されている。そして、上記紐挿通凹部4の左右両側面は、上記両貫通孔5,6の左右両側面に一連につながっており、紐挿通凹部4の右側面と右側貫通孔5の右側面、および紐挿通凹部4の左側面と左側貫通孔6の左側面はそれぞれ、左右方向に、下端から上端に向かって内向き傾斜状に傾斜する傾斜面に形成されている(図8参照)。これにより、上記両貫通孔5,6は、上方に向かって先窄まり形状に形成されている。
【0013】
上記の構成において、上記テスター中皿1をテスター台9の中皿収容凹部9aに陳列する場合には、テスター中皿1の紐挿通孔8および中皿収容凹部9aの底部に設けた2つの穴9bに紐7を通し、その端部同士をテスター台9の下側で結ぶことを行う(図10参照)。また、上記テスター中皿1の紐挿通孔8に紐7を挿通する場合には、上記両貫通孔5,6の一方(例えば、右側貫通孔5)から紐7を挿入すると、この紐7の先端が化粧皿3の底面に当たって左側に折れ曲がり(図1の矢印A参照)、そのまま挿入を続けると、他方の貫通孔(例えば、左側貫通孔6)から出てくるようになる(図1の矢印B参照)。これにより、上記テスター中皿1をテスター台9に取り付けることができ(図11参照)、盗難防止になる。
【0014】
また、複数個のテスター中皿1の紐挿通孔8に1本の紐7を通し、その先端同士を結ぶことにより、各テスター中皿1を一連に連結することができ(図12参照)、これにより、盗難防止になる。
【0015】
また、テスター中皿1の紐挿通孔8を挿通した紐7をテスター台9の中皿収容凹部9aの底面に両面テープ等の接着テープで接着してもよい。
【0016】
このように、上記実施の形態では、テスター台9上に載置されたテスター中皿1を持ち去ろうとしても、持ち去ることができない。しかも、テスター台9の中皿収容凹部9aに固定したテスター中皿1を取り出したり、一連に連結した複数のテスター中皿1を分離したりする場合には、上記固定や連結の際に結んだ紐7を解くだけでよく、店員等が簡単に行えるうえ、店員等の手指が汚れない。しかも、紐7を利用しているため、安価であり、かつ、上記固定や連結に広いスペースを必要としない。しかも、テスター中皿1の化粧皿収容凹部2に化粧皿3を収容した状態では、紐挿通孔8が見えず、見栄えがよい。また、上記化粧皿3をテスター中皿1の化粧皿収容凹部2から取り外すことなく、紐挿通孔8に紐7を挿通することができる。また、化粧料関連品以外の余計なものを用いていないため、化粧品のイメージが低下することがなく、消費者の購買意欲が減少しない。しかも、上記固定や連結に広いスペースを必要としない。
【0017】
なお、図9に示す実施の形態では、テスター中皿1の紐挿通孔8に挿通した紐7をテスター台9の2つの穴9bを利用して固定しているが、これに限定するものではなく、上記紐7をテスター台9の底面に両面テープ等の接着テープ10で接着,固定してもよい(図13参照)。
【0018】
上記実施の形態では、上記紐7として、テグス(ポリエステルもしくはナイロン製で、太さ〔直径〕1mm以下のもの)が用いられているが、各種の材質,太さの紐状体が用いられる。また、上記紐挿通凹部4の右側面,これに対応する右側貫通孔5の右側面の、上記紐挿通凹部4の上面開口に対する傾斜角度α(図8参照)、および紐挿通凹部4の左側面,これに対応する左側貫通孔6の左側面の、上記紐挿通凹部4の上面開口に対する傾斜角度β(図8参照)は、上記実施の形態では、150°程度に設定されているが、好適には、80〜170°の範囲内に設定される。上記傾斜角度α,βが80°を下回る場合には、傾斜が小さすぎて紐7を通しにくく、170°を上回る場合には、一般的なテスター用化粧料3aの化粧皿3から紐挿通孔8がはみ出して見栄えが悪い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のテスター中皿の一実施の形態を示す断面図である
【図2】上記テスター中皿の平面図である。
【図3】上記テスター中皿の正面図である。
【図4】上記テスター中皿の裏面図である。
【図5】上記テスター中皿の断面図である。
【図6】上記テスター中皿の要部の断面図である。
【図7】上記テスター中皿の要部の拡大斜視図である。
【図8】上記テスター中皿の拡大断面図である。
【図9】上記テスター中皿の要部の拡大断面図である。
