テロップ送出装置およびテロップ送出方法
【課題】自動運転ができ、遠隔運用、保守が可能であり、かつ柔軟性、拡張性に富んだテロップ送出装置およびテロップ送出方法を提供すること。
【解決手段】テロップ送出装置10は、各種データのメールを自動的に受信、保存する手段、テロップ送出のスケジュールを管理する手段、保存されているレイアウト情報に基づいてテロップの画面データを生成してフレームバッファに転送する手段、外部入力映像信号とフレームバッファから出力されるテロップ映像信号とを合成して出力する手段とを備える。また、ニュースメールなどのテロップ情報に基づいてテロップの内容を制御する手段を備えてもよい。システムは自動運転機能を備え、遠隔地からネットワークを経由して運用、保守、機能の設定、更新等が可能である。
【解決手段】テロップ送出装置10は、各種データのメールを自動的に受信、保存する手段、テロップ送出のスケジュールを管理する手段、保存されているレイアウト情報に基づいてテロップの画面データを生成してフレームバッファに転送する手段、外部入力映像信号とフレームバッファから出力されるテロップ映像信号とを合成して出力する手段とを備える。また、ニュースメールなどのテロップ情報に基づいてテロップの内容を制御する手段を備えてもよい。システムは自動運転機能を備え、遠隔地からネットワークを経由して運用、保守、機能の設定、更新等が可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテロップ送出装置およびテロップ送出方法に関するものであり、特に自動運転ができ、遠隔運用、保守が可能であり、かつ柔軟性、拡張性に富んだテロップ送出装置およびテロップ送出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ放送局において、テロップ信号を生成して放送信号に合成するための装置が使用されていた。下記の特許文献1には、放送番組の映像画面に、テロップ文を簡便にスーパーインポーズすると共に、複数行で構成されたテロップ文の各文字列に対応した、最適な表示時間を自動的に得られるテレビ放送用テロップ装置が開示されている。
【0003】
このシステムは、テロップデータ記憶手段15の文字列データを読み出すディスク装置54と、テロップ用文字パターンデータを記憶した文字パターン発生装置58と、読み出された文字列データに対応した文字パターンデータを、文字パターン発生装置58から順次転送し、テロップ文の画像データを生成すると共に、文字列データの文字数に対応して予め設定した時間制御データに基づいて、所定時間テロップ文の画像データを保持する画像メモリ装置59と、画像メモリ装置59の画像データをテレビ用映像信号に変換するビデオ装置60とで構成されている。
【特許文献1】特開平09−135386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、店頭や職場等において、NTSC等の映像信号に電光ニュースのテロップを重畳する場合、ニュースシステムから送られてくる原稿データをパソコン等で解析し、電光ニュースデータをテロップとして映像信号に重畳するようテロップ合成システムに指示する必要がある。しかし、現状のテロップ合成システムは、電光ニュースを流すという目的からすると非常に高機能であり、複雑で使用しない機能も多数ある結果、高価格になっているという問題点があった。
【0005】
また、テロップ合成システムは、多数の表現機能を処理することに加えて、突然の画面レイアウトや動きの変更等に対して信頼性を損なうことなく、迅速に対応できる操作性、拡張性や柔軟性が重要視される。しかし、従来のテロップ合成装置はシステムの操作性、拡張性、柔軟性に欠け、決められた機能やデザインを組み合わせるだけで、固定された表現しかできないという問題点があった。
本発明の目的は、前記したような従来技術の問題点を解決し、特に自動運転ができ、遠隔運用、保守が可能であり、かつ柔軟性、拡張性に富んだテロップ送出装置およびテロップ送出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテロップ送出装置は、スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するデータ管理手段と、保存されているスケジュール情報に基づいてテロップ送出のスケジュールを管理するスケジュール管理手段と、前記スケジュール管理手段によって起動され、保存されている前記レイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示する番組送出エージェント手段と、前記画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するスクリプトエンジン手段と、生成されたテロップ画面データをフレームバッファ手段に転送するデバイスドライバ手段と、テロップ映像信号を生成するフレームバッファ手段と、外部から入力される映像信号と前記フレームバッファ手段から出力されるテロップ映像信号とを合成して出力する映像信号合成手段と、を備えたことを主要な特徴とする。
【0007】
また、前記したテロップ送出装置において、前記スケジュール管理手段は、テロップ番組の送出スケジュールを記載したスケジュールファイル、および番組内における各レイアウト情報と対応するテロップの送出スケジュールを記載した番組ファイルに基づいてテロップの送出スケジュールを管理する点にも特徴がある。
【0008】
また、前記したテロップ送出装置において、更に、メールによって外部から受信したテロップ情報に基づき、テロップの内容を制御するテロップ内容制御手段を備えた点にも特徴がある。また、前記したテロップ送出装置において、前記番組送出エージェント手段は、レイアウト情報の変数部分に前記テロップ情報を代入して前記画面スクリプトを生成する点にも特徴がある。
【0009】
本発明のテロップ送出方法は、スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するステップ、保存されているスケジュール情報に基づきテロップ送出時期を判定するステップ、送出時期が到来したテロップについて、保存されているレイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示するステップ、画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するステップ、生成されたテロップ画面データをフレームバッファに転送するステップ、フレームバッファからテロップ映像信号を出力するステップ、外部から入力される映像信号とフレームバッファから出力されるテロップ映像信号とを合成して出力するステップを含むことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のテロップ送出装置およびテロップ送出方法においては以下のような効果がある。
(1)システムは自動運転機能を備え、ニュースシステムから送られてくるニュースデータのメールを自動的に受け取り、映像信号にニュースをテロップとして重畳することができる。また、遠隔地からネットワークを経由して運用、保守、機能の設定、更新等が可能である。
【0011】
