説明

テルペングリコシド及びテルペングリコシドを含有する組成物を含有する植物材料からジュースを抽出するための方法

テルペングリコシドを含有する植物材料からジュースを抽出するための方法であって、テルペングリコシドを含む植物材料を破砕する工程、酸性にした水の中でこの破砕植物材料をブランチングしてピューレを得る工程であって、このピューレがジュース抽出物及び植物固形残留物を含む工程、ジュース抽出物を植物固形残留物から分離する工程、酵素をジュース抽出物と混合する工程;並びにジュース抽出物を分離して甘いジュースを得る工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テルペングリコシドを含有する植物材料からジュースを抽出するための方法、並びに食品、飲料、及びヘルスケア組成物中でのこのジュースの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の健康に関心の高い消費者は、味を犠牲にせずに彼らの食事からカロリーを削減する方法を常に捜している。結果として、多くのより低カロリーの食品及び飲料製品が開発されてきた。これらの製品は、製品中の砂糖の幾らかをアスパルテームのような人工甘味料で置き換えているため、消費者により少ないカロリーを提供することができる。しかしながら、これらのより低カロリーの製品は、人工甘味料の摂取を制限したいと望む多くの消費者にとっては依然として受け入れ難い。
【0003】
テルペングリコシドと呼ばれる、ある種の天然起源の化合物は無カロリーであり、及び極度に甘いことが発見されている。これは、テルペングリコシドを含有するある種の植物組成物は、消費者が現在利用できる製品の、低糖及び低カロリーの代替物を供給するために、食品、飲料、及びヘルスケア製品中に用いられてもよいということを意味する、非常に興味深い成果である。
【0004】
テルペングリコシドは、多様な草木及び植物供給源の中に存在する。テルペングリコシドの1つの優れた供給源は、ウリ科の特定部分であり、特に羅漢果の果実、さもなければシライチア・グロスベノリイ(Siraitia grosvenorii)として既知のものである。
【0005】
羅漢果の果実は、中国南部に見出されるS・グロスベノリイ(S. grosvenorii)植物により生産される。成熟した新鮮な果実は、好ましい果香及び極度に甘いフレーバーを有する。処理せずに数週間放置される場合、新鮮な果実は悪くなる。羅漢果は、モグロシドと呼ばれるトリテルペングリコシドを含有し、これは果実に極度な甘さを付与する。具体的には、羅漢果は、モグロシドIV及びV、11−オキソモグロシドV及びシアメノシドIを含有することが見出されている。精製状態では、これらの化合物は、スクロースよりおよそ200〜400倍強い甘さの効力を有する(乾燥固形物基準)。例えば、羅漢果の果実中の極度に甘い主要構成成分である、モグロシドVは、スクロースの約250倍の甘さの効力を有する。
【0006】
伝統的に、羅漢果の果実は、煙の上でゆっくりと乾燥され、及び使用されるまで乾燥状態で保存される。あるいは、ジュースは蓋なしのケトルの中で濃縮されて、キャンディ様の生成物を生成してもよい。乾燥方法は、果実を保存し及び新鮮な果実フレーバーの大部分を除去する。乾燥はまた、苦い及び渋い不快臭の形成を生じさせ、並びに果実及び果実から製造された抽出物に黒ずんだ色を付与する場合がある。これらの不快臭及び色は、多くの場合、薄い茶及びスープ、並びに砂糖、ハチミツなどが添加される製品の調製に、乾燥果実及び乾燥果実抽出物を使用することを妨げる又は制限する。
【0007】
その上、羅漢果は、極度の甘さのために新鮮な果実として消費されることはほとんどない。新鮮なジュースは、その不安定性及び急速に発現し得る、結果として生じる不快臭のためにほとんど用いられない。そのジュースを収集するために果実を破砕する際に、不愉快な野菜臭及び不快臭が一般に生じる。さらに、羅漢果の果実の新鮮なジュースは、約6の天然のpHを有し、並びに時間と共に褐色になり及び発酵する糖類を含有する。また、果実中に存在するペクチンは、放置時にゲル化する場合もある。
【0008】
さらに、羅漢果の果実は、皮、種、及びジュースの間の反応の結果として生じる不快臭の形成を防ぐために、使用前に一般に皮を剥き種を取り除かなければならない。果実の皮を剥き種を取り除くことはさらなる時間を取るだけでなく、それはまた調製方法に費用を付け加えることにもなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、テルペングリコシドを含有する植物材料から製造される甘いジュース、ジュース濃縮物、及び乾燥ジュース製品を製造するための改善された方法であって、こうした植物材料を処理することに、もともと付随する前述の問題を克服する、特に使用前に羅漢果の果実の皮を剥き種を取り除く必要性を克服する方法を提供することへの要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様では、本発明は、テルペングリコシドを含有する破砕植物材料からジュースを抽出するための方法に関し、この方法は:
a)テルペングリコシドを含む植物材料を破砕する工程;
b)酸性にした水の中でこの破砕植物材料をブランチングしてピューレを得る工程であって、このピューレがジュース抽出物及び植物固形残留物を含む工程;
c)ジュース抽出物を植物固形残留物から分離する工程;
d)酵素をジュース抽出物と混合する工程;並びに
e)工程(d)由来のジュース抽出物を分離して甘いジュースを得る工程を含む。
【0011】
別の態様では、本発明は、テルペングリコシドを含有する破砕植物材料からジュースを抽出するための方法に関し、この方法は:
a)テルペングリコシドを含む植物材料を破砕する工程;
b)酸性にした水の中でこの破砕植物材料をブランチングしてピューレを得る工程であって、このピューレが第1ジュース抽出物及び第1植物固形残留物を含む工程;
c)第1ジュース抽出物を第1植物固形残留物から分離する工程;
d)ペクチナーゼを第1ジュース抽出物及び第1植物固形残留物と混合する工程;
e)ペクチナーゼを含む第1植物固形残留物を分離して、さらなるジュース抽出物及びさらなる植物固形残留物を得る工程;
f)第1及びさらなるジュース抽出物を組み合わせる工程;並びに
g)工程(f)由来のジュース抽出物を分離して甘いジュースを得る工程を含む。
【0012】
本発明の別の態様では、植物材料は好ましくは羅漢果の果実を含む。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は、本明細書に開示される方法により製造される甘いジュースを含む食品、飲料、ヘルスケア組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
A.定義
本明細書で使用する時、用語「ブランチング」は、破砕植物材料又は果実を、植物材料中の内因性酵素を不活性化するいずれかの手段により加熱する手段を意味する。本明細書に開示されるブランチングの好ましい手段には、果実を温水(約85℃(185°F)を超える)に浸漬する又は果実を水蒸気と接触させることが挙げられる。
【0015】
