説明

テレビジョン受信機及びこのテレビジョン受信機の制御方法

【課題】画面ミュートの対象である番組の場合に、即座に画面ミュートを行うことを可能にしたテレビジョン受信機を提供する。
【解決手段】視聴中のチャンネルが画面ミュート状態であり、他のチャンネルに変更された場合に、制御部17によりこの画面ミュートに関するミュート履歴情報を該当チャンネルに対応付けてミュート履歴メモリ21に記録し、しかる後に他のチャンネルから元の画面ミュートのチャンネルを選局された場合に、ミュート履歴メモリ21から該当チャンネルのミュート履歴情報を読み出し、このミュート履歴情報に基づいて該当チャンネルの画面ミュートを実行するようにミュート回路13を制御するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビジョン放送信号に多重されるレイティング情報を利用して該当する番組の視聴制限を行うテレビジョン受信機及びこのテレビジョン受信機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン受信機にあっては、テレビジョン放送信号に多重された番組内容の過激度を表すレイティング情報を利用して、例えば親が子供に見せたくない番組をカットするVチップを搭載したテレビジョン受信機がある。このVチップは、過激な暴力や性描写のシーンを表示画面に映らないようにするマイクロチップの装置で、テレビジョン受信機に予め登録した暗証番号によって管理し、自由に視聴できないようにする機能である。
【0003】
テレビジョン受信機は、映像信号の垂直帰線期間の21ライン目に重畳されて送出されたレイティング情報をデコードし、予めテレビジョン受信機に設定された所定の視聴制限ランクと照合し、表示画面に映すか否かを判断する。そして、視聴制限を越えている場合には画面ミュートが行われ、通常、映像は黒、音声はミュートされる。なお、レイティング情報はチャンネルごとに送られている。
【0004】
ところで、上記テレビジョン受信機では、レイティング情報がチャンネルごとに送られているため、視聴したいチャンネルを選局した後に、重畳されたデータを検出しデコードした情報が判明し、画面に映すか否かが決定されるまでには所定の時間が必要である。例えば、現在視聴中のチャンネルが画面ミュートされた状態で、視聴者のリモコン操作により別のチャンネルが選局され、再び元のチャンネルに戻る操作が行われる場合、応答性を良くするためにまず映像の出画が行われ、レイティング情報をデコードした結果により再度画面ミュートが行われる。このミュートが行われるまでの待ち時間、本来は見せたくない番組で画面ミュートされるべき映像の場合でも、映像が一瞬映ってしまう。
【0005】
そこで、従来では、EPG(Electronic Program Guide)を利用して、テレビジョン放送信号を受信する前に、画面ミュートを行うべきか否かを認識することが可能な視聴制限装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−110953号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記視聴制限装置では、EPGにより示される番組単位で画面ミュートを行うものであり、番組内のあるシーンにおいて画面ミュートを行うものではない。また、上記視聴制限装置は、番組予約時に、該当する番組を画面ミュートするか否かを判断するものであり、実際に番組を視聴している最中に、リモコン操作が行われて選局後の番組が画面ミュート対象の番組である場合に、即座に画面ミュートを行うものではない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、画面ミュートの対象である番組の場合に、即座に画面ミュートを行うことを可能にしたテレビジョン受信機及びこのテレビジョン受信機の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成される。
少なくとも1チャンネルが番組内容の過激度を示すレイティング情報を重畳した複数チャンネルのテレビジョン放送信号の中から選局部により選局されたチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較し、この比較結果に基づいて表示器に再生表示される該当番組を視聴不能にするための画面ミュートを行うテレビジョン受信機であって、表示器に表示される第1のチャンネルの番組が画面ミュート状態であるとき、この画面ミュートに関するミュート履歴情報を第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録する記録手段と、選局部により第1のチャンネルから該第1のチャンネルとは異なる第2のチャンネルが選局された後に、第1のチャンネルが選局された場合に、記録媒体から第1のチャンネルのミュート履歴情報を読み出し、該ミュート履歴情報に基づいて表示器に表示される番組を画面ミュートする制御手段とを備えるようにしたものである。
