テープ印刷装置
【課題】家計簿を容易に作成することが可能なテープ印刷装置を提供する。
【解決手段】ユーザは、処理選択画面V2で「収入の入力」及び「支出の入力」の選択を繰り返すことによって、複数の収支情報(収入情報及び支出情報)を入力することができる。そして、これらの収支情報が1件ずつ入力される度に、RAM上に収支情報が追加されるとともに、RAM上の収入合計、支出合計、及び残高が更新され、これらの更新が、処理選択画面V2上にも反映される。また、ユーザは、必要な全件の収支情報を入力した後、処理選択画面V2で「印刷の実行」を選択することにより、入力した収入情報、及び支出情報と、計算結果である収入合計、支出合計、及び残高とをテープに印刷させることができる。
【解決手段】ユーザは、処理選択画面V2で「収入の入力」及び「支出の入力」の選択を繰り返すことによって、複数の収支情報(収入情報及び支出情報)を入力することができる。そして、これらの収支情報が1件ずつ入力される度に、RAM上に収支情報が追加されるとともに、RAM上の収入合計、支出合計、及び残高が更新され、これらの更新が、処理選択画面V2上にも反映される。また、ユーザは、必要な全件の収支情報を入力した後、処理選択画面V2で「印刷の実行」を選択することにより、入力した収入情報、及び支出情報と、計算結果である収入合計、支出合計、及び残高とをテープに印刷させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープに印刷を行うテープ印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータを用いて家計の管理を行うことが可能となっている(特許文献1参照)。パーソナルコンピュータを用いる場合には、家計簿(帳簿)に手書きで記帳する場合に比べて、品目や金額の入力が容易になるほか、合計金額や残高等の計算が自動的且つ正確になされるため、ユーザにとって多くの利便がもたらされる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−145840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パーソナルコンピュータを用いて家計の管理を行う場合には、金額等の情報を入力するときは勿論、入力済みの情報を後で閲覧しようとするときにも、パーソナルコンピュータを起動させて所定のアプリケーションプログラムを立ち上げなければならず、利用可能となるまで待たされてしまうことがある。ここで、入力済みの情報をプリンタ等を用いて印刷するようにすれば、印刷物によって情報の閲覧が可能になるため、閲覧のためだけにパーソナルコンピュータを起動させる必要はなくなる。しかしながら、多くの場合、情報の視認性をよくしたり、印刷物の浪費を抑えたりする目的で、複数日単位(週単位や月単位等)でまとめて印刷されるようになっているため、一部の情報については、パーソナルコンピュータを用いなければ閲覧することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るテープ印刷装置は、テープに印刷を行うテープ印刷装置であって、収入金額及び支出金額が入力される入力操作部と、前記入力操作部に入力された前記収入金額及び前記支出金額に基づいて収支計算を行う計算部と、前記計算部による計算結果を、所定の書式に基づいて前記テープに印刷する印刷部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
このテープ印刷装置によれば、入力された収入金額及び支出金額に基づいて収支計算を行い、その計算結果をテープに印刷する構成であるため、印刷されたテープを適宜台紙等に貼り付けることによって容易に家計簿を作成することが可能となる。また、パーソナルコンピュータを用いる場合のように、起動時に長時間待たされることがなくなる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係るテープ印刷装置において、不揮発性の記憶装置で構成される記憶部をさらに備え、前記計算部は、前記収支計算を行って残高を算出し、前記記憶部は、前記計算部によって算出された残高を記憶することが望ましい。
【0009】
このテープ印刷装置によれば、不揮発性の記憶装置で構成される記憶部に残高を記憶するため、前回の残高を加味した累積的な収支計算を行う場合でも、ユーザに残高を入力させる必要はなく、利便性が向上する。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係るテープ印刷装置において、前記テープの幅を識別するテープ幅識別部と、前記テープ幅識別部が識別した前記テープの幅に応じて、前記書式を切り換える制御部と、をさらに備えることが望ましい。
【0011】
このテープ印刷装置によれば、装着されたテープの幅に応じて書式が切り換わるため、テープの幅に応じた適切な書式で計算結果を印刷することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係るテープ印刷装置において、前記計算部は、前記収入金額が複数入力された場合の収入合計、前記支出金額が複数入力された場合の支出合計、及び残高を算出し、前記印刷部は、前記収入合計、前記支出合計、及び前記残高を、前記テープの長手方向に沿って所定の順序に配列させて印刷することが望ましい。
【0013】
このテープ印刷装置によれば、テープの長手方向に沿って、収入合計、支出合計、及び残高が所定の順序に配列されるため、複数のテープを台紙に貼り付ける際に、テープの長手方向と垂直な方向に順次貼り付けていくことにより、視認性の良好な表形式の家計簿を作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、入力された文字列等をテープに印刷するテープ印刷装置について、図面を参照して説明する。本実施形態のテープ印刷装置は、家計簿の作成を支援する家計簿作成支援機能(以降、単に「家計簿機能」とも呼ぶ。)を有している。
【0015】
図1及び図2は、本実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、テープ印刷装置1は、本体が筐体10に収容された構成を有しており、筐体10の上面手前側には、入力操作部としてのキーボード11が備えられている。キーボード11は、文字を入力するための多数の文字キーや、テープ印刷装置1に対して各種動作を指示するための複数の制御キーを有している。キーボード11が備える制御キーには、電源のオンとオフとを切り換える電源キー、入力した文字等を確定させるための決定キー、カーソルの移動等に用いられるカーソルキー(上下左右の4方向に対応する4つのキー)、印刷を実行させる印刷キー、家計簿機能を利用するための家計簿キー等が含まれる。
【0016】
筐体10の上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12が備えられている。表示部12は、キーボード11から入力された文字の表示や、印刷イメージの表示、設定メニュー画面の表示等、各種画像の表示に用いられる。
【0017】
筐体10の上面奥側には、表示部12に隣接して、テープカートリッジ2を装着するための凹部13が形成されている。凹部13の開口部上には、開閉蓋14が開閉可能に備えられており、開閉蓋14を開放状態にすることによって、テープカートリッジ2を着脱することが可能となる。また、開閉蓋14には、光透過性を有する確認窓14aが備えられており、凹部13にテープカートリッジ2が装着されているか否かを外部から視認可能になっている。凹部13の底面には、凸状のサーマルヘッド15や、搬送機構16(図3参照)を構成する回転軸16a,16bが設けられており、凹部13にテープカートリッジ2を装着すると、テープカートリッジ2に設けられた孔状のヘッド嵌合部21にサーマルヘッド15が嵌合するとともに、回転軸16a,16bがそれぞれテープカートリッジ2の被駆動部22a,22bと係合する。
【0018】
テープカートリッジ2には、カートリッジケース20の内部に、ともに帯状のテープTとインクリボンRとが内蔵されている。テープTは、PET(ポリエチレンテレフタレート)或いは紙材等からなる基材の裏面に接着剤層が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープ印刷装置1は、テープTの幅や素材(基材の材質)、色等が異なる複数種類のテープカートリッジ2に対応可能であり、ユーザは、用途や好みに応じたテープカートリッジ2を使用することができる。なお、テープカートリッジ2の裏面には、内蔵するテープTの幅を識別可能な複数の孔(図示せず)が設けられており、テープ印刷装置1は、凹部13の底面に備えられたマイクロスイッチ等の識別センサ19(図3参照)によって、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅を識別することができる。
【0019】