(2)使用者は遠隔地に設置した本発明のテロップ送出装置にメールで各種データを送信するだけで、CG送出システムを構築/運用することができ、短期間でのシステム開発が可能である。
(3)テロップの画面レイアウトや動きは番組ファイルやレイアウトファイルで定義することができるので、急な変更にも即対応可能であり、データ内容による表示内容の変更や様々なエフェクト関数の呼び出しもでき、高い柔軟性が得られる。
【0012】
(4)本発明のテロップ送出装置の全ての機能は外部オブジェクトとスクリプトで構成されており、インタープリタ言語を採用したことにより、プログラムの再コンパイルの必要がなく、プログラムを追加したり、変更したりできる。スクリプトはもちろん、外部オブジェクトも自作可能であり、コンピュータグラフィックス(CG)の特殊効果(エフェクト、トランジション)等について独自関数を作成して簡単に既存のシステムに追加することができ、高い拡張性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によるテロップ送出装置は、電光ニュースシステムおよびテロップ合成システムの機能を合わせ持ったシステムであり、ワンボードマイコンと映像信号合成回路を小型ケースに一体化したハードウェアと、テロップ合成システムの制御ソフトウェアからなる安価に製作可能な電光ニュースシステムである。以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の第1実施例について説明する。図1は、本発明のテロップ送出装置の構成を示すブロック図である。テロップ送出装置は大きくFPGAおよびその制御回路からなる映像信号合成回路(図1の上部)およびワンボードマイコン部分(図1の下部)からなる。
【0015】
映像信号合成回路は、NTSC映像入力信号をデコードしてA/D変換するNTSCデコーダ、A/D変換器25、入力映像信号とテロップ映像信号とを合成するFPGA20、合成された映像出力信号をD/A変換し、NTSC映像信号にエンコードするD/A変換、NTSCエンコーダ26および制御回路を備えているデコーダ25はY、Cr、Cb信号および同期信号をそれぞれ別に出力し、それぞれA/D変換される。
【0016】
FPGA20は、FIFO21、制御回路から入力されるRGBのテロップ映像信号をYCrCb信号に変換するRGB→YCrCb変換回路22、制御回路から入力されるテロップ合成用のアルファデータに基づき、FIFO21から出力されるYCrCb信号とRGB→YCrCb変換回路22から出力されるYCrCb信号とを公知の手法で合成するアルファブレンド演算回路23、合成されたYCrCb信号と同期信号とを切替出力するデータスイッチ24を備えている。
【0017】
制御回路は、CPU30、制御プログラムを格納したROM31、RAM32、フレームバッファFIFO33、ビデオタイミングコントローラ34、バスコントローラ35、I2Cコントローラ36を備えている。フレームバッファFIFO33は複数フレーム分のバッファ容量を備え、テロップ映像信号データが書き込まれ、NTSC映像入力信号と同期して読み出される。
【0018】
ビデオタイミングコントローラ34は、水平および垂直同期信号を読み込み、FPGA20内の各回路の動作タイミングを制御する。具体的には、ピクセル単位の読み書きタイミングを生成し、フレームバッファFIFO33やFIFO21の読み込みタイミングやアルファブレンド演算回路23の駆動タイミングに使用する。バスコントローラ35はワンボードマイコン部のバスコントローラ43と100MHz16bitバスで接続され、テロップ映像信号等の転送を行う。I2Cコントローラ36は、公知のI2C仕様の信号によりA/D変換器25、D/A変換器26、音声用のD/A変換器44のタイミング制御を実行する。
【0019】
ワンボードマイコン部は、CPU40、公知のOSおよび本発明の機能を実行するプログラムが格納されたROM41、ROM41に格納されているプログラムが使用するデータを格納するRAM42、バスコントローラ43、テロップ音声信号出力用のD/A変換器44、GPIO(汎用並列入出力ポート)45、フラッシュメモリコントローラ47、LANインターフェイス回路49を備えている。
【0020】
GPIO45にはテロップの送出タイミング等を手動で制御するためのスイッチ等を備えたコンソール(制御卓)あるいはパネルが接続されている。フラッシュメモリコントローラ47には、フラッシュメモリカード48が着脱自在に接続され、LANインターフェイス回路49には例えばインターネット等の通信網に接続可能なLAN15が接続されている。ミキサ38は、音声入力信号とD/A変換器44から出力されるテロップ音声信号とを混合して合成された音声信号を出力する。
【0021】
なお、実施例においては、映像信号合成回路としてFPGAおよび制御回路を用いる例を開示したが、FPGAおよび制御回路の代わりに個別のハードウェアを組み合わせることによっても同様の機能を実現可能である。
【0022】
図2は、本発明のテロップ送出装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。本発明のテロップ送出装置10は例えばVTRやディスクプレーヤ等の映像記録装置12あるいはテレビ受信機から映像信号を入力し、テロップと合成された映像信号をモニタ11に出力する。テロップ送出装置10はLAN15を介して、クライアントPC18、ルータ16と接続されており、ルータ16はインターネット17と接続されている。
【0023】
インターネット17には公知のメールサーバ19、クライアントPC18および図示しない公知のニュースメール配送システム等が接続されている。システムの運用者はLAN15あるいはインターネット17を介してクライアントPC18から、運用、保守、機能の更新等が可能である。
【0024】
図4は、本発明のテロップ送出装置のテロップ送出関連機能を示す機能ブロック図である。メール巡回受信機能70は、予め設定されたメールサーバ19に所定の周期でアクセスしてメールを受信する。メール振り分け機能71はメールの送信元あるいは内容を解析してコマンドメール管理機能72あるいはテロップデータ管理機能73に振り分ける。
【0025】
コマンドメール管理機能72は、更にメールの内容を解析して、レイアウトファイル74、スケジュールファイル75、番組ファイル76、素材ファイル77のいずれであるかを判別し、それぞれの格納場所に保存する。テロップデータ管理機能73は公知のニュース配信システムから受信した最新のニュースメールからニュース部分を取り出し、テロップファイル78として上書き保存する。
【0026】
スケジュールファイル75は、番組の送出時刻を管理するための定義ファイルである。スケジュールファイル75は複数あり、ファイル名が送出予定日を表している。ファイル名のフォーマットは YYYY_MM_DD_W.gls(Y:年で西暦4桁、M:月2桁、D:日2桁、W:曜日を表す数値で月:0〜日:6)となっている。各要素は"@"にする事で省略でき、省略された要素は常に該当する事になる。