【0009】
この構成によれば、表示器に表示される番組が画面ミュート状態である場合に、この画面ミュートに関するミュート履歴情報がチャンネルに対応付けられて記録媒体に記録され、画面ミュート状態で、他のチャンネルを選局された後に、元の画面ミュートのチャンネルを選局された場合に、記録媒体から該当チャンネルのミュート履歴情報が読み出され、このミュート履歴情報に基づいて表示器に表示される番組が画面ミュートされることになる。
【0010】
従って、チャンネル変更が行われて、元の画面ミュートのチャンネルが再度選局されたとしても、記録媒体に記録されたミュート履歴情報を利用して、即座に表示器に表示される番組を画面ミュートすることができる。
【0011】
少なくとも1チャンネルが番組内容の過激度を示すレイティング情報を重畳した複数チャンネルのテレビジョン放送信号の中から選局部により選局されたチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較し、この比較結果に基づいて表示器に再生表示される該当番組を視聴不能にするための画面ミュートを行う第1の受信部と、この第1の受信部とは異なるチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較する第2の受信部とを備えたテレビジョン受信機であって、表示器に表示される第1のチャンネルの番組が画面ミュート状態であるとき、この画面ミュートに関するミュート履歴情報を第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録する記録手段と、選局部により第1のチャンネルから該第1のチャンネルとは異なる第2のチャンネルが選局された後に、第1のチャンネルが選局された場合に、記録媒体から第1のチャンネルのミュート履歴情報を読み出し、該ミュート履歴情報に基づいて表示器に表示される番組を画面ミュートする制御手段と、記録手段によるミュート履歴情報の記録後に、第1及び第2の受信部のうち空きの受信部により得られるレイティング情報の比較結果に基づいて、記録媒体上のミュート履歴情報の記録内容を更新する更新手段とを備えるようにしたものである。
【0012】
この構成によれば、チャンネル変更が行われて、元の画面ミュートのチャンネルが再度選局されたとしても、記録媒体に記録されたミュート履歴情報を利用して、即座に表示器に表示される番組を画面ミュートすることができるとともに、第1及び第2の受信部のうち空きの受信部を使用して該当チャンネルの画面ミュートの状態に変化があるごとに、記録媒体上のミュート履歴情報を更新情報に常にタイムリーに書き換えることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上詳述したようにこの発明によれば、画面ミュートの対象である番組の場合に、即座に画面ミュートを行うことを可能にしたテレビジョン受信機及びこのテレビジョン受信機の制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わるテレビジョン受信機の第1の実施形態を示すブロック図である。
【0015】
図示しない放送局から放送されたテレビジョン放送信号は、図示しないアンテナで受信された後、入力端子11を介して復調部12に供給される。復調部12は、選局指示されたチャンネルのテレビジョン放送信号を復調して映像信号V及び音声信号Aを再生するもので、このうち映像信号Vはミュート回路13を介して映像表示部14に供給される。従って、映像表示部14には受信映像が表示される。また、音声信号Aはミュート回路13を介して音声出力部15に供給されて音響再生される。
【0016】
一方、復調部12から出力される映像信号Vは、データスライサ16に供給される。データスライサ16は、映像信号Vをスライスして垂直帰線期間の21ライン目に多重されたレイティング情報をデコードし、このデコードしたレイティング情報を制御部17Aに出力する。
【0017】
制御部17Aには、レイティング設定メモリ18と、入力部19と、時間カウンタ20と、ミュート履歴メモリ21とが接続されている。このうち入力部19は、ユーザがチャンネル指定など、テレビジョン受信機に対し種々の動作指示を入力するために使用するもので、視聴制限を希望するレイティング設定情報の登録指示の入力にも使用される。ここで、レイティング設定情報の登録指示が入力された場合には、制御部17Aは入力されたレイティング設定情報をレイティング設定メモリ18に記録する。
【0018】
そして、制御部17Aは入力部19によるユーザの指示に従い、復調部12に対し選局指示し、データスライサ16によりデコードされたレイティング情報をレイティング設定メモリ18に記憶されているレイティング設定情報と比較し、レイティング情報がレイティング設定情報のランクを超えていない場合に、ミュート回路13に対し画面ミュートの停止制御を行う。一方、レイティング情報がレイティング設定情報のランクを超えている場合に、ミュート回路13に対し画面ミュートの実行制御を行う。すると、ミュート回路13は、黒画面信号を映像表示部14に供給して黒映像を表示させるとともに、音声出力部15に対し無音信号を供給する。
