説明

テレビインターホンシステム

【課題】呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させる。
【解決手段】子機1a、1bのカメラ11にて撮像された映像が親機2を経由して無線通信で送信されてくる無線増設親機3a、3bに、識別子として所定の時刻に対応させた複数の背景画像を予め送信し、来訪者による子機からの呼出時において、当該呼出時の背景映像に最も近い背景画像と変化量の大きい来訪者映像とを合成して増設モニタ31に出画させることにより、呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させることができ、この来訪者映像は、背景映像のモニタ出画を保持した状態で切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機のカメラにて撮像される映像を、この子機に有線接続される親機の親機モニタと当該親機に無線接続される無線増設親機の増設モニタ、或いは、当該子機に無線接続される親機の親機モニタに出画させるテレビインターホンシステムに係り、特に、子機のカメラにて撮像される来訪者映像及び背景映像のうち、変化量の大きい来訪者映像の視認性を高めたテレビインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、子機からの呼び出しを親機とは別途の場所に設けられる増設親機にて応答するにあたり、この親機及び増設親機の間は有線で接続されるのが一般的であるため、その配線工事に煩雑さを有していた。そこで、親機及び増設親機の間を無線で接続する例えば、特許文献1に記載のモニタ付きワイヤレス通話システムが開示されている。
【0003】
このモニタ付きワイヤレス通話システムにおいて、モニタ付きインターホン親機(前述の親機と同意。)は、カメラ付きドアホン子器(前述の子機と同意。)から伝送された音声信号及び映像信号をそれぞれ、無線通信でモニタ付きインターホン副親機(前述の増設親機と同意。)へ送信し、モニタ付きインターホン副親機から無線通信で送信されてくる音声信号を受信するとともに、モニタ付きインターホン副親機は、カメラ付きドアホン子器からモニタ付きインターホン親機を経由して無線通信で送信されてくる音声信号及び映像信号をそれぞれ受信し、音声信号を無線通信でモニタ付きインターホン親機に送信することができる。
【0004】
また、このモニタ付きワイヤレス通話システムによれば、モニタ付きインターホン親機及びモニタ付きインターホン副親機の間は無線で接続されるため、モニタ付きインターホン副親機は自由に移設可能であり、設置するための配線工事も必要なく、設置場所の自由度が高くなる。
【0005】
ここで、カメラ付きドアホン子器からの映像信号を、モニタ付きインターホン親機を経由して無線通信でモニタ付きインターホン副親機に送信する場合、そのままでは音声信号と比較してデータ量が大きいため、映像信号の圧縮が必要になる場合が多い。
【0006】
そこで、映像信号の無線通信として、無線LANやBluetooth(登録商標)等の使用によるスペクトラム拡散方式を使用する提案が行われており、例えば、特許文献2に記載のモニタ付きワイヤレス通話システムが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−224316号公報
【特許文献2】特開2000−224317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、背景技術に記載した特許文献1、2に記載の各モニタ付きワイヤレス通話システムにおいて、カメラ付きドアホン子器からの映像信号を、モニタ付きインターホン親機を経由して無線通信でモニタ付きインターホン副親機に送信し、このモニタ付きインターホン副親機にて出画するにあたり、特許文献2に記載のスペクトラム拡散方式を使用した無線通信を行った場合であっても、その出画のタイミングは、1画面分の画像を取得した後のタイミングとなるため、カメラ付きドアホン子器からの呼び出しを検出してから出画するまでの間に所定の時間が必要となる難点があり、呼出時の映像、特に、変化量の大きい来訪者映像を迅速に確認することができなかった。
【0009】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、子機のカメラにて撮像された映像が無線通信で送信されてくる無線増設親機又は親機に、所定の時刻に対応させた複数の背景画像を予め送信し、来訪者による子機からの呼出時において、当該呼出時の背景映像に最も近い背景画像と変化量の大きい来訪者映像とを合成してモニタ出画させることにより、呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させることができるテレビインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるテレビインターホンシステムは、玄関又は門扉等の住戸外に設置されカメラを有する子機と、子機に有線接続され当該子機のカメラにて撮像された映像を出画するための親機モニタを有する親機と、親機に無線接続され子機のカメラにて撮像された映像を出画するための増設モニタを有する無線増設親機とを設け、来訪者による子機からの呼び出しを親機及び増設親機に報知して子機のカメラにて撮像された映像を親機の親機モニタ及び無線増設親機の増設モニタに出画し、当該呼び出しに応答した親機又は無線増設親機と子機との間で通話を成立させる当該システムである。親機には、子機のカメラにて予め撮像された住戸外の背景映像に識別子を付与して無線増設親機へ定期的に無線通信で送信するための親機制御部と、子機からの呼出時にカメラにて撮像される映像を来訪者映像と背景映像とに分割し、予め送信された背景映像のうち呼出時の背景映像に最も近い背景画像の識別子を指定するための親機映像処理部とを備えている。親機の親機制御部は、親機映像処理部にて指定された背景映像の識別子及び分割された来訪者映像を無線増設親機へ無線通信で送信するものである。無線増設親機には、親機から無線通信で送信されてきた背景映像の識別子及び分割された来訪者映像に基づいて当該識別子の背景映像及び来訪者映像を合成して背景映像付来訪者映像を増設モニタに出画させるための増設映像処理部を備えている。
【0011】
また、本発明の第2の態様であるテレビインターホンシステムは、本発明の第1の態様において、無線増設親機は、増設モニタへの背景映像の出画を保持した状態で親機から無線通信で送信されてくる来訪者映像を増設モニタに出画させるものである。
【0012】