例えば、"@_@_@_0.gls"は毎週日曜日に送出するスケジュールになり、"2006_10_@_@.gls"は2006年10月中は毎日送出されるスケジュールになる。上記ファイルが両方とも存在する様な場合、どちらを採用するかは、要素の省略が少ない方を優先する。この例の場合だと、2006年は9月30日になるまでは"@_@_@_0.gls"が採用されるが、10月中は"2006_10_@_@.gls"が採用され、"@_@_@_0.gls"は使われない。
例えば20時05分に番組名が「Sports」であるスポーツ番組のテロップを流し始め、20時15分まで繰り返す場合には、スケジュールファイル75の内容は「#20:05-15:00_Sports」のようになる。スタンバイ時間が必要な場合には、スタンバイ時間フィールドを追加する。また、緊急報道等を通常スケジュール内に挿入した場合には、それ以降のスケジュールを繰り上げて(送出時間を遅らせて)放送する。
【0027】
番組ファイル76は、番組を構成する複数のレイアウトファイルの時間割当予定を管理するための定義ファイルである。番組ファイルのフォーマットは、分、秒をコロンで繋げたフォーマットである。例えば、番組開始から5秒後にレイアウトファイル「RoleNews」を実行し、15秒後にレイアウトファイル「FadeSports」を実行する場合の番組ファイル76は、「00:00:05_RoleNews」と、「00:00:15_FadeSports」の2つのレコードを順に並べたものとなる。
【0028】
スケジュール管理機能79は、スケジュールファイル75および番組ファイル76の内容を解析し、テロップ番組の送出時期になると、指定されたテロップ番組を送出するように番組送出エージェント80に指示する。長期(基本)、週間、日間、割込みのスケジュールファイルを設定することにより、自動運転することが可能である。
【0029】
番組送出エージェント80は、テロップ生成にに必要なレイアウトファイル74およびテロップファイル78を読み込み、画面スクリプト81を生成して、スクリプトエンジン83にテロップ画面の生成を指示する。インタープリタであるスクリプトエンジン83は、画面スクリプト81、および必要に応じて画像データ等の素材ファイル77を読み込み、メモリ上にテロップ画像信号を生成する。
【0030】
NTSCエンコーダドライバ84は、生成されたテロップ画像信号を映像信号合成回路内のフレームバッファFIFO33の指定された領域に転送する。フレームバッファFIFO33から読み出されたテロップ画像信号は映像信号合成回路によって外部から入力される映像信号と合成されて出力される。ログ管理機能85は、スケジュール管理機能79やスクリプトエンジン83からテロップ送出実行結果、エラー情報等のログ情報を収集し、所定の宛先にエラーメール、レポートメールを送信する。
【0031】
図3は、本発明のテロップ送出装置の設定機能を示す機能ブロック図である。テロップ送出装置10は、前記したテロップ送出関連機能の他、HTTPサーバ機能61、および各種設定ファイル63の内容表示および変更が可能な情報表示/設定用CGI(プログラム)62を備えている。システムの運用者は、LAN15あるいはインターネット17を介してクライアントPC18からHTTPサーバ機能61にアクセスし、PC18のブラウザ60を使用して、通信網、メール、テロップ生成、スケジュールなどの各種設定ファイル63の内容を表示させ、必要に応じて変更が可能である。
【0032】
図5は、メール処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、図4におけるメール巡回70、メール振り分け71、コマンドメール管理72、テロップデータ管理73の機能に相当する。S10においては、前回の巡回から所定時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS10に戻るが、肯定の場合にはS11に移行する。
【0033】
S11においては、予め設定されているメールサーバにアクセスし、メールを読み込む。S12においては、受信したメールの種別を解析する。S13においては、メールの種別がニュースファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS15に移行するが、肯定の場合にはS14に移行する。S14においては、ニュースファイルを保存する。
【0034】
S15においては、メールの種別がレイアウトファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS17に移行するが、肯定の場合にはS16に移行する。S16においては、レイアウトファイルを保存する。S17においては、メールの種別がスケジュールファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS19に移行するが、肯定の場合にはS18に移行する。S18においては、スケジュールファイルを保存する。
【0035】
S19においては、メールの種別が番組ファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS21に移行するが、肯定の場合にはS20に移行する。S20においては、番組ファイルを保存する。S21においては、メールの種別が素材ファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS10に戻るが、肯定の場合にはS22に移行する。S22においては、素材ファイルを保存する。
【0036】
図6は、スケジュール処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、図4におけるスケジュール管理79の機能に相当する。S30においては、スケジュールデータをチェックする。S31においては、テロップ番組の開始/終了時刻が到来したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS33に移行するが、肯定の場合にはS32に移行する。S32においては、スケジュールファイルにて指定された番組ファイルを送出中/終了に設定する。
【0037】
S33においては、送出中に設定されている番組ファイルの中のいずれかのテロップ(レイアウトファイル)の送出時刻が到来したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS30に移行するが、肯定の場合にはS34に移行する。S34においては、番組ファイル中の送出時刻の到来したテロップと対応するレイアウトファイルを取り出す。S35においては、エージェントにレイアウトファイルにて指定されたテロップの送出を指示してS30に戻る。
【0038】
図7は、エージェント処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、図4における番組送出エージェント80の機能に相当する。S40においては、表示指示を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS40に戻るが、肯定の場合にはS41に移行する。S41においては、レイアウトファイルを解析する。S42においては、レイアウトファイルにニュースの文章などの変数を代入して画面スクリプトを生成する。S43においては、生成した画面スクリプトをスクリプトエンジンに渡して描画を指示する。S44においては、処理が全て完了したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS41に移行するが、肯定の場合にはS40に移行する。
