テーパ付導波管を有するディスプレイ用光学装置及びその製造方法
テーパ付導波管を有するディスプレイ用光学装置とその製造方法が開示される。導波管内の光の吸収量を減らすために、光学装置の前方の表面のみに吸光物質をコーティングする。或いは、導波管と隣接する空間部に、導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、導波管より屈折率の小さい樹脂をコーティングした後に、吸光物質を充填する。更に、大きさが大きくて、均一な吸光物質を空間部に充填することができる。光学装置は、既存の光学装置に比べて光効率が優れるので、優れた輝度を示す。更に、本発明の製造方法により、このような光学装置を、簡単な方法で、改善した製造効率で生産できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用光学装置及びその製造方法に関し、特にテーパ付導波管を有するディスプレイ用光学装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プロジェクションTV、後面投射投射器用スクリーン、TFT−LCD、PDP
TV、CRTモニタなどの各種ディスプレイ用光学装置は、視界角を広めるために微細なレンズ構造を有したり、導波管構造を有する。本発明は、導波管構造を有するディスプレイ用光学装置及びその製造方法に関するものである。
【0003】
従来のディスプレイ用光学装置を、図1及び図2を参照しつつ簡単に説明する。
【0004】
図1は従来のディスプレイ用光学装置のスクリーンの拡大図であり、図2は従来のディスプレイ用光学装置の断面構造の拡大図である。
【0005】
図1及び図2に示すように、従来のディスプレイ用光学装置10は、入射されるイメージ光線を拡散させる発光部12と、外部光の吸収及び反射量の減少のための吸光部14を備えている。図2に示すようにイメージ光は、発光部12から発散され、即ちイメージ光は光学装置10に入射された後、薄いレンズ16により光経路が折れて発散される。図2に示しているディスプレイ用光学装置は、その表面に薄いレンズを多数形成しなければならないので、制作が非常に難しい。
【0006】
米国特許第3,279,314号と米国特許第5,462,700号は、レンズの代りに微細なテーパ付導波管を均一に分布させて構成したディスプレイ用光学装置を開示している。
【0007】
図3は、テーパ付導波管を用いたディスプレイ用光学装置の断面構造を示す図である。
【0008】
図3に示すように、テーパ付導波管を有する光学装置20は、レンズ16を使用する図2の光学装置と異なり、光の屈折を生じさせない。対照的に図3の光学装置20は、導波管22の傾いた側壁23で反射し、光が導波管22を通過する際、側壁23に対して増加した角を有するように光を誘導してイメージ拡散効果を与える構造である。
【0009】
日光又は周囲の照明は、光学装置20の前面で反射され得、その結果観察されたイメージは、不安定な光線によって、相対的に暗く若しくはブロックされ得る。この現象を最小化するために、図3の吸光部24は、光学装置20の光が発散される部分を除外した部分に、黒色材料を塗布したり充填して周辺光を吸収するように構成される。
【0010】
前述した導波管22は、互いに異なる指標を有する2つの媒質の境界面上の光の反射を用いたものである。光入射角の大きさによって、入射光線は、全て反射される全反射か、一部反射し、一部は、界面を透過する。テーパ付導波管22内で起こる反射効率を高めるためには、二つの媒質間の屈折率差が大きいほど効果的である。
【0011】
米国特許第5,462,700号では、紫外線を用いて導波管を形成するので、使用可能な媒質が制限され、低屈折率を有する媒質の選択幅はより狭くなった。また、米国特許第6,538,813号では、反射効果を最大化するために、反射壁(媒質間の境界面)に金属コーティングを施したり、金属コーティングし、導波管を除去した後、残っている金属コーティングを反射媒体として使用する。このような特許発明は、スクリーンの大型化を追求する傾向により、多くの工程増加及び材料費の上昇をもたらし、現在及び未来の要求に合致しない。米国特許第5,462,700号に開示された材料の屈折率は1.6が最大であり、周囲に充填される低屈折率樹脂は1.3程度が限界である。したがって、2種の媒質間の略0.3程度の屈折率差は、導波管の設計において困難及び制限をもたらす。また現在、プロジェクションTV用スクリーンが61インチまで、PDPが80インチまで生産されている。このように大型化スクリーンの場合、前面に金属コーティングをする工程は、品質や生産性、容易さなどにおいて多くの困難及び問題点を有する。特に、光出力面を除外して導波管の側壁のみ選択的にコーティングするのは難しい。大型スクリーンを短時間内に蒸着するには高価な設備が必要とされる。大量生産と関連する生産性においても、競争力が落ちる。
【0012】
また、吸光部は、一般的に導波管に比べて低い屈折率を有する樹脂から形成され、微細なカーボン−ブラック粒子又は黒色系統の着色剤を分散させる。特に、米国特許第5,462,700号では、前者の方法を使用し、カーボン−ブラック粒子が導波管の側壁と接触しないように制御しなければならないことに言及している。
【0013】
吸光物質は、微細な炭素粒子を主成分とし、外部からスクリーンへ流入する光を吸収してスクリーンの前面で反射が起こらないようにしている。このようにして、視聴者にスクリーンの映像がより鮮明で、かつ、きれいに見えるようにする役割をする。
【0014】
しかしながら、既存のスクリーン構造においては、吸光物質は、導波管の間の逆錐形隙間空間に充填されるので、導波管を通って投射された光が、導波管の内部を反射して吸光物質に吸収されて光損失をもたらす。これは、映像の鮮明度を激減させ、その結果解像度が低下する。
【0015】
図4を参照して、上記従来技術の問題点を以下に説明する。
【0016】
図4は、吸光部にカーボン−ブラック粒子が充填された部分拡大図である。
【0017】
図4に示すように、導波管22に入射された光線は導波管22の傾斜した側壁23で反射される。この際、カーボン−ブラック粒子25が導波管の側壁23に接触すると、入射されたイメージ光が反射されなくて、カーボン−ブラック粒子25の黒体効果により吸収され、結果的に光出力面から発散される光量の損失をもたらす。
【0018】
米国特許第6,417,966号のような一部の特許は、カーボン−ブラック粒子を分散させる代わりに、前面照射部のみ黒色処理する方法を提案している。しかしながら、この方法自体実用性を欠き、実用的製造工程には、容易に適用できなかった。
【0019】
その他、米国特許公開番号2002/0080484号では、導波管の間のスペースを空とし、この空の空間の上端をブラックフィルムで覆って従来技術の問題点を解決する導波管構造を開示している。しかしながらこの公報は、この構造体を形成する適した方法を提案していない。支持物が全くなしに導波管の間に位置する上記黒色フィルムは、その不安定さの理由で、先行技術の問題点の完全な解決になり得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、導波管に入射されたイメージ光線が吸光部に吸収されることを最大限防止し、スクリーンの輝度を向上させることができるようにするディスプレイ用光学装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、このような光学装置を容易に制作できるようにする製造方法を提供することにある。
【0022】
本発明の更に他の目的は、導波管内での反射率と透過率の調節を容易にし得るディスプレイ用光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記のような本発明の目的は、導波管内のイメージ光線と吸光粒子との接触をできる限り減らしたり、吸光物質が光学装置の表面近くのみに配置されるようにすることにより達成することができる。
【0024】
前記のような目的を達成するための本発明の一面によれば、間隔を置いて配置されたテーパ付導波管と、前記導波管の間に配置され吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置が提供される。テーパ付導波管は、入射光を反射して拡散させる傾斜面を有し、光吸収部は、外部光を吸収し、反射を減少させるようにしている。前記吸光部は、前記空間部の内壁面に沿って塗布され硬化された第1樹脂層、前記導波管の側壁とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管の側壁より相対的に小さい屈折率の樹脂からなっており、黒色系統の吸光粒子が含まれていない第1樹脂層、前記第1樹脂層の外部の前記空間部に充填されて外部光を吸収する黒味を帯びた吸光粒子、及び前記吸光粒子を固定するための吸光粒子ホルダーを含む。
【0025】
一般的には、前記導波管の側壁のものより屈折率の小さい材料を空間部の側壁の内面に固定的に配置する。場合によっては、導波管の側壁より屈折率の大きい材料を使用することもできる。2種の媒質間の界面での全反射が起こることができる臨界は、屈折率差によって決まるが、一般的には屈折率差が大きいほど臨界角が大きくなり、全反射が起こる確率が高まる。
【0026】
しかしながら、屈折率差が小さかったり、逆に、小さい屈折率の媒質から大きい屈折率の媒質に光が伝わる場合にも、光の透過を伴う反射は起こる。反射及び透過の両方を同時に用いることができ、用途や目的によって屈折率をコントロールすることができる。2つの媒質間の屈折率の相違は、中間に界面が形成される。光の界面を透過する場合、界面で光経路が折れる。このように反射率を制御することによって、光を希望する方向に誘導することができ、光量の調節も可能である。特に、本発明でのテーパ導波管の場合、光が界面(導波管側壁)で反射し続けるので入力(入射)角が増加する。入力角が臨界角を越えると、光が界面を透過する。ある場合には、この現象は利点となり得る。
【0027】
前記吸光粒子ホルダーは、前記黒味を帯びた吸光粒子と混合され、前記第1樹脂層の内部に充填され硬化された第2樹脂層であることが好ましく、前記導波管はライン型よりセル型のものが好ましい。
【0028】
ある場合には、前記吸光粒子ホルダーは、前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされ硬化されたようにして形成されたコーティング層であり得る。
【0029】
前記第1樹脂層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成され得る。
【0030】
前記第2樹脂層及び前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂で、第1樹脂層と屈折率が等しいか低い樹脂から形成することが好ましい。
【0031】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子であり得る。
【0032】
本発明の他の面によれば、間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射を減少させるための吸光部のための空間部を形成して導波管を有するディスプレイ用光学装置の製造方法が提供される。本発明方法は、前記空間部の内壁面に前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より屈折率の小さい第1樹脂を塗布する第1樹脂塗布ステップと、前記第1樹脂を硬化させて、前記空間部の内壁に第1樹脂層を形成する第1樹脂硬化ステップと、前記第1樹脂層の外部の前記空間部に黒味を帯びた吸光粒子を充填する吸光粒子充填ステップと、前記充填された吸光粒子を前記空間部の内部に固定する吸光粒子固定ステップと、を含む構成を有する。
【0033】
前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を第2樹脂と混合して混合物を充填するステップであり得、前記吸光粒子固定ステップは、前記空間部の内部に充填された前記第2樹脂を硬化するステップであり得る。
【0034】
場合によっては、前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を樹脂と混合なしに前記空間部に充填するステップであり得、前記吸光粒子固定ステップは、前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂をコーティングして硬化するステップであり得る。
【0035】
本発明におけるテーパ付導波管は、比較的広い面積の光出力面と比較的狭い面積の光出力面を有し、これらは互いに平行である。また、光入力面の形状は正四角形、長方形、菱形をはじめとする全ての多角形と円形、楕円形などで構成することができる。光出力面は同一であり得、光入力面と異なる形状を有することもできる。導波管の側壁は、イメージ光線が入力角に対し、ある角度で傾斜している。各々の導波管は、異なる傾斜角を有することができる。
【0036】
上記構成を有する本発明の光学装置は、スクリーンの輝度を向上させるための改善された構造を有する。特にテーパ付導波管の形状及び導波管の周辺領域は、光量の損失を最小化して光効率を向上させるように共に改善されている。