本明細書で使用する時、用語「含む」は、様々な構成要素が、本発明の方法及び組成物の中に共に使用され得ることを意味する。それ故に、用語「から本質的に成る」及び「から成る」は、含むという用語に包含される。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「破砕する」及び「すりつぶす」は、植物材料又は果実を粉砕するいずれかの手段を表すために本明細書において同義的に用いられる。
【0017】
本明細書で使用する時、用語「酵素」は、植物材料又は果実から抽出されるべき甘いモグロシドを実質的に分解しない酵素又は酵素の組み合わせを表すために用いられる。こうした酵素には、ペクチナーゼ、アミラーゼ、又は多酵素から成る組み合わせ(例えば、ペクチナーゼ、セルラーゼ、グリコシダーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。ペクチナーゼが好ましくは本明細書で使用される。
【0018】
本明細書で使用する時、用語「ジュース」又は「甘いジュース」は、本発明の方法の最終分離後に得られる液体を表すために同義的に用いられる。甘いジュースは、食品、飲料、又はヘルスケア組成物中に直ちに用いられてもよいし、あるいは甘いジュースは、濃縮又は乾燥などによりさらに処理されてもよい。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「ジュース抽出物」は、ピューレの分離から得られる、より液体の部分を表すために用いられる。「ジュース抽出物」は、第1抽出物にも、並びに本明細書に記載されるように、植物固形残留物を酵素及び/又は水と混合し、続いて分離するプロセスを繰り返すことにより得られるいずれのさらなる抽出物にも等しく適用される。用語「ジュース抽出物」は、第1抽出物だけに限定されず、抽出プロセスを繰り返す結果として生じるあらゆるさらなる抽出物を包含することを、理解するべきである。例えば、「ジュース抽出物」は、酵素及び/又は水を植物固形残留物と混合し、続いて分離することにより得られる第2、第3、第4などのジュース抽出物を包含する。しかしながら、用語「ジュース抽出物」に、例えば「第1」がその前に付いている場合には、「第1ジュース抽出物」は、第1抽出物を特に指すことを理解するべきである。同様に、用語「さらなるジュース抽出物(類)」は、第1以外のあらゆるジュース抽出物を意味するために本明細書で用いられてもよいことに注意するべきである。それ故に、用語「ジュース抽出物」は、特に指示がない限り、単一又は第1抽出物にも、並びに植物固形残留物の繰り返し処理から得られる複数の抽出物を溜めた結果として生じる、組み合わされた抽出物にも等しく適用される。
【0020】
本明細書で使用する時、用語「酸素を制限された」は、その中に通常量未満の酸素が存在する、改質された空気を意味する。これは、不活性ガス(例えば、窒素、二酸化炭素、又は他のもの)の遅い流れを、すりつぶされた果実を覆うように吹き出して、より低い酸素含有量を提供し、ひいては、不快臭を生成する酵素反応を遅くさせることにより実現されてもよい。
【0021】
本明細書で使用する時、用語「植物材料」及び「果実」は、ブランチング前の植物材料又は果実をあらわすために同義的に用いられる。植物材料又は果実は、いずれかの内側の果肉、皮、種、及び/又は存在する場合がある軟らかい果肉から成る。
【0022】
本明細書で使用する時、用語「植物固形残留物」は、ピューレの分離から得られる、より固形物の部分を表すために用いられる。植物固形残留物は、破砕された皮、種、及び/又は果実の中に存在する軟らかい果肉の大部分を含有する。さらに「植物固形残留物」は、第1残留物にも、並びに本明細書に記載される、酵素及び/又は水と混合する並びに分離するプロセスにより得られるいずれのさらなる植物固形残留物にも適用される。用語「植物固形残留物」は、第1残留物だけに限定されず、抽出プロセスを繰り返す結果として生じるあらゆるさらなる残留物を包含することを、理解するべきである。しかしながら、用語「植物固形残留物」に、例えば「第1」がその前に付いている場合には、「第1植物固形残留物」は、第1残留物を特に指すことを理解するべきである。同様に、用語「さらなる植物固形残留物(類)」は、第1以外のあらゆる植物固形残留物を意味するために本明細書で用いられてもよいことに注意するべきである。したがって、「植物固形残留物」は、特に指示がない限り、植物材料の初めの分離により得られる、又は酵素及び/若しくは水と植物固形残留物を混合し、続いて分離することによる、第1、第2、第3、第4などの植物固形残留物を包含してもよい。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「ピューレ」は、破砕及びブランチング後ではあるが、分離前の植物材料又は果実を表すために用いられる。ピューレは、破砕された、ブランチングされた内側の果肉、皮、種、軟らかい果肉、又はそれらの組み合わせから成る群から選択される要素を含む。ピューレは好ましくは皮及び種を含む。
【0024】
本明細書で使用する時、用語「分離する」及び「分離」は、液体から不溶性物質を分離するために、次のもの:ジュース抽出物及び植物固形残留物を得るためにピューレ;さらなるジュース抽出物を得るために、添加された酵素及び/又は水を有する植物固形残留物;又は甘いジュースを得るために最終のジュース抽出物の内のいずれかを処理するいずれかの手段を表すために同義的に用いられる。当業者に既知のいずれの好適な方法も受け入れられるが、その内の濾過、遠心分離、デカンテーション、及びそれらの組み合わせが好ましい。
【0025】
指示のない限り、本明細書の割合、比率、及び百分率は、すべて重量基準である。
【0026】
B.方法
本発明は、テルペングリコシドを含有する植物材料からジュースを抽出するための方法、及び食品、飲料、又はヘルスケア組成物中でのそのジュースの使用に関する。
【0027】
1.植物材料の選択
モグロシドVのようなテルペングリコシドを含有する、既存の幾つかの草木又は植物供給源がある。テルペングリコシドの最も一般的な供給源は、ウリ科、即ちジョリフィア(Jollifieae)族、スラジアンシナ(Thladianthinae)亜族、シライチア(Siraitia)属からの植物である。ウリ科の中で特に好ましいのは、S・グロスベノリイ(S. grosvenorii)、S・シアメンシス(S. siamensis)、S・シロマラジア(S.silomaradjae)、S・シッキメンシス(S. sikkimensis)、S・シライチア(S. siraitia)、S・ボーニーンシス(S. borneensis)、及びS・タイワニアナ(S. taiwaniana)属/種である。ウリ科の最も好ましい果実は、S・グロスベノリイ(S. grosvenorii)であり、これは羅漢果(luo han guo 又は luo han kuo)として一般に称される。本明細書に記載される方法及び組成物は、具体的に羅漢果に言及することが多いが、こうした方法及び組成物はそれに限定されないことが理解される。実際に、テルペングリコシド、及び特に、甘いトリテルペングリコシド又はモグロシドを含有するいずれの草木又は植物材料も、本明細書に用いるために受け入れることができる。
【0028】
2.植物材料の破砕