【図10】上記テスター中皿の使用態様を示す断面図である。
【図11】上記テスター中皿の使用態様を示す斜視図である。
【図12】上記テスター中皿の他の使用態様を示す斜視図である。
【図13】上記テスター中皿のさらに他の使用態様を示す断面図である。
【図14】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
2 化粧皿収容凹部
3 化粧皿
3a テスター用化粧料
4 紐挿通凹部
5,6 貫通孔
7 紐
8 紐挿通孔
15 底壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスター用化粧料を収容するテスター中皿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーション等の各種の化粧料は、店頭等で実際に顧客が自分の皮膚に塗ってその感触や色調を試してみてから購入することが多いため、完全に包装された商品とは別に、いわゆるテスター用化粧料を用意して店頭等に陳列することがよく行われている。このようなテスター用化粧料を店頭等に陳列する場合には、テスター用化粧料を収容した化粧皿をテスター中皿に収容した状態で、店頭等に設けたテスター台に陳列されるのが一般的である。ところが、上記のテスター用化粧料は、商品と実質的に同じもの(商品と同じ成分で造られたもの)であるため、これを店頭等から持ち去って自宅等で使用する顧客が近年増加している。
【0003】
そこで、上記の盗難を防止するため、テスター中皿を、テスター台に設けた中皿収容凹部の底面に両面テープ等を介して接着,固定したり、左右に並列状に並ぶ複数個のテスター中皿を、左右に隣り合うテスター中皿の側面同士を両面テープ等で強く接着,固定することにより一連に連結したりすることが行われている。また、商品監視装置(商品の側面にICタグを取り付け、店舗の入口等にゲートが立てられているもの)を設けたり、店舗内に設置したミラーや防犯カメラで監視することも行われている。また、図14に示すように、タグ31と、このタグ31に接続される制御手段32と、この制御手段32に接続される警報ブザー33とを備えた盗難防止装置を用い、商品34にタグ31を貼り付けた状態で陳列し、陳列中にタグ31が商品から剥がされると、制御手段32が作動して警報ブザー33が鳴るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−121779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように、テスター中皿をテスター台の中皿収容凹部に両面テープ等を介して接着,固定するものでは、陳列後に店員等がテスター中皿を中皿収容凹部から両面テープ等の接着力に抗して取り出す作業が難しい。しかも、テスター中皿や中皿収容凹部の底面に両面テープ等を接着する際に、店員等の手指が両面テープ等の接着剤により汚れやすい。また、複数個のテスター中皿の側面同士を両面テープ等で接着,固定するものでも、上記と同様に、陳列後に店員等が両面テープ等の接着力に抗してテスター中皿同士を引き剥がす作業が難しく、しかも、店員等の手指が両面テープの接着剤により汚れやすい。また、商品監視装置を用いる場合には、ICタグが商品の側面に取り付けられているため、見た目が悪いうえ、この装置が高価である。また、ミラーや防犯カメラで監視する場合には、その店舗は盗難が多い店舗であると消費者に感じさせたり、監視されているようなイメージを消費者が持ったりするため、消費者の購買意欲が減少する。一方、図14に示すような盗難防止装置を用いる場合には、この装置が高価であるうえ、制御手段32等を配設するための広いスペースが必要になる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、店員等がテスター中皿を中皿収容凹部から取り出したり、一連に連結したテスター中皿を分離したりすることが容易で、しかも、これらの作業の際に手指が汚れることがなく、しかも、見た目が悪くなく、消費者の購買意欲が減少することもなく、安価で、広いスペースを必要としないテスター中皿の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