また、本発明の第3の態様であるテレビインターホンシステムは、玄関又は門扉等の住戸外に設置されカメラを有する子機と、子機に無線接続され当該子機のカメラにて撮像された映像を出画するための親機モニタを有する親機とを設け、来訪者による子機からの呼び出しを親機に報知して子機のカメラにて撮像された映像を親機の親機モニタに出画し、当該呼び出しに応答した親機と子機との間で通話を成立させる当該システムである。子機には、カメラにて予め撮像された住戸外の背景映像に識別子を付与して親機へ定期的に無線通信で送信するための子機制御部と、当該子機からの呼出時にカメラにて撮像される映像を来訪者映像と背景映像とに分割し、予め送信された背景映像のうち呼出時の背景映像に最も近い背景画像の識別子を指定するための子機映像処理部とを備えている。子機の子機制御部は、子機映像処理部にて指定された背景映像の識別子及び分割された来訪者映像を親機に無線通信で送信するものである。親機には、子機から無線通信で送信されてきた背景映像の識別子及び分割された来訪者映像に基づいて当該識別子の背景映像及び来訪者映像を合成して背景映像付来訪者映像を親機モニタに出画させるための親機映像処理部を備えている。
【0013】
本発明の第4の態様であるテレビインターホンシステムは、本発明の第3の態様において、親機は、親機モニタへの背景映像の出画を保持した状態で子機から無線通信で送信されてくる来訪者映像を親機モニタに出画させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のテレビインターホンシステムよれば、子機のカメラにて撮像された映像が親機を経由して無線通信で送信されてくる無線増設親機に、識別子として所定の時刻に対応させた複数の背景画像を予め送信し、来訪者による子機からの呼出時において、当該呼出時の背景映像に最も近い背景画像と変化量の大きい来訪者映像とを合成して増設モニタに出画させることにより、呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させることができ、この来訪者映像は、背景映像のモニタ出画を保持した状態で切り替えられる。
【0015】
また、本発明のテレビインターホンシステムよれば、子機のカメラにて撮像された映像が無線通信で送信されてくる親機に、識別子として所定の時刻に対応させた複数の背景画像を無線通信で予め送信し、来訪者による子機からの呼出時において、当該呼出時の背景映像に最も近い背景画像と変化量の大きい来訪者映像とを合成して親機モニタに出画させることにより、呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させることができ、この来訪者映像は、背景映像のモニタ出画を保持した状態で切り替えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のテレビインターホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施例によるテレビインターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図である。このテレビインターホンシステムには、玄関又は門扉等の住戸外に設置され、来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させるとともに、呼出操作を行った来訪者映像及び住戸外の背景映像を撮像するための(少なくとも1台の)子機1a、1bと、住戸内に設置され、有線の伝送路L1a、L1bにより接続された子機1a、1bからの呼び出しが報知され、この呼び出しに応答した居住者が来訪者との間で通話を成立させるとともに、子機1a、1bにて撮像された映像(来訪者映像及び背景映像)を出画するための親機2と、住戸内に在室中の居住者によって携行又は親機2とは異なる住戸内の場所に設置され、子機1a、1bからの呼び出しが無線の伝送路L2a、L2bにより接続された親機2を経由して報知され、この呼び出しに応答した居住者が来訪者との間で通話を成立させるとともに、子機1a、1bにて撮像された映像(来訪者映像及び背景映像)を出画するための(少なくとも1台の)無線増設親機3a、3bとが設けられている。
【0018】
また、図1に示す子機1a、1bはそれぞれ、同一の構成で個別の子機IDが割り当てられており、その構成として、子機操作部10、カメラ11、子機映像処理部12a、子機マイク13、子機スピーカ14、子機音声処理部15、子機制御部16a及び子機I/F17aが備えられている。
【0019】
この子機1a、1bにおいて、子機操作部10は、子機制御部16aによって操作検出され、住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すために操作するものであり、例えば、呼出ボタンで構成されている。
【0020】
カメラ11は、子機制御部16aによって制御され、来訪者映像及び背景映像を撮像するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体で構成されている。また、子機映像処理部12aは、子機制御部16aによって制御され、カメラ11にて撮像された映像(来訪者映像及び背景映像)の映像信号について、例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
【0021】
子機マイク13及び子機スピーカ14は、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声及び受話音声)を入出力するものである。また、子機音声処理部15は、子機制御部16aによって制御され、子機マイク13及び子機スピーカ14にて入出力される音声(送話音声及び受話音声)の音声信号について、例えば、4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
【0022】
子機制御部16aは、子機1a、1bの構成各部を制御するためのものである。具体的な制御として、子機制御部16aは、来訪者による子機操作部10の呼出操作を検出し、その旨の呼出信号を生成するとともに、カメラ11及び子機映像処理部12aが能動となるように制御することができる。また、子機制御部16aは、親機2の後述する親機操作部20及び無線増設親機3a、3bの後述する増設操作部30のうち何れか1の当該操作部の使用による居住者の応答操作又は終話操作を検出し、子機音声処理部15が能動又は非能動となるように制御することができる。また、子機制御部16aは、当該子機制御部、親機2の後述する親機制御部26a及び無線増設親機3a、3bの後述する増設制御部37のうち少なくとも何れか1の当該制御部にて設定される所定の時刻、例えば、1日24時間のうち3時間(例えば、AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、カメラ11及び子機映像処理部12aが能動となるように制御することができる。
【0023】
子機I/F17aは、子機映像処理部12aから有線の伝送路L1a、L1bへの信号伝送ラインと、子機音声処理部15及び有線の伝送路L1a、L1bの間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインと、子機制御部16a及び有線の伝送路L1a、L1bの間の双方向の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0024】
