説明

テレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法および処理装置

【課題】難分解性のテレフタル酸含有排水を、複雑な装置設備や煩雑な操作を必要とすることなく、低コストで効率的に嫌気性処理して、テレフタル酸を高度に分解除去する。
【解決手段】テレフタル酸を含有する排水を嫌気性処理するにあたり、嫌気性処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加する。テレフタル酸含有排水の嫌気性処理に際して、所定量の硫酸根を添加すると、嫌気性処理におけるテレフタル酸の分解効率が飛躍的に向上する。硫酸根は、排水中のテレフタル酸に対して10質量%以上の含有量となるように添加することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法および処理装置に係り、特に、嫌気性処理により、排水中の難分解性のテレフタル酸を効率的に分解除去する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学産業分野や電子産業分野では、テレフタル酸を含有する排水が排出される場合がある。例えば、PETボトルやフィルム、磁気テープ、衣料用繊維等の原料として用いられるポリエチレンテレフタレートの製造工程排水には、通常、テレフタル酸やパラトルイル酸、安息香酸などが含まれている。
【0003】
一般に、各種産業分野の排水を嫌気性処理する場合、嫌気性処理系内には、菌体合成のために栄養塩類、微量金属などが必要であり、例えば、硫酸イオンは排水中のCODCrに対してSO2−として1.5%程度必要とされている。化学系の排水や電子産業排水には、これらの菌体合成に必要な成分は殆ど含まれていないために、これらの排水の嫌気性処理にあたっては、ミネラル成分を添加して処理が行われる。ただし、硫酸イオンは、メタン発酵槽内で硫酸還元菌により分解されて硫化水素ガスを発生させ、排ガス処理の負荷を増大させると共に、メタン発酵が硫化水素により阻害され、処理効率が低下することとなるため、菌体合成に必要な濃度以上の添加は行われていない。
【0004】
テレフタル酸含有排水を嫌気性処理しようとした場合、テレフタル酸が難分解性であるため、効率よく分解除去することができない。テレフタル酸含有排水に同時に含有されるパラトルイル酸についても同様である。
【0005】
従来、嫌気性処理では分解し難い難分解性の有機物については、通常、好気性処理が行われるが、嫌気性処理は好気性処理に比べて高負荷処理が可能でランニングコストが低く、CO排出量も少ないという利点があるため、嫌気性処理による処理が望まれる。
【0006】
特許文献1には、嫌気性処理におけるテレフタル酸の分解効率を高めるために、テレフタル酸含有排水をオゾン処理した後嫌気性処理する方法が提案されている。しかし、この方法は、処理効率は高いものの、オゾン処理のための装置が複雑化し、また、処理コストも高くつくという不具合がある。
【0007】
なお、特許文献2には、嫌気性処理にあたって、グラニュール汚泥の浮上、流出を防止するために、排水に鉄塩と硫酸イオン源を添加して鉄塩と硫酸イオンの反応で硫化鉄(FeS)を生成させ、グラニュール汚泥の空洞を硫化鉄で充填する方法が提案されているが、この方法は、添加した硫酸イオン源をFeSとして析出させるものであり、嫌気性処理槽内の硫酸イオン濃度を高めるものではない。
【0008】
前述の如く、嫌気性処理において、系内の硫酸イオン濃度を高めると、硫化水素ガスが発生するため、従来においては、硫化水素ガスの発生を抑制するべく、菌体合成に必要な濃度以上に硫酸イオン濃度を高めることは行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−269797号公報
【特許文献2】特許第3814851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、難分解性のテレフタル酸含有排水を、複雑な装置設備や煩雑な操作を必要とすることなく、低コストで効率的に嫌気性処理して、テレフタル酸を高度に分解除去することができる方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、テレフタル酸含有排水の嫌気性処理に際して、所定量の硫酸根(SO2−)を添加すると、嫌気性処理におけるテレフタル酸の分解効率が飛躍的に向上することを見出した。
【0012】
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0013】
[1] テレフタル酸を含有する排水を嫌気性処理する方法において、嫌気性処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加することを特徴とするテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【0014】
[2] 前記排水中の硫酸根の含有量が60〜400mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加することを特徴とする[1]に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【0015】
[3] 前記排水に、該排水中のテレフタル酸に対して硫酸根の含有量が10質量%以上となるように硫酸根を添加することを特徴とする[1]または[2]に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【0016】