【0037】
本発明の他の面によれば、間隔を置いて配置されたテーパ付導波管と、導波管の間に配置された吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置が提供される。テーパ付導波管は、入射光を反射して拡散させる傾斜面を有し、吸光部は、外部光を吸収し、反射を減少させることを意図している。前記吸光部は、前記空間部に充填されて硬化され、前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する第1樹脂、及び磁力により前記第1樹脂の表面付近に引かれて整列され、その位置で前記第1樹脂の硬化により固定される黒味を帯びた吸光粒子を含む。
【0038】
前記吸光粒子は、磁性を有する酸化鉄のような微細粒子であるのが好ましい。
【0039】
前記第1樹脂は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂であり得る。
【0040】
本発明の他の側面によれば、間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射を減少させるための吸光部のための空間部を形成することによるディスプレイ用光学装置が提供される。本発明方法は、前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する液状の第1樹脂に磁性を有する黒味を帯びた吸光粒子を混合するステップ、前記吸光粒子が混合された第1樹脂を前記空間部に充填するステップ、前記空間部に充填された第1樹脂に磁力を加えて前記吸光粒子を前記第1樹脂の表面付近に浮揚させるステップ、及び前記空間部に充填された前記第1樹脂を硬化させるステップを含む。
【0041】
前記混合ステップは、酸化鉄粒子を第1樹脂と混合するのが好ましい。
【0042】
本発明の他の側面によれば、間隔を置いて配置された傾斜面を有するテーパ付導波管と、前記導波管の間に配置され吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置が提供される。テーパ付導波管は、入射光を反射し、拡散させるための傾斜面を有し、吸光部は、外部光を吸収し、反射を減少させることを意図している。前記吸光部は、前記空間部に充填されて外部光を吸収し反射を減少させる黒味を帯びた吸光粒子及び前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされ硬化されて形成されるコーティング層を含み、前記黒味を帯びた吸光粒子の直径は前記導波管の広い面の間の間隔の1/2よりは大きくて、前記導波管の広い面間の間隔よりは小さく、3層以上の多層で積層されているディスプレイ用光学装置が提供される。
【0043】
前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成することができる。
【0044】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、または黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子であり得、前記吸光粒子は樹脂なしに前記空間部に充填される。
【0045】
前記吸光粒子の大きさは均一であることがより好ましい。
【0046】
本発明の他の側面によれば、吸光物質が表面のみにコーティングされたディスプレイ用光学装置の製造方法が提供される。本発明方法は、導波管の形状に相応する第1空間が水平方向及び/または垂直方向に配列されたダイプレートに感光性ポリマー物質を液状で注入する第1ステップ、前記感光性ポリマー物質の導波管の底辺に該当する一面に透明基板を付着する第2ステップ、前記感光性ポリマー物質に紫外線を照射して光重合反応により硬化させて導波管アレーを形成する第3ステップ、前記ダイプレートを前記導波管アレーから除去する第4ステップ、前記導波管アレーの導波管の間に形成された第2の隙間に前記導波管と異なる屈折率の充填物質を充填し硬化させる第5ステップ、及び前記充填物質の表面に吸光物質を塗布し前方透明板を付着する第6ステップを含む。
【0047】
前記第1ステップにおいて、前記第1空間は、先端を切った円錐形又は先端を切った多角錐形であるのが好ましい。
【0048】
前記第2ステップにおいて、前記透明基板は、PMMAまたはMS素材で形成されるのが好ましい。
【0049】
前記第5ステップにおいて、前記導波管の間に形成された第2の隙間に前記充填物質を充填する前に、前記導波管アレーをひっくり返す。
【0050】
前記第5ステップは、前記導波管の間の第2の隙間に前記充填物質を液状で充填するステップと、充填材料を、熱硬化及び乾燥するステップを備え、前記熱硬化及び乾燥中前記充填物質が収縮されて、その表面が凹状に沈下する。
【0051】
前記第6ステップは、前記充填物質の凹状に沈下した部分に前記吸光物質を塗布するステップ、前記吸光物質が塗布された前記導波管アレーの表面に前方透明板を付着するステップ、及び紫外線を照射して前記前方透明板を前記導波管アレーに接着硬化させるステップを備える。
【0052】
前記吸光物質は、カーボンブラックを主成分とすることができる。
【0053】
前記吸光物質は、押出被覆法、スロット型コーティング法、またはスクリーン印刷法によって塗布される。
【0054】
本発明の他の側面によれば、透明基板、前記透明基板上に付着され、水平方向及び/または垂直方向に配列された導波管を有する導波管アレー、前記導波管アレーの上部に付着される前方透明板、前記導波管の間の隙間に充填される、前記導波管と異なる屈折率の充填物質、及び前記充填物質の表面に塗布される吸光物質を含む。
【0055】
隣接する導波管アレーの底面は、互いに接触し、前記導波管の隙間は内側に先端が細くなった空間を形成する。
【0056】
前記充填物質は、前記導波管より小さい屈折率を有する液状の物質を前記隙間に注入し熱硬化させるように構成することができる。
【0057】
前記吸光物質は、前記充填物質の熱硬化による沈下部分に、前記導波管の上面と塗布された吸光物質が一直線をなすように塗布するのが好ましい。
【0058】
前記のような本発明の導波管構造は、導波管が互いに分離され得、細胞型で配置される4側面が全て傾いたテーパ付導波管(米国特許第5,462,700号のFig.12参照)に適用するのに最も適している。
【0059】
勿論、ある場合は、2側面が傾いてライン形態で配置される導波管にも本発明の導波管構造は適用することができる。
【発明の効果】
【0060】
上記したように本発明の光学装置は、同等な光源を使用しても、既存のディスプレイ用光学装置に比べて、改善された光効率を有し、輝度が優れる製品を供することができる。
【0061】
また、本発明によれば、安定した吸光部を有するディスプレイ用光学装置が得られる。
【0062】
更に、本発明は、このような光学装置の製造工程が複雑でなくて、生産性を向上させることができる。
【0063】
酸化鉄のような磁性を有する微細な粒子を吸光粒子として使用する場合は、製造工程が簡略化できる。最終製品をスクリーンとして使用した場合、磁性粒子が電子波を吸収し、他の付随的な効果も期待することができる。
【0064】
本発明によれば、導波管の間の隙間に、好ましくは、導波管より低い屈折率を有する物質を充填し、その表面のみに吸光物質をコーティングすることで、吸光物質によってもたらされ得る光線の損失を最小化することができる。
【0065】
本発明によれば、金型工法により導波管アレーを製造する場合、隣接する導波管の底面が離隔しなくて、連続的に互いに接触する。このようにして、導波管と導波管との間での光損失が最小化でき、光効率を高めることができる。
【0066】
一般的なレンズ型プロジェクションTVのスクリーンの構造は、フレネルレンズとレンズ状レンズから構成されている。一般的にレンズ状レンズは、垂直ライン形態でセル型構造とは異なる。既存のスクリーンは、垂直ラインでオープン領域が構成されていて、上方向から入る外部光がフレネルレンズに当たって反射される。しかしながら、本願発明では、ライン構造でないセル型構造を取ることができるので、入力光の上方向反射現象を減らすことができる。また、既存のライン方式は前面に拡散板を適用して垂直視界角を形成する。本願発明はセル型構造を使用し、それ自体で垂直方向の視界角を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0068】
図5を参照すれば、イメージ光線は、ディスプレイ用光学装置100の導波管120の内部に入射され、導波管120の側壁122で反射される。このときイメージ光線は、その入射角に応じて側壁122上で全反射したり側壁122を通過する。イメージ光線の入射角が臨界角より大きい場合(光線124の場合)は、光線は、導波管120の側壁122で全反射または大部分反射される。イメージ光線の入射角が臨界角以下の場合(光線125の場合)は、イメージ光線は部分的に全反射し、一部は導波管120を透過して吸光部150に吸収されてイメージ光線の反射率がかなり落ちる。光効率の高いディスプレイ用光学装置を得るためには、入射されるイメージ光線が導波管120の傾斜した側壁122で全反射が起こるように設計されなければならない。
【0069】
図6のグラフに示すように、屈折率差が0.6の2つの媒質の場合、入射角が35度以上の場合、光線は大部分全反射される。入射角35度の場合、約15%の反射率である。導波管120の側壁122の傾きと導波管120の周囲の媒質の屈折率、入光面の大きさによって、導波管120の長さが決定される。各パラメータは次式(1)によって支配される。
【0070】
【数1】
【0071】
ここで、Qcは全反射の臨界角、nwは導波管の屈折率、nsは周辺媒質の屈折率wp表わす。
【0072】
例えば、図7では入射面の幅が40㎛、導波管側壁の傾きが4度、導波管の屈折率nwが1.6、周辺媒質の屈折率nsが1.3であり、入射光がH軸に対して0度から10度間の角を有する場合の導波管内での光路を示している。図6に示すように、10度の入射光を有する場合(光線126の場合)、4番目の反射127で入射光線は一部が導波管120を通過する。この場合、光損失を減らすためには、導波管120の長さを、4番目の反射が起こる長さである173㎛に制限する必要がある。
【0073】
図8のディスプレイ用光学装置100は、前述したカーボン−ブラックが導波管120の外側で壁面122に直接的に接触することによる光損失を防止できるように構成されている。導波管120の外壁面、すなわち、吸光部150の内壁面152に第1樹脂層154が形成されている。該第1樹脂層154は、導波管120の間に形成された空間部156に導波管120の内壁よりは相対的に小さい屈折率の樹脂が塗布されて硬化されるようにして形成される。この第1樹脂層154には吸光粒子は含まれていない。第1樹脂層154に使われる樹脂としては、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が適している。
【0074】
図8に示したように、第1樹脂層154の外部に吸光粒子158が粒子ホルダー160を通じて充填されている。この吸光粒子158は、外部光を吸収して光学装置の前面に反射される外部光の反射率を減少させる。この吸光粒子158は、カーボン−ブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子などのような黒味を帯びた微細粒子から形成される。ここで、黒味を帯びたとは、黒色、暗褐色などのような光吸収率の優れる色を意味する。
【0075】
前記吸光粒子158を吸光部150内に保持する吸光粒子ホルダー160は、前記黒味を帯びた吸光粒子158と混合されて、混合された吸光粒子158と共に第1樹脂層154の外側に充填され硬化された第2樹脂層160aから構成される。この第2樹脂層160aの材料としては、例えばグリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0076】
本発明の製造方法を、図9を参照して詳細に説明する。
【0077】
まず、屈折率の大きい樹脂からなる薄板などに楔形(テーパ付)導波管120を形成し、この導波管120の間、すなわち導波管120の周辺に、吸光部150に形成される空間部156を形成する(ステップ51)。通常は導波管120形成の際、空間部156が共に形成される。このステップは従来に知られた技術、例えば先に引用した米国特許に開示された方法によって実施することができる。
【0078】
次に、空間部156の内壁面、すなわち導波管120の外壁面に第1樹脂をコーティングする(ステップ52)。第1樹脂としては、導波管120より屈折率の小さい、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が挙げられる(ステップ52)。それから、塗布された第1樹脂が十分に硬化され(ステップ53)、第1樹脂層154が形成される(ステップ54)。カーボン−ブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた吸光粒子158を第2樹脂と混合する(ステップ55)。混合物を第1樹脂層154の外側の空間部に充填する(ステップ56)。空間部156に充填された第2樹脂を硬化して第2樹脂層160aを形成する(ステップ57)。ここで、第2樹脂により形成される第2樹脂層160aは、黒味を帯びた吸光粒子158を保持する。第2樹脂には第1樹脂と同一な材料を使用できる。