のテスター中皿は、上面に、テスター用化粧料の収容皿を収容する収容皿収容凹部が形成され、この収容皿収容凹部の底壁に紐状体挿通凹部が形成され、この紐状体挿通凹部の底壁に所定の間隔を設けて、上下に貫通する2つの貫通孔が形成され、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容して上記紐状体挿通凹部の上面開口を収容皿の底面で覆った状態では、上記紐状体挿通凹部と両貫通孔とで、紐状体を一方の貫通孔から挿通し紐状体挿通凹部を経て他方の貫通孔から取り出しうる紐状体挿通孔が形成されているという構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
すなわち、本発明のテスター中皿は、その上面に形成された(テスター用化粧料の収容皿を収容する)収容皿収容凹部の底壁に紐状体挿通凹部が形成されているとともに、この紐状体挿通凹部の底壁に2つの貫通孔が形成されており、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容して上記紐状体挿通凹部の上面開口を収容皿の底面で覆った状態では、上記紐状体挿通凹部と両貫通孔とでトンネル状の紐状体挿通孔が形成されている。したがって、この紐状体挿通孔に紐状体を挿通してテスター中皿を陳列台の中皿収容凹部等に固定したり、紐状体で複数のテスター中皿を一連に連結することで、顧客等が店頭等からテスター中皿を持ち去ることを防止できる。しかも、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容した状態では、上記収容皿収容凹部の底壁に形成された紐状体挿通孔が見えず、見栄えがよい。また、上記トンネル状の紐状体挿通孔を形成することで、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容した状態で(すなわち、収容皿をテスター中皿から取り外すことなく)、紐状体挿通孔に紐状体を挿通することができる手軽さがある。しかも、上記陳列台の中皿収容凹部等に固定したテスター中皿を取り出したり、一連に連結した複数のテスター中皿を分離したりする場合には、上記固定や連結の際に結んだ紐状体を解くだけでよく、店員等が簡単に行えるうえ、店員等の手指が汚れない。しかも、紐状体を利用しているため、見た目が悪くなく、安価である。また、化粧料関連品以外の余計なもの(ICタグ,ミラーや防犯カメラ)を用いていないため、(感性をアピールポイントにしている)化粧品のイメージが低下することがなく、消費者の購買意欲を減少させずに販売することができる。しかも、上記固定や連結に広いスペースを必要としない。
【0008】
また、本発明において、上記貫通孔が、上方に向かって先窄まり状に形成されている場合には、上記貫通孔内に紐状体を挿通させやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
【0010】
図1は本発明のテスター中皿の一実施の形態を示している。図において、1はテスター中皿(図2〜図6参照)であり、その上面に平面視略四角形状の化粧皿収容凹部(収容皿収容凹部)2が形成されている。この化粧皿収容凹部2には、その底面に、内部にテスター用化粧料3aを収容する化粧皿(収容皿)3がホットメルト接着剤層もしくは両面テープ(双方とも図示せず)等を介して接着,固定されている。図1〜図6において、11は上記上面の前端縁から垂下する前側壁で、12は上記上面の後端縁から垂下する後側壁で、13は上記上面の左右両側から垂下する左右両側壁(上記化粧皿収容凹部2の左右両側壁)で、14は上記化粧皿収容凹部2の前後両側壁で、16は上記化粧皿収容凹部2の底壁15に形成された棒等挿入用の貫通孔である。
【0011】
上記化粧皿収容凹部2の底壁15には、その左右方向中央部の後端部分に、図7〜図9に示すように、左右に細長く延びる紐挿通凹部(紐状体挿通凹部)4が形成されており、この紐挿通凹部4の底面から、紐挿通凹部4の底壁を上下方向に貫通する左右一対の貫通孔5,6が隣接して形成されている。これら紐挿通凹部4および両貫通孔5,6はそれぞれ、紐(紐状体)7(図10参照)を挿通しうる大きさに形成されており、上記化粧皿収容凹部2に化粧皿3を収容し、上記紐挿通凹部4の上面開口を化粧皿3の底面で覆った状態では、上記紐挿通凹部4と両貫通孔5,6で、上記紐7を挿通しうる左右対称形状のトンネル状紐挿通孔8が形成されている(図1参照)。図7〜図9において、2aは上記両貫通孔5,6を仕切る柱状(板状,棒状等)の仕切り壁である。
