説明

テレビジョンカメラ装置

【課題】光の送受信レベル、またユーティリティの使用可能な電力残量等の表示を行い、表示を視認することによって、利用者が容易に判断することができるようにして、テレビジョンカメラ装置の運用性を向上する。
【解決手段】カメラヘッドと、前記カメラヘッドを制御するカメラコントロールユニットと、前記カメラヘッドと前記カメラコントロールユニットを接続するケーブルを有するテレビジョンカメラ装置において、前記カメラヘッドは、ユーティリティ電源を出力する手段、リターン映像出力手段、及びプロンプト出力手段を備え、前記カメラコントロールユニットは、前記テレビジョンカメラ装置が使用する電力を検出する検出手段を備え、前記カメラヘッドは、前記検出手段によって検出された前記電力と前記ユーティリティ電源が出力可能な電力を表示する出力手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラ装置に関わり、特に、運用性の向上のために運常時の状態を表示するテレビジョンカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、光の送受信の表示は、カメラコントロールユニット(CCU)の筐体前面で表示を行っていた。しかし、カメラコントロールユニットは、サーバ等と一緒にラックに収納されて据え付けられるのが一般的である。ラックに収納された場合には、カメラコントロールユニットの筐体前面を見ることができない。
従って、運用時、光の送受信のためのケーブルに不具合が発生し、光の送受信に異常をきたしても、すぐに確認するのが困難であった。
【0003】
また、カメラヘッド側においては、ユーティリティ用として、電源を出力している。このユーティリティとして使用可能な電力の残量については、使用者は簡単に調べることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−10635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、FPU(Field Pickup Unit)受信基地局において、送信局側から送信されるマイクロ波を、回転受信アンテナをパソコン操作して方向調整する。回転受信アンテナの方向調整を行うオペレータの習熟度の必要性を軽減するために、映像信号でデジタル変調された電波の遅延プロファイル波形を映像としてパソコン画面上に、遅延プロファイルレベルメータとして表示する遠隔監視制御装置が開示されている。しかし、テレビジョンカメラ装置における運用性の向上を目的として、カメラヘッド側のユーティリティや、他の機能についての表示は、従来実現していなかった。
【0006】
本発明のテレビジョンカメラ装置は、光の送受信レベル、またユーティリティの使用可能な電力残量等の表示を行い、表示を視認することによって、利用者が容易に判断することができるようにして、テレビジョンカメラ装置の運用性を向上することを目的とする。
さらに、有限なエネルギ資源であるユーティリティ電力を有効に使用するために、ユーティリティ電力の残量に応じて使用電力に制限を加えるためことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明のテレビジョンカメラ装置は、光の送受信の検出、ユーティリティ使用時の電力を常時を検出するための電流検出、それらの状態を表示する表示手段を用い、利用者の運用を向上することを目的とする。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明のテレビジョンカメラ装置は、カメラヘッドと、前記カメラヘッドを制御するカメラコントロールユニットと、前記カメラヘッドと前記カメラコントロールユニットを接続するケーブルを有するテレビジョンカメラ装置において、前記カメラヘッドは、ユーティリティ電源を出力する手段、リターン映像出力手段、及びプロンプト出力手段を備え、前記カメラコントロールユニットは、前記テレビジョンカメラ装置が使用する電力を検出する検出手段を備え、前記カメラヘッドは、前記検出手段によって検出された前記電力と前記ユーティリティ電源が出力可能な電力を表示する出力手段を備えたことを第1の特徴とする。
【0009】
上記本発明の第1の特徴のテレビジョンカメラ装置において、前記ユーティリティ電源を出力する機器に優先順位を付け、前記カメラコントロールユニットは、前記検出手段により検出した値と予め定めた値とを比較し、前記検出した値が前記予め定めた値以上になった場合には、前記優先順位に応じて、前記カメラヘッドのユーティリティ電源の出力を使用する機器の機能を制限することを本発明の第2の特徴とする。