[4] 前記排水は、テレフタル酸を50〜2000mg/L含有することを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【0017】
[5] 前記排水は、さらにパラトルイル酸を含有することを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【0018】
[6] テレフタル酸を含有する排水を嫌気性処理する装置において、嫌気性処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加する手段を有することを特徴とするテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【0019】
[7] 前記排水中の硫酸根の含有量が60〜400mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加する手段を有することを特徴とする[6]に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【0020】
[8] 前記排水に、該排水中のテレフタル酸に対して硫酸根の含有量が10質量%以上となるように硫酸根が添加されることを特徴とする[6]または[7]に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【0021】
[9] 前記排水は、テレフタル酸を50〜2000mg/L含有することを特徴とする[6]ないし[8]のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【0022】
[10] 前記排水は、さらにパラトルイル酸を含有することを特徴とする[6]ないし[9]のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、嫌気性処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/Lとなるように、テレフタル酸含有排水に硫酸根(SO2−)を添加することにより、難分解性のテレフタル酸を嫌気性処理により効率的に分解除去して、高水質の処理水を得ることができる(請求項1,6)。
本発明は、複雑な装置設備や煩雑な操作を必要とすることなく、排水に硫酸等の硫酸根を添加するのみで、簡易な装置で容易かつ低コストに実施することができ、その工業的有用性は極めて大である。
【0024】
本発明において、硫酸根は、排水中のテレフタル酸に対して10質量%以上で、排水中の含有量が60〜400mg/Lとなるように添加することが好ましい(請求項2,3,7,8)。
【0025】
本発明は、テレフタル酸を50〜2000mg/L含有し、さらにパラトルイル酸を含有するテレフタル酸含有排水の処理に好適である(請求項4,5,9,10)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0027】
本発明においては、テレフタル酸含有排水の嫌気性処理に当たり、排水に所定量の硫酸根を添加する。この所定量の硫酸根の添加でテレフタル酸含有排水の嫌気性処理効率の向上効果が得られる作用機構の詳細は明らかではないが、本発明では、排水に、菌体合成に必要な量よりも過剰量の硫酸根を添加することにより、硫酸還元反応を促進させることが可能となり、これにより、水素分圧が低下し、この結果、嫌気性処理系内が還元状態となってメタン生成反応が促進され、難分解性のテレフタル酸が分解除去されるものと考えられる。
【0028】
[テレフタル酸含有排水]
本発明で処理する原水は、テレフタル酸を含有する排水であり、化学産業分野や電子産業分野等の各種の産業分野から排出されるテレフタル酸含有排水、例えば、ポリエチレンテレフタレートの製造工程排水などが挙げられる。
【0029】
テレフタル酸含有排水中のテレフタル酸濃度については特に制限はないが、通常50〜2000mg/L、好ましくは100〜1000mg/L程度である。排水中のテレフタル酸濃度がこの下限値より少ない場合は通常処理との有意差が小さくなり、この上限値より多いとテレフタル酸が結晶化しやすく処理効率が低下するおそれがある。
【0030】
また、このテレフタル酸含有排水は、更にパラトルイル酸や、安息香酸、糖、有機酸を始めとする易分解性の有機物等を含んでいてもよい。
【0031】
特に、本発明における嫌気性処理での硫酸根添加は、パラトルイル酸の嫌気性処理効率の向上にも有効であり、テレフタル酸と共にパラトルイル酸を含む排水に対しても良好な処理効果を示す。
この場合、排水中のパラトルイル酸の含有量については特に制限はないが、通常50〜5000mg/L、好ましくは100〜2000mg/Lである。
本発明は、パラトルイル酸濃度が上記範囲にある排水の処理において、処理効果の点で優位性が特に高くなる。
【0032】
[硫酸根]
本発明において、排水に硫酸根(SO2−)を添加するための薬剤としては、排水中のSO2−濃度を高めることができるものであればよく、特に制限はないが、例えば、硫酸、硫酸鉄(I)、硫酸鉄(II)、ポリ硫酸鉄等のSO2−含有酸性溶液、硫酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の可溶性の硫酸塩などが挙げられる。
なお、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどは、水に難溶性であるが、希薄溶液として添加することにより、排水中の硫酸イオン濃度を高めることができる。これらの硫酸根源となる薬剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