【0039】
図8は、スクリプトエンジン処理の内容を示すフローチャートである。S50においては、描画指示を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS50に戻るが、肯定の場合にはS51に移行する。S51においては、受信した画面スクリプトを解析する。S52においては、画面スクリプトからコマンドを抽出する。
【0040】
S53においては、メモリ上に描画する。この時、ロール、タイピング、スライドイン/アウト、フェードイン/アウト、カット等の効果(エフェクト)を掛けることが可能である。なお、コマンドが音声ファイルの再生の場合には、ドライバに対して例えばテロップ出力と同期して音声ファイルを再生する指示を出す。S54においては処理が全て完了したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS52に移行するが、肯定の場合にはS55に移行する。S55においては、ドライバにフレームバッファへ転送する指示を出す。
【0041】
図9は、ドライバ処理の内容を示すフローチャートである。S60においては、メモリ上の描画データをフレームバッファに転送する。S61においては、エンジンに書き込み完了を報告する。
【0042】
図10は、本発明のテロップ生成装置による表示例とデータの内容を示す説明図である。図10(a)はテロップの表示例を示しており、表示画面90内に固定文字列「本日の天気」が表示された第1のテロップT1(91)、雪の絵の画像が表示された第2のテロップP1(92)、可変文字列「札幌,雪」が表示された第3のテロップT2(93)が表示されている。
【0043】
図10(b)は、ファイル名"XYZ.SCR"であるレイアウトファイルの内容例である。実際にはXML形式のテキストデータである。T1はテロップT1(91)を表示するための記載であり、「X="100",Y="50"」は表示位置、「TYPE=TEXT」は表示タイプ(文字)、「VALUE="本日の天気"」表示内容(文字列)、「FONT="……"」はフォントの種類を表している。
【0044】
同様に、P1はテロップP1(92)の画像の表示、T2はテロップT2(93)の可変文字列の表示を表している。なお、レイアウトファイルにおいては、上記の他、文字や背景の色、背景画面の透過率、テロップの形状、音などを指定可能である。
【0045】
番組送出エージェント80は、テロップT2内の変数WXに天気予報用テロップファイルの内容である文字列の例えば「札幌,雪」を代入して、スクリプトエンジン83にテロップを描画させる。その結果、図10(a)の第3のテロップT2(93)が表示される。
【0046】
以上実施例を説明したが、本発明には以下のような変形例も考えられる。実施例においては、映像信号がNTSCである例を開示したが、映像信号の形式やアナログ/デジタルの別は任意である。実施例においては、インターネットを経由してメールによって各種データの転送を行う例を開示したが、データの転送には公知の任意の通信網、通信回線、記録媒体、およびプロトコルを採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のテロップ送出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のテロップ送出装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のテロップ送出装置の設定機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明のテロップ送出装置のテロップ送出関連機能を示す機能ブロック図である。
【図5】メール処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】スケジュール処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】エージェント処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】スクリプトエンジン処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】ドライバ処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明のテロップ生成装置による表示例とデータの内容を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
10…テロップ送出装置
11…モニタ
12…映像記録装置
15…LAN
16…ルータ
17…インターネット
18…クライアントPC
19…メールサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明はテロップ送出装置およびテロップ送出方法に関するものであり、特に自動運転ができ、遠隔運用、保守が可能であり、かつ柔軟性、拡張性に富んだテロップ送出装置およびテロップ送出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ放送局において、テロップ信号を生成して放送信号に合成するための装置が使用されていた。下記の特許文献1には、放送番組の映像画面に、テロップ文を簡便にスーパーインポーズすると共に、複数行で構成されたテロップ文の各文字列に対応した、最適な表示時間を自動的に得られるテレビ放送用テロップ装置が開示されている。
【0003】
このシステムは、テロップデータ記憶手段15の文字列データを読み出すディスク装置54と、テロップ用文字パターンデータを記憶した文字パターン発生装置58と、読み出された文字列データに対応した文字パターンデータを、文字パターン発生装置58から順次転送し、テロップ文の画像データを生成すると共に、文字列データの文字数に対応して予め設定した時間制御データに基づいて、所定時間テロップ文の画像データを保持する画像メモリ装置59と、画像メモリ装置59の画像データをテレビ用映像信号に変換するビデオ装置60とで構成されている。
【特許文献1】特開平09−135386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、店頭や職場等において、NTSC等の映像信号に電光ニュースのテロップを重畳する場合、ニュースシステムから送られてくる原稿データをパソコン等で解析し、電光ニュースデータをテロップとして映像信号に重畳するようテロップ合成システムに指示する必要がある。しかし、現状のテロップ合成システムは、電光ニュースを流すという目的からすると非常に高機能であり、複雑で使用しない機能も多数ある結果、高価格になっているという問題点があった。
【0005】
また、テロップ合成システムは、多数の表現機能を処理することに加えて、突然の画面レイアウトや動きの変更等に対して信頼性を損なうことなく、迅速に対応できる操作性、拡張性や柔軟性が重要視される。しかし、従来のテロップ合成装置はシステムの操作性、拡張性、柔軟性に欠け、決められた機能やデザインを組み合わせるだけで、固定された表現しかできないという問題点があった。