【0079】
場合によっては、黒味を帯びた吸光粒子158のみ(第2樹脂と混合しない)を空間部に充填し、それから粒子158の表面に透明な第3樹脂をハードコーティングして吸光粒子を空間部156内に保持する。第3樹脂は、第1樹脂と同一なものを使用することもできる。
【0080】
すなわち、導波管より屈折率の小さい樹脂を空間部156の内壁面に1次塗布し、硬化後、カーボン−ブラックのような黒味を帯びた吸光粒子158と混合した他の樹脂を空間部156に充填した後、硬化させる。このようにして導波管120の側壁面122は、少なくとも第1樹脂層154の厚みに相当する距離は、吸光粒子158から離間している。
【0081】
図10と図11は、本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【0082】
導波管120の屈折率が大きくなかったり、他の理由により導波管120と導波管の周囲の媒質との屈折率差が小さい場合、導波管120の周囲の空間部156に樹脂を充填しないで屈折率が1の空気状態に置くことができる。この場合、前記実施形態と異なり、球状の黒味を帯びた吸光粒子158(樹脂なし)を空間部156に充填し、透明樹脂を粒子の表面にコーティングしてコーティング層160bを形成する。このようにして、コーティング層160bが粒子固定ホルダー160となり、吸光部150内にある吸光粒子158が安定化され得る。この場合、従来技術は、ブラックフィルムを使用した。
【0083】
ここで、吸光粒子158の大きさは、導波管120の側壁122の傾きと導波管120の間の間隔によって制限される。図10に示すように、吸光粒子158の直径の小さい場合、導波管120の側壁122に接触する回数が、図11に示すように、吸光粒子158の直径の大きい場合より多いので、光損失が増加する。図11に示すように、粒子158が相対的に大きい場合、接触回数が小さいので、光損失は少ないが均一な分布が難しかったり工程上の不良が生じ得る。吸光粒子158は、導波管120の側壁122の傾きなど導波管120の設計によって適切な大きさを有する必要がある。図10に示すように、吸光粒子158の直径を導波管120の底面間の間隔(c)の1/2よりは大きくて、底面間の間隔(c)よりは小さいことが、均一な分布を維持しながらも導波管120の側壁122との接触回数も減らすために好ましい。また、吸光粒子158は接着力を有しないので、構造的安定化のために粒子を3層以上に積層するのが好ましい。更に、吸光粒子158の大きさは均一であるのが好ましい。均一でなければ充填密度と側壁122への接触頻度が増加する。相対的に大きい粒子が相対的に接触回数が少なくなり、光損失の減少により好ましい。
【0084】
図10と図11に示すディスプレイ用光学装置は、大きさの均一なカーボン−ブラック及び酸化鉄粒子のような黒味を帯びた吸光粒子158が空間部156に樹脂なしで充填されている。それから、透明樹脂をその表面にハードコーティングし硬化させて樹脂コーティング層160bを形成する。このようにして、米国特許公開番号第2002/0080484号での導波管の端部の延長線上の領域をブラックフィルムで塞いで、その下部を空いた空間に留める場合に比べて、格段に安定した吸光部150が得られる。
【0085】
図12〜図15は、本発明の他の実施例による光学装置及びディスプレイ装置の製造方法を説明する断面図である。図12〜図15に示すように、第1樹脂152aが導波管120の周りの空の空間部に充填され、硬化される。第1樹脂152aは、カーボン−ブラックのような黒味を帯びた吸光粒子を含まず、導波管120よりは屈折率が小さい。その後、導波管120の光出力面129を含む光学装置の前面部に紫外線を受ければ接着力を喪失する感光性接着剤170を塗布する。それから、微細な黒味を帯びた吸光粒子158aを感光性接着剤170上に付着させる。その後、紫外線を入力面130から光出力面129方向に照射して導波管120の光出力面129のみ選択的に感光性接着剤の接着力を喪失させて、その上に付着した吸光粒子158aを表面洗滌を通じて分離する。このようにして、図14に示すように、本発明の光学装置を得ることができる。吸光粒子158aが脱落した部分には、光入力面から装置の前面へ導波管120を光が通過する粒子脱落部172が形成される。
【0086】
ここで、感光性接着剤は、フィルム形態や液状形態両方とも可能であり、強い接着力を有するが紫外線の照射により接着力を喪失する接着剤または樹脂であればいずれのものであっても可能である。洗滌、乾燥後、表面の安定化と保護のために、透明樹脂層180を更に形成してもよい。
【0087】
ここで、第1樹脂としては、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が適している。黒味を帯びた吸光粒子の例としては、カーボンブラックや酸化鉄粒子のような黒色の微細粒子が挙げられる。
【0088】
また、感光性接着剤170としては、アクリル系またはイソービニル系光重合性接着剤を使用すればよい。
【0089】
すなわち、図12〜図15を通じて説明した光学装置は、次の手順によって製造される。まず、薄板上に規則的に間隔を置いて配置され入射される光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を形成する。テーパ付導波管の間に導波管120より屈折率の小さい第1樹脂を充填し硬化させる。光出力面129側の表面、すなわち、導波管120の狭い側の表面に、紫外線を受ければ接着力を喪失する感光性接着剤170を塗布する。塗布された感光性接着剤170の表面に、外部光を吸収し反射光量を減少させるための黒味を帯びた吸光粒子158aを接着させる。その後、塗布された感光性接着剤170の反対側から、すなわち、光入力面130から前記導波管120を通って光出力面129に向かって、すなわち、塗布された感光性接着剤170に向かって紫外線を照射する。それから導波管120上にある黒味を帯びた吸光粒子を感光性接着剤170から脱落させる。
【0090】
場合によっては、接着された黒味を帯びた吸光粒子158a上に透明樹脂を塗布し、硬化して透明樹脂層180を形成し、固定した吸光粒子を安定化する。
【0091】
図16及び図17に示すように、酸化鉄のような磁性を有する黒味を帯びた微細な吸光粒子158bを、導波管120より屈折率の低い第1樹脂152aに均一に分散させる。それから分散させた吸光粒子を有する第1樹脂を、空間部156、即ち導波管の周辺領域に充填する。第1樹脂152aが硬化する前に、光学装置100の前面に磁力(M)を与えて第1樹脂152aの表面に微細粒子を浮揚させた状態で硬化させる。このようにして、本発明に係る光学装置が製造される。
【0092】
ここで、第1樹脂152aに適した材料は、先の実施形態と同様に、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂であり得る。
【0093】
すなわち、樹脂からなる薄板に入射される光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管120を形成し、前記導波管120の間に外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部150形成のための空間部156を配置する。導波管120より小さい屈折率を有する液状の第1樹脂152aに磁性を有する黒味を帯びた吸光粒子158bを混合する。混合物を空間部156に充填した後、第1樹脂152aが硬化する前に、第1樹脂152aの表面側から磁力(M)を加えて、吸光粒子が第1樹脂152aの表面付近に浮揚されるようにした状態で硬化して本発明に係る光学装置100を製造する。
【0094】
この実施態様では、カーボン−ブラックの代わりに、酸化鉄のような磁性を有する微細な粒子を使用し、硬化時に適切な磁力を与えればよいので、工程が簡単になる。スクリーンとして使用する場合、磁性粒子は電磁波を吸収するので、他の付加的な効果を期待することができる。
【0095】
図18は、本発明の更なる実施形態によるリアプロジェクション用スクリーンを示すもので、本発明のプロジェクションスクリーンは、数字200で表わす。
【0096】
本発明のプロジェクションスクリーン200は、図18に示したように、透明基板210上に導波管アレー220を配置し、その前面に前方透明板230を付着した層状構造を有している。特に、導波管アレー220は、複数の導波管222が、垂直方向及び/または水平方向に配列されて構成されている。導波管222は、先端を切った円錐形状又は先端を切った多角錐形状を有し得る。この導波管アレー220は、隣り合う導波管222の底面222aが互いに接触することが光利用効率面で好ましい。この場合、隣接する底面222aの接触域は、先端が細く形成される。したがって、隣接する導波管222の底面222aの間に間隔が生じないように、メタリックダイを使用して製造する。本発明のプロジェクションスクリーンを製造する方法を図19乃至図21を参照して後述する。
【0097】
また、導波管222は傾斜した側壁222Bを有する。従って、隣接する導波管の間には倒立三角断面の隙間224が形成される。この隙間224には、一般的に吸光物質が充填されるが、その意図した目的は、投射スクリーン200上へ外部入射光を吸収することである。しかしながら隙間224に充填された吸光物質は、導波管222の側壁222bに接触しているため、導波管222を通過する光も吸収して光効率を落とす逆機能も発生する。このような光損失を防止するために、本発明では、隙間224の表面は吸光物質240で充填され、隙間224の下方の空間には導波管222と屈折率の異なる充填物質250が充填されている。この充填物質250は、導波管222より低い屈折率を有し、液状状態で充填して硬化させる。充填物質250は、吸光物質240より光の吸収性が格段に低いか、でなければ実質的に光吸収性を有しない。吸光物質240は、通常カーボンブラックを主成分として形成される。例えばカーボンブラック、バイシロン(baysilon)−白金触媒及びビニルシリコンを混合して組成される。この吸光物質240は、一般的に黒色を示す。
【0098】
以下図19乃至図21を参照して、本発明方法を詳細に説明する。
【0099】
導波管アレー製造用ダイプレート270に、液状感光性ポリマー物質220aを注入する(ステップS1)。この際、感光性ポリマー物質混合器280から液状で感光性ポリマー物質220aをダイプレート270に注入する。ダイプレート270は、円錐形状の切頭体又は多角錐形状の切頭体を有する複数の空間272が、水平方向及び/または垂直方向に配列されたように形成された板状構造を有する。空間272の形状は、導波管の形状に相応する。ダイプレート270の空間272は、各導波管を鋳造し形成し、空間の間の連結部位は、尖った頂点を形成する。すなわち、鋳造し形成すると、隣接する導波管の底面は、その間に尖鋭な頂点を形成して互いに接触する。
【0100】
ダイプレート270に感光性ポリマー物質220aを注入した後、導波管の底面に相当する感光性ポリマー物質220aの一面に、後方透明基板210を付着させる(ステップS3)。この透明基板210としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはMS素材が適している。そして、透明基板210側から紫外線(UV)を照射し、感光性ポリマー物質220aを光重合させ、硬化させる(ステップS5)。感光性ポリマー物質220aが硬化して、導波管222が水平方向及び/または垂直方向に配列された導波管アレー220を形成する。その後、導波管アレー220からダイプレート270を除去する(ステップS7)。導波管アレー220と透明基板210との間には、接着力を強化させるために接着物質を介在させることができる。
【0101】
ダイプレート270除去後、導波管アレー220とそれに付着された透明基板210をひっくり返す(ステップS9)。次に、導波管アレー220の導波管222の間に形成された隙間224に導波管と屈折率の異なる充填物質250を充填する(ステップS11)。好ましくは、導波管より屈折率の低い充填物質250を液状で充填する。次に、充填物質250の熱硬化及び乾燥工程を遂行する(ステップS13)。すると、充填物質250は熱硬化しながら収縮して、充填物質250の表面が凹状に沈下する。この凹入した形状は、通常略半月形をなす。このように硬化した充填物質250の凹入面に、吸光物質240を塗布する(ステップS15)。吸光物質は、押出被覆法、スロット型コーティング、またはスクリーン印刷法によって塗布することができる。この中で、押出被覆法を使用する場合は、導波管の表面に吸光物質が付くことを防止するため、吸取紙が使われる。
【0102】