最も好ましくは羅漢果の果実である、新鮮な植物材料が選別されて、腐った果実を除去/回避し、保存され及び処理されて、甘さが高度であり、並びに不快臭及び臭気が低度であるジュースを提供する。現在の方法のもとでは、植物材料の外側の皮を内側の果肉から分離することは不必要である。また、種又は軟らかい果肉を処理前に除去することも必要でない。これらの態様は、以下に詳しく述べられる。
【0029】
典型的には、羅漢果の果実は、僅かに成熟前の状態で摘み取られ、及び保存中に成熟させられる。あるいは、果実はつる上で完全に熟されてもよい。成熟の最終段階の間に、幾らかの水分が果実から失われ、並びに内側の果実の僅かな収縮及び外側の皮からの分離がある。また、甘さの程度は増加する。成熟前の果実はより堅く、より甘くない傾向があり、及びより苦い場合がある。ショウジョウバエの幼虫のような昆虫によって感染された成熟した果実は、急速に腐り、除去及び廃棄されなくてはならない。農業従事者により生産された果実の多くの部分は、中央処理施設に集められ、そこでは次に果実が手又は機械により好ましくは選別されて、部分的に又は全体的に腐った果実、破損した果実、又は昆虫により損傷された果実のすべてが除去される。成熟した果実は処理のために選択されるが、一方半成熟の果実は、処理前に完全に成熟させるためにさらなる期間、処理プラント内に保存される。
【0030】
次に果実は典型的には、好ましくは消毒剤溶液を用いて、完全に洗浄されてすべての付着した汚れが除去される。洗浄は、果実を流水桶の中に漬け、果実を水から分離し、及び果実を噴霧洗浄することにより達成されてもよい。果実はまた、それらがローラー型コンベヤーに沿って移動する時に、強い水噴霧により処理されることができる。洗浄水は、塩素(約5ppm〜約20ppm)又はペルオキシ酢酸のような他の消毒剤を含有してもよい。
【0031】
洗浄及び選別された果実は典型的には、例えば、ピンミルを用いて破砕することにより抽出のための準備をする。以前のテルペングリコシド抽出方法と異なり、破砕する又はすりつぶす前に、果実の皮を剥く又は種を取る必要はない。典型的には、ジュースと皮の接触の結果として生じる不快臭の形成を防ぐために、皮を剥くことが行われた。皮を剥く及び種を取ることのこの必要性については、米国特許第5,411,755号(ダウントン(Downton)ら、1995年5月2日発行)の第3欄50〜60行に論じられている。しかしながら、本発明者達は、驚くべきことに、本明細書に開示される処理方法を使用する場合、不快臭の形成を防ぐためにこれらの工程はもはや必要なく、ひいては果実全体が用いられてもよいことを発見した。
【0032】
任意ではあるが、好ましくは、果実は、酸素を制限された空気中で破砕される。リンゴ、ジャガイモ、及びその他の柔らかい果実及び野菜を破砕するために用いられる機器を、果実の芯を粉砕するために用いることができ、その結果、種の崩壊は最小限である。すりつぶす装置の1つの種類である、ラッツ・ミュール(Ratz Muhle)(ドイツ、ホルブのラウファー社(Lauffer Company)により製造)は、果実をすりつぶしてマッシュにし;ハンマー・ミル、又はピンミル(例えば、フィッツミル(Fitzmill)(登録商標)、イリノイ州エルムハーストのフィッツパトリック社(Fitzpatrick Company)により製造)は、果実を細かく砕くために用いられ得る。
【0033】
果実を破砕するための他の一般的装置には、1)水圧式リンゴ絞り器、2)空気圧式ジュース絞り器、3)連続スクリュー型絞り器、4)連続プレート絞り器、5)半連続プレート絞り器、6)水平バスケット絞り器、8)ふるい分け遠心分離器、7)ラック及び布絞り器(rack and cloth press)、及び9)連続ベルト絞り器が挙げられるが、これらに限定されない。ジュースを絞る方法は、ネルソン(Nelson)らの、果実及び野菜のジュース処理技術(Fruit and Vegetable Juice Processing Technology)アヴィ出版社(AVI Publishing Co.)、216〜229ページ(1980年)に記載されている。
【0034】
すりつぶす方法から生じる時、破砕果実は、内側の果肉、皮、種、軟らかい果肉、及びそれらの混合物のような要素を含有してもよい。
【0035】
3.破砕植物材料のブランチング
いったん破砕されたら、内側の果肉、皮、種、及び軟らかい果肉を包含する果実はブランチングされる。ブランチングは、主として、果実の中に見出される内因性酵素を不活性化するために行われ、幾つかの方法で実行され得る。果実をブランチングする1つの方法は、水によるブランチングである。水によるブランチングは、破砕直後に果実のマッシュを、約85℃(約185°F)を超える温度の温水の中にしっかりと漬け込み、及びその温度で少なくとも約25分間、好ましくは約25〜約50分間それを保持することから成る。
【0036】
本明細書に用いるのに好適なブランチングの別の方法は、水蒸気によるブランチングである。水蒸気によるブランチングは、新しく破砕された果実のマッシュを、それが水蒸気室内の連続ベルト上を移動する間に水蒸気処理することを含む。水蒸気処理中の果実マッシュの温度は、好ましくは約85℃(約185°F)を超え、及び水蒸熱処理は、少なくとも約25分間、好ましくは約25〜約50分間連続する。
【0037】
ブランチングのどちらの方法も本明細書に用いるのに好適であるが、水によるブランチングが好ましい。
【0038】
羅漢果の果実は、果実内の天然の脂質を、野菜/豆臭及び不快臭に寄与する揮発性化合物に急速に酸化する、活性リポキシゲナーゼ酵素系を有する。破砕直後の果実マッシュのブランチングは、リポキシゲナーゼ及びその他の内因性酵素(例えば、プロテアーゼ)を有効に不活性化し、それによって不快臭の形成を最小にする。ブランチングはまた、酵素が触媒する不快臭を発生させることなしに植物固形残留物の複数回の抽出を可能にし、これは抽出収量を著しく増加させる。
【0039】
さらに、本発明者達は、驚くべきことに、破砕果実を酸性条件でブランチングすると、皮、ジュース、及び種の相互作用に典型的に付随する不快臭形成の防止に役立つことを発見した。この面白い発見により、果実全体を処理することが可能になり、処理前に果実の皮を剥き及び種を取り除くという余分の工程の必要性を排除する。好ましくは、果実は酸性条件下でブランチングされ、その際ブランチングの水のpHは、約5未満、より好ましくは約3.5〜約4.5、及び最も好ましくは約3.8〜約4.2である。
【0040】
方法のこの部分に用いるのに好適な酸には、多様な有機及び無機の酸が挙げられる。好ましくは、酸はクエン酸、リンゴ酸、又はそれらの組み合わせである。
【0041】
ブランチングの水のpHは、定期的に検査され、及び目標とするpH範囲にクエン酸の溶液により調節されてもよい。水蒸気処理中は、水蒸気ベルトからの濃縮物が収集されてもよく、及びpHは約5未満、より好ましくは約3.5〜約4.5、及び最も好ましくは約3.8〜約4.2に、例えばクエン酸により調節されてもよい。
【0042】
前述のように、ブランチング温度は、好ましくは少なくとも約85℃、より好ましくは少なくとも約90℃、及び最も好ましくは約95℃〜約100℃である。ブランチング時間は、植物材料中の内因性酵素を実質的に不活性化するために少なくとも十分である。ブランチング時間は、少なくとも25分間、好ましくは約25分〜約50分間である。
【0043】
