説明

テストインジケータ

【課題】測定作業が容易で測定精度の向上を図れるテストインジケータを提供すること。
【解決手段】揺動自在な測定子3と、これと連結する第1のアームと、セクタギアを有する第2のアームと、セクタギアと噛合するピニオンと、このピニオンの回転量を検出するロータリーエンコーダと、本体ケース1に回動可能に支持された表示ユニット4と、検出されるピニオンの回転量を表示ユニット4に表示する演算表示部とを備える。ロータリーエンコーダは、ピニオンと同軸上に設けられたロータとステータとを含む。表示ユニット4の表示方向を視認し易い向きに変えることができ、測定作業が容易化される。また、従来のクラウンギアに相当する部分に、ロータが配置されているので、従来のようなクラウンギア、センターピニオンが不要となり、これらの噛み合い誤差の影響を排除でき、高精度化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テストインジケータに関し、詳しくは、被測定物との接触部を有し、揺動自在に支持された測定子と、先端部に測定子が連結され、基端部にセクタギアが設けられたアームとを備えたテストインジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定子に連結されたアームの揺動量を、てこの原理によって拡大し、指針の回転量として表示するテストインジケータが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなテストインジケータによれば、微かな測定子の揺動量も、指針の大きな変位量として検出することができる。
具体的には、特許文献1に記載のテストインジケータは、図5に示されるように、測定子3と、第1のアーム5と、第2のアーム6と、指針23とを備えている。なお、図5 は、本体ケースやカバー等を省略し、主要部のみを表示する。
【0003】
第1のアーム5には、先端部分に被測定物との接触部31を有する測定子3が連結さ れ、その連結部分に第1の軸部51が設けられ、図示しない本体ケースの軸受部に揺動自在に支持されている。また、図示しない本体ケースには、第1のアーム5の揺動量を拡大する第2のアーム6と、この第2のアーム6の揺動を指針23に伝達するためのピニオン71およびクラウンギア21とが設けられている。
第2のアーム6は、第1のアーム5に隣接して配置され、その中間部分に形成された第2の軸部62で揺動自在に支持されている。また、ピニオン71、クラウンギア21は、一体化されて回転自在に取り付けられている。
【0004】
また、第1のアーム5には、第1の軸部51に対して測定子3とは反対側に、第1のアーム5の揺動に応じて移動する移動面52および移動面53が形成されている。
第2のアーム6には、第1のアーム5に形成された移動面52,53の各々に対応して接触し、かつ第1のアーム5の揺動を第2のアーム6に伝達する伝達ピン63,64が設けられている。さらに、第2のアーム6の端部には、ピニオン71に噛合するセクタギア61が設けられている。
【0005】
このような構造において、測定子3の揺動量を指針23の回転量に変換する機構を以下に説明する。
測定子3が、U方向に揺動すると、第1のアーム5は、第1の軸部51を中心として、図5中、反時計回りに回動し、これに伴い、移動面53が、下方に移動する。この移動面53の下方への移動によって、第2のアーム6の伝達ピン64も、下方に押し下げられ、これに伴い、第2のアーム6は第2の軸部62を中心として、反時計回りに回動する。この際、測定子3のU方向への揺動量よりも、第2のアーム5の伝達ピン64の移動量の方が大きく、さらに、この伝達ピン64の移動量よりもセクタギア61の移動量の方が大きいので、測定子3の揺動量が拡大してセクタギア61の移動量に変換される。
そして、第2のアーム6の反時計回りの回動に伴って、セクタギア61を介して、ピニオン71が時計回りに回転される。さらに、クラウンギア21を介して、指針23と一体で設けられたセンターピニオン22が回転され、回転軸24を介して指針23も回転される。このようにして、測定子3の揺動量が指針23の回転量として表示される。
【0006】
一方、測定子3がD方向に揺動すると、第1のアーム5が第1の軸部51を中心とし て、図5中、時計回りに回動し、今度は、移動面52が上方に移動する。これに伴い、第2のアーム6の伝達ピン63は、上方に押し上げられ、第2のアーム6は第2の軸部62を中心として、測定子3のU方向の揺動と同様に反時計回りに回動する。
すなわち、測定子3の揺動方向によらず、常に指針23の回転は同一方向となるように構成されている。
【0007】