テープカートリッジ2を凹部13に装着すると、テープTの表面は、ヘッド嵌合部21において、インクリボンRを介してサーマルヘッド15と対向するようになっており、サーマルヘッド15を発熱駆動することにより、入力された文字列等で構成される画像をテープTの表面に熱転写(印刷)することができる。また、この状態で回転軸16a,16bを回転駆動させると、テープTとインクリボンRは搬送されて、テープTはカートリッジケース20の外部に排出され、インクリボンRはカートリッジケース20の内部で巻き取られる。
【0020】
筐体10の側面には、凹部13と筐体10の外部とを連通するスリット17が設けられており、カートリッジケース20から排出された印刷済みのテープTは、スリット17を通って筐体10の外部に向けて所定量だけ搬送される。筐体10の内部には、スリット17を横断するテープTを切断可能なカッタユニット18が配設されており、テープTの印刷済みの部位は、このカッタユニット18によって切り離され、テープ片(ラベル)としてスリット17の開口部(テープ排出口)から排出される。
【0021】
図3は、テープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、テープ印刷装置1は、上述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16b(図2参照)を含む搬送機構16、カッタユニット18、識別センサ19の他に、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30と、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41と、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42と、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43と、カッタユニット18を駆動するカッタ駆動部44とを備えている。
【0022】
制御部30は、コンピュータとして機能するものであり、互いにバス30aを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、CGROM(キャラクタジェネレータROM)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36等を含んでいる。
【0023】
CPU31は、ROM33に記憶されている制御プログラムに従って動作し、テープ印刷装置1の各種動作を司る。また、家計簿機能を利用する際には、CPU31は、合計金額や残高を算出するための計算処理を行う。RAM32は、揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、CPU31の各種処理結果や、キーボード11から入力された文字の文字コード、表示部12に表示させる画像の画像データ等を一時的に記憶する。
【0024】
ROM33は、フラッシュメモリ等、書き換え可能な不揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、上述した制御プログラムや各種データ等を記憶する。本実施形態のROM33が記憶する制御プログラムには、家計簿機能を実現するための家計簿プログラムPAが含まれている。また、ROM33には、家計簿上の残高を記憶(保存)する残高保存領域BLが設けられている。
【0025】
CGROM34は、テープ印刷装置1で印刷可能な文字や記号等のフォントデータを記憶している。フォントデータは、文字等を印刷したり、表示部12に表示させたりする際に用いられるビットマップ形式のデータであり、それぞれ文字コードに対応付けられて記憶されている。CPU31は、文字コードを指定することによりCGROM34から対応するフォントデータを取得し、このフォントデータを用いて表示用及び印刷用の画像データを形成する。なお、フォントデータとしては、種々の文字サイズに対応させやすいアウトライン形式のフォントデータを用いるようにしてもよい。
【0026】
入力インターフェイス35には、キーボード11及び識別センサ19が接続されている。ユーザによりキーボード11が操作されると、キーボード11は、操作されたキーに対応するキー情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。また、識別センサ19は、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅に応じた識別情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。
【0027】
出力インターフェイス36には、表示駆動部41、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、及びカッタ駆動部44が接続されており、これらは、CPU31の制御に基づいて、表示部12、サーマルヘッド15、搬送機構16、及びカッタユニット18をそれぞれ駆動する。
【0028】
上記のように構成されたテープ印刷装置1において、ユーザにより電源キーが操作されると、テープ印刷装置1は、電源オンの状態となり、文字キーによる文字入力や、制御キーによる各種動作の指示が可能な状態となる。ここで、ユーザにより文字キーが操作され、文字が入力されると、CPU31は、キーボード11から入力されるキー情報に基づいて、入力された文字の文字コードを特定する。そして、CPU31は、この文字コードに対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示用の画像データを形成する。CPU31がこの画像データを表示駆動部41に供給すると、入力された文字が表示部12に表示される。文字の入力が繰り返された後で、ユーザにより印刷キーが操作されると、CPU31は、CGROM34から取得したフォントデータを用いて、入力された文字等からなる印刷用の画像データを形成する。そして、CPU31が、この画像データに基づいて、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43にそれぞれサーマルヘッド15及び搬送機構16を駆動させると、画像データに応じた画像がテープTに印刷される。その後、CPU31が、カッタ駆動部44にカッタユニット18を駆動させると、テープTは切断され、入力された文字等が印刷されたラベルが完成する。
【0029】
次に、テープ印刷装置1の家計簿機能について説明する。
テープ印刷装置1が電源オンの状態のときに、ユーザにより家計簿キーが操作されると、CPU31は、家計簿プログラムPAに従った動作を開始し、テープ印刷装置1の家計簿機能が利用可能となる。
【0030】
図4は、家計簿プログラムPAに従ったCPU31の動作を説明するためのフローチャートであり、図5(a)〜(d)は、表示部12の画面を示す説明図である。
図4に示すように、まず、ステップS101では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、日付を入力するための日付入力画面V1(図5(a)参照)を表示部12に表示させる。日付入力画面V1には、「月」を入力するための欄と、「日」を入力するための欄とが上下に並んで設けられており、ユーザは、文字キーを操作して各欄に数字を入力することによって、収支がなされた日付を指定することができる。なお、入力対象の欄を切り換える際には、上下方向に対応するカーソルキーを操作すればよい。そして、「月」及び「日」を入力した後にユーザが決定キーを操作すると、日付の入力が完了する。
【0031】
ステップS102では、CPU31は、日付の入力が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS103に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0032】
日付の入力が完了してステップS103に移行すると、CPU31は、入力された日付をRAM32に一時記憶する。そして、続くステップS104では、CPU31は、ROM33の残高保存領域BLから残高を読み出してRAM32に一時記憶する。
【0033】
ステップS105では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、実行すべき処理を選択するための処理選択画面V2(図5(b)参照)を表示部12に表示させる。処理選択画面V2には、選択領域SELが設けられており、この選択領域SELには、収入情報を入力するための「収入の入力」、支出情報を入力するための「支出の入力」、印刷を実行するための「印刷の実行」の3つの処理(処理の名称)が上下方向に列記されている。そして、3つのうちの1つの処理(図5(b)では「収入の入力」)は、ネガ表示(明暗が反転した表示)になっており、この処理が選択された状態であることを示している。ユーザは、上下方向に対応するカーソルキーを操作することによって任意の処理を選択することができる。そして、ユーザが所望の処理を選択した後に決定キーを操作すると、処理の選択が完了する。
【0034】
