説明

テレビ電話装置

【課題】相手のカメラ目線映像を見て、視線を合わせた会話を可能とするテレビ電話装置を提供する。
【解決手段】電話機能を備えたテレビ電話装置1において、映像を撮影するカメラ部2と、他のテレビ電話装置から受信した映像を表示するテレビ制御部17と、前記カメラ部のそばに配置されるインジケータ6と、前記インジケータを制御するインジケータ制御部11と、を有し、前記インジケータ制御部は、前記インジケータを点灯あるいは消灯することで、カメラ目線を要求することを特徴とするテレビ電話装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画の表示装置と動画の撮影のためのカメラと電話機能を備えたテレビ電話装置において、他機との間でテレビ電話による通話を行なうことができるようにしたテレビ電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ電話装置や、写真を撮るカメラにおいて、カメラ目線をもらうといった、視線が合った絵を得ることは、従来からの課題であった。例えば、お互いに自然な会話をすることを目的とする特許文献1記載のシステムが存在する。このシステムでは、お互いの正面の映像をメモリに保存しておいて、視線のずれを検出した際、保存しておいた正面の映像と現在の映像を合成することで、視線を合わせようと努める。
【0003】
また、カメラ本体に、被写体の興味を引くよう、揺れる人形を取り付けるといった手法をとる特許文献2記載のカメラも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−251562
【特許文献2】特開平2003−121919
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
説明を行ったこれらの技術では、次にあげる問題があった。正面映像をメモリに保存しておいて合成して用いる方式では、顔の継ぎ目が不自然になることが予想され、本来とは異なる顔形となる恐れがあり、正しい映像を得ることは困難であった。また、被写体の注意を引くカメラは、テレビ電話に応用することは考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本テレビ電話装置において、カメラの近くにインジケータを装備し、接続されたテレビ電話相互間で、交互に点灯と消灯を行うことを特徴とするテレビ電話システムを提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本テレビ電話装置は、インジケータが点灯しているときに、使用者のカメラ目線を得て、その映像を相手側に送り、インジケータが消灯されているときに、表示装置を見ることで、相手側のカメラ目線映像を見て、視線を合わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】テレビ電話装置の内部構成図の例である。
【図2】テレビ電話装置の外観図の例である。
【図3】テレビ電話装置のインジケータの点灯、消灯のタイムチャート図の例である。
【図4】テレビ電話装置のインジケータ制御部とテレビ制御部による処理を説明するシーケンスチャートの例である。
【図5】テレビ電話装置のインジケータ制御部の処理を説明するフローチャートの例である。
【図6】テレビ電話装置の前で表示部を見ている場合と、カメラを見ているときに得られる映像の説明の例である。
【図7】テレビ電話装置のインジケータと視線との関係を説明する図の例である。
【図8】インジケータの消灯、点灯時に、視線をどこに向ければよいかの説明を表示する例である。
【図9】テレビ電話装置のリモコンの外観図の例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1はテレビ電話装置の内部構成図の例であり、1はテレビ電話装置、2はカメラ部、3はテレビ部、4はリモコン、5はアンテナ、6はインジケータ、7はカメラ、8はマイク、9はエンコーダ、10はタイマー部、11はインジケータ制御部、12はカメラ制御部、13はIF部、14は点灯信号、15はバス、16はIF部、17はテレビ制御部、18はネットワークIF、19はネットワークケーブル、20は表示部、21は表示制御、22は放送チューナ、23はスピーカ、24はデコーダ、25は放送デコーダ、26は自カメラデコーダ、27は相手カメラデコーダ、28はリモコンIF、29はIF接続ケーブル、40はバスである。
【0010】
