テーブルタップ
【課題】 必要のないACラインを切断し、電源装置の消費電力を軽減する。
【解決手段】 商用電源からのAC出力が可能なACコンセント3,3a,3b,3c、それらにACプラグが接続されるACアダプタのDC出力プラグを接続するDC入力ジャック5,5a,5b,5c、機器のDC入力プラグを、DC入力ジャック5,5a,5b,5c経由でACアダプタからのDC出力を可能に接続するDC出力用ジャック8,8a,8b,8cを備え、DC入力ジャック5,5a,5b,5cからDC出力ジャック8,8a,8b,8cへ流れるDC電流を電流検出部6,6a,6b,6cで個別に検出し、その各検出結果より、DC出力制御部7がDC出力ジャック8,8a,8b,8cに出力するDC電力を制御し、リレー制御回路部4がリレー回路9a,9b,9cでAC出力コンセント3a,3b,3cへのAC供給と遮断を制御する。
【解決手段】 商用電源からのAC出力が可能なACコンセント3,3a,3b,3c、それらにACプラグが接続されるACアダプタのDC出力プラグを接続するDC入力ジャック5,5a,5b,5c、機器のDC入力プラグを、DC入力ジャック5,5a,5b,5c経由でACアダプタからのDC出力を可能に接続するDC出力用ジャック8,8a,8b,8cを備え、DC入力ジャック5,5a,5b,5cからDC出力ジャック8,8a,8b,8cへ流れるDC電流を電流検出部6,6a,6b,6cで個別に検出し、その各検出結果より、DC出力制御部7がDC出力ジャック8,8a,8b,8cに出力するDC電力を制御し、リレー制御回路部4がリレー回路9a,9b,9cでAC出力コンセント3a,3b,3cへのAC供給と遮断を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、MFP(デジタル複合機)やデジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置など、各種電子機器に電力を供給するテーブルタップに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MFP(デジタル複合機)と連携して画像データ等を扱うIT−BOX(MFPコントロール装置)は、単体では時間のかかるデータ処理を、ネットワークで接続した複数台のIT−BOXで分散処理することが可能である。
このIT−BOXは、専用の表示装置や操作部は持たず、ネットワークを介してMFPの表示部と操作部をユーザインタフェースとして利用することから、MFPの背面や脇に設置されるのが一般的で、通常はMFPと連動して電源がオン(ON)/オフ(OFF)にされる。
【0003】
IT−BOXは、MFPとは別に自身のACアダプタ(AC/DC電源ユニット)を持ち、商用電源のACコンセント(AC電力出力端)から給電されるため、複数台設置する場合には、テーブルタップ等を利用することになる。省エネの観点からすれば、先述のとおり主装置であるMFPの電源オフと連動して周辺装置であるIT−BOXの電源もオフにさせるだけでなく、AC/DC電源ユニットへの供給自体を遮断することで、電源オフ時にAC/DC電源ユニットで無駄に消費されていた電力を削減するのが理想的である。
テーブルタップにおいて、主装置の電源と連動させて周辺装置への電力供給を遮断する方法は既に知られている。
【0004】
しかし、このような従来の主装置電源連動型のテーブルタップでは、周辺装置側の電力を完全に遮断してしまうため、例えばメールやFAXの受信待ちに備えて全ての電源は切ることができないが、CPUやハードディスク装置等の主要な電源を全てオフにして必要最低限の電力に抑える省エネモードや、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置で一般的なサスペンド状態などといった、待機状態(待機モード)に移行する電子機器には利用できず、特に待機状態となっている電子機器のACアダプタが複数あるようなシステムでは、待機時の僅かなDC消費電力のために、いくつものACアダプタが動作していることになり、AC/DC電力変換に要する無駄な電力損失が発生しているという問題があった。
【0005】
そこで、このような課題を解消するため、例えば特許文献1に見られる技術を利用することが考えられる。
特許文献1には、複数の外部機器のオン/オフ動作を連動して制御する目的で、直流電圧出力手段から出力される電流値に基づいて、交流電圧出力手段からの出力を制御することにより、利用者がそれぞれの電源状態を管理する手間をなくすことができるACアダプタの構成について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものでも、上述したような待機状態になる必要のある電子機器を接続できず、待機時のAC消費を抑えるという問題は解消できていない。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、それぞれDC電力出力端(DC出力用プラグ)から同じDC電圧を出力する複数の電源装置のAC電力入力端(AC入力用プラグ)を接続できるテーブルタップにおいて、必要のないACラインを切断し、電源装置で無駄に消費されていた電力を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換する複数の電源装置に交流電力を供給できるテーブルタップであって、上記の目的を達成するため、商用電源に交流電力を入力可能に接続するための交流入力接続手段と、上記複数の各電源装置の交流電力入力端を、上記交流入力接続手段を介して供給される交流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の交流出力接続手段と、その各交流出力接続手段にそれぞれ交流電力入力端が接続される上記複数の各電源装置の直流電力出力端を接続可能な複数の直流入力接続手段と、直流電力によって動作する複数の電子機器の各直流電力入力端を、上記複数の各直流入力接続手段を介して上記複数の各電源装置から供給される直流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の直流出力接続手段と、上記複数の各直流入力接続手段から上記複数の各直流出力接続手段へそれぞれ流れる直流電流を個別に検出する複数の電流検出手段と、その各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、上記複数の各直流出力接続手段にそれぞれ出力する直流電力を制御する直流出力制御手段と、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、上記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御する交流出力制御手段とを設けたものである。
【0008】
なお、上記複数の各直流入力接続手段への上記電源装置の上記直流電力入力端の接続の有無を検出する複数の接続有無検出手段を設け、上記交流出力制御手段が、上記複数の各接続有無検出手段の検出結果によっても上記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御するとよい。例えば、上記複数の各接続有無検出手段によって電源装置の直流電力入力端の接続なしが検出された場合に、その電源装置の交流電力入力端が接続可能な交流出力接続手段に交流電力を供給可能に制御することが望ましい。
【0009】
また、上記複数の各直流入力接続手段からそれぞれ入力される直流電圧を検出する複数の電圧検出手段を設け、上記交流出力制御手段が、上記複数の電圧検出手段によって検出された直流電圧が予め設定された電圧レベルとは異なる異常電圧であった場合に、その異常電圧が入力された電源装置が接続されている交流出力接続手段への交流電力を遮断するとよい。
さらに、上記交流入力接続手段と上記複数の交流出力接続手段のいずれか1つとを直結するとよい。
【0010】
さらにまた、上記のように複数の電圧検出手段を設ける場合、その複数の電圧検出手段の隣接する各電圧検出手段間にそれぞれ、複数の操作手段を備え、上記交流出力制御手段が、上記複数の各操作手段の操作を上記複数の各電圧検出手段を介して判別し、その判別の結果に基づいて、上記複数の交流出力接続手段の隣接する各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を必要に応じて同期させてもよい。
【0011】
また、上記複数の各直流入力接続手段から上記複数の各直流出力接続手段へのそれぞれの直流出力ラインに上記直流出力制御手段をそれぞれ備えるとよい。
この場合、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した場合に、動作中の電子機器の直流電力入力端が接続されている直流出力接続手段の直流ラインを判別する直流ライン判別手段と、上記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を記憶する記憶手段とを設け、上記交流出力制御手段に、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した直後に、上記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力を供給可能に制御する手段と、その制御の直前に上記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を上記記憶手段に記憶させる手段と、上記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力が供給可能に制御された後、上記直流ライン判別手段によって判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段と、その制御後、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値の全てが上記第1の所定値より小さい第2の所定値以下になる待機モードに移行する直前に、上記複数の各電流検出手段の状態を上記記憶手段に記憶されている情報が示す状態と比較し、両状態が一致する場合にのみ、上記判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段とは異なる交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段とを備えるとよい。
【0012】
さらに、上述したテーブルタップに、上記複数の交流出力接続手段に接続される上記電源装置を収納するスペースを設けるとよい。
また、上記交流入力接続手段から上記複数の交流出力接続手段への全ての交流電力を遮断するためのスイッチ手段を設けるとよい。
【0013】
この発明によるテーブルタップでは、商用電源に交流電力を入力可能に接続するための交流入力接続手段と、上記複数の各電源装置の交流電力入力端を、上記交流入力接続手段を介して供給される交流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の交流出力接続手段と、その各交流出力接続手段にそれぞれ交流電力入力端が接続される上記複数の各電源装置の直流電力出力端を接続可能な複数の直流入力接続手段と、直流電力によって動作する複数の電子機器の各直流電力入力端を、上記複数の各直流入力接続手段を介して上記複数の各電源装置から供給される直流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の直流出力接続手段とを備え、上記複数の各直流入力接続手段から上記複数の各直流出力接続手段へそれぞれ流れる直流電流を個別に検出し、その各直流電流の値に基づいて、上記複数の各直流出力接続手段にそれぞれ出力する直流電力を制御すると共に、上記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御する。例えば、1つの交流出力接続手段への交流電力の供給は常時可能にすれば、直流電力入力端が直流出力接続手段に接続されている電子機器が動作したとき、その直流出力接続手段へ流れる電流を検出して、上記複数の各交流出力接続手段に交流電力を供給可能にすると共に、上記複数の各直流出力接続手段に直流電力を出力可能にした後、動作している電子機器が接続されている直流出力接続手段に対応する交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能にする(必要のない交流ラインを切断する)。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、テーブルタップが、必要のない交流ライン(ACライン)を切断して、電源装置で無駄に消費されていた電力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1実施形態であるテーブルタップを使用した情報処理システムの代表的な接続例を示す図である。
【図2】図1のテーブルタップ100の回路構成例を示す回路図である。
【図3】図2に示した回路のAC供給オン時の動作例を示すフロー図である。
【図4】同じくAC供給オフ時の動作例を示すフロー図である。
【図5】この発明の第2実施形態であるテーブルタップを使用した情報処理システムの代表的な接続例を示す図である。
【図6】図5のテーブルタップ100′の回路構成例を示す回路図である。
【0016】
【図7】図6のリレー制御回路部4によるDCジャック検出および連動スイッチによるAC供給処理の一例を示すフロー図である。
【図8】図5のテーブルタップ100′の他の回路構成例を示す回路図である。
【図9】図8のDC出力制御部7′を含むDC電力供給制御回路部の構成例を機能的に示すブロック図である。
【図10】図8のリレー制御回路部4′の構成例を機能的に示すブロック図である。
【図11】図5のテーブルタップ100′の外観例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
以下の実施形態では、主装置(電子機器)の電源状態に連動させて電力供給を制御するテーブルタップにおいて、以下の特徴を有する。つまり、主装置のオフ/オン状態に連動して、待機状態(待機モード)になる電子機器が複数ある場合に、それらのACアダプタのDC出力側の制御を行い、待機状態になっている電子機器へDC電力を供給することにより、供給元となるACアダプタ1台を残してAC電力の供給を切り離すことを特徴としている。なお、「AC」とは「交流」を、「DC」とは「直流」をそれぞれ指す。
そこで、その特徴について、図1〜図11を参照して具体的に説明する。
【0018】
〔第1実施形態〕
まず、この発明の第1実施形態について説明する。
そしてまず、この第1実施形態であるテーブルタップを使用した情報処理システムの代表的な接続例について、図1を参照して説明する。
図1は、その情報処理システムの代表的な接続例を示す図である。
この実施形態のテーブルタップ100では、タップ本体1のAC入力接続手段であるAC入力用プラグ(以下「ACコンセントプラグ」又は「ACプラグ」ともいう)2が商用電源に接続されると、AC出力接続手段であるAC出力用コンセント(以下単に「出力コンセント」又は「ACコンセント」ともいう)3,3a,3b,3cへ電力を分配する。
【0019】
各MFPコントロール装置(IT−BOX)200,300,400,500の電源装置であるACアダプタ201,301,401,501は、DC電力によって動作する電子機器であり、それぞれAC電力入力端であるACプラグ201a,301a,401a,501aがタップ本体1の出力コンセント3,3a,3b,3cに接続される。図1の例では、出力コンセントの数は4つであるが、MFPコントロール装置(以下単に「コントロール装置」ともいう)のAC消費電流の総和と商用電源のACコンセントプラグの許容電流値によって最大数が制限されることになるため、これに限定されるものではない。
【0020】
タップ本体1には、更に各ACアダプタ201,301,401,501のDC電力出力端であるDC出力用プラグ(以下「DCプラグ」ともいう)201b,301b,401b,501bをそれぞれ接続可能なDC入力接続手段であるDC入力用ジャック(以下単に「入力ジャック」又は「DCジャック」ともいう)5,5a,5b,5cと、各MFPコントロール装置200,300,400,500へのDC出力用ケーブル(以下単に「DCケーブル」ともいう)601,602,603,604のDC電力入力端であるDC入力用プラグ601a,602a,603a,604aをそれぞれ接続するためのDC出力接続手段であるDC出力用ジャック(以下単に「出力ジャック」ともいう)8,8a,8b,8cとを備えている。よって、タップ本体1内に一旦DC電源を取り込み、DC出力制御が可能となる。なお、図1の例では、一番下のMFPコントロール装置500およびACアダプタ501は、タップ本体1に接続する前の状態を示している。