【特許文献1】特開平6−109401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載のテストインジケータは、測定子の揺動量が指針の回転量に機械的に変換される機構を備えているため、表示手段を本体ケースに固定させなければならないという制約があった。通常、被測定物の大きさや形状に応じて、テストインジケータの位置や向きが制限され易く、表示手段が本体ケースに固定されていると、指針の表示が測定者から見えなくなる場合が起き得る。特に、測定者が指針の表示値を視認しながら測定を行う必要がある場合には、測定者が表示値の見える位置に移動しなければならない。
また、従来のテストインジケータでは、表示値にセンターピニオン、クラウンギアによる機械的な誤差が影響し、このような影響を排除して高精度化することも困難だった。
【0009】
本発明の目的は、測定作業が容易にでき、しかも、測定精度の向上を図ることができるテストインジケータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のテストインジケータは、本体ケースと、この本体ケースに揺動自在に支持され、被測定物との接触部を有する測定子と、先端部に測定子が連結され、基端部にセクタギアが設けられたアームと、セクタギアと噛合して測定子の揺動に伴って回転されるピニオンと、このピニオンの回転量を検出するロータリーエンコーダと、表示手段と、ロータリーエンコーダによって検出されるピニオンの回転量を測定子の揺動量に変換して表示手段に表示する制御手段とを備え、ロータリーエンコーダは、ピニオンと同軸上に設けられたロータと、本体ケースにロータと所定の隙間を介して対向配置されたステータとを含むとともに、表示手段が本体ケースに回転可能に支持されることを特徴とする。
【0011】
ここで、ロータリーエンコーダは、ロータの回転量を電気信号に変換して出力可能なものが好ましい。そして、表示手段としては、ロータリーエンコーダから出力された電気信号をデジタル表示可能なものが好ましい。
本発明によれば、測定子の揺動が、アームおよびアームの基端部に設けられたセクタギアを介して、ピニオンの回転に機械的に変換される。このピニオンの回転量をロータリーエンコーダが検出する。そして、制御手段が検出されたピニオンの回転量を測定子の揺動量に変換して、表示手段に表示する。従って、従来のようなピニオンの回転量がクラウンギアおよびセンターピニオンを介して指針の回転量に機械的に変換される機構を備えないので、表示手段を本体ケースに固定しなければならないという制約をなくすことができ る。これによって、表示手段を本体ケースに回転可能に支持させることができ、表示手段の表示方向を可変にすることができ、測定作業を容易化することができる。
【0012】
また、従来のクラウンギアに相当する部分に、ロータが配置されているので、従来のようなクラウンギア、センターピニオンが不要となり、クラウンギア、センターピニオンの噛み合い誤差を排除でき、高精度化が可能となる。
【0013】
本発明のテストインジケータでは、本体ケースには、表示手段用の軸受部が形成され、表示手段は、軸受部に向かって延設され、かつ当該軸受部に回転可能に支持された脚部を有することが好ましい。
【0014】
本発明によれば、本体ケースに軸受部が形成され、この軸受部に表示用ケースの脚部が回転可能に支持されているので、測定の際、表示用ケースだけを回転させて、測定値を視認し易くすることができる。例えば、テストインジケータを被測定物に対してセットした後であっても、表示手段の表示方向を容易に調整することができる。
【0015】
本発明のテストインジケータでは、表示手段の回転軸が、ロータの回転軸と同軸であることが好ましい。
ここで、表示手段は、本体ケースに対して90度以上回転可能であることが好ましい。
【0016】
従来、アームの長手方向に沿って測定子とは反対側を向くように指針の表示が取り付けられた垂直形の機種と、アームの長手方向に直交する方向でかつクラウンギアの回転軸にも直交する向きに指針の表示が取り付けられた縦形の機種(図5に示される機種)との2種類の機種が用いられていたが、測定状態に応じて適当な機種を選定しなければならず、また、そのために2種類の機種を揃えなければならなかった。
これに対して、本発明によれば、表示手段をロータの回転軸周りに回転させることできるので、例えば、表示手段を90度回転させることで、従来の垂直形と縦形との機種の両機能を発揮させることが可能となる。また、180度回転可能に構成すれば、表示方向を反転させることもできる。このようにすれば、測定状態に応じて従来の2種類の機種を揃える必要がなくなり、テストインジケータの利便性が向上される。
【0017】