吸光物質240をコーティングした後、吸光物質240が位置した導波管アレイ220の前方の表面に前方透明板230を付着する(ステップS17)。この前方透明板230は、導波管222を保護する機能の他に拡散板の機能を与えることができる。前方透明板230を付着した後、再び紫外線を照射し、最終的に接着硬化させて、本発明の投射スクリーン200を得る(ステップS19)。前方透明板230と導波管アレイ220との間には、接着力を高めるための接着物質を介在させることができる。
【0103】
このように製造された投射スクリーン200は、図1の構造を有する。特に、吸光物質240が導波管アレー220の表面側のみに存在しているので、外部光は吸収するが、導波管の内部光の吸収は排除して内部光線の光損失を最小化する。
【0104】
本発明を種々の好ましい実施形態で記載したが、記載は本発明の説明であり、本発明の制限と解釈すべきではない。添付特許請求の範囲で定義された本発明の範囲及び精神から外れない範囲内で、多様な変化と変更が当業者には可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
上記したように、本発明の光学装置は、プロジェクションTV、モニタ用ディスプレイ、特に後面投射TV用スクリーン、後面投射式システム用スクリーンに適用することができる。TFT−LCD、PDP
TV、または、CRTモニタのスクリーンなど、ディスプレイ用装置やシステムの光部品に適用することができ、その他、広告看板や照明用のディスプレイにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】従来のディスプレイ用光学装置のスクリーンの拡大図である。
【図2】従来のディスプレイ用光学装置の拡大断面図である。
【図3】テーパ付導波管を用いた光学装置の断面図である。
【図4】吸光部にカーボン−ブラック粒子を充填した部分拡大図である。
【図5】導波管内に入射されたイメージ光線の経路を示す概略図である。
【図6】2つの媒質間の屈折率差が0.6の場合の入射角と反射率の関係を示すグラフである。
【図7】導波管内に入射されたイメージ光の経路を入力角に応じて示す図である。
【図8】本発明の実施形態による光学装置における導波管とその周辺の吸光部を示す断面図である。
【図9】本発明による光学装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図16】更に本発明の他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図17】更に本発明の他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図18】更に本発明の実施形態のリアプロジェクション用スクリーンの説明図である。
【図19】本発明光学装置の製造方法を説明する概略図である。
【図20】本発明光学装置の製造方法を説明する概略図である。
【図21】本発明光学装置の製造方法を説明する概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ用光学装置及びその製造方法に関し、特にテーパ付導波管を有するディスプレイ用光学装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プロジェクションTV、後面投射投射器用スクリーン、TFT−LCD、PDP
TV、CRTモニタなどの各種ディスプレイ用光学装置は、視界角を広めるために微細なレンズ構造を有したり、導波管構造を有する。本発明は、導波管構造を有するディスプレイ用光学装置及びその製造方法に関するものである。
【0003】
従来のディスプレイ用光学装置を、図1及び図2を参照しつつ簡単に説明する。
【0004】
図1は従来のディスプレイ用光学装置のスクリーンの拡大図であり、図2は従来のディスプレイ用光学装置の断面構造の拡大図である。
【0005】
図1及び図2に示すように、従来のディスプレイ用光学装置10は、入射されるイメージ光線を拡散させる発光部12と、外部光の吸収及び反射量の減少のための吸光部14を備えている。図2に示すようにイメージ光は、発光部12から発散され、即ちイメージ光は光学装置10に入射された後、薄いレンズ16により光経路が折れて発散される。図2に示しているディスプレイ用光学装置は、その表面に薄いレンズを多数形成しなければならないので、制作が非常に難しい。
【0006】
米国特許第3,279,314号と米国特許第5,462,700号は、レンズの代りに微細なテーパ付導波管を均一に分布させて構成したディスプレイ用光学装置を開示している。
【0007】
図3は、テーパ付導波管を用いたディスプレイ用光学装置の断面構造を示す図である。
【0008】
図3に示すように、テーパ付導波管を有する光学装置20は、レンズ16を使用する図2の光学装置と異なり、光の屈折を生じさせない。対照的に図3の光学装置20は、導波管22の傾いた側壁23で反射し、光が導波管22を通過する際、側壁23に対して増加した角を有するように光を誘導してイメージ拡散効果を与える構造である。
【0009】
日光又は周囲の照明は、光学装置20の前面で反射され得、その結果観察されたイメージは、不安定な光線によって、相対的に暗く若しくはブロックされ得る。この現象を最小化するために、図3の吸光部24は、光学装置20の光が発散される部分を除外した部分に、黒色材料を塗布したり充填して周辺光を吸収するように構成される。
【0010】
前述した導波管22は、互いに異なる指標を有する2つの媒質の境界面上の光の反射を用いたものである。光入射角の大きさによって、入射光線は、全て反射される全反射か、一部反射し、一部は、界面を透過する。テーパ付導波管22内で起こる反射効率を高めるためには、二つの媒質間の屈折率差が大きいほど効果的である。
【0011】
米国特許第5,462,700号では、紫外線を用いて導波管を形成するので、使用可能な媒質が制限され、低屈折率を有する媒質の選択幅はより狭くなった。また、米国特許第6,538,813号では、反射効果を最大化するために、反射壁(媒質間の境界面)に金属コーティングを施したり、金属コーティングし、導波管を除去した後、残っている金属コーティングを反射媒体として使用する。このような特許発明は、スクリーンの大型化を追求する傾向により、多くの工程増加及び材料費の上昇をもたらし、現在及び未来の要求に合致しない。米国特許第5,462,700号に開示された材料の屈折率は1.6が最大であり、周囲に充填される低屈折率樹脂は1.3程度が限界である。したがって、2種の媒質間の略0.3程度の屈折率差は、導波管の設計において困難及び制限をもたらす。また現在、プロジェクションTV用スクリーンが61インチまで、PDPが80インチまで生産されている。このように大型化スクリーンの場合、前面に金属コーティングをする工程は、品質や生産性、容易さなどにおいて多くの困難及び問題点を有する。特に、光出力面を除外して導波管の側壁のみ選択的にコーティングするのは難しい。大型スクリーンを短時間内に蒸着するには高価な設備が必要とされる。大量生産と関連する生産性においても、競争力が落ちる。
【0012】
また、吸光部は、一般的に導波管に比べて低い屈折率を有する樹脂から形成され、微細なカーボン−ブラック粒子又は黒色系統の着色剤を分散させる。特に、米国特許第5,462,700号では、前者の方法を使用し、カーボン−ブラック粒子が導波管の側壁と接触しないように制御しなければならないことに言及している。
【0013】
吸光物質は、微細な炭素粒子を主成分とし、外部からスクリーンへ流入する光を吸収してスクリーンの前面で反射が起こらないようにしている。このようにして、視聴者にスクリーンの映像がより鮮明で、かつ、きれいに見えるようにする役割をする。
【0014】
しかしながら、既存のスクリーン構造においては、吸光物質は、導波管の間の逆錐形隙間空間に充填されるので、導波管を通って投射された光が、導波管の内部を反射して吸光物質に吸収されて光損失をもたらす。これは、映像の鮮明度を激減させ、その結果解像度が低下する。
【0015】
図4を参照して、上記従来技術の問題点を以下に説明する。
【0016】
図4は、吸光部にカーボン−ブラック粒子が充填された部分拡大図である。
【0017】
図4に示すように、導波管22に入射された光線は導波管22の傾斜した側壁23で反射される。この際、カーボン−ブラック粒子25が導波管の側壁23に接触すると、入射されたイメージ光が反射されなくて、カーボン−ブラック粒子25の黒体効果により吸収され、結果的に光出力面から発散される光量の損失をもたらす。
【0018】
米国特許第6,417,966号のような一部の特許は、カーボン−ブラック粒子を分散させる代わりに、前面照射部のみ黒色処理する方法を提案している。しかしながら、この方法自体実用性を欠き、実用的製造工程には、容易に適用できなかった。
【0019】
その他、米国特許公開番号2002/0080484号では、導波管の間のスペースを空とし、この空の空間の上端をブラックフィルムで覆って従来技術の問題点を解決する導波管構造を開示している。しかしながらこの公報は、この構造体を形成する適した方法を提案していない。支持物が全くなしに導波管の間に位置する上記黒色フィルムは、その不安定さの理由で、先行技術の問題点の完全な解決になり得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、導波管に入射されたイメージ光線が吸光部に吸収されることを最大限防止し、スクリーンの輝度を向上させることができるようにするディスプレイ用光学装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、このような光学装置を容易に制作できるようにする製造方法を提供することにある。
【0022】
本発明の更に他の目的は、導波管内での反射率と透過率の調節を容易にし得るディスプレイ用光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記のような本発明の目的は、導波管内のイメージ光線と吸光粒子との接触をできる限り減らしたり、吸光物質が光学装置の表面近くのみに配置されるようにすることにより達成することができる。
【0024】
前記のような目的を達成するための本発明の一面によれば、間隔を置いて配置されたテーパ付導波管と、前記導波管の間に配置され吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置が提供される。テーパ付導波管は、入射光を反射して拡散させる傾斜面を有し、光吸収部は、外部光を吸収し、反射を減少させるようにしている。前記吸光部は、前記空間部の内壁面に沿って塗布され硬化された第1樹脂層、前記導波管の側壁とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管の側壁より相対的に小さい屈折率の樹脂からなっており、黒色系統の吸光粒子が含まれていない第1樹脂層、前記第1樹脂層の外部の前記空間部に充填されて外部光を吸収する黒味を帯びた吸光粒子、及び前記吸光粒子を固定するための吸光粒子ホルダーを含む。
【0025】
一般的には、前記導波管の側壁のものより屈折率の小さい材料を空間部の側壁の内面に固定的に配置する。場合によっては、導波管の側壁より屈折率の大きい材料を使用することもできる。2種の媒質間の界面での全反射が起こることができる臨界は、屈折率差によって決まるが、一般的には屈折率差が大きいほど臨界角が大きくなり、全反射が起こる確率が高まる。
【0026】
しかしながら、屈折率差が小さかったり、逆に、小さい屈折率の媒質から大きい屈折率の媒質に光が伝わる場合にも、光の透過を伴う反射は起こる。反射及び透過の両方を同時に用いることができ、用途や目的によって屈折率をコントロールすることができる。2つの媒質間の屈折率の相違は、中間に界面が形成される。光の界面を透過する場合、界面で光経路が折れる。このように反射率を制御することによって、光を希望する方向に誘導することができ、光量の調節も可能である。特に、本発明でのテーパ導波管の場合、光が界面(導波管側壁)で反射し続けるので入力(入射)角が増加する。入力角が臨界角を越えると、光が界面を透過する。ある場合には、この現象は利点となり得る。
【0027】
前記吸光粒子ホルダーは、前記黒味を帯びた吸光粒子と混合され、前記第1樹脂層の内部に充填され硬化された第2樹脂層であることが好ましく、前記導波管はライン型よりセル型のものが好ましい。
【0028】
ある場合には、前記吸光粒子ホルダーは、前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされ硬化されたようにして形成されたコーティング層であり得る。
【0029】
前記第1樹脂層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成され得る。
【0030】
前記第2樹脂層及び前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂で、第1樹脂層と屈折率が等しいか低い樹脂から形成することが好ましい。
【0031】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子であり得る。
【0032】