【0010】
上記本発明の第1の特徴のテレビジョンカメラ装置において、前記カメラコントロールユニットは、前記検出手段により検出した値を用いて、前記カメラヘッドのユーティリティ電源の使用電力値を表示することを本発明の第3の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光の送受信レベル、またユーティリティの使用可能な電力残量等の表示を行い、表示を視認することによって、利用者が容易に判断することができるため、テレビジョンカメラ装置の運用性が向上する。
さらに、ユーティリティ電力を有効に使用するために、接続する機器を制御して、接続する機器の機能を制限する。この結果、ユーティリティ電力の残量または使用量に応じて使用電力に制限を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のテレビジョンカメラ装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のテレビジョンカメラ装置のCCUの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のテレビジョンカメラ装置のカメラヘッドの一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のテレビジョンカメラ装置の一実施例において、ユーティリティ電源の消費電力と検出電圧との関係を実測した値と、近似式とを示した図である。
【図5】本発明のテレビジョンカメラ装置の一実施例において、カメラヘッド及びCCUの消費電力と検出電圧との関係を実測した値と、近似式とを示した図である。
【図6】本発明のテレビジョンカメラ装置の一実施例において、ビューファインダ120の表示画面に表示されたユーティリティ電源の使用量に関するデータの一例である。
【図7】本発明のテレビジョンカメラ装置の一実施例において、ビューファインダ120の表示画面に表示されたユーティリティ電源の使用量に関するデータの一例である。
【図8】図7の表示例における表示色を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の一実施形態を図面等を用いて説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
また、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避け、できるだけ説明を省略する。
【実施例1】
【0014】
図1〜図8を用いて、本発明のテレビジョンカメラ装置の第1の実施例について説明する。
【0015】
図1は、本発明のテレビジョンカメラ装置の一実施例の構成を示すブロック図である。100は本発明の一実施例のテレビジョンカメラ装置、110はテレビジョンカメラ装置100のカメラヘッド、120はビューファインダ(VF)、160はテレビジョンカメラ装置100のCCU、180は光複合ケーブルである。ここで、光複合ケーブル180は、カメラヘッド110およびCCU160間を結合し、カメラヘッド110およびCCU160間で通信を行い、映像信号(音声信号を含む)、インカム通話、カメラヘッドへの電源供給などを行うテレビジョンカメラ装置用の光複合ケーブルである。また、111はユーティリティ電源が出力されるユーティリティ電源出力端子、112はSDI信号が出力されるSDI出力端子、113はリターン映像信号が出力されるリターン出力端子、114はプロンプトが出力されるプロンプト出力端子、115はビューファインダ出力映像信号が出力されるビューファインダ出力(VF_OUT)端子、116はカメラマンがカメラヘッドを操作パネル等から操作入力した場合の制御信号入力端子、161はAC100Vの電源が入力されるAC電源入力端子、162はCCU160及びカメラヘッド110を制御するための制御信号が入力される制御信号入力端子、163はリターン映像を入力するためのリターン入力端子、164はプロンプト映像が入力されるプロンプト入力端子、165は映像信号が出力される映像出力端子、166は同期信号が入力されるゲンロック(GL:Generator Lock)信号入力端子、181と186は光複合ケーブル接続端子である。テレビジョンカメラ装置は、例えば、映画撮影用の高画素3板式カラーカメラである。制御信号入力端子162は、例えば、RS485、RS422等のインタフェースで接続される。