本発明のテストインジケータでは、表示手段は、表示用ケースと、この表示用ケース内に収納され、かつデジタル表示部を有する表示基板とを備えて構成され、表示基板およびステータは、一体の基板として形成されることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、表示手段の回転軸をロータの回転軸と同軸上に形成し、さらに、表示基板とステータとを一体の基板として形成するので、表示手段を回転させると、表示基板と一体形成されたステータが、ロータの回転軸を中心に回転する。従って、表示手段を回転させても、ステータを常にロータと対向した状態に維持することができ、ステータによってロータの回転量を取得することができる。
また、表示基板とステータとを一体の基板として形成することで、部品点数を削減できる。また、ステータを本体ケースに対して位置決めすれば、表示基板を別途位置決めする必要がなくなり、組み立て作業の効率化が図れる。さらに、ステータで取得されたロータの回転量の情報を、表示手段に伝達する伝達経路が必要となるが、この伝達経路を一体化された基板上に形成することによって、組立時に、伝達経路のための配線等の作業が省けて、組立作業が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のテストインジケータの外観を示す斜視図である。図2および図3は、テストインジケータの使用形態を説明する側面図および平面図である。図4は、テストインジケータの内部構造を部分的に示す斜視図である。
図1に示すように、テストインジケータは、本体ケース1と、カバー2と、本体ケース1に揺動可能に支持される測定子3と、この測定子3の揺動量をデジタル表示する表示手段としての表示ユニット4とを備えている。
【0020】
測定子3は、本体ケース1に形成された挿入穴11から露出した状態で、本体ケース1の一対の軸受部12,13に形成された各軸受部材14によって軸支されている。また、各軸受部材14とは反対側の本体ケース1の端部およびカバー2には、他の一対の表示用軸受部15が形成されている。この一対の表示用軸受部15は、後述するロータ7の回転軸と同軸上に形成されている。
表示ユニット4は、扁平な円盤状に形成され、本体ケース1に回転自在に支持された表示用ケース41と、この表示用ケース41内に収納された表示基板42とから構成され る。表示基板42の基板上には、デジタル表示部43が形成され、表示用ケース41の上面に開口された表示窓44から当該デジタル表示部43が視認可能になっている。表示用ケース41の上面には、デジタル表示部43と並んで、2つのスイッチ54,55が配置されている。2つのスイッチ54,55のうちスイッチ54は、電源オンオフスイッチ、スイッチ55は、ピークホールドスイッチとして機能する。
【0021】
表示用ケース41は、本体ケース1を挟む位置に形成された一対の脚部47を有する。これら一対の脚部47は、本体ケース1およびカバー2にそれぞれ形成された一対の表示用軸受部15に軸支されている。このような構成によって、表示ユニット4は、本体ケース1に対して、表示用軸受部15回りに回転自在になっている。
具体的には、図2に示すように、本体ケース1およびカバー2の測定子3側とは反対側の端部に、それぞれ表示用軸受部15を中心とする円弧状の曲面部19,20が形成されている。これら表示用軸受部15は、本発明の表示手段用の軸受部を構成する。
そして、表示用ケース41のデジタル表示部43が、測定子3のU方向の揺動と同じ方向を向く状態(図中の実線で示す位置)から、本体ケース1に対して測定子3側とは反対方向を向く状態(図中の2点鎖線で示す位置)まで曲面部19,20に沿って移動でき、さらに、測定子3のD方向の揺動と同じ方向を向く状態(図中の2点鎖線で示す位置)まで移動でき、デジタル表示部43の向きを変化させることができる。すなわち、表示用ケース41が本体ケース1に対して、180度の範囲で回転可能に構成されている。
【0022】
また、図3に示すように、本体ケース1には、曲面部19に沿って細長い矩形状の開口16が形成されている。この開口16には、表示基板42と一体で形成され、表示用ケース41の裏面から本体ケース1に向かって突出して設けられた後述するステータ45が挿通されている。開口16は、当該開口16の長手方向に沿って取り付けられた一対の可撓性の隙間部材17,18によって覆われている。これら隙間部材17,18は、ステータ45の回転動作を阻害することなく、ステータ45の挿通部分以外の開口16の開口部分を覆って、本体ケース1の内部に異物が侵入することを防止している。
【0023】
次に、テストインジケータの内部構造について、図4に基づいて説明する。