本発明の他の面によれば、間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射を減少させるための吸光部のための空間部を形成して導波管を有するディスプレイ用光学装置の製造方法が提供される。本発明方法は、前記空間部の内壁面に前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より屈折率の小さい第1樹脂を塗布する第1樹脂塗布ステップと、前記第1樹脂を硬化させて、前記空間部の内壁に第1樹脂層を形成する第1樹脂硬化ステップと、前記第1樹脂層の外部の前記空間部に黒味を帯びた吸光粒子を充填する吸光粒子充填ステップと、前記充填された吸光粒子を前記空間部の内部に固定する吸光粒子固定ステップと、を含む構成を有する。
【0033】
前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を第2樹脂と混合して混合物を充填するステップであり得、前記吸光粒子固定ステップは、前記空間部の内部に充填された前記第2樹脂を硬化するステップであり得る。
【0034】
場合によっては、前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を樹脂と混合なしに前記空間部に充填するステップであり得、前記吸光粒子固定ステップは、前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂をコーティングして硬化するステップであり得る。
【0035】
本発明におけるテーパ付導波管は、比較的広い面積の光出力面と比較的狭い面積の光出力面を有し、これらは互いに平行である。また、光入力面の形状は正四角形、長方形、菱形をはじめとする全ての多角形と円形、楕円形などで構成することができる。光出力面は同一であり得、光入力面と異なる形状を有することもできる。導波管の側壁は、イメージ光線が入力角に対し、ある角度で傾斜している。各々の導波管は、異なる傾斜角を有することができる。
【0036】
上記構成を有する本発明の光学装置は、スクリーンの輝度を向上させるための改善された構造を有する。特にテーパ付導波管の形状及び導波管の周辺領域は、光量の損失を最小化して光効率を向上させるように共に改善されている。
【0037】
本発明の他の面によれば、間隔を置いて配置されたテーパ付導波管と、導波管の間に配置された吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置が提供される。テーパ付導波管は、入射光を反射して拡散させる傾斜面を有し、吸光部は、外部光を吸収し、反射を減少させることを意図している。前記吸光部は、前記空間部に充填されて硬化され、前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する第1樹脂、及び磁力により前記第1樹脂の表面付近に引かれて整列され、その位置で前記第1樹脂の硬化により固定される黒味を帯びた吸光粒子を含む。
【0038】
前記吸光粒子は、磁性を有する酸化鉄のような微細粒子であるのが好ましい。
【0039】
前記第1樹脂は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂であり得る。
【0040】
本発明の他の側面によれば、間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射を減少させるための吸光部のための空間部を形成することによるディスプレイ用光学装置が提供される。本発明方法は、前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する液状の第1樹脂に磁性を有する黒味を帯びた吸光粒子を混合するステップ、前記吸光粒子が混合された第1樹脂を前記空間部に充填するステップ、前記空間部に充填された第1樹脂に磁力を加えて前記吸光粒子を前記第1樹脂の表面付近に浮揚させるステップ、及び前記空間部に充填された前記第1樹脂を硬化させるステップを含む。
【0041】
前記混合ステップは、酸化鉄粒子を第1樹脂と混合するのが好ましい。
【0042】
本発明の他の側面によれば、間隔を置いて配置された傾斜面を有するテーパ付導波管と、前記導波管の間に配置され吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置が提供される。テーパ付導波管は、入射光を反射し、拡散させるための傾斜面を有し、吸光部は、外部光を吸収し、反射を減少させることを意図している。前記吸光部は、前記空間部に充填されて外部光を吸収し反射を減少させる黒味を帯びた吸光粒子及び前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされ硬化されて形成されるコーティング層を含み、前記黒味を帯びた吸光粒子の直径は前記導波管の広い面の間の間隔の1/2よりは大きくて、前記導波管の広い面間の間隔よりは小さく、3層以上の多層で積層されているディスプレイ用光学装置が提供される。
【0043】
前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成することができる。
【0044】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、または黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子であり得、前記吸光粒子は樹脂なしに前記空間部に充填される。
【0045】
前記吸光粒子の大きさは均一であることがより好ましい。
【0046】
本発明の他の側面によれば、吸光物質が表面のみにコーティングされたディスプレイ用光学装置の製造方法が提供される。本発明方法は、導波管の形状に相応する第1空間が水平方向及び/または垂直方向に配列されたダイプレートに感光性ポリマー物質を液状で注入する第1ステップ、前記感光性ポリマー物質の導波管の底辺に該当する一面に透明基板を付着する第2ステップ、前記感光性ポリマー物質に紫外線を照射して光重合反応により硬化させて導波管アレーを形成する第3ステップ、前記ダイプレートを前記導波管アレーから除去する第4ステップ、前記導波管アレーの導波管の間に形成された第2の隙間に前記導波管と異なる屈折率の充填物質を充填し硬化させる第5ステップ、及び前記充填物質の表面に吸光物質を塗布し前方透明板を付着する第6ステップを含む。
【0047】
前記第1ステップにおいて、前記第1空間は、先端を切った円錐形又は先端を切った多角錐形であるのが好ましい。
【0048】
前記第2ステップにおいて、前記透明基板は、PMMAまたはMS素材で形成されるのが好ましい。
【0049】
前記第5ステップにおいて、前記導波管の間に形成された第2の隙間に前記充填物質を充填する前に、前記導波管アレーをひっくり返す。
【0050】
前記第5ステップは、前記導波管の間の第2の隙間に前記充填物質を液状で充填するステップと、充填材料を、熱硬化及び乾燥するステップを備え、前記熱硬化及び乾燥中前記充填物質が収縮されて、その表面が凹状に沈下する。
【0051】
前記第6ステップは、前記充填物質の凹状に沈下した部分に前記吸光物質を塗布するステップ、前記吸光物質が塗布された前記導波管アレーの表面に前方透明板を付着するステップ、及び紫外線を照射して前記前方透明板を前記導波管アレーに接着硬化させるステップを備える。
【0052】
前記吸光物質は、カーボンブラックを主成分とすることができる。
【0053】
前記吸光物質は、押出被覆法、スロット型コーティング法、またはスクリーン印刷法によって塗布される。
【0054】
本発明の他の側面によれば、透明基板、前記透明基板上に付着され、水平方向及び/または垂直方向に配列された導波管を有する導波管アレー、前記導波管アレーの上部に付着される前方透明板、前記導波管の間の隙間に充填される、前記導波管と異なる屈折率の充填物質、及び前記充填物質の表面に塗布される吸光物質を含む。
【0055】
隣接する導波管アレーの底面は、互いに接触し、前記導波管の隙間は内側に先端が細くなった空間を形成する。
【0056】
前記充填物質は、前記導波管より小さい屈折率を有する液状の物質を前記隙間に注入し熱硬化させるように構成することができる。
【0057】
前記吸光物質は、前記充填物質の熱硬化による沈下部分に、前記導波管の上面と塗布された吸光物質が一直線をなすように塗布するのが好ましい。
【0058】
前記のような本発明の導波管構造は、導波管が互いに分離され得、細胞型で配置される4側面が全て傾いたテーパ付導波管(米国特許第5,462,700号のFig.12参照)に適用するのに最も適している。
【0059】
勿論、ある場合は、2側面が傾いてライン形態で配置される導波管にも本発明の導波管構造は適用することができる。
【発明の効果】
【0060】
上記したように本発明の光学装置は、同等な光源を使用しても、既存のディスプレイ用光学装置に比べて、改善された光効率を有し、輝度が優れる製品を供することができる。
【0061】
また、本発明によれば、安定した吸光部を有するディスプレイ用光学装置が得られる。
【0062】
更に、本発明は、このような光学装置の製造工程が複雑でなくて、生産性を向上させることができる。
【0063】
酸化鉄のような磁性を有する微細な粒子を吸光粒子として使用する場合は、製造工程が簡略化できる。最終製品をスクリーンとして使用した場合、磁性粒子が電子波を吸収し、他の付随的な効果も期待することができる。
【0064】
本発明によれば、導波管の間の隙間に、好ましくは、導波管より低い屈折率を有する物質を充填し、その表面のみに吸光物質をコーティングすることで、吸光物質によってもたらされ得る光線の損失を最小化することができる。
【0065】
本発明によれば、金型工法により導波管アレーを製造する場合、隣接する導波管の底面が離隔しなくて、連続的に互いに接触する。このようにして、導波管と導波管との間での光損失が最小化でき、光効率を高めることができる。
【0066】
一般的なレンズ型プロジェクションTVのスクリーンの構造は、フレネルレンズとレンズ状レンズから構成されている。一般的にレンズ状レンズは、垂直ライン形態でセル型構造とは異なる。既存のスクリーンは、垂直ラインでオープン領域が構成されていて、上方向から入る外部光がフレネルレンズに当たって反射される。しかしながら、本願発明では、ライン構造でないセル型構造を取ることができるので、入力光の上方向反射現象を減らすことができる。また、既存のライン方式は前面に拡散板を適用して垂直視界角を形成する。本願発明はセル型構造を使用し、それ自体で垂直方向の視界角を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0068】
図5を参照すれば、イメージ光線は、ディスプレイ用光学装置100の導波管120の内部に入射され、導波管120の側壁122で反射される。このときイメージ光線は、その入射角に応じて側壁122上で全反射したり側壁122を通過する。イメージ光線の入射角が臨界角より大きい場合(光線124の場合)は、光線は、導波管120の側壁122で全反射または大部分反射される。イメージ光線の入射角が臨界角以下の場合(光線125の場合)は、イメージ光線は部分的に全反射し、一部は導波管120を透過して吸光部150に吸収されてイメージ光線の反射率がかなり落ちる。光効率の高いディスプレイ用光学装置を得るためには、入射されるイメージ光線が導波管120の傾斜した側壁122で全反射が起こるように設計されなければならない。
【0069】
図6のグラフに示すように、屈折率差が0.6の2つの媒質の場合、入射角が35度以上の場合、光線は大部分全反射される。入射角35度の場合、約15%の反射率である。導波管120の側壁122の傾きと導波管120の周囲の媒質の屈折率、入光面の大きさによって、導波管120の長さが決定される。各パラメータは次式(1)によって支配される。
【0070】
【数1】
【0071】
ここで、Qcは全反射の臨界角、nwは導波管の屈折率、nsは周辺媒質の屈折率wp表わす。
【0072】
例えば、図7では入射面の幅が40㎛、導波管側壁の傾きが4度、導波管の屈折率nwが1.6、周辺媒質の屈折率nsが1.3であり、入射光がH軸に対して0度から10度間の角を有する場合の導波管内での光路を示している。図6に示すように、10度の入射光を有する場合(光線126の場合)、4番目の反射127で入射光線は一部が導波管120を通過する。この場合、光損失を減らすためには、導波管120の長さを、4番目の反射が起こる長さである173㎛に制限する必要がある。
【0073】
図8のディスプレイ用光学装置100は、前述したカーボン−ブラックが導波管120の外側で壁面122に直接的に接触することによる光損失を防止できるように構成されている。導波管120の外壁面、すなわち、吸光部150の内壁面152に第1樹脂層154が形成されている。該第1樹脂層154は、導波管120の間に形成された空間部156に導波管120の内壁よりは相対的に小さい屈折率の樹脂が塗布されて硬化されるようにして形成される。この第1樹脂層154には吸光粒子は含まれていない。第1樹脂層154に使われる樹脂としては、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が適している。
【0074】