【0021】
各コントロール装置200,300,400,500は、MFP本体700やPC,サーバ等の情報処理装置801〜803と、LANハブ(以下単に「ハブ」ともいう)610を介してLAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブル621〜628によって接続されている。なお、それらのLANケーブルの代わりに、他のネットワークケーブルを使用することも可能である。
各コントロール装置200,300,400,500は、それぞれMFP本体700からジョブデータを受けると、そのデータに対して加工処理をした後、MFP本体700へ戻して印刷や蓄積を行わせたり、ファイルデータに変換して情報処理装置801〜803へ選択的に転送する。また、MFP本体700の電源の状態をLANケーブル621,622,623,624,625経由で取得する処理等を行うことにより、MFP本体700の動作状態を起動状態(起動モード)や待機状態(待機モード)にコントロールする。
【0022】
次に、図1に示したテーブルタップ100の回路構成について、図2を参照して説明する。
図2は、そのテーブルタップ100の回路構成例を示す回路図である。
このテーブルタップ100では、ACプラグ2が商用電源に接続されると、その商用電源からタップ本体1がAC電力の供給を受ける。
AC出力用コンセント3は、ACプラグ2と直結されている。よって、このAC出力用コンセント3へのAC電力の供給(以下「AC供給」ともいう)は遮断されることがない。このAC出力用コンセント3には、MFPコントロール装置200のACアダプタ201のACコンセントプラグ201aが接続される。
【0023】
DC入力用ジャック5は、出力コンセント3に接続されたACアダプタ201のDC出力ケーブル先端のDCプラグ201bが接続される入力ジャックである。ここに接続されたACアダプタ201のDC電源は常に供給されるので、これを各制御回路の駆動電源として使用することが可能になる。
出力コンセント3a,3b,3cは、それぞれリレー回路9a,9b,9cによって出力制御可能となっている。
【0024】
DC入力用ジャック5a,5b,5cは、それぞれ出力コンセント3a,3b,3cに接続されたACアダプタ301,401,501のDC出力ケーブル先端のDCプラグ301b,401b,501bを接続するための入力ジャックである。
電流検出部6,6a,6b,6cは、電流検出手段であり、それぞれACアダプタ201,301,401,501の消費電流、つまり各DC入力用ジャック5,5a,5b,5cから各DC出力用ジャック8,8a,8b,8cへそれぞれ流れるDC電流を個別に検出(計測)する回路である。例えば、配線上に直列に電流検出用の抵抗が挿入されており、その両端の電圧差から電流値に変換し、基準電位と比較して、その比較結果を示す検出信号K、K−a,K−b,K−cを生成する。
【0025】
DC出力用ジャック8,8a,8b,8cは、それぞれDC入力用ジャック5,5a,5b,5cに接続されたACアダプタ201,301,401,501のDC出力電源を外部機器(図1の各MFPコントロール装置200,300,400,500)に供給するための出力ジャックである。
DC出力制御部7は、DC出力制御手段であり、電流検出部6,6a,6b,6cによってそれぞれ検出されるDC電流の値に基づいて、各DC出力用ジャック8,8a,8b,8cにそれぞれ出力するDC電力を制御する。つまり、ACコンセント3a,3b,3cへのAC電力が遮断されていても、ACコンセント3へAC電力が供給されていれば、電流検出部6によって起動モード時のDC電流を検出できるため、DCジャック5からの入力電源をDC出力用ジャック8a,8b,8cに供給可能に制御する。図2には、その機能を示す例として、MOSFET(以下単に「FET」ともいう)71と複数のダイオード72〜74による接続としている。なお、MOSFET71の代わりに、他のFETを使用することもできる。
【0026】
リレー制御回路部4は、AC出力制御手段であり、3個のAND回路を用い、電流検出部6,6a,6b,6cによってそれぞれ検出されるDC電流の値に基づいて、ACコンセント3a,3b,3cへのAC電力の供給と遮断を制御する。つまり、電流検出部6,6a,6b,6cからの検出信号(電流検出情報)に基づいて、リレー回路9a,9b,9cの接点91a,91b,91cを導通させる(閉じる)かどうかを制御する。図2には、電流検出部6cから出力される検出信号Kと電流検出部6a,6b,6cから出力される検出信号K−a,K−b,K−cそれぞれとのアンドをとっているが、機能としては、リレー回路9a,9b,9cを動作させるためのドライブ回路(駆動回路)が含まれている。その駆動回路中にフォトカプラを使用してACとDCとを絶縁したり、ノイズからの保護回路なども製品設計としては必要となるが、このような回路動作を安定させるための回路の説明は省略する。
【0027】
なお、上述のリレー制御回路部4の制御信号や電流検出部6,6a,6b,6cからの検出信号(制御信号)の生成は、CPU,ROM,RAM等からなるマイコン(マイクロコンピュータ)による生成に置き換えることも考えられる。それは、制御するコンセントの数が増えることによって、構成部品が増えるため、マイコンによるプログラム制御とした方がコスト的に安く作れる場合もあるからである。また、マイコンにすることで、例えば電流検出部6,6a,6b,6cの電流値の判断基準をシステムによって変更することが容易になる。プログラムは、工場での組立時等に書き換えることで、様々なシステムに対応することが容易に実現することができる。なお、後述する第2実施形態においても、マイコンを用いることは可能である。
【0028】
次に、図1,図2に示したテーブルタップ100の回路の動作(AC供給遮断処理)について、図3,図4を参照して説明する。
図3は、テーブルタップ100の回路のAC供給オン時の動作例を示すフローチャートである。
図4は、テーブルタップ100の回路のAC供給オフ時の動作例を示すフローチャートである。
【0029】
ここでは、説明の都合上、図1で示した3台のMFPコントロール装置(C−BOX、C−BOX−a、C−BOX−b)200,300,400を使用すると共に、ACアダプタ201,301,401をそれぞれ接続するための3つの出力コンセント3a,3b,3cを有するテーブルタップ100を使用するシステムとする。また、システムに使用するコントロール装置によって消費電流値は異なるが、説明の都合上、コントロール装置200,300,400の各消費電流は、動作時(アイドル時含む)には0.5A〜3A、待機時には0.05A〜0.01Aとする。各コントロール装置200,300,400はMFP本体700の電源がオフであることをLANケーブル621〜625等経由で検知(検出)すると、自機に与えられたジョブがなければ、待機状態に移行する。
【0030】
まず、テーブルタップ100に接続された電子機器が動作中の状態を初期状態として(図3のステップS1)説明する。
MFPコントロール装置200(C−BOX)が待機状態になったことは、消費電流が0.05A以下になったことで電流検出部6によって検出される。この状態は、図3のステップS2に該当する。
その検出により、DC出力制御部7では、MFPコントロール装置200が待機状態になり、電流検出部6の検出信号(図2の信号K)を受けると、FET71がオン(DC出力制御ON)になり、ACアダプタ201以外のACアダプタ301,401もDC電力を供給可能な状態にする(図3のステップS3)。
【0031】
ここで、例えばDC出力制御部7では、出力ジャック8a,8bの本来のDC出力ラインと出力ジャック8のDC出力ラインとが、図2に示したようにダイオード72,73によって接続されているので、そのダイオード72,73の順方向電圧差により、DCジャック5a,5bからDC電力が供給されている間は、DCジャック5a,5bに接続されているACアダプタ301,401のDC出力が優先されることになる。
【0032】
MFPコントロール装置300(C−BOX−a)が待機状態になったこと(実際には0.05A〜0.01Aの電流)は、電流検出部6aによって検出される。この状態は、図3のステップS4に該当する。その検出により、リレー回路制御部4では、電流検出部6aからの検出信号K−aと、上述のMFPコントロール装置200(C−BOX)の待機状態時の検出信号Kとを受け、リレー回路9aの接点91aを開くことで、MFPコントロール装置300のACアダプタ301へのAC電力供給(機器aのAC供給)を遮断できる(図3のステップS5)。
【0033】
MFPコントロール装置400(C−BOX−b)の待機状態移行時の動作は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)の待機状態移行時の動作と同様なため、説明を省略するが、図3のステップS4〜S6を繰り返すことにより、MFPコントロール装置400へのAC電力供給(機器bのAC供給)も遮断できる。
【0034】
MFP本体700の電源がオフの間、MFPコントロール装置200(C−BOX)のACアダプタ201だけが動作し、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)およびMFPコントロール装置400(C−BOX−b)のACアダプタ301,401へのAC電力はリレー回路9a,9bによって遮断されているので、ACアダプタ2台分のAC/DC変換による電力損失分を無くすことが可能となる。
【0035】
次に、待機状態から、MFP本体700の電源がオンになった場合の動作について説明する。
MFP本体700の電源がオンになったことは、LANケーブル621〜625等経由で全てのMFPコントロール装置200〜400に通知される。
各コントロール装置200〜400は、それぞれその通知を受けると、起動状態に移行するが、これは電流検出部6によって検出される(図3のステップS6)。
【0036】
それによって、電流検出部6の検出信号Kの状態が通常モード(起動モード)に戻る(切り替わる)ため、リレー回路制御部4はリレー回路9a,9bの接点91a,91bを導通状態にする。これにより、電流検出部6a,6bからの検出信号K−a,K−bの状態も通常モードに切り替わる。これで全てのACアダプタ201〜401へのAC電力供給(機器のAC供給)を開始できる。この状態が図3のステップS7に該当する。
【0037】
次に、MFP本体700の電源がオフで全てのMFPコントローラ装置200〜400が待機状態(図4のステップS11)から、MFPコントローラ装置400(C−BOX−b)だけがメールの受信などで動作状態に移行した場合の動作について説明する。
MFP本体700の電源がオンになった時と同様に、MFPコントローラ装置200〜400のいずれかが起動状態に移行したことは、電流検出部6に0.5A以上の電流が検出されることによって判る(図4のステップS12)。
【0038】
電流検出部6の検出信号Kの状態が待機モードから通常モードに戻ることにより、リレー回路制御部4はリレー回路9a,9bの接点91a,91bを導通状態にする。それによって、ACアダプタ301,401へのAC供給が戻る(図4のステップS13)が、DCジャック5bに接続されているACアダプタ401のDC出力が優先され、電流検出部6,6aによって検出される電流の値が0.05A〜0.01Aに変化し、電流検出部6,6aの検出信号K,K−aの状態が待機モード状態となる(図4のステップS14,S16)ので、リレー回路制御部4はリレー回路9aの接点91aを再び遮断し、MFPコントローラ装置300(C−BOX−a)のACアダプタ301は非通電状態(機器nのAC供給遮断)となる(図4のステップS17)。
【0039】
なお、電流検出部6bがDCジャック5bから出力ジャック8bに流れる電流を検出できるようになったことで、例えばその電流値が起動モード時の電流値0.5〜3Aを超えた場合など、出力ジャック8に接続されている機器がMFPコントロール装置であるのか、別の電子機器であるのかを判断して制御することもできる。この場合は、電流検出部6bで起動モード時の電流値を超えたことを検出して対応する信号をリレー制御回路部4へ出力し、AC遮断制御を行わないようにすることができる。また例えば、電流値が4Aを超えたら電子機器の異常であるといった場合には、上記と同様に電流検出部6bで電流値を超えたことを検出して対応する信号をリレー制御回路部へ出力し、AC供給を遮断することが可能となる。それによって、電子機器が異常な状態でAC電力が供給されるという危険な状態を回避することができる。
【0040】
〔第2実施形態〕
次に、この発明の第2実施形態について説明する。
そしてまず、この第2実施形態であるテーブルタップにMFPコントロール装置以外の機器を接続した情報処理システムの代表的な接続例について、図5を参照して説明する。
図5は、その情報処理システムの代表的な接続例を示す図であり、図1と同じ部分には同一符号を付している。
【0041】
この実施形態のテーブルタップ100′では、タップ本体1′に2台のMFPコントロール装置200,300が接続され、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)のUSBケーブル(USBポート)310に接続して使用される周辺機900のACアダプタ901と、通信に使用するLANケーブル621〜623,626〜628を接続するためのハブ610′の電源ケーブル611が接続されている。
【0042】
ここで、前提条件としては、周辺機900をMFPコントロール装置300(C−BOX−a)が使用するため、ハブ610′は、情報処理装置801〜803が接続されているだけでなく、MFPコントロール装置300の電源と同期させて、MFPコントロール装置300にMFP本体700の電源に関する情報等の送信を行うために、常時電力が供給される必要がある。
また、タップ本体1′にはスイッチ手段である後述する連動オン/オフ切替スイッチ11a,11b,11c(図6参照)を追加している。
【0043】
次に、図5に示したテーブルタップ100′の回路構成について、図6を参照して説明する。
図6は、そのテーブルタップ100′の回路構成例を示す回路図であり、図2と同じ部分には同一符号を付している。
【0044】
このテーブルタップ100′の回路は、図2に示した第2実施形態のテーブルタップ100の回路に対して、DCジャック5,5a,5b,5cからそれぞれ入力されるDC電圧を検出する複数の電圧検出手段である電圧検出部10,10a,10b,10cを付加したものである。
電圧検出部10は、DCジャック5から入力されるDC電圧(DCジャック5の電源電圧)を検出することにより、そのDCジャック5にACアダプタ201が接続されていることを検出することができる。もし、DC電圧を検出できなければ、機器の接続なしを検出することになる。同様に、電圧検出部10a,10b,10cは、それぞれDCジャック5a,5b,5cへのACアダプタ等の接続の有無を検出することができる。よって、電圧検出部10,10a,10b,10cは、接続有無検出手段としての機能も果す。
【0045】
それによって、例えば、電圧検出部10aにより、DCジャック5aへの機器(そのACアダプタ等)の接続なしが検出された場合に、リレー回路制御部4は、電圧検出部10aからの信号により、対応するリレー回路9aをオンにし(接点91aを閉じ)、出力コンセント3aにAC電力を供給可能にすることができる。そうすれば、電流検出等の電源監視および制御の対象から外すことが可能となるので、余っている出力コンセント3aを他の機器へのサービス用コンセントとして提供することができるようになる。
【0046】
ここで、電圧検出部10,10a,10b,10cをそれぞれ構成する回路の最も簡易な例は、DCジャック5,5a,5b,5cのDCジャックコネクタを、それぞれ挿入検出ピンを有する3芯式とすることで、DCジャック5,5a,5b,5cが挿入(接続)の有無をGNDレベルまたはDC出力レベルとして判定可能となる。この判定結果を示す信号(検出信号)を電流検出部6,6a,6b,6cからの検出信号(電流検出結果出力信号)K,Ka,Kb,Kcに反映させ、検出信号R,Ra,Rb,Rc信号としてリレー制御回路部4へ出力する。また、DC電源の入力の有無を検出することで、通電の有無を検出信号R,Ra,Rb,Rc信号に条件として付加することも可能となる。
【0047】
電圧検出部10,10a,10b,10cに電圧レベルを判別する機能を持たせることで、予め設定された電圧レベルとは異なる異常電圧が入力された場合に、その異常電圧を示す信号をリレー制御回路部4へ出力し、そのリレー回路制御部4に対応するラインのAC供給を遮断させることで、機器の破損を回避することができる。