本発明の目的は、前記したような従来技術の問題点を解決し、特に自動運転ができ、遠隔運用、保守が可能であり、かつ柔軟性、拡張性に富んだテロップ送出装置およびテロップ送出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のテロップ送出装置は、スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するデータ管理手段と、保存されているスケジュール情報に基づいてテロップ送出のスケジュールを管理するスケジュール管理手段と、前記スケジュール管理手段によって起動され、保存されている前記レイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示する番組送出エージェント手段と、前記画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するスクリプトエンジン手段と、生成されたテロップ画面データをフレームバッファ手段に転送するデバイスドライバ手段と、テロップ映像信号を生成するフレームバッファ手段と、外部から入力される映像信号と前記フレームバッファ手段から出力されるテロップ映像信号とを合成して出力する映像信号合成手段と、を備えたことを主要な特徴とする。
【0007】
また、前記したテロップ送出装置において、前記スケジュール管理手段は、テロップ番組の送出スケジュールを記載したスケジュールファイル、および番組内における各レイアウト情報と対応するテロップの送出スケジュールを記載した番組ファイルに基づいてテロップの送出スケジュールを管理する点にも特徴がある。
【0008】
また、前記したテロップ送出装置において、更に、メールによって外部から受信したテロップ情報に基づき、テロップの内容を制御するテロップ内容制御手段を備えた点にも特徴がある。また、前記したテロップ送出装置において、前記番組送出エージェント手段は、レイアウト情報の変数部分に前記テロップ情報を代入して前記画面スクリプトを生成する点にも特徴がある。
【0009】
本発明のテロップ送出方法は、スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するステップ、保存されているスケジュール情報に基づきテロップ送出時期を判定するステップ、送出時期が到来したテロップについて、保存されているレイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示するステップ、画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するステップ、生成されたテロップ画面データをフレームバッファに転送するステップ、フレームバッファからテロップ映像信号を出力するステップ、外部から入力される映像信号とフレームバッファから出力されるテロップ映像信号とを合成して出力するステップを含むことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のテロップ送出装置およびテロップ送出方法においては以下のような効果がある。
(1)システムは自動運転機能を備え、ニュースシステムから送られてくるニュースデータのメールを自動的に受け取り、映像信号にニュースをテロップとして重畳することができる。また、遠隔地からネットワークを経由して運用、保守、機能の設定、更新等が可能である。
【0011】
(2)使用者は遠隔地に設置した本発明のテロップ送出装置にメールで各種データを送信するだけで、CG送出システムを構築/運用することができ、短期間でのシステム開発が可能である。
(3)テロップの画面レイアウトや動きは番組ファイルやレイアウトファイルで定義することができるので、急な変更にも即対応可能であり、データ内容による表示内容の変更や様々なエフェクト関数の呼び出しもでき、高い柔軟性が得られる。
【0012】
(4)本発明のテロップ送出装置の全ての機能は外部オブジェクトとスクリプトで構成されており、インタープリタ言語を採用したことにより、プログラムの再コンパイルの必要がなく、プログラムを追加したり、変更したりできる。スクリプトはもちろん、外部オブジェクトも自作可能であり、コンピュータグラフィックス(CG)の特殊効果(エフェクト、トランジション)等について独自関数を作成して簡単に既存のシステムに追加することができ、高い拡張性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明によるテロップ送出装置は、電光ニュースシステムおよびテロップ合成システムの機能を合わせ持ったシステムであり、ワンボードマイコンと映像信号合成回路を小型ケースに一体化したハードウェアと、テロップ合成システムの制御ソフトウェアからなる安価に製作可能な電光ニュースシステムである。以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の第1実施例について説明する。図1は、本発明のテロップ送出装置の構成を示すブロック図である。テロップ送出装置は大きくFPGAおよびその制御回路からなる映像信号合成回路(図1の上部)およびワンボードマイコン部分(図1の下部)からなる。
【0015】
映像信号合成回路は、NTSC映像入力信号をデコードしてA/D変換するNTSCデコーダ、A/D変換器25、入力映像信号とテロップ映像信号とを合成するFPGA20、合成された映像出力信号をD/A変換し、NTSC映像信号にエンコードするD/A変換、NTSCエンコーダ26および制御回路を備えているデコーダ25はY、Cr、Cb信号および同期信号をそれぞれ別に出力し、それぞれA/D変換される。
【0016】
FPGA20は、FIFO21、制御回路から入力されるRGBのテロップ映像信号をYCrCb信号に変換するRGB→YCrCb変換回路22、制御回路から入力されるテロップ合成用のアルファデータに基づき、FIFO21から出力されるYCrCb信号とRGB→YCrCb変換回路22から出力されるYCrCb信号とを公知の手法で合成するアルファブレンド演算回路23、合成されたYCrCb信号と同期信号とを切替出力するデータスイッチ24を備えている。
【0017】
制御回路は、CPU30、制御プログラムを格納したROM31、RAM32、フレームバッファFIFO33、ビデオタイミングコントローラ34、バスコントローラ35、I2Cコントローラ36を備えている。フレームバッファFIFO33は複数フレーム分のバッファ容量を備え、テロップ映像信号データが書き込まれ、NTSC映像入力信号と同期して読み出される。
【0018】
ビデオタイミングコントローラ34は、水平および垂直同期信号を読み込み、FPGA20内の各回路の動作タイミングを制御する。具体的には、ピクセル単位の読み書きタイミングを生成し、フレームバッファFIFO33やFIFO21の読み込みタイミングやアルファブレンド演算回路23の駆動タイミングに使用する。バスコントローラ35はワンボードマイコン部のバスコントローラ43と100MHz16bitバスで接続され、テロップ映像信号等の転送を行う。I2Cコントローラ36は、公知のI2C仕様の信号によりA/D変換器25、D/A変換器26、音声用のD/A変換器44のタイミング制御を実行する。