図8に示したように、第1樹脂層154の外部に吸光粒子158が粒子ホルダー160を通じて充填されている。この吸光粒子158は、外部光を吸収して光学装置の前面に反射される外部光の反射率を減少させる。この吸光粒子158は、カーボン−ブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子などのような黒味を帯びた微細粒子から形成される。ここで、黒味を帯びたとは、黒色、暗褐色などのような光吸収率の優れる色を意味する。
【0075】
前記吸光粒子158を吸光部150内に保持する吸光粒子ホルダー160は、前記黒味を帯びた吸光粒子158と混合されて、混合された吸光粒子158と共に第1樹脂層154の外側に充填され硬化された第2樹脂層160aから構成される。この第2樹脂層160aの材料としては、例えばグリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0076】
本発明の製造方法を、図9を参照して詳細に説明する。
【0077】
まず、屈折率の大きい樹脂からなる薄板などに楔形(テーパ付)導波管120を形成し、この導波管120の間、すなわち導波管120の周辺に、吸光部150に形成される空間部156を形成する(ステップ51)。通常は導波管120形成の際、空間部156が共に形成される。このステップは従来に知られた技術、例えば先に引用した米国特許に開示された方法によって実施することができる。
【0078】
次に、空間部156の内壁面、すなわち導波管120の外壁面に第1樹脂をコーティングする(ステップ52)。第1樹脂としては、導波管120より屈折率の小さい、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が挙げられる(ステップ52)。それから、塗布された第1樹脂が十分に硬化され(ステップ53)、第1樹脂層154が形成される(ステップ54)。カーボン−ブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた吸光粒子158を第2樹脂と混合する(ステップ55)。混合物を第1樹脂層154の外側の空間部に充填する(ステップ56)。空間部156に充填された第2樹脂を硬化して第2樹脂層160aを形成する(ステップ57)。ここで、第2樹脂により形成される第2樹脂層160aは、黒味を帯びた吸光粒子158を保持する。第2樹脂には第1樹脂と同一な材料を使用できる。
【0079】
場合によっては、黒味を帯びた吸光粒子158のみ(第2樹脂と混合しない)を空間部に充填し、それから粒子158の表面に透明な第3樹脂をハードコーティングして吸光粒子を空間部156内に保持する。第3樹脂は、第1樹脂と同一なものを使用することもできる。
【0080】
すなわち、導波管より屈折率の小さい樹脂を空間部156の内壁面に1次塗布し、硬化後、カーボン−ブラックのような黒味を帯びた吸光粒子158と混合した他の樹脂を空間部156に充填した後、硬化させる。このようにして導波管120の側壁面122は、少なくとも第1樹脂層154の厚みに相当する距離は、吸光粒子158から離間している。
【0081】
図10と図11は、本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【0082】
導波管120の屈折率が大きくなかったり、他の理由により導波管120と導波管の周囲の媒質との屈折率差が小さい場合、導波管120の周囲の空間部156に樹脂を充填しないで屈折率が1の空気状態に置くことができる。この場合、前記実施形態と異なり、球状の黒味を帯びた吸光粒子158(樹脂なし)を空間部156に充填し、透明樹脂を粒子の表面にコーティングしてコーティング層160bを形成する。このようにして、コーティング層160bが粒子固定ホルダー160となり、吸光部150内にある吸光粒子158が安定化され得る。この場合、従来技術は、ブラックフィルムを使用した。
【0083】
ここで、吸光粒子158の大きさは、導波管120の側壁122の傾きと導波管120の間の間隔によって制限される。図10に示すように、吸光粒子158の直径の小さい場合、導波管120の側壁122に接触する回数が、図11に示すように、吸光粒子158の直径の大きい場合より多いので、光損失が増加する。図11に示すように、粒子158が相対的に大きい場合、接触回数が小さいので、光損失は少ないが均一な分布が難しかったり工程上の不良が生じ得る。吸光粒子158は、導波管120の側壁122の傾きなど導波管120の設計によって適切な大きさを有する必要がある。図10に示すように、吸光粒子158の直径を導波管120の底面間の間隔(c)の1/2よりは大きくて、底面間の間隔(c)よりは小さいことが、均一な分布を維持しながらも導波管120の側壁122との接触回数も減らすために好ましい。また、吸光粒子158は接着力を有しないので、構造的安定化のために粒子を3層以上に積層するのが好ましい。更に、吸光粒子158の大きさは均一であるのが好ましい。均一でなければ充填密度と側壁122への接触頻度が増加する。相対的に大きい粒子が相対的に接触回数が少なくなり、光損失の減少により好ましい。
【0084】
図10と図11に示すディスプレイ用光学装置は、大きさの均一なカーボン−ブラック及び酸化鉄粒子のような黒味を帯びた吸光粒子158が空間部156に樹脂なしで充填されている。それから、透明樹脂をその表面にハードコーティングし硬化させて樹脂コーティング層160bを形成する。このようにして、米国特許公開番号第2002/0080484号での導波管の端部の延長線上の領域をブラックフィルムで塞いで、その下部を空いた空間に留める場合に比べて、格段に安定した吸光部150が得られる。
【0085】
図12〜図15は、本発明の他の実施例による光学装置及びディスプレイ装置の製造方法を説明する断面図である。図12〜図15に示すように、第1樹脂152aが導波管120の周りの空の空間部に充填され、硬化される。第1樹脂152aは、カーボン−ブラックのような黒味を帯びた吸光粒子を含まず、導波管120よりは屈折率が小さい。その後、導波管120の光出力面129を含む光学装置の前面部に紫外線を受ければ接着力を喪失する感光性接着剤170を塗布する。それから、微細な黒味を帯びた吸光粒子158aを感光性接着剤170上に付着させる。その後、紫外線を入力面130から光出力面129方向に照射して導波管120の光出力面129のみ選択的に感光性接着剤の接着力を喪失させて、その上に付着した吸光粒子158aを表面洗滌を通じて分離する。このようにして、図14に示すように、本発明の光学装置を得ることができる。吸光粒子158aが脱落した部分には、光入力面から装置の前面へ導波管120を光が通過する粒子脱落部172が形成される。
【0086】
ここで、感光性接着剤は、フィルム形態や液状形態両方とも可能であり、強い接着力を有するが紫外線の照射により接着力を喪失する接着剤または樹脂であればいずれのものであっても可能である。洗滌、乾燥後、表面の安定化と保護のために、透明樹脂層180を更に形成してもよい。
【0087】
ここで、第1樹脂としては、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂が適している。黒味を帯びた吸光粒子の例としては、カーボンブラックや酸化鉄粒子のような黒色の微細粒子が挙げられる。
【0088】
また、感光性接着剤170としては、アクリル系またはイソービニル系光重合性接着剤を使用すればよい。
【0089】
すなわち、図12〜図15を通じて説明した光学装置は、次の手順によって製造される。まず、薄板上に規則的に間隔を置いて配置され入射される光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を形成する。テーパ付導波管の間に導波管120より屈折率の小さい第1樹脂を充填し硬化させる。光出力面129側の表面、すなわち、導波管120の狭い側の表面に、紫外線を受ければ接着力を喪失する感光性接着剤170を塗布する。塗布された感光性接着剤170の表面に、外部光を吸収し反射光量を減少させるための黒味を帯びた吸光粒子158aを接着させる。その後、塗布された感光性接着剤170の反対側から、すなわち、光入力面130から前記導波管120を通って光出力面129に向かって、すなわち、塗布された感光性接着剤170に向かって紫外線を照射する。それから導波管120上にある黒味を帯びた吸光粒子を感光性接着剤170から脱落させる。
【0090】
場合によっては、接着された黒味を帯びた吸光粒子158a上に透明樹脂を塗布し、硬化して透明樹脂層180を形成し、固定した吸光粒子を安定化する。
【0091】
図16及び図17に示すように、酸化鉄のような磁性を有する黒味を帯びた微細な吸光粒子158bを、導波管120より屈折率の低い第1樹脂152aに均一に分散させる。それから分散させた吸光粒子を有する第1樹脂を、空間部156、即ち導波管の周辺領域に充填する。第1樹脂152aが硬化する前に、光学装置100の前面に磁力(M)を与えて第1樹脂152aの表面に微細粒子を浮揚させた状態で硬化させる。このようにして、本発明に係る光学装置が製造される。
【0092】
ここで、第1樹脂152aに適した材料は、先の実施形態と同様に、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂であり得る。
【0093】
すなわち、樹脂からなる薄板に入射される光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管120を形成し、前記導波管120の間に外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部150形成のための空間部156を配置する。導波管120より小さい屈折率を有する液状の第1樹脂152aに磁性を有する黒味を帯びた吸光粒子158bを混合する。混合物を空間部156に充填した後、第1樹脂152aが硬化する前に、第1樹脂152aの表面側から磁力(M)を加えて、吸光粒子が第1樹脂152aの表面付近に浮揚されるようにした状態で硬化して本発明に係る光学装置100を製造する。
【0094】
この実施態様では、カーボン−ブラックの代わりに、酸化鉄のような磁性を有する微細な粒子を使用し、硬化時に適切な磁力を与えればよいので、工程が簡単になる。スクリーンとして使用する場合、磁性粒子は電磁波を吸収するので、他の付加的な効果を期待することができる。
【0095】
図18は、本発明の更なる実施形態によるリアプロジェクション用スクリーンを示すもので、本発明のプロジェクションスクリーンは、数字200で表わす。
【0096】
本発明のプロジェクションスクリーン200は、図18に示したように、透明基板210上に導波管アレー220を配置し、その前面に前方透明板230を付着した層状構造を有している。特に、導波管アレー220は、複数の導波管222が、垂直方向及び/または水平方向に配列されて構成されている。導波管222は、先端を切った円錐形状又は先端を切った多角錐形状を有し得る。この導波管アレー220は、隣り合う導波管222の底面222aが互いに接触することが光利用効率面で好ましい。この場合、隣接する底面222aの接触域は、先端が細く形成される。したがって、隣接する導波管222の底面222aの間に間隔が生じないように、メタリックダイを使用して製造する。本発明のプロジェクションスクリーンを製造する方法を図19乃至図21を参照して後述する。
【0097】
また、導波管222は傾斜した側壁222Bを有する。従って、隣接する導波管の間には倒立三角断面の隙間224が形成される。この隙間224には、一般的に吸光物質が充填されるが、その意図した目的は、投射スクリーン200上へ外部入射光を吸収することである。しかしながら隙間224に充填された吸光物質は、導波管222の側壁222bに接触しているため、導波管222を通過する光も吸収して光効率を落とす逆機能も発生する。このような光損失を防止するために、本発明では、隙間224の表面は吸光物質240で充填され、隙間224の下方の空間には導波管222と屈折率の異なる充填物質250が充填されている。この充填物質250は、導波管222より低い屈折率を有し、液状状態で充填して硬化させる。充填物質250は、吸光物質240より光の吸収性が格段に低いか、でなければ実質的に光吸収性を有しない。吸光物質240は、通常カーボンブラックを主成分として形成される。例えばカーボンブラック、バイシロン(baysilon)−白金触媒及びビニルシリコンを混合して組成される。この吸光物質240は、一般的に黒色を示す。
【0098】
以下図19乃至図21を参照して、本発明方法を詳細に説明する。
【0099】
導波管アレー製造用ダイプレート270に、液状感光性ポリマー物質220aを注入する(ステップS1)。この際、感光性ポリマー物質混合器280から液状で感光性ポリマー物質220aをダイプレート270に注入する。ダイプレート270は、円錐形状の切頭体又は多角錐形状の切頭体を有する複数の空間272が、水平方向及び/または垂直方向に配列されたように形成された板状構造を有する。空間272の形状は、導波管の形状に相応する。ダイプレート270の空間272は、各導波管を鋳造し形成し、空間の間の連結部位は、尖った頂点を形成する。すなわち、鋳造し形成すると、隣接する導波管の底面は、その間に尖鋭な頂点を形成して互いに接触する。
【0100】