同図において、テレビ電話装置1には、カメラ部2とテレビ部3が含まれており、まずカメラ部2の内部について説明を行う。カメラ部2には、カメラ7とマイク8からの映像と音声をエンコーダ9に入れて、動画圧縮データを作成しバス15に流す。インジケータ6はバス15に接続され、インジケータ制御部11とタイマー部10によって、点灯あるいは消灯するという機能を、インジケータ6は備える。カメラ制御部12は、カメラ部2全体の制御を実施しており、バス15経由で制御を行い、IF部13を通じて、テレビ部3との情報のやりとりを実施している。
【0011】
またエンコーダ9からの動画圧縮データは、バス15を経由して、IF部13を通じて、IF接続ケーブル29を用いて、テレビ部3へ送られる。カメラ部2は、カメラ7とマイク8から入力された映像から動画圧縮データの作成とインジケータの点灯、消灯することが備えられた機能である。ここでインジケータ6とは、LEDなどで構成される発光部品を想定しているが、その他の構成物(回転部品など)によって、ユーザの注意を引くものであれば良い。
【0012】
テレビ部3において、放送局の電波塔(図示せず)からアンテナ5経由で入力された放送波は、放送チューナ22によって、動画圧縮データが取り出され、放送デコーダ25にて、動画伸張され、表示制御21経由で、表示部20にて表示される。また、放送デコーダ25の出力は、スピーカ23にも送られ、音声として出力される。
以上の動作の結果、本テレビ電話装置1では、テレビ放送の受信機能を備えるという特徴を持つ。
【0013】
また、IF接続ケーブル29経由で、先に説明を行ったカメラ部2から送られた動画圧縮データは、IF部16経由で、バス40を通り、自カメラデコーダ26において、動画伸張され、表示制御21に送られ、表示部20にて表示される。同時に、カメラ部2から送られた動画圧縮データは、バス40からネットワークIF18を通じて、ネットワークケーブル19にて、外部のネットワークに接続されており、通話を行う相手先のテレビ電話装置に接続される。
【0014】
このとき、相手先のテレビ電話装置から送られてきた動画圧縮データは、ネットワークIF18経由で受信し、バス40を通じて相手カメラデコーダ27にて、動画伸張され、表示される。また相手カメラデコーダ27から、スピーカ23に音声が出力される。以上の動作の結果、自分のカメラの映像と、相手のカメラの映像が、表示部20に表示され、テレビ電話として機能するという特徴がある。
【0015】
本実施例では、放送デコーダ25と自カメラデコーダ26、相手カメラデコーダ27を、それぞれの動作内容の中で説明を行ったが、これら3個のデコーダは、デコーダ24の中に構成されており、1個のLSIで構成されている。
【0016】
図2はテレビ電話装置の外観図の例である。30はネットワーク、31はテレビ電話装置、32は他のテレビ電話装置、33は視聴画面、34は自分の映像、35は相手の映像、36はインジケータ、37はカメラ、38はマイク、39は表示部、43はスピーカ、44は自分の映像、45は相手の映像、48は視聴画面、49はリモコンである。
【0017】
同図では、図1において説明を行ったテレビ電話装置1の外観を示しており、また、2台のテレビ電話装置すなわちテレビ電話装置31とテレビ電話装置32を、ネットワークケーブル19を用いてネットワーク30を通じて接続し、テレビ電話構成としたものである。
【0018】
まず同図、左側のテレビ電話装置31には、インジケータ6とマイク8とカメラ7が表示部20より上側に、スピーカ23とリモコンIF28が表示部20より下側に備えられている。表示部20には、視聴画面33の中に、自分の映像34と、テレビ電話装置32から送られてきた相手の映像35が表示されている。
【0019】
また、リモコン4を用いて、リモコンIF28経由で、ユーザによる操作が可能である。同図、右側のテレビ電話装置32には、インジケータ36とマイク38とカメラ37が表示部39より上側に、スピーカ43とリモコンIF48が表示部39より下側に備えられている。表示部39には、視聴画面48の中に、自分の映像44と、テレビ電話装置31から送られてきた相手の映像45が表示されている。また、リモコン49を用いて、リモコンIF48経由で、ユーザによる操作が可能である。
【0020】
同図において、テレビ電話装置31とテレビ電話装置32は、同一の装置であるが、説明の都合上、個々の説明用の番号は変更してある。本実施例では、テレビ放送の視聴画面を見ながら、相手の映像を表示し、かつ送っている自分の映像の表示が可能である。
【0021】