硫酸等の硫酸根源薬剤は、SO2−濃度として5〜30質量%の水溶液として添加することが、取り扱い性、排水への添加操作性等の面で好ましい。
【0034】
排水への硫酸根の添加量は少な過ぎると硫酸根を添加することによる本発明の効果を十分に得ることができず、多過ぎると硫化水素ガスを多量に発生するようになり、好ましくない。
従って、排水への硫酸根添加量、即ちSO2−添加量は、好ましくは30〜400mg/L、より好ましくは50〜200mg/Lとし、この添加量の範囲内において、排水中のSO2−濃度が60〜400mg/L、特に70〜200mg/Lとなるように添加することが好ましい。
【0035】
また、硫酸根は、特に排水中のテレフタル酸に対して10質量%以上、とりわけ15〜30質量%の含有量となるように添加することが好ましい。排水中のテレフタル酸に対する硫酸根含有量が少な過ぎると、テレフタル酸の分解効率を十分に高めることができない場合がある。
【0036】
また、処理対象排水がテレフタル酸とパラトルイル酸を含む場合、硫酸根は、排水中のテレフタル酸とパラトルイル酸との合計量に対して10質量%以上、特に15〜30質量%の含有量となるように添加することが好ましい。
【0037】
また、硫酸根は、嫌気性処理で得られる処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/L、好ましくは10〜20mg/Lとなるように添加する。嫌気性処理水の硫酸イオン濃度が上記下限より少ない程度の硫酸根添加量では、本発明による硫酸根の添加効果を十分に得ることができない。ただし、嫌気性処理水の硫酸イオン濃度が過度に高いと、硫化水素ガス発生量が多くなると共に、嫌気性処理水自体の水質が悪くなり、後段の処理工程の負荷が増大し、好ましくない。
【0038】
排水への硫酸根の添加箇所については後述する。
【0039】
[嫌気性処理]
本発明における嫌気性処理方式については特に制限はなく、酸生成菌による酸生成工程とメタン生成菌によるメタン発酵工程とを同一槽内で行う一相式であっても、これらを別の槽で行う二相式であってもよい。
【0040】
また、嫌気性処理の反応槽の型式にも特に制限はなく、固定床式、流動床式、メタン生成細菌のグラニュールによる高負荷処理が可能なUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket;上向流嫌気性汚泥床)方式、EGSB(Expanded Granule Sludge Bed;展開粒状汚泥床)方式等が挙げられるが、好ましくは高負荷処理が可能なUASB方式、EGSB方式である。
【0041】
一相式の嫌気性処理の場合、硫酸根は、嫌気性処理槽、嫌気性処理槽に流入する原水、のいずれに添加してもよいが、硫酸根として硫酸を添加する場合、硫酸の添加でpHが低下するため、pH調整槽が設けられている場合は、その前段で添加することが好ましい。
また、二相式の場合、硫酸根の添加箇所は、排水中の被処理物質の量に応じて異なり、排水中の易分解性物質が多い場合には、メタン発酵槽に近い位置で添加し、排水中の易分解性物質が少ない場合には、前段側、例えば酸生成槽で添加することが好ましい。これは易分解性物質の分解時に消費されてしまうと、テレフタル酸やパラトルイル酸の分解促進効果が減じられてしまうという理由による。
なお、いずれの場合も、硫酸根として硫酸を添加する場合、硫酸の添加でpHが低下するため、pH調整槽が設けられている場合は、その前段で添加することが好ましい。
【0042】
嫌気性処理の条件は採用する方式により異なるが、通常pH6〜8、温度25〜39℃、滞留時間4時間〜3日間、嫌気性汚泥濃度10,000〜40,000mg−VSS/L、負荷量1〜15kg−BOD/m3・day、CODcr負荷2〜30kg−CODcr/m3・dayとするのが好ましい。
【0043】
嫌気性処理水は、残留した有機物を分解するために、さらに活性汚泥処理などの好気性処理、その他の後処理に供することができる。本発明によれば、嫌気性処理では難分解性のテレフタル酸を嫌気性処理により効率的に分解除去することができるため、その後段に好気性処理を行う場合であっても、負荷を軽減することができ、処理コストを低減することができる。
【0044】
[硫化水素ガスの処理]
本発明においては、テレフタル酸含有排水に対して硫酸根を前述の制限された添加量で添加するため、メタン発酵を阻害することがない程度に硫化水素ガスの発生を抑えた上で、テレフタル酸の分解効率を高めることができるが、少量の硫化水素ガスが発生する場合がある。この場合には、生物脱硫処理などにより、排ガス中の硫化水素を処理するようにしてもよい。生物脱硫を行う場合、被処理ガス中の硫化水素濃度が変動すると硫黄酸化細菌が安定に生育せず、処理が不安定となるが、本発明では、硫化水素ガスが発生する場合であっても、排水に所定量の硫酸根を添加することにより、硫化水素濃度が安定した排ガスが排出されるため、このような問題はなく、安定した生物脱硫処理を行うことができる。
【0045】
硫化水素含有排ガスの生物脱硫処理としては、特許第3235131号公報に記載されるように、硫化水素含有排ガスを洗浄液、例えば、有機性物質の好気性微生物酸化における処理液と接触させて、ガス中の硫化水素を吸収させ、得られた吸収液を好気性微生物酸化して、イオウ酸化細菌の酸化作用により硫化水素を硫酸イオン又は単体イオウに酸化して無害化する方法が挙げられる。