また、処理選択画面V2には、ユーザによって入力された日付が表示されているとともに、収入合計(収入の合計金額)、支出合計(支出の合計金額)、及び残高の3つの金額が表示可能になっている。このうち、残高としては、RAM32に記憶されている残高が読み出されて表示される。また、RAM32には、収入合計及び支出合計を記憶する領域も確保されているが、収入及び支出の入力がなされていない段階では、これらの金額はともに¥0であり、処理選択画面V2にもその金額(¥0)が反映される。
【0035】
ステップS106では、CPU31は、処理の選択が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS107に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0036】
ステップS107では、CPU31は、選択された処理が、上記3つのいずれであるかを判断する。そして、「収入の入力」が選択された場合には、ステップS108に移行して収入情報入力処理を実行した後にステップS105に戻る。また、「支出の入力」が選択された場合には、ステップS109に移行して支出情報入力処理を実行した後にステップS105に戻る。一方、「印刷の実行」が選択された場合には、ステップS110に移行して印刷処理を実行し、その後、フローを終了する。
【0037】
図6は、収入情報入力処理を説明するためのフローチャートであり、図7は、支出情報入力処理を説明するためのフローチャートである。また、図8(a)、(b)は、表示部12の画面を示す説明図である。
【0038】
処理選択画面V2にて「収入の入力」が選択されると、CPU31は、図6に示すフローに従って、収入情報入力処理を実行する。
図6に示すように、まず、ステップS121では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、収入情報を入力するための収入入力画面V3(図8(a)参照)を表示部12に表示させる。収入入力画面V3には、収入項目(例えば、「給与」、「ボーナス」、「臨時収入」等)を入力するための項目欄と、収入金額を入力するための金額欄とが設けられており、ユーザは、文字キーを操作して各欄に文字や数字を入力することができる。そして、収入項目と収入金額とを入力した後に、ユーザが決定キーを操作すると、1件の収入情報の入力が完了する。
【0039】
ステップS122では、CPU31は、収入情報の入力が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS123に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0040】
ステップS123では、CPU31は、入力された収入情報を、収入項目と収入金額とを対応付けてRAM32に一時記憶する。
【0041】
ステップS124では、CPU31は、入力された収入金額に基づいて収支計算を行い、収入合計及び残高を算出する。具体的には、CPU31は、RAM32に記憶されている収入合計及び残高を読み出して、入力された収入金額を双方に加算する。
【0042】
そして、ステップS125では、CPU31は、上記の計算結果、即ち加算後の収入合計及び残高をRAM32に一時記憶して双方の金額を更新した後、図4に示したフロー(メインフロー)のステップS105に戻る。
【0043】
収入情報の入力処理を終えてステップS105に戻ると、再び処理選択画面V2が表示される。ただし、図5(c)に示すように、収入情報の入力を終えた後では、収入合計及び残高の金額が更新されて表示される。また、この状態では、ユーザは、改めて任意の処理を選択することができるが、選択領域SELは、直前に実行した処理が引き続き選択された状態(ネガ表示)になっており、同一の処理を繰り返す場合には、ユーザは決定キーを操作するだけでよい。
【0044】
処理選択画面V2にて「支出の入力」が選択されると、CPU31は、図7に示すフローに従って、支出情報入力処理を実行する。
図7に示すように、まず、ステップS131では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、支出情報を入力するための支出入力画面V4(図8(b)参照)を表示部12に表示させる。支出入力画面V4には、支出項目(例えば、「食品」、「衣料品」、「日用品」等)を入力するための項目欄と、支出金額を入力するための金額欄とが設けられており、ユーザは、文字キーを操作して各欄に文字や数字を入力することができる。そして、支出項目と支出金額とを入力した後に、ユーザが決定キーを操作すると、1件の支出情報の入力が完了する。
【0045】
ステップS132では、CPU31は、支出情報の入力が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS133に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0046】
ステップS133では、CPU31は、入力された支出情報を、支出項目と支出金額とを対応付けてRAM32に一時記憶する。
【0047】
ステップS134では、CPU31は、入力された支出金額に基づいて収支計算を行い、支出合計及び残高を算出する。具体的には、CPU31は、RAM32に記憶されている支出合計及び残高を読み出して、入力された支出金額を双方に加算する。
【0048】
そして、ステップS135では、CPU31は、上記の計算結果、即ち加算後の支出合計及び残高をRAM32に一時記憶して双方の金額を更新した後、メインフローのステップS105に戻る。支出情報の入力処理を終えてステップS105に戻ると、処理選択画面V2には、支出合計及び残高の金額が更新されて表示される(図5(d)参照)。
【0049】
ユーザは、処理選択画面V2で「収入の入力」及び「支出の入力」の選択を繰り返すことによって、複数の収支情報(収入情報及び支出情報)を入力することができる。そして、これらの収支情報が1件ずつ入力される度に、RAM32上に収支情報が追加されるとともに、RAM32上の収入合計、支出合計、及び残高が更新され、これらの更新が、処理選択画面V2上にも反映される。また、ユーザは、必要な全件の収支情報を入力した後、処理選択画面V2で「印刷の実行」を選択することにより、入力した収入情報及び支出情報と、計算結果である収入合計、支出合計、及び残高とをテープTに印刷させることができる。なお、これ以降、収入情報、支出情報、収入合計、支出合計、及び残高のそれぞれを「家計情報」とも呼ぶ。
【0050】
図9は、印刷処理を説明するためのフローチャートである。また、図10は、印刷処理によって印刷がなされたテープTを示す平面図である。
【0051】
図9に示すように、まず、ステップS141では、CPU31は、RAM32に記憶されている家計情報を所定の書式で印刷すべく、整形処理を行う。書式とは、家計情報のレイアウト、文字サイズ、文字の向き、付加すべき罫線等を定めるものであり、家計簿プログラムPA内には、家計情報の印刷に適した家計簿用の書式が含まれている。そして、CPU31は、この家計簿用の書式に基づいて家計情報を整形し、印刷用の画像データを生成する。
【0052】
ステップS142では、CPU31は、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43に指示をして、生成した画像データに基づく画像を印刷させる。そして、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43が、CPU31の指示に応じて、それぞれサーマルヘッド15及び搬送機構16を駆動すると、家計情報が日付とともにテープTに印刷される(図10参照)。その後、CPU31は、カッタ駆動部44に指示をしてカッタユニット18を駆動させ、適切な位置(例えば、図10において破線で示した位置CL)でテープTを切断する。これにより、テープTの印刷済みの部位が切り離され、家計情報が印刷されたラベルLが完成する。なお、図10に示すように、本実施形態では、家計簿用の書式として、縦に置いたテープTに文字を横書きする態様の書式(縦型横書き)が採用されており、比較的テープ幅の広いテープTが用いられている。
【0053】
ステップS143では、CPU31は、RAM32に記憶されている残高をROM33の残高保存領域BLに記憶(保存)する。そして、メインフローに戻り、家計簿プログラムPAに従った動作を終了する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のテープ印刷装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
【0055】
(1)本実施形態のテープ印刷装置1によれば、入力された収入情報及び支出情報に基づいて収支計算を行い、その計算結果(収入合計、支出合計、及び残高)等をテープTに印刷してラベルLを形成する。このため、図11に示すように、形成されたラベルLを、日付毎に台紙(例えば、ノートや手帳等)NTに貼り付けていくことにより、容易に家計簿を作成することが可能となる。また、この構成によれば、パーソナルコンピュータを用いる場合のように、起動時に長時間待たされることがなくなる。
【0056】