連動オン/オフ切替スイッチ(以下「連動スイッチ」ともいう)11a,11b,11cは、操作手段であり、電圧検出部10,10a,10b,10cのうち、隣接する電圧検出部間にそれぞれ介挿されている。これらの連動スイッチ11a,11b,11cは、それぞれ隣接するAC出力コンセントへのAC電力の供給(オン)と遮断(オフ)の切り替え制御(オン/オフ制御)を同期(連動)させるかどうかを切り替えるためのスイッチであり、異なる操作(オン/オフ)毎に異なる信号を出力する。
【0048】
例えば、連動スイッチ11aが連動を指示するオン信号が出力されると、隣接する出力コンセント3,3aのうち、一方の出力コンセント3に接続されているACアダプタ201からDC電力が供給されている場合、他方の出力コンセント3aに接続されているACアダプタ301からもDC電力が連動して供給できるように、リレー回路9の接点91aの切り替え制御を行わせることができる。
【0049】
このテーブルタップ100′の回路について、図5の接続例に合わせて説明する。
2台のMFPコントロール装置200,300はACアダプタ201,301は、それぞれAC入力用プラグ201a,301aがタップ本体1′のAC出力用コンセント3,3aに接続され、各々のDC出力用プラグ201b,301bがタップ本体1′のDC入力用ジャック5,5aに接続される。夫々に対応するDC出力用ジャック8,8aにDCケーブル601,602を介してMFPコントロール装置200,300が接続される。
【0050】
周辺機900のACアダプタ901のACプラグ901aがタップ本体1′のAC出力用コンセント3bに、ハブ610′の電源ケーブル611のACプラグ611aがタップ本体1′のAC出力用コンセント3cにそれぞれ接続され、DC出力側は直接各機器に接続するため、DC入力用入力ジャック5b,5cは未接続となる。
タップ本体1′では、DC入力を受けると、DC入力用入力ジャック5,5aへの接続はあるので、それらの接続によるリレー制御回路部4へ出力は、第1実施形態と同様である。
【0051】
DC入力のない周辺機900とハブ610′は、電圧検出部10b,10cで検出し、検出信号Rb,Rcとしてリレー制御回路部4へ出力して、リレー回路9b,9cの接点91b,91cは閉じたまま(導通状態)にコントロールすることで実現できる。
ハブ610′の電源は、MFPコントロール装置のように、待機状態というモードは特になく、常に通電状態である必要があるので、この状態のままの接続で問題ない。
【0052】
周辺機900は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)にUSB接続されているため、MFPコントロール装置300の電源状態に同期させてAC側の供給もオフ/オンにさせることで省エネ効果をあげることができる。これには、連動スイッチ11bを同期オンの状態に設定する。図5の連動スイッチ11b(B)は、同期させるという意味から電圧検出部10aと10bを直結するシンボルとしているが、例えば連動スイッチ11bがオフの状態はプルダウン抵抗でGNDレベルとし、オンの状態をDC入力用ジャック5bのDC入力電源レベルにすることで、この電圧レベルから連動スイッチ11bのオン/オフを検出(判別)することは可能となる。テーブルタップ100′のリレー制御回路部4によるDCジャック検出および連動スイッチによるAC供給処理フローの一例を図7に示す。
【0053】
そのAC供給処理フローについて、図7のコンセントAをMFPコントロール装置300(C−BOX−a)用、コンセントBを周辺機900用として説明する。
(1)ステップS21
コンセントA(AC出力用コンセント3a)には、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)のACアダプタ301が接続されており、DC入力もあるので、ステップS21へ移行する。
【0054】
(2)ステップS22
周辺機900をMFPコントロール装置300(C−BOX−a)の電源状態と連動さるため、連動スイッチ11bがオンになると、ステップS23へ移行する。
(3)ステップS23
コンセントB(AC出力用コンセント3b)には、周辺機900のACアダプタ901のACプラグ901aが接続されており、DC入力がないので、ステップS29へ移行する。
【0055】
(4)ステップS29
コンセントA(AC出力用コンセント3a)のAC電力供給の制御と、コンセントB(AC出力用コンセント3b)は連動することになる。つまり、周辺機900のACアダプタ901のAC供給制御は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)のACアダプタ301との間にある連動スイッチ11bがオンになることで、MFPコントロール装置300のAC電源制御と連動して周辺機900のAC電源供給がオフ/オンにされることになる。
【0056】
次に、図5に示したテーブルタップ100′の他の回路構成について、図8を参照して説明する。
図8は、そのテーブルタップ100′の他の回路構成例を示す回路図であり、図6と同じ部分には同一符号を付している。
このテーブルタップ100′の回路は、DC電流供給経路を複数持っている。
【0057】
DC出力制御部7′は、図6に示したDC出力制御部7に相当する回路を全てのDC出力ラインに備えている。
リレー制御回路部4′は、各電圧検出部10,10a,10b,10cからの検出信号K,K−a,K−b,K−c(各電流検出部6,6a,6b,6cから出力される検出信号の状態を反映させたもの)をDCライン毎にアンドをとり、そのDCライン毎の結果を示す制御信号をそれぞれリレー回路9,9a,9b,9cへ出力して、接点91,91a,91b,91cの開閉(オン/オフ)を制御する。
【0058】
この構成により、図2の回路では、AC出力用コンセント3およびDC入力用ジャック5にはMFPコントロール装置のACアダプタの接続が必要であったが、図8の回路では、どのコンセントを使用してもAC出力用コンセント3,3a,3b,3cのAC電力供給制御を行うことが可能となるので、他の機器が稼動中でも、機器の入れ替えをすることができる。
【0059】
次に、図8に示したタップ本体1′に備えているDC出力制御部7′を含むDC電力供給制御回路部の構成について、図9を参照して説明する。
図9は、そのDC電力供給制御回路部の構成例を機能的に示すブロック図である。
このDC電力供給制御回路部20は、図8のDC入力用ジャック5とDC出力用ジャック8との間のDCラインに備えたものであり、電圧検出回路部21,電流検出回路部22,FET71,他装置へのDC供給部23,およびDC出力制御回路部24からなる。なお、他の3つのDCラインにも、それぞれDC電力供給制御回路部を備えているが、DC電力供給制御回路部20と同様の構成のため、図示および説明を省略する。
【0060】
電圧検出回路部21は、図8の電圧検出部10の電圧検出を行う機能に相当する部分である。
電流検出回路部22は、図8の電流検出部6の電流検出を行う機能に相当する部分である。
他装置へのDC供給部23は、図8のダイオード72〜74に相当する部分であり、FET71がオンになっている場合、そのFET71のソース端子S側のDCラインに隣接する他のDCライン、つまりそのFET71のドレイン端子D側のDCラインを介して接続されている他の装置(機器)へDC供給を行わせる。
【0061】
他アダプタからのDC供給部30は、図8の他の3つのDCライン上のダイオード72a〜74a,72b〜74b,72c〜74cに相当する部分であり、他の出力コンセント3a,3b,3cにそれぞれ接続されているACアダプタ201,301,401のいずれかからDC供給(DC出力)が行われている場合、そのDC供給を受けることができる。
【0062】
DC出力制御回路部24は、図8の電圧検出部10のリレー制御回路部4への制御信号(コントロール信号)の出力制御の機能に相当する部分と、図8の電流検出部6のFET71への制御信号の出力制御の機能に相当する部分と、電流検出部6の他のDCラインからの電流検出の機能に相当する部分によって構成されており、電圧検出回路部21からの検出信号(コントロール信号)、電流検出回路部22からの検出信号、および他アダプタからのDC供給部30からの検出信号(他のACアダプタからのDC供給情報)に基づいて、以下の制御を行う。
【0063】
すなわち、FET71への制御信号の出力を制御することにより、DC出力用ジャック8へのDC出力制御(DC電力供給制御)を行う。つまり、対応するDCライン用のDC供給制御信号をFET71のゲート端子Gへ出力することにより、他のDCラインからのDC供給(電源供給)を行うか行わないかを制御できる。また、リレー制御回路4′を制御するための制御信号をリレー制御回路4′へ出力する。
【0064】
ここで、DC供給(DC入力)がなされている状態から待機状態になるまでの動作について説明する。ここでは、説明の都合上、タップ本体1′の出力コンセント3b,3cにACアダプタが接続されていないものとし、出力コンセント3,3aに接続されているACアダプタ201,301にそれぞれ対応するMFPコントロール装置200(C−BOX),300(C−BOX−a)のうち、MFPコントロール装置200(C−BOX)に対する動作についてのみ説明する。その前提条件については、後述する他の動作説明でも、同様とする。なお、DC供給されている状態と供給する動作をオン、逆にDC供給が遮断されている状態と遮断する動作をオフとする。
【0065】
(a1)初期状態では、2台のMFPコントロール装置200(C−BOX),300(C−BOX−a)とも動作状態である。
(a2)このときのMFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態を、信号Sa:オン、信号Sb:0.5〜3A(第1の所定値を超える起動モードに移行したことを示す)、信号Sc:オン、信号Sd:オン、信号Se:オンとする。
【0066】
(a3)その後、MFP本体700の電源がオフにされて、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)が先に待機状態になった場合、MFPコントロール装置300のACアダプタ301からのDC供給が遮断されるため、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.5〜3A、信号Sc:オン、信号Sd:オフ、信号Se:オンとなり、他アダプタからのDC供給部30より、他のACアダプタ301からのDC供給がオフになったことを示す信号Sd(オフ信号)がDC出力制御回路部24へ出力される。
【0067】
(a4)MFPコントロール装置200(C−BOX)も待機状態に移行すると、対応するDCラインの電流値が変化するので、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.05〜0.1A(第2の所定値以下になる待機モードに移行したことを示す)、信号Sc:オン、信号Sd:オフ、信号Se:オンとなる。FET71へ出力する信号Sc(DC供給制御信号)と、リレー制御回路部4への信号Seは、信号Sdがオフであるため、オンとなる。そのため、リレー回路9の接点91は導通状態を保持することにより、MFP本体700の電源が再びオンになると、MFPコントロール装置200は動作状態にすぐに移行できる。
【0068】
次に、MFP本体700の電源がオフのままで、一旦MFPコントロール装置300(C−BOX−a)が起動状態になり、再び待機状態に戻るまでの動作について説明する。
(b1)起動状態になった瞬間は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)へ電流が流れるので、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.5〜3A、信号Sc:オン、信号Sd:オフ、信号Se:オンとなる。
【0069】
(b2)図8のリレー制御回路部4′は、一旦全てのリレー回路91,91a,91b,91cをオンするため、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.05〜0.1A、信号Sc:オン、信号Sd:オン、信号Se:オンとなる。
(b3)MFPコントロール装置200(C−BOX)は待機状態なので、その各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.05〜0.1A、信号Sc:オフ、信号Sd:オン、信号Se:オフとなる。
【0070】
(b4)リレー制御回路部4′によってMFPコントロール装置200(C−BOX)のDC入力が断たれるので、その各コントロール信号の状態は、信号Sa:オフ、信号Sb:0A、信号Sc:オフ、信号Sd:オン、信号Se:オフとなる。
このように、DC供給は、最後に動作している装置のアダプタから供給されることになり、固有のACアダプタだけが常に動作して寿命が短くなるという恐れが低減される。
【0071】
次に、図8に示したタップ本体1′に備えているリレー制御回路部4′およびその周辺回路部の構成について、図10を参照して説明する。
図10は、そのリレー制御回路部4′の構成例を機能的に示すブロック図である。
このリレー制御回路部4′は、DCライン判別手段としての機能を果すものであり、リレー回路9,9a,9b,9cのオン/オフを制御するリレー制御回路41の他に、待機時の電流検出の状態(リレー回路の状態に対応する)を示す情報を記憶する記憶手段に相当する電流検出記憶回路42を備えている。
【0072】
リレー制御回路41には、リレー回路9,9a,9b,9c、DC出力制御回路部24,24a,24b,24c、電流検出回路部22,22a,22b,22c、および電流検出記憶回路42が接続されている。DC出力制御回路部24a,24b,24cは、図9のDC出力制御回路部24と同様の構成であり、DC出力制御回路部24を備えているDCラインとは異なる3つのDCラインにそれぞれ備えられている。電流検出回路部22a,22b,22cは、図9の電流検出回路部22と同様の構成であり、電流検出回路部22を備えているDCラインとは異なる3つのDCラインにそれぞれ備えられている。
【0073】
ラッチ信号Shは、リレー制御回路41が全てのリレー回路9,9a,9b,9cをオンにするときに出力する信号である。
電流検出記憶回路42は、信号Shをトリガとして電流検出回路部22,22a,22b,22cの電流検出状態情報を記憶(ラッチ)する。この時の出力信号Siは、リレー制御回路41へ入力される。電流検出状態情報としては、起動状態(起動モード)時の0.5〜3Aの電流を検出した時の検出信号と、待機状態(待機モード)時の0.05〜0.1Aの電流を検出した時の検出信号があるが、ここでは、説明の都合上、前者の検出信号を電流検出有り情報、後者の検出信号を電流検出無し情報とする。また、以下で示す電流検出とは、0.5〜3Aの電流検出とする。
【0074】
ここで、タップ本体1′の出力コンセント3,3a,3b,3cには、図1に示したMFPコントロール装置200,300,400,500のACアダプタ201,301,401,501が接続されているものとする。そして、初期の状態として、リレー回路9がオン、リレー回路9a,9b,9cがオフで、4台のMFPコントロール装置200〜500とも待機状態であるとする。
【0075】
(A)電流検出回路部22による電流検出を含む動作
その後、MFPコントロール装置300が起動し、その他のMFPコントロール装置200,400,500は待機状態のままであり、再びMFPコントロール装置300が待機状態に入った時の動作は、まず電流検出回路部22が電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22の電流検出有り信号(リレー回路9オンに対応する)および電流検出回路部22a,22b,22cの電流検出無し信号(リレー回路9a,9b,9cオフに対応する)を記憶する。
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
【0076】
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300のみであるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで更に、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じでないため、そのままリレー回路9aをオンにする。
【0077】
(B)電流検出回路部22aによる電流検出を含む動作
次に、またMFPコントロール装置300が起動状態から待機状態に移行する場合、今度は電流検出回路部22aが電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22aの電流検出有り信号(リレー回路9aオンに対応する)および電流検出回路部22,22b,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9b,9cオフに対応する)を記憶する。