また、図1に示す親機2には、その構成として、親機操作部20、親機モニタ21、親機映像処理部22a、親機マイク23、親機スピーカ24、親機音声処理部25、親機制御部26a、子機側親機I/F27a及び増設側親機I/F28が備えられている。
【0025】
この親機2において、親機操作部20は、親機制御部26aによって操作検出され、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しに居住者が応答し、親機マイク23及び親機スピーカ24の使用による通話を成立させるとともに、成立中の通話を終了させるための操作を行うものであり、例えば、通話ボタンで構成されている。なお、親機操作部20の態様としては、親機モニタ21に前面に配置されるタッチパネル(図示せず。)も好適である。
【0026】
親機モニタ21は、親機制御部26aによって制御され、子機1a、1bのカメラ11にて撮像された映像として、来訪者映像及び背景映像を動画像で出画するためのものであり、例えば、LCD、PDP、TFT、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。なお、親機モニタ21は、前述の映像出画機能のみならず、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しを報知するための呼出メッセージや絵データ等を表示する呼出報知機能も備えられている。
【0027】
親機映像処理部22aは、親機制御部26aによって制御され、来訪者による子機1a、1bからの呼出時にカメラ11にて撮像された映像の映像信号について、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、来訪者映像及び背景映像を動画像で親機モニタ21に出画させるとともに、同様に送信されてくる映像信号について来訪者映像の映像信号と背景映像の映像信号とに分割し、無線増設親機3a、3bに予め送信され(保存され)た複数の背景映像の映像信号のうち呼出時の背景映像に最も近い背景映像の識別子を指定するためのものである。
【0028】
親機マイク23及び親機スピーカ24は、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声(送話音声及び受話音声)を入出力するものであり、この親機スピーカ24は、前述の通話機能のみならず、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を出力する呼出報知機能も備えられている。また、親機音声処理部25は、親機制御部26aによって制御され、親機マイク23及び親機スピーカ24にて入出力される音声(送話音声及び受話音声)の音声信号について、例えば、4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
【0029】
親機制御部26aは、親機2の構成各部を制御するためのものである。具体的な制御として、親機制御部26aは、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがあることを検出し、その旨の呼出報知を、親機モニタ21及び親機スピーカ24を使用して行うとともに、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがある旨の呼出信号を、無線増設親機3a、3bに無線通信で送信することができる。また、親機制御部26aは、親機操作部20の使用による居住者の応答操作又は終話操作を検出し、親機音声処理部25が能動又は非能動となるように制御することができる。また、親機制御部26aは、無線増設親機3a、3bの後述する増設操作部30の使用による居住者の応答操作又は終話操作を検出した場合、親機音声処理部25を経由して子機側親機I/F27a及び増設側親機I/F28の間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインを形成又は遮断することができる。また、親機制御部26aは、当該親機制御部、子機1a、1bの子機制御部16a及び無線増設親機3a、3bの後述する増設制御部37のうち少なくとも何れか1の当該制御部にて設定される所定の時刻、例えば、1日24時間のうち3時間(例えば、AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、子機1a、1bのカメラ11にて撮像された背景映像の映像信号に例えば、所定の時刻を示す識別子を付与した後、定期的なタイミングで無線増設親機3a、3bに無線通信で送信することができる。さらに、親機制御部26aは、来訪者による子機1a、1bからの呼出時において、親機映像処理部22aにて指定された背景映像の識別子及び当該親機映像処理部にて分割された来訪者映像の映像信号を、無線増設親機3a、3bに無線通信で送信することができる。
【0030】
子機側親機I/F27aは、有線の伝送路L1a、L1bから親機映像処理部22aへの信号伝送ラインと、親機音声処理部25及び有線の伝送路L1a、L1bの間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインと、親機制御部26a及び有線の伝送路L1a、L1bの間の双方向の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。また、増設側親機I/F28は、親機音声処理部25及び無線の伝送路L2a、L2bの間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインと、親機制御部26a及び無線の伝送路L2a、L2bの間の双方向の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0031】
さらに、図1に示す無線増設親機3a、3bはそれぞれ、同一の構成で個別の増設IDが割り当てられており、その構成として、増設操作部30、増設モニタ31、増設メモリ32、増設映像処理部33、増設マイク34、増設スピーカ35、増設音声処理部36、増設制御部37及び増設I/F38が備えられている。
【0032】
この無線増設親機3a、3bにおいて、増設操作部30は、増設制御部37によって操作検出され、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しに居住者が応答し、増設マイク34及び増設スピーカ35の使用による通話を成立させるとともに、成立中の通話を終了させるために操作を行うものであり、例えば、通話ボタンで構成されている。なお、増設操作部30の態様としては、増設モニタ31に前面に配置されるタッチパネル(図示せず。)も好適である。