(2)本実施形態のテープ印刷装置1によれば、不揮発性の記憶装置で構成されるROM33に残高を記憶するため、前回の残高を加味した累積的な収支計算を行う場合でも、ユーザに残高を入力させる必要はなく、利便性が向上する。なお、残高以外の家計情報については、ROM33に記憶しないようにしているため、すべての家計情報を蓄積していく場合に比べて、必要な記憶容量は僅かで済む。
【0057】
なお、本実施形態では、ステップS124及びステップS134を実行して収入合計、支出合計、及び残高を算出する際のCPU31が計算部に相当し、CPU31の制御に基づいてテープTに印刷を行うヘッド駆動部42、搬送駆動部43、サーマルヘッド15、及び搬送機構16が、印刷部に相当する。また、識別センサ19は、テープ幅識別部に相当する。
【0058】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0059】
上記実施形態では、家計簿用の書式が縦型横書きの場合を示しているが、家計簿用の書式は、これに限定されず、例えば、横型横書き、即ち横に置いたテープTに横書きする態様の書式を採用することもできる(図12(a)参照)。この場合には、縦型横書きの場合に比べて、比較的テープ幅の狭いテープTを用いることも可能になる。
【0060】
また、同じく図12(a)に示すように、収入に関する情報(収入情報及び収入合計)を含むブロックB1と、支出に関する情報(支出情報及び支出合計)を含むブロックB2と、残高を含むブロックB3とを、テープTの長手方向に沿って所定の順序に配列させて印刷する態様とすることが望ましい。この場合には、図13(a)に示すように、日付毎に形成された複数のラベルLを台紙NTに貼り付ける際に、同一のブロック同士が隣接するように、即ちテープT(ラベルL)の長手方向に垂直な方向に順次貼り付けていくことにより、視認性の良好な表形式の家計簿を作成することも可能となる。なお、この態様は、縦型横書きの書式にも適用可能である。また、各ブロックB1〜B3の長さ(テープT(ラベルL)の長手方向に沿った長さ)は、互いに異なっていてもよいが、整然と配列された表形式とするためには、それぞれの長さが常に(どのラベルLでも)一定である必要がある。
【0061】
さらに、この場合において、収入情報又は支出情報が1つのブロックに収まらない場合には、1つのブロックに収まるように収支情報の一部を省略するようにしてもよいし、或いは、図12(b)に示すように、すべての収支情報を印刷すべく、1つ或いは複数のブロックを新たに追加するようにしてもよい。図12(b)に示す例では、支出に関するブロックB2に支出情報が収まらないため、支出に関する2つ目のブロックB4を最後尾に追加している。そして、家計簿を作成する際には、追加されたブロックB4を切り離し、ブロックB2に隣接させて貼り付けるようにすれば(図13(b)参照)、表形式を維持することが可能となる。また、収入及び支出のいずれか一方に関して、入力すべき情報がない場合には、対応するブロックを設けないようにしてもよい。
【0062】
また、ユーザは、各ブロックB1〜B4をそれぞれ切り離して、自由なレイアウトで家計簿を作成することもできる。このとき、図12(a)、(b)に示すように、すべてのブロックB1〜B4に日付を印刷する書式を用いれば、日付の異なる複数のラベルLが入り混じった場合でも、どのラベルLがどの日付のものなのかを容易に識別することが可能となる。なお、カッタユニット18によってブロックB1〜B4毎に切断する構成にすることも可能である。
【0063】
上記実施形態では、収入情報、支出情報、収入合計、支出合計、及び残高のすべての家計情報を印刷するようにしているが、例えば、図14に示すように、収入合計、支出合計、及び残高のみを印刷するようにしてもよい。このように、印刷すべき家計情報を限定するとともに、横型横書きの書式を用いた場合には、さらにテープ幅の狭いテープTを用いることが可能となる。なお、この場合には、収入項目及び支出項目を入力する必要はない。
【0064】
上記実施形態において、家計簿用の書式はいずれか1つに限定されるものではなく、複数の書式の中からユーザの好みに応じて選択できるようにしてもよいし、装着されているテープTのテープ幅に応じて書式を切り換える態様(図15参照)にすることも可能である。
図15に例示した印刷処理では、まず、CPU31は、識別センサ19からの識別情報に基づいて、装着されているテープTのテープ幅が、所定値以上であるか否かを判断する(ステップS151)。そして、テープ幅が所定値以上の場合には、縦型横書きの書式で整形処理を施し(ステップS152)、テープ幅が所定値以上でない場合には、横型横書きの書式で整形処理を施す(ステップS153)。その後、印刷を実行して(ステップS154)、残高を保存し(ステップS155)、フローを終了する。
【0065】
上記実施形態では、収支情報の項目を文字で入力する態様を示したが、予め用意されている複数の項目名を、プルダウンメニュー等によってユーザに選択させるようにしてもよい。また、文字の代わりに、項目を識別可能な記号やアイコンを用いることも可能である。また、収支情報の項目は1階層に限られず、例えば、費目(「食費」等)と品名(「野菜」、「肉」等)のように、複数の階層を入力させるようにしてもよい。
【0066】
上記実施形態では、残高をROM33に記憶するようにしているが、収支情報とともに残高をもユーザに入力させる態様とすれば、残高をROM33に記憶する必要はなくなる。一方、残高に加えて他の家計情報(収支情報等)もROM33に記憶する態様とすることもできる。このような態様とすれば、収支情報の入力と家計情報の印刷とを異なるタイミングで行うことが可能となる。ここで、印刷が済んだ家計情報をROM33から消去するようにすれば、ROM33の記憶容量をさほど大きくせずに済む。
【0067】
上記実施形態では、家計簿キーが操作された際に、日付入力画面V1を表示して日付を入力させるようにしているが、テープ印刷装置1にカレンダ機能(日付記憶機能)を備えるようにすれば、都度日付を入力する必要がなくなる。
【0068】
上記実施形態では、テープTに文字列を印刷するための印刷方式として、サーマルヘッド15による熱転写方式を用いているが、この方式に限られず、インクジェット方式等、他の印刷方式を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】テープ印刷装置を示す斜視図。
【図2】テープ印刷装置を示す斜視図。
【図3】テープ印刷装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】家計簿プログラムに従ったCPUの動作を説明するためのフローチャート。
【図5】(a)〜(d)は、表示部の画面を示す説明図。
【図6】収入情報入力処理を説明するためのフローチャート。
【図7】支出情報入力処理を説明するためのフローチャート。
【図8】(a)、(b)は、表示部の画面を示す説明図。
【図9】印刷処理を説明するためのフローチャート。
【図10】印刷処理によって印刷がなされたテープを示す平面図。
【図11】テープ(ラベル)が貼り付けられた台紙を示す平面図。
【図12】(a)、(b)は、変形例に係る印刷後のテープを示す平面図。
【図13】(a)、(b)は、変形例に係るテープ(ラベル)が貼り付けられた台紙を示す平面図。
【図14】変形例に係る印刷後のテープを示す平面図。
【図15】変形例に係る印刷処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
1…テープ印刷装置、2…テープカートリッジ、10…筐体、11…キーボード、12…表示部、13…凹部、14…開閉蓋、15…サーマルヘッド、16…搬送機構、17…スリット、18…カッタユニット、19…識別センサ、20…カートリッジケース、21…ヘッド嵌合部、30…制御部、30a…バス、31…CPU、32…RAM、33…ROM、34…CGROM、35…入力インターフェイス、36…出力インターフェイス、41…表示駆動部、42…ヘッド駆動部、43…搬送駆動部、44…カッタ駆動部、PA…家計簿プログラム、BL…残高保存領域、T…テープ、R…インクリボン、L…ラベル、NT…台紙、V1…日付入力画面、V2…処理選択画面、V3…収入入力画面、V4…支出入力画面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープに印刷を行うテープ印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータを用いて家計の管理を行うことが可能となっている(特許文献1参照)。パーソナルコンピュータを用いる場合には、家計簿(帳簿)に手書きで記帳する場合に比べて、品目や金額の入力が容易になるほか、合計金額や残高等の計算が自動的且つ正確になされるため、ユーザにとって多くの利便がもたらされる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−145840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パーソナルコンピュータを用いて家計の管理を行う場合には、金額等の情報を入力するときは勿論、入力済みの情報を後で閲覧しようとするときにも、パーソナルコンピュータを起動させて所定のアプリケーションプログラムを立ち上げなければならず、利用可能となるまで待たされてしまうことがある。ここで、入力済みの情報をプリンタ等を用いて印刷するようにすれば、印刷物によって情報の閲覧が可能になるため、閲覧のためだけにパーソナルコンピュータを起動させる必要はなくなる。しかしながら、多くの場合、情報の視認性をよくしたり、印刷物の浪費を抑えたりする目的で、複数日単位(週単位や月単位等)でまとめて印刷されるようになっているため、一部の情報については、パーソナルコンピュータを用いなければ閲覧することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るテープ印刷装置は、テープに印刷を行うテープ印刷装置であって、収入金額及び支出金額が入力される入力操作部と、前記入力操作部に入力された前記収入金額及び前記支出金額に基づいて収支計算を行う計算部と、前記計算部による計算結果を、所定の書式に基づいて前記テープに印刷する印刷部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