【0019】
ところで、制御部17Aは、テレビジョン放送信号の受信表示動作に係わる通常の制御機能に加え、この発明に係わる新たな機能として、ミュート履歴記録機能171と、タイマ起動機能172と、ミュートチャンネル検出機能173と、画面ミュート制御機能174とを備えている。
【0020】
ミュート履歴記録機能171は、画面ミュート状態で、他のチャンネルを選局された場合に、画面ミュートに関するミュート履歴情報を該当するチャンネルに対応付けてミュート履歴メモリ21に記録する。なお、ミュート履歴メモリ21は、情報の書き換え可能な不揮発性メモリからなる。
【0021】
タイマ起動機能172は、画面ミュート状態のチャンネルから他のチャンネルに選局された場合に、時間カウンタ20を起動、つまりリセットする。この時間カウンタ20は、データスライス16によるレイティング情報のデコード処理からミュート回路13による画面ミュート実行処理までに要する時間、例えば5秒をカウントするものである。
【0022】
ミュートチャンネル検出機能173は、ミュート履歴メモリ21の記録内容に基づいて、時間カウンタ20によりカウントされる5秒前に画面ミュート対象のチャンネルが選局されるか否かを検出する。
【0023】
画面ミュート制御機能174は、上記ミュートチャンネル検出機能173により元の画面ミュートのチャンネルに変更されたことが検出されたとき、ミュート履歴メモリ21からミュート履歴情報を読み出し、このミュート履歴情報に基づいて画面ミュートを実行するようにミュート回路13を制御し、5秒を超えた場合に、画面ミュートを行わないようにミュート回路13を制御する。
【0024】
次に、上記構成における動作について説明する。
例えば図2(a)に示すように、今、1チャンネルを視聴中とする。1チャンネルは画面ミュート中である。次に、図2(b)に示すように2チャンネルを選局するようにチャンネル変更が行われた後、図2(c)に示すように再び1チャンネルを選局された場合、まず1チャンネルの絵が見えて、新たにレイティング情報を受信しデコードした後の判定で、レイティング設定メモリ18に記憶されているレイティング設定情報を超えていれば、図2(d)に示すようにミュートが行われる。
【0025】
このため、チャンネル変更の操作を素早く繰り返すと、途切れ途切れではあるが、映像を見ることができてしまうという問題点があった。
【0026】
そこで、本第1の実施形態では、1チャンネルが画面ミュートであった履歴をミュート履歴メモリ21に記憶し、さらに、時間カウンタ20の時刻をリセット(t=0)するようにしている。
【0027】
図3は、制御部17Aによる画面ミュート制御の手順及びその内容を示すフローチャートである。
【0028】
まず、選局した1チャンネルが画面ミュート状態であり、2チャンネルへの変更があった場合に、制御部17AはステップST3aからステップST3bに移行し、時間カウンタ20をリセットし、画面ミュートであったことを示すミュート履歴情報を1チャンネルに対応付けてミュート履歴メモリ21に記録する(ステップST3c)。
【0029】
次に、2チャンネルから1チャンネルへチャンネル変更があったとする。すると、制御部17Aはミュート履歴メモリ21を参照して、1チャンネルが以前画面ミュート状態であった旨を認識し(ステップST3d)、時間カウンタ20により計時される時刻が5秒以下であるか否かの判断を行う(ステップST3e)。
【0030】
ここで、時間カウンタ20により計時される時刻が5秒以下であるならば(YES)、制御部17Aは時間カウンタ20をリセットし(ステップST3f)、図4(c)に示すように、画面ミュートを実行するようにミュート回路13を制御する(ステップST3g)。
【0031】
以後、制御部17Aは、1チャンネルの復調された映像信号からデコードされる新たな受信レイティング情報をもとに、ミュート回路13を制御する(ステップST3h)。ここで、新たな受信レイティング情報がレイティング設定メモリ18に記憶されているレイティング設定情報を超えていれば、図4(d)に示すように画面ミュートを継続し、越えていなければ、図4(e)に示すように画面ミュートを解除する。
【0032】
一方、上記ステップST3eにおいて、時間カウンタ20により計時される時刻が5秒を越えているならば(NO)、制御部17Aは時間カウンタ20をリセットし(ステップST3i)、図5(c)に示すように、ミュート回路13に対し停止制御を行い、1チャンネルの映像、音声を通常通り出力する(ステップST3j)。
【0033】
ここで、新たな受信レイティング情報がレイティング設定メモリ18に記憶されているレイティング設定情報を超えていれば、図5(d)に示すように再び画面ミュートを実行する。
【0034】