制御信号入力端子162には、スタッフが操作器を使って制御信号を入力する。
図1では、カメラヘッド110がテレビスタジオ100内に設置され、CCU160が副調整室に設置されている場合について説明する。
【0016】
図1において、テレビスタジオ内では、VF120を取り付けたカメラヘッド110が設置され、カメラマンがこのカメラヘッド110およびVF120を操作する。また、副調整室には、このカメラヘッド110に対応するCCU160が設置されており、これらカメラヘッド110とCCU160間は、光複合ケーブル接続端子181及び186を介して光複合ケーブル180で結合している。
カメラヘッド110は、テレビスタジオ内で所望の被写体を撮影している。カメラヘッド110は、撮影した映像を、光複合ケーブル180を介して、副調整室のCCU160に伝送する。
【0017】
副調整室内には、CCU160が設置され、副調整室内のスタッフは、図示しないCCU160の操作部を操作することによって光複合ケーブル180を介してカメラヘッド110を制御し、カメラヘッド110が撮影する映像の画質を調整する。また、CCU160は、光複合ケーブル180を介して、テレビスタジオ内のカメラヘッド110に電源を供給する。
例えば、副調整室内のスタッフは、テレビスタジオ内のカメラヘッド110から伝送されてくる映像を図示しないモニタで確認する。そしてスタッフは、テレビスタジオ内のカメラマン等にインカム等で調整の指示を送る。また、スタッフは、CCU160、光複合ケーブル180、およびカメラヘッド110を介して、VF120の表示部に伝送するリターン映像及びプロンプト信号を送信する。さらに、スタッフは、CCU160および光複合ケーブル180を介して、直接カメラヘッド110を制御することも可能である。
【0018】
次に、図2と図3によって、本発明のテレビジョンカメラ装置を更に説明する。図2は、図1のテレビジョンカメラ装置100のCCU160の一実施例の構成を示すブロック図である。図3は、図1のテレビジョンカメラ装置100のカメラヘッド110の一実施例の構成を示すブロック図である。3は電源スイッチ(PWR SW)、4はトランス、5はリレースイッチ(RLY SW)、6はカレントトランス、7と24はAC/DCコンバータ、8はDC/DCコンバータ、9は整流回路、10はリレーコントローラ(RLY CNT)、11は過電流検出回路、12は無電流検出回路、13はCCU160内の各機器を制御するCPU(Central Processing Unit)、14と23は映像処理部・制御処理部、15はGL信号入力端子166から入力されるゲンロック信号から同期信号を抽出し映像処理部・制御処理部14に出力するシンクセパレータ、16はADC(Analog to Digital Converter)、17と22はOE(光−電気)・EO(電気−光)変換部、21はAC/DCコンバータ、25は撮像素子ブロック、26は光学レンズ系、27はカメラヘッド110内の各機器を制御するCPUである。撮像素子ブロック25は、撮像素子として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子を使用する。
【0019】
図2及び図3において、CCU160の電源スイッチ3がスタッフ等の操作によってオフからオンになると、AC電源入力端子161から、AC100Vの電源がCCU160に投入される。投入された電源は、トランス4及びAC/DCコンバータ7に供給される。AC/DCコンバータ7は、供給されたAC電源電流を所定の電圧(例えば、12V)のDC電流に変換してDC/DCコンバータ8に供給する。DC/DCコンバータ8は供給されたDC電源の電圧を所定の電圧(例えば、12V、5V等)に変換して、対応するCCU160の内部機器に供給する。
またトランス4は、供給されたAC100Vの商用電源の電圧をAC230Vに変換してリレースイッチ5とカレントトランス6に出力する。
リレースイッチ5は、供給されたAC230Vの電源を、リレーコントローラ10の制御に応じてオンまたはオフに設定し、オン時にはAC230Vの電源を光複合ケーブル接続端子186に供給する。光複合ケーブル接続端子186に供給された電源は、光複合ケーブル180を介して、カメラヘッド110の光複合ケーブル接続端子181に供給される。
カレントトランス6は、電流測定するために分流した電流を電流整流回路9に出力する。
【0020】