このテープ印刷装置によれば、入力された収入金額及び支出金額に基づいて収支計算を行い、その計算結果をテープに印刷する構成であるため、印刷されたテープを適宜台紙等に貼り付けることによって容易に家計簿を作成することが可能となる。また、パーソナルコンピュータを用いる場合のように、起動時に長時間待たされることがなくなる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係るテープ印刷装置において、不揮発性の記憶装置で構成される記憶部をさらに備え、前記計算部は、前記収支計算を行って残高を算出し、前記記憶部は、前記計算部によって算出された残高を記憶することが望ましい。
【0009】
このテープ印刷装置によれば、不揮発性の記憶装置で構成される記憶部に残高を記憶するため、前回の残高を加味した累積的な収支計算を行う場合でも、ユーザに残高を入力させる必要はなく、利便性が向上する。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係るテープ印刷装置において、前記テープの幅を識別するテープ幅識別部と、前記テープ幅識別部が識別した前記テープの幅に応じて、前記書式を切り換える制御部と、をさらに備えることが望ましい。
【0011】
このテープ印刷装置によれば、装着されたテープの幅に応じて書式が切り換わるため、テープの幅に応じた適切な書式で計算結果を印刷することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係るテープ印刷装置において、前記計算部は、前記収入金額が複数入力された場合の収入合計、前記支出金額が複数入力された場合の支出合計、及び残高を算出し、前記印刷部は、前記収入合計、前記支出合計、及び前記残高を、前記テープの長手方向に沿って所定の順序に配列させて印刷することが望ましい。
【0013】
このテープ印刷装置によれば、テープの長手方向に沿って、収入合計、支出合計、及び残高が所定の順序に配列されるため、複数のテープを台紙に貼り付ける際に、テープの長手方向と垂直な方向に順次貼り付けていくことにより、視認性の良好な表形式の家計簿を作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、入力された文字列等をテープに印刷するテープ印刷装置について、図面を参照して説明する。本実施形態のテープ印刷装置は、家計簿の作成を支援する家計簿作成支援機能(以降、単に「家計簿機能」とも呼ぶ。)を有している。
【0015】
図1及び図2は、本実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、テープ印刷装置1は、本体が筐体10に収容された構成を有しており、筐体10の上面手前側には、入力操作部としてのキーボード11が備えられている。キーボード11は、文字を入力するための多数の文字キーや、テープ印刷装置1に対して各種動作を指示するための複数の制御キーを有している。キーボード11が備える制御キーには、電源のオンとオフとを切り換える電源キー、入力した文字等を確定させるための決定キー、カーソルの移動等に用いられるカーソルキー(上下左右の4方向に対応する4つのキー)、印刷を実行させる印刷キー、家計簿機能を利用するための家計簿キー等が含まれる。
【0016】
筐体10の上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12が備えられている。表示部12は、キーボード11から入力された文字の表示や、印刷イメージの表示、設定メニュー画面の表示等、各種画像の表示に用いられる。
【0017】
筐体10の上面奥側には、表示部12に隣接して、テープカートリッジ2を装着するための凹部13が形成されている。凹部13の開口部上には、開閉蓋14が開閉可能に備えられており、開閉蓋14を開放状態にすることによって、テープカートリッジ2を着脱することが可能となる。また、開閉蓋14には、光透過性を有する確認窓14aが備えられており、凹部13にテープカートリッジ2が装着されているか否かを外部から視認可能になっている。凹部13の底面には、凸状のサーマルヘッド15や、搬送機構16(図3参照)を構成する回転軸16a,16bが設けられており、凹部13にテープカートリッジ2を装着すると、テープカートリッジ2に設けられた孔状のヘッド嵌合部21にサーマルヘッド15が嵌合するとともに、回転軸16a,16bがそれぞれテープカートリッジ2の被駆動部22a,22bと係合する。
【0018】
テープカートリッジ2には、カートリッジケース20の内部に、ともに帯状のテープTとインクリボンRとが内蔵されている。テープTは、PET(ポリエチレンテレフタレート)或いは紙材等からなる基材の裏面に接着剤層が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープ印刷装置1は、テープTの幅や素材(基材の材質)、色等が異なる複数種類のテープカートリッジ2に対応可能であり、ユーザは、用途や好みに応じたテープカートリッジ2を使用することができる。なお、テープカートリッジ2の裏面には、内蔵するテープTの幅を識別可能な複数の孔(図示せず)が設けられており、テープ印刷装置1は、凹部13の底面に備えられたマイクロスイッチ等の識別センサ19(図3参照)によって、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅を識別することができる。
【0019】
テープカートリッジ2を凹部13に装着すると、テープTの表面は、ヘッド嵌合部21において、インクリボンRを介してサーマルヘッド15と対向するようになっており、サーマルヘッド15を発熱駆動することにより、入力された文字列等で構成される画像をテープTの表面に熱転写(印刷)することができる。また、この状態で回転軸16a,16bを回転駆動させると、テープTとインクリボンRは搬送されて、テープTはカートリッジケース20の外部に排出され、インクリボンRはカートリッジケース20の内部で巻き取られる。
【0020】
筐体10の側面には、凹部13と筐体10の外部とを連通するスリット17が設けられており、カートリッジケース20から排出された印刷済みのテープTは、スリット17を通って筐体10の外部に向けて所定量だけ搬送される。筐体10の内部には、スリット17を横断するテープTを切断可能なカッタユニット18が配設されており、テープTの印刷済みの部位は、このカッタユニット18によって切り離され、テープ片(ラベル)としてスリット17の開口部(テープ排出口)から排出される。
【0021】
図3は、テープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、テープ印刷装置1は、上述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16b(図2参照)を含む搬送機構16、カッタユニット18、識別センサ19の他に、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30と、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41と、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42と、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43と、カッタユニット18を駆動するカッタ駆動部44とを備えている。
【0022】
制御部30は、コンピュータとして機能するものであり、互いにバス30aを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、CGROM(キャラクタジェネレータROM)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36等を含んでいる。
【0023】