【0019】
ワンボードマイコン部は、CPU40、公知のOSおよび本発明の機能を実行するプログラムが格納されたROM41、ROM41に格納されているプログラムが使用するデータを格納するRAM42、バスコントローラ43、テロップ音声信号出力用のD/A変換器44、GPIO(汎用並列入出力ポート)45、フラッシュメモリコントローラ47、LANインターフェイス回路49を備えている。
【0020】
GPIO45にはテロップの送出タイミング等を手動で制御するためのスイッチ等を備えたコンソール(制御卓)あるいはパネルが接続されている。フラッシュメモリコントローラ47には、フラッシュメモリカード48が着脱自在に接続され、LANインターフェイス回路49には例えばインターネット等の通信網に接続可能なLAN15が接続されている。ミキサ38は、音声入力信号とD/A変換器44から出力されるテロップ音声信号とを混合して合成された音声信号を出力する。
【0021】
なお、実施例においては、映像信号合成回路としてFPGAおよび制御回路を用いる例を開示したが、FPGAおよび制御回路の代わりに個別のハードウェアを組み合わせることによっても同様の機能を実現可能である。
【0022】
図2は、本発明のテロップ送出装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。本発明のテロップ送出装置10は例えばVTRやディスクプレーヤ等の映像記録装置12あるいはテレビ受信機から映像信号を入力し、テロップと合成された映像信号をモニタ11に出力する。テロップ送出装置10はLAN15を介して、クライアントPC18、ルータ16と接続されており、ルータ16はインターネット17と接続されている。
【0023】
インターネット17には公知のメールサーバ19、クライアントPC18および図示しない公知のニュースメール配送システム等が接続されている。システムの運用者はLAN15あるいはインターネット17を介してクライアントPC18から、運用、保守、機能の更新等が可能である。
【0024】
図4は、本発明のテロップ送出装置のテロップ送出関連機能を示す機能ブロック図である。メール巡回受信機能70は、予め設定されたメールサーバ19に所定の周期でアクセスしてメールを受信する。メール振り分け機能71はメールの送信元あるいは内容を解析してコマンドメール管理機能72あるいはテロップデータ管理機能73に振り分ける。
【0025】
コマンドメール管理機能72は、更にメールの内容を解析して、レイアウトファイル74、スケジュールファイル75、番組ファイル76、素材ファイル77のいずれであるかを判別し、それぞれの格納場所に保存する。テロップデータ管理機能73は公知のニュース配信システムから受信した最新のニュースメールからニュース部分を取り出し、テロップファイル78として上書き保存する。
【0026】
スケジュールファイル75は、番組の送出時刻を管理するための定義ファイルである。スケジュールファイル75は複数あり、ファイル名が送出予定日を表している。ファイル名のフォーマットは YYYY_MM_DD_W.gls(Y:年で西暦4桁、M:月2桁、D:日2桁、W:曜日を表す数値で月:0〜日:6)となっている。各要素は"@"にする事で省略でき、省略された要素は常に該当する事になる。
例えば、"@_@_@_0.gls"は毎週日曜日に送出するスケジュールになり、"2006_10_@_@.gls"は2006年10月中は毎日送出されるスケジュールになる。上記ファイルが両方とも存在する様な場合、どちらを採用するかは、要素の省略が少ない方を優先する。この例の場合だと、2006年は9月30日になるまでは"@_@_@_0.gls"が採用されるが、10月中は"2006_10_@_@.gls"が採用され、"@_@_@_0.gls"は使われない。
例えば20時05分に番組名が「Sports」であるスポーツ番組のテロップを流し始め、20時15分まで繰り返す場合には、スケジュールファイル75の内容は「#20:05-15:00_Sports」のようになる。スタンバイ時間が必要な場合には、スタンバイ時間フィールドを追加する。また、緊急報道等を通常スケジュール内に挿入した場合には、それ以降のスケジュールを繰り上げて(送出時間を遅らせて)放送する。
【0027】
番組ファイル76は、番組を構成する複数のレイアウトファイルの時間割当予定を管理するための定義ファイルである。番組ファイルのフォーマットは、分、秒をコロンで繋げたフォーマットである。例えば、番組開始から5秒後にレイアウトファイル「RoleNews」を実行し、15秒後にレイアウトファイル「FadeSports」を実行する場合の番組ファイル76は、「00:00:05_RoleNews」と、「00:00:15_FadeSports」の2つのレコードを順に並べたものとなる。
【0028】
スケジュール管理機能79は、スケジュールファイル75および番組ファイル76の内容を解析し、テロップ番組の送出時期になると、指定されたテロップ番組を送出するように番組送出エージェント80に指示する。長期(基本)、週間、日間、割込みのスケジュールファイルを設定することにより、自動運転することが可能である。
【0029】
番組送出エージェント80は、テロップ生成にに必要なレイアウトファイル74およびテロップファイル78を読み込み、画面スクリプト81を生成して、スクリプトエンジン83にテロップ画面の生成を指示する。インタープリタであるスクリプトエンジン83は、画面スクリプト81、および必要に応じて画像データ等の素材ファイル77を読み込み、メモリ上にテロップ画像信号を生成する。
【0030】
NTSCエンコーダドライバ84は、生成されたテロップ画像信号を映像信号合成回路内のフレームバッファFIFO33の指定された領域に転送する。フレームバッファFIFO33から読み出されたテロップ画像信号は映像信号合成回路によって外部から入力される映像信号と合成されて出力される。ログ管理機能85は、スケジュール管理機能79やスクリプトエンジン83からテロップ送出実行結果、エラー情報等のログ情報を収集し、所定の宛先にエラーメール、レポートメールを送信する。
【0031】
図3は、本発明のテロップ送出装置の設定機能を示す機能ブロック図である。テロップ送出装置10は、前記したテロップ送出関連機能の他、HTTPサーバ機能61、および各種設定ファイル63の内容表示および変更が可能な情報表示/設定用CGI(プログラム)62を備えている。システムの運用者は、LAN15あるいはインターネット17を介してクライアントPC18からHTTPサーバ機能61にアクセスし、PC18のブラウザ60を使用して、通信網、メール、テロップ生成、スケジュールなどの各種設定ファイル63の内容を表示させ、必要に応じて変更が可能である。
【0032】
図5は、メール処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、図4におけるメール巡回70、メール振り分け71、コマンドメール管理72、テロップデータ管理73の機能に相当する。S10においては、前回の巡回から所定時間が経過したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS10に戻るが、肯定の場合にはS11に移行する。
【0033】