【0033】
増設モニタ31は、増設制御部37によって制御され、子機1a、1bのカメラ11にて撮像された映像として、来訪者映像及び背景映像を静止画像で出画するためのものであり、例えば、LCD、PDP、TFT、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。なお、増設モニタ31は、前述の映像出画機能のみならず、通常、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しを報知するための呼出メッセージや絵データ等を表示する呼出報知機能も備えられている。
【0034】
増設メモリ32は、増設制御部37によって制御(保存・読出制御)され、親機2から定期的なタイミングで無線通信により送信されてくる識別子が付与された背景映像の映像信号を複数保存するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体で構成されている。
【0035】
増設映像処理部33は、増設制御部37によって制御され、来訪者による子機1a、1bからの呼出時にカメラ11にて撮像され、親機2の親機映像処理部22aにて分割され無線通信で送信されてくる来訪者映像の映像信号及び識別子のうち、この識別子に該当して増設メモリ32から読み出される背景映像の映像信号と分割された来訪者映像の映像信号とを合成し、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、来訪者映像及び背景映像を静止画像で増設モニタ31に出画させるためのものである。また、増設映像処理部33は、増設モニタ31への背景映像の出画を保持した状態で、親機2の親機映像処理部22aにて分割され無線通信で送信されてきる来訪者映像の映像信号を当該増設モニタに出画させることができる。
【0036】
増設マイク34及び増設スピーカ35は、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声(送話音声及び受話音声)を入出力するものであり、この増設スピーカ35は、前述の通話機能のみならず、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を出力する呼出報知機能も備えられている。また、増設音声処理部36は、増設制御部37によって制御され、増設マイク34及び増設スピーカ35にて入出力される音声(送話音声及び受話音声)の音声信号について、例えば、4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等の所定の信号処理を行うためのものである。
【0037】
増設制御部37は、無線増設親機3a、3bの構成各部を制御するためのものである。具体的な制御として、増設制御部37は、来訪者による子機1a、1bからの呼び出しがあることを検出し、その旨の呼出報知を、増設モニタ31及び増設スピーカ35を使用して行うことができる。また、増設制御部37は、増設操作部30の使用による居住者の応答操作又は終話操作を検出し、増設音声処理部33が能動又は非能動となるように制御することができる。また、増設制御部37は、親機2から定期的なタイミングで無線通信により送信されてくる識別子が付与された背景映像の映像信号を、増設メモリ32に保存することができる。さらに、増設制御部37は、親機2の親機映像処理部22aにて分割され無線通信で送信されてくる来訪者映像の映像信号及び識別子のうち、この識別子に該当して増設メモリ32に予め保存されている背景映像の映像信号を読み出し、増設映像処理部33に送信することができる。
【0038】
増設I/F38は、増設音声処理部36及び無線の伝送路L2a、L2bの間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインと、増設制御部37及び無線の伝送路L2a、L2bの間の双方向の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0039】
このように構成された本発明の第1の実施例によるテレビインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について、図1のブロック図、図3の背景映像図及び図4(A)の背景映像付来訪者映像図を参照して説明する。なお、図3の背景映像図は、子機1a、1bのカメラ11にて所定の時刻に撮像される背景映像の一例を示すものである。また、図4(A)の背景映像付来訪者映像図は、親機2の親機モニタ21及び無線増設親機3a、3bの増設モニタ31に出画される背景映像付来訪者映像の一例を示すものである。
【0040】
図1に示すテレビインターホンシステムにおいて、子機1a、1bの子機制御部16aはそれぞれ、当該自子機制御部、親機2の親機制御部26a及び無線増設親機3a、3bの増設制御部37のうち少なくとも何れか1の当該制御部にて設定される所定の時刻、例えば、1日24時間のうち3時間(例えば、AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、カメラ11及び子機映像処理部12aが能動となるように制御することができる。このカメラ11にて撮像された背景映像の映像信号には、子機1a、1bが有する個別の子機IDが付与されており、子機映像処理部12aにて例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理が行われた後、子機I/F17a、有線の伝送路L1a、L1b、親機2の子機側親機I/F27aを経由して親機映像処理部22aに送信される。
【0041】
親機2の親機制御部26aは、親機映像処理部22aにて受信された背景映像の映像信号に、前述の所定の時刻を識別子として付与した後、定期的なタイミングに基づいて、増設側親機I/F28、無線の伝送路L2a、L2b、無線増設親機3a、3bの増設I/F38を経由して増設制御部37に送信する。
【0042】
無線増設親機3a、3bの増設制御部37は、親機2から定期的なタイミングで無線通信により送信されてきた背景映像の映像信号を受信し、増設メモリ32に保存することができる。
【0043】
ここまでの動作により、子機1a、1bの子機制御部16a、親機2の親機制御部26a及び無線増設親機3a、3bの増設制御部37のうち少なくとも何れか1の当該制御部にて設定される所定の時刻、例えば、1日24時間のうち3時間(AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、子機1a、1bのカメラ11にて撮像された背景映像の映像信号を、子機1a、1bが有する個別の子機ID及び前述の識別子に割り当てて、図3に示すように、無線増設親機3a、3bの増設メモリ32に複数保存することができる。なお、増設メモリ32に複数保存される背景映像の映像信号としては、前述のように、1日24時間のうち3時間(AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎で例えば、2日分の当該映像信号を保存することができる。