破砕植物材料のブランチングから結果として生じるピューレは、請求の範囲に記載されている発明の残りの処理工程を直ちに受けることもできるし、又はある期間冷蔵又は冷凍されて保存され、その後残りの処理工程を受けて、後に甘いジュースをもたらすこともできる。植物材料又は果実の部分的な処理(ブランチング工程による)、それに続く部分的に処理されたピューレの冷蔵又は冷凍保存は、新鮮な果実の熟し過ぎ及び/又は損傷の結果として生じる収穫後の損失を最小にするために、収穫期の盛りの間に有利である可能性がある。
【0044】
4.ブランチングされた植物材料の分離
果実のブランチングが完了した後、結果として生じるピューレは、皮、種、及び/又は軟らかい果肉をまだ含有している場合があるが、次に分離されて、ジュース抽出物及び植物固形残留物を得ることができる。
【0045】
ピューレをジュース抽出物及び植物固形残留物に分離するために多くの分離方法が利用可能である。しかしながら、ピューレを分離するための好ましい方法には、これらに限定されないが、濾過、遠心分離、デカンテーション、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
a.濾過
濾過は、ジュース抽出物を植物固形残留物から本質的に分離する1以上の方法により実現することができる。例えば、プレートフィルター、水平及び垂直の両方、及びフィルターのドラムが回転する時、植物固形残留物を除去するプロクターブレード(procter blade)を装備する回転フィルターを用いてもよい。再抽出のために植物固形残留物の容易な除去を可能にするフィルターが好ましい。
【0047】
b.遠心分離
遠心分離は、バッチ又は連続モードのいずれかで適用できる。バスケット型遠心分離器を、バッチモードの適用のために用いることができる。バスケット型遠心分離器を用いる場合、ジュース抽出物はピューレから遠心力のために除去され、及び植物固形残留物は、回転バスケットの中に残される。実行の終わりにバスケットが取り外され、及び植物固形残留物は抽出タンクに、その後の酵素による抽出のために移される。この再抽出プロセスは、以下により詳細に説明される。
【0048】
デカンター型遠心分離器は、通常連続モードにおいて適用される。デカンター型遠心分離器を用いる場合、果実のスラリー又はピューレが、デカンター型遠心分離器に供給され、及び澄んだジュース抽出物がデカンターから除去される。植物固形残留物は、逆運転(back drive)により除去され、及び再抽出の目的のために容易に利用可能である。デカンテーションは、ブランチングされた果実のピューレがデカンターの中に注ぎ込まれ、及び第1のジュース抽出物が植物固形残留物から分離される連続プロセスには特に従いやすい。次に植物固形残留物は、再抽出及び再デカンテーションされる。この単位操作は、再抽出された果実のスラリーの数回の流れを処理するために、必要量の時間の間、連続することができる。
【0049】
c.デカンテーション
バスケット型又はデカンター型遠心分離器のない場合には、ジュース抽出物の植物固形残留物からの分離手段として、単にデカンテーションを使用することができる。デカンテーションを用いる場合、ジュース抽出物は、抽出槽を傾け及び植物固形物がそれを超えて流れ出さないダムを築くことによりデカンテーションされてもよい。好ましくは、ジュース抽出物は、植物固形残留物がジュース抽出物を含まなくなるまで、重力下で吸い上げられてもよい。この単位操作は、ジュース抽出物の高度な除去を確実にするために繰り返すことができる。しかしながら、ジュース抽出物除去の遠心分離器による方法が好ましい。
【0050】
分離後、結果として生じるジュース抽出物及び植物固形残留物は、必要であれば、約35℃〜約65℃、好ましくは約40℃〜約60℃、及び最も好ましくは約45℃〜約55℃に、分離後約5分以内に、好ましくは約2分以内に冷却される。この冷却は、酵素を用いるさらなる処理のための、ジュース抽出物及び植物固形残留物を調製する。
【0051】
5.酵素の混合
いったん、果実ピューレがジュース抽出物と植物固形残留物に分離されたら、さらなる処理のために、酵素がジュース抽出物、及び任意に植物固形残留物に混合される。ジュース抽出物中では、酵素は懸濁したペクチンを不安定化するように働き、またその結果として、任意のその後の熱処理工程中の熱安定性タンパク質の沈殿を助け、それによりジュースを澄ませるのに役立つ。植物固形残留物と共に用いられる時、酵素は抽出可能な構成成分の放出を最適化するのに役立つ働きをする。
【0052】
より具体的には、ジュース抽出物中では、ペクチナーゼ活性を示す酵素は、生のジュースに濁りを付与する、懸濁したペクチンを分解する。この非ペクチン化活動はまた、その熱安定性をペクチンに負っているように思われる、関連したタンパク質を不安定化する。結果として、タンパク質は、その後の熱処理工程の間の相対的に穏やかな加熱条件下で、変性及び沈殿する。可溶性タンパク質を沈殿させるための相対的に穏やかな熱処理は、最終のジュース中の褐色の形成を減少する結果をもたらす。
【0053】
植物固形物質中では、残りの抽出可能な構成成分は、初めの分離工程の後に残留する。そのため、さらなるテルペングリコシドを抽出するために、及び最終の甘いジュースの中のこうしたテルペングリコシドの収量を増加するために、植物固形残留物をさらに処理することは好ましい。これらのさらなるテルペングリコシドを得るために、及び全体の収量を高めるために、酵素及びさらなる水が植物固形残留物に、以下に論じられる条件下で混合され、その結果さらなるジュース抽出物及びさらなる植物固形残留物を得るために植物固形残留物が再び分離されてもよい。このプロセスは、植物固形残留物からのテルペングリコシドの最適な抽出を確実にするために必要なだけ繰り返されてもよい。
【0054】
本発明の方法に用いるのに好適な幾つかの酵素がある。例えば、ペクチナーゼ、アミラーゼ、又は多酵素から成る組み合わせ(例えば、ペクチナーゼ、セルラーゼ、グリコシダーゼ)が用いられてもよい。一般に、酵素が、果実中に存在する甘いテルペングリコシド化合物(例えば、モグロシド)を実質的に分解しない限り、いずれの酵素、又は酵素の組み合わせも、本発明の方法に用いられてもよい。その上、同じ酵素がジュース抽出物及び植物固形残留物の両方に混合されることは必要ない。しかしながら、ペクチナーゼは、ジュース抽出物からペクチンを除去して透明度を提供し及びゲル化を防ぐだけでなく、また植物固形残留物中に残留する抽出可能構成成分の放出を最適化するように働くため、ジュース抽出物及び植物固形残留物の両方に用いるのに好ましい酵素である。したがって、ペクチナーゼは、ジュース抽出物及び植物固形残留物の両方に用いるのに好ましい。一般に、プロテアーゼは、遊離アミノ酸の過剰な形成を避けるために、ジュース抽出物又は植物固形残留物の処理には避けるべきである。これらのアミノ酸の幾つかは、特にイオウ含有アミノ酸は、イオウ臭をジュース抽出物に付与する傾向がある。この臭いの発生は最小にされるべきである。
【0055】