図3はテレビ電話装置のインジケータの点灯、消灯のタイムチャート図の例であり、50は通話開始、51は切断、52は通話呼び出し、53は着信、54は点滅、55は通話開始、56、57、58は消灯開始、59は切断、60は消灯のタイミングを示したものである。
【0022】
同図において、3本の水平な直線で示したタイムチャート図のうち、一番上のものは一般的なインジケータでのタイムチャート図を示したものである。本発明を用いていない通常のインジケータとは、カメラが撮影中であることを示すために用いられるため、通話開始50の時に、点灯し、切断51のときに消灯するという動きを行う。
【0023】
同図、上から2本目と3本目のタイムチャート図では、図2において説明を行ったテレビ電話装置31とテレビ電話装置32のそれぞれのインジケータであるインジケータ6とインジケータ36の点灯、消灯タイミングを示すタイムチャート図である。テレビ電話装置31からの通話呼び出し52が、テレビ電話装置32に伝わり、着信53となり、テレビ電話装置32のインジケータ36は、点滅を行う。
【0024】
その後、通話開始55を、テレビ電話装置31に送る。テレビ電話装置31では、通話開始55を受け取ると、まずインジケータ6を点灯し、その後、図1で説明を行ったタイマー部10にて時間を計測し、一定時間経過したら消灯させる。同時に消灯開始56をテレビ電話装置32に送る。テレビ電話装置32では、まずインジケータ36を点灯し、その後、図1で説明を行ったタイマー部10にて時間計測し、一定時間経過したら消灯させる。
【0025】
同時に、消灯開始57をテレビ電話装置31に送る。テレビ電話装置31では消灯開始57を受け取ったら、まずインジケータ6を点灯させ、その後、図1で説明を行ったタイマー部10にて時間計測し、一定時間経過したら消灯させる。同時に消灯開始58をテレビ電話装置32に送る。
【0026】
テレビ電話装置32では消灯開始87を受け取ったら、まずインジケータ36を点灯させ、その後、図1で説明を行ったタイマー部10にて時間計測し、一定時間経過したら消灯させるという動きを本来するはずであるが、先に、テレビ電話装置31から切断59が送られてきたので、ここで、通話終了なので、テレビ電話装置32のインジケータ36は消灯させる。またテレビ電話装置31では切断59と同時にインジケータ6を点灯させ、その後、図1で説明を行ったタイマー部10にて時間計測し、一定時間経過したら消灯させる。
【0027】
図3における一番上のタイムチャート図で説明を行った一般的なインジケータとは異なり、本発明におけるインジケータは、着信があったときには、点滅するという特徴を持ち、またテレビ電話装置間で、交互に点灯、消灯を一定時間ごとに繰り返すという特徴を持つ。また、ユーザによる切断処理があった場合、切断した方は、インジケータが点灯して一定時間後、消灯するという動きをするのに対し、切断された方が、ただちに消灯するという特徴がある。
【0028】
本実施例では、着信があったことを、インジケータの点滅でユーザに知らせるという効果があり、着信通知機能と、撮影中を示す機能が同一部品で構成され、より安価であるという特徴も存在する。
【0029】
図4はテレビ電話装置のインジケータ制御部とテレビ制御部による処理を説明するシーケンスチャートの例である。図4において、400からの番号を用いて説明を行う。テレビ電話装置31と手例電話装置32には、インジケータ制御部とテレビ制御部が、それぞれ存在し、本実施例では、マイクロプロセッサや、メモリに格納されたプログラムによって動作することで、備える機能を実現するものであるが、それ以外の実装形態を取っても良い。
【0030】
同図において、テレビ電話装置31のテレビ制御部401は、ユーザによるリモコンの操作により、通話呼び出しを検出すると、404にて、通話呼び出しを行う。通話呼び出しが発生すると、テレビ制御部401から相手側のテレビ電話装置32内のテレビ制御部402に対し、通話呼び出しが通知され、テレビ制御部402は、着信として扱い、405に進むと共に、着信がインジケータ制御部403に送られ、インジケータ制御部403は、406にて点滅動作を行う。
【0031】
テレビ制御部402は、ユーザの操作により、着信に対する応答が許可されると、通話開始をインジケータ制御部403に送ると共に、テレビ制御部401にも送る。またテレビ制御部401は、通話開始を受け取ると、408に移ると共に、通話開始をインジケータ制御部400にも送る。テレビ制御部401では、408では通話状態に移行したことを示す。
【0032】