S11においては、予め設定されているメールサーバにアクセスし、メールを読み込む。S12においては、受信したメールの種別を解析する。S13においては、メールの種別がニュースファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS15に移行するが、肯定の場合にはS14に移行する。S14においては、ニュースファイルを保存する。
【0034】
S15においては、メールの種別がレイアウトファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS17に移行するが、肯定の場合にはS16に移行する。S16においては、レイアウトファイルを保存する。S17においては、メールの種別がスケジュールファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS19に移行するが、肯定の場合にはS18に移行する。S18においては、スケジュールファイルを保存する。
【0035】
S19においては、メールの種別が番組ファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS21に移行するが、肯定の場合にはS20に移行する。S20においては、番組ファイルを保存する。S21においては、メールの種別が素材ファイルか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS10に戻るが、肯定の場合にはS22に移行する。S22においては、素材ファイルを保存する。
【0036】
図6は、スケジュール処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、図4におけるスケジュール管理79の機能に相当する。S30においては、スケジュールデータをチェックする。S31においては、テロップ番組の開始/終了時刻が到来したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS33に移行するが、肯定の場合にはS32に移行する。S32においては、スケジュールファイルにて指定された番組ファイルを送出中/終了に設定する。
【0037】
S33においては、送出中に設定されている番組ファイルの中のいずれかのテロップ(レイアウトファイル)の送出時刻が到来したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS30に移行するが、肯定の場合にはS34に移行する。S34においては、番組ファイル中の送出時刻の到来したテロップと対応するレイアウトファイルを取り出す。S35においては、エージェントにレイアウトファイルにて指定されたテロップの送出を指示してS30に戻る。
【0038】
図7は、エージェント処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、図4における番組送出エージェント80の機能に相当する。S40においては、表示指示を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS40に戻るが、肯定の場合にはS41に移行する。S41においては、レイアウトファイルを解析する。S42においては、レイアウトファイルにニュースの文章などの変数を代入して画面スクリプトを生成する。S43においては、生成した画面スクリプトをスクリプトエンジンに渡して描画を指示する。S44においては、処理が全て完了したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS41に移行するが、肯定の場合にはS40に移行する。
【0039】
図8は、スクリプトエンジン処理の内容を示すフローチャートである。S50においては、描画指示を受信したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS50に戻るが、肯定の場合にはS51に移行する。S51においては、受信した画面スクリプトを解析する。S52においては、画面スクリプトからコマンドを抽出する。
【0040】
S53においては、メモリ上に描画する。この時、ロール、タイピング、スライドイン/アウト、フェードイン/アウト、カット等の効果(エフェクト)を掛けることが可能である。なお、コマンドが音声ファイルの再生の場合には、ドライバに対して例えばテロップ出力と同期して音声ファイルを再生する指示を出す。S54においては処理が全て完了したか否かが判定され、判定結果が否定の場合にはS52に移行するが、肯定の場合にはS55に移行する。S55においては、ドライバにフレームバッファへ転送する指示を出す。
【0041】
図9は、ドライバ処理の内容を示すフローチャートである。S60においては、メモリ上の描画データをフレームバッファに転送する。S61においては、エンジンに書き込み完了を報告する。
【0042】
図10は、本発明のテロップ生成装置による表示例とデータの内容を示す説明図である。図10(a)はテロップの表示例を示しており、表示画面90内に固定文字列「本日の天気」が表示された第1のテロップT1(91)、雪の絵の画像が表示された第2のテロップP1(92)、可変文字列「札幌,雪」が表示された第3のテロップT2(93)が表示されている。
【0043】
図10(b)は、ファイル名"XYZ.SCR"であるレイアウトファイルの内容例である。実際にはXML形式のテキストデータである。T1はテロップT1(91)を表示するための記載であり、「X="100",Y="50"」は表示位置、「TYPE=TEXT」は表示タイプ(文字)、「VALUE="本日の天気"」表示内容(文字列)、「FONT="……"」はフォントの種類を表している。
【0044】
同様に、P1はテロップP1(92)の画像の表示、T2はテロップT2(93)の可変文字列の表示を表している。なお、レイアウトファイルにおいては、上記の他、文字や背景の色、背景画面の透過率、テロップの形状、音などを指定可能である。
【0045】
番組送出エージェント80は、テロップT2内の変数WXに天気予報用テロップファイルの内容である文字列の例えば「札幌,雪」を代入して、スクリプトエンジン83にテロップを描画させる。その結果、図10(a)の第3のテロップT2(93)が表示される。
【0046】
以上実施例を説明したが、本発明には以下のような変形例も考えられる。実施例においては、映像信号がNTSCである例を開示したが、映像信号の形式やアナログ/デジタルの別は任意である。実施例においては、インターネットを経由してメールによって各種データの転送を行う例を開示したが、データの転送には公知の任意の通信網、通信回線、記録媒体、およびプロトコルを採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明のテロップ送出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のテロップ送出装置を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のテロップ送出装置の設定機能を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明のテロップ送出装置のテロップ送出関連機能を示す機能ブロック図である。