ジュース抽出物に添加される酵素、特にペクチナーゼの好適な量は(一般に希釈溶液として)、約0.001%〜約1%、好ましくは約0.002%〜約0.5%(乾燥抽出物基準)である。例えば、約9%の乾燥した抽出固形物を有する1リットルのジュース抽出物について、約0.0018〜約0.45gの酵素が添加される。次にペクチナーゼ−ジュース抽出物の混合物はインキュベートされる。インキュベートの間、ペクチナーゼはジュース抽出物と、好ましくはそれがペクチンを実質的に含まなくなるまで、典型的には少なくとも約0.5時間、好ましくは約1時間〜約2時間、約40℃〜約60℃、好ましくは約45℃〜約55℃の温度で反応することができる。
【0056】
同様に、植物固形残留物に添加される酵素、特にペクチナーゼの好適な量は、約0.002%〜約0.5%、好ましくは約0.005%〜約0.25%(乾燥植物固形残留物基準)である。さらに、水を植物固形残留物/酵素の混合物に加えて繰り返される抽出を助けることは好ましい。この方式に用いる水の好適な量は、開始時の新鮮な果実の質量の約100%未満、好ましくは約85%〜約65%、及びより好ましくは約80%〜約70%である。ペクチナーゼは、水で戻された植物固形残留物と、好ましくは残留物が抽出可能構成成分を実質的に含まなくなるまで、典型的には約60分未満、好ましくは約45分〜約60分、約40℃〜約60℃、好ましくは約45℃〜約55℃の温度で反応することができる。
【0057】
植物固形残留物と添加された酵素をインキュベートすることに続いて、残留物は分離されてさらなるジュース抽出物及びさらなる植物固形残留物を得る。前に記載されたように、分離は、濾過、遠心分離、デカンテーション、又はそれらの組み合わせによってもよい。
【0058】
上記のように、酵素及び/又は水を植物固形残留物と混合し及び分離するプロセスは、テルペングリコシドの抽出を最適化するために数回実行されてもよい。例えば、第2の植物固形残留物は、水及び/又は酵素と再び混合され、並びに第3のジュース抽出物及び第3の植物固形残留物を得るために分離されてもよい。このプロセスは、4回、5回、又はテルペングリコシドの最適な抽出を確実にするために必要なだけ、いずれの追加回数でも、実行されてもよい。実際、用語「ジュース抽出物」及び「植物固形残留物」は、本明細書において、第1の及び繰り返される抽出の結果として生じるあらゆるさらなる抽出物又は残留物を意味するために用いられる。
【0059】
いったんすべてのジュース抽出物が得られたら、第1ジュース抽出物だけであるか、又は第1及びさらなる抽出物であるかにかかわらず、すべての抽出物が、ジュース抽出物のさらなる処理のために組み合わされる。
【0060】
6.ジュース抽出物の熱処理
本発明の好ましい方法は、ジュース中のいずれかの可溶性タンパク質及び添加された酵素を変性及び沈殿させるために加熱工程を包含する。酵素及びタンパク質の変性及び沈殿は、抽出物のフレーバー及び安定性を保つのに役立つ。非ペクチン化工程を生き延びた残留熱安定性タンパク質の除去は、安定した濁りのない羅漢果のジュースを確実にするのに役立つ。熱処理は、約70℃〜約110℃、好ましくは約80℃〜約100℃で、少なくとも約20分間、好ましくは少なくとも約25分間、及びより好ましくは少なくとも約30分間実行されてもよい。好ましくは、それは、約90℃〜約100℃で、約30分〜約60分間実行されてもよく、及びより好ましくはそれは約95℃〜約100℃で、約30分間実行される。熱処理されたジュース抽出物は、加熱後約30分以内に、好ましくは約5〜約10分以内に、好ましくは、室温に冷却される。
【0061】
7.甘いジュースを得るためのジュース抽出物の分離
この方法のこの時点で、ジュース抽出物をさらなる精製のために、並びに軟らかい果肉及び沈殿したタンパク質のようないずれかの残留固形物を除去するために、再び分離することは好ましい。上述の分離のいずれかの方法、例えば濾過又は遠心分離は方法のこの部分で用いることが好適であるが、濾過、特に精密濾過は分離の好ましい方法である。
【0062】
精密濾過は、高分子、セラミック、ステンレス鋼の濾過装置、又は約0.5μm以下の名目直径の固形物質をジュース抽出物から分離することができるいずれかのその他の種類の濾過装置を用いて、実行されてもよい。接線流式濾過が好ましく、この場合液体の流れは膜表面に平行に生じ、及び濾液は、高分子ミクロフィルターの場合には、膜の中央に設置された「浸透管」の中に収集される。膜の他の種類は、濾過されたジュースを膜の外側表面で収集してもよい。
【0063】
予備濾過工程は、多くの場合、最終的な精密濾過工程に先行する。予備濾過は、大きな凝集した又は沈殿した有機物質を除去する。予備濾過は、前に詳しく記載された工程のいずれか1つ、即ち濾過、遠心分離、又はデカンテーションによって実現されてもよい。
【0064】
最終的な精密濾過された甘いジュースは、濁りのない透明な外見、薄い金色、及び不快臭のない、純粋な長く続く甘さを有する。甘いジュースの可溶性固形物濃度は、典型的には約6°ブリックス〜約15°ブリックスである。甘いジュースのpHは、好ましくは約3.5〜約4.5、より好ましくはpHは、約3.8〜約4.2である。
【0065】
8.ジュースのさらなる処理の任意工程
a.濃縮
蒸発器又はその他の濃縮機器を用いて、ある種の揮発性物質を甘いジュースから除去してもよいし及び好ましくは甘いジュースを濃縮してもよい。低くした温度及びより低い圧力下での標準的蒸発を用いることができる。蒸発は、望ましくないフレーバーの種類(flavor notes)、及びまた幾らかの水を除去する。蒸発は、人工的な、調理された、又は製造されたフレーバーを最小にする又は完全に排除するように実行されるべきである。そのため、低い温度及び/又は時間はこうした蒸発には好ましい。
【0066】
テイスト(TASTE)(フロリダ州ダニディンのクック・マシーナリー社(Cook Machinery Corporation)から入手可能な熱加速式短時間蒸発器(thermally accelerated short time evaporator))のような多段階、多重効用の真空蒸発器を用いることができる。温度特性は、甘いジュースの最高温度が約40℃〜約90℃であるように、好ましくは制御される。蒸発器は、順方向の流れ又は混成流のいずれかを用いて操作することができる。
【0067】
順方向の流れ又は混成流の各々の場合について、第1効用(水蒸気の流れを有する容器)中の水蒸気及び蒸気の流れ及びその後の効用中の水蒸気及び蒸気の流れは同じ型である。ジュースの蒸気は、最高圧力で開始し、及び最低圧力の段階で終了する。いずれかの好適な真空システムを用いて、非濃縮物を除去することができるが、典型的にはこれは多段階の水蒸気排出装置である。プロセスは、好ましくは、約50mm(2インチ)〜約100mm(4インチ)の水銀の絶対圧力で操作される。
【0068】
多重効用蒸発器では、第1効用についてのみ水蒸気が用いられ、及びその後の各効用については、前の段階で蒸発した蒸気により加熱される。この蒸気は主として水であるが、また甘いジュースの中にもともとあった揮発性物質も含有する。これらの揮発性物質は、所望であれば、蒸発効用の加熱側から蒸気の一部を除去することにより回収することができる。この除去水蒸気に、一連の精留塔、凝縮器、及び冷却器を通過させて、揮発性留分に富む冷たい液体エキスを得ることができる。この手順は、業界で一般的に実施されている。
【0069】