また通話開始を受け取ったインジケータ制御部400は、409に移り点灯を行う。一定時間経過後、消灯開始がインジケータ400からテレビ制御部401に送られ、テレビ制御部401から、テレビ制御部402へ消灯開始が伝えられる。その後、テレビ制御部402から消灯開始がインジケータ制御部403に伝えられ、インジケータ制御部403は、410に移行し、インジケータの点灯を行う。一定時間の経過はタイマー部10により計測される。
【0033】
一定時間経過後、インジケータ制御部403は、インジケータを消灯し、消灯開始をテレビ制御部402に伝える。テレビ制御部402は、消灯開始したことを、テレビ制御部401に伝え、テレビ制御部401は、消灯開始をインジケータ制御部400に伝える。その結果、インジケータ制御部400は、411に移り、点灯を行い、その後、一定時間経過後、消灯を行い、消灯開始をテレビ制御部401に伝える。
【0034】
消灯開始を受け取ったテレビ制御部401は、テレビ制御部402に消灯開始を伝える。消灯開始を受け取ったテレビ制御部402は、消灯開始をインジケータ制御部403に伝える。その結果、インジケータ制御部403は413に移り、点灯を行う。
【0035】
テレビ電話装置31のテレビ制御部401において、ユーザ操作により、切断指示が検出されると、412に移り、切断を行う。テレビ制御部401では、切断をインジケータ制御部400に伝えると共に、テレビ制御部402にも伝える。インジケータ制御部400では切断を受け取ると、414に移り、インジケータを一定時間点灯した後、消灯を行う。また、切断を受け取ったテレビ制御部402では、インジケータ制御部403に切断を伝える。インジケータ制御部403では、413の点灯処理中であったが、切断が来たため、ただちに消灯するという動作を行う。
【0036】
以上、説明を行った動作により、互いのテレビ電話装置に内蔵したインジケータ制御部は、テレビ制御部を通じて、消灯開始を通知しあうことで、インジケータの点灯処理を交互に行うという効果がある。
【0037】
なお、本実施例では、消灯開始時点に消灯開始を示す情報を相手方のテレビに送信し、この消灯開始を示す情報を受信したことに応じて、相手方のテレビのインジケータの点灯を行うが、これに限定されない。テレビ制御部402からの通話開始情報をテレビ電話装置31が受け取ると、インジケータ制御部400はインジケータの点灯を開始し(ステップ409)、テレビ電話装置31のタイマー部が計測を開始する。一定時間経過を確認したらインジケータ制御部31はテレビ電話装置31のインジケータの消灯を行う。
【0038】
これと同様に、テレビ制御部402からの通話開始情報はテレビ電話装置32も受け取っているため、この通話開始情報に応じてテレビ電話装置32のタイマー部が計測を開始し、一定時間経過を確認したらテレビ電話装置32のインジケータの点灯を行う。
【0039】
このように、それぞれのテレビ電話装置が、同時にタイマー部による一定時間の計測を始動させ、一定時間ごとに、テレビ電話装置31は点灯から始まり消灯点灯を繰り返し、また、逆にテレビ電話装置32は消灯から始まり点灯消灯を繰り返すことで、毎回相手のテレビ電話装置に消灯開始情報を送信する必要が無くなる。
【0040】
図5はテレビ電話装置のインジケータ制御部の処理を説明するフローチャートの例である。500からの数字を用いて説明を行う。図4で説明を行ってきたインジケータ制御部におけるインジケータ制御とタイマー部との連動を説明するフローチャート図である。インジケータ制御部は、501のイベント確認において、テレビ制御部からから受けた通知内容を確認する。その内容が、着信、消灯開始、通話開始、切断の違いによって、それぞれ、502、503、504、505にて分岐を行う。特に通知内容が無ければ、また501に戻る。
【0041】
502で着信が来た場合、506に移り、着信フラグをONにする。着信フラグは、インジケータ制御部の内部にある1ビットのメモリである。その後、507に移り、インジケータを点滅させ、また501に戻る。
【0042】
503で消灯開始が来た場合、508に移り、インジケータを点灯後、図1のタイマー部10を起動する。続いて509にて、タイマー部10の応答を待つ。ここでタイマー部10は一定時間経過後、応答をインジケータ制御部に返す。509にて応答が来たら、510に移りインジケータを消灯させ、その後、501に戻る。
【0043】
504で通話開始が来た場合、511に移り、着信フラグを確認する。もしOFFであれば、508に移動し、先に説明した処理を行う。もしONならば、既に着信中なので、507で点滅しているために、512でインジケータの消灯を行う。