以上のように上記第1の実施形態では、視聴中のチャンネルが画面ミュート状態であり、他のチャンネルに変更された場合に、制御部17Aによりこの画面ミュートに関するミュート履歴情報を該当チャンネルに対応付けてミュート履歴メモリ21に記録し、しかる後に他のチャンネルから元の画面ミュートのチャンネルを選局された場合に、ミュート履歴メモリ21から該当チャンネルのミュート履歴情報を読み出し、このミュート履歴情報に基づいて該当チャンネルの画面ミュートを実行するようにミュート回路13を制御するようにしている。
【0035】
従って、チャンネル変更が行われて、元の画面ミュートのチャンネルが再度選局されたとしても、ミュート履歴メモリ21に記録されたミュート履歴情報を利用して、即座に該当チャンネルの画面ミュートを実行することができる。
【0036】
また、上記第1の実施形態では、データスライサ16によるレイティング情報の抽出からミュート回路13による画面ミュートの実行までに要する時間を時間カウンタ20で計時させるようにしているので、画面ミュート状態からチャンネル変更が行われて時間カウンタ20で計時される時間内に元の画面ミュートのチャンネルが選局された場合についてはミュート履歴メモリ21に記憶されているミュート履歴情報を利用して即時画面ミュートを実行し、時間カウンタ20で計時される時間を越えて元の画面ミュートのチャンネルが選局された場合については画面ミュートを行わないというように、チャンネル変更の経過時間ごとに最適な画面ミュートを行うことができる。
【0037】
さらに、上記第1の実施形態では、画面ミュート状態で、他のチャンネルを選局された場合にのみミュート履歴情報がミュート履歴メモリ18に記録されるので、ミュート履歴メモリ18の不要な使用を防止して、これによりミュート履歴メモリ18の有効利用率を高めることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図6は、この発明に係わるテレビジョン受信機の第2の実施形態を示すブロック図である。図6において、上記図1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
第2の実施形態では、さらに入力端子31、復調部32及びデータスライサ33が設けられている。図示しない放送局から放送されたテレビジョン放送信号は、図示しないアンテナで受信された後、入力端子11を介して復調部12に供給されるとともに、入力端子31を介して復調部32に供給される。
【0040】
復調部32は、選局指示されたチャンネルのテレビジョン放送信号を復調して映像信号V2及び音声信号A2を再生するもので、これら映像信号V2及び音声信号A2はミュート回路13に供給される。
【0041】
ミュート回路13は、ユーザの指示に従って、ダブル画面表示モード時に、復調部12,32の各々から出力される映像信号V1,V2を映像表示部14に供給して表示させ、復調部12,32の各々から出力される音声信号A1,A2を音声出力部15に供給して音響再生させる。一方、1画面表示モード時に、復調部12,32の一方から出力される映像信号V1を映像表示部14に供給して表示させ、復調部12,32の一方から出力される音声信号A1を音声出力部15に供給して音響再生させる。
【0042】
一方、復調部32から出力される映像信号V2は、データスライサ33に供給される。データスライサ33は、映像信号V2をスライスして垂直帰線期間の21ライン目に多重されたレイティング情報をデコードし、このデコードしたレイティング情報を制御部17Bに出力する。
【0043】
ところで、制御部17Bは、この発明に係わる制御機能として、ミュート履歴更新制御機能175を備えている。このミュート履歴更新制御機能175は、ミュート履歴メモリ21に記憶されているミュート履歴情報と同じチャンネルを空いている復調部32に選局させ、データスライス33の出力に基づいて、ミュート履歴メモリ21に記憶されているミュート履歴情報の更新を行う。
【0044】
次に、上記構成における動作について説明する。
図7は、制御部17Bによる画面ミュート制御の手順及びその内容を示すフローチャートである。なお、図7において、上記図3と同一処理については説明を省略する。
【0045】
まず、選局した1チャンネルが画面ミュート状態であり、2チャンネルへの変更があった場合に、制御部17Bにより画面ミュートであったことを示すミュート履歴情報を1チャンネルに対応付けてミュート履歴メモリ21に記録しているとする。
【0046】
制御部17Bは、上記ステップST3a乃至ステップST3jの処理に並行して、ミュート履歴メモリ21からミュート履歴情報を取得し(ステップST7a)、このミュート履歴情報から画面ミュート状態にあった1チャンネルを空きの復調部32に選局させ(ステップST7b)、データスライサ33でデコードされる受信レイティング情報に基づいて画面ミュートに変更があるか否かの判断を行う(ステップST7c)。
【0047】