この方法によれば、メタンガスの含有率を低下させることなく、低コストで効率よく、また脱硫に伴って新たな廃液を生じることなく、高い脱硫率で脱硫処理することができる。
ただし、硫化水素ガスの処理方法は、何らこの方法に限定されるものではない。
【実施例】
【0046】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0047】
なお、以下の実施例および比較例において、嫌気性処理した原水の水質は、以下の通りである。
【0048】
<原水水質>
CODCr :4050mg/L
テレフタル酸濃度 :400mg/L
パラトルイル酸濃度:620mg/L
SO2-濃度 :30〜40mg/L
pH :10
【0049】
[実施例1〜3、比較例1,2]
酸生成槽とEGSBメタン発酵槽とを備える2相式の嫌気性処理装置により、原水を酸生成槽に導入して処理した後、メタン発酵槽で処理し、メタン発酵槽の処理水の一部を酸生成槽に循環すると共に残部を処理水として取り出すことにより、原水の嫌気性処理を行った。
【0050】
各槽の仕様および処理条件は次の通りであり、原水流量は5L/dayである。
【0051】
酸生成槽 槽容量:0.5L
酸生成槽 pH :6.5〜7.5
メタン発酵槽 槽容量:2L
メタン発酵槽 pH :7〜8
メタン発酵槽 汚泥濃度:67g/L as VSS
メタン発酵槽 温度 :35℃
メタン発酵槽から酸生成槽への循環水量:原水流量Q(=5L/day)に対して1Q(=5L/day)を循環した。
【0052】
このような嫌気性処理において、酸生成槽の前段で表1に示すSO2−添加量となるように硫酸を添加した(ただし、比較例1では硫酸を添加せず)。なお、硫酸は、20質量%の水溶液として添加した。また、硫酸の添加によりpHが低下するため、硫酸添加後、適宜アルカリ(水酸化ナトリウム)を添加してpH調整した。この硫酸の添加により、原水中に含まれるSO2−も含めて、嫌気性処理に供される排水中のSO2−含有量は表1に示す通りとなった。
【0053】
このような嫌気性処理で得られた処理水の水質と、この処理結果から求めた汚泥の活性、硫化水素ガスの発生の有無を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1より、本発明によれば、難分解性のテレフタル酸含有排水を効率的に嫌気性処理して高水質の処理水を得ることができることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレフタル酸を含有する排水を嫌気性処理する方法において、嫌気性処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加することを特徴とするテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【請求項2】
前記排水中の硫酸根の含有量が60〜400mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加することを特徴とする請求項1に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【請求項3】
前記排水に、該排水中のテレフタル酸に対して硫酸根の含有量が10質量%以上となるように硫酸根を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【請求項4】
前記排水は、テレフタル酸を50〜2000mg/L含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【請求項5】
前記排水は、さらにパラトルイル酸を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理方法。
【請求項6】
テレフタル酸を含有する排水を嫌気性処理する装置において、嫌気性処理水中の硫酸イオン濃度が5〜200mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加する手段を有することを特徴とするテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【請求項7】
前記排水中の硫酸根の含有量が60〜400mg/Lとなるように、該排水に硫酸根を添加する手段を有することを特徴とする請求項6に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【請求項8】
前記排水に、該排水中のテレフタル酸に対して硫酸根の含有量が10質量%以上となるように硫酸根が添加されることを特徴とする請求項6または7に記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【請求項9】
前記排水は、テレフタル酸を50〜2000mg/L含有することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。
【請求項10】
前記排水は、さらにパラトルイル酸を含有することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載のテレフタル酸含有排水の嫌気性処理装置。

【公開番号】特開2012−76023(P2012−76023A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224001(P2010−224001)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】