CPU31は、ROM33に記憶されている制御プログラムに従って動作し、テープ印刷装置1の各種動作を司る。また、家計簿機能を利用する際には、CPU31は、合計金額や残高を算出するための計算処理を行う。RAM32は、揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、CPU31の各種処理結果や、キーボード11から入力された文字の文字コード、表示部12に表示させる画像の画像データ等を一時的に記憶する。
【0024】
ROM33は、フラッシュメモリ等、書き換え可能な不揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、上述した制御プログラムや各種データ等を記憶する。本実施形態のROM33が記憶する制御プログラムには、家計簿機能を実現するための家計簿プログラムPAが含まれている。また、ROM33には、家計簿上の残高を記憶(保存)する残高保存領域BLが設けられている。
【0025】
CGROM34は、テープ印刷装置1で印刷可能な文字や記号等のフォントデータを記憶している。フォントデータは、文字等を印刷したり、表示部12に表示させたりする際に用いられるビットマップ形式のデータであり、それぞれ文字コードに対応付けられて記憶されている。CPU31は、文字コードを指定することによりCGROM34から対応するフォントデータを取得し、このフォントデータを用いて表示用及び印刷用の画像データを形成する。なお、フォントデータとしては、種々の文字サイズに対応させやすいアウトライン形式のフォントデータを用いるようにしてもよい。
【0026】
入力インターフェイス35には、キーボード11及び識別センサ19が接続されている。ユーザによりキーボード11が操作されると、キーボード11は、操作されたキーに対応するキー情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。また、識別センサ19は、装着されたテープカートリッジ2のテープ幅に応じた識別情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。
【0027】
出力インターフェイス36には、表示駆動部41、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、及びカッタ駆動部44が接続されており、これらは、CPU31の制御に基づいて、表示部12、サーマルヘッド15、搬送機構16、及びカッタユニット18をそれぞれ駆動する。
【0028】
上記のように構成されたテープ印刷装置1において、ユーザにより電源キーが操作されると、テープ印刷装置1は、電源オンの状態となり、文字キーによる文字入力や、制御キーによる各種動作の指示が可能な状態となる。ここで、ユーザにより文字キーが操作され、文字が入力されると、CPU31は、キーボード11から入力されるキー情報に基づいて、入力された文字の文字コードを特定する。そして、CPU31は、この文字コードに対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示用の画像データを形成する。CPU31がこの画像データを表示駆動部41に供給すると、入力された文字が表示部12に表示される。文字の入力が繰り返された後で、ユーザにより印刷キーが操作されると、CPU31は、CGROM34から取得したフォントデータを用いて、入力された文字等からなる印刷用の画像データを形成する。そして、CPU31が、この画像データに基づいて、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43にそれぞれサーマルヘッド15及び搬送機構16を駆動させると、画像データに応じた画像がテープTに印刷される。その後、CPU31が、カッタ駆動部44にカッタユニット18を駆動させると、テープTは切断され、入力された文字等が印刷されたラベルが完成する。
【0029】
次に、テープ印刷装置1の家計簿機能について説明する。
テープ印刷装置1が電源オンの状態のときに、ユーザにより家計簿キーが操作されると、CPU31は、家計簿プログラムPAに従った動作を開始し、テープ印刷装置1の家計簿機能が利用可能となる。
【0030】
図4は、家計簿プログラムPAに従ったCPU31の動作を説明するためのフローチャートであり、図5(a)〜(d)は、表示部12の画面を示す説明図である。
図4に示すように、まず、ステップS101では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、日付を入力するための日付入力画面V1(図5(a)参照)を表示部12に表示させる。日付入力画面V1には、「月」を入力するための欄と、「日」を入力するための欄とが上下に並んで設けられており、ユーザは、文字キーを操作して各欄に数字を入力することによって、収支がなされた日付を指定することができる。なお、入力対象の欄を切り換える際には、上下方向に対応するカーソルキーを操作すればよい。そして、「月」及び「日」を入力した後にユーザが決定キーを操作すると、日付の入力が完了する。
【0031】
ステップS102では、CPU31は、日付の入力が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS103に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0032】
日付の入力が完了してステップS103に移行すると、CPU31は、入力された日付をRAM32に一時記憶する。そして、続くステップS104では、CPU31は、ROM33の残高保存領域BLから残高を読み出してRAM32に一時記憶する。
【0033】
ステップS105では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、実行すべき処理を選択するための処理選択画面V2(図5(b)参照)を表示部12に表示させる。処理選択画面V2には、選択領域SELが設けられており、この選択領域SELには、収入情報を入力するための「収入の入力」、支出情報を入力するための「支出の入力」、印刷を実行するための「印刷の実行」の3つの処理(処理の名称)が上下方向に列記されている。そして、3つのうちの1つの処理(図5(b)では「収入の入力」)は、ネガ表示(明暗が反転した表示)になっており、この処理が選択された状態であることを示している。ユーザは、上下方向に対応するカーソルキーを操作することによって任意の処理を選択することができる。そして、ユーザが所望の処理を選択した後に決定キーを操作すると、処理の選択が完了する。
【0034】
また、処理選択画面V2には、ユーザによって入力された日付が表示されているとともに、収入合計(収入の合計金額)、支出合計(支出の合計金額)、及び残高の3つの金額が表示可能になっている。このうち、残高としては、RAM32に記憶されている残高が読み出されて表示される。また、RAM32には、収入合計及び支出合計を記憶する領域も確保されているが、収入及び支出の入力がなされていない段階では、これらの金額はともに¥0であり、処理選択画面V2にもその金額(¥0)が反映される。
【0035】
ステップS106では、CPU31は、処理の選択が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS107に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0036】
ステップS107では、CPU31は、選択された処理が、上記3つのいずれであるかを判断する。そして、「収入の入力」が選択された場合には、ステップS108に移行して収入情報入力処理を実行した後にステップS105に戻る。また、「支出の入力」が選択された場合には、ステップS109に移行して支出情報入力処理を実行した後にステップS105に戻る。一方、「印刷の実行」が選択された場合には、ステップS110に移行して印刷処理を実行し、その後、フローを終了する。
【0037】
図6は、収入情報入力処理を説明するためのフローチャートであり、図7は、支出情報入力処理を説明するためのフローチャートである。また、図8(a)、(b)は、表示部12の画面を示す説明図である。
【0038】
処理選択画面V2にて「収入の入力」が選択されると、CPU31は、図6に示すフローに従って、収入情報入力処理を実行する。
図6に示すように、まず、ステップS121では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、収入情報を入力するための収入入力画面V3(図8(a)参照)を表示部12に表示させる。収入入力画面V3には、収入項目(例えば、「給与」、「ボーナス」、「臨時収入」等)を入力するための項目欄と、収入金額を入力するための金額欄とが設けられており、ユーザは、文字キーを操作して各欄に文字や数字を入力することができる。そして、収入項目と収入金額とを入力した後に、ユーザが決定キーを操作すると、1件の収入情報の入力が完了する。
【0039】