【0044】
505において、切断が来た場合、513に移り、着信フラグを確認する。もしOFFであれば、508に移動し、先に説明した処理を行う。もしONであれば、514に移りインジケータを消灯させ、515にて着信フラグをOFFにして、501に戻る。
以上説明した動作の結果、図3あるいは図4での、インジケータの点灯、消灯処理がタイマー部10と連動させて、一連の動作を行う。
【0045】
ここで、タイマー部10が計測する時間は、一定の時間である。この時間は、ユーザからみて、図2のテレビ電話装置31のインジケータ6と、通話相手側のテレビ電話装置32のインジケータ36の、それぞれが点灯する期間を計測する。この時間は、例えば、一分間に何回も点灯、消灯を繰り返すと、会話を阻害するが、数回であれば、会話を阻害することは無く、また自然な視線を交わすことが可能である。
【0046】
また、別の例としては、乱数となるよう計測し、こちら側のインジケータと相手側のインジケータが点灯、消灯するタイミングが揺らぐが、点灯、消灯が一定期間ごとだと、慣れてしまうので、そのような運用も存在する。また時々は、図5の507で着信時の点滅とは異なる点滅タイミングではあるが、点滅させて、ユーザの注意を引いたりする運用も存在する。
以上の動作の結果、インジケータが点灯するタイミングで、ユーザの注意を引くため、カメラに対して、視線を投げることが可能となる。
【0047】
図6はテレビ電話装置の前で表示部を見ている場合と、カメラを見ているときに得られる映像の説明の例である。
601は、話し相手が、表示部を見ている場合であり、下向きの映像となる。これは図2のテレビ電話装置32の構造では、表示部20の上に、カメラ37とインジケータ36が存在しているため、表示部20を見ている場合だと、話者はカメラ37を見ておらず、上側のカメラ37から見ると、視線が合わない、下向きの映像が送られてくる。
【0048】
602は、話し相手が、カメラを見ている場合であり、正面の映像となる。これは図2のテレビ電話装置32の構造では、表示部20の上に、カメラ37とインジケータ36が存在しているため、カメラ37を見ている場合だと、視線がもらえるため、正面の映像が送られてくる。この場合、話者は表示部20を見ていない。
【0049】
図7はテレビ電話装置のインジケータと視線との関係を説明する図の例である。ここで、700はユーザである自分。701はユーザ700の視線。702は通話先の相手、703は相手702の視線である。他の番号については、既に説明済みの図と同じであるため省略する。
【0050】
図7(a)において、左側の自分700は、表示部20を見ているため、カメラ7によって撮られた映像は、相手に送られるが、この時の映像は、図6の下向きの映像601となる。また相手側は、相手702が表示部39を見ているため、カメラ37によって撮られた映像が送られるが、これも下向きの映像601となる。以上の結果、図7(a)ではインジケータ6あるいはインジケータ36が点灯していないために、どちらも下向きの映像となるため、視線が合うことは無い。
【0051】
図7(b)において、左側の自分700は、インジケータ6が点灯しているために、表示部20ではなく、カメラ7を見ることが予想される。その結果、カメラ7によって撮られた映像は、相手に送られるが、この時の映像は、図6の正面の映像602となる。したがって相手702は視線があった映像を見ることができる。
【0052】
また相手側では、相手702が表示部39を見ているため、カメラ37によって撮られた映像が送られるが、これは下向きの映像601となる。しかしながら、この場合自分700は点灯したインジケータ6によりカメラ7を見ており、表示部20を見ていないため、視線のあっていない601の映像が表示部20に写っていたとしても自分700は気が付かない。
【0053】
以上の結果、図7(b)ではインジケータ6のみが点灯しており、インジケータ36は消灯しているために、相手702の視線703にとっては、正面の映像602が送られているため、視線が合い、カメラ目線がもらえるという状態になる。
【0054】
図7(c)において、左側の自分700は、インジケータ6は点灯していないために、表示部20を見ているために、相手に送られる映像は、下向きの映像601である。しかし、相手側の相手702は、インジケータ36が点灯しているため、カメラ37を見ることが予想される。その結果、視線の会っていない601の映像が表示部39に写っていたとしても相手702は気が付かない。