また、カメラヘッド110では、CCU160より光複合ケーブル接続端子181に供給された電源(AC230V)は、AC/DCコンバータ21に供給される。AC/DCコンバータ21は、供給された電源を所定の電圧(例えば、12V)のDC電流に変換してDC/DCコンバータ24に供給する。DC/DCコンバータ24は供給されたDC電源の電圧を所定の電圧(例えば、12V、5V等)に変換して、対応するカメラヘッド110の内部機器に内部電源として供給する。
さらに、光複合ケーブル接続端子181に供給された電源(AC230V)は、カメラヘッド110の内部電源として使用する電源とは別に、使用者(カメラマン等)が自由に使用可能なユーティリティ電源として、ユーティリティ電源出力端子111に出力される。
ユーティリティ電源は、例えば、当該カメラヘッド110に付属する機器の電源として使用されることが多い。例えば、当該カメラヘッドを搭載してパン若しくはチルトする雲台の電源、リターン映像をモニタするためのフロアモニタの電源、プロンプタの電源、等である。
このユーティリティ電源の使用率は、従来は、顧客側では知ることができていなかった。従って、カメラマン等の使用者は、ユーティリティ電源が現時点でどのくらい使用されているか分からなかった。そこで、本発明の一実施例では、このユーティリティ電源の使用量が一目でカメラヘッド110を操作するカメラマン等のユーザに分かるように、VF120に表示する等、使用量のデータを出力可能としている。
【0021】
以下、その実施例を、図2及び図3によって説明する。
図3のカメラヘッド110では、光学レンズ系26を通って入射する被写体像を撮像素子ブロック25が撮像して電気信号に変換して映像信号として映像処理部・制御信号処理部23に出力する。映像処理部・制御信号処理部23は、入力された映像信号に所定の映像処理を施してOE・EO変換部22に出力する。また、CPU27の制御により、ビューファインダ出力端子115にも出力する。ビューファインダ出力端子115には、ビューファインダ120が接続され、これにより、カメラマンは撮像した映像を閲覧することができる。
OE・EO変換部22は、映像処理部・制御信号処理部23から入力された映像信号を光信号に変換して光複合ケーブル接続端子181及び光複合ケーブル180を介してCCU160に出力する。
【0022】
CCU160では、光複合ケーブル接続端子186がカメラヘッド110から送られた映像信号を受信し、OE・EO変換部17に出力する。OE・EO変換部17は、光複合ケーブル接続端子186から入力された映像信号を光信号に変換して映像処理部・制御信号処理部14に出力する。映像処理部・制御信号処理部14は、入力された映像信号に所定の映像処理を施して映像出力端子165に出力する。映像出力端子165には、モニタが接続されることにより、出力された映像を閲覧することができる。
【0023】
また、CCU160では、映像処理部・制御信号処理部14は、他のテレビジョンカメラ装置が撮像した映像等の外部から(図示しない)入力された映像信号、または、当該カメラヘッド110が撮像し、映像処理部・制御信号処理部14が映像処理した映像の映像信号を、OE・EO変換部17、光複合ケーブル接続端子186、及び、光複合ケーブル180を介してカメラヘッド110に出力する。
カメラヘッド110では、映像処理部・制御信号処理部23は、光複合ケーブル接続端子181、OE・EO変換部22を介して、CCU160から送られた上記映像信号を映像処理してリターン出力端子113に出力する。リターン出力端子113には、例えば、フロアモニタが接続され、リターン映像が表示される。
同様に、CCU160から出力されたプロンプト信号が、カメラヘッド110の映像処理部・制御信号処理部23からプロンプト出力端子114に出力される。プロンプト出力端子114には、プロンプタが接続され、プロンプト出力端子114からのプロンプトが表示される。
【0024】
図2のCCU160において、カレントトランス6を使用してトランス4の出力電流を分流し、電流整流回路9は、入力された電圧を整流して整流した電圧値を、過電流検出回路11と無電流検出回路12に出力する。過電流検出回路11は、入力された整流電圧が所定の電圧以上ならば過電流(ケーブルショート)と判定し、リレーコントローラ10にオフ信号を出力する。また、無電流検出回路12は、入力された整流電圧が所定の電圧未満ならば無電流(ケーブルオープン)と判定し、リレーコントローラ10にオフ信号を出力する。
リレーコントローラ10は、過電流検出回路11または無電流検出回路12の少なくともいずれかからオフ信号が入力された場合に、リレースイッチ5をオフ(遮断)して、電源保護を行っている。