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
【0078】
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300であるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じであるため、リレー回路9bをオンにし、リレー回路9aをオフにする。
【0079】
(C)電流検出回路部22bによる電流検出を含む動作
その後、再びMFPコントロール装置300が起動状態から待機状態に移行する場合、今度は電流検出回路部22bが電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22bの電流検出有り信号(リレー回路9bオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9cオフに対応する)を記憶する。
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
【0080】
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300であるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じでないため、そのままリレー回路9aをオンにする。
【0081】
ここで、MFPコントロール装置300が起動→待機を繰り返していった場合の動作は、(C)→(B)→(C)→(B)→(C)・・・となるが、電流検出記憶回路42からの出力信号が示す情報として、過去3回分の情報を図示しない不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)に記憶しておけば、後述する(D)に示す制御を含めた(C)→(B)→(D)→(B)→(A)→(B)→(C)・・・という動作を行わせることができる。これは、例えば信号Siを3回出力する場合、2回目は1回目の信号Siのリターン、3回目は2回目の信号Siのリターンとすることで対応できる。
【0082】
この場合、1本目の信号Siは、電流検出回路部22bの電流検出有り信号(リレー回路9bオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9cオフに対応する)を、2本目の信号Siは、電流検出回路部22aの電流検出有り信号(リレー回路9aオンに対応する)および電流検出回路部22,22b,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9b,9cオフに対応する)、3本目の信号Siは、電流検出回路部22cの電流検出有り信号(リレー回路9cオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22bの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9bオフに対応する)をそれぞれ示す。
【0083】
(D)電流検出回路部22cによる電流検出を含む動作
例えば、(D)の動作の直前が(B)の動作の場合、リレー回路9cがオンを保持し、電流検出記憶回路42が電流検出回路部22cの電流検出有り信号(リレー回路9cオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22bの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9bオフに対応する)を記憶しているため、MFPコントロール装置300が再び起動状態から待機状態に移行する場合、電流検出回路部22cが電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22cの電流検出有り信号(リレー回路9cオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22bの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9bオフに対応する)を記憶する。
【0084】
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300であるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じでないため、不揮発性メモリ内の過去3回分の情報よりそのままリレー回路9aをオンにする。
【0085】
それによって、その後MFPコントロール装置300が再び起動状態から待機状態に移行する場合、(B)の動作を行うことになる。但し、次にMFPコントロール装置300が再び起動状態から待機状態に移行する場合、(A)の動作に移行するため、(B)の動作の最後に不揮発性メモリ内の過去3回分の情報よりリレー回路9をオンにする。
【0086】
上述した制御により、例えば頻繁に待機と起動を繰り返すようなアプリケーションを搭載している機器があった場合に、1つのACアダプタに集中することなく動作させることが可能になるので、1つのACアダプタだけに偏って消耗することがなくなる。システム全体として、個々のACアダプタの寿命を長く見積もることが可能となる。これは、ACアダプタを選定する場合に、動作期間が短縮されるので、より小型で低価格のACアダプタを採用できることが期待できる。
【0087】
次に、図5に示したテーブルタップ100′の外観について、図11を参照して説明する。
図11は、そのテーブルタップ100′の外観例を示す斜視図である。なお、図1に示したテーブルタップ100も略同様な外観であるため、その図示および説明は省略する。
【0088】
テーブルタップ100′は、図5のMFPコントロール装置200など、電源を完全に遮断することができない機器を複数接続する場合にも、AC電源の供給を一部遮断することで、待機状態での無駄な消費電力を削減する効果を得ることが可能である。
また、従来、テーブルタップに複数台の機器を接続する場合、機器の裏側にあるACコンセントの周辺はケーブルが絡み合ったり、ACアダプタの置き場所がなく重ねたりと、乱雑になりやすいのが現状であるが、図11の(a)に示すように、テーブルタップ100′に図5のACアダプタ201,301等を収納できるようにアダプタトレイ101(電源装置を収納するスペース)を備えることで、ケーブルの抜けや機器の下敷きになって断線するような事故を防ぐことができる。
【0089】
MFPコントロール装置200に接続するDCケーブル601や、周辺機900のUSBケーブル310は、図11の(b)に示すように、テーブルタップ100′の背面にまわすことができるように、ケーブル出し口102を設けてある。
背面にあるAC遮断用スイッチ103は、長期間使用しない時には全てのAC出力用コンセント3,3a,3b,3cからACアダプタ201等を抜くのは手間がかかるため、AC全体を遮断できるようにしたスイッチ手段である。このようなスイッチ手段は、AC出力用コンセント3,3a,3b,3cの近くが一般的に分かりやすいが、誤操作を防ぐにはテーブルタップ100′の背面に配置するのが望ましい。なお、背面へのアクセスが困難と予想される場合など、別の位置にAC遮断用スイッチ103を配置することも考えられる。
【0090】
また、テーブルタップ100′は、接続するMFPコントロール装置200等の機器と同形状にして、それらの機器を上に乗せるラック構造になっており、省スペース化を図っている。
さらに、テーブルタップ100′下部に移動用の車輪104を備えている。それによって、機器の移動が容易になり、近くにMFP本体700の開口部があったり、棚の開き戸があるような設置条件が限られている狭いスペースでも、テーブルタップ100′を設置することが可能となる。
【0091】
ACアダプタを複数置くことから、発熱の問題を考慮し、図11の例では、テーブルタップ100′の側面の壁を無くした構造としているが、例えば安全上の問題などから側面を塞ぐこともある。この場合は、タップ本体1′にACアダプタのDC電源がすでに入力されている場合、そのDC電源をDC駆動用の冷却ファンの電源とすることができるので、ファン用に新たに電源装置を用意することなく、少ない消費電力で容易にファンを取り付けることが可能となる。
【0092】
なお、図1や図5に示したテーブルタップには、MFPの一部であるMFPコントロール装置やその周辺機を接続可能にしたが、デジタル複写機やプリンタ等の他の画像形成装置をコントロールするコントロール装置には勿論、画像形成装置本体、あるいはPC等の情報処理装置など、各種電子機器を接続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上の説明から明らかなように、この発明のテーブルタップによれば、必要のないACラインを切断して、電源装置で無駄に消費されていた電力を軽減することができる。したがって、ユーザの省エネルギー要求に応えるテーブルタップを提供することができる。
【符号の説明】
【0094】
1,1′:タップ本体
2,201a,301a,401a,501a:AC入力用プラグ
3,3a,3b,3c:AC出力用コンセント 4,4′:リレー制御回路部
5,5a,5b,5c:DC入力用ジャック 6,6a,6b,6c:電流検出部
7,7′:DC出力制御部 8,8a,8b,8c:DC出力用ジャック
9,9a,9b,9c:リレー回路 10,10a,10b,10c:電圧検出部
11a,11b,11c:連動オン/オフ切替スイッチ
20:DC電力供給制御回路部 21:電圧検出回路部
22,22a,22b,22c:電流検出回路部 23:他装置へのDC供給部
24:DC出力制御回路部 30:他アダプタからのDC供給部
41:リレー制御回路 42:電流検出記憶回路
71,71a,71b,71c:MOSFET
72〜74,72a〜74a,72a〜74a:ダイオード
100,100′:テーブルタップ
101:アダプタトレイ 102:ケーブル出し口 103:AC遮断用スイッチ
104:車輪 200,300,400,500:MFPコントロール装置
201,301,401,501:ACアダプタ
201a,301a,401a,501a:AC入力用プラグ
201b,301b,401b,501b:DC出力用プラグ
601,602,603,604:DC出力用ケーブル 610,610′:ハブ
611:電源ケーブル 621〜628:LANケーブル 700:MFP本体
801〜803:情報処理装置 900:周辺機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開2004−179035号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、MFP(デジタル複合機)やデジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置など、各種電子機器に電力を供給するテーブルタップに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MFP(デジタル複合機)と連携して画像データ等を扱うIT−BOX(MFPコントロール装置)は、単体では時間のかかるデータ処理を、ネットワークで接続した複数台のIT−BOXで分散処理することが可能である。
このIT−BOXは、専用の表示装置や操作部は持たず、ネットワークを介してMFPの表示部と操作部をユーザインタフェースとして利用することから、MFPの背面や脇に設置されるのが一般的で、通常はMFPと連動して電源がオン(ON)/オフ(OFF)にされる。
【0003】
IT−BOXは、MFPとは別に自身のACアダプタ(AC/DC電源ユニット)を持ち、商用電源のACコンセント(AC電力出力端)から給電されるため、複数台設置する場合には、テーブルタップ等を利用することになる。省エネの観点からすれば、先述のとおり主装置であるMFPの電源オフと連動して周辺装置であるIT−BOXの電源もオフにさせるだけでなく、AC/DC電源ユニットへの供給自体を遮断することで、電源オフ時にAC/DC電源ユニットで無駄に消費されていた電力を削減するのが理想的である。
テーブルタップにおいて、主装置の電源と連動させて周辺装置への電力供給を遮断する方法は既に知られている。
【0004】
しかし、このような従来の主装置電源連動型のテーブルタップでは、周辺装置側の電力を完全に遮断してしまうため、例えばメールやFAXの受信待ちに備えて全ての電源は切ることができないが、CPUやハードディスク装置等の主要な電源を全てオフにして必要最低限の電力に抑える省エネモードや、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置で一般的なサスペンド状態などといった、待機状態(待機モード)に移行する電子機器には利用できず、特に待機状態となっている電子機器のACアダプタが複数あるようなシステムでは、待機時の僅かなDC消費電力のために、いくつものACアダプタが動作していることになり、AC/DC電力変換に要する無駄な電力損失が発生しているという問題があった。
【0005】
そこで、このような課題を解消するため、例えば特許文献1に見られる技術を利用することが考えられる。
特許文献1には、複数の外部機器のオン/オフ動作を連動して制御する目的で、直流電圧出力手段から出力される電流値に基づいて、交流電圧出力手段からの出力を制御することにより、利用者がそれぞれの電源状態を管理する手間をなくすことができるACアダプタの構成について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものでも、上述したような待機状態になる必要のある電子機器を接続できず、待機時のAC消費を抑えるという問題は解消できていない。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、それぞれDC電力出力端(DC出力用プラグ)から同じDC電圧を出力する複数の電源装置のAC電力入力端(AC入力用プラグ)を接続できるテーブルタップにおいて、必要のないACラインを切断し、電源装置で無駄に消費されていた電力を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換する複数の電源装置に交流電力を供給できるテーブルタップであって、上記の目的を達成するため、商用電源に交流電力を入力可能に接続するための交流入力接続手段と、上記複数の各電源装置の交流電力入力端を、上記交流入力接続手段を介して供給される交流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の交流出力接続手段と、その各交流出力接続手段にそれぞれ交流電力入力端が接続される上記複数の各電源装置の直流電力出力端を接続可能な複数の直流入力接続手段と、直流電力によって動作する複数の電子機器の各直流電力入力端を、上記複数の各直流入力接続手段を介して上記複数の各電源装置から供給される直流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の直流出力接続手段と、上記複数の各直流入力接続手段から上記複数の各直流出力接続手段へそれぞれ流れる直流電流を個別に検出する複数の電流検出手段と、その各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、上記複数の各直流出力接続手段にそれぞれ出力する直流電力を制御する直流出力制御手段と、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、上記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御する交流出力制御手段とを設けたものである。
【0008】
なお、上記複数の各直流入力接続手段への上記電源装置の上記直流電力入力端の接続の有無を検出する複数の接続有無検出手段を設け、上記交流出力制御手段が、上記複数の各接続有無検出手段の検出結果によっても上記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御するとよい。例えば、上記複数の各接続有無検出手段によって電源装置の直流電力入力端の接続なしが検出された場合に、その電源装置の交流電力入力端が接続可能な交流出力接続手段に交流電力を供給可能に制御することが望ましい。
【0009】
また、上記複数の各直流入力接続手段からそれぞれ入力される直流電圧を検出する複数の電圧検出手段を設け、上記交流出力制御手段が、上記複数の電圧検出手段によって検出された直流電圧が予め設定された電圧レベルとは異なる異常電圧であった場合に、その異常電圧が入力された電源装置が接続されている交流出力接続手段への交流電力を遮断するとよい。