【0055】
一方、相手側のインジケータ36が点灯しているため、相手702はカメラ37を見ている。カメラ37によって撮られた映像は、自分700に送られるが、この時の映像は、図6の正面の映像602となる。このとき、自分700は視線701を表示部20に向けており、相手からは、正面の映像602が送られてくるため、このときは、視線が合い、カメラ目線がもらえるという状態になる。
以上の動作の結果、インジケータの点灯しているときに、カメラ目線を相手に送ることで、相手側では、視線が合うという状態になるという効果がある。
【0056】
図8はテレビ電話装置のインジケータの消灯、点灯時に、視線をどこに向ければよいかの説明を表示する例である。
801はインジケータが消灯している場合、「視線を表示部に向けてください。」と表示している。このときは、「相手から視線を貰える可能性が高いです。」と表示部に表示している。
【0057】
802はインジケータが点灯している場合、「視線をカメラに向けてください。」と表示している。このときは、「相手に視線を向けた映像を送ることになります。」と表示部に表示している。
【0058】
以上、説明を行ったように、テレビ電話装置の表示部には、以上のような説明が表示されるため、インジケータが点灯しているときには、カメラを、またインジケータが消灯しているときには、表示部を見ることを促すことになる。その結果、図7において説明したように視線が合わせて会話することが可能となるという効果がある。
なお、上記のような表示は、テレビ電話装置の取扱説明書に記載してもよい。
【実施例2】
【0059】
図9はテレビ電話装置のリモコンの外観図の例である。図9において、4はリモコン、91は電源ボタン、92はテレビボタン、93は視線ボタン、94は電話ボタンである。
ユーザは、リモコン4を用いて、図1あるいは図2のテレビ電話装置31の操作を行う。もし放送されているテレビ番組を見たい場合には、テレビボタン92を押し、テレビ電話機能を使うならば電話ボタン94を押して、テレビ電話機能を用いることが可能である。図1のテレビ電話装置31では、リモコン4の操作情報は、リモコンIF28経由でバス40からテレビ制御部17に送り、ユーザ操作の処理を実現している。
【0060】
ここで、リモコン4上の視線ボタン93をユーザが押した場合、図1のリモコンIF28は視線を要求する旨の情報をリモコンから受信する。テレビ制御部17は、ネットワークIF18を通じて、通話先のテレビ電話装置にインジケータを点灯させる旨の指示情報を送り、受け取った側のテレビ電話装置内部のネットワークIF18を通じて、通話先のテレビ電話装置内部のテレビ制御部17が、その指示情報を受け取り、通話先のテレビ電話同値内部のインジケータ制御部11に指示を伝え、通話先のテレビ電話装置内部のインジケータ6を点灯させる。
【0061】
また視線ボタン93を離すとテレビ制御部17は、通話先のテレビ電話装置内部のインジケータ制御部11に指示を送り、インジケータ6を消灯させる。
以上の動作の結果、リモコンの視線ボタン93を押すことで、相手側の注意を引くことが可能となり、このとき、視線を貰うことが可能となるという効果が存在する。
【0062】
実施例中では、テレビ放送を受信可能なテレビ装置に付属する形でのテレビ電話装置として説明を行ったが、テレビ放送受信が電波ではなく、ネットワーク経由での受信形態でも良く、またテレビ受信機能を備えていない形態でも良い。また、装置の大きさに依存しないため、携帯電話や腕時計型のテレビ電話装置にも応用可能である。
【0063】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0064】
また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、テレビ制御部17がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能実行時には、対応するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は図示されていないメモリまたはキャッシュメモリに置くことができる。非実行時には、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、図示されていないハードディスク装置、または、ICカード装置等に置くことができる。
【0065】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 テレビ電話装置