ここで、画面ミュートに変更がある場合に(Yes)、制御部17Bはミュート履歴メモリ21に記憶中のミュート履歴情報の内容を更新する(ステップST7d)。一方、画面ミュートに変更がない場合には(No)、処理を終了し、再度上記ステップST7aの処理に移行する。
【0048】
以上のように上記第2の実施形態によれば、チャンネル変更が行われて、元の画面ミュートのチャンネルが再度選局されたとしても、ミュート履歴メモリ21に記憶されたミュート履歴情報を利用して、即座に該当チャンネルの画面ミュートを実行することができるとともに、空きの復調部32及びデータスライサ33を使用して該当チャンネルの画面ミュートの状態に変化があるごとに、制御部17Bによりミュート履歴メモリ21のミュート履歴情報を更新情報に常にタイムリーに書き換えることができる。
【0049】
このため、ミュート履歴メモリ21に記録された新らしいミュート履歴情報に基づいて、画面ミュートを行うことができる。
【0050】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明に係わるテレビジョン受信機の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】チャンネル変更により再度画面ミュートのチャンネルが選局された場合の動作を説明するために示す画面図。
【図3】同第1の実施形態における制御部の画面ミュート制御手順を示すフローチャート。
【図4】同第1の実施形態において、短時間で元の画面ミュートのチャンネルが選局された場合の動作例を説明するために示す画面図。
【図5】同第1の実施形態において、長時間で元の画面ミュートのチャンネルが選局された場合の動作例を説明するために示す画面図。
【図6】この発明に係わるテレビジョン受信機の第2の実施形態を示すブロック図。
【図7】同第2の実施形態における制御部のミュート履歴の更新制御手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
11,31…入力端子、12,32…復調部、13…ミュート回路、14…映像表示部、15…音声出力部、16,33…データスライサ、17A,17B…制御部、18…レイティング設定メモリ、19…入力部、20…時間カウンタ、21…ミュート履歴メモリ、171…ミュート履歴記録機能、172…タイマ起動機能、173…ミュートチャンネル検出機能、174…画面ミュート制御機能、175…ミュート履歴更新制御機能。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1チャンネルが番組内容の過激度を示すレイティング情報を重畳した複数チャンネルのテレビジョン放送信号の中から選局部により選局されたチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較し、この比較結果に基づいて表示器に再生表示される該当番組を視聴不能にするための画面ミュートを行うテレビジョン受信機であって、
前記表示器に表示される第1のチャンネルの番組が画面ミュート状態であるとき、この画面ミュートに関するミュート履歴情報を前記第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録する記録手段と、
前記選局部により前記第1のチャンネルから該第1のチャンネルとは異なる第2のチャンネルが選局された後に、前記第1のチャンネルが選局された場合に、前記記録媒体から前記第1のチャンネルの前記ミュート履歴情報を読み出し、該ミュート履歴情報に基づいて前記表示器に表示される番組を画面ミュートする制御手段とを具備したことを特徴とするテレビジョン受信機。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記レイティング情報の抽出から画面ミュートの実行までに要する時間を計時するタイマと、
前記選局部により前記第1のチャンネルから前記第2のチャンネルが選局された場合に、前記タイマを起動する起動手段と、
前記タイマにより計時される時間内に、前記第1のチャンネルに変更されたことを検出する検出手段と、
この検出手段により前記第1のチャンネルに変更されたことが検出されたとき、前記記録媒体から前記第1のチャンネルのミュート履歴情報を読み出し、このミュート履歴情報に基づいて前記表示器に表示される番組を画面ミュートする表示制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のテレビジョン受信機。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記タイマにより計時される時間を越えて、前記第1のチャンネルに変更されたことが検出されたとき、前記表示器に前記第1のチャンネルの番組を表示することを特徴とする請求項2記載のテレビジョン受信機。
【請求項4】