さらに、上記交流入力接続手段と上記複数の交流出力接続手段のいずれか1つとを直結するとよい。
【0010】
さらにまた、上記のように複数の電圧検出手段を設ける場合、その複数の電圧検出手段の隣接する各電圧検出手段間にそれぞれ、複数の操作手段を備え、上記交流出力制御手段が、上記複数の各操作手段の操作を上記複数の各電圧検出手段を介して判別し、その判別の結果に基づいて、上記複数の交流出力接続手段の隣接する各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を必要に応じて同期させてもよい。
【0011】
また、上記複数の各直流入力接続手段から上記複数の各直流出力接続手段へのそれぞれの直流出力ラインに上記直流出力制御手段をそれぞれ備えるとよい。
この場合、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した場合に、動作中の電子機器の直流電力入力端が接続されている直流出力接続手段の直流ラインを判別する直流ライン判別手段と、上記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を記憶する記憶手段とを設け、上記交流出力制御手段に、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した直後に、上記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力を供給可能に制御する手段と、その制御の直前に上記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を上記記憶手段に記憶させる手段と、上記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力が供給可能に制御された後、上記直流ライン判別手段によって判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段と、その制御後、上記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値の全てが上記第1の所定値より小さい第2の所定値以下になる待機モードに移行する直前に、上記複数の各電流検出手段の状態を上記記憶手段に記憶されている情報が示す状態と比較し、両状態が一致する場合にのみ、上記判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段とは異なる交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段とを備えるとよい。
【0012】
さらに、上述したテーブルタップに、上記複数の交流出力接続手段に接続される上記電源装置を収納するスペースを設けるとよい。
また、上記交流入力接続手段から上記複数の交流出力接続手段への全ての交流電力を遮断するためのスイッチ手段を設けるとよい。
【0013】
この発明によるテーブルタップでは、商用電源に交流電力を入力可能に接続するための交流入力接続手段と、上記複数の各電源装置の交流電力入力端を、上記交流入力接続手段を介して供給される交流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の交流出力接続手段と、その各交流出力接続手段にそれぞれ交流電力入力端が接続される上記複数の各電源装置の直流電力出力端を接続可能な複数の直流入力接続手段と、直流電力によって動作する複数の電子機器の各直流電力入力端を、上記複数の各直流入力接続手段を介して上記複数の各電源装置から供給される直流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の直流出力接続手段とを備え、上記複数の各直流入力接続手段から上記複数の各直流出力接続手段へそれぞれ流れる直流電流を個別に検出し、その各直流電流の値に基づいて、上記複数の各直流出力接続手段にそれぞれ出力する直流電力を制御すると共に、上記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御する。例えば、1つの交流出力接続手段への交流電力の供給は常時可能にすれば、直流電力入力端が直流出力接続手段に接続されている電子機器が動作したとき、その直流出力接続手段へ流れる電流を検出して、上記複数の各交流出力接続手段に交流電力を供給可能にすると共に、上記複数の各直流出力接続手段に直流電力を出力可能にした後、動作している電子機器が接続されている直流出力接続手段に対応する交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能にする(必要のない交流ラインを切断する)。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、テーブルタップが、必要のない交流ライン(ACライン)を切断して、電源装置で無駄に消費されていた電力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第1実施形態であるテーブルタップを使用した情報処理システムの代表的な接続例を示す図である。
【図2】図1のテーブルタップ100の回路構成例を示す回路図である。
【図3】図2に示した回路のAC供給オン時の動作例を示すフロー図である。
【図4】同じくAC供給オフ時の動作例を示すフロー図である。
【図5】この発明の第2実施形態であるテーブルタップを使用した情報処理システムの代表的な接続例を示す図である。
【図6】図5のテーブルタップ100′の回路構成例を示す回路図である。
【0016】
【図7】図6のリレー制御回路部4によるDCジャック検出および連動スイッチによるAC供給処理の一例を示すフロー図である。
【図8】図5のテーブルタップ100′の他の回路構成例を示す回路図である。
【図9】図8のDC出力制御部7′を含むDC電力供給制御回路部の構成例を機能的に示すブロック図である。
【図10】図8のリレー制御回路部4′の構成例を機能的に示すブロック図である。
【図11】図5のテーブルタップ100′の外観例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
以下の実施形態では、主装置(電子機器)の電源状態に連動させて電力供給を制御するテーブルタップにおいて、以下の特徴を有する。つまり、主装置のオフ/オン状態に連動して、待機状態(待機モード)になる電子機器が複数ある場合に、それらのACアダプタのDC出力側の制御を行い、待機状態になっている電子機器へDC電力を供給することにより、供給元となるACアダプタ1台を残してAC電力の供給を切り離すことを特徴としている。なお、「AC」とは「交流」を、「DC」とは「直流」をそれぞれ指す。
そこで、その特徴について、図1〜図11を参照して具体的に説明する。
【0018】
〔第1実施形態〕
まず、この発明の第1実施形態について説明する。
そしてまず、この第1実施形態であるテーブルタップを使用した情報処理システムの代表的な接続例について、図1を参照して説明する。
図1は、その情報処理システムの代表的な接続例を示す図である。
この実施形態のテーブルタップ100では、タップ本体1のAC入力接続手段であるAC入力用プラグ(以下「ACコンセントプラグ」又は「ACプラグ」ともいう)2が商用電源に接続されると、AC出力接続手段であるAC出力用コンセント(以下単に「出力コンセント」又は「ACコンセント」ともいう)3,3a,3b,3cへ電力を分配する。
【0019】
各MFPコントロール装置(IT−BOX)200,300,400,500の電源装置であるACアダプタ201,301,401,501は、DC電力によって動作する電子機器であり、それぞれAC電力入力端であるACプラグ201a,301a,401a,501aがタップ本体1の出力コンセント3,3a,3b,3cに接続される。図1の例では、出力コンセントの数は4つであるが、MFPコントロール装置(以下単に「コントロール装置」ともいう)のAC消費電流の総和と商用電源のACコンセントプラグの許容電流値によって最大数が制限されることになるため、これに限定されるものではない。
【0020】
タップ本体1には、更に各ACアダプタ201,301,401,501のDC電力出力端であるDC出力用プラグ(以下「DCプラグ」ともいう)201b,301b,401b,501bをそれぞれ接続可能なDC入力接続手段であるDC入力用ジャック(以下単に「入力ジャック」又は「DCジャック」ともいう)5,5a,5b,5cと、各MFPコントロール装置200,300,400,500へのDC出力用ケーブル(以下単に「DCケーブル」ともいう)601,602,603,604のDC電力入力端であるDC入力用プラグ601a,602a,603a,604aをそれぞれ接続するためのDC出力接続手段であるDC出力用ジャック(以下単に「出力ジャック」ともいう)8,8a,8b,8cとを備えている。よって、タップ本体1内に一旦DC電源を取り込み、DC出力制御が可能となる。なお、図1の例では、一番下のMFPコントロール装置500およびACアダプタ501は、タップ本体1に接続する前の状態を示している。
【0021】
各コントロール装置200,300,400,500は、MFP本体700やPC,サーバ等の情報処理装置801〜803と、LANハブ(以下単に「ハブ」ともいう)610を介してLAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブル621〜628によって接続されている。なお、それらのLANケーブルの代わりに、他のネットワークケーブルを使用することも可能である。
各コントロール装置200,300,400,500は、それぞれMFP本体700からジョブデータを受けると、そのデータに対して加工処理をした後、MFP本体700へ戻して印刷や蓄積を行わせたり、ファイルデータに変換して情報処理装置801〜803へ選択的に転送する。また、MFP本体700の電源の状態をLANケーブル621,622,623,624,625経由で取得する処理等を行うことにより、MFP本体700の動作状態を起動状態(起動モード)や待機状態(待機モード)にコントロールする。
【0022】
次に、図1に示したテーブルタップ100の回路構成について、図2を参照して説明する。
図2は、そのテーブルタップ100の回路構成例を示す回路図である。
このテーブルタップ100では、ACプラグ2が商用電源に接続されると、その商用電源からタップ本体1がAC電力の供給を受ける。
AC出力用コンセント3は、ACプラグ2と直結されている。よって、このAC出力用コンセント3へのAC電力の供給(以下「AC供給」ともいう)は遮断されることがない。このAC出力用コンセント3には、MFPコントロール装置200のACアダプタ201のACコンセントプラグ201aが接続される。
【0023】
DC入力用ジャック5は、出力コンセント3に接続されたACアダプタ201のDC出力ケーブル先端のDCプラグ201bが接続される入力ジャックである。ここに接続されたACアダプタ201のDC電源は常に供給されるので、これを各制御回路の駆動電源として使用することが可能になる。
出力コンセント3a,3b,3cは、それぞれリレー回路9a,9b,9cによって出力制御可能となっている。
【0024】
DC入力用ジャック5a,5b,5cは、それぞれ出力コンセント3a,3b,3cに接続されたACアダプタ301,401,501のDC出力ケーブル先端のDCプラグ301b,401b,501bを接続するための入力ジャックである。
電流検出部6,6a,6b,6cは、電流検出手段であり、それぞれACアダプタ201,301,401,501の消費電流、つまり各DC入力用ジャック5,5a,5b,5cから各DC出力用ジャック8,8a,8b,8cへそれぞれ流れるDC電流を個別に検出(計測)する回路である。例えば、配線上に直列に電流検出用の抵抗が挿入されており、その両端の電圧差から電流値に変換し、基準電位と比較して、その比較結果を示す検出信号K、K−a,K−b,K−cを生成する。
【0025】
DC出力用ジャック8,8a,8b,8cは、それぞれDC入力用ジャック5,5a,5b,5cに接続されたACアダプタ201,301,401,501のDC出力電源を外部機器(図1の各MFPコントロール装置200,300,400,500)に供給するための出力ジャックである。
DC出力制御部7は、DC出力制御手段であり、電流検出部6,6a,6b,6cによってそれぞれ検出されるDC電流の値に基づいて、各DC出力用ジャック8,8a,8b,8cにそれぞれ出力するDC電力を制御する。つまり、ACコンセント3a,3b,3cへのAC電力が遮断されていても、ACコンセント3へAC電力が供給されていれば、電流検出部6によって起動モード時のDC電流を検出できるため、DCジャック5からの入力電源をDC出力用ジャック8a,8b,8cに供給可能に制御する。図2には、その機能を示す例として、MOSFET(以下単に「FET」ともいう)71と複数のダイオード72〜74による接続としている。なお、MOSFET71の代わりに、他のFETを使用することもできる。
【0026】
リレー制御回路部4は、AC出力制御手段であり、3個のAND回路を用い、電流検出部6,6a,6b,6cによってそれぞれ検出されるDC電流の値に基づいて、ACコンセント3a,3b,3cへのAC電力の供給と遮断を制御する。つまり、電流検出部6,6a,6b,6cからの検出信号(電流検出情報)に基づいて、リレー回路9a,9b,9cの接点91a,91b,91cを導通させる(閉じる)かどうかを制御する。図2には、電流検出部6cから出力される検出信号Kと電流検出部6a,6b,6cから出力される検出信号K−a,K−b,K−cそれぞれとのアンドをとっているが、機能としては、リレー回路9a,9b,9cを動作させるためのドライブ回路(駆動回路)が含まれている。その駆動回路中にフォトカプラを使用してACとDCとを絶縁したり、ノイズからの保護回路なども製品設計としては必要となるが、このような回路動作を安定させるための回路の説明は省略する。
【0027】
なお、上述のリレー制御回路部4の制御信号や電流検出部6,6a,6b,6cからの検出信号(制御信号)の生成は、CPU,ROM,RAM等からなるマイコン(マイクロコンピュータ)による生成に置き換えることも考えられる。それは、制御するコンセントの数が増えることによって、構成部品が増えるため、マイコンによるプログラム制御とした方がコスト的に安く作れる場合もあるからである。また、マイコンにすることで、例えば電流検出部6,6a,6b,6cの電流値の判断基準をシステムによって変更することが容易になる。プログラムは、工場での組立時等に書き換えることで、様々なシステムに対応することが容易に実現することができる。なお、後述する第2実施形態においても、マイコンを用いることは可能である。
【0028】
次に、図1,図2に示したテーブルタップ100の回路の動作(AC供給遮断処理)について、図3,図4を参照して説明する。
図3は、テーブルタップ100の回路のAC供給オン時の動作例を示すフローチャートである。
図4は、テーブルタップ100の回路のAC供給オフ時の動作例を示すフローチャートである。
【0029】
ここでは、説明の都合上、図1で示した3台のMFPコントロール装置(C−BOX、C−BOX−a、C−BOX−b)200,300,400を使用すると共に、ACアダプタ201,301,401をそれぞれ接続するための3つの出力コンセント3a,3b,3cを有するテーブルタップ100を使用するシステムとする。また、システムに使用するコントロール装置によって消費電流値は異なるが、説明の都合上、コントロール装置200,300,400の各消費電流は、動作時(アイドル時含む)には0.5A〜3A、待機時には0.05A〜0.01Aとする。各コントロール装置200,300,400はMFP本体700の電源がオフであることをLANケーブル621〜625等経由で検知(検出)すると、自機に与えられたジョブがなければ、待機状態に移行する。
【0030】
まず、テーブルタップ100に接続された電子機器が動作中の状態を初期状態として(図3のステップS1)説明する。
MFPコントロール装置200(C−BOX)が待機状態になったことは、消費電流が0.05A以下になったことで電流検出部6によって検出される。この状態は、図3のステップS2に該当する。
その検出により、DC出力制御部7では、MFPコントロール装置200が待機状態になり、電流検出部6の検出信号(図2の信号K)を受けると、FET71がオン(DC出力制御ON)になり、ACアダプタ201以外のACアダプタ301,401もDC電力を供給可能な状態にする(図3のステップS3)。
【0031】