【0012】
上記紐挿通凹部4の上面開口は、平面視では、前後両側辺は互いに平行に形成されているとともに、その左右両側辺は半円弧状に形成されている。また、上記両貫通孔5,6の下面開口は、底面視では、前後両側辺は互いに平行に形成されているとともに、右側貫通孔5の右側辺,左側貫通孔6の左側辺は半円弧状に形成されている。そして、上記紐挿通凹部4の左右両側面は、上記両貫通孔5,6の左右両側面に一連につながっており、紐挿通凹部4の右側面と右側貫通孔5の右側面、および紐挿通凹部4の左側面と左側貫通孔6の左側面はそれぞれ、左右方向に、下端から上端に向かって内向き傾斜状に傾斜する傾斜面に形成されている(図8参照)。これにより、上記両貫通孔5,6は、上方に向かって先窄まり形状に形成されている。
【0013】
上記の構成において、上記テスター中皿1をテスター台9の中皿収容凹部9aに陳列する場合には、テスター中皿1の紐挿通孔8および中皿収容凹部9aの底部に設けた2つの穴9bに紐7を通し、その端部同士をテスター台9の下側で結ぶことを行う(図10参照)。また、上記テスター中皿1の紐挿通孔8に紐7を挿通する場合には、上記両貫通孔5,6の一方(例えば、右側貫通孔5)から紐7を挿入すると、この紐7の先端が化粧皿3の底面に当たって左側に折れ曲がり(図1の矢印A参照)、そのまま挿入を続けると、他方の貫通孔(例えば、左側貫通孔6)から出てくるようになる(図1の矢印B参照)。これにより、上記テスター中皿1をテスター台9に取り付けることができ(図11参照)、盗難防止になる。
【0014】
また、複数個のテスター中皿1の紐挿通孔8に1本の紐7を通し、その先端同士を結ぶことにより、各テスター中皿1を一連に連結することができ(図12参照)、これにより、盗難防止になる。
【0015】
また、テスター中皿1の紐挿通孔8を挿通した紐7をテスター台9の中皿収容凹部9aの底面に両面テープ等の接着テープで接着してもよい。
【0016】
このように、上記実施の形態では、テスター台9上に載置されたテスター中皿1を持ち去ろうとしても、持ち去ることができない。しかも、テスター台9の中皿収容凹部9aに固定したテスター中皿1を取り出したり、一連に連結した複数のテスター中皿1を分離したりする場合には、上記固定や連結の際に結んだ紐7を解くだけでよく、店員等が簡単に行えるうえ、店員等の手指が汚れない。しかも、紐7を利用しているため、安価であり、かつ、上記固定や連結に広いスペースを必要としない。しかも、テスター中皿1の化粧皿収容凹部2に化粧皿3を収容した状態では、紐挿通孔8が見えず、見栄えがよい。また、上記化粧皿3をテスター中皿1の化粧皿収容凹部2から取り外すことなく、紐挿通孔8に紐7を挿通することができる。また、化粧料関連品以外の余計なものを用いていないため、化粧品のイメージが低下することがなく、消費者の購買意欲が減少しない。しかも、上記固定や連結に広いスペースを必要としない。
【0017】
なお、図9に示す実施の形態では、テスター中皿1の紐挿通孔8に挿通した紐7をテスター台9の2つの穴9bを利用して固定しているが、これに限定するものではなく、上記紐7をテスター台9の底面に両面テープ等の接着テープ10で接着,固定してもよい(図13参照)。
【0018】
上記実施の形態では、上記紐7として、テグス(ポリエステルもしくはナイロン製で、太さ〔直径〕1mm以下のもの)が用いられているが、各種の材質,太さの紐状体が用いられる。また、上記紐挿通凹部4の右側面,これに対応する右側貫通孔5の右側面の、上記紐挿通凹部4の上面開口に対する傾斜角度α(図8参照)、および紐挿通凹部4の左側面,これに対応する左側貫通孔6の左側面の、上記紐挿通凹部4の上面開口に対する傾斜角度β(図8参照)は、上記実施の形態では、150°程度に設定されているが、好適には、80〜170°の範囲内に設定される。上記傾斜角度α,βが80°を下回る場合には、傾斜が小さすぎて紐7を通しにくく、170°を上回る場合には、一般的なテスター用化粧料3aの化粧皿3から紐挿通孔8がはみ出して見栄えが悪い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のテスター中皿の一実施の形態を示す断面図である