以上述べたように、本発明では、カメラヘッド110に供給している電流を監視して、所定の電圧以上ならば過電流(ケーブルショート)、未満ならば無電流(ケーブルオープン)と判定し、電源保護を行っている。
【0025】
整流回路9は、また、この電圧値をADC16にも出力する。同様に、過電流検出回路11は、過電流であるか否かの判定結果をADC16にも出力し、無電流検出回路12は、無電流であるか否かの判定結果をADC16にも出力する。
ADC16は、入力された電圧値及びそれらの判定結果をデジタル値に変換して映像処理部・制御処理部14に出力する。映像処理部・制御処理部14は、CPU13にこのデジタル値を出力する。
例えば、ADC16で読み込んだ値を用い、現状のカメラヘッド110及びCCU160の電力使用量、及びユーティリティ電源の電力使用量の表示データを映像出力として出力する。
例えば、検出電圧をX[単位:V]としたとき、ユーティリティ電源の電力使用量Y[単位:VA]は、実測結果(図4及び図5参照)から、下記の式(1)となる。
Y=89.681X−45.406 ・・・式(1)
最大使用可能値を191VAとしたときの現在の使用値を画面に表示する。(図1、3)
【0026】
CPU13は、映像処理部・制御処理部14から入力された電圧値が、エラー(過電流または無電流)であるか否かを判定し、エラーである場合には、映像処理部・制御処理部14を制御して、映像出力端子165を介してエラー表示を行っている。また好ましくは、エラーでない場合にも、映像出力端子165を介してエラーではないことの表示を行っている。
さらに、CPU13は、映像処理部・制御処理部14を制御して、カメラヘッド110から、ユーティリティ電源の使用量に関する表示データを、OE・EO変換部17に出力させる。
OE・EO変換部17は、入力された表示データを光信号に変換して光複合ケーブル接続端子186及び光複合ケーブル180を介して、カメラヘッド110の光複合ケーブル接続端子181に出力する。
【0027】
カメラヘッド110の光複合ケーブル接続端子181は、入力された表示データをOE・EO変換部22に出力する。OE・EO変換部22は、入力された表示データを電気信号に変換して映像処理部・制御処理部23に出力する。
映像処理部・制御処理部23は、入力された表示データをビューファインダ出力端子115に出力する。その結果、ビューファインダ出力端子115に接続されたビューファインダ120には、ユーティリティ電源の使用量に関するデータが表示される。
【0028】
図6は、ビューファインダ120の表示画面に表示されたユーティリティ電源の使用量に関するデータの一実施例である。
ビューファインダ120の表示画面に表示される表示600には、予め定めた許容電力範囲を示す許容領域611、予め定めた警告電力範囲を示す警告領域612、及び予め定めた限界電力範囲を示す限界領域613とからなる使用可能電力全体を示す棒グラフ610がまず表示され、この棒グラフ610に、最小電力値のテキスト表示621、現在の電力のテキスト表示622及び現在の電力の位置を示す指針図形620、これ以上は警告電力範囲であることを示すテキスト表示623、これ以上は限界電力範囲であることを示すテキスト表示624、そして最大電力値を示すテキスト表示625が示される。
【0029】
図7は、ビューファインダ120の表示画面に表示されたユーティリティ電源の使用量に関するデータの一実施例である。
ビューファインダ120の表示画面に表示される表示600には、“UTILITY PWR”の表示702として現在のユーティリティ電源の電力値を“111VA”と表示して、図6で説明した表示600を行う。
また、その他に、以下の表示を行う。
【0030】
まず、“OPT LEVEL”の表示701は、カメラヘッド110とCCU160それぞれについての受信レベルを表示する。
例えば、カメラヘッド110の受信レベルが棒グラフ710として示され、CCU160の受信レベルが棒グラフ720として示されている。ここで、棒グラフ710及び720において、棒全体が最大受信レベルで、斜線で塗りつぶした領域711及び721が、受信レベルを示している。
受信レベル711及び721の表示色は、例えば、図8に示すように、(a)は受信レベルRが−3dBm≧R>−8dBmを示し(領域81の塗りつぶしの色は、安全を表す緑色)、(b)は受信レベルが−8dBm≧R>−11dBmを示し(領域82の塗りつぶしの色は、安全を表す緑色)、(c)は受信レベルが−11dBm≧R>−14dBmを示し(領域83の塗りつぶしの色は、警告を表す黄色)、(d)は受信レベルが−14dBm≧Rを示し(領域84の塗りつぶしの色は、危険を表す赤色)で表示する。