ここで、例えばDC出力制御部7では、出力ジャック8a,8bの本来のDC出力ラインと出力ジャック8のDC出力ラインとが、図2に示したようにダイオード72,73によって接続されているので、そのダイオード72,73の順方向電圧差により、DCジャック5a,5bからDC電力が供給されている間は、DCジャック5a,5bに接続されているACアダプタ301,401のDC出力が優先されることになる。
【0032】
MFPコントロール装置300(C−BOX−a)が待機状態になったこと(実際には0.05A〜0.01Aの電流)は、電流検出部6aによって検出される。この状態は、図3のステップS4に該当する。その検出により、リレー回路制御部4では、電流検出部6aからの検出信号K−aと、上述のMFPコントロール装置200(C−BOX)の待機状態時の検出信号Kとを受け、リレー回路9aの接点91aを開くことで、MFPコントロール装置300のACアダプタ301へのAC電力供給(機器aのAC供給)を遮断できる(図3のステップS5)。
【0033】
MFPコントロール装置400(C−BOX−b)の待機状態移行時の動作は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)の待機状態移行時の動作と同様なため、説明を省略するが、図3のステップS4〜S6を繰り返すことにより、MFPコントロール装置400へのAC電力供給(機器bのAC供給)も遮断できる。
【0034】
MFP本体700の電源がオフの間、MFPコントロール装置200(C−BOX)のACアダプタ201だけが動作し、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)およびMFPコントロール装置400(C−BOX−b)のACアダプタ301,401へのAC電力はリレー回路9a,9bによって遮断されているので、ACアダプタ2台分のAC/DC変換による電力損失分を無くすことが可能となる。
【0035】
次に、待機状態から、MFP本体700の電源がオンになった場合の動作について説明する。
MFP本体700の電源がオンになったことは、LANケーブル621〜625等経由で全てのMFPコントロール装置200〜400に通知される。
各コントロール装置200〜400は、それぞれその通知を受けると、起動状態に移行するが、これは電流検出部6によって検出される(図3のステップS6)。
【0036】
それによって、電流検出部6の検出信号Kの状態が通常モード(起動モード)に戻る(切り替わる)ため、リレー回路制御部4はリレー回路9a,9bの接点91a,91bを導通状態にする。これにより、電流検出部6a,6bからの検出信号K−a,K−bの状態も通常モードに切り替わる。これで全てのACアダプタ201〜401へのAC電力供給(機器のAC供給)を開始できる。この状態が図3のステップS7に該当する。
【0037】
次に、MFP本体700の電源がオフで全てのMFPコントローラ装置200〜400が待機状態(図4のステップS11)から、MFPコントローラ装置400(C−BOX−b)だけがメールの受信などで動作状態に移行した場合の動作について説明する。
MFP本体700の電源がオンになった時と同様に、MFPコントローラ装置200〜400のいずれかが起動状態に移行したことは、電流検出部6に0.5A以上の電流が検出されることによって判る(図4のステップS12)。
【0038】
電流検出部6の検出信号Kの状態が待機モードから通常モードに戻ることにより、リレー回路制御部4はリレー回路9a,9bの接点91a,91bを導通状態にする。それによって、ACアダプタ301,401へのAC供給が戻る(図4のステップS13)が、DCジャック5bに接続されているACアダプタ401のDC出力が優先され、電流検出部6,6aによって検出される電流の値が0.05A〜0.01Aに変化し、電流検出部6,6aの検出信号K,K−aの状態が待機モード状態となる(図4のステップS14,S16)ので、リレー回路制御部4はリレー回路9aの接点91aを再び遮断し、MFPコントローラ装置300(C−BOX−a)のACアダプタ301は非通電状態(機器nのAC供給遮断)となる(図4のステップS17)。
【0039】
なお、電流検出部6bがDCジャック5bから出力ジャック8bに流れる電流を検出できるようになったことで、例えばその電流値が起動モード時の電流値0.5〜3Aを超えた場合など、出力ジャック8に接続されている機器がMFPコントロール装置であるのか、別の電子機器であるのかを判断して制御することもできる。この場合は、電流検出部6bで起動モード時の電流値を超えたことを検出して対応する信号をリレー制御回路部4へ出力し、AC遮断制御を行わないようにすることができる。また例えば、電流値が4Aを超えたら電子機器の異常であるといった場合には、上記と同様に電流検出部6bで電流値を超えたことを検出して対応する信号をリレー制御回路部へ出力し、AC供給を遮断することが可能となる。それによって、電子機器が異常な状態でAC電力が供給されるという危険な状態を回避することができる。
【0040】
〔第2実施形態〕
次に、この発明の第2実施形態について説明する。
そしてまず、この第2実施形態であるテーブルタップにMFPコントロール装置以外の機器を接続した情報処理システムの代表的な接続例について、図5を参照して説明する。
図5は、その情報処理システムの代表的な接続例を示す図であり、図1と同じ部分には同一符号を付している。
【0041】
この実施形態のテーブルタップ100′では、タップ本体1′に2台のMFPコントロール装置200,300が接続され、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)のUSBケーブル(USBポート)310に接続して使用される周辺機900のACアダプタ901と、通信に使用するLANケーブル621〜623,626〜628を接続するためのハブ610′の電源ケーブル611が接続されている。
【0042】
ここで、前提条件としては、周辺機900をMFPコントロール装置300(C−BOX−a)が使用するため、ハブ610′は、情報処理装置801〜803が接続されているだけでなく、MFPコントロール装置300の電源と同期させて、MFPコントロール装置300にMFP本体700の電源に関する情報等の送信を行うために、常時電力が供給される必要がある。
また、タップ本体1′にはスイッチ手段である後述する連動オン/オフ切替スイッチ11a,11b,11c(図6参照)を追加している。
【0043】
次に、図5に示したテーブルタップ100′の回路構成について、図6を参照して説明する。
図6は、そのテーブルタップ100′の回路構成例を示す回路図であり、図2と同じ部分には同一符号を付している。
【0044】
このテーブルタップ100′の回路は、図2に示した第2実施形態のテーブルタップ100の回路に対して、DCジャック5,5a,5b,5cからそれぞれ入力されるDC電圧を検出する複数の電圧検出手段である電圧検出部10,10a,10b,10cを付加したものである。
電圧検出部10は、DCジャック5から入力されるDC電圧(DCジャック5の電源電圧)を検出することにより、そのDCジャック5にACアダプタ201が接続されていることを検出することができる。もし、DC電圧を検出できなければ、機器の接続なしを検出することになる。同様に、電圧検出部10a,10b,10cは、それぞれDCジャック5a,5b,5cへのACアダプタ等の接続の有無を検出することができる。よって、電圧検出部10,10a,10b,10cは、接続有無検出手段としての機能も果す。
【0045】
それによって、例えば、電圧検出部10aにより、DCジャック5aへの機器(そのACアダプタ等)の接続なしが検出された場合に、リレー回路制御部4は、電圧検出部10aからの信号により、対応するリレー回路9aをオンにし(接点91aを閉じ)、出力コンセント3aにAC電力を供給可能にすることができる。そうすれば、電流検出等の電源監視および制御の対象から外すことが可能となるので、余っている出力コンセント3aを他の機器へのサービス用コンセントとして提供することができるようになる。
【0046】
ここで、電圧検出部10,10a,10b,10cをそれぞれ構成する回路の最も簡易な例は、DCジャック5,5a,5b,5cのDCジャックコネクタを、それぞれ挿入検出ピンを有する3芯式とすることで、DCジャック5,5a,5b,5cが挿入(接続)の有無をGNDレベルまたはDC出力レベルとして判定可能となる。この判定結果を示す信号(検出信号)を電流検出部6,6a,6b,6cからの検出信号(電流検出結果出力信号)K,Ka,Kb,Kcに反映させ、検出信号R,Ra,Rb,Rc信号としてリレー制御回路部4へ出力する。また、DC電源の入力の有無を検出することで、通電の有無を検出信号R,Ra,Rb,Rc信号に条件として付加することも可能となる。
【0047】
電圧検出部10,10a,10b,10cに電圧レベルを判別する機能を持たせることで、予め設定された電圧レベルとは異なる異常電圧が入力された場合に、その異常電圧を示す信号をリレー制御回路部4へ出力し、そのリレー回路制御部4に対応するラインのAC供給を遮断させることで、機器の破損を回避することができる。
連動オン/オフ切替スイッチ(以下「連動スイッチ」ともいう)11a,11b,11cは、操作手段であり、電圧検出部10,10a,10b,10cのうち、隣接する電圧検出部間にそれぞれ介挿されている。これらの連動スイッチ11a,11b,11cは、それぞれ隣接するAC出力コンセントへのAC電力の供給(オン)と遮断(オフ)の切り替え制御(オン/オフ制御)を同期(連動)させるかどうかを切り替えるためのスイッチであり、異なる操作(オン/オフ)毎に異なる信号を出力する。
【0048】
例えば、連動スイッチ11aが連動を指示するオン信号が出力されると、隣接する出力コンセント3,3aのうち、一方の出力コンセント3に接続されているACアダプタ201からDC電力が供給されている場合、他方の出力コンセント3aに接続されているACアダプタ301からもDC電力が連動して供給できるように、リレー回路9の接点91aの切り替え制御を行わせることができる。
【0049】
このテーブルタップ100′の回路について、図5の接続例に合わせて説明する。
2台のMFPコントロール装置200,300はACアダプタ201,301は、それぞれAC入力用プラグ201a,301aがタップ本体1′のAC出力用コンセント3,3aに接続され、各々のDC出力用プラグ201b,301bがタップ本体1′のDC入力用ジャック5,5aに接続される。夫々に対応するDC出力用ジャック8,8aにDCケーブル601,602を介してMFPコントロール装置200,300が接続される。
【0050】
周辺機900のACアダプタ901のACプラグ901aがタップ本体1′のAC出力用コンセント3bに、ハブ610′の電源ケーブル611のACプラグ611aがタップ本体1′のAC出力用コンセント3cにそれぞれ接続され、DC出力側は直接各機器に接続するため、DC入力用入力ジャック5b,5cは未接続となる。
タップ本体1′では、DC入力を受けると、DC入力用入力ジャック5,5aへの接続はあるので、それらの接続によるリレー制御回路部4へ出力は、第1実施形態と同様である。
【0051】
DC入力のない周辺機900とハブ610′は、電圧検出部10b,10cで検出し、検出信号Rb,Rcとしてリレー制御回路部4へ出力して、リレー回路9b,9cの接点91b,91cは閉じたまま(導通状態)にコントロールすることで実現できる。
ハブ610′の電源は、MFPコントロール装置のように、待機状態というモードは特になく、常に通電状態である必要があるので、この状態のままの接続で問題ない。
【0052】
周辺機900は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)にUSB接続されているため、MFPコントロール装置300の電源状態に同期させてAC側の供給もオフ/オンにさせることで省エネ効果をあげることができる。これには、連動スイッチ11bを同期オンの状態に設定する。図5の連動スイッチ11b(B)は、同期させるという意味から電圧検出部10aと10bを直結するシンボルとしているが、例えば連動スイッチ11bがオフの状態はプルダウン抵抗でGNDレベルとし、オンの状態をDC入力用ジャック5bのDC入力電源レベルにすることで、この電圧レベルから連動スイッチ11bのオン/オフを検出(判別)することは可能となる。テーブルタップ100′のリレー制御回路部4によるDCジャック検出および連動スイッチによるAC供給処理フローの一例を図7に示す。
【0053】
そのAC供給処理フローについて、図7のコンセントAをMFPコントロール装置300(C−BOX−a)用、コンセントBを周辺機900用として説明する。
(1)ステップS21
コンセントA(AC出力用コンセント3a)には、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)のACアダプタ301が接続されており、DC入力もあるので、ステップS21へ移行する。
【0054】
(2)ステップS22
周辺機900をMFPコントロール装置300(C−BOX−a)の電源状態と連動さるため、連動スイッチ11bがオンになると、ステップS23へ移行する。
(3)ステップS23
コンセントB(AC出力用コンセント3b)には、周辺機900のACアダプタ901のACプラグ901aが接続されており、DC入力がないので、ステップS29へ移行する。
【0055】
(4)ステップS29
コンセントA(AC出力用コンセント3a)のAC電力供給の制御と、コンセントB(AC出力用コンセント3b)は連動することになる。つまり、周辺機900のACアダプタ901のAC供給制御は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)のACアダプタ301との間にある連動スイッチ11bがオンになることで、MFPコントロール装置300のAC電源制御と連動して周辺機900のAC電源供給がオフ/オンにされることになる。
【0056】
次に、図5に示したテーブルタップ100′の他の回路構成について、図8を参照して説明する。
図8は、そのテーブルタップ100′の他の回路構成例を示す回路図であり、図6と同じ部分には同一符号を付している。
このテーブルタップ100′の回路は、DC電流供給経路を複数持っている。
【0057】
DC出力制御部7′は、図6に示したDC出力制御部7に相当する回路を全てのDC出力ラインに備えている。
リレー制御回路部4′は、各電圧検出部10,10a,10b,10cからの検出信号K,K−a,K−b,K−c(各電流検出部6,6a,6b,6cから出力される検出信号の状態を反映させたもの)をDCライン毎にアンドをとり、そのDCライン毎の結果を示す制御信号をそれぞれリレー回路9,9a,9b,9cへ出力して、接点91,91a,91b,91cの開閉(オン/オフ)を制御する。
【0058】
この構成により、図2の回路では、AC出力用コンセント3およびDC入力用ジャック5にはMFPコントロール装置のACアダプタの接続が必要であったが、図8の回路では、どのコンセントを使用してもAC出力用コンセント3,3a,3b,3cのAC電力供給制御を行うことが可能となるので、他の機器が稼動中でも、機器の入れ替えをすることができる。
【0059】
次に、図8に示したタップ本体1′に備えているDC出力制御部7′を含むDC電力供給制御回路部の構成について、図9を参照して説明する。
図9は、そのDC電力供給制御回路部の構成例を機能的に示すブロック図である。
このDC電力供給制御回路部20は、図8のDC入力用ジャック5とDC出力用ジャック8との間のDCラインに備えたものであり、電圧検出回路部21,電流検出回路部22,FET71,他装置へのDC供給部23,およびDC出力制御回路部24からなる。なお、他の3つのDCラインにも、それぞれDC電力供給制御回路部を備えているが、DC電力供給制御回路部20と同様の構成のため、図示および説明を省略する。
【0060】
電圧検出回路部21は、図8の電圧検出部10の電圧検出を行う機能に相当する部分である。
電流検出回路部22は、図8の電流検出部6の電流検出を行う機能に相当する部分である。
他装置へのDC供給部23は、図8のダイオード72〜74に相当する部分であり、FET71がオンになっている場合、そのFET71のソース端子S側のDCラインに隣接する他のDCライン、つまりそのFET71のドレイン端子D側のDCラインを介して接続されている他の装置(機器)へDC供給を行わせる。
【0061】
他アダプタからのDC供給部30は、図8の他の3つのDCライン上のダイオード72a〜74a,72b〜74b,72c〜74cに相当する部分であり、他の出力コンセント3a,3b,3cにそれぞれ接続されているACアダプタ201,301,401のいずれかからDC供給(DC出力)が行われている場合、そのDC供給を受けることができる。
【0062】