【0044】
次に、所定の時刻において、住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すにあたり、子機1a、1bの子機操作部10のうち、例えば、AM10:00に子機1aの子機操作部10にて呼出操作を行うと、この呼出操作を検出した子機制御部16aの制御によってカメラ11及び子機映像処理部12aが能動となり、カメラ11にて来訪者映像及び背景映像が撮像開始されるとともに、子機1aが有する個別の子機IDが付与された呼出信号が生成される。
【0045】
また、子機1aのカメラ11にて撮像された来訪者映像及び背景映像の映像信号は、子機映像処理部12aにて例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理が行われた後、子機I/F17a、有線の伝送路L1a、L1b、親機2の子機側親機I/F27aを経由して親機映像処理部22aに送信される。
【0046】
さらに、子機1aの子機制御部16aにて生成された呼出信号は、子機I/F17a、有線の伝送路L1a、親機2の子機側親機I/F27aを経由して親機制御部26aに送信され、この親機制御部26aにて受信された後、増設側親機I/F28、無線の伝送路L2a、L2b、無線増設親機3a、3bの増設I/F38を経由して増設制御部37に送信される。
【0047】
ここで、親機2の親機制御部26aは、子機1aから送信されてきた呼出信号を受信すると、この呼出信号に付与されている子機IDをもとに、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを検出し、親機モニタ21及び親機映像処理部22aが能動となるように制御するとともに、来訪者による子機1aからの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を親機スピーカ24から出力させて呼出報知を行うことができる。
【0048】
親機2の親機映像処理部22aは、子機1aから送信されてきた映像信号について、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、子機1aのカメラ11にて撮像された来訪者映像及び背景映像を、図4(A)に示すように、動画像の背景映像付来訪者映像として合成し、親機モニタ21に出画させることができる。また、親機映像処理部22aは、同様に受信した映像信号を来訪者映像の映像信号と背景映像の映像信号とに分割した後、この分割された背景映像の映像信号と無線増設親機3a、3bの増設メモリ32に予め保存させた複数の背景映像の映像信号とを比較し、分割された背景映像の映像信号に最も近い背景映像の識別子として、「AM9:00」を特定し、特定された時刻における背景映像の映像信号を示す識別子を指定することができる。
【0049】
また、親機2の親機制御部26aは、親機映像処理部22aにて指定された識別子及び当該親機映像処理部にて分割された来訪者映像の映像信号を、増設側親機I/F28、無線の伝送路L2a、L2b、無線増設親機3a、3bの増設I/F38を経由して増設制御部37に送信する。
【0050】
なお、親機2の親機モニタ21には、前述のような動画像の背景映像付来訪者映像のみならず、来訪者による子機1aからの呼び出しがある旨の呼出メッセージや絵データ等を、親機制御部26aの制御によって表示させることもできる。
【0051】
無線増設親機3a、3bの増設制御部37はそれぞれ、子機1aから親機2を経由して無線通信で送信されてきた呼出信号を受信すると、この呼出信号に付与されている子機IDをもとに、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを検出し、増設モニタ31及び増設映像処理部33が能動となるように制御するとともに、来訪者による子機1aからの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を増設スピーカ35から出力させて呼出報知を行うことができる。
【0052】
また、無線増設親機3a、3bの増設制御部37はそれぞれ、親機2から無線通信で送信されてきた識別子及び来訪者映像の映像信号を受信すると、受信した識別子をもとに、「AM9:00」の背景映像である映像信号を増設メモリ32から読み出し、同様に受信した来訪者映像の映像信号とともに増設映像処理部33に送信する。
【0053】
無線増設親機3a、3bの増設映像処理部33はそれぞれ、増設制御部37からの背景映像の映像信号及び来訪者映像の映像信号について、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、子機1aのカメラ11にて撮像された来訪者映像及び背景映像を、図4(A)に示すように、静止画像の背景映像付来訪者映像として合成し、増設モニタ31に出画させることができ、この来訪者映像の出画は、静止画像として背景映像が増設モニタ31に出画されている状態で、親機2の親機映像処理部22aにて分割され送信されてくる来訪者映像の映像信号に基づいてフレーム毎に切り替わることにより、子機1aからの呼び出しを検出してからモニタ出画するまでの時間が短縮され、迅速なモニタ出画が可能となる。
【0054】
前述までの説明から明らかなように、子機1a、1bのカメラ11にて撮像された映像が親機2を経由して無線通信で送信されてくる無線増設親機3a、3bに、識別子として所定の時刻に対応させた複数の背景画像を予め送信し、来訪者による子機1a、1bからの呼出時、ここでは、来訪者による子機1aからの呼出時において、当該呼出時の背景映像に最も近い背景画像と変化量の大きい来訪者映像とを合成して増設モニタ31に出画させることにより、呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させることができ、来訪者映像は、背景映像のモニタ出画を保持した状態で切り替えられる。
【0055】
なお、来訪者による子機1aからの呼び出しがあることを、前述の呼出報知や来訪者映像(及び背景映像)のモニタ出画と併せて確認できた居住者が、親機2の親機操作部20及び無線増設親機3a、3bの増設操作部30のうち何れか1の当該操作部にて応答操作を行った場合、例えば、親機2の親機操作部20にて居住者により応答操作が行われた場合には、この応答操作を検出した親機制御部26a及び子機1aの子機制御部16aの制御(詳述せず。)により、居住者が使用する親機マイク23及び親機スピーカ24と、親機音声処理部25、子機側親機I/F27a、有線の伝送路L1a、子機1aの子機I/F17a、子機音声処理部15を経由して来訪者が使用する子機マイク13及び子機スピーカ14との間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインが形成され、形成された通話ラインを経由して音声信号を送受信させることで通話が成立し、この通話は、親機操作部20にて終話操作が行われるまでの間、或いは、前述の応答操作の検出後、親機制御部26aにて計時される所定の通話時間がタイムアップとなるまでの間継続されることになる。
