説明

テレビジョン受信装置

【課題】字幕の文字サイズに関する新しい設定技術を提供する。
【解決手段】ステップS1において処理を開始し(Start)、ステップS2において、字幕表示の有無を調べる。字幕表示有りであれな(YES)、ステップS3に進み、音量を検出する。次いで、ステップS4において、音量が基準値αよりも大きいか否かを判定し、大きい場合に(YES)、ステップS5に進み、音量に応じて、字幕の文字サイズを図3のように変更し、ステップS6で処理を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受信装置に関し、特に、字幕表示機能を有するテレビジョン受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
字幕表示機能を有するテレビジョン受信装置においては、映像信号を表示装置に供給して画面表示を行う場合に、元の映像信号に対して文字データを合成して表示する。例えば、映画を表示する時には、映画の字幕が、元の映像信号に対して合成される。また、スポーツ中継を表示する時には、得点情報が、元の映像信号に合成される。このように、映像信号に文字データを合成して表示することは、視聴者が画面を理解する上で極めて有効である。映像信号に合成して表示される文字データは、映像信号の制作者側で作成され表示装置に供給される。
【0003】
一般的には、メニューにおいて、字幕文字サイズの大、標準、小を選択できる項目を設け、ユーザが字幕文字サイズを切替えられるようにする方法が行われている。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、表示装置の特性に応じて選択された最適なサイズの文字データが表示されるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】特開2001−69418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
メニュー画面から字幕の文字サイズを設定する場合には、ユーザが必要に応じて手動で設定しなければならないので煩雑であるという問題がある。また、表示特性に応じて設定される場合には、個人差が考慮されていないという問題がある。例えば、年齢や個人によって、視力には差異があり、ハードウェア的に一律に文字サイズを決定すると、これらの差異が考慮されないことになる。
【0007】
本発明は、字幕の文字サイズに関する新しい設定技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
音量の大小に字幕文字サイズの大小を連動させて、音量が大きければ自動的に字幕文字サイズも大きくする。
すなわち、本発明の一観点によれば、字幕表示機能を有するテレビジョン受信装置であって、現在出力中の音量又は該音量の設定値に基づいて、音量が大きいほど表示する字幕のサイズを大きくする方向に制御する字幕文字サイズ変更部を有することを特徴とするテレビジョン受信装置が提供される。これにより、音量を大きく設定すると字幕の文字サイズも自動的に大きくなるモードを持たせることができる。さらに、前記音量と前記字幕文字サイズとの対応関係を保持することが好ましい。これにより、簡単に文字サイズを調整することができる。さらに、音量を検出する音量検出部を備えることが好ましい。前記音量検出部は、前記音量をリモコン装置の設定値に基づいて検出するものであっても良い。
【0009】
前記字幕文字サイズ変更部は、ある音量の閾値まではデフォルトの文字サイズとし、その閾値を越えると、音量の増加に基づいて文字サイズを大きくする制御を行うことを特徴とする。上記に記載の技術を、テレビジョン受信装置を備えた携帯端末に応用しても良い。また、上記制御を行うプログラムも発明の範疇に入るものである。
【発明の効果】
【0010】
テレビジョン受信装置において、お年寄りなどが字幕を読みやすくなるように字幕文字サイズが自動的に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明者は、人間の聴力と視力とにはある程度の相関関係がある点に着目した。例えば、統計的には、年齢が上がるにつれて、視力と聴力とが低下する傾向にある。そこで、発明者は、字幕表示機能を有するテレビジョン受信装置において、字幕放送が出力されている場合に、音量設定に応じて、音量が、ある基準値よりも高く設定されている場合には、それに応じて、字幕の文字サイズも大きくするように制御することを思いついた。
【0012】
以下、本発明の一実施の形態によるテレビジョン受信装置について図面を参照しながら説明を行う。図1は、本実施の形態によるデジタル放送受信装置に一構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施の形態によるデジタル放送受信装置は、アンテナから取得した放送波を受信処理するフロントエンド1と、放送波を映像・音声データと字幕情報データと分けるデマルチプレクサ3と、映像・音声データをデコードするデコーダ5と、デコードされた音声信号を出力する音声出力部7と、デマルチプレクサ3から出力された字幕情報をデコードする字幕情報デコード部11と、デコードされた字幕情報に基づいて字幕データを生成する字幕データ生成部15と、生成された字幕データとデコーダ5から取得出力された映像とを合成する画面合成部17と、合成された映像を表示する表示部21と、を有している。さらに、リモコン信号を受信するリモコン受光部23と、全体を制御する制御部25と、種々のデータを記憶するメモリ部27と、音量を検出する音量検出部29と、を有している。