DC出力制御回路部24は、図8の電圧検出部10のリレー制御回路部4への制御信号(コントロール信号)の出力制御の機能に相当する部分と、図8の電流検出部6のFET71への制御信号の出力制御の機能に相当する部分と、電流検出部6の他のDCラインからの電流検出の機能に相当する部分によって構成されており、電圧検出回路部21からの検出信号(コントロール信号)、電流検出回路部22からの検出信号、および他アダプタからのDC供給部30からの検出信号(他のACアダプタからのDC供給情報)に基づいて、以下の制御を行う。
【0063】
すなわち、FET71への制御信号の出力を制御することにより、DC出力用ジャック8へのDC出力制御(DC電力供給制御)を行う。つまり、対応するDCライン用のDC供給制御信号をFET71のゲート端子Gへ出力することにより、他のDCラインからのDC供給(電源供給)を行うか行わないかを制御できる。また、リレー制御回路4′を制御するための制御信号をリレー制御回路4′へ出力する。
【0064】
ここで、DC供給(DC入力)がなされている状態から待機状態になるまでの動作について説明する。ここでは、説明の都合上、タップ本体1′の出力コンセント3b,3cにACアダプタが接続されていないものとし、出力コンセント3,3aに接続されているACアダプタ201,301にそれぞれ対応するMFPコントロール装置200(C−BOX),300(C−BOX−a)のうち、MFPコントロール装置200(C−BOX)に対する動作についてのみ説明する。その前提条件については、後述する他の動作説明でも、同様とする。なお、DC供給されている状態と供給する動作をオン、逆にDC供給が遮断されている状態と遮断する動作をオフとする。
【0065】
(a1)初期状態では、2台のMFPコントロール装置200(C−BOX),300(C−BOX−a)とも動作状態である。
(a2)このときのMFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態を、信号Sa:オン、信号Sb:0.5〜3A(第1の所定値を超える起動モードに移行したことを示す)、信号Sc:オン、信号Sd:オン、信号Se:オンとする。
【0066】
(a3)その後、MFP本体700の電源がオフにされて、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)が先に待機状態になった場合、MFPコントロール装置300のACアダプタ301からのDC供給が遮断されるため、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.5〜3A、信号Sc:オン、信号Sd:オフ、信号Se:オンとなり、他アダプタからのDC供給部30より、他のACアダプタ301からのDC供給がオフになったことを示す信号Sd(オフ信号)がDC出力制御回路部24へ出力される。
【0067】
(a4)MFPコントロール装置200(C−BOX)も待機状態に移行すると、対応するDCラインの電流値が変化するので、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.05〜0.1A(第2の所定値以下になる待機モードに移行したことを示す)、信号Sc:オン、信号Sd:オフ、信号Se:オンとなる。FET71へ出力する信号Sc(DC供給制御信号)と、リレー制御回路部4への信号Seは、信号Sdがオフであるため、オンとなる。そのため、リレー回路9の接点91は導通状態を保持することにより、MFP本体700の電源が再びオンになると、MFPコントロール装置200は動作状態にすぐに移行できる。
【0068】
次に、MFP本体700の電源がオフのままで、一旦MFPコントロール装置300(C−BOX−a)が起動状態になり、再び待機状態に戻るまでの動作について説明する。
(b1)起動状態になった瞬間は、MFPコントロール装置300(C−BOX−a)へ電流が流れるので、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.5〜3A、信号Sc:オン、信号Sd:オフ、信号Se:オンとなる。
【0069】
(b2)図8のリレー制御回路部4′は、一旦全てのリレー回路91,91a,91b,91cをオンするため、MFPコントロール装置200(C−BOX)の各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.05〜0.1A、信号Sc:オン、信号Sd:オン、信号Se:オンとなる。
(b3)MFPコントロール装置200(C−BOX)は待機状態なので、その各コントロール信号の状態は、信号Sa:オン、信号Sb:0.05〜0.1A、信号Sc:オフ、信号Sd:オン、信号Se:オフとなる。
【0070】
(b4)リレー制御回路部4′によってMFPコントロール装置200(C−BOX)のDC入力が断たれるので、その各コントロール信号の状態は、信号Sa:オフ、信号Sb:0A、信号Sc:オフ、信号Sd:オン、信号Se:オフとなる。
このように、DC供給は、最後に動作している装置のアダプタから供給されることになり、固有のACアダプタだけが常に動作して寿命が短くなるという恐れが低減される。
【0071】
次に、図8に示したタップ本体1′に備えているリレー制御回路部4′およびその周辺回路部の構成について、図10を参照して説明する。
図10は、そのリレー制御回路部4′の構成例を機能的に示すブロック図である。
このリレー制御回路部4′は、DCライン判別手段としての機能を果すものであり、リレー回路9,9a,9b,9cのオン/オフを制御するリレー制御回路41の他に、待機時の電流検出の状態(リレー回路の状態に対応する)を示す情報を記憶する記憶手段に相当する電流検出記憶回路42を備えている。
【0072】
リレー制御回路41には、リレー回路9,9a,9b,9c、DC出力制御回路部24,24a,24b,24c、電流検出回路部22,22a,22b,22c、および電流検出記憶回路42が接続されている。DC出力制御回路部24a,24b,24cは、図9のDC出力制御回路部24と同様の構成であり、DC出力制御回路部24を備えているDCラインとは異なる3つのDCラインにそれぞれ備えられている。電流検出回路部22a,22b,22cは、図9の電流検出回路部22と同様の構成であり、電流検出回路部22を備えているDCラインとは異なる3つのDCラインにそれぞれ備えられている。
【0073】
ラッチ信号Shは、リレー制御回路41が全てのリレー回路9,9a,9b,9cをオンにするときに出力する信号である。
電流検出記憶回路42は、信号Shをトリガとして電流検出回路部22,22a,22b,22cの電流検出状態情報を記憶(ラッチ)する。この時の出力信号Siは、リレー制御回路41へ入力される。電流検出状態情報としては、起動状態(起動モード)時の0.5〜3Aの電流を検出した時の検出信号と、待機状態(待機モード)時の0.05〜0.1Aの電流を検出した時の検出信号があるが、ここでは、説明の都合上、前者の検出信号を電流検出有り情報、後者の検出信号を電流検出無し情報とする。また、以下で示す電流検出とは、0.5〜3Aの電流検出とする。
【0074】
ここで、タップ本体1′の出力コンセント3,3a,3b,3cには、図1に示したMFPコントロール装置200,300,400,500のACアダプタ201,301,401,501が接続されているものとする。そして、初期の状態として、リレー回路9がオン、リレー回路9a,9b,9cがオフで、4台のMFPコントロール装置200〜500とも待機状態であるとする。
【0075】
(A)電流検出回路部22による電流検出を含む動作
その後、MFPコントロール装置300が起動し、その他のMFPコントロール装置200,400,500は待機状態のままであり、再びMFPコントロール装置300が待機状態に入った時の動作は、まず電流検出回路部22が電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22の電流検出有り信号(リレー回路9オンに対応する)および電流検出回路部22a,22b,22cの電流検出無し信号(リレー回路9a,9b,9cオフに対応する)を記憶する。
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
【0076】
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300のみであるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで更に、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じでないため、そのままリレー回路9aをオンにする。
【0077】
(B)電流検出回路部22aによる電流検出を含む動作
次に、またMFPコントロール装置300が起動状態から待機状態に移行する場合、今度は電流検出回路部22aが電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22aの電流検出有り信号(リレー回路9aオンに対応する)および電流検出回路部22,22b,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9b,9cオフに対応する)を記憶する。
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
【0078】
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300であるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じであるため、リレー回路9bをオンにし、リレー回路9aをオフにする。
【0079】
(C)電流検出回路部22bによる電流検出を含む動作
その後、再びMFPコントロール装置300が起動状態から待機状態に移行する場合、今度は電流検出回路部22bが電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22bの電流検出有り信号(リレー回路9bオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9cオフに対応する)を記憶する。
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
【0080】
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300であるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じでないため、そのままリレー回路9aをオンにする。
【0081】
ここで、MFPコントロール装置300が起動→待機を繰り返していった場合の動作は、(C)→(B)→(C)→(B)→(C)・・・となるが、電流検出記憶回路42からの出力信号が示す情報として、過去3回分の情報を図示しない不揮発性メモリ(フラッシュメモリ等)に記憶しておけば、後述する(D)に示す制御を含めた(C)→(B)→(D)→(B)→(A)→(B)→(C)・・・という動作を行わせることができる。これは、例えば信号Siを3回出力する場合、2回目は1回目の信号Siのリターン、3回目は2回目の信号Siのリターンとすることで対応できる。
【0082】
この場合、1本目の信号Siは、電流検出回路部22bの電流検出有り信号(リレー回路9bオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9cオフに対応する)を、2本目の信号Siは、電流検出回路部22aの電流検出有り信号(リレー回路9aオンに対応する)および電流検出回路部22,22b,22cの電流検出無し信号(リレー回路9,9b,9cオフに対応する)、3本目の信号Siは、電流検出回路部22cの電流検出有り信号(リレー回路9cオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22bの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9bオフに対応する)をそれぞれ示す。
【0083】
(D)電流検出回路部22cによる電流検出を含む動作
例えば、(D)の動作の直前が(B)の動作の場合、リレー回路9cがオンを保持し、電流検出記憶回路42が電流検出回路部22cの電流検出有り信号(リレー回路9cオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22bの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9bオフに対応する)を記憶しているため、MFPコントロール装置300が再び起動状態から待機状態に移行する場合、電流検出回路部22cが電流を検出して、リレー制御回路41は全てのリレー回路9,9a,9b,9cを一旦オンにする。このとき、ラッチ信号Shを出力するため、電流検出記憶回路42は電流検出回路部22cの電流検出有り信号(リレー回路9cオンに対応する)および電流検出回路部22,22a,22bの電流検出無し信号(リレー回路9,9a,9bオフに対応する)を記憶する。
【0084】
信号Siは、電流検出記憶回路42が電流検出状態情報を持っていて、リレー制御回路41へ出力される。
このとき、動作しているのはMFPコントロール装置300であるため、リレー制御回路41は、DC出力制御回路部24からの信号により、リレー回路9aを残し、他のリレー回路9,9b,9cをオフにする。
その後、MFPコントロール装置300も待機状態に入るが、リレー回路9,9b,9cはオフになっているので、リレー制御回路41はリレー回路9aをそのままオンに保持する。ここで、このときの各電流検出回路部22,22a,22b,22cの状態(各リレー回路9,9a,9b,9cの状態に対応する)を信号Siが示す電流検出情報と比較するが、状態が同じでないため、不揮発性メモリ内の過去3回分の情報よりそのままリレー回路9aをオンにする。
【0085】
それによって、その後MFPコントロール装置300が再び起動状態から待機状態に移行する場合、(B)の動作を行うことになる。但し、次にMFPコントロール装置300が再び起動状態から待機状態に移行する場合、(A)の動作に移行するため、(B)の動作の最後に不揮発性メモリ内の過去3回分の情報よりリレー回路9をオンにする。
【0086】
上述した制御により、例えば頻繁に待機と起動を繰り返すようなアプリケーションを搭載している機器があった場合に、1つのACアダプタに集中することなく動作させることが可能になるので、1つのACアダプタだけに偏って消耗することがなくなる。システム全体として、個々のACアダプタの寿命を長く見積もることが可能となる。これは、ACアダプタを選定する場合に、動作期間が短縮されるので、より小型で低価格のACアダプタを採用できることが期待できる。
【0087】
次に、図5に示したテーブルタップ100′の外観について、図11を参照して説明する。
図11は、そのテーブルタップ100′の外観例を示す斜視図である。なお、図1に示したテーブルタップ100も略同様な外観であるため、その図示および説明は省略する。
【0088】
テーブルタップ100′は、図5のMFPコントロール装置200など、電源を完全に遮断することができない機器を複数接続する場合にも、AC電源の供給を一部遮断することで、待機状態での無駄な消費電力を削減する効果を得ることが可能である。
また、従来、テーブルタップに複数台の機器を接続する場合、機器の裏側にあるACコンセントの周辺はケーブルが絡み合ったり、ACアダプタの置き場所がなく重ねたりと、乱雑になりやすいのが現状であるが、図11の(a)に示すように、テーブルタップ100′に図5のACアダプタ201,301等を収納できるようにアダプタトレイ101(電源装置を収納するスペース)を備えることで、ケーブルの抜けや機器の下敷きになって断線するような事故を防ぐことができる。
【0089】
MFPコントロール装置200に接続するDCケーブル601や、周辺機900のUSBケーブル310は、図11の(b)に示すように、テーブルタップ100′の背面にまわすことができるように、ケーブル出し口102を設けてある。
背面にあるAC遮断用スイッチ103は、長期間使用しない時には全てのAC出力用コンセント3,3a,3b,3cからACアダプタ201等を抜くのは手間がかかるため、AC全体を遮断できるようにしたスイッチ手段である。このようなスイッチ手段は、AC出力用コンセント3,3a,3b,3cの近くが一般的に分かりやすいが、誤操作を防ぐにはテーブルタップ100′の背面に配置するのが望ましい。なお、背面へのアクセスが困難と予想される場合など、別の位置にAC遮断用スイッチ103を配置することも考えられる。
【0090】
また、テーブルタップ100′は、接続するMFPコントロール装置200等の機器と同形状にして、それらの機器を上に乗せるラック構造になっており、省スペース化を図っている。