【0056】
一方、増設親機3a、3bの増設操作部30のうち、ここでは、増設親機3aの増設操作部30にて居住者により応答操作が行われた場合には、この応答操作を検出した増設制御部37、親機2の親機制御部26a及び子機1aの子機制御部16aの制御(詳述せず。)により、居住者が使用する増設マイク34及び増設スピーカ35と、増設音声処理部36、増設I/F38、無線の伝送路L2a、親機2の増設側親機I/F28、親機音声処理部25、子機側親機I/F27a、有線の伝送路L1a、子機1aの子機I/F17a、子機音声処理部15を経由して来訪者が使用する子機マイク13及び子機スピーカ14との間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインが形成され、形成された通話ラインを経由して音声信号を送受信させることで通話が成立し、この通話は、増設操作部30にて終話操作が行われるまでの間、或いは、前述の応答操作の検出後、増設制御部37にて計時される所定の通話時間がタイムアップとなるまでの間継続されることになる。
【0057】
なお、前述までの第1の実施例においては、子機1a、1bの構成各部を制御する機能として、子機制御部16aを自子機内に備える態様について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、子機制御部16aが有する制御機能を、親機2の親機制御部26aに備えた態様であってもよい。
【0058】
次に、本発明の第2の実施例によるテレビインターホンシステムについて、具体的な構成を示す図2のブロック図を参照して説明する。
【0059】
図2に示すテレビインターホンシステムには、玄関又は門扉等の住戸外に設置され、来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させるとともに、呼出操作を行った来訪者映像及び住戸外の背景映像を撮像するための(少なくとも1台の)子機51a、51bと、住戸内に設置され、無線の伝送路L51a、L51bにより接続された子機51a、51bからの呼び出しが報知され、この呼び出しに応答した居住者が来訪者との間で通話を成立させるとともに、子機51a、51bにて撮像された映像(来訪者映像及び背景映像)を出画するための親機52とが設けられている。
【0060】
また、図2に示す子機51a、51bはそれぞれ、同一の構成で個別の子機IDが割り当てられており、その構成として、前述の第1の実施例に適用の子機1a、1bの構成各部で同一の作用を有する子機操作部10、カメラ11、子機マイク13、子機スピーカ14及び子機音声処理部15と、子機映像処理部12bと、子機制御部16bと、子機I/F17bとが備えられている。
【0061】
この子機51a、51bにおいて、子機映像処理部12bは、子機制御部16bによって制御され、来訪者による当該子機からの呼出時にカメラ11にて撮像された映像(来訪者映像及び背景映像)の映像信号について、例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理を行い、来訪者映像の映像信号と背景映像の映像信号とに分割し、親機52bに予め送信され(保存され)た複数の背景映像の映像信号のうち呼出時の背景映像に最も近い背景映像の識別子を指定するためのものである。
【0062】
子機制御部16bは、子機51a、51bの構成各部を制御するためのものである。具体的な制御として、子機制御部16bは、来訪者による子機操作部10の呼出操作を検出し、その旨の呼出信号を生成するとともに、カメラ11及び子機映像処理部12bが能動となるように制御することができる。また、子機制御部16bは、親機52の親機操作部20の使用による居住者の応答操作又は終話操作を検出し、子機音声処理部15が能動又は非能動となるように制御することができる。また、子機制御部16bは、当該自子機制御部又は親機52の後述する親機制御部26bにて設定される所定の時刻、例えば、1日24時間のうち3時間(AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、カメラ11及び子機映像処理部12bが能動となるように制御し、カメラ11にて撮像された背景映像に例えば、所定の時刻を示す識別子を付与した後、定期的なタイミングで親機52に無線通信で送信することができる。
【0063】
子機I/F17bは、子機音声処理部15及び無線の伝送路L51a、L51bの間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインと、子機制御部16b及び無線の伝送路L51a、L51bの間の双方向の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0064】
さらに、図2に示す親機52には、その構成として、前述の第1の実施例に適用の親機2の構成各部で同一の作用を有する親機操作部20、親機モニタ21、親機マイク23、親機スピーカ24及び親機音声処理部25と、親機映像処理部22bと、親機制御部26bと、子機側親機I/F(以下、親機I/Fという。)27bと、親機メモリ29とが備えられている。
【0065】
この親機52において、親機メモリ29は、親機制御部26bによって制御(保存・読出制御)され、子機51a、51bから定期的なタイミングで無線通信により送信されてくる識別子が付与された背景映像の映像信号を複数保存するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体で構成されている。
【0066】
親機映像処理部22bは、親機制御部26bによって制御され、来訪者による子機51a、51bからの呼出時にカメラ11にて撮像され、子機映像処理部12bにて分割され無線通信で送信されてくる来訪者映像の映像信号及び識別子のうち、この識別子に該当して親機メモリ29から読み出される背景映像の映像信号と分割された来訪者映像の映像信号とを合成し、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、来訪者映像及び背景映像を静止画像で親機モニタ21に出画させるためのものである。また、親機映像処理部22bは、親機モニタ21への背景映像の出画を保持した状態で、子機映像処理部12bにて分割され無線通信で送信されてきる来訪者映像の映像信号を当該親機モニタに出画させることができる。
【0067】