より新しい種類の蒸発器、例えばシグマ・スター(Sigma Star)(ドイツ、ブレッテンのシュミット社(Schmidt GmbH.)から入手可能)の狭小穴上昇液体カラム蒸発器(the narrow bore ascending liquid column evaporator)が好ましくは適用される。また、油分離/蒸留のための、ドイツ、ハーナウのレイボルド−ヘレウス(Leybold-Heraeus)により製造された短経路蒸発器(short path evaporator)のように、薄膜蒸発器(wiped film evaporator)の中央部の中に直接構築された凝縮器を有する薄膜蒸発器(wiped film evaporator)も好ましくは適用される。
【0070】
小規模のバッチについては、回転又は遠心蒸発器、例えばセントリサーム(centritherm)を用いることができる。
【0071】
蒸発後の濃縮物は冷却され、及び冷蔵(約0℃〜約10℃)又は冷凍(約−18℃)のいずれかで保存されることができる。
【0072】
逆浸透膜方法もまた、甘いジュースを濃縮するために用いられてもよい。逆浸透は、半透性で、ジュース固形物を保持する一方で除去される水がそれを通過できる膜を用いる。大部分の逆浸透技術は、膜が連続してそれ自体を洗浄できる直交流として既知の方法を用いる。幾らかの水が膜を通過する時、希釈されたジュース抽出物は下方に進んで、膜を「掃除する」。逆浸透の方法は、水を膜に通す駆動力を必要とし、及び最も一般的に用いられる力はポンプからの圧力である。圧力が高ければ高いほど、駆動力は大きくなる。保持されたジュース固形物の濃度が増加するにしたがって、流体を濃縮し続けるために必要な駆動力(即ち、排水するために必要な力)は増加する。
【0073】
逆浸透は、約0.249〜0.415zg(150〜250ダルトン)を超える分子量を有する大部分のジュース構成要素を保持することができる。逆浸透によるイオンの分離は、荷電粒子により助けられる。これは、塩のような電荷を帯びた溶解したイオンは、有機物のような帯電していないものより、膜に保持されやすいことを意味する。電荷が大きければ大きいほど及び粒子が大きければ大きいほど、それはより保持されやすくなる。約25%のジュース固形物を超えると、水の除去のために克服することが必要な浸透力は非常に大きくなり、及び逆浸透は非常に効率が悪くなる。そのため、減圧下で熱的手段の使用により濃縮を続けることが最良である。
【0074】
ジュースは好ましくは、約6°〜24°ブリックスから約15°〜65°ブリックスの典型的濃度に濃縮される。好ましくは、濃縮されたジュースは、約35°ブリックス〜約65°ブリックスの濃度を有する。本明細書で使用する時、「ブリックス」は、可溶性固形物含有量の%に本質的に等しい。
【0075】
b.乾燥
乾燥は、通常、ジュース濃縮物中の水を蒸発させるために熱を適用することにより達成される。乾燥の主要な2つの種類、即ち真空下での乾燥又は大気圧での乾燥が、乾燥ジュース固形物を製造する際に使用される。真空乾燥は、真空を長期間維持しなくてはならないため、大気圧での乾燥より一般に高価である。この場合、ドラム乾燥及び凍結乾燥が使用に適した選択肢である。大気乾燥は、噴霧乾燥機を用いて実行できる。これは、濃縮されたジュースを乾燥する好ましい方法である。この場合、濃縮されたジュースが加熱空気と共に室内に供給される。ジュース濃縮物は、微細なノズルを通して、霧化又は噴霧により乾燥室中に導入される。液体粒子は、並流方式、即ち粒子及び熱い空気が同じ方向に移動する方式で乾燥されてもよい。それらはまた、逆流方式、即ち粒子が室内の熱い空気の流れに対向して移動する方式で乾燥されてもよい。担体、例えばマルトデキストリンが、噴霧乾燥前に甘いジュース又はジュース濃縮物とブレンドされてもよい。これは、水分吸収、並びに粒子が塊になる及びべたつくという付随する問題に対してより耐性である場合がある、ジュース固形物及びマルトデキストリン固形物を含む噴霧乾燥粉末を生成する。
【0076】
乾燥は水分含有量を約5%、及び好ましくは約3〜4%に低減する。
【0077】
c.防腐剤の添加:
製品の微生物学的な安定性を増加するために、ソルビン酸塩又は安息香酸塩、又はそれらの組み合わせのような防腐剤が、ジュース抽出物、最終的な甘いジュース、又は濃縮されたジュースに任意に添加されてもよい。
【0078】
9.食品、飲料、又はヘルスケア組成物への抽出されたジュースの使用
本発明は、上記の方法のいずれかによりウリ科の果実から製造される甘いジュース組成物を包含する。前述のように、甘いジュースは、「そのままで」、濃縮されて、又は乾燥されて用いられてもよい。
【0079】
典型的には、本発明の甘いジュース組成物は、乾燥重量基準で、約20重量%〜約60重量%の糖、例えばグルコース、フルクトース、及びスクロース;0重量%〜約25重量%のタンパク質(遊離アミノ酸及び/又はペプチドを包含する);0重量%〜約4重量%の脂肪;約1重量%〜約6重量%の灰分;例えばクエン酸及びリンゴ酸のような約5重量%〜約20重量%の有機酸;0重量%〜約2重量%のビタミンC;並びに0重量%〜約10重量%のその他の物質を含んでもよい。
【0080】
本発明の組成物は、乾燥重量基準で、約0.1重量%〜約25重量%のモグロシド、好ましくは約1重量%〜約22重量%のモグロシド、より好ましくは約4重量%〜約20重量%のモグロシド、及び最も好ましくは約7重量%〜約15重量%のモグロシドを含んでもよい。
【0081】
本発明の甘いジュース組成物は、特に濃縮又は乾燥された場合には、多くの目的に対して自然な甘さを提供するために用いることができる。こうした使用の例には、飲料、例えば茶、コーヒー、フレーバーミルク、炭酸清涼飲料、果汁、果実フレーバー飲料、及び粉末飲料ミックス;食品、例えばジャム及びゼリー、ピーナッツバター、パイ、プディング、シリアル、キャンディ、アイスクリーム、ヨーグルト、ポプシクル;及びヘルスケア製品、例えば、歯磨剤、うがい薬、咳止めドロップ、咳止めシロップ;チューインガムの中での使用;及び糖代用品としての使用が挙げられる。
【0082】
本発明の甘いジュース組成物は、その他の新鮮な消毒又は殺菌されたジュースとブレンドされて、より低カロリー(より低糖)の飲料製品を製造することができる。体積/体積の基準で、約10:1〜約1:100のブレンドが好ましい。
【0083】
本発明の方法からのジュースは、他のジュース及びフレーバーとブレンドされて、低カロリーの飲料を製造することができる。こうした他のジュースには、リンゴ、クランベリー、西洋ナシ、モモ、プラム、アプリコット、ネクタリン、ブドウ、サクランボ、アカスグリ、ラズベリー、グーズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ジャガイモ、トマト、レタス、セロリ、ホウレンソウ、キャベツ、オランダガラシ、タンポポ、ダイオウ、ニンジン、ビート、キュウリ、パイナップル、カスタードアップル、ザクロ、グアナバナ、キーウィ、マンゴー、パパイヤ、バナナ、スイカ、パッションフルーツ、及びカンタロープが挙げられる。好ましいその他のジュースは、リンゴ、西洋ナシ、レモン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、イチゴ、ブドウ、キーウィ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴー、グアバ、サクランボ、ローズヒップ、レイシ、ウォーターチェスナッツ、及びサトウキビである。柑橘類のジュースは、それらの高い酸性のために、本発明のジュースとブレンドするのに好ましい。