ステップS122では、CPU31は、収入情報の入力が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS123に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0040】
ステップS123では、CPU31は、入力された収入情報を、収入項目と収入金額とを対応付けてRAM32に一時記憶する。
【0041】
ステップS124では、CPU31は、入力された収入金額に基づいて収支計算を行い、収入合計及び残高を算出する。具体的には、CPU31は、RAM32に記憶されている収入合計及び残高を読み出して、入力された収入金額を双方に加算する。
【0042】
そして、ステップS125では、CPU31は、上記の計算結果、即ち加算後の収入合計及び残高をRAM32に一時記憶して双方の金額を更新した後、図4に示したフロー(メインフロー)のステップS105に戻る。
【0043】
収入情報の入力処理を終えてステップS105に戻ると、再び処理選択画面V2が表示される。ただし、図5(c)に示すように、収入情報の入力を終えた後では、収入合計及び残高の金額が更新されて表示される。また、この状態では、ユーザは、改めて任意の処理を選択することができるが、選択領域SELは、直前に実行した処理が引き続き選択された状態(ネガ表示)になっており、同一の処理を繰り返す場合には、ユーザは決定キーを操作するだけでよい。
【0044】
処理選択画面V2にて「支出の入力」が選択されると、CPU31は、図7に示すフローに従って、支出情報入力処理を実行する。
図7に示すように、まず、ステップS131では、CPU31は、表示駆動部41に所定の画像データを出力して、支出情報を入力するための支出入力画面V4(図8(b)参照)を表示部12に表示させる。支出入力画面V4には、支出項目(例えば、「食品」、「衣料品」、「日用品」等)を入力するための項目欄と、支出金額を入力するための金額欄とが設けられており、ユーザは、文字キーを操作して各欄に文字や数字を入力することができる。そして、支出項目と支出金額とを入力した後に、ユーザが決定キーを操作すると、1件の支出情報の入力が完了する。
【0045】
ステップS132では、CPU31は、支出情報の入力が完了したか否かを判断する。そして、完了した場合にはステップS133に移行し、完了していない場合には本ステップを繰り返す。
【0046】
ステップS133では、CPU31は、入力された支出情報を、支出項目と支出金額とを対応付けてRAM32に一時記憶する。
【0047】
ステップS134では、CPU31は、入力された支出金額に基づいて収支計算を行い、支出合計及び残高を算出する。具体的には、CPU31は、RAM32に記憶されている支出合計及び残高を読み出して、入力された支出金額を双方に加算する。
【0048】
そして、ステップS135では、CPU31は、上記の計算結果、即ち加算後の支出合計及び残高をRAM32に一時記憶して双方の金額を更新した後、メインフローのステップS105に戻る。支出情報の入力処理を終えてステップS105に戻ると、処理選択画面V2には、支出合計及び残高の金額が更新されて表示される(図5(d)参照)。
【0049】
ユーザは、処理選択画面V2で「収入の入力」及び「支出の入力」の選択を繰り返すことによって、複数の収支情報(収入情報及び支出情報)を入力することができる。そして、これらの収支情報が1件ずつ入力される度に、RAM32上に収支情報が追加されるとともに、RAM32上の収入合計、支出合計、及び残高が更新され、これらの更新が、処理選択画面V2上にも反映される。また、ユーザは、必要な全件の収支情報を入力した後、処理選択画面V2で「印刷の実行」を選択することにより、入力した収入情報及び支出情報と、計算結果である収入合計、支出合計、及び残高とをテープTに印刷させることができる。なお、これ以降、収入情報、支出情報、収入合計、支出合計、及び残高のそれぞれを「家計情報」とも呼ぶ。
【0050】
図9は、印刷処理を説明するためのフローチャートである。また、図10は、印刷処理によって印刷がなされたテープTを示す平面図である。
【0051】
図9に示すように、まず、ステップS141では、CPU31は、RAM32に記憶されている家計情報を所定の書式で印刷すべく、整形処理を行う。書式とは、家計情報のレイアウト、文字サイズ、文字の向き、付加すべき罫線等を定めるものであり、家計簿プログラムPA内には、家計情報の印刷に適した家計簿用の書式が含まれている。そして、CPU31は、この家計簿用の書式に基づいて家計情報を整形し、印刷用の画像データを生成する。
【0052】
ステップS142では、CPU31は、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43に指示をして、生成した画像データに基づく画像を印刷させる。そして、ヘッド駆動部42及び搬送駆動部43が、CPU31の指示に応じて、それぞれサーマルヘッド15及び搬送機構16を駆動すると、家計情報が日付とともにテープTに印刷される(図10参照)。その後、CPU31は、カッタ駆動部44に指示をしてカッタユニット18を駆動させ、適切な位置(例えば、図10において破線で示した位置CL)でテープTを切断する。これにより、テープTの印刷済みの部位が切り離され、家計情報が印刷されたラベルLが完成する。なお、図10に示すように、本実施形態では、家計簿用の書式として、縦に置いたテープTに文字を横書きする態様の書式(縦型横書き)が採用されており、比較的テープ幅の広いテープTが用いられている。
【0053】
ステップS143では、CPU31は、RAM32に記憶されている残高をROM33の残高保存領域BLに記憶(保存)する。そして、メインフローに戻り、家計簿プログラムPAに従った動作を終了する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のテープ印刷装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
【0055】
(1)本実施形態のテープ印刷装置1によれば、入力された収入情報及び支出情報に基づいて収支計算を行い、その計算結果(収入合計、支出合計、及び残高)等をテープTに印刷してラベルLを形成する。このため、図11に示すように、形成されたラベルLを、日付毎に台紙(例えば、ノートや手帳等)NTに貼り付けていくことにより、容易に家計簿を作成することが可能となる。また、この構成によれば、パーソナルコンピュータを用いる場合のように、起動時に長時間待たされることがなくなる。
【0056】
(2)本実施形態のテープ印刷装置1によれば、不揮発性の記憶装置で構成されるROM33に残高を記憶するため、前回の残高を加味した累積的な収支計算を行う場合でも、ユーザに残高を入力させる必要はなく、利便性が向上する。なお、残高以外の家計情報については、ROM33に記憶しないようにしているため、すべての家計情報を蓄積していく場合に比べて、必要な記憶容量は僅かで済む。
【0057】
なお、本実施形態では、ステップS124及びステップS134を実行して収入合計、支出合計、及び残高を算出する際のCPU31が計算部に相当し、CPU31の制御に基づいてテープTに印刷を行うヘッド駆動部42、搬送駆動部43、サーマルヘッド15、及び搬送機構16が、印刷部に相当する。また、識別センサ19は、テープ幅識別部に相当する。
【0058】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0059】
上記実施形態では、家計簿用の書式が縦型横書きの場合を示しているが、家計簿用の書式は、これに限定されず、例えば、横型横書き、即ち横に置いたテープTに横書きする態様の書式を採用することもできる(図12(a)参照)。この場合には、縦型横書きの場合に比べて、比較的テープ幅の狭いテープTを用いることも可能になる。
【0060】
また、同じく図12(a)に示すように、収入に関する情報(収入情報及び収入合計)を含むブロックB1と、支出に関する情報(支出情報及び支出合計)を含むブロックB2と、残高を含むブロックB3とを、テープTの長手方向に沿って所定の順序に配列させて印刷する態様とすることが望ましい。この場合には、図13(a)に示すように、日付毎に形成された複数のラベルLを台紙NTに貼り付ける際に、同一のブロック同士が隣接するように、即ちテープT(ラベルL)の長手方向に垂直な方向に順次貼り付けていくことにより、視認性の良好な表形式の家計簿を作成することも可能となる。なお、この態様は、縦型横書きの書式にも適用可能である。また、各ブロックB1〜B3の長さ(テープT(ラベルL)の長手方向に沿った長さ)は、互いに異なっていてもよいが、整然と配列された表形式とするためには、それぞれの長さが常に(どのラベルLでも)一定である必要がある。
【0061】
さらに、この場合において、収入情報又は支出情報が1つのブロックに収まらない場合には、1つのブロックに収まるように収支情報の一部を省略するようにしてもよいし、或いは、図12(b)に示すように、すべての収支情報を印刷すべく、1つ或いは複数のブロックを新たに追加するようにしてもよい。図12(b)に示す例では、支出に関するブロックB2に支出情報が収まらないため、支出に関する2つ目のブロックB4を最後尾に追加している。そして、家計簿を作成する際には、追加されたブロックB4を切り離し、ブロックB2に隣接させて貼り付けるようにすれば(図13(b)参照)、表形式を維持することが可能となる。また、収入及び支出のいずれか一方に関して、入力すべき情報がない場合には、対応するブロックを設けないようにしてもよい。