ダイプレート270に感光性ポリマー物質220aを注入した後、導波管の底面に相当する感光性ポリマー物質220aの一面に、後方透明基板210を付着させる(ステップS3)。この透明基板210としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)またはMS素材が適している。そして、透明基板210側から紫外線(UV)を照射し、感光性ポリマー物質220aを光重合させ、硬化させる(ステップS5)。感光性ポリマー物質220aが硬化して、導波管222が水平方向及び/または垂直方向に配列された導波管アレー220を形成する。その後、導波管アレー220からダイプレート270を除去する(ステップS7)。導波管アレー220と透明基板210との間には、接着力を強化させるために接着物質を介在させることができる。
【0101】
ダイプレート270除去後、導波管アレー220とそれに付着された透明基板210をひっくり返す(ステップS9)。次に、導波管アレー220の導波管222の間に形成された隙間224に導波管と屈折率の異なる充填物質250を充填する(ステップS11)。好ましくは、導波管より屈折率の低い充填物質250を液状で充填する。次に、充填物質250の熱硬化及び乾燥工程を遂行する(ステップS13)。すると、充填物質250は熱硬化しながら収縮して、充填物質250の表面が凹状に沈下する。この凹入した形状は、通常略半月形をなす。このように硬化した充填物質250の凹入面に、吸光物質240を塗布する(ステップS15)。吸光物質は、押出被覆法、スロット型コーティング、またはスクリーン印刷法によって塗布することができる。この中で、押出被覆法を使用する場合は、導波管の表面に吸光物質が付くことを防止するため、吸取紙が使われる。
【0102】
吸光物質240をコーティングした後、吸光物質240が位置した導波管アレイ220の前方の表面に前方透明板230を付着する(ステップS17)。この前方透明板230は、導波管222を保護する機能の他に拡散板の機能を与えることができる。前方透明板230を付着した後、再び紫外線を照射し、最終的に接着硬化させて、本発明の投射スクリーン200を得る(ステップS19)。前方透明板230と導波管アレイ220との間には、接着力を高めるための接着物質を介在させることができる。
【0103】
このように製造された投射スクリーン200は、図1の構造を有する。特に、吸光物質240が導波管アレー220の表面側のみに存在しているので、外部光は吸収するが、導波管の内部光の吸収は排除して内部光線の光損失を最小化する。
【0104】
本発明を種々の好ましい実施形態で記載したが、記載は本発明の説明であり、本発明の制限と解釈すべきではない。添付特許請求の範囲で定義された本発明の範囲及び精神から外れない範囲内で、多様な変化と変更が当業者には可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
上記したように、本発明の光学装置は、プロジェクションTV、モニタ用ディスプレイ、特に後面投射TV用スクリーン、後面投射式システム用スクリーンに適用することができる。TFT−LCD、PDP
TV、または、CRTモニタのスクリーンなど、ディスプレイ用装置やシステムの光部品に適用することができ、その他、広告看板や照明用のディスプレイにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】従来のディスプレイ用光学装置のスクリーンの拡大図である。
【図2】従来のディスプレイ用光学装置の拡大断面図である。
【図3】テーパ付導波管を用いた光学装置の断面図である。
【図4】吸光部にカーボン−ブラック粒子を充填した部分拡大図である。
【図5】導波管内に入射されたイメージ光線の経路を示す概略図である。
【図6】2つの媒質間の屈折率差が0.6の場合の入射角と反射率の関係を示すグラフである。
【図7】導波管内に入射されたイメージ光の経路を入力角に応じて示す図である。
【図8】本発明の実施形態による光学装置における導波管とその周辺の吸光部を示す断面図である。
【図9】本発明による光学装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図16】更に本発明の他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図17】更に本発明の他の実施形態の光学装置とその製造方法を説明するための断面図である。
【図18】更に本発明の実施形態のリアプロジェクション用スクリーンの説明図である。
【図19】本発明光学装置の製造方法を説明する概略図である。
【図20】本発明光学装置の製造方法を説明する概略図である。
【図21】本発明光学装置の製造方法を説明する概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を有し、該導波管は導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置であって、
前記吸光部は、
(a)前記空間部の内壁面に沿って塗布され硬化されて、前記導波管の側壁とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管の側壁よりは相対的に小さい屈折率の樹脂からなり、黒味を帯びた吸光粒子が含まれていない第1樹脂層と;
(b)前記第1樹脂層の外部の前記空間部に詰められて外部光を吸収する黒味を帯びた吸光粒子と;
(c)前記吸光粒子を固定するための吸光粒子ホルダーと、
を含んで構成されたことを特徴とするディスプレイ用光学装置。
【請求項2】
前記吸光粒子ホルダーは、前記黒味を帯びた吸光粒子と混合され、前記第1樹脂層の内部に充填され硬化された第2樹脂層を含み、前記導波管はセル型導波管を含む請求項1記載の光学装置。
【請求項3】
前記吸光粒子ホルダーは、前記吸光粒子が詰められた前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされ硬化されたようにして形成されたコーティング層を含む請求項1記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1樹脂層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成される請求項1記載の光学装置。
【請求項5】
前記第2樹脂層及び前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成される請求項2記載の光学装置。
【請求項6】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子を含む請求項1記載の光学装置。
【請求項7】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部のための空間部を形成することによる、導波管を有するディスプレイ用光学装置の製造方法であって、該製造方法は、
(a)前記空間部の内壁面に前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より屈折率の小さい第1樹脂を塗布する第1樹脂塗布ステップと;
(b)前記塗布された第1樹脂を硬化させて、前記空間部の内壁に第1樹脂層を形成する第1樹脂硬化ステップと;
(c)前記第1樹脂層の外部の空間部に黒味を帯びた吸光粒子を充填する吸光粒子充填ステップと;
(d)前記充填された吸光粒子を前記空間部の内部に固定する吸光粒子固定ステップと、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を第2樹脂と混合して混合物を充填するステップを含み、前記吸光粒子固定ステップは、前記空間部の内部に充填された前記第2樹脂を硬化させる請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を樹脂と混合することなしに前記空間部に充填するステップを含み、前記吸光粒子固定ステップは、前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂をコーティングして硬化させる工程を含む請求項7記載の製造方法。
【請求項10】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を有し、該導波管は、導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置であって、
前記吸光部は、
(a)前記空間部に充填されて外部光を吸収し反射量を減少させる黒味を帯びた吸光粒子と;
(b)前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされて硬化されたようにして形成されたコーティング層を含み、
(c)前記黒味を帯びた吸光粒子の直径は、前記導波管の広い面の間の間隔の1/2よりは大きくて、前記導波管の広い面の間の間隔よりは小さく、3層以上の多層で積層されていることを特徴とするディスプレイ用光学装置。
【請求項11】
前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成される請求項10記載の光学装置。
【請求項12】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、または黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子を含み、
前記吸光粒子は、樹脂なしで前記空間部に充填されている請求項10記載の光学装置。
【請求項13】
前記吸光粒子の大きさは均一である請求項10記載の光学装置。
【請求項14】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を有し、該導波管は、導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置であって、
前記吸光部は、
(a)前記空間部に充填されて硬化され、前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する第1樹脂と;
(b)磁力により前記第1樹脂の表面付近に引かれて整列され、その位置で前記第1樹脂の硬化により固定された黒味を帯びた吸光粒子と、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学装置。
【請求項15】
前記吸光粒子は、磁性を有する酸化鉄のような微細粒子である請求項14記載の光学装置。
【請求項16】
前記第1樹脂は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂を含む請求項14記載の光学装置。
【請求項17】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部のための空間部を形成する導波管を有するディスプレイ用光学装置の製造方法であって、該製造方法は、
(a)前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する液状の第1樹脂に磁性を有する黒味を帯びた吸光粒子を混合するステップと;
(b)前記吸光粒子が混合された第1樹脂を前記空間部に充填するステップと;
(c)前記空間部に充填された第1樹脂に磁力を加えて前記吸光粒子を前記第1樹脂の表面付近に浮揚させるステップと;
(d)前記空間部に充填された前記第1樹脂を硬化させるステップと、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学装置の製造方法。
【請求項18】
前記吸光粒子を混合するステップは、酸化鉄粒子を第1樹脂と混合するステップを含む請求項4記載の製造方法。
【請求項19】
(a)導波管の形状に相応する空間が水平方向及び/または垂直方向に配列されたダイプレートに感光性ポリマー物質を液状で注入する第1ステップと;
(b)前記感光性ポリマー物質の導波管の底面に該当する一面に透明基板を付着する第2ステップと;
(c)前記感光性ポリマー物質に紫外線を照射し、光重合反応により硬化させて導波管アレーを形成する第3ステップと;
(d)前記ダイプレートを前記導波管アレーから除去する第4ステップと;
(e)前記導波管アレーの導波管と導波管の間の第2の隙間に前記導波管と異なる屈折率の物質を充填し硬化させる第5ステップと、
(f)前記充填物質の表面に吸光物質を塗布し、前方透明板を付着する第6ステップと、
を含むことを特徴とする吸光物質が表面のみにコーティングされたディスプレイ用光学装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1ステップにおいて、前記第1空間は、先端を切った円錐形又は先端を切った多角錐形である請求項19記載の製造方法。
【請求項21】
前記第2ステップにおいて、前記透明基板は、PMMAまたはMS素材から製造される請求項19記載の製造方法。
【請求項22】
前記第5ステップにおいて、前記導波管の間に形成された第2の隙間に前記充填物質を充填する前に、前記導波管アレーをひっくり返すステップを備える請求項19記載の製造方法。
【請求項23】