【0013】
字幕データ生成部15には、字幕文字サイズを変更することができる字幕文字サイズ変更部15aが設けられ、メモリ部27には、音量−字幕文字サイズの対応関係を示す音量−字幕文字サイズテーブル27aが設けられている。音量検出部29は、実際に出力される音量を検出しても良いし、リモコン受光部23から受信したリモコン制御信号に含まれるリモコンにおける音量設定データを検出するようにしても良い。図2は、一般的なリモコン装置31の構成例を示す図であり、操作ボタン37と、音量を上下する音量調整ボタン35とを備えている。この音量調整ボタンによる調整値に基づいて上記音量検出部29において、現在の音量を検出することもできる。
【0014】
図3は、音量−字幕文字サイズテーブル27aをグラフで示した例である。図3に示すように、例えば横軸に音量が、縦軸に字幕文字サイズがとられ、音量も標準値(デフォルト値)αにおいて標準の字幕文字サイズになるように構成されている。図3に示す例では、音量αを境に、それよりも小さい音量の領域では、字幕文字サイズを標準値とし、αよりも大きい音量の領域では、例えばL1に示すように、MAXの字幕文字サイズにするように制御されている。或いは、L3に示すように、音量αからMAXまでは字幕文字サイズが比例して大きくなるようにしても良いし、L2で示されるように段階的に字幕文字サイズを大きくするようにしても良い。リモコンから年齢などを入力すると、α値が変更されるようにしても良い。
【0015】
図4は、本実施の形態による字幕文字サイズ制御機能の処理の流れを示すフローチャート図である。図4に示すように、まずステップS1において処理を開始し(Start)、ステップS2において、字幕表示の有無を調べる。字幕表示有りであれば(YES)、ステップS3に進み、音量を検出する。次いで、ステップS4において、音量が基準値αよりも大きいか否かを判定し、大きい場合に(YES)、ステップS5に進み、音量に応じて、字幕の文字サイズを図3のように変更し、ステップS6で処理を終了する。字幕に関しては、規格として予め数種類の使用できる文字サイズを規定しておき放送局側がコンテンツ内でいずれかの文字サイズを指定する方法が一般的である。
【0016】
尚、音量に関しては、瞬間的な音量ではなく、ある程度の時間検出を行った平均値の音量と、字幕の大きさとを関係付けするのが好ましい。また、テレビジョン受信装置において、メニュー内にお年寄り機能のオン/オフメニューを設けておき、お年寄り機能がオンの場合に、上記の制御を行うようにするのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、テレビジョン受信装置に利用可能である。テレビジョン受信装置を備えた携帯端末にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態によるデジタル放送受信装置に一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】一般的なリモコン装置の構成例を示す図である。
【図3】音量−字幕文字サイズテーブルをグラフで示した例である。
【図4】本実施の形態による字幕文字サイズ制御機能の処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0019】
1…フロントエンド、3…デマルチプレクサ、5…デコーダ、7…音声出力部、11…字幕情報デコード部、15…字幕データ生成部、15a…字幕文字サイズ変更部、17…画面合成部、21…表示部、23…リモコン受光部、25…制御部、27…メモリ部、27a…音量−字幕文字サイズテーブル、29…音量検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
字幕表示機能を有するテレビジョン受信装置であって、
現在出力中の音量又は該音量の設定値に基づいて、音量が大きいほど表示する字幕のサイズを大きくする方向に制御する字幕文字サイズ変更部を有することを特徴とするテレビジョン受信装置。
【請求項2】
さらに、前記音量と前記字幕文字サイズとの対応関係を保持することを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン受信装置。
【請求項3】
さらに、音量を検出する音量検出部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のテレビジョン受信装置。
【請求項4】
前記音量検出部は、前記音量をリモコン装置の設定値に基づいて検出することを特徴とする請求項3に記載のテレビジョン受信装置。
【請求項5】
前記字幕文字サイズ変更部は、ある音量の閾値まではデフォルトの文字サイズとし、その閾値を越えると、音量の増加に基づいて文字サイズを大きくする制御を行うことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のテレビジョン受信装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のテレビジョン受信装置を備えた携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−278199(P2008−278199A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−119326(P2007−119326)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】