本体ケース1の内部には、測定子3を連結する第1のアーム5と、この第1のアーム5に対して測定子3とは反対側に隣接され端部にセクタギア61を有する第2のアーム6 と、セクタギア61と噛合するピニオン71と、このピニオン71の回転量を電気信号として検出可能なロータリーエンコーダ8とが収納されている。このうち、第1のアーム 5、第2のアーム6は、本発明のアームを構成する。なお、測定子3、第1のアーム5、第2のアーム6については、従来例と同様の構成であり、かつ、同様の動作をするものであり、これらの詳細な説明は省略する。
【0024】
本実施形態における従来例との相違点は、従来例では、ピニオン71と一体形成されたクラウンギアおよびセンターピニオンが配置されていたのに対して、本実施形態では、クラウンギアおよびセンターピニオンの代わりにロータリーエンコーダ8が配置されている点である。
このロータリーエンコーダ8は、一対のロータ7およびステータ45を含んで構成されており、ロータ7の一回転以内の絶対角度を検出するABS(アブソリュート)型ロータリーエンコーダである。
【0025】
ロータ7は、ピニオン71と一体化され、本体ケース1に軸支されている。また、ロータ7は、小円板状に形成され、第2のアーム6のセクタギア61によってピニオン71を介して回転可能に構成されている。
ステータ45は、前述した表示ユニット4の表示基板42と一体の基板として形成されている。すなわち、ステータ45および表示基板42は、互いに直交して形成され、全体略T字形の断面形状を有する。また、ステータ45は、ロータ7と所定の隙間を有して当該ロータ7に対向する位置に配置されており、本体ケース1に対して表示基板42とともにロータ7の回転軸を中心に回転自在に構成されている。
【0026】
これらのロータ7およびステータ45の互いに対向する各面には、ロータ7の回転位置を検出するための図示しないパターンがそれぞれ形成され、これらのパターンによって、ステータ45は、ロータ7の一回転につき一周期の変化を示す位相信号を出力する。そして、ロータ7は測定子3の揺動に応じて回転するので、ステータ45から出力される位相信号は、測定子3の一揺動によって一周期の変化を示すようになっている。なお、図4中では、見易いようにロータ7とステータ45とのギャップを広くして描いている。
【0027】
このような構成において、測定子3の接触部31を被測定体に当接させて、測定子3が被測定体の表面形状に応じて揺動すると、測定子3の揺動が、第1,第2のアーム5,6およびセクタギア61を介して、ピニオン71の回転に機械的に変換される。そして、ピニオン71回転量がロータリーエンコーダ8で検出され、検出された電気信号に基づいて測定子3の揺動量が、制御手段としての図示しない演算制御部によって、表示基板42のデジタル表示部43に表示される。
【0028】
また、表示ユニット4を回転させると、表示基板42と一体形成されたステータ45 が、ロータ7の回転軸を中心に回転されるので、ステータ45が常にロータ7と対向した状態を維持することができる。このようにして、表示ユニット4の表示方向に関らず、ロータリーエンコーダ8によって、ピニオン71の回転量が検出され、表示ユニット4によって測定子3の揺動量が表示される。
【0029】
従って、本実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)測定子3の揺動量が、ピニオン71の回転量に機械的に変換された後、このピニオン71の回転量をロータリーエンコーダ8が検出するので、従来のようなピニオンの回転量がクラウンギアおよびセンターピニオンを介して指針の回転量に機械的に変換される機構を備えず、表示ユニット4を本体ケース1に固定しなければならないという制約をなくすことができる。従って、表示ユニット4の表示方向を可変にすることができ、測定作業を容易化することができる。
具体的には、本体ケース1に表示用軸受部15が形成され、この表示用軸受部15に表示用ケース41の脚部47が回転可能に支持されているので、測定の際、表示用ケース41だけを回転させて、測定値を視認し易くすることができる。例えば、テストインジケータを被測定物に対してセットした後であっても、表示ユニット4の表示方向を容易に調整することができる。
【0030】
(2)従来のクラウンギアに相当する部分に、ロータ7が配置されているので、従来のようなクラウンギア、センターピニオンが不要となり、クラウンギア、センターピニオンの噛み合い誤差の影響を排除でき、高精度化が可能となる。
【0031】
(3)表示ユニット4をロータ7の回転軸周りに180度回転させることできるので、従来の縦形の機種と、垂直形の機種との両方の機能を備えることが可能となる。すなわち、表示ユニット4を90度回転可能に構成すれば、縦形の状態から、垂直形の状態に変えることができ、さらに、90度回転可能に構成すれば、表示方向を反転させることもでき る。このようにすれば、測定状態に応じて複数の機種を揃える必要がなくなり、テストインジケータの利便性を向上させることができる。