【0062】
また、ユーザは、各ブロックB1〜B4をそれぞれ切り離して、自由なレイアウトで家計簿を作成することもできる。このとき、図12(a)、(b)に示すように、すべてのブロックB1〜B4に日付を印刷する書式を用いれば、日付の異なる複数のラベルLが入り混じった場合でも、どのラベルLがどの日付のものなのかを容易に識別することが可能となる。なお、カッタユニット18によってブロックB1〜B4毎に切断する構成にすることも可能である。
【0063】
上記実施形態では、収入情報、支出情報、収入合計、支出合計、及び残高のすべての家計情報を印刷するようにしているが、例えば、図14に示すように、収入合計、支出合計、及び残高のみを印刷するようにしてもよい。このように、印刷すべき家計情報を限定するとともに、横型横書きの書式を用いた場合には、さらにテープ幅の狭いテープTを用いることが可能となる。なお、この場合には、収入項目及び支出項目を入力する必要はない。
【0064】
上記実施形態において、家計簿用の書式はいずれか1つに限定されるものではなく、複数の書式の中からユーザの好みに応じて選択できるようにしてもよいし、装着されているテープTのテープ幅に応じて書式を切り換える態様(図15参照)にすることも可能である。
図15に例示した印刷処理では、まず、CPU31は、識別センサ19からの識別情報に基づいて、装着されているテープTのテープ幅が、所定値以上であるか否かを判断する(ステップS151)。そして、テープ幅が所定値以上の場合には、縦型横書きの書式で整形処理を施し(ステップS152)、テープ幅が所定値以上でない場合には、横型横書きの書式で整形処理を施す(ステップS153)。その後、印刷を実行して(ステップS154)、残高を保存し(ステップS155)、フローを終了する。
【0065】
上記実施形態では、収支情報の項目を文字で入力する態様を示したが、予め用意されている複数の項目名を、プルダウンメニュー等によってユーザに選択させるようにしてもよい。また、文字の代わりに、項目を識別可能な記号やアイコンを用いることも可能である。また、収支情報の項目は1階層に限られず、例えば、費目(「食費」等)と品名(「野菜」、「肉」等)のように、複数の階層を入力させるようにしてもよい。
【0066】
上記実施形態では、残高をROM33に記憶するようにしているが、収支情報とともに残高をもユーザに入力させる態様とすれば、残高をROM33に記憶する必要はなくなる。一方、残高に加えて他の家計情報(収支情報等)もROM33に記憶する態様とすることもできる。このような態様とすれば、収支情報の入力と家計情報の印刷とを異なるタイミングで行うことが可能となる。ここで、印刷が済んだ家計情報をROM33から消去するようにすれば、ROM33の記憶容量をさほど大きくせずに済む。
【0067】
上記実施形態では、家計簿キーが操作された際に、日付入力画面V1を表示して日付を入力させるようにしているが、テープ印刷装置1にカレンダ機能(日付記憶機能)を備えるようにすれば、都度日付を入力する必要がなくなる。
【0068】
上記実施形態では、テープTに文字列を印刷するための印刷方式として、サーマルヘッド15による熱転写方式を用いているが、この方式に限られず、インクジェット方式等、他の印刷方式を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】テープ印刷装置を示す斜視図。
【図2】テープ印刷装置を示す斜視図。
【図3】テープ印刷装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】家計簿プログラムに従ったCPUの動作を説明するためのフローチャート。
【図5】(a)〜(d)は、表示部の画面を示す説明図。
【図6】収入情報入力処理を説明するためのフローチャート。
【図7】支出情報入力処理を説明するためのフローチャート。
【図8】(a)、(b)は、表示部の画面を示す説明図。
【図9】印刷処理を説明するためのフローチャート。
【図10】印刷処理によって印刷がなされたテープを示す平面図。
【図11】テープ(ラベル)が貼り付けられた台紙を示す平面図。
【図12】(a)、(b)は、変形例に係る印刷後のテープを示す平面図。
【図13】(a)、(b)は、変形例に係るテープ(ラベル)が貼り付けられた台紙を示す平面図。
【図14】変形例に係る印刷後のテープを示す平面図。
【図15】変形例に係る印刷処理を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
1…テープ印刷装置、2…テープカートリッジ、10…筐体、11…キーボード、12…表示部、13…凹部、14…開閉蓋、15…サーマルヘッド、16…搬送機構、17…スリット、18…カッタユニット、19…識別センサ、20…カートリッジケース、21…ヘッド嵌合部、30…制御部、30a…バス、31…CPU、32…RAM、33…ROM、34…CGROM、35…入力インターフェイス、36…出力インターフェイス、41…表示駆動部、42…ヘッド駆動部、43…搬送駆動部、44…カッタ駆動部、PA…家計簿プログラム、BL…残高保存領域、T…テープ、R…インクリボン、L…ラベル、NT…台紙、V1…日付入力画面、V2…処理選択画面、V3…収入入力画面、V4…支出入力画面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープに印刷を行うテープ印刷装置であって、
収入金額及び支出金額が入力される入力操作部と、
前記入力操作部に入力された前記収入金額及び前記支出金額に基づいて収支計算を行う計算部と、
前記計算部による計算結果を、所定の書式に基づいて前記テープに印刷する印刷部と、
を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテープ印刷装置であって、
不揮発性の記憶装置で構成される記憶部をさらに備え、
前記計算部は、前記収支計算を行って残高を算出し、
前記記憶部は、前記計算部によって算出された残高を記憶することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のテープ印刷装置であって、
前記テープの幅を識別するテープ幅識別部と、
前記テープ幅識別部が識別した前記テープの幅に応じて、前記書式を切り換える制御部と、
をさらに備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープ印刷装置であって、
前記計算部は、前記収入金額が複数入力された場合の収入合計、前記支出金額が複数入力された場合の支出合計、及び残高を算出し、
前記印刷部は、前記収入合計、前記支出合計、及び前記残高を、前記テープの長手方向に沿って所定の順序に配列させて印刷することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項1】
テープに印刷を行うテープ印刷装置であって、
収入金額及び支出金額が入力される入力操作部と、
前記入力操作部に入力された前記収入金額及び前記支出金額に基づいて収支計算を行う計算部と、
前記計算部による計算結果を、所定の書式に基づいて前記テープに印刷する印刷部と、
を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載のテープ印刷装置であって、
不揮発性の記憶装置で構成される記憶部をさらに備え、
前記計算部は、前記収支計算を行って残高を算出し、
前記記憶部は、前記計算部によって算出された残高を記憶することを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のテープ印刷装置であって、
前記テープの幅を識別するテープ幅識別部と、
前記テープ幅識別部が識別した前記テープの幅に応じて、前記書式を切り換える制御部と、
をさらに備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープ印刷装置であって、
前記計算部は、前記収入金額が複数入力された場合の収入合計、前記支出金額が複数入力された場合の支出合計、及び残高を算出し、
前記印刷部は、前記収入合計、前記支出合計、及び前記残高を、前記テープの長手方向に沿って所定の順序に配列させて印刷することを特徴とするテープ印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−105264(P2010−105264A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279327(P2008−279327)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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