【0084】
柑橘類のジュースのブレンドはまた柑橘類の軟らかい果肉を含有することができる。0%〜約19%(体積/体積)の軟らかい果肉が一般に受け入れられる。好ましくは、軟らかい果肉の量は、約3%〜約12%(体積/体積)であり、及び約0.50mm〜約5mmの大きさである。
【0085】
天然フレーバー、植物性フレーバー、及びそれらの混合物から選択されるフレーバーは、本発明の甘いジュースに添加することができる。用語「果実フレーバー」は、種子植物、特に種に付随する甘い軟らかい果肉を有するものの食用の生殖部分から得られるフレーバーを指す。用語「果実フレーバー」の中にはまた、天然の供給源から得られる果実フレーバーをまねて作られた、合成的に調製されたフレーバーも包含される。
【0086】
用語「植物性フレーバー」は、果実以外の植物の部分から得られる、即ち、豆、木の実、樹皮、根、及び葉から得られるフレーバーを指す。これらは、香辛料フレーバーを包含する。用語「植物性フレーバー」の中にはまた、天然の供給源から得られる植物性フレーバーをまねて作られた、合成的に調製されたフレーバーも包含される。こうしたフレーバーの例には、ココア、チョコレート、バニラ、コーヒー、コーラノキ、茶、桂皮、クローブなどが挙げられる。植物性フレーバーは、精油及び抽出物のような天然の供給源から得ることもできるし、又は合成的に調製することもできる。
【0087】
フレーバーの特徴を本発明の飲料に付与するため(「フレーバー強化」)に有効なフレーバー構成成分の特定の量は選択されたフレーバー(類)、所望のフレーバーの印象、及びフレーバー構成成分の形態に依存し得る。フレーバー構成成分は、飲料組成物の少なくとも約0.001重量%、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%含まれることができる。新鮮なジュースがフレーバーとして用いられる場合、ジュースの濃度は約0.05%〜約65%であることができる。
【実施例】
【0088】
実施例1
羅漢果の果実を選別して未成熟及び損傷した果実を除去する。多量の中から高品質の成熟した果実の35kg分を分ける。この分の果実を水で洗浄して、表面の汚れを除去し、次いでペルオキシ酢酸(ツナミ(Tsunami)(登録商標)、中国、上海のエコラブ社(Ecolab Inc.))の溶液中ですすいで、表面の微生物の総数を減らす。
【0089】
ピンミルの中で果実を破砕し、結果として生じる果実マッシュを、約4のpH及び約88〜90℃の温度を有するクエン酸溶液(14L)の中でブランチングする。果実を、約45分間、この期間中約88〜90℃に維持される温度で、ブランチングする。結果として生じるピューレをデカンテーションしてジュース抽出物を除去し、次に植物固形残留物をバスケット型遠心分離器の中で遠心分離して(2000xg、約10分)、残留するジュース抽出物を分離及び収集し、次にこれをデカンテーションしたジュース抽出物と組み合わせる。
【0090】
ジュース抽出物(26.6kg、8.8°ブリックス)を約50℃に冷却し、及び混合しながら、2mLのペクチネックスXXL(Pectinex XXL)(登録商標)ペクチナーゼ酵素製剤(中国、北京のノボザイムズA/S(Novozymes A/S))を添加する。この第1のジュース抽出物/ペクチナーゼの混合物を、約45〜50℃の温度で、約1時間、抽出物を非ペクチン化するために維持する。
【0091】
遠心分離後に残留する植物固形残留物を、約55℃に温められた約22Lの水に溶解した約2mLのペクチネックスXXL(Pectinex XXL)(登録商標)(中国、北京のノボザイムズA/S(Novozymes A/S))により処理する。水で戻した植物固形物を完全に混合し、次いで約50℃で約45分間にわたってインキュベートする。
【0092】
インキュベート期間の終わりに、水で戻した植物固形物を最初にデカンテーションし、次いで前のように遠心分離してジュース抽出物を除去及び収集する。この第2のジュース抽出物(13kg、4.4°ブリックス)を第1のジュース抽出物に加え、残留する植物固形残留物を、13kgの温かい(50℃)水を用いて再び戻し、及び約50℃の温度で約45分間保持する。
【0093】
この単位操作をもう1度繰り返し、及び最終的に組み合わされたジュース抽出物(311kg、6.2°ブリックス)を、スチームジャケット付ケトルの中に入れ、及び約30分間沸騰させる。沸騰後、ジュース抽出物を室温に冷却し、及び濾過布(10μmメッシュサイズ)を通して最初に濾過して、大きな沈殿粒子を除去し、次いでセラミック膜(0.2μm孔径)を用いて精密濾過を受けて甘いジュースを得る。
【0094】
精密濾過された羅漢果のジュースは色が薄く、及び純粋な甘い味を有する。その臭いは、僅かに果実のようであり、及び好ましくない臭気又は不快臭はない。
【0095】
実施例2
成熟した羅漢果の果実の70kg分を水で洗浄して、表面の汚れを除去し、次いでツナミ(Tsunami)(登録商標)(中国、上海のエコラブ社(Ecolab Inc.))の溶液中ですすいで、表面の微生物の総数を減らす。ピンミルの中で果実を破砕し、結果として生じる果実マッシュを、約88〜90℃の温度で、クエン酸のpH4の溶液(28L)の中にしっかりと漬け込み、及び約45分間維持する。
【0096】
結果として生じるピューレをデカンテーションしてジュース抽出物(40.2kg、8.5°ブリックス)を除去し、及び残留する植物固形残留物を、クエン酸を用いて約4のpHに酸性化した50℃の水40Lの中に再懸濁する。約35mLのペクチナーゼ酵素溶液を、水で戻した植物固形物に加え、及び結果として生じるブレンドを完全に混合する。ブレンドを約50℃で、約60分間にわたってインキュベートする。ジュース抽出物を必要であれば約50℃に冷却し、及び混合しながら、約3mLのペクチネックスXXL(Pectinex XXL)(登録商標)(中国、北京のノボザイムズA/S(Novozymes A/S))を添加する。ジュース抽出物を、約45〜50℃の温度で、約1時間、抽出物を非ペクチン化するために維持する。
【0097】
インキュベート期間の終わりに、水で戻した植物固形物を、前と同じようにデカンテーションして第2のジュース抽出物(36.4kg、3.9°ブリックス)を得る。第2のジュース抽出物を、第1のジュース抽出物と組み合わせる。次に残留する植物固形残留物を、36kgの酸性化した(pH4)水に再懸濁し、及び約50℃の温度で約60分間維持する。
【0098】
インキュベート期間の終わりに、第3及び第4のジュース抽出物を得るために、上記の工程を、植物固形残留物に対して繰り返す。
【0099】
第3のジュース抽出物は、約37.2kgの重さがあり、及び約2°ブリックスである。
【0100】
第4のジュース抽出物は、約38.4kgの重さがあり、及び約1.2°ブリックスである。
【0101】
ジュース抽出物のすべてを組み合わせ、及びスチームジャケット付ケトルの中で約45分間沸騰させる。次に抽出物を室温に冷却し、及び濾過布(10μmメッシュサイズ)を通して抽出物を濾過することにより、大きな凝集粒子を除去する。次に甘いジュースは、約300kPaの背圧を用いて、0.2μmのセラミック膜を通して、精密濾過を受ける。
【0102】