さらに、テーブルタップ100′下部に移動用の車輪104を備えている。それによって、機器の移動が容易になり、近くにMFP本体700の開口部があったり、棚の開き戸があるような設置条件が限られている狭いスペースでも、テーブルタップ100′を設置することが可能となる。
【0091】
ACアダプタを複数置くことから、発熱の問題を考慮し、図11の例では、テーブルタップ100′の側面の壁を無くした構造としているが、例えば安全上の問題などから側面を塞ぐこともある。この場合は、タップ本体1′にACアダプタのDC電源がすでに入力されている場合、そのDC電源をDC駆動用の冷却ファンの電源とすることができるので、ファン用に新たに電源装置を用意することなく、少ない消費電力で容易にファンを取り付けることが可能となる。
【0092】
なお、図1や図5に示したテーブルタップには、MFPの一部であるMFPコントロール装置やその周辺機を接続可能にしたが、デジタル複写機やプリンタ等の他の画像形成装置をコントロールするコントロール装置には勿論、画像形成装置本体、あるいはPC等の情報処理装置など、各種電子機器を接続することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上の説明から明らかなように、この発明のテーブルタップによれば、必要のないACラインを切断して、電源装置で無駄に消費されていた電力を軽減することができる。したがって、ユーザの省エネルギー要求に応えるテーブルタップを提供することができる。
【符号の説明】
【0094】
1,1′:タップ本体
2,201a,301a,401a,501a:AC入力用プラグ
3,3a,3b,3c:AC出力用コンセント 4,4′:リレー制御回路部
5,5a,5b,5c:DC入力用ジャック 6,6a,6b,6c:電流検出部
7,7′:DC出力制御部 8,8a,8b,8c:DC出力用ジャック
9,9a,9b,9c:リレー回路 10,10a,10b,10c:電圧検出部
11a,11b,11c:連動オン/オフ切替スイッチ
20:DC電力供給制御回路部 21:電圧検出回路部
22,22a,22b,22c:電流検出回路部 23:他装置へのDC供給部
24:DC出力制御回路部 30:他アダプタからのDC供給部
41:リレー制御回路 42:電流検出記憶回路
71,71a,71b,71c:MOSFET
72〜74,72a〜74a,72a〜74a:ダイオード
100,100′:テーブルタップ
101:アダプタトレイ 102:ケーブル出し口 103:AC遮断用スイッチ
104:車輪 200,300,400,500:MFPコントロール装置
201,301,401,501:ACアダプタ
201a,301a,401a,501a:AC入力用プラグ
201b,301b,401b,501b:DC出力用プラグ
601,602,603,604:DC出力用ケーブル 610,610′:ハブ
611:電源ケーブル 621〜628:LANケーブル 700:MFP本体
801〜803:情報処理装置 900:周辺機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開2004−179035号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を直流電力に変換する複数の電源装置に交流電力を供給できるテーブルタップであって、
商用電源に交流電力を入力可能に接続するための交流入力接続手段と、
前記複数の各電源装置の交流電力入力端を、前記交流入力接続手段を介して供給される交流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の交流出力接続手段と、
該複数の各交流出力接続手段にそれぞれ交流電力入力端が接続される前記複数の各電源装置の直流電力出力端を接続可能な複数の直流入力接続手段と、
直流電力によって動作する複数の電子機器の各直流電力入力端を、前記複数の各直流入力接続手段を介して前記複数の各電源装置から供給される直流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の直流出力接続手段と、
前記複数の各直流入力接続手段から前記複数の各直流出力接続手段へそれぞれ流れる直流電流を個別に検出する複数の電流検出手段と、
該複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、前記複数の各直流出力接続手段にそれぞれ出力する直流電力を制御する直流出力制御手段と、
前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、前記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御する交流出力制御手段と
を設けたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項2】
請求項1に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各直流入力接続手段への前記電源装置の前記直流電力入力端の接続の有無を検出する複数の接続有無検出手段を設け、
前記交流出力制御手段は、前記複数の各接続有無検出手段の検出結果によっても前記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項3】
前記交流出力制御手段は、前記複数の各接続有無検出手段によって電源装置の直流電力入力端の接続なしが検出された場合に、該電源装置の交流電力入力端が接続可能な交流出力接続手段に交流電力を供給可能に制御することを特徴とする請求項2に記載のテーブルタップ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各直流入力接続手段からそれぞれ入力される直流電圧を検出する複数の電圧検出手段を設け、
前記交流出力制御手段は、前記複数の電圧検出手段によって検出された直流電圧が予め設定された電圧レベルとは異なる異常電圧であった場合に、該異常電圧が入力された電源装置が接続されている交流出力接続手段への交流電力を遮断することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記交流入力接続手段と前記複数の交流出力接続手段のいずれか1つとを直結したことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項6】
請求項4に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の電圧検出手段の隣接する各電圧検出手段間にそれぞれ、複数の操作手段を備え、
前記交流出力制御手段は、前記複数の各操作手段の操作を前記複数の各電圧検出手段を介して判別し、その判別の結果に基づいて、前記複数の交流出力接続手段の隣接する各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を必要に応じて同期させることを特徴とするテーブルタップ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各直流入力接続手段から前記複数の各直流出力接続手段へのそれぞれの直流出力ラインに前記直流出力制御手段をそれぞれ備えたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項8】
請求項7に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した場合に、動作中の電子機器の直流電力入力端が接続されている直流出力接続手段の直流ラインを判別する直流ライン判別手段と、
前記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を記憶する記憶手段とを設け、
前記交流出力制御手段は、前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した直後に、前記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力を供給可能に制御する手段と、該手段による制御の直前に前記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を前記記憶手段に記憶させる手段と、前記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力が供給可能に制御された後、前記直流ライン判別手段によって判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段と、該手段による制御後、前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値の全てが前記第1の所定値より小さい第2の所定値以下になる待機モードに移行する直前に、前記複数の各電流検出手段の状態を前記記憶手段に記憶されている情報が示す状態と比較し、両状態が一致する場合にのみ、前記判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段とは異なる交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段とを有することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の交流出力接続手段に接続される前記電源装置を収納するスペースを設けたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記交流入力接続手段から前記複数の交流出力接続手段への全ての交流電力を遮断するためのスイッチ手段を設けたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項1】
交流電力を直流電力に変換する複数の電源装置に交流電力を供給できるテーブルタップであって、
商用電源に交流電力を入力可能に接続するための交流入力接続手段と、
前記複数の各電源装置の交流電力入力端を、前記交流入力接続手段を介して供給される交流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の交流出力接続手段と、
該複数の各交流出力接続手段にそれぞれ交流電力入力端が接続される前記複数の各電源装置の直流電力出力端を接続可能な複数の直流入力接続手段と、
直流電力によって動作する複数の電子機器の各直流電力入力端を、前記複数の各直流入力接続手段を介して前記複数の各電源装置から供給される直流電力をそれぞれ出力可能に接続するための複数の直流出力接続手段と、
前記複数の各直流入力接続手段から前記複数の各直流出力接続手段へそれぞれ流れる直流電流を個別に検出する複数の電流検出手段と、
該複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、前記複数の各直流出力接続手段にそれぞれ出力する直流電力を制御する直流出力制御手段と、
前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出される直流電流の値に基づいて、前記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御する交流出力制御手段と
を設けたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項2】
請求項1に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各直流入力接続手段への前記電源装置の前記直流電力入力端の接続の有無を検出する複数の接続有無検出手段を設け、
前記交流出力制御手段は、前記複数の各接続有無検出手段の検出結果によっても前記複数の各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を制御することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項3】
前記交流出力制御手段は、前記複数の各接続有無検出手段によって電源装置の直流電力入力端の接続なしが検出された場合に、該電源装置の交流電力入力端が接続可能な交流出力接続手段に交流電力を供給可能に制御することを特徴とする請求項2に記載のテーブルタップ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各直流入力接続手段からそれぞれ入力される直流電圧を検出する複数の電圧検出手段を設け、
前記交流出力制御手段は、前記複数の電圧検出手段によって検出された直流電圧が予め設定された電圧レベルとは異なる異常電圧であった場合に、該異常電圧が入力された電源装置が接続されている交流出力接続手段への交流電力を遮断することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記交流入力接続手段と前記複数の交流出力接続手段のいずれか1つとを直結したことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項6】
請求項4に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の電圧検出手段の隣接する各電圧検出手段間にそれぞれ、複数の操作手段を備え、
前記交流出力制御手段は、前記複数の各操作手段の操作を前記複数の各電圧検出手段を介して判別し、その判別の結果に基づいて、前記複数の交流出力接続手段の隣接する各交流出力接続手段への交流電力の供給と遮断を必要に応じて同期させることを特徴とするテーブルタップ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各直流入力接続手段から前記複数の各直流出力接続手段へのそれぞれの直流出力ラインに前記直流出力制御手段をそれぞれ備えたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項8】
請求項7に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した場合に、動作中の電子機器の直流電力入力端が接続されている直流出力接続手段の直流ラインを判別する直流ライン判別手段と、
前記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を記憶する記憶手段とを設け、
前記交流出力制御手段は、前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値のいずれか1つのみが第1の所定値を超える起動モードに移行した直後に、前記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力を供給可能に制御する手段と、該手段による制御の直前に前記複数の各電流検出手段の状態を示す情報を前記記憶手段に記憶させる手段と、前記複数の各交流出力接続手段の全てに一旦交流電力が供給可能に制御された後、前記直流ライン判別手段によって判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段と、該手段による制御後、前記複数の各電流検出手段によってそれぞれ検出された電流の値の全てが前記第1の所定値より小さい第2の所定値以下になる待機モードに移行する直前に、前記複数の各電流検出手段の状態を前記記憶手段に記憶されている情報が示す状態と比較し、両状態が一致する場合にのみ、前記判別された直流ラインに対応する交流出力接続手段とは異なる交流出力接続手段にのみ交流電力を供給可能に制御する手段とを有することを特徴とするテーブルタップ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記複数の交流出力接続手段に接続される前記電源装置を収納するスペースを設けたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のテーブルタップにおいて、
前記交流入力接続手段から前記複数の交流出力接続手段への全ての交流電力を遮断するためのスイッチ手段を設けたことを特徴とするテーブルタップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−198543(P2011−198543A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62251(P2010−62251)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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