【図5】メール処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】スケジュール処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】エージェント処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】スクリプトエンジン処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】ドライバ処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明のテロップ生成装置による表示例とデータの内容を示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
10…テロップ送出装置
11…モニタ
12…映像記録装置
15…LAN
16…ルータ
17…インターネット
18…クライアントPC
19…メールサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するデータ管理手段と、
保存されているスケジュール情報に基づいてテロップ送出のスケジュールを管理するスケジュール管理手段と、
前記スケジュール管理手段によって起動され、保存されている前記レイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示する番組送出エージェント手段と、
前記画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するスクリプトエンジン手段と、
生成されたテロップ画面データをフレームバッファ手段に転送するデバイスドライバ手段と、
テロップ映像信号を生成するフレームバッファ手段と、
外部から入力される映像信号と前記フレームバッファ手段から出力されるテロップ映像信号とを合成して出力する映像信号合成手段と、
を備えたことを特徴とするテロップ送出装置。
【請求項2】
前記スケジュール管理手段は、テロップ番組の送出スケジュールを記載したスケジュールファイル、および番組内における各レイアウト情報と対応するテロップの送出スケジュールを記載した番組ファイルに基づいてテロップの送出スケジュールを管理することを特徴とする請求項1に記載のテロップ送出装置。
【請求項3】
更に、メールによって外部から受信したテロップ情報に基づき、テロップの内容を制御するテロップ内容制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のテロップ送出装置。
【請求項4】
前記番組送出エージェント手段は、レイアウト情報の変数部分に前記テロップ情報を代入して前記画面スクリプトを生成することを特徴とする請求項3に記載のテロップ送出装置。
【請求項5】
スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するステップ、
保存されているスケジュール情報に基づきテロップ送出時期を判定するステップ、
送出時期が到来したテロップについて、保存されているレイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示するステップ、
画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するステップ、
生成されたテロップ画面データをフレームバッファに転送するステップ、
フレームバッファからテロップ映像信号を出力するステップ、
外部から入力される映像信号とフレームバッファから出力されるテロップ映像信号とを合成して出力するステップ
を含むことを特徴とするテロップ送出方法。
【請求項1】
スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するデータ管理手段と、
保存されているスケジュール情報に基づいてテロップ送出のスケジュールを管理するスケジュール管理手段と、
前記スケジュール管理手段によって起動され、保存されている前記レイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示する番組送出エージェント手段と、
前記画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するスクリプトエンジン手段と、
生成されたテロップ画面データをフレームバッファ手段に転送するデバイスドライバ手段と、
テロップ映像信号を生成するフレームバッファ手段と、
外部から入力される映像信号と前記フレームバッファ手段から出力されるテロップ映像信号とを合成して出力する映像信号合成手段と、
を備えたことを特徴とするテロップ送出装置。
【請求項2】
前記スケジュール管理手段は、テロップ番組の送出スケジュールを記載したスケジュールファイル、および番組内における各レイアウト情報と対応するテロップの送出スケジュールを記載した番組ファイルに基づいてテロップの送出スケジュールを管理することを特徴とする請求項1に記載のテロップ送出装置。
【請求項3】
更に、メールによって外部から受信したテロップ情報に基づき、テロップの内容を制御するテロップ内容制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のテロップ送出装置。
【請求項4】
前記番組送出エージェント手段は、レイアウト情報の変数部分に前記テロップ情報を代入して前記画面スクリプトを生成することを特徴とする請求項3に記載のテロップ送出装置。
【請求項5】
スケジュール情報あるいはレイアウト情報を含むメールを自動的に受信し、内容を解析して保存するステップ、
保存されているスケジュール情報に基づきテロップ送出時期を判定するステップ、
送出時期が到来したテロップについて、保存されているレイアウト情報に基づいてテロップ画面の画面スクリプトを生成してスクリプトエンジンに描画を指示するステップ、
画面スクリプトに基づいてテロップ画面データを生成するステップ、
生成されたテロップ画面データをフレームバッファに転送するステップ、
フレームバッファからテロップ映像信号を出力するステップ、
外部から入力される映像信号とフレームバッファから出力されるテロップ映像信号とを合成して出力するステップ
を含むことを特徴とするテロップ送出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−85453(P2008−85453A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260621(P2006−260621)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(501452595)株式会社プロメディアワークス (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(501452595)株式会社プロメディアワークス (2)
【Fターム(参考)】
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