【0031】
次に、“Cable Condition OK”の表示703を表示する。ここで、光複合ケーブル180が接続されていると判定した場合には“OK”を表示し、開放ならば“OPEN”を表示し、短絡ならば“SHORT”と表示する。
また、“Cable Length 100m”の表示704を表示する。この長さの算出は、送信パケットのユーザ領域に測定用のデータを入れ、その送受信により算出する。算出された長さを、例えばメートル表示で“100m”、例えば、“50m”と表示する。
また、“CCU PWR COND”の表示705を表示する。この表示705は、CCU160がトータルで使用しているすべての使用電力を表示している。例えば、CCU160で56W、カメラヘッド110で35W使用して、上述の“UTILITY PWR”の表示702で111VA(この実施例では、便宜上111Wとしている)の総計(56W+35W+111W=202W)を表示している。
また、“GL ON/OFF”の表示706を表示する。表示706は、GEN LOCKがオン状態かオフ状態かを示し、オン状態の場合には、“ON”と表示し、オフ状態の場合には、“OFF”と表示する。
また、“GL SOURCE B.B.”の表示707を表示する。表示707は、ゲンロック(GL)信号のソースが何に基づいているかを表示し、B.B.(Black Burst)からの場合には、“B.B.”と表示し、Tri−Syncからの場合には、“Tri−Sync”と表示し、外部同期信号が入力されない若しくは外部同期していない場合には、“None”と表示する。
【0032】
以上説明したように、上記本発明の第1の実施例のテレビジョンカメラ装置によれば、ユーティリティ機器の使用電力の余裕度を利用者が目視確認できるため、容易に判断することができる。
【実施例2】
【0033】
さらに、本発明の第2の実施例を図1〜図5によって説明する。本発明の第2の実施例は、実施例1に加えて、ユーティリティ電源を使用する機器に優先順位を付け、ユーティリティ電源の使用量を監視し、使用量に応じて、機器に供給する電力または機器の機能を制限するように制御可能としたものである。即ち、ユーティリティ電力を有効に使用するために、接続する機器を制御して、接続する機器の機能を制限する。この結果、ユーティリティ電力の残量または使用量に応じて使用電力に制限を加えることができる。
【0034】
実施例2は、優先順位として、優先順位1番を雲台とし、優先順位2番をリターン出力及びプロンプタ出力としている。
実施例1と同様に、CCU160は、カメラヘッド110に供給している電流を監視している。例えば、CPU13は、映像処理部・制御処理部14から入力されたデジタル値に基づいて、現状のカメラヘッド110及びCCU160の電力使用量、及びユーティリティ電源の電力使用量を検出する。
そして、CPU13は、ユーティリティ電源の使用電力が予め定められた所定の値を超えた(例えば、使用電力が限界電力範囲に入った、若しくは警告電力範囲に入った)場合には、雲台に供給する電力を優先的に供給するために、映像処理部・制御処理部23を制御して、リターン出力端子113に出力する映像の輝度及びプロンプト出力端子114に出力するプロンプタの輝度レベルをそれぞれ最低に落とす。
例えば、CPU13は、上記制御信号をBB(Black Burst)信号に重畳させて、映像処理部・制御処理部14から出力し、OE・EO変換部17、光複合ケーブル接続端子186、光複合ケーブル180、光複合ケーブル接続端子181、及びOE・EO変換部22を介して、CPU27に出力する。CPU27は、入力された制御信号に基づいて、映像処理部・制御処理部23を制御し、映像処理部・制御処理部23から出力されるリターン出力端子113に出力する映像の輝度及びプロンプト出力端子114に出力するプロンプタの輝度をそれぞれ最低に落とす。
【0035】
実施例2によれば、テレビジョンカメラ装置がユーティリティ電源の現在の使用量を検出し、かつ、使用電力が限界電力範囲若しくは警告電力範囲に入った場合には、自動的に、優先順位の低い機器(例えば、リターン出力端子113に接続するフロアモニタや、プロンプト出力端子114に接続するプロンプタ)に出力する映像信号の輝度レベルを下げる。