精密濾過された羅漢果の甘いジュースは色が薄く、及び純粋な甘い味を有し、好ましくない臭気又は不快臭はない。
【0103】
次にジュースを、蒸発ケトル中で約50℃で真空下で蒸発させ、約60°ブリックスにする。結果として生じる羅漢果濃縮物の重量は、約10.3kgである。
【0104】
実施例3
すべて天然の、減糖/減カロリーのオレンジジュースを、次の処方を用いて調製する。
【0105】
【表1】

【0106】
成分を記載された順番で共にブレンドし、及びすべての成分が溶液中にあるようになるまで、結果として生じるブレンドを完全に混合する。完成したジュースを瓶に詰め、及び冷蔵保存する。完成したジュースは、8.6°ブリックスのブリックス度数、3.87のpHを有し、及び100%オレンジジュースと比べて約25%、より低糖及び低カロリーである。完成したジュースは、100%オレンジジュースと非常によく似た味がする。
【0107】
実施例4
減糖/減カロリーのルートビアーフレーバーの炭酸清涼飲料を、次の処方を用いて調製する。
【0108】
【表2】

【0109】
成分を記載された順番で共にブレンドし、及びすべての成分が溶液中にあるようになるまで、結果として生じるブレンドを完全に混合する。完成した清涼飲料は、8.3°ブリックスのブリックス度数、4.5のpHを有し、及び全糖のルートビア清涼飲料よりおよそ33%少ない糖及び33%少ないカロリーを含有する。完成した清涼飲料は、全糖のルートビアと非常によく似た味がする。
【0110】
実施例5
減糖/減カロリーのチョコレートミルク飲料を、次の処方を用いて調製する。
【0111】
【表3】

【0112】
糖及び羅漢果濃縮物を牛乳の中に溶解する。次にココア粉末及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを、キッチンブレンダーを用いて牛乳の中に分散する。完成したチョコレートミルク飲料は、受け入れられる味を有し、及び全糖のチョコレートミルク飲料より約20%少ない糖及び約20%少ないカロリーを含有する。
【0113】
実施例6
減糖/減カロリーのシュガークッキーを、次の処方を用いて調製する。
【0114】
【表4】

【0115】
ショートニング、糖、卵、イソマルト、ポリデキストロース、水、羅漢果濃縮物、及びバニラ抽出物を共にブレンドし、並びに完全に混合する。別に、小麦粉、ベーキングパウダー、及び塩を共に混合し、次いで混合しながらもう一方の成分に加え、生地を形成する。生地を均一になるまでこね、及び冷蔵庫の中でねかせて約1時間冷却する。結果として生じる生地を、薄く油を塗ったベーキングシート上に個別に置かれた生地のボール(各々10〜13g)に分割し、次いでオーブン中で、約180℃で約8分間、又は薄い金色に焼けるまで焼いて完成したクッキーを製造する。完成したクッキーは、受け入れられる味及び歯ごたえを有し、並びに全糖のクッキーより約33%少ない糖を含有する。
【0116】
実施例7
減糖/減カロリーの咳止めシロップを、次の処方を用いて調製する。
【0117】
【表5】

【0118】
混合しながら、臭化水素酸デキストロメトルファンをアルコールの中に最初に溶解する。高フルクトースコーンシロップ、プロピレングリコール、グリセロール、羅漢果濃縮物、クエン酸、安息香酸ナトリウム、及び色素を、混合しながら水中に溶解する。次に、アルコール溶液中の臭化水素酸デキストロメトルファン及びフレーバーを添加する。完成した咳止めシロップを均一に成るまで混合し及び瓶に詰める。
【0119】
本明細書で引用されるすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることの容認として解釈されるべきでない。
【0120】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テルペングリコシドを含有する破砕植物材料からジュースを抽出するための方法であって、
a)テルペングリコシドを含む植物材料を破砕する工程、
b)4.5未満のpHを有し及び少なくとも85℃の温度を有する酸性にした水の中で前記破砕植物材料をブランチングしてピューレを得る工程であって、前記ピューレがジュース抽出物及び植物固形残留物を含む工程、
c)前記ジュース抽出物を前記植物固形残留物から分離する工程、
d)酵素を前記ジュース抽出物及び前記植物固形残留物の両方と混合する工程、
e)工程(d)由来の前記ジュース抽出物を分離して甘いジュースを得る工程、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記植物材料がウリ科のものであり、及び好ましくは羅漢果の果実であることをさらに特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酵素を含む前記植物固形残留物を分離してさらなるジュース抽出物及びさらなる植物固形残留物を得て、前記さらなるジュース抽出物が、工程(e)の前記ジュース抽出物に、前記ジュース抽出物を分離する前に加えられて、甘いジュースを得ることをさらに特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
工程(d)の前記ジュース抽出物が、工程(e)の分離の前に熱処理されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
濃縮及び乾燥から成る群から選択される方法により、前記甘いジュースをさらに処理することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記分離が、濾過、デカンテーション、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される方法から成ることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程(d)から結果として生じる前記酵素を含有する前記ジュース抽出物を、熱処理の前に、45℃〜55℃の温度で1時間にわたってインキュベートすることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記酵素を含有する前記植物固形残留物の前記分離が、少なくともさらに約2回実行されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記酵素が、ペクチナーゼ、アミラーゼ、及びそれらの混合物から成る群から選択され、好ましくはペクチナーゼであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法により製造される、前記濃縮された又は乾燥された甘いジュースを含有することを特徴とする、食品、飲料、又はヘルスケア組成物。

【公表番号】特表2008−504036(P2008−504036A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518385(P2007−518385)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023570
【国際公開番号】WO2006/005011
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】