【0032】
(4)表示基板42とステータ45とが、一体の基板として形成されているので、部品点数を削減することができる。また、ステータ45を本体ケース1に対して位置決めすれ ば、表示基板42を別途位置決めする必要がなくなり、組み立て作業の効率化が図れる。さらに、ステータ45で検出された電気信号を表示基板42まで伝達するための伝達経路を一体化された基板上に形成することができ、組立時に、伝達経路のための配線等の作業を省くことができ、組立作業が簡単になる。
【0033】
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、第1のアーム5および第2のアーム6から本発明のアームが構成されると説明したが、これに限らず、アームが単数で構成されていてもよく、本発明のアームとしては、少なくとも、先端部に測定子が連結され、基端部にセクタギアが設けられたものであればよい。
また、前記実施形態では、表示用ケース41が本体ケース1に対して180度の範囲で回転可能に構成されていると説明したが、これに限らず、180度以上の範囲で回転可能でもよく、あるいは、180度以下の範囲で回転可能でもよい。
なお、表示ユニット4の支持方法としては、前記実施形態の支持方法に限るものではなく、例えば、従来の縦形の機種と横形の機種との両形態に表示ユニットを回転可能とするものでもよく、または、従来の横形の機種と垂直形の機種との両形態に表示ユニットを回転可能とするものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、被測定物との接触部を有し、揺動自在に支持された測定子と、先端部に測定子が連結されたアームを備えた、てこ式ダイヤルゲージ等のテストインジケータに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係るテストインジケータを示す斜視図。
【図2】前記テストインジケータの使用形態を説明する側面図。
【図3】前記テストインジケータの使用形態を説明する平面図。
【図4】前記テストインジケータの内部構成を示す斜視図。
【図5】従来例のテストインジケータを示す斜視図。
【符号の説明】
【0036】
1…本体ケース
3…測定子
4…表示ユニット(表示手段)
5…第1のアーム
6…第2のアーム
7…ロータ
8…ロータリーエンコーダ
15…表示用軸受部(軸受部)
31…接触部
41…表示用ケース
42…表示基板
43…デジタル表示部
45…ステータ
47…脚部
61…セクタギア
71…ピニオン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、
この本体ケースに揺動自在に支持され、被測定物との接触部を有する測定子と、
先端部に前記測定子が連結され、基端部にセクタギアが設けられたアームと、
前記セクタギアと噛合して前記測定子の揺動に伴って回転されるピニオンと、
このピニオンの回転量を検出するロータリーエンコーダと、
表示手段と、
前記ロータリーエンコーダによって検出される前記ピニオンの回転量を前記測定子の揺動量に変換して前記表示手段に表示する制御手段とを備え、
前記ロータリーエンコーダは、前記ピニオンと同軸上に設けられたロータと、前記本体ケースに前記ロータと所定の隙間を介して対向配置されたステータとを含むとともに、
前記表示手段が前記本体ケースに回転可能に支持されることを特徴とするテストインジケータ。
【請求項2】
請求項1に記載のテストインジケータにおいて、
前記本体ケースには、前記表示手段用の軸受部が形成され、
前記表示手段は、前記軸受部に向かって延設され、かつ当該軸受部に回転可能に支持された脚部を有することを特徴とするテストインジケータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のテストインジケータにおいて、
前記表示手段の回転軸が、前記ロータの回転軸と同軸であることを特徴とするテストインジケータ。
【請求項4】
請求項3に記載のテストインジケータにおいて、
前記表示手段は、表示用ケースと、この表示用ケース内に収納され、かつデジタル表示部を有する表示基板とを備えて構成され、
前記表示基板および前記ステータは、一体の基板として形成されることを特徴とするテストインジケータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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