前記記録手段は、前記選局部により前記第1のチャンネルから第2のチャンネルが選局された場合に、ミュート履歴情報を前記第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録することを特徴とする請求項1記載のテレビジョン受信機。
【請求項5】
少なくとも1チャンネルが番組内容の過激度を示すレイティング情報を重畳した複数チャンネルのテレビジョン放送信号の中から選局部により選局されたチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較し、この比較結果に基づいて表示器に再生表示される該当番組を視聴不能にするための画面ミュートを行う第1の受信部と、この第1の受信部とは異なるチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較する第2の受信部とを備えたテレビジョン受信機であって、
前記表示器に表示される第1のチャンネルの番組が画面ミュート状態であるとき、この画面ミュートに関するミュート履歴情報を前記第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録する記録手段と、
前記選局部により前記第1のチャンネルから該第1のチャンネルとは異なる第2のチャンネルが選局された後に、前記第1のチャンネルが選局された場合に、前記記録媒体から前記第1のチャンネルの前記ミュート履歴情報を読み出し、該ミュート履歴情報に基づいて前記表示器に表示される番組を画面ミュートする制御手段と、
前記記録手段による前記ミュート履歴情報の記録後に、前記第1及び第2の受信部のうち空きの受信部により得られるレイティング情報の比較結果に基づいて、前記記録媒体上の前記ミュート履歴情報の記録内容を更新する更新手段とを具備したことを特徴とするテレビジョン受信機。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記レイティング情報の抽出から画面ミュートの実行までに要する時間を計時するタイマと、
前記選局部により前記第1のチャンネルから前記第2のチャンネルが選局された場合に、前記タイマを起動する起動手段と、
前記タイマにより計時される時間内に、前記第1のチャンネルに変更されたことを検出する検出手段と、
この検出手段により前記第1のチャンネルに変更されたことが検出されたとき、前記記録媒体からミュート履歴情報を読み出し、このミュート履歴情報に基づいて前記表示器に表示される番組を画面ミュートする表示制御手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載のテレビジョン受信機。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記タイマにより計時される時間を越えて、前記第1のチャンネルに変更されたことが検出されたとき、前記表示器に前記第1のチャンネルの番組を表示することを特徴とする請求項6記載のテレビジョン受信機。
【請求項8】
前記記録手段は、前記選局部により前記第1のチャンネルから前記第2のチャンネルが選局された場合に、ミュート履歴情報を前記第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録することを特徴とする請求項5記載のテレビジョン受信機。
【請求項9】
前記更新手段は、前記記録媒体上のミュート履歴情報と同じ第1のチャンネルを前記第1及び第2の受信部のうち空きの受信部に選局させる選局制御手段を備えることを特徴とする請求項5記載のテレビジョン受信機。
【請求項10】
少なくとも1チャンネルが番組内容の過激度を示すレイティング情報を重畳した複数チャンネルのテレビジョン放送信号の中から選局部により選局されたチャンネルに対応するレイティング情報を抽出し、このレイティング情報を予め登録されたレイティング情報と比較し、比較結果に基づいて表示器に再生表示される該当番組を視聴不能にするための画面ミュートを行うテレビジョン受信機の制御方法であって、
前記表示器に表示される第1のチャンネルの番組が画面ミュート状態であるとき、この画面ミュートに関するミュート履歴情報を前記第1のチャンネルに対応付けて記録媒体に記録し、
前記選局部により前記第1のチャンネルから該第1のチャンネルとは異なる第2のチャンネルが選局された後に、前記第1のチャンネルが選局された場合に、前記記録媒体から前記第1のチャンネルの前記ミュート履歴情報を読み出し、該ミュート履歴情報に基づいて前記表示器に表示される番組を画面ミュートするようにしたことを特徴とするテレビジョン受信機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−186849(P2006−186849A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380300(P2004−380300)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】