前記第5ステップは、前記導波管の間の第2の隙間に前記充填物質を液状で充填するステップと、充填物質を熱硬化及び乾燥するステップとを備え、前記熱硬化及び乾燥により前記充填物質が収縮され、その表面が凹状に沈下する請求項22記載の製造方法。
【請求項24】
前記第6ステップは、前記充填物質の凹状の沈下部分に前記吸光物質を塗布するステップと;
前記吸光物質が塗布された前記導波管アレーの表面に前方透明板を付着するステップと;
紫外線を照射して前記前方透明板を前記導波管アレーに接着硬化させるステップと;
を備える請求項23記載の製造方法。
【請求項25】
前記吸光物質は、主成分としてカーボンブラックを含有する請求項24記載の製造方法。
【請求項26】
前記吸光物質は、押出被覆法、スロット型コーティングまたはスクリーン印刷法によって塗布される請求項24記載の製造方法。
【請求項27】
(a)透明基板と;
(b)前記透明基板上に付着され、水平方向及び/または垂直方向に配列された導波管を有する導波管アレーと;
(c)前記導波管アレーの上部に付着される前方透明板と;
(d)前記導波管の間の隙間に充填される、前記導波管と異なる屈折率の充填物質と;
(e)前記充填物質の表面に塗布される吸光物質と、
を含むことを特徴とする吸光物質が表面のみにコーティングされたディスプレイ用光学装置。
【請求項28】
前記隣接する導波管底面は、互いに接触し、前記導波管の間の隙間は内側に先端が細くなった空間を形成する請求項27記載の光学装置。
【請求項29】
前記充填物質は、前記導波管より小さい屈折率を有する液状物質を前記隙間に注入し熱硬化させて構成される請求項27記載の光学装置。
【請求項30】
前記吸光物質は、前記充填物質の熱硬化による沈下部分に前記導波管の上面と塗布された吸光物質が一直線をなすように塗布される請求項29記載の光学装置。
【請求項1】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を有し、該導波管は導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置であって、
前記吸光部は、
(a)前記空間部の内壁面に沿って塗布され硬化されて、前記導波管の側壁とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管の側壁よりは相対的に小さい屈折率の樹脂からなり、黒味を帯びた吸光粒子が含まれていない第1樹脂層と;
(b)前記第1樹脂層の外部の前記空間部に詰められて外部光を吸収する黒味を帯びた吸光粒子と;
(c)前記吸光粒子を固定するための吸光粒子ホルダーと、
を含んで構成されたことを特徴とするディスプレイ用光学装置。
【請求項2】
前記吸光粒子ホルダーは、前記黒味を帯びた吸光粒子と混合され、前記第1樹脂層の内部に充填され硬化された第2樹脂層を含み、前記導波管はセル型導波管を含む請求項1記載の光学装置。
【請求項3】
前記吸光粒子ホルダーは、前記吸光粒子が詰められた前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされ硬化されたようにして形成されたコーティング層を含む請求項1記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1樹脂層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成される請求項1記載の光学装置。
【請求項5】
前記第2樹脂層及び前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成される請求項2記載の光学装置。
【請求項6】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子を含む請求項1記載の光学装置。
【請求項7】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部のための空間部を形成することによる、導波管を有するディスプレイ用光学装置の製造方法であって、該製造方法は、
(a)前記空間部の内壁面に前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より屈折率の小さい第1樹脂を塗布する第1樹脂塗布ステップと;
(b)前記塗布された第1樹脂を硬化させて、前記空間部の内壁に第1樹脂層を形成する第1樹脂硬化ステップと;
(c)前記第1樹脂層の外部の空間部に黒味を帯びた吸光粒子を充填する吸光粒子充填ステップと;
(d)前記充填された吸光粒子を前記空間部の内部に固定する吸光粒子固定ステップと、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学装置の製造方法。
【請求項8】
前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を第2樹脂と混合して混合物を充填するステップを含み、前記吸光粒子固定ステップは、前記空間部の内部に充填された前記第2樹脂を硬化させる請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
前記吸光粒子充填ステップは、前記吸光粒子を樹脂と混合することなしに前記空間部に充填するステップを含み、前記吸光粒子固定ステップは、前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂をコーティングして硬化させる工程を含む請求項7記載の製造方法。
【請求項10】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を有し、該導波管は、導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置であって、
前記吸光部は、
(a)前記空間部に充填されて外部光を吸収し反射量を減少させる黒味を帯びた吸光粒子と;
(b)前記吸光粒子が充填された前記空間部の開口に透明樹脂がコーティングされて硬化されたようにして形成されたコーティング層を含み、
(c)前記黒味を帯びた吸光粒子の直径は、前記導波管の広い面の間の間隔の1/2よりは大きくて、前記導波管の広い面の間の間隔よりは小さく、3層以上の多層で積層されていることを特徴とするディスプレイ用光学装置。
【請求項11】
前記コーティング層は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂から形成される請求項10記載の光学装置。
【請求項12】
前記黒味を帯びた吸光粒子は、カーボンブラック、酸化鉄粒子、または黒色球状樹脂粒子のような黒味を帯びた微細粒子を含み、
前記吸光粒子は、樹脂なしで前記空間部に充填されている請求項10記載の光学装置。
【請求項13】
前記吸光粒子の大きさは均一である請求項10記載の光学装置。
【請求項14】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するテーパ付導波管を有し、該導波管は、導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部を形成するための空間部を備えるディスプレイ用光学装置であって、
前記吸光部は、
(a)前記空間部に充填されて硬化され、前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する第1樹脂と;
(b)磁力により前記第1樹脂の表面付近に引かれて整列され、その位置で前記第1樹脂の硬化により固定された黒味を帯びた吸光粒子と、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学装置。
【請求項15】
前記吸光粒子は、磁性を有する酸化鉄のような微細粒子である請求項14記載の光学装置。
【請求項16】
前記第1樹脂は、グリシジルメタクリレート、ビニルシリコンなどのような熱硬化性樹脂を含む請求項14記載の光学装置。
【請求項17】
間隔を置いて配置され入射光を反射して拡散させるための傾斜面を有するように薄板にテーパ付導波管を形成し、前記導波管の間に配置され外部光を吸収し反射量を減少させるための吸光部のための空間部を形成する導波管を有するディスプレイ用光学装置の製造方法であって、該製造方法は、
(a)前記導波管とは屈折率の異なる、好ましくは、前記導波管より小さい屈折率を有する液状の第1樹脂に磁性を有する黒味を帯びた吸光粒子を混合するステップと;
(b)前記吸光粒子が混合された第1樹脂を前記空間部に充填するステップと;
(c)前記空間部に充填された第1樹脂に磁力を加えて前記吸光粒子を前記第1樹脂の表面付近に浮揚させるステップと;
(d)前記空間部に充填された前記第1樹脂を硬化させるステップと、
を含むことを特徴とするディスプレイ用光学装置の製造方法。
【請求項18】
前記吸光粒子を混合するステップは、酸化鉄粒子を第1樹脂と混合するステップを含む請求項4記載の製造方法。
【請求項19】
(a)導波管の形状に相応する空間が水平方向及び/または垂直方向に配列されたダイプレートに感光性ポリマー物質を液状で注入する第1ステップと;
(b)前記感光性ポリマー物質の導波管の底面に該当する一面に透明基板を付着する第2ステップと;
(c)前記感光性ポリマー物質に紫外線を照射し、光重合反応により硬化させて導波管アレーを形成する第3ステップと;
(d)前記ダイプレートを前記導波管アレーから除去する第4ステップと;
(e)前記導波管アレーの導波管と導波管の間の第2の隙間に前記導波管と異なる屈折率の物質を充填し硬化させる第5ステップと、
(f)前記充填物質の表面に吸光物質を塗布し、前方透明板を付着する第6ステップと、
を含むことを特徴とする吸光物質が表面のみにコーティングされたディスプレイ用光学装置の製造方法。
【請求項20】
前記第1ステップにおいて、前記第1空間は、先端を切った円錐形又は先端を切った多角錐形である請求項19記載の製造方法。
【請求項21】
前記第2ステップにおいて、前記透明基板は、PMMAまたはMS素材から製造される請求項19記載の製造方法。
【請求項22】
前記第5ステップにおいて、前記導波管の間に形成された第2の隙間に前記充填物質を充填する前に、前記導波管アレーをひっくり返すステップを備える請求項19記載の製造方法。
【請求項23】
前記第5ステップは、前記導波管の間の第2の隙間に前記充填物質を液状で充填するステップと、充填物質を熱硬化及び乾燥するステップとを備え、前記熱硬化及び乾燥により前記充填物質が収縮され、その表面が凹状に沈下する請求項22記載の製造方法。
【請求項24】
前記第6ステップは、前記充填物質の凹状の沈下部分に前記吸光物質を塗布するステップと;
前記吸光物質が塗布された前記導波管アレーの表面に前方透明板を付着するステップと;
紫外線を照射して前記前方透明板を前記導波管アレーに接着硬化させるステップと;
を備える請求項23記載の製造方法。
【請求項25】
前記吸光物質は、主成分としてカーボンブラックを含有する請求項24記載の製造方法。
【請求項26】
前記吸光物質は、押出被覆法、スロット型コーティングまたはスクリーン印刷法によって塗布される請求項24記載の製造方法。
【請求項27】
(a)透明基板と;
(b)前記透明基板上に付着され、水平方向及び/または垂直方向に配列された導波管を有する導波管アレーと;
(c)前記導波管アレーの上部に付着される前方透明板と;
(d)前記導波管の間の隙間に充填される、前記導波管と異なる屈折率の充填物質と;
(e)前記充填物質の表面に塗布される吸光物質と、
を含むことを特徴とする吸光物質が表面のみにコーティングされたディスプレイ用光学装置。
【請求項28】
前記隣接する導波管底面は、互いに接触し、前記導波管の間の隙間は内側に先端が細くなった空間を形成する請求項27記載の光学装置。
【請求項29】
前記充填物質は、前記導波管より小さい屈折率を有する液状物質を前記隙間に注入し熱硬化させて構成される請求項27記載の光学装置。
【請求項30】
前記吸光物質は、前記充填物質の熱硬化による沈下部分に前記導波管の上面と塗布された吸光物質が一直線をなすように塗布される請求項29記載の光学装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2008−501128(P2008−501128A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513053(P2007−513053)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000420
【国際公開番号】WO2005/116740
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506377101)セコニックス カンパニー リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000420
【国際公開番号】WO2005/116740
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506377101)セコニックス カンパニー リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]