この結果、フロアモニタやプロンプタの使用電力が低く抑制され、使用電力が減少するため、ユーティリティ電源のトータルの使用量が抑制でき、ユーティリティ電源が電力オーバーで切断されることがない。従って、テレビジョンカメラ装置の運用に最低限必要な(優先度が高い)機器(例えば、雲台)の機能を停止せずに、効率良くテレビジョンカメラ装置を使用することができる。
なお、自動的に制御した内容を、VF120にテキスト表示するようにしても良い。
【0036】
なお、実施例1または実施例2において、好ましくは、CPU13は、カメラヘッド110の映像処理部・制御処理部23またはCPU27に、音声を出力する制御信号を出力し、カメラヘッド110から、音声による警告を出力させるようにしても良い。
この結果、実施例1または実施例2の効果に加え、カメラマンは、音声(聴覚)によっても、使用電力が残り少ないことを知ることができ、テレビジョンカメラ装置の運用に最低限必要な機器の機能を停止せずに、効率良くテレビジョンカメラ装置を操作することができる。
なお、上述の実施例1及び実施例2では、CCUとカメラヘッド間を、光複合ケーブルで接続したが、光複合ケーブルとOE・EO変換部との替りに、時分割多重等の信号伝送及び電源供給可能な多芯同軸ケーブルを使用しても良い。
【符号の説明】
【0037】
3:電源スイッチ(PWR SW)、 4:トランス、 5:リレースイッチ(RLY SW)、 6:カレントトランス、 7、21:AC/DCコンバータ、 8、24:DC/DCコンバータ、 9:整流回路、 10:リレーコントローラ(RLY CNT)、 11:過電流検出回路、 12:無電流検出回路、 13、27:CPU(Central Processing Unit)、 14、23:映像処理部・制御処理部、 15:シンクセパレータ、 16:ADC(Analog to Digital Converter)、 17、22:OE(光−電気)・EO(電気−光)変換部、 25:撮像素子ブロック、 26:光学レンズ系、 100:テレビジョンカメラ装置、 110:カメラヘッド、 111:ユーティリティ電源出力端子、 112:SDI出力端子、 113:リターン出力端子、 114:プロンプト出力端子、 115:ビューファインダ出力(VF_OUT)端子、 116:制御信号入力端子、 120:ビューファインダ(VF)、 160:CCU、 161:AC電源入力端子、 162:制御信号入力端子、 163:リターン入力端子、 164:プロンプト入力端子、 165:映像出力端子、 166:GL信号入力端子、 180:光複合ケーブル、 181、186:光複合ケーブル接続端子、 600:表示、 610、611、612、613:領域、 621、622、623、624、625:テキスト表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラヘッドと、前記カメラヘッドを制御するカメラコントロールユニットと、前記カメラヘッドと前記カメラコントロールユニットを接続するケーブルを有するテレビジョンカメラ装置において、
前記カメラヘッドは、ユーティリティ電源を出力する手段、リターン映像出力手段、及びプロンプト出力手段を備え、
前記カメラコントロールユニットは、前記テレビジョンカメラ装置が使用する電力を検出する検出手段を備え、
前記カメラヘッドは、前記検出手段によって検出された前記電力と前記ユーティリティ電源が出力可能な電力を表示する出力手段を備えたことを特徴とするテレビジョンカメラ装置。
【請求項2】
請求項1記載のテレビジョンカメラ装置において、前記ユーティリティ電源を出力する機器に優先順位を付け、前記カメラコントロールユニットは、前記検出手段により検出した値と予め定めた値とを比較し、前記検出した値が前記予め定めた値以上になった場合には、前記優先順位に応じて、前記カメラヘッドのユーティリティ電源の出力を使用する機器の機能を制限することを特徴とするテレビジョンカメラ装置。
【請求項3】
請求項1記載のテレビジョンカメラ装置において、前記カメラコントロールユニットは、前記検出手段により検出した値を用いて、前記カメラヘッドのユーティリティ電源の使用電力値を表示することを特徴とするテレビジョンカメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−102401(P2013−102401A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246020(P2011−246020)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】