親機制御部26bは、親機52の構成各部を制御するためのものである。具体的な制御として、親機制御部26bは、来訪者による子機51a、51bからの呼び出しがあることを検出し、その旨の呼出報知を、親機モニタ21及び親機スピーカ24を使用して行うことができる。また、親機制御部26bは、親機操作部20の使用による居住者の応答操作又は終話操作を検出し、親機音声処理部25が能動又は非能動となるように制御することができる。また、親機制御部26bは、子機51a、51bから定期的なタイミングで無線通信により送信されてくる識別子が付与された背景映像の映像信号を、親機メモリ29に保存することができる。また、親機制御部26bは、子機51a、51bの子機映像処理部12bにて分割され無線通信で送信されてくる来訪者映像の映像信号及び識別子のうち、この識別子に該当して親機メモリ29に予め保存されている背景映像の映像信号を読み出し、親機映像処理部22bに送信することができる。
【0068】
親機I/F27bは、親機音声処理部25及び無線の伝送路L51a、L51bの間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインと、親機制御部26b及び無線の伝送路L51a、L51bの間の双方向の信号伝送ラインとをそれぞれ形成するためのものである。
【0069】
このように構成された本発明の第2の実施例によるテレビインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について、図2のブロック図、図3の背景映像図及び図4(B)の背景映像付来訪者映像図を参照して説明する。なお、図4(B)の背景映像付来訪者映像図は、親機52の親機モニタ21に出画される背景映像付来訪者映像の一例を示すものである。
【0070】
図2に示すテレビインターホンシステムにおいて、子機51a、51bの子機制御部16bはそれぞれ、自子機制御部又は親機52の親機制御部26bにて設定される所定の時刻、例えば、24時間のうち3時間(AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、カメラ11及び子機映像処理部12bが能動となるように制御することができる。このカメラ11にて撮像された背景映像の映像信号には、子機51a、51bが有する個別の子機IDが付与されており、子機映像処理部12bにて例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理が行われた後、前述の所定の時刻を識別子として付与した後、定期的なタイミングに基づいて、子機I/F17b、無線の伝送路L51a、L51b、親機52の親機I/F27bを経由して親機制御部26bに送信される。
【0071】
親機52の親機制御部26bは、子機51a、51bから定期的なタイミングで無線通信により送信されてきた背景映像の映像信号を受信し、親機メモリ29に保存することができる。
【0072】
ここまでの動作により、子機51a、51bの子機制御部16b又は親機52の親機制御部26bの制御により設定される所定の時刻、例えば、1日24時間のうち3時間(AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎の所定の時刻に基づいて、子機51a、51bのカメラ11にて撮像された背景映像の映像信号を、子機1a、1bが有する個別の子機ID及び前述の識別子に割り当てて、図3に示すように、親機52の親機メモリ29に複数保存することができる。なお、親機メモリ29に複数保存される背景映像の映像信号としては、前述のように、1日24時間のうち3時間(AM6:00、AM9:00、PM0:00、・・・)毎で例えば、2日分の当該映像信号を保存することができる。
【0073】
次に、所定の時刻において、住戸外に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すにあたり、子機51a、51bの子機操作部10のうち、例えば、PM7:00頃に子機51bの子機操作部10にて呼出操作を行うと、この呼出操作を検出した子機制御部16bの制御によってカメラ11及び子機映像処理部12bが能動となり、カメラ11にて来訪者映像及び背景映像が撮像開始されるとともに、子機51bが有する個別の子機IDが付与された呼出信号が生成される。
【0074】
また、子機51bのカメラ11にて撮像された来訪者映像及び背景映像の映像信号は、子機映像処理部12bにて例えば、FM変調、増幅等の所定の信号処理が行われた後、来訪者映像の映像信号と背景映像の映像信号とに分割される。この子機映像処理部12bは、分割された背景映像の映像信号と親機52の親機メモリ52に予め保存させた複数の背景映像の映像信号とを比較し、分割された背景映像の映像信号に最も近い背景映像の識別子として、「PM6:00」を特定し、特定された時刻における背景映像の映像信号を示す識別子を指定することができる。
【0075】
子機51bの子機制御部16bは、生成された呼出信号、子機映像処理部12bにて指定された識別子及び当該子機映像処理部にて分割された来訪者映像の映像信号を、子機I/F17b、無線の伝送路L51b、親機52の親機I/F27bを経由して親機制御部26bに送信する。
【0076】
親機52の親機制御部26aは、子機51bから無線通信で送信されてきた呼出信号を受信すると、この呼出信号に付与されている子機IDをもとに、来訪者による子機51bからの呼び出しがあることを検出し、親機モニタ21及び親機映像処理部22bが能動となるように制御するとともに、来訪者による子機51bからの呼び出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を親機スピーカ24から出力させて呼出報知を行うことができる。
【0077】
また、親機52の増設制御部26bは、子機51bから無線通信で送信されてきた識別子及び来訪者映像の映像信号を受信すると、受信した識別子をもとに、「PM6:00」の背景映像である映像信号を親機メモリ29から読み出し、同様に受信した来訪者映像の映像信号とともに親機映像処理部22bに送信する。
【0078】
親機52の親機映像処理部22bは、親機制御部26bからの背景映像の映像信号及び来訪者映像の映像信号について、例えば、FM復調、増幅等の所定の信号処理を行い、子機1aのカメラ11にて撮像された来訪者映像及び背景映像を、図4(B)に示すように、静止画像の背景映像付来訪者映像として合成し、親機モニタ21に出画させることができ、この来訪者映像の出画は、静止画像として背景映像が親機モニタ21に出画されている状態で、子機51bの子機映像処理部12bにて分割され無線通信で送信されてくる来訪者映像の映像信号に基づいて、フレーム毎に切り替わることにより、子機51bからの呼び出しを検出してからモニタ出画するまでの時間が短縮され、迅速なモニタ出画が可能となる。
【0079】