2 カメラ部
3 テレビ部
4 リモコン
5 アンテナ
6 インジケータ
7 カメラ
8 マイク
9 エンコーダ
10 タイマー部
11 インジケータ制御部
12 カメラ制御部
13 IF部
14 点灯信号
15 バス
16 IF部
17 テレビ制御部
18 ネットワークIF
19 ネットワークケーブル
20 表示部
21 表示制御
22 放送チューナ
23 スピーカ
24 デコーダ
25 放送デコーダ
26 自カメラデコーダ
27 相手カメラデコーダ
28 リモコンIF
29 IF接続ケーブル
30 ネットワーク
40 バス
31 テレビ電話装置
32 テレビ電話装置
33 視聴画面
34 自分の映像
35 相手の映像
36 インジケータ
37 カメラ
38 マイク
39 表示部
43 スピーカ
44 自分の映像
45 相手の映像
48 視聴画面
49 リモコン
50 通話開始
51 切断
52 通話呼び出し
53 着信
54 点滅
55 通話開始
56 消灯開始
57 消灯開始
58 消灯開始
59 切断
60 消灯
91 電源ボタン
92 テレビボタン
93 視線ボタン
94 電話ボタン
601 下向きの映像
602 正面の映像
700 自分
701 視線
702 相手
703 視線
801 インジケータが消灯している場合
802 インジケータが点灯している場合

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機能を備えたテレビ電話装置において、
映像を撮影するカメラ部と、
他のテレビ電話装置から受信した映像を表示するテレビ制御部と、
前記カメラ部のそばに配置されるインジケータと、
前記インジケータを制御するインジケータ制御部と、
を有し、
前記インジケータ制御部は、前記インジケータを点灯あるいは消灯することで、カメラ目線を要求することを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテレビ電話装置において
タイマー部を有し、
前記インジケータ制御部は、前記タイマー部により計測された一定時間ごとに、前記インジケータを消灯または点灯させることを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のテレビ電話装置において
前記インジケータ制御部は、テレビ電話による通話を開始した場合に、自テレビ電話装置のインジケータを点灯し、テレビ電話による通話を切断した場合に、該通話を切断した方のテレビ電話装置のインジケータを一定期間点灯させることを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項4】
請求項2に記載のテレビ電話装置において、
前記インジケータ制御部は、前記タイマー部による時間計測により、1分間に数回インジケータを点灯あるいは消灯することを特徴とするのテレビ電話装置。
【請求項5】
請求項2に記載のテレビ電話装置において
前記インジケータ制御部は、前記タイマー部による時間計測により、1分間に数回、一定時間ではなく乱数により変化された時間にインジケータを点灯あるいは消灯することを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項6】
請求項1に記載のテレビ電話装置において、
前記インジケータ制御部は、前記他のテレビ電話装置から送信された、前記他のテレビ電話装置のインジケータを消灯する旨を示す情報に応じて、自テレビ電話装置のインジケータを点灯させることを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項7】
請求項1に記載のテレビ電話装置において、
リモコンから視線を要求する旨の情報を受信し、
該視線を要求する情報に応じて、前記他のテレビ電話装置のインジケータを点灯させる旨の情報を前記他のテレビ電話装置に送信することを特徴とするテレビ電話装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のテレビ電話装置において、
インジケータが点灯している場合には、カメラを見ることにより相手から視線を貰える可能性が高い旨を表示部に表示することを特徴とするテレビ電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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