【図2】上記テスター中皿の平面図である。
【図3】上記テスター中皿の正面図である。
【図4】上記テスター中皿の裏面図である。
【図5】上記テスター中皿の断面図である。
【図6】上記テスター中皿の要部の断面図である。
【図7】上記テスター中皿の要部の拡大斜視図である。
【図8】上記テスター中皿の拡大断面図である。
【図9】上記テスター中皿の要部の拡大断面図である。
【図10】上記テスター中皿の使用態様を示す断面図である。
【図11】上記テスター中皿の使用態様を示す斜視図である。
【図12】上記テスター中皿の他の使用態様を示す斜視図である。
【図13】上記テスター中皿のさらに他の使用態様を示す断面図である。
【図14】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
2 化粧皿収容凹部
3 化粧皿
3a テスター用化粧料
4 紐挿通凹部
5,6 貫通孔
7 紐
8 紐挿通孔
15 底壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に、テスター用化粧料の収容皿を収容する収容皿収容凹部が形成され、この収容皿収容凹部の底壁に紐状体挿通凹部が形成され、この紐状体挿通凹部の底壁に所定の間隔を設けて、上下に貫通する2つの貫通孔が形成され、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容して上記紐状体挿通凹部の上面開口を収容皿の底面で覆った状態では、上記紐状体挿通凹部と両貫通孔とで、紐状体を一方の貫通孔から挿通し紐状体挿通凹部を経て他方の貫通孔から取り出しうる紐状体挿通孔が形成されていることを特徴とするテスター中皿。
【請求項2】
上記両貫通孔が、上方に向かって先窄まり状に形成されている請求項1記載のテスター中皿。
【請求項3】
上記紐状体挿通凹部の相対向する2つの側面と、これら両側面に対応する上記両貫通孔の側面とが、一連につながる傾斜面に形成され、これら各傾斜面と上記紐状体挿通凹部の上面開口とのなす角度が、80〜170°の範囲内に設定されている請求項1記載のテスター中皿。
【請求項1】
上面に、テスター用化粧料の収容皿を収容する収容皿収容凹部が形成され、この収容皿収容凹部の底壁に紐状体挿通凹部が形成され、この紐状体挿通凹部の底壁に所定の間隔を設けて、上下に貫通する2つの貫通孔が形成され、上記収容皿収容凹部に収容皿を収容して上記紐状体挿通凹部の上面開口を収容皿の底面で覆った状態では、上記紐状体挿通凹部と両貫通孔とで、紐状体を一方の貫通孔から挿通し紐状体挿通凹部を経て他方の貫通孔から取り出しうる紐状体挿通孔が形成されていることを特徴とするテスター中皿。
【請求項2】
上記両貫通孔が、上方に向かって先窄まり状に形成されている請求項1記載のテスター中皿。
【請求項3】
上記紐状体挿通凹部の相対向する2つの側面と、これら両側面に対応する上記両貫通孔の側面とが、一連につながる傾斜面に形成され、これら各傾斜面と上記紐状体挿通凹部の上面開口とのなす角度が、80〜170°の範囲内に設定されている請求項1記載のテスター中皿。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−110154(P2008−110154A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296158(P2006−296158)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【出願人】(504180206)株式会社カネボウ化粧品 (125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【出願人】(504180206)株式会社カネボウ化粧品 (125)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]