前述までの説明から明らかなように、子機51a、51bのカメラ11にて撮像された映像が無線通信で送信されてくる親機52に、識別子として所定の時刻に対応させた複数の背景画像を無線通信で予め送信し、来訪者による子機51a、51bからの呼出時、ここでは、来訪者による子機51bからの呼出時において、当該呼出時の背景映像に最も近い背景画像と変化量の大きい来訪者映像とを合成して親機モニタ21に出画させることにより、呼出時における来訪者映像を迅速にモニタ出画して居住者に確認させることができ、来訪者映像は、背景映像のモニタ出画を保持した状態で切り替えられる。
【0080】
なお、来訪者による子機51bからの呼び出しがあることを、前述の呼出報知や来訪者映像(及び背景映像)のモニタ出画と併せて確認できた居住者が、親機操作部20にて応答操作を行うと、この応答操作を検出した親機制御部26b及び子機51bの子機制御部16bの制御(詳述せず。)により、居住者が使用する親機マイク23及び親機スピーカ24と、親機音声処理部25、親機I/F27b、無線の伝送路L51b、子機51bの子機I/F17b、子機音声処理部15を経由して来訪者が使用する子機マイク13及び子機スピーカ14との間の双方向の信号伝送ライン、すなわち、通話ラインが形成され、形成された通話ラインを経由して音声信号を送受信させることで通話が成立し、この通話は、親機操作部20にて終話操作が行われるまでの間、或いは、前述の応答操作の検出後、親機制御部26bにて計時される所定の通話時間がタイムアップとなるまでの間継続されることになる。
【0081】
本発明のテレビインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成のテレビインターホンシステムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例によるテレビインターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施例によるテレビインターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】図3は、本発明の第1、第2の各実施例によるテレビインターホンシステムにおいて、子機のカメラにて所定の時刻に撮像される背景映像の一例を示す背景映像図である。
【図4】図4(A)は、本発明の第1の実施例によるテレビインターホンシステムにおいて、親機の親機モニタ及び無線増設親機の増設モニタに出画される背景映像付来訪者映像の一例を示す背景映像付来訪者映像図である、また、図4(B)は、本発明の第2の実施例によるテレビインターホンシステムにおいて、親機の親機モニタに出画される背景映像付来訪者映像の一例を示す背景映像付来訪者映像図である。
【符号の説明】
【0083】
1a、1b、51a、51b……子機
11……カメラ
12b……子機映像処理部
16b……子機制御部
2、52……親機
21……親機モニタ
26a、26b……親機制御部
3a、3b……無線増設親機
31……増設モニタ
33……増設映像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関又は門扉等の住戸外に設置されカメラ(11)を有する子機(1a、1b)と、前記子機に有線接続され当該子機の前記カメラにて撮像された映像を出画するための親機モニタ(21)を有する親機(2)と、前記親機に無線接続され前記子機の前記カメラにて撮像された映像を出画するための増設モニタ(31)を有する無線増設親機(3a、3b)とを設け、来訪者による前記子機からの呼び出しを前記親機及び前記無線増設親機に報知して前記子機の前記カメラにて撮像された映像を前記親機の前記親機モニタ及び前記無線増設親機の前記増設モニタに出画し、当該呼び出しに応答した前記親機又は前記無線増設親機と前記子機との間で通話を成立させるテレビインターホンシステムであって、
前記親機には、前記子機の前記カメラにて予め撮像された前記住戸外の背景映像に識別子を付与して前記無線増設親機へ定期的に無線通信で送信するための親機制御部(26a)と、前記子機からの呼出時に前記カメラにて撮像される前記映像を来訪者映像と背景映像とに分割し、前記予め送信された背景映像のうち前記呼出時の背景映像に最も近い背景画像の識別子を指定するための親機映像処理部(22a)とを備え、
前記親機の前記親機制御部は、前記親機映像処理部にて指定された背景映像の識別子及び前記分割された来訪者映像を前記無線増設親機に無線通信で送信し、
前記無線増設親機には、前記親機から前記無線通信で送信されてきた背景映像の識別子及び前記分割された来訪者映像に基づいて当該識別子の背景映像及び来訪者映像を合成して背景映像付来訪者映像を前記増設モニタに出画させるための増設映像処理部(33)を備えることを特徴とするテレビインターホンシステム。
【請求項2】
前記無線増設親機は、前記増設モニタへの前記背景映像の出画を保持した状態で前記親機から前記無線通信で送信されてくる前記来訪者映像を前記増設モニタに出画させることを特徴とする請求項1記載のテレビインターホンシステム。
【請求項3】
玄関又は門扉等の住戸外に設置されカメラ(11)を有する子機(51a、51b)と、前記子機に無線接続され当該子機の前記カメラにて撮像された映像を出画するための親機モニタ(21)を有する親機(52)とを設け、来訪者による前記子機からの呼び出しを前記親機に報知して前記子機の前記カメラにて撮像された映像を前記親機の前記親機モニタに出画し、当該呼び出しに応答した前記親機と前記子機との間で通話を成立させるテレビインターホンシステムであって、
前記子機には、前記カメラにて予め撮像された前記住戸外の背景映像に識別子を付与して前記親機へ定期的に無線通信で送信するための子機制御部(16b)と、当該子機からの呼出時に前記カメラにて撮像される前記映像を来訪者映像と背景映像とに分割し、前記予め送信された背景映像のうち前記呼出時の背景映像に最も近い背景画像の識別子を指定するための子機映像処理部(12b)とを備え、
前記子機の前記子機制御部は、前記子機映像処理部にて指定された背景映像の識別子及び前記分割された来訪者映像を前記親機に無線通信で送信し、
前記親機には、前記子機から前記無線通信で送信されてきた背景映像の識別子及び前記分割された来訪者映像に基づいて当該識別子の背景映像及び来訪者映像を合成して背景映像付来訪者映像を前記親機モニタに出画させるための親機映像処理部(22b)を備えることを特徴とするテレビインターホンシステム。
【請求項4】
前記親機は、前記親機モニタへの前記背景映像の出画を保持した状態で前記子機から前記無線通信で送信されてくる前記来訪者映像を前記親機モニタに出画させることを特徴とする請求項3記載のテレビインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−239678(P2009−239678A